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T 4206

:2014

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  種類 

2

5

  材料 

3

5.1

  ガラス  

3

5.2

  感温液  

3

5.3

  目盛板  

3

6

  性能 

3

6.1

  最大許容誤差  

3

6.2

  目盛  

4

6.3

  機構  

4

6.4

  留点のかたさ  

4

6.5

  零点示度変化量  

4

7

  試験 

4

7.1

  器差試験  

4

7.2

  アルカリ溶出試験  

5

7.3

  振り下げ試験  

6

7.4

  零点示度変化量試験  

6

8

  検査 

7

9

  表示 

7

9.1

  体温計本体  

7

9.2

  包装  

7

10

  附属文書  

7

10.1

  一般事項  

7

10.2

  記載項目  

7

附属書 JA(規定)計量法におけるガラス製体温計の要求事項  

9

附属書 JB(規定)検定  

12

附属書 JC(規定)使用中検査  

14

附属書 JD(参考)感温液に水銀を用いた体温計の取扱い  

15

附属書 JE(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

16


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まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大

臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS T 4206:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

4206

:2014

ガラス製体温計

Clinical glass thermometers with maximum device

序文 

この規格は,1979 年版として発行された OIML R7 を基とし,我が国の生産・使用実態に合わせるため,

技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

この規格の

附属書 JA∼附属書 JC には,計量法第 57 条に基づく譲渡等制限がある特定計量器であるガ

ラス製体温計として要求される要件のうち,構造及び性能に係る技術上の基準並びに検定の方法等につい

て規定するが,これらの附属書の適合だけをもって計量法で定める検定に合格したことにはならない。さ

らに,

附属書 JD には,水銀の取扱いについて記載した。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JE に示す。

適用範囲 

この規格は,人の体温を測定するガラス製体温計(以下,体温計という。

)について規定する。この規格

は,次の機能及び構造をもつ体温計に適用する。

a)

留点付で感温液に水銀又は水銀以外の液体金属が封入されているもの。

b)

温度の計量単位がセルシウス度(℃)のもの。

なお,

計量法上の特定計量器であるガラス製体温計に対する要求事項は,

附属書 JA∼附属書 JC による。

警告  この規格に基づいて試験を行う場合は,通常の実験室の作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置を取らなければな

らない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

OIML R7:1979

,Clinical thermometers (mercury-in-glass, with maximum device)(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1604

  測温抵抗体

JIS Z 8103

  計測用語


2

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用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Z 8103 によるほか,次による。

3.1 

留点 

温度が下降しても,水銀糸が計られた最高温度の位置に保たれるよう毛細管の一部を狭くした部分。

3.2 

毛細管 

封入された感温液が上昇又は下降する細い管。

3.3 

水銀糸 

毛細管内の感温液。

注記  体温計における感温液は,従来は水銀が使用されることが多く,その経緯によって水銀糸と呼

ばれている。

3.4 

水銀切れ 

気泡などによって,水銀糸が切れて不連続になっている状態。

3.5 

目幅 

相隣る目盛線の中心間隔。

3.6 

目量 

目幅に対応する測定量の大きさ。一目の読みともいう。

3.7 

OV

 

医療分野で使われる基礎体温の基本的な指標で 35.5  ℃∼38  ℃を 50 等分(0∼50 ov)した値(Ovulation

index

排卵指示値)

種類 

体温計の種類は,構造,用途及び感温液によって分類し,

表 1,表 及び表 による。

表 1−構造による種類 

種類

構造

平形

毛細管及び目盛板を外管に封入したもの(

図 参照)。

棒状

毛細管に直接目盛を付けたもの(

図 参照)。

表 2−用途による種類 

種類

用途

一般用

通常目的の体温測定に使用する。

婦人用

婦人の基礎体温の測定に使用する。


3

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表 3−感温液による分類 

種類

記号

説明

水銀

毛細管内に感温液として水銀が封入されているもの。

水銀以外 NM

a)

又は

MF

b)

毛細管内に感温液として水銀以外の合金の液体金属が封入

されているもの。

a)

 NM

は,

“No Mercury”の略語である。

b)

 MF

は,

“Mercury Free”の略語である。

図 1−平形 

図 2−棒状 

材料 

5.1 

ガラス 

ガラスは,次による。

a)

経年変化をしにくい材料を使用しなければならない。

b)  7.2

によって試験したとき,ガラスの粉末試料 2.5 g につき,アルカリ溶出量が 0.7 mg 以下の材料を使

用しなければならない。

5.2 

感温液 

体温計として正しい機能が確保できないような不純物

1)

を含有してはならない。

1)

感温液が合金の場合には,混合を意図しない金属をいう。

5.3 

目盛板 

材質は,安定した,変化の少ない材質でなければならない。

性能  

6.1 

最大許容誤差 

最大許容誤差は,7.1 の器差試験を行ったとき,一般用では±0.1  ℃,婦人用では±0.05  ℃とする。


4

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6.2 

目盛 

目盛は,次による。

a)

目盛は,その中心によって温度を示すように目盛られていなければならない。

b)

測温範囲は,一般用では 35  ℃∼42  ℃まで,婦人用では 35.5  ℃∼38  ℃までを含まなければならない。

c)

目量は,一般用では 0.1  ℃,婦人用では 0.05  ℃でなければならない。

d)

目幅は,0.5 mm 以上でなければならない。

e)

目盛線の太さは,

目幅の 1/3 を超えてはならない。

ただし,

一般用では 0.5  ℃の倍数,

婦人用では 0.25  ℃

の倍数を表す目盛線については,目幅の 1/2 以下としてもよい。

f)

目盛線は,体温計の管軸に対して直角でなければならない。

g)

主な目盛線には,それが表す温度又はその数値を表記する。婦人用では,OV 値(排卵指示値)を併

記してもよい。

h)

相互に対応する目盛線の長さ及び太さは,均一にする。ただし,目盛線の長さは,一般用では 0.5  ℃

の倍数,婦人用では 0.25  ℃の倍数を表す目盛線にあっては,他の目盛線より長くしてもよい。

i)

目盛線は,感温液の最上部による示度によって,目盛らなければならない。

6.3 

機構 

機構は,次による。

a)

目盛線,文字などの表示は,鮮明で誤認のおそれがなく,容易に消滅してはならない。

b)

留点部を除き,水銀切れを生じてはならない。

c)

測温範囲内では,水銀糸及び目盛線が明瞭に見え,かつ,同一視野内で示度の視定ができなければな

らない。

d)

毛細管には,示度の誤認,水銀切れ又は器差の変化を生じるおそれがある欠点(内壁の汚れ,水分,

ちり,気泡の混入など)があってはならない。

e)

球部,毛細管及び外管には,通常の使用状態で破損するおそれがある不完全な継ぎ目,気泡,すじ,

きず,ひずみなどがあってはならない。

f)

形状は,直線上でなければならない。

g)

毛細管に二本以上の孔があって感温液がその二本以上の孔に入っているものであってはならない。

h)

平形体温計は,毛細管と目盛板との位置関係が容易に変化してはならない。

i)

体温計の端部は,滑らかな丸みをもち使用時に皮膚を傷つけてはならない。

6.4 

留点のかたさ 

体温計を 37  ℃以上最大目盛までの任意の温度にした後,常温に放置し,体温計本体が常温になってか

ら 7.3 の振り下げ試験を行ったとき,水銀糸が最小目盛以下に下がらなければならない。

6.5 

零点示度変化量 

7.4

に規定する零点示度変化量試験を行ったとき,その零点示度変化量が 0.07  ℃を超えてはならない。

試験 

7.1 

器差試験 

7.1.1 

器差試験の条件 

器差試験の条件は,次による。

a) 

器差試験を行う目盛標識  次によって,低温から高温へと順次行う。

1)

測温範囲の最高温度を表す目盛標識


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2)

測温範囲の最低温度を表す目盛標識

3) 37

℃付近又は 1)2)  の温度範囲の任意の 1 点以上の目盛標識

なお,1)  及び/又は 2)  で試験を行うことが困難な場合は,できるだけそれに近い目盛標識で行う。

b) 

標準温度計  次のいずれかを用いる。

1)

計量法第 103 条第 1 項の規定によって基準器検査に合格し,かつ,有効期間にある基準ガラス製温

度計。

2)  JIS C 1604

に基づく測温抵抗体,サーミスタ温度計及びガラス製温度計のうち,計量法第 144 条第

1

項の登録事業者が特定標準器による校正をされたもの又はこれに連鎖して段階的に温度計の校正

をされたものを用いて定期的に校正をされたものであって精度±0.02  ℃のもの又はこれと同等以

上のもの。

c) 

試験槽  試験槽は,水温槽を用い,水温槽の温度が一定に保持できる状態又は極めて徐々に上昇する

状態で,かつ,水温槽内部の温度が常に均一になるように水をかくはんしながら行う。

注記  水温槽は,JIS B 7411-1 の 8.1.2 に規定する±0.02  ℃以内の温度分布の性能をもつことが望ま

しい。

7.1.2 

器差試験の方法 

器差試験の方法は,次による。

a)

試験は,同一の水温槽に 60 秒間以上浸せきした試験体温計と標準温度計との示度を比較することによ

って行い,試験体温計の示度から標準温度計の示度を減じて器差を求める。ただし,標準温度計に器

差があるときは,補正を行う。

b)

試験すべき温度を標準温度計の表す目盛線の位置まで同一の温度とした状態で行う。ただし,試験槽

の構造及びその他のやむを得ない事由によって,目盛線の位置まで同一の温度とすることができない

ときは,7.1.3 による補正値を加える。

c)

試験体温計の示度の視定は,試験体温計を水温槽から取り出した後,速やかに目盛面に対して視線が

垂直になる位置からの最上部を視定して行う。

7.1.3 

試験温度の補正 

温度の補正値は,次の式によって算出する。

(

)

K

t

T

n

C

1

ここに,

C

1

補正値(℃)

n

露出部(試験を行う目盛線とそれに対応する温度に保持する
箇所との間の部分をいう。

)の長さをその目盛面における

1

℃に相当する長さで除した値

T

試験槽の温度(℃)

t

露出部の平均温度(℃)

K

ガラスに対する感温液の見掛けの膨張係数(感温液が水銀の
場合は,

K

1/6 300

を用いることができる。

7.2 

アルカリ溶出試験 

アルカリ溶出試験は,棒状体温計の球部及び棒部,並びに平形体温計にあっては,毛細管のガラス又は

それと同一の材質をもつ部分のガラスについて行い,次による。

a) 

試料

  ガラス片を鉄製又はめのう製の乳鉢によって粉砕したガラス粉末(目の開きが

0.4 mm

の標準

網ふるいを通り,

0.3 mm

の標準網ふるいを通らないガラス粉末に限る。

)であって,温度

15

℃以下

において濃度が体積分率

99 %

以上のエチルアルコールで

3

回洗浄した後,温度

105

℃以上で乾燥し


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たものを

2.5 g

使用する。

b) 

試験装置

  試験装置は,

図 3

による石英ガラス又はパイレックス級ガラスで作った還流冷却器付きフ

ラスコを使用する。

単位  mm

図 3

アルカリ溶出試験装置 

c) 

試験手順

  試験手順は,次による。

1)

蒸留水をあらかじめ

5

分間以上沸騰させた後,

沸騰した蒸留水

50 cm

3

と試料とをフラスコに入れる。

2)

そのフラスコを,沸騰している水の中に入れて,還流冷却をしながら

1

時間保持する。

3)  1

時間経過後フラスコを,流水に入れて中の内容液が常温に戻るまで冷却する。

4)

フェノールフタレンの混合率が

0.2 %

のアルコール溶液を指示薬として常温に戻ったフラスコ内の

内溶液を

1 m

3

中に

10 mol

の量の塩酸の水溶液で滴定する。

d) 

算出方法

  塩酸消費量を立法センチメートル(

cm

3

)で表した値に

0.31

を乗じて得たミリグラム(

mg

で表した酸化ナトリウムの相当量をアルカリ溶出量とする。

7.3 

振り下げ試験 

振り下げ試験は,遠心機などによって球部の底部に約

600 m/s

2

の大きさの加速度を加える。

7.4 

零点示度変化量試験 

零点示度変化量試験は,次による。

a) 

試験用ガラス製温度計

  次の

1)

3)

の構造及び

4)

の性能に適合するガラス温度計を作る。

1)

試験をする体温計に使用されている材料と同一の材料を用いて,

400

℃以上の温度に耐えるもの。

ただし,感温液には水銀を用いることができる。

2)

3

℃∼

3

℃までの範囲の温度を表す目盛線が目盛られ,目量が

0.02

℃,

0.05

℃又は

0.1

℃のも


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の。

3)

目幅が棒状のものにあっては

1.0 mm

以上,平形のものにあっては

0.7 mm

以上のもの。

4)

試験用ガラス製温度計を

350

℃以上の温度に

5

分間保持した後,

50

℃以下まで冷却してから

0

の目盛線における器差試験を行ったときの器差と,その直後,再び

350

℃以上の温度に

24

時間保

持した後,

50

℃以下まで冷却してから

0

℃の目盛線における器差試験を行ったときの器差との差

0.15

℃以下のもの。ここで,

350

℃からの冷却速度は,

10

/h

15

/h

とする。

b) 

試験手順

  試験手順は,次による。

なお,この試験において冷却中その球部は,ほかのものと接触させてはならない。

1)  a)

で作成した試験用ガラス製温度計を一週間常温に放置した後,

0

℃の目盛線における器差試験を

行う。

2) 100

℃の温度に

30

分間保持した後,空気中で冷却し,

15

分以内に

0

℃の目盛線における器差試験

を行う。

c) 

算出方法

b)

1)

及び

2)

の器差試験で求めた器差の差を零点示度変化量とする。

検査 

検査は,材料及び性能について行い,箇条

5

及び箇条

6

の規定に適合しなければならない。

表示 

9.1 

体温計本体 

体温計本体には,次の事項を表示する。

a)

製造業者名若しくは販売業者名又はそれらの略号

b)

温度の計量単位セルシウス度(℃)

c)

体温計であることが識別できる標識

d)

感温液の種類又はその略号。ただし,感温液が水銀の場合は除く。

なお,水銀以外の液体金属の場合は,

NM

又は

MF

の略号を用いてもよい。

9.2 

包装 

包装には,次の事項を表示する。

a)

製造業者名

b)

婦人用の場合には,その旨表示する。

c)

感温液の種類又はその略号。

10 

附属文書 

10.1 

一般事項 

体温計には,法律で規定された文書又は取扱説明書並びにそれに準じる文書を添付又は表示しなければ

ならない。

10.2 

記載項目 

記載項目は分かりやすい表現で,できる限り次の全項目を記載するが,記載すべき項目がない場合は項

目名を含めて省略してもよい。

a)

作成又は改訂年月日

b)

法律で定められた必要事項


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c)

販売名,略称・愛称など,製品を特定する場合に使用者を混乱させるおそれがある名称は記載しない。

d)

警告の記載事項は,赤枠内に項目名を含めて赤字で記載する。

e)

禁忌・禁止,体温計の設計限界又は不適正使用など,責任範囲を超える対象及び使用方法を記載する,

赤枠内に項目名を含めて記載するが,文字は赤色を使用しない。

f)

形状・構造・感温液など

g)

性能,使用目的,効能又は効果

h)

保証された測定精度

i)

測温範囲

j)

婦人用体温計においては,

OV

値などの説明

k)

操作方法又は使用方法など

l)

体温の測定に当たって,検温に必要な時間及び正しい測定方法

m)

使用上の注意

n)

不具合・有害事象

o)

貯蔵・保管方法及び使用期間

p)

保管条件

1)

感温液が膨張して破損するおそれのある温度,一般用は

42

℃,婦人用は

38

℃以上になる場所に置

かない。

2)

暖房器具の近く及び直射日光が当たる場所に置かない。

q)

取扱上の注意

1)

保守・点検に関わる事項,滅菌条件など再使用のために必要な措置に関わる事項を記載する。

2)

清掃,洗浄,消毒及び滅菌方法に関する注意事項。

r)

包装は,包装単位を記載する。複数の包装単位が存在する場合には,製品ごとに整理して全てを記載

する。

s)

主要文献及び文献請求先は,各項目の記載の裏付けとなる主要文献を記載する。文献請求先にあって

は,その氏名又は名称,住所及び電話番号を記載する。

t)

製造業者名又は輸入販売業者名若しくはその名称,及び住所。


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附属書 JA

(規定)

計量法におけるガラス製体温計の要求事項

JA.1 

適用範囲 

この附属書は,箇条

1

のうち,計量法におけるガラス製体温計の構造及び性能に係る技術上の基準並び

に検定の方法等について規定する。

JA.2 

用語及び定義 

この附属書で用いる主な用語及び定義は,箇条

3

によるほか,次による。

JA.2.1 

計量値 

計量器の表示する物象の状態の量の値。

JA.2.2 

目盛標識 

計量値又はそれに関連する値を表示するための数字又は点,線その他の記号。

JA.2.3 

アナログ指示機構 

計量値を連続的に示す目盛標識の集合。

JA.2.4 

目幅 

アナログ指示機構の二つの隣接する目盛標識の中心間の長さ。

JA.2.5 

器差 

計量値から真実の値を減じた値。

JA.2.6 

器差試験 

計量法に規定される構造に係る技術上の基準に適合するかどうかを定めるために器差を測定すること。

JA.2.7 

検定 

計量法に規定される特定計量器の検査。

注記

検定を行うものは,計量法によってその特定計量器の種類ごとに都道府県知事,指定検定機関,

独立行政法人産業技術総合研究所又は日本電気計器検定所と定められている。

JA.2.8 

検定公差 

検定における器差の許容値。

JA.2.9 

使用公差 

使用中検査における器差の許容値。


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JA.2.10 

目量 

隣接する目盛標識のそれぞれが表す物象の状態の量の差。

JA.2.11 

型式承認表示 

計量法に規定される特定計量器の型式について,

その承認を取得している型式に属することを示す表示。

JA.3 

検定公差 

検定公差は,一般用では±

0.1

℃,婦人用では±

0.05

℃とする。

JA.4 

材料 

JA.4.1 

ガラス 

ガラスの材料は,

5.1

による。

JA.4.2 

感温液 

感温液の材料は,

5.2

による。

JA.5 

性能 

JA.5.1 

目盛 

目盛は,

6.2

及び,次による。ただし,

6.2 b)

g)

OV

値は除く。

指示範囲は,

32

℃∼

43

℃以内でなければならない。

JA.5.2 

機構 

機構は,

6.3

による。ただし,

6.3 i)

は除く。

JA.5.3 

留点のかたさ 

留点のかたさは,

6.4

による。

JA.5.4 

零点示度変化量 

零点示度変化量は,

6.5

による。

JA.6 

試験 

JA.6.1 

アルカリ溶出試験 

ガラスの材料が

JA.4.1

に規定するアルカリ溶出量に適合するかどうかの試験は,

7.2

による。

JA.6.2 

振り下げ試験 

留点のかたさが

JA.5.3

に適合するかどうかの試験は,

7.3

による。

JA.6.3 

零点示度変化量試験 

零点示度変化量が

JA.5.4

に適合するかどうかの試験は,

7.4

による。

JA.7 

検定 

検定は,

附属書 JB

による。


11

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JA.8 

表示 

本体の表示は,

9.1

による。ただし,婦人用の場合には,その旨表示し,また,

9.1 a)

は,

“製造業者名,

製造業者の登録商標又は経済産業大臣に届け出た記号”とする。

JA.9 

使用中検査 

使用中検査は,

附属書 JC

による。

JA.10 

対応関係 

この規格の箇条と特定計量器検定検査規則(以下,検則という。

)の項目の対応関係は,

表 JA.1

による。

表 JA.1

この規格の箇条と検則項目との対比表 

箇条

検則の対応項目

JA.8

表示[9.1

第四章第一節第一款第一目“表記事項”

JA.4

材料[5.15.2

第四章第一節第一款第二目“材質”

JA.1

適用範囲[箇条 1

JA.5

性能[6.2b)  及び g)  の OV 値は除く。

6.3

i)  は除く。

6.46.5

JB.3.1

個々に定める性能の技術上の基準

第四章第一節第一款第三目“性能”

JA.3

検定公差

第四章第一節第二款“検定公差”

JA.6

試験[7.27.4

JB.4

型式承認表示を付していない体温計の構造

の検定[5.15.26.2b)  及び g)  の OV 値は除

く。

6.3i)  は除く。

6.46.57.27.4

第四章第一節第三款第一目“構造検定の方法”

JB.5

器差検定の方法

第四章第一節第三款第二目“器差検定の方法”

JC.3

性能に係る技術上の基準[6.3 b)d)f)  及

び 6.4

第四章第二節第一款“性能に係る技術上の基準”

JC.2

使用公差

第四章第二節第二款“使用公差”

JC.4

性能に関する検査の方法[7.3

JC.5

器差検査の方法

第四章第二節第三款“使用中検査の方法”


12

T 4206

:2014

附属書 JB

(規定)

検定

JB.1 

一般 

この附属書は,計量法に規定される検定方法において,型式承認表示を付している体温計の構造検定の

ときに行う“個々に定める性能の検定”

,型式承認表示を付していない体温計の構造検定のときに行う“型

式承認表示を付していない体温計の検定”及び型式承認表示の有無を問わず実施する“器差検定の方法”

について規定する。

JB.2 

検定公差 

検定公差は,

JA.3

による。

JB.3 

型式承認表示を付している体温計の構造の検定 

JB.3.1 

個々に定める性能の技術上の基準 

性能は,

JA.5.1

JA.5.3

による。

JB.3.2 

個々に定める性能の検定の方法 

検定の方法は,目視及び

7.3

による。

JB.4 

型式承認表示を付していない体温計の構造の検定 

JB.4.1 

構造に係る技術上の基準 

構造に係る技術上の基準は,

5.1

5.2

及び

JA.5

による。

JB.4.2 

構造検定の方法 

型式承認表示が付していない場合の構造検定の方法は,目視及び

7.2

7.4

による。ただし,

7.2

7.4

必要がないと判断できるときは,省略することができる。

JB.5 

器差検定 

JB.5.1 

器差検定の条件 

器差検定の条件は,次による。

a) 

器差検定を行う目盛標識

  次によって,低温から高温へと順次行う。

1)

測定できる最高温度を表す目盛標識

2)

測定できる最低温度を表す目盛標識

3) 37

℃付近又は

1)

2)

の温度範囲の任意の

1

点以上の目盛標識

なお,

1)

及び/又は

2)

での器差検定が困難な場合は,できるだけそれに近い目盛標識で行う。

b) 

基準器

  計量法第

103

条第

1

項の規定によって基準器検査に合格し,かつ,有効期間内にある基準ガ

ラス製温度計であって,検定を行う体温計の目量以下の目量でなければならない。

c) 

検査槽

  水温槽を使用するときは,基準ガラス製温度計及び検定を行う体温計の温度を感じる速さに

応じて,水温槽の温度が検定に必要な一定の温度に保持できる状態又は極めて緩やかに上昇する状態

で,かつ,温槽内部の温度が常に均一になるように液体をかくはんしながら行う。


13

T 4206

:2014

注記

水温槽は,

JIS B 7411-1

8.1.2

に規定する±

0.02

℃以内の温度分布の性能をもつことが望ま

しい。

JB.5.2 

器差検定の方法 

器差検定の方法は,次による。

a)

検定は,同一の水温槽に

60

秒間以上浸せきした体温計と基準ガラス製温度計との示度を比較すること

によって行い,体温計の示度から基準ガラス製温度計の示度を減じて器差を求める。

b)

検定で使用する基準ガラス製温度計の目盛線は,目盛面に視線が垂直になる位置に置いて,その正面

から示度を視定する。

c)

感温液が水銀などであるときは,液面の最上部で視定し,水銀など以外の液体であるときは,液面の

最下部で視定する。

d)

検定すべき温度を基準ガラス製温度計の表す目盛線の位置まで同一の温度とした状態で行う。

ただし,

水温槽の構造及びその他のやむを得ない事由によって,目盛線の位置まで同一の温度とすることがで

きないときは,

JB.5.3

による補正値を加える。

e)

示度の視定は,体温計を水温槽から取り出した後,速やかに行う。

JB.5.3 

検定温度の補正 

検定温度の補正値は,次の式によって算出する。

(

)

K

t

T

n

C

2

ここに,

C

2

補正値(℃)

n

露出部(検定を行う目盛線とそれに対応する温度に保持
する箇所との間の部分をいう。

)の長さをその目盛面に

おける

1

℃に相当する長さで除した値

T

水温槽の温度(℃)

t

露出部の平均温度(℃)

K

ガラスに対する感温液の見掛けの膨張係数(水銀温度計
を用いるので

K

1/6 300

とする。


14

T 4206

:2014

附属書 JC

(規定)

使用中検査

JC.1 

一般 

この附属書は,体温計の製造後,市場において使用されている体温計の性能などについて規定する。

JC.2 

使用公差 

使用公差は,検定公差の

2

倍とする。

JC.3 

性能に係る技術上の基準 

性能に係る技術上の基準は,

6.3 b)

d)

f)

及び

6.4

による。

JC.4 

性能に関する検査の方法 

性能に関する検査の方法は,

7.3

による。

JC.5 

器差検査の方法 

器差検査の方法は,

JB.5

による。ただし,

“器差検定”は“器差検査”に置き換える。


15

T 4206

:2014

附属書 JD

(参考)

感温液に水銀を用いた体温計の取扱い

JD.1 

一般 

この附属書は,感温液に水銀を用いた体温計(以下,体温計という。

)取扱い方法としての注意事項及び

水銀が体温計から外側に出た場合の処置の方法について記載したものである。

JD.2 

体温計の破損についての注意 

a)

一般的に体温計は,ガラスが破損すると鋭利な破片となる。破片は十分に注意して取り扱う。

b)

体温計は常に丁寧に取り扱い,特に落とすなど毛細管及び球部を破損させないよう注意し,毛細管及

び球部に破損がないかを日常的に目視点検する。破損が発見された場合には使用を中止し,体温計を

廃棄する。また,廃棄する場合は,各自治体の指示に従い処分する。

c)

口中舌下での検温は,球部を舌の付け根部に差し込み,舌で押さえ密着させてそのまま口を閉じる。

検温中は口を開けたり,体温計をかまないようにする。

d)

暖房器具の近く又は,直射日光が当たる場所などは,水銀が膨張して破損することがあるので一般用

42

℃,婦人用は

38

℃以上になるところには体温計を置いてはならない。

e)

球部を強く擦ったり,裸火などで加熱するようなことは球部が破損してけがをしたり,水銀が飛散し

蒸気を吸引する可能性がある。

JD.3 

水銀が体温計から出た場合の処置方法 

a)

誤って口中で球部を割った場合には,

直ちに水を含み,

口の中のガラス片及び水銀を十分に洗い出す。

体温計に使用されている金属水銀は誤って飲み込んでもほとんど体外へ排出されるが,処置は医師に

相談するのがよい。

b)

水銀がこぼれると,人体にも環境にも有害である。速やかにスポイトなどで残らず吸い取って密封し

た容器に収める。回収した水銀は,廃棄物として各自治体の指示によって処分する。


16

T 4206

:2014

附属書 JE

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS T 4206:2014

  ガラス製体温計

OIML R7:1979

  Clinical thermometers (mercury-in-glass, with maximum device)

(I)JIS の規定

(II)

国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

1

適 用 範

測定用(人体の体温
計)

 1

OIML

では婦人用体温計

を含まない。

追加

JIS

では婦人用も適用範囲に含

めた。

OIML

の見直し時に提案を検討。

2

引 用 規

3

用 語 及

び定義

追加

実質的に差異はない。

4

種類

構造,用途,感温液

3

OIML

では婦人用体温計

を含まない。

追加

JIS

では婦人用を追加した。

婦人用は日本独自の体温計とし
て実績があるため。

5

材料 5.3

目盛板  4.3

OIML

では乳白ガラス,

金属又は寸法の安定性に

関してこれらの材料と同
等な物質。

変更

JIS

では安定した,変化の少な

い材質とし,材質は規定しな

い。

OIML

の見直し時に提案を検討。

6

性能 6.1

最大許容誤差

8

OIML

で は + 0.1  ℃ / −

0.15

℃。

変更

JIS

で は 婦 人 用 に つ い て ±

0.05

℃とした。

婦人用は日本独自の体温計とし

て実績があるため。

 6.2

b)

測定範囲

2.2  OIML

で は 少 な く と も

35.5

℃から 42  ℃までに

範囲があるもの。

追加

JIS

では一般用と婦人用で区

別。

一般用と婦人用では測定範囲が

異なるため。

 6.2

c)

目量  2.2

OIML

では 0.1  ℃。

追加

JIS

では一般用と婦人用で区

別。婦人用では 0.05  ℃。

婦人用は日本独自の体温計とし

て実績があるため。

 6.2

d)

目幅  6.1

OIML

では棒状体温計は

少なくとも 0.5 mm,二重
管 体 温 計 は 少 な く と も

0.6 mm

変更

JIS

では平管,棒状で区別せず

ともに 0.5 mm 以上。

OIML

の見直し時に提案を検討。

16

T

 42

06

201

4


17

T 4206

:2014

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

6

性能(続

き)

6.2 e)

目 盛 線 の 太

さ・長さ

 6.2

6.3

OIML

では二重管におい

ては目幅の 1/5,棒状は

1/4

を超えてはならない。

1

度及び 1/2 度に対応する

目盛線は他の目盛線より
長 め で な け れ ば な ら な

い。1 度に相当する目盛線

は数字づけられていなけ
ればならない。

変更

JIS

では平管,棒状で区別しな

い。太さは目幅の 1/3 を超えな
い。ただし,一般用では 0.5  ℃

の倍数,婦人用では 0.25  ℃の

倍数を表す線は目幅の 1/2 とし
ても良く,長さは他より長くし

てもよい。主な目盛線には,そ

れが表す温度又はその数値を
表記する。

婦人用は日本独自の体温計とし

て実績がある。一般用は OIML 
見直し時に提案を検討。

7

試験 7.1

器差試験

試験温度

 A.3.2

OIML

では 35.5  ℃から

42

℃ ま で の 範 囲 に お い

て 4  ℃の間隔をおいた少
なくとも二つの温度。

変更

JIS

では低温域,高温域及び任

意の点からそれぞれの 1 以上

の温度。

一般用と婦人用では測定範囲が

異なるため。

試験時の状態

A.1.2.2.1

OIML

では体温計は目盛

の一番下部の数字線まで

水温槽内へ浸没させなけ
ればならない。

変更

JIS

では試験すべき目盛線まで

浸せきするが,困難な場合補正

式で補正する。

OIML

の見直し時に提案を検討。

浸せき時間   A.3.3.3

OIML

では少なくとも 20

秒。

変更

JIS

では 60 秒間以上とした。

OIML

の見直し時に提案を検討。

 7.2

アルカリ溶出試

 4.2

OIML

では R719:1968 の

規定によりガラスを分析
する場合,ガラス 1 g 当た

り溶液中に溶けでたアル

カ リ の 量 が , 多 く と も

Na

2

O

の 263.5

μg に相当す

る。

変更

JIS

では検則に合わせており,

ガラス粉末 2.5 g につきアルカ
リ溶出量が 0.7 mg 以下。

OIML

の見直し時に提案を検討。

 7.4

零点示度変化量

試験

 4.1

零点示度
変化量試

OIML

で は 100  ℃ ±

1.0

℃で 30 分間保持して

試験。20∼25  ℃の間で 1

週間保持して試験を最低

3

回行う。

変更

JIS

では 100  ℃で 30 分保持し

て試験。常温で 1 週間保持して
試験。

OIML

の見直し時に提案を検討。

17

T

 42

06

201

4


18

T 4206

:2014

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

9

表示

製 造 業 者 若 し く は

販売業者

 7.1.2

製造業者
の名称

OIML

では販売業者名は

認めていない。

追加

JIS

では商習慣上必要のため販

売業者名も可能とする。

OIML

の見直し時に提案を検討。

体 温 計 で あ る こ と

の識別表示

追加

JIS

では体温計と識別する表示

を追加した。

OIML

の見直し時に提案を検討。

包装の表示

追加

JIS

では包装の表示も追加し

た。

OIML

の見直し時に提案を検討。

10

附属文

記載事項

追加

JIS

では附属文書も追加した。

OIML

の見直し時に提案を検討。

附属書 JA

(規定)

追加

検則に関する規定を追加した。 国内法(計量法)上の制度である

ため追加。

附属書 JB

(規定)

追加

検定に関する規定を追加した。 国内法(計量法)上の制度である

ため追加。

附属書 JC
(規定)

追加

使用中検査に関する規定を追
加した。

国内法(計量法)上の制度である
ため追加。

附属書 JD

(参考)

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:OIML R7:1979,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

注記 3  附属書に示す検則は,平成 16 年 3 月時点での特定計量器検定検査規則[通商産業省令第 70 号(平成 15 年 10 月 26 日)]の内容のものである。

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201

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