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日本工業規格

                    JIS

 T

5109

-1979

歯科用電気エンジン

Electric Dental Engines

1.

適用範囲  この規格は,歯科の治療及び技工に使用する電気エンジン(以下,エンジンという。)につ

いて規定する。

引用規格: 

JIS C 1502

  普通騒音計

JIS C 3302

  600V ゴム絶縁ゴムキャブタイヤケーブル

JIS C 3306

  器具用ビニルコード

JIS C 3312

  600V ビニル絶縁ビニルキャブタイヤケーブル

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS T 5105

  歯科用電気エンジン用 K

4

滑車

JIS T 5106

  歯科用電気エンジン用ベルト

JIS Z 8731

  騒音レベル測定方法

2.

用語の意味  この規格に用いる用語の意味は,次による。

(1)

歯科用電気エンジン  歯科用電気エンジンとは,電動機,抵抗器,制御器,ベルトアーム及びベルト

から構成されたものをいう。

(2)

電動機の正方向回転  電動機の正方向回転とは,ハンドピースを運転させた場合,ハンドピースがベ

ルト側から見て時計回りの回転をいう。

(3)

エンジンの回転速度  エンジンの回転速度とは,JIS T 5106(歯科用電気エンジン用ベルト)に規定

する電気エンジン用ベルトを用い,歯科用ハンドピースを運転した場合の電動機の回転速度をいう。

3.

種類  エンジンの種類は,電動機の取付形式により表 のとおりとする。

なお,標準最高回転速度により

表 のとおり区分する。

3.1

取付形式による種類

表 1  種類

種類

摘要

内装形

歯科用ユニットの内部に取り付けるもの

ユニット外装形

スタンド取付形

外装形

ブラケットアーム取付形


2

T 5109-1979

3.2

標準最高回転速度及び最大入力

表 2  回転速度及び最大入力

標準最高回転速度

rpm

最低回転速度

rpm

最大入力  VA

7 000

2 000

以下 250 以下

10 000

2 000

以下 300 以下

備考  最大入力とは,定格電源電圧及び周波数のもとで制御器を初

段の位置に入れて電動機を正方向に回転させた場合の皮相電
力をいう。

4.

電源

4.1

定格電源電圧及び周波数  定格電流電圧は,単相交流 100V とし,周波数は 50Hz 又は 60Hz とする。

ただし,輸出品の場合はこの限りでない。

4.2

電源電圧の変化  エンジンは,電源電圧が定格電圧の±10%変化しても,実用上差し支えなく使え

るものでなければならない。

備考  実用上差し支えないとは,安定な運転を持続し,整流作用に著しい影響を与えることがなく,

エンジンの寿命を著しく短縮する状態に至らないことをいう。この場合,温度上昇,回転速度

などは,規格値又は保証値に必ずしも従わなくてもよい。

5.

品質

5.1

回転速度  8.2.1 の試験方法で試験したとき,最高回転速度の偏差は±10%であり,最低回転速度は,

表 の規定に適合しなければならない。

5.2

耐過速度  8.2.2 の試験方法で試験したとき,異状があってはならない。

5.3

温度上昇  8.3 の試験方法で試験したとき,表 に適合しなければならない。

表 3  温度上昇

抵抗器

電動機

箱に入れた場合

ほうろう引抵
抗器の場合

制御器

測定箇所

外わく

軸受

ふたの上面

抵抗器表面

外わく

温度上昇 40℃以下 40℃以下 50℃以下 100℃以下 50℃以下

5.4

急停止線路電流  急停止線路電流は,8.4 の試験方法で試験したとき,表 のとおりでなければなら

ない。

表 4  急停止線路電流

標準最高回転速度

rpm

急停止線路電流

A

7 000

6

以下

10 000

7

以下

5.5

絶縁抵抗  絶縁抵抗は,8.5 の試験方法で試験したとき,次の各号についていずれも 20M

Ω以上でな

ければならない。

(1)

電動機の外わくと充電部端子の間の絶縁抵抗

(2)

抵抗器の外わく又は取付け金具と充電部端子の間の絶縁抵抗

(3)

制御器外わくと充電部端子の間の絶縁抵抗


3

T 5109-1979

(4)

ベルトアームのかん(桿)の電気的絶縁部分の絶縁抵抗

5.6

耐電圧  5.5 の各号について 8.6 の試験方法で試験したとき,異状があってはならない。

5.7

電機子の動つりあい  電機子の動つりあいの偏重心距離は 8.7 の試験方法で試験したとき,2

µm 以

内でなければならない。

5.8

騒音  8.8 の試験方法で試験したとき,騒音は 50 ホン以下でなければならない。

5.9

起動性能  電動機の起動性能は,8.9 の試験方法で試験したとき,表 のとおりでなければならない。

表 5  電動機の起動性能

標準最高回転速度

rpm

定常回転に達するまでの所要時間

s

7 000

  7

以下

10 000

10

以下

6.

構造  エンジンは,電動機,抵抗器,制御器,ベルトアーム及びベルトから構成され,各部は次のと

おりとする。

6.1

電動機  電動機は,単相交流用直巻整流子電動機(以下,電動機という。)であって,次の各号に適

合しなければならない。

(1)

電動機は,どのような位置に置いても円滑に回転し,油が飛散したり漏れたりしないこと。

(2)

整流の状態が良好で,ブラシの取替えが容易であること。

(3)

外わくの材質は,金属を使用すること。

(4)

軸端には,軸のスラストの調整が容易にできる装置を施すこと。

(5)

電動機の外面には塗装を施すこと。

(6)

金属部にはアース端子又はアース線を取り付け,接地できる構造とすること。

(7)

外装形用電動機は,全閉形電動機とすること。

(8)

外装形用電動機の引出線は,JIS C 3302(600V  ゴム絶縁ゴムキャブタイヤケーブル)に規定する 2

種ゴム絶縁ゴムキャブタイヤケーブルの 4×0.75mm

2

JIS C 3312(600V  ビニル絶縁ビニルキャブタ

イヤケーブル)に規定する 4×0.75mm

2

又はこれらと同等以上の電気容量のものを用い,有効長さは

1m

以上とする。ただし,アース線はこの限りでない。

備考  ここに有効長さとは,コードの露出している部分の長さをいう。

(9)

ユニット内装形用電動機の引出線は,JIS C 3302 に規定する 2 種ゴム絶縁ゴムキャブタイヤケーブル

0.75mm

2

JIS C 3312 に規定する 0.75mm

2

JIS C 3306(器具用ビニルコード)に規定する 0.75mm

2

はこれらと同等以上の電気容量のものを用い,ユニット内で配電盤に配線する。ただし,アース線は

この限りでない。

6.2

抵抗器  抵抗器は,電動機の電機子に並列に接続するものであって,次の各号に適合しなければな

らない。

(1)

抵抗器は,鋳物又は JIS G 3101(一般構造用圧延鋼材)に規定する 2 種鋼板 (SS41) を使用した箱内

に納め,塗装する。

(2)

抵抗線は,銅ニッケル合金線又はこれと同等以上の性能をもつものを使用すること。ただし,歯科用

ユニット又は歯科用電気エンジン用スタンドに内装するものにあっては,ほうろう引抵抗体を使用し

てもよい。

(3)

外部に露出して取り付けるものは箱のふたに 2 個の端子を取り付けられる構造とし,充電部が露出し


4

T 5109-1979

てはならない。

(4)

適当な金属部にアース端子又はアース線を取り付け,接地できる構造とすること。

6.3

制御器  制御器は,電動機の回転速度の調整,回転方向の転換及び急停止などに使用するもので,

次の各号に適合しなければならない。

(1)

制御器は,良質の材料を使い,丈夫で,金属部にはニッケルめっき,クロムめっき又は塗装を施し,

底面には適当な形状のゴム円板を取り付け,フットレバーを動かしても床面をすべるようなことがな

く安定を保つものであること。

(2)

抵抗線は,銅ニッケル合金線又はこれと同等以上の性能をもつものを使用すること。

(3)

胴体の両側に突出するフットレバーは,足によって動かすものであって,これを反時計回りに動かし

た場合に電動機を正方向に回転させるもので,レバーの位置によって回転速度がほぼ等分に 4 段階に

調整することができること。

また,レバーを時計回りに動かした場合には電動機を逆方向回転させるもので,レバーの位置によ

り回転速度をほぼ等分に 3 段階又は 4 段階に調整することができること。

(4)

制御器又はユニットには,電動機の回転速度調整を密にするための切替えレバーを付けることができ

る。

(5)

制御器上面にある 2 個の円筒形の押ボタンは,引出線に接近したものは逆回転用に,また他の一つは

正回転用に使用するものであって,そのどちらかを圧下することによって,任意の位置にあるフット

レバーを電気回路をしゃ断する原位置へ,急速かつ自動的に復帰させる構造とする。

(6)  (5)

の押ボタンを圧下して時計回りの方向に回して押ボタンを固定した場合は,自動的に回転調整用カ

ムを内方へ移動固定させることができる。

この場合,任意の位置にあるフットレバーを急速かつ自動的に電気回路をしゃ断する原位置にもど

らせる構造とする。

(7)  (5)

及び(6)においてフットレバーが急速かつ自動的にもどるとき電機子は短絡され,電動機は急停止す

る構造とする。

(8)

ノッチ取付板は,適当な厚さをもつスレート,合成樹脂又は磁器を使用すること。

(9)

ノッチ可動接触片は,自由に回転し傾斜することができて,常にノッチ取付板の接点に適当な接触圧

で接触していること。

(10)

引出線は,JIS C 3302 に規定する 2 種ゴム絶縁ゴムキャブタイヤケーブルの 4×0.75mm

2

JIS C 3312

に規定する 4×0.75mm

2

又はこれらと同等以上の電気容量のものを用い,有効長さ 1.7m 以上のものを

取り付けること。ただし,アース線はこの限りでない。

(11)

適当な金属部にアース端子又はアース線を取り付け,アースできる構造とする。

6.4

ベルトアーム  ベルトアームは,電動機からハンドピースへ回転力を伝えるベルトを案内するもの

で,次の各号に適合しなければならない。

(1)

良質の材料を使い,3 個又は 4 個のかん(桿)と 2 個又は 3 個の関節とからなり,その中の 1 個のか

ん(桿)にはベルトの張力を加減するため,歯車又はねじによって長さを 100mm 以上調節できる装

置を付ける。

(2)  (1)

のかん(桿)には適当な方法によって電気的絶縁を施し,その前後の金属を絶縁する。

(3)

各関節は,折り曲げ及び 180°まで回転が自由にできる構造で,折り曲げ及び回転によってベルトが

外れたり,ベルトの張力が著しく変わるものであってはならない。

(4)

各関節ごとに,ベルトを案内するために表面が滑らかで,軸受部の潤滑が良好な滑車を付けること。


5

T 5109-1979

また,滑車にはベルトの脱出や油の飛散を防止するためのベルトカバーを取り付けること。

(5)

かん(桿)にはハンドピース用掛金を備えること。

(6)  JIS T 5105

(歯科用電気エンジン用 K

4

滑車)に規定された滑車に接続する部分の形状及び寸法は,

1

のとおりとする。

図 1

6.5

ベルト  ベルトは,JIS T 5106 に規定するベルトを使用する。

6.6

標準放送受信障害防止  エンジンには受信障害防止器又は受信障害防止回路を設けなければならな

い。

7.

試験

7.1

試験の種類  試験の種類は,次のとおりとする。

(1)

形式試験(品質の良否を判定するための試験)

(2)

受渡し試験(受渡しを決定するための試験)

7.2

形式試験  形式試験は,同一の試験品について行い,次の試験に合格しなければならない。

(1)

構造検査

(2)

回転試験

(a)

速度試験

(b)

過速度試験

(3)

温度試験

(4)

急停止線路電流試験

(5)

絶縁抵抗試験

(6)

耐電圧試験

(7)

動つりあい試験

(8)

騒音試験

(9)

起動性能試験

7.3

受渡し試験  受渡し試験は,同一の試験品について行い,次の試験に合格しなければならない。

(1)

構造検査

(2)

回転試験

(a)

速度試験

(b)

過速度試験

(3)

絶縁抵抗試験


6

T 5109-1979

(4)

耐電圧試験

8.

試験方法  試験方法は,8.18.9 により常温・常湿のもとで行う。この場合のベルトの張り方はベル

トアームを水平にし,片側のベルトの中央部に質量 20g のおもりをつるし,ベルトがその位置から 14mm

下がるようにする。

8.1

構造検査  6.構造について調べる。

8.2

回転試験

8.2.1

回転速度試験  回転速度試験は,電動機の最高及び最低回転速度を適当な回転計を用いて測定し,

最高回転速度にあっては,次の式により回転速度の偏差を求める。

(%)

100

×

=

呼称回転速度

呼称回転速度

電動機の回転速度

回転速度の偏差

8.2.2

過速度試験  電動機の過速度試験は,呼称回転数の 30%増しの過速度で 1 分間運転する。

8.3

温度上昇試験  温度上昇試験は,なるべく無風の状態で表面温度計により行う。温度上昇は最大入

力で 1 時間連続運転し,電動機の運転中並びに運転停止後において達せられる最高温度と周囲温度(

1

)

との

差をもって表す。

(

1

)

周囲温度決定法  周囲温度は,試験される測定箇所から1∼2m 離れたところで一定時間ごとに

測定し,もし試験中に温度に変化のある場合は,全試験時間中最後の

4

1

時間における温度の平均

をとる。

8.4

急停止線路電流試験  急停止線路電流試験は,入力端子に定格電圧及び定格周波数を印加し,電動

機のブラシ間を短絡したときの入力線路電流を測定する。

8.5(

2

絶縁抵抗試験  500V の絶縁抵抗計で測定する。

8.6(

2

耐電圧試験  50Hz 又は 60Hz の正弦波に近い電源を用いて電圧を徐々に上げ,1 000V に達した後 1

分間印加する。

(

2

)

  8.5

8.6の試験は,受信障害防止器を取り外しか又は受信障害防止回路をしゃ断して行わなけれ

ばならない。

8.7

動つりあい試験  電機子の動つりあい試験は,動つりあい試験機により行う。

8.8

騒音試験  防音室内において 1m の距離で JIS C 1502(普通騒音計)に規定された騒音計を用い JIS 

Z 8731

(騒音レベル測定方法)により測定する。

8.9

起動性能試験  起動性能試験は,電動機軸端に図 に示す黄銅製の試験はずみ車を取り付け,起動

から標準最高回転速度に達する時間を測定する。


7

T 5109-1979

図 2  試験はずみ車

9.

製品の呼び方  製品の呼び方は,名称及び種類による。

例: 歯科用電気エンジン外装形

10.

銘板表示  電動機及び制御器には見やすいところに,次の事項を記入した銘板を取り付けなければな

らない。

ただし,輸出品の場合はこの限りでない。

(1)

品名

例:電動機の場合:歯科用電気エンジン用電動機

制御器の場合:歯科用電気エンジン用制御器

(2)

最大入力 (VA)

(3)

定格電圧 (V)

(4)

定格周波数 (Hz)

(5)

回転速度(

表 による最高回転速度を表示する。ただし,制御器には表示しなくてもよい。)

(6)

製造年月又は製造番号

(7)

製造業者名又はその略号


8

T 5109-1979

医療安全用具部会  歯科用電動機専門委員会  構成表(昭和 46 年 3 月 1 日改正のとき)

氏名

所属

(委員会長)

村  松  篤  良

東京医科歯科大学医用機材研究所

中  川      隆

工業技術院標準部

山  高  章  夫

厚生省薬務局薬事課

堀  部      隆

国立衛生試験所

竹  内      勝

医療機材コンサルタント

寺  島      護

株式会社吉田製作所

長谷川  俊  夫

株式会社森田製作所

長  田  幸  雄

株式会社長田歯科電機製作所

鈴  木  貞  雄

東京エンジン工業株式会社

池  田  忠一郎

日本歯科器械工業協同組合

杉  山  不  二

東京歯科大学

清  水  静  雄

日本歯科大学

中  沢      勇

東京医科歯科大学

尾  形  利  二

日本大学歯学部

野  村  順之助

日本歯科医師会

(事務局)

浅  井      功

工業技術院標準部電気規格課

穐  山  貞  治

工業技術院標準部電気規格課

(事務局)

山  田  隆  三

工業技術院標準部電気規格課(昭和 54 年 5 月 12 日改正のとき)

高  橋      潔

工業技術院標準部電気規格課(昭和 54 年 5 月 12 日改正のとき)