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T 5407:2010  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 分類······························································································································· 2 

5 材料······························································································································· 2 

5.1 作業部の材料 ················································································································ 2 

5.2 ハンドル部の材料 ·········································································································· 2 

6 要求事項························································································································· 2 

6.1 最大全長 ······················································································································ 2 

6.2 作業部のビッカース硬さ ································································································· 2 

6.3 表面仕上げ ··················································································································· 2 

6.4 オートクレーブ耐久性 ···································································································· 2 

6.5 耐食性及び耐熱性 ·········································································································· 2 

6.6 作業部とハンドル部との結合 ··························································································· 2 

6.7 中空ハンドルの空気漏出 ································································································· 3 

7 試験方法························································································································· 3 

7.1 目視試験 ······················································································································ 3 

7.2 ビッカース硬さ試験 ······································································································· 3 

7.3 オートクレーブ耐久性試験,耐食性試験及び耐熱性試験 ························································ 3 

7.4 作業部とハンドル部との結合に対する試験 ·········································································· 3 

7.5 中空ハンドルに対する空気漏出試験··················································································· 3 

8 表示······························································································································· 4 

9 添付文書························································································································· 4 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································· 5 

T 5407:2010  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本歯科器械工業

協同組合(JDMMA)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS T 5407:1979は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

T 5407:2010 

歯科用エレベータ−一般的要求事項 

Dentistry-elevators-General requirements 

序文 

この規格は,1999年に第1版として発行されたISO 15087-1を基に作成した日本工業規格であるが,薬

事法との整合などのため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,歯科で使用する金属製のエレベータ(以下,エレベータという。)の材料及び性能に関する

一般的要求事項について規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 15087-1:1999,Dental elevators−Part 1: General requirements(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 4303 ステンレス鋼棒 

JIS K 2265-4 引火点の求め方−第4部:クリーブランド開放法 

注記 対応国際規格:ISO 2592,Determination of flash and fire points−Cleveland open cup method

(MOD) 

JIS K 2283 原油及び石油製品−動粘度試験方法及び粘度指数算出方法 

注記 対応国際規格:ISO 3104,Petroleum products−Transparent and opaque liquids−Determination of 

kinematic viscosity and calculation of dynamic viscosity(MOD) 

JIS Z 2244 ビッカース硬さ試験−試験方法 

注記 対応国際規格:ISO 6507-1,Metallic materials−Vickers hardness test−Part 1: Test method(MOD) 

ISO 7153-1,Surgical instruments−Metallic materials−Part 1: Stainless steel 

ISO 13402,Surgical and dental hand instruments−Determination of resistance against autoclaving, corrosion 

and thermal exposure 

T 5407:2010  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

用語及び定義 

(この規格で定義する用語はないので,対応国際規格の規定を不採用とした。) 

分類 

エレベータは,作業部のビッカース硬さによって,次のとおり分類する。 

a) 第一類:480 HV 1以上600 HV 1未満 

b) 第二類:600 HV 1以上720 HV 1以下 

材料 

5.1 

作業部の材料 

作業部の材料は,JIS G 4303に規定するマルテンサイト系ステンレス鋼若しくはオーステナイト系ステ

ンレス鋼を用いるか,又はISO 7153-1に適合したグレードB,C,D及びRのマルテンサイト系ステンレ

ス鋼若しくはオーステナイト系ステンレス鋼を用いる。 

なお,これらを用いた製品と同等以上の品質が確保できる(箇条6を満たす)材料を用いてもよい。 

5.2 

ハンドル部の材料 

ハンドル部の材料は,箇条6に適合する材料を用いる。 

要求事項 

6.1 

最大全長 

エレベータの最大全長は,178 mmを超えてはならない。 

6.2 

作業部のビッカース硬さ 

作業部のビッカース硬さは,7.2によって測定したとき,第一類又は第二類の範囲内になければならない。 

6.3 

表面仕上げ 

6.3.1 

全表面 

健常視力でエレベータの全表面を目視試験(7.1)したとき,さび,きず,変色又は異物があってはなら

ない。 

6.3.2 

つや消し仕上げ 

つや消し仕上げをする場合,その表面は,均一で滑らかで,かつ,ぎらつきがあってはならない。 

6.3.3 

鏡面仕上げ 

鏡面仕上げをする場合,その表面は,研磨によって均一に仕上がっていなければならない。 

6.4 

オートクレーブ耐久性 

7.3 b) によって試験したとき,さび又は変色がなく,その外観に変化があってはならない。 

6.5 

耐食性及び耐熱性 

6.5.1 

作業部 

作業部は,7.3によって試験したとき,さび又は変色がなく,その外観に変化があってはならない。また,

試験後の作業部の硬さは,6.2に規定した範囲内になければならない。 

6.5.2 

ハンドル部 

ハンドル部は,7.3によって試験したとき,さび又は変色がなく,その外観に変化があってはならない。 

6.6 

作業部とハンドル部との結合 

あらかじめ7.1〜7.3によって試験した,エレベータの作業部とハンドル部との結合は,7.4によって試験

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

したとき,緩んではならない。 

6.7 

中空ハンドルの空気漏出 

7.5.1又は7.5.2によって試験したとき,器具のハンドル部から気泡が発生してはならない。 

試験方法 

7.1 

目視試験 

健常視力でエレベータの外観を観察する。 

7.2 

ビッカース硬さ試験 

作業部を,JIS Z 2244に規定する試験方法によって測定する。 

7.3 

オートクレーブ耐久性試験,耐食性試験及び耐熱性試験 

次によるか,又はISO 13402によってもよい。 

a) 沸騰水中に,エレベータを現品のまま浸して,30分間煮沸する。その後加熱を停止して,そのままの

状態で約1時間放置した後,エレベータを取り出し,空気中で室温になるまで放置する。この操作を

5回繰り返す。 

b) 高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)を用いて,蒸気温度132±2 ℃・蒸気圧0.2 MPaに設定し,30分

間高圧蒸気滅菌を行う。エレベータを高圧蒸気滅菌器から取り出し,空気中で室温になるまで放置す

る。この操作を5回繰り返す。 

注記 ISO 13402を用いて試験を行う場合,中空ハンドルをもつエレベータは,“煮沸試験”と“乾

熱滅菌器を使用する耐熱性試験”とを組み合わせて行うと,中空部に閉じ込められた水分が

膨張し,破裂する可能性があるため,注意が必要である。 

7.4 

作業部とハンドル部との結合に対する試験 

試験は,次による。 

a) 引張試験 作業部とハンドル部との結合部分に,ハンドルの中心線に平行な方向に,少なくとも5秒

間,1 000 Nの引張力を加える。 

b) トルク試験 作業部とハンドル部との結合部分に,少なくとも5秒間,500 N・cmのトルクを加える。 

7.5 

中空ハンドルに対する空気漏出試験 

7.5.1 

熱油試験 

7.5.1.1 

器具 

熱油試験には,次の器具及び軽油を使用する。 

a) 耐熱性容器 

b) 軽油 

(最低引火点がJIS K 2265-4に準拠した220 ℃で,公称動粘度がJIS K 2283に準拠した100 ℃で16.5 

mm2/s) 

7.5.1.2 

手順 

耐熱性容器中に軽油を入れ,180±5 ℃に加熱する。その後2分間,エレベータのハンドル部を完全に浸

せき(漬)させる。 

7.5.2 

超音波試験 

7.5.2.1 

器具 

超音波試験には,次の器具を使用する。 

a) 超音波洗浄装置 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 金網製バスケット 

7.5.2.2 

手順 

手順は,次による。 

a) バスケット中にエレベータを一列に並べる。そのバスケットを,40±2 ℃の温水を張った超音波洗浄

装置の中に入れる。手で慎重にバスケットを揺らしながら,ハンドル部の外観を観察する。 

この時点で,ハンドル面から直ちに気泡が発生する場合は,ハンドル部に大きなピンホールが存在

する。 

b) バスケットを静かに底まで沈めて3分間放置し,ハンドル面から気泡が発生するかどうか,再び観察

する。 

注記 長時間経過すると,ハンドル表面に水中の溶存空気から生じた気泡が付着することがある。

その気泡は無視する。 

c) 続いて,超音波洗浄装置を作動させた70±2 ℃の温水中に,バスケットを5分間入れる。表面に付着

したすべての気泡は,超音波振動によって取り除かれる。その後,気泡の発生が観察される場合は,

微小ピンホールがハンドル部に存在する。 

表示 

エレベータの本体又は包装には,次の事項を表示しなければならない。 

a) 種類又は形式(種類又は形式がある場合) 

b) 法定表示事項 

添付文書 

法的添付文書には,ビッカース硬さによる分類を表示する。 

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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 5407:2010 歯科用エレベータ−一般的要求事項 

ISO 15087-1:1999 Dental elevators−Part 1: General requirements 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 

この規格で用いる
用語及び定義 

ISO 1942-3による。 

削除 

不採用とした。 

この規格では,ISO 1942-3で定義す
る用語は使用されていないため。 

5 材料 

5.1 作業部の材料 

5.1 

JISにほぼ同じ。 

追加 

JIS G 4303を追加した。 

この規格の使用者の利便性を考慮し
た。 

6 要求事
項 

6.2 作業部のビッカ
ース硬さ 

6.2 

JISに同じ。 

変更 

試験方法を,7.2に移行した。 構成上の変更。 

技術的差異はない。 

6.5 耐食性及び耐熱
性 

6.5 
6.5.1 
6.5.2 
6.6 

耐食性 
作業部 
ハンドル部 
耐熱性 

変更 

7.3で“オートクレーブ耐久性
試験,耐食性試験及び耐熱性試
験”としたため,表現をまとめ
た。 

構成上の変更。 
技術的差異はない。 

7 試験方
法 

7.1 目視試験 

6.3.1 

変更 

JISでは品質要求事項と試験方
法の事項とを分けて規定した。 

構成上の変更。 
技術的差異はない。 

7.2 ビッカース硬さ
試験 

6.2 

変更 

JISでは品質要求事項と試験方
法の事項とを分けて規定した。 

構成上の変更。 
技術的差異はない。 

7.3 オートクレーブ
耐久性試験,耐食性
試験及び耐熱性試
験 

7.2 

ISO 13402による。 

選択 

JISではオートクレーブ耐久性
試験,耐食性試験及び耐熱性試
験について,ISO規格と異なる
試験方法も採用している。ISO 
13402の試験方法(ISO 15087-1
の7.2及び7.3)と選択できる
ものとした。 

ISO 13402で規定している乾熱試験
方法,高圧蒸気滅菌の温度条件など
は我が国では一般的でないため。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

8 表示 

エレベータの本体
又は包装に表示す
る事項 

エレベータ本体に表示す
る事項。 

変更 

ISO規格ではエレベータ本体
に表示としているが,JISでは
本体又は包装に表示すること
とした。 

薬事法では,クラスⅠ医療機器に該
当するエレベータに対し,本体又は
包装へ表示することになっているた
め。 

9 添付文
書 

法的添付文書にビ
ッカース硬さによ
る分類を表示する
事項 

− 

− 

追加 

法的添付文書にビッカース硬
さによる分類を表示すること
とした。 

薬事法では,クラスⅠ医療機器に該
当するエレベータに対し,法的添付
文書への表示が義務付けられている
ため。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 15087-1:1999,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 
  − 選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

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