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日本工業規格

JIS

 T

4102

-1992

腸線縫合糸

Surgical sutures catgut

1.

適用範囲  この規格は,腸線縫合糸(以下,腸線という。)について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7503

  0.01mm 目盛ダイヤルゲージ

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参

考として併記したものである。

2.

種類  腸線の種類は,次のとおりとする。

(1)

加工による種類

A

形(無加工)

B

形(弱加工)

C

形(中加工)

D

形(強加工)

備考1.  A 形は,吸収性を変化させるような特殊処理を加えない腸線をいい,吸収期間は,約1週間を

目標とする。

2.

B

形は,吸収期間を約 2 週間を,C 形は約 3 週間を,D 形は約 4 週間を目標として特殊処理

を施した腸線をいう。

3.

吸収期間とは,腸線が体内で吸収され,縫合目的を失うまでの期間をいう。

(2)

取扱いによる種類

ボイラブル

ノンボイラブル

備考1.  ボイラブルは,脱水処置を施してあるもので,腸線の容器滅菌の目的で容器の外側を熱して

もよいものをいう。

2.

ノンボイラブルは,適度の水分を保有してあるもので,容器の外側を熱してはならないもの

をいう。

3.

号数及び寸法

3.1

号数及び寸法は,

表 による。


2

T 4102-1992

表 1

号数

径 mm

ボイラブル

ノンボイラブル

標準の長さ(

1

)

m

最小

最大

最小

最大

0

000

0.15 0.20 0.18 0.24

1.5

000

0.20 0.25 0.24 0.32

00

0.25 0.33 0.32 0.41

0

0.33 0.41 0.41 0.50

1

0.41 0.48 0.50 0.58

2

0.48 0.56 0.58 0.67

3

0.56 0.64 0.67 0.76

4

0.64 0.71 0.76 0.86

5

0.71 0.81 0.86 0.98

6 0.81  0.91  0.98  1.11

(

1

)

長さは,用途に応じて変えることができる。

3.2

寸法の許容差

(1)

長さは,7.2(1)の試験方法で試験したとき,包装に表示された長さの 90%以上なければならない。

(2)

径は 7.2(2)の試験方法で試験したとき,少なくとも 5 本が 2 か所以上包装に表示された号数の径に適

合し,他の 1 本は,1 か所以上が適合しなければならない。

また,測定値全体にわたって隣接する号数の径を超えてはならない。

なお,この場合,0 000 号にあっては,ボイラブルは 0.10mm 以上,ノンボイラブルは 0.12mm 以上,

6

号にあっては,ボイラブルは 1.00mm 以下,ノンボイラブルは 1.20mm 以下でなければならない。

4.

材料  腸線の材料は,健康なほ(哺)乳動物の小腸とする。

5.

品質

5.1

引張強さ  7.3 の試験方法で試験したとき,引張強さは,5 本以上が表 の規定に適合しなければな

らない。

表 2

単位 N {kgf}

号数

引張強さ

結び目を作った後の

引張強さ

0 000

  8.8 { 0.90}

以上

 4.4 {0.45}

以上

000

13.3

{

1.36}

以上

 8.8 {0.90}

以上

00

22.3

{

2.27}

以上

13.3 {1.36}

以上

0

31.1

{

3.17}

以上

22.3 {2.27}

以上

1

44.5

{

4.54}

以上

31.1 {3.17}

以上

2

57.8

{

5.89}

以上

40.0 {4.08}

以上

3

71.1

{

7.25}

以上

48.9 {4.99}

以上

4

88.9

{

9.07}

以上

57.9 {5.90}

以上

5 111.2

{11.34}

以上

75.6 {7.71}

以上

6 133.4

{13.60}

以上

93.4 {9.52}

以上

5.2

無菌性  7.4 の試験方法で試験したとき,菌の発育が認められてはならない。

6.

保存  腸線の保存は,次のとおりとする。


3

T 4102-1992

(1)

腸線は,ガラス管又は他の適当な容器に密封して保存する。

なお,使用のため容器が開かれるまで,腸線の無菌は維持されなければならない。

(2)

容器中に 1 本ずつ密封する。容器中に 2 本に分けて入れてもよいが,この場合 1 本の長さは,それぞ

れ 0.5m 以上でなければならない。

(3)

保存液の主成分は,トルオール,キシロール又はイソプロピルアルコールとし,容器内において腸線

の全部を没していなければならない。

7.

試験

7.1

試験項目  腸線の試験項目は,次のとおりとする。

(1)

寸法検査

(2)

引張試験

(3)

無菌試験

7.2

寸法検査  腸線の寸法検査は,次のとおりとする。

(1)

腸線を容器から取り出した後直ちに行い,腸線を引っ張ることなく長さを測定する。

(2)

腸線 6 本について,容器から取り出した後直ちに行う。腸線を引っ張ることなく,全長の

4

1

4

2

及び

4

3

3

点についてダイヤルゲージで径を測定する。

ダイヤルゲージは JIS B 7503 に規定されたものを用い,測定子には直径 12.7±0.02mm の平滑な円

形の測定面をもつものを,アンビルには直径約 50mm の平滑な円形のものを使用する。測定子とアン

ビルの両面は,0.005mm 以下で平行でなければならない。

また,測定力は 2.06N{約 210gf}とする。

7.3

引張試験  腸線 6 本について試験を行う。腸線を二分し,それぞれを適当な長さに切断して試料と

する。1 本はそのままで,他の 1 本は試料の中央に結び目がくるように結んで引張試験を行う。振子形引

張試験機又はその他の適当な引張試験機を用い,試料の両端をチャックで固定して腸線が切断するまで荷

重を増し,腸線が切断したときの荷重を引張強さとする。この場合の試験条件は,温度 20∼25℃とする。

腸線がボイラブルの場合は,容器から取り出した後蒸留水中に 5 秒間浸してから試験を行い,ノンボイラ

ブルの場合は,容器から取り出して乾かないうちに直ちに行うものとする。

7.4

無菌試験  腸線を容器に密封したまま,18∼24 時間適当な殺菌剤溶液中に浸した後,容器を無菌的

に開き,無菌的に取り出した腸線を次の操作によって培養し,試験を行う。

(1)

細菌試験  液状チオグリコール酸培地(

2

)40ml

を入れた,径 30mm,長さ 200mm の培養試験管に腸線

を入れて温度 30∼32℃中に 14 日間培養し,

培養したものについては肉眼で菌の発育の有無を調べる。

判定が困難なときは,塗まつ染色して検鏡するか,又は初めの培養試験管から更に新たな培地に移植

し,温度 30∼32℃中に少なくとも 3 日間培養した後,菌の発育の有無を調べる。

(2)

かび試験  腸線を,滅菌水 20ml を入れたガラス容器中で洗浄してから,ぶどう糖・ペプトン培地(

3

)50ml

に移植し,温度 24∼26℃中に 14 日間培養する。培養瓶は,口径 15mm の金属キャップ付き三角フラ

スコとする。培養したものについて,肉眼で菌の発育の有無を調べ,判定が困難なときは,更に新た

な培地に移植して温度 24∼26℃中に少なくとも 10 日間培養した後,菌の発育の有無を調べる。

培地の調製方法その他については,日本薬局方一般試験法の無菌試験法によるものとする。

(

2

)

液状チオグリコール酸培地の組成は次のとおりとし,滅菌後の pH は7.0∼7.2とする。

l

−シスチン

  0.5g

  寒天(水分 15%以下のもの)

  0.75g


4

T 4102-1992

  塩化ナトリウム

  2.5g

  含水ぶどう糖

  5.5g

(又はぶどう糖)

(5.0g)

  水溶性酵母エキス

  5.0g

  カゼイン製ペプトン

15.0g

  チオグリコール酸ナトリウム

  0.5g

(又はチオグリコール酸)

(0.3ml)

  0.1%レザズリン溶液(新調製)

  1.0ml

  純水 1

000ml

(

3

)

ぶどう糖・ペプトン培地の組成は次のとおりとし,滅菌後の pH は 5.6∼5.8 とする。

  含水ぶどう糖

20.0g

(又はぶどう糖) ( 18.0g)

  ペプトン

  5.0g

  酵母エキス

  2.0g

  りん酸−カリウム

  1.0g

  硫酸マグネシウム

  0.5g

  純水 1

000ml

8.

表示  腸線の容器及び包装には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

容器

(a)

号数

(b)

長さ

(c)

形及びボイラブル・ノンボイラブルの別

(d)

製造業者名又はその略号

(2)

包装

(a)

号数

(b)

長さ

(c)

形及びボイラブル・ノンボイラブルの別

(d)

保存液の組成

(e)

製造業者名及び所在地

(f)

製造年月日及び製造番号

9.

製品の呼び方  製品の呼び方は,名称,種類及び号数による。

例  腸線縫合糸  A 形  ボイラブル  4