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T 3256

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本医療器材工業会(JMED)及び財団法人日

本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質を持つ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


T 3256

:2006

(2)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義 

1

4

  構成及び各部の名称

2

5

  物理的要求事項 

3

5.1

  針部

3

5.2

  導管

4

5.3

  かん(嵌)合部

4

5.4

  針刺し事故防止装置

4

5.5

  分離装置 

4

5.6

  外観及び清浄度

4

5.7

  引張強度 

4

5.8

  気密性

4

5.9

  カラーコード 

4

6

  化学的要求事項 

4

7

  生物学的要求事項

4

8

  無菌性の保証 

4

9

  エンドトキシン試験

5

10

  製造販売業者から提供する情報

5

11

  包装 

5

11.1

  一次包装

5

11.2

  二次包装

5

12

  表示

5

12.1

  一次包装 

5

12.2

  二次包装 

5

12.3

  記号の使用 

6


日本工業規格

JIS

 T

3256

:2006

インスリンポンプ用輸液セット

Infusion set for insulin pump

適用範囲 

この規格は,インスリンポンプに装着された注射筒内のインスリン製剤を注入するために用いられ,か

つ,1 回限りの使用で使い捨てるインスリンポンプ用輸液セットについて規定する。

引用規格 

次に揚げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。 

JIS T 0307

  医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号

JIS T 0993-1

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:評価及び試験

JIS T 3221

  滅菌済みポート用針 

JIS T 3222

  滅菌済み翼付針 

JIS T 3223

  滅菌済み末梢血管用留置針 

ISO 594-1

,Conical fittings with a 6  %(Luer)taper for syringes,needles and certain other medical equipment

−Part 1:General requirements

ISO 594-2

,Conical fittings with 6  %(Luer)taper for syringes,needles and certain other medical equipment

−Part 2:Lock fittings

ISO 6009

,Hypodermic needles for single use−Colour coding for identification

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1  

針部 

主に筒状の針管で構成される部分,又は主に柔軟性のあるカテーテル及びせん(穿)刺するための内針

から構成される部分。

3.2

針管 

皮下又は血管にせん(穿)刺し薬剤を投与する一方の端が鋭利になっている硬質の針で,角度をつける

などの加工が施された管。 

3.3 

カテーテル

皮下又は血管に留置し薬剤を投与する柔軟性のある管。


2

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3.4

内針 

一方の端が鋭利になっており,カテーテルを留置するためにせん(穿)刺する硬質の針。

3.5  

固定部

針部を固定する部品。翼状の部品,装着テープなどで構成される場合がある。

3.6  

導管

薬剤を体内に導く管。

3.7  

かん(嵌)合部

器具と器具との接続及び離脱を可能にする部品。

3.8  

公称外径

針部の外径の寸法で許容差を考慮し,基準を示した値(

図 の L

1

参照)。

3.9  

公称長さ

針部の長さの寸法で許容差を考慮し,基準を示した値(

図 の L

2

参照)

3.10  

一次包装

インスリンポンプ用輸液セットを直接に覆う包装で,インスリンポンプ用輸液セットの無菌性を保持す

るためのものをいい,更にこれが二次包装される場合には,いわゆる“内袋”に該当する。ただし,無菌

性を保持しないものもあり,その場合は,保護キャップ及び針さや(鞘)でインスリンポンプ用輸液セッ

ト内部の無菌性を保持する。

3.11  

二次包装

一次包装を直接に覆う包装で,通常,複数の一次包装されたインスリンポンプ用輸液セット,例えば 50

本を入れる包装。

構成及び各部の名称 

インスリンポンプ用輸液セットは,主として針管又はカテーテル,固定部,導管及びかん(嵌)合部か

らなる。

図 は,一般的なインスリンポンプ用輸液セットの一例である。 

4

2

3

5

1

6

L

2

L

1


3

T 3256

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1  針管

2  固定部

3  導管

4  針さや(鞘)

5  かん(嵌)合部

6  保護キャップ

7  内針

8  カテーテル

注記  上記のほかに,針刺し事故防止装置が付いているもの,分離装置(一時的に取り外すための接

続部品)が付いているものなどがある。

図 1−一般的なインスリンポンプ用輸液セットの例図 

物理的要求事項   

5.1 

針部   

5.1.1 

針管及び内針の材料   

針管及び内針は,JIS T 3222 の 6.1.1(針管の材料)に適合しなければならない。

5.1.2 

寸法の許容差 

針管又はカテーテルは,JIS T 3222 の 11.1(寸法の許容差)に適合しなければならない。

5.1.3 

弾性   

針管及び内針は,JIS T 3222 の 5.2(弾性)に適合しなければならない。

5.1.4 

曲げ強さ

次のいずれかの方法で試験を行ったとき,これに適合しなければならない。

a) 

第 法  長さが 12 mm 以上の針管及び内針は,JIS T 3222 の 5.3(曲げ強さ)に適合しなければなら

ない。

b) 

第 法  折り曲げ加工部分が固定部や針基の外にある針管及び内針は,JIS T 3221 の 5.5[曲げ強さ(2)]

に適合しなければならない。

5.1.5 

針先 

針管及び内針は,JIS T 3222 の 6.4(針先)に適合しなければならない。

6

5

3

4

2

8

7

L

2

L

1


4

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5.1.6 

腐食抵抗性   

固定部に金属が用いられているカテーテルは,JIS T 3223 の 5.6(腐食抵抗性)に適合しなければならな

い。

5.1.7 

潤滑剤の量   

JIS T 3222

の 6.5(潤滑剤の量)に適合しなければならない。

5.2 

導管   

JIS T 3222

の 6.3(導管)に適合しなければならない。

5.3 

かん(嵌)合部   

JIS T 3222

の 11.3[かん(嵌)合部のテーパーの合致]の a

)に適合しなければならない。

5.4 

針刺し事故防止装置   

針刺し事故防止装置をもつものにあっては,添付文書の操作方法を行ったとき,意図した機能が有効に

作動しなければならない。

5.5 

分離装置 

分離装置をもつものにあっては,装置は分離する機能をもち,かつ容易に接続できなければならない。

5.6 

外観及び清浄度 

JIS T 3222

の 6.2.1(外観及び清浄度)に適合しなければならない。また,針部は,次のいずれかに適合

しなければならない。

a) 

第 法  針管は,JIS T 3222 の 6.1.2(外観及び清浄度)に適合しなければならない。

b) 

第 法  カテーテル及び内針は,JIS T 3223 の 5.5(表面)及び JIS T 3223 の 5.13.2(留置針本体)に

適合しなければならない。

5.7 

引張強度 

針部,導管,各接続部及び分離装置は,次のいずれかの方法で試験をしたとき,これに適合しなければ

ならない。

a) 

第 法  針部が主に針管で構成されるものにあっては,JIS T 3222 の 6.2.3(引張り試験)に適合しな

ければならない。

b) 

第 法  針部がカテーテル及び内針で構成されるものにあっては,カテーテルは JIS T 3223 の 5.7(破

断強度)に,及びカテーテル以外は JIS T 3222 の 6.2.3(引張り試験)に適合しなければならない。

5.8 

気密性 

針部,導管,各接続部及び分離装置は,JIS T 3222 の 5.1(漏れ)又は JIS T 3222 の 6.2.2(気密性)に

適合しなければならない。

5.9 

カラーコード 

カラーコードを用いる場合は,ISO 6009 に規定されたカラーコードとする。

化学的要求事項 

JIS T 3222

の 7.(化学的要求事項)に適合しなければならない。

生物学的要求事項 

JIS T 0993-1

に規定する生物学的安全性の評価を行う。

無菌性の保証 


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滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無菌性の担保を行う。

注記  滅菌バリデーション基準は,“薬食監麻発第 0330001 号:平成 17 年 3 月 30 日,薬事法及び採血

及び供血あっせん業取締法の一部を改正する法律の施行に伴う医薬品,医療機器等の製造管理

及び品質管理(GMP/QMS)に係る省令及び告示の制定及び改廃について”による。

エンドトキシン試験 

JIS T 3222

の 10.(エンドトキシン試験)に適合しなければならない。

10 

製造販売業者から提供する情報 

製造販売業者は,添付文書に次の情報を必ず提供しなければならない

1)

1)

持続皮下インスリン注入療法では,流量が非常に少ないうえに,インスリンポンプ用輸液セッ

トにコンプライアンス(容積変化)があるため,万一針部又は導管内に閉そく(塞)が発生し

てもすぐに気付かない場合があり,またインスリンポンプの閉そく(塞)警報も直ちに閉そく

(塞)を検知することができないことによる情報である。 

a)

使用中は導管の折れ曲がりや導管内に閉そく(塞)がないことを定期的に確認する旨。

b)

使用中は血糖値を定期的に測定し確認する旨。

c) 

インスリンポンプ用輸液セットにはコンプライアンス(容積変化)があるため針部又は導管内で閉そ

く(塞)してもインスリンポンプの閉そく(塞)警報が直ちに検知することができない旨。 

11 

包装

11.1 

一次包装 

一次包装は,微生物の侵入を防止することができ,通常の取扱い,輸送及び保管中に内容製品に損傷の

おそれがないように包装する。ただし,インスリンポンプ用輸液セット外部については無菌性を保証しな

いものもあり,その場合は,保護キャップ及び針さや(鞘)でインスリンポンプ用輸液セット内部の無菌

性を保証する。また,一次包装は,一度開封したら再シールできず,開封されたことが明確に分からなけ

ればならない。

11.2 

二次包装 

二次包装は,通常の取扱い,輸送及び保管中に内容製品を保護できる強度をもつものとする。

12 

表示   

12.1 

一次包装 

一次包装には,次の事項を表示する。

a)

針管又はカテーテルの外径及び長さ(mm)。ただし,外径に“ゲージ(G)を併記してもよい。

b)

“滅菌済”の旨。ただし,“Sterile”を併記してもよい。

c) 

“再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現を除く。)

d) 

製造番号又は製造記号

1)

e) 

天然ゴムを原材料として用いているものは,その旨 

f) 

一次包装で無菌性を保証していないものは,その旨 

12.2 

二次包装 

二次包装には,次の事項を表示する。ただし,二次包装を用いないで,一次包装を最小販売単位の包装


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として用いる場合は,次の事項を一次包装に表示する。

a)

製造販売業者名の氏名又は名称,及び住所

b)

認証又は承認番号

c) 

販売名

d)

針管又はカテーテルの公称外径及び長さ(mm)。ただし,外径に“ゲージ(G)を併記してもよい。

e)

数量(入り数)

f)

“滅菌済”の旨。ただし,“Sterile”を併記してもよい。

g)

“再使用禁止”の旨(“ディスポーザブル”の表現を除く。)

h)

一次包装で無菌性を保証していないものは,その旨

i)

製造番号又は製造記号

1)

j)

滅菌年月

k)

使用方法及び使用上の注意

1)

製造番号又は製造記号が滅菌年月を表示している場合は,改めて滅菌年月の表示を必要としな

い。また,滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよい。

12.3 

記号の使用

12.1

及び 12.2 の要件は,

JIS T 0307

に規定する適切な記号を使用することによってこれに替えてもよい。

注記  JIS T 0307 に規定する主な記号の例を参考表 に示す。

参考表 1JIS T 0307 に規定する主な記号の例 

滅菌済み

再使用禁止

製造番号又は製造記号

使用期限

STERILE