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T 3224

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  構成及び各部の名称

2

5

  物理的要求事項

3

5.1

  透明性

3

5.2

  清浄度

3

5.3

  引張強さ

3

5.4

  気密性

3

5.5

  おすめす(雄雌)かん(嵌)合部

4

5.6

  おすめす(雄雌)かん(嵌)合部及び導管の接続部

4

5.7

  導管

4

5.8

  保護キャップ

4

5.9

  シリンジフィルタ

4

6

  化学的要求事項

4

6.1

  溶出物

4

7

  生物学的安全性

5

8

  無菌性の保証

5

9

  エンドトキシン試験

5

10

  包装

5

10.1

  一次包装

5

10.2

  二次包装

5

11

  表示

6

11.1

  一次包装

6

11.2

  二次包装

6

11.3

  記号の使用

6

附属書 A(規定)物理試験

7

附属書 B(規定)シリンジフィルタ孔径の評価法

8

附属書 C(規定)溶出物試験第二法

9


T 3224

:2011

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本医療器材工業

会(JMED)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS T 3224:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 T

3224

:2011

滅菌済みシリンジフィルタ

Sterile syringe filter

序文

この規格は,2005 年に制定された JIS T 3224 の見直しにおいて,使用者の利便性のため用語,文書構成,

適用範囲などの見直しを行い改正した日本工業規格である。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

1

適用範囲

この規格は,輸液剤などの医薬品中の微小異物,細菌及び真菌を除去するためのもので,そのまま直ち

に使用でき,かつ,単回使用で使い捨ての滅菌済みシリンジフィルタ(以下,シリンジフィルタという。

について規定する。ただし,除去できる微小異物,細菌,真菌の大きさ及び菌種は,シリンジフィルタの

孔径によって異なる。

なお,平成 26 年 7 月 28 日まで JIS T 3224:2005 は適用することができる。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の西暦年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS T 0307:2004

  医療機器−医療機器のラベル,ラベリング及び供給される情報に用いる図記号

JIS T 0993-1:2005

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:評価及び試験

ISO 594-1:1986

,Conical fittings with a 6 % (Luer) taper for syringes,needles and certain other medical

equipment−Part 1: General requirements

ISO 594-2:1998

,Conical fittings with 6 % (Luer) taper for syringes,needles and certain other medical

equipment−Part 2: Lock fittings

ISO 3696:1987

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

精製水

日本薬局方(以下,日局という。

)の医薬品各条に規定する“精製水”

,又はこれと同等以上の水。

3.2

エンドトキシン試験用水

日局の医薬品各条に規定する“注射用水”又はその他の方法によって製造した水で,エンドトキシン試


2

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験に用いるライセート(LAL)試薬の検出限界で反応を示さないもの。

3.3

一次包装

シリンジフィルタを直接に覆う包装で,シリンジフィルタの無菌性を保持するためのもの。さらに,こ

れが二次包装される場合には,いわゆる“内袋”に該当する。ただし,無菌性を保持しないものもあり,

その場合には,保護キャップでシリンジフィルタ内部の無菌性を保持する。

3.4

二次包装

一次包装を直接に覆う包装。通常,複数の一次包装されたシリンジフィルタ,例えば 50 セットを入れた

包装。

3.5

導管

シリンジフィルタから輸液剤などの医薬品を導く管。

3.6

おすめす(雄雌)かん(嵌)合部

おす(雄)又はめす(雌)のかん(嵌)合部が,テーパ,又はテーパ及びはめ合い(ロック式)の構造

によって,器具と器具との接続及び離脱が可能な部分。ただし,シリンジフィルタ一次側は,テーパ及び

はめ合い(ロック式)とする。

3.7

保護キャップ

おすめす(雄雌)かん(嵌)合部が直接外部に触れることを防ぐためのキャップ。

3.8

シリンジフィルタ

輸液剤などの医薬品中の微小異物,細菌及び真菌を除去するフィルタ。

3.9

バクテリアチャレンジ試験

シリンジフィルタ一次側から指標となる菌を含む試験液を注入し,二次側から出てきた試験液を培養す

ることで,シリンジフィルタの菌捕捉性能を評価し,指標菌の大きさから,シリンジフィルタの孔径を確

認する試験。

4

構成及び各部の名称

シリンジフィルタは,シリンジフィルタ及びおすめす(雄雌)かん(嵌)合部で構成する。また,これ

らに保護キャップ,導管などを附属してもよい。

一般的なシリンジフィルタの例を,

図 に示す。


3

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図 1−シリンジフィルタの構成及び各部の名称例

5

物理的要求事項

5.1

透明性

シリンジフィルタ容器は,透明でなければならない。A.1 によって試験したとき,空気−水の界面が判

別可能でなければならない。

5.2

清浄度

目視で検査したとき,内面に微粒子又は異物の付着があってはならない。

5.3

引張強さ

シリンジフィルタは,A.2 によって試験したとき,15 N の力で 15 秒間の引張りに耐える引張強さをも

たなければならない。

5.4

気密性

シリンジフィルタは,微生物の侵入を防止する気密性をもたなければならない。A.3.1 及び A.3.2 によっ

て試験したとき,空気及び水漏れがあってはならない。

1  保護キャップ

2  めす(雌)かん(嵌)合部

3  シリンジフィルタ

4  おす(雄)かん(嵌)合部

5  導管


4

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5.5

おすめす(雄雌)かん(嵌)合部

おすめす(雄雌)かん(嵌)合部は,ISO 594-1 又は ISO 594-2 に適合しなければならない。また,A.4

によって試験したとき,かん(嵌)合部から水漏れがあってはならない。

5.6

おすめす(雄雌)かん(嵌)合部及び導管の接続部

おすめす(雄雌)かん(嵌)合部及び導管の接続部は,15 N 以上の力で 15 秒間以上引っ張ったとき,

外れてはならない。

5.7

導管

導管は,透明又は気泡が判別できる程度に透明でなければならない。

5.8

保護キャップ

保護キャップは,確実に装着でき,かつ,容易に外せるものでなければならない。

5.9

シリンジフィルタ

5.9.1

孔径

シリンジフィルタの孔径は,0.2 μm,0.45 μm 又は 0.8 μm でなければならない。

5.9.2

バクテリアチャレンジ試験

バクテリアチャレンジ試験を用いて,

附属書 によって適切な試験を行い,シリンジフィルタの孔径を

確認する。

6

化学的要求事項

6.1

溶出物

6.1.1

一般

溶出物は,次のいずれかによって試験したとき,それぞれの規定に適合しなければならない。

6.1.2

溶出物試験第一法

溶出物試験第一法は,次による。

a)

試験液及び空試験液の調製

1)

試験液  プラスチック製の材料は各々10 g ずつとり,また,ゴム製の材料は各々1.0 g ずつとり,細

片とし,ほうけい酸ガラスでできた適切な容器に入れ,約 100 mL の精製水を加え 30 分間煮沸した

後,室温になるまで冷却し,材料を取り除き,精製水を加えて正確に 100 mL とし,この液を試験

液とする。

2)

空試験液  同時に材料を入れない精製水を,同様の方法で操作し空試験液を調製する。

b)  pH

  試験液及び空試験液 20 mL ずつをとり,

これらに塩化カリウム 1.0 g を精製水に溶かして 1 000 mL

とした液を 1.0 mL ずつ加え,日局の一般試験法の pH 測定法で測定したとき,両液の pH の差は,2.0

以下でなければならない。

c)

重金属  試験液 10 mL をとり,日局の一般試験法の重金属試験法の第一法で試験したとき,試験液の

呈する色は,比較液の呈する色より濃くてはならない。比較液には,空試験液 10 mL 及び日局の一般

試験法の標準液で規定する鉛標準液 2.0 mL を加える(2.0 ppm 以下)

d)

過マンガン酸カリウム還元性物質  試験液 10 mL を共栓三角フラスコにとり,0.002 mol/L 過マンガン

酸カリウム液 20.0 mL 及び日局の一般試験法の試薬・試液で規定する希硫酸 1 mL を加え,3 分間煮

沸し,冷後,これによう化カリウム 0.10 g を加えて密栓し,振り混ぜて 10 分間放置した後,0.01 mol/L

チオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:日局の一般試験法の試薬・試液で規定するでんぷん試液

5 滴)。別に空試験液 10 mL を用い,同様に操作する。試験液及び空試験液の 0.002 mol/L 過マンガン


5

T 3224

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酸カリウム液消費量の差は,2.0 mL 以下でなければならない。

e)

蒸発残留物  試験液 10 mL を水浴上で蒸発乾固し,残留物を 105  ℃で 1 時間乾燥させたとき,残留

物の質量は 1.0 mg 以下でなければならない。

6.1.3

溶出物試験第二法

溶出物試験第二法は,次による。

a)

酸性又はアルカリ性  C.2 によって試験したとき,容量分析用標準液が 1 mL 未満で色が灰色にならな

ければならない。

b)

金属イオン  原子吸光光度法又は同等以上の微量分析法によって試験液及び空試験液を分析し,試験

液の測定値を空試験液の測定値で補正したとき,試験液中のバリウム,クロム,銅,鉛及びすずの合

計が 1 μg/mL 以下であり,かつ,カドミウムは 0.1 μg/mL 以下でなければならない。又は,C.3 によっ

て試験したとき,試験液の呈する色は,比較液[濃度 ρ(Pb

2+

)=1 μg/mL]の呈する色より濃くてはなら

ない。

c)

過マンガン酸カリウム還元性物質  C.4 によって試験したとき,0.002 mol/L 過マンガン酸カリウム溶

液の消費量は,2.0 mL 以下でなければならない。

d)

蒸発残留物  C.5 によって試験したとき,残留物は 5 mg 以下でなければならない。

e)

紫外吸収スペクトル  C.6 によって試験したとき,試験液の吸光度は,0.1 以下でなければならない。

7

生物学的安全性

JIS T 0993-1

に規定する生物学的安全性の評価を行う。

8

無菌性の保証

無菌性の保証は,滅菌バリデーション基準又はこれと同等以上の基準に基づき,無菌性の担保を行う。

注記  滅菌バリデーション基準には,厚生労働省が定めた滅菌バリデーション基準がある。

9

エンドトキシン試験

シリンジフィルタ 10 セットを試料としてとり,各フィルタ内にエンドトキシン試験用水 40 mL を 1 分

間約 10 mL の速さで流し,その洗液を合わせて試験液とし,日局のエンドトキシン試験法によって試験を

行ったとき,エンドトキシンは,0.5 EU/mL 未満でなければならない。又は,発熱性物質の有無を適切な

試験によって評価し,発熱性のないことを確認しなければならない。

10

包装

10.1

一次包装

一次包装は,使用前に容易に破れるおそれがなく,微生物の侵入を防止することができ,通常の取扱い,

輸送及び保管中に,内容製品を適切に保護できるものでなければならない。ただし,無菌性を保証しない

ものもあり,その場合は,保護キャップでシリンジフィルタ内部の無菌性を保証する。また,一度開封し

たら,包装は簡単に再シールできず,また,開封されたことが容易に分かるものとする。

10.2

二次包装

二次包装は,通常の取扱い,輸送及び保管中に,内容製品を保護できる強度をもたなければならない。


6

T 3224

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11

表示

11.1

一次包装

一次包装には,次の事項を表示する。

a)

シリンジフィルタ孔径(μm)

b)

“滅菌済み”の旨

c)

“再使用禁止”の旨(

“ディスポーザブル”の表現は使用しない。

d)

製造番号又は製造記号

e)

天然ゴムを原材料として用いているものは,その旨

f)

一次包装で無菌性を保証しないものは,その旨

11.2

二次包装

二次包装には,次の事項を表示する。ただし,二次包装を用いないで,一次包装を最小販売単位の包装

として用いる場合には,次の事項を一次包装に表示する。

なお,製造番号又は製造記号が滅菌年月を表している場合には,改めて滅菌年月の表示をする必要はな

い。また,滅菌年月の代わりに使用期限を表示してもよい。

a)

製造販売業者の氏名又は名称,及び住所

b)

医療機器の認証番号

c)

販売名

d)

シリンジフィルタ孔径(μm)

e)

数量(入り数)

f)

“滅菌済み”の旨

g)

“再使用禁止”の旨(

“ディスポーザブル”の表現は使用しない。

h)

製造番号又は製造記号

i)

滅菌年月

j)

使用方法及び使用上の注意

11.3

記号の使用

11.1

及び 11.2 は,JIS T 0307 に規定する適切な記号を使用することによってこれに替えてもよい。

注記  JIS T 0307 に規定する主な記号の例を,表 に示す。

表 1JIS T 0307 に規定する記号の例


7

T 3224

:2011

附属書 A

規定)

物理試験

A.1

  透明性試験

通常の条件下でシリンジフィルタを蒸留水で充塡する。このとき,液相と気相との界面

が目視で判別できるかどうかを調べる。

A.2

  引張強さ試験

長手方向に 15 秒間,15 N の静的引張力を加える。接続部及び構成部品が適用された試

験の力に耐えるかどうかを調べる。

A.3.1

  シリンジフィルタを圧縮空気供給装置に接続する。その後,他の開口部全てを閉

じ,23±1  ℃及び 40±1  ℃で空気をシリンジフィルタ内に送り,50 kPa の圧力を 15 秒

間加え,空気漏れがないかを調べる。

A.3

  気密性試験

A.3.2

  蒸留水をシリンジフィルタ内に満たしてから,シリンジフィルタを圧縮空気供給

装置に接続し,他の開口部を全て閉じ,23±1  ℃及び 40±1  ℃で 100 kPa の圧力を 15 分
間加え,水漏れがないかを調べる。

A.4

  おすめす(雄雌)

かん(嵌)合部に関する

気密性試験

おすめす(雄雌)かん(嵌)合部は,ISO 594-2 の 5.1 に規定されたリファレンスコネ
クタで密封し,そのかん(嵌)合部を蒸留水で満たして,23±1  ℃及び 40±1  ℃で 100 
kPa の圧力を 15 分間加え,かん(嵌)合部に水漏れがないかを調べる。


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T 3224

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附属書 B

規定)

シリンジフィルタ孔径の評価法

(フィルタの孔径:0.2 μm)

試験液の調製:Brevundimonas diminuta ATCC 19146

a)

を日局無菌試験用チオグリコール酸培地Ⅱを用いて 30∼32  ℃

で 24 時間培養後,この培養液 2 mL をとり,滅菌した加乳糖ブイヨン 1 000 mL に入れ,30∼32  ℃
で 24 時間培養する

b)

。この培養液を生理食塩水で希釈し試験液とする。最終の希釈は,同培地を用

いて希釈する

c)

。ただし,この試験液 1 mL に含まれる菌数は,約 10

6

個とする。

操作及び培養:試験液 15 mL を注射筒にとり,注射筒の先端にシリンジフィルタを付け,試験液をゆっくりと,ほ

とんど全て押し出し,この流出液を試験管にとる。流出液の入った試験管を 30∼32  ℃で少なくと

も 7 日間培養する。このとき,シリンジフィルタ内に残った試験液は,注射筒を用いて空気圧で押
し出す。

判        定:この培養液について,肉眼的に菌の発育を認めたときは,不適であると判定する。 
 
(フィルタの孔径:0.45 μm) 
試験液の調製:Serratia marcescens 

d) 

を日局無菌試験用チオグリコール酸培地Ⅱを用いて 30∼32  ℃で 24 時間培養

後,生理食塩水で希釈し試験液とする。最終の希釈は,同培地を用いて希釈する

c)

。ただし,この

試験液 1 mL に含まれる菌数は,約 10

4

個とする。

操作及び培養:試験液 15 mL を注射筒にとり,注射筒の先端にシリンジフィルタを付け,試験液をゆっくりと,ほ

とんど全て押し出し,この流出液を試験管にとる。流出液の入った試験管を 30∼32  ℃で少なくと
も 7 日間培養する。このとき,シリンジフィルタ内に残った試験液は,注射筒を用いて空気圧で押
し出す。

判        定:この培養液について,肉眼的に菌の発育を認めたときは,不適であると判定する。 
 
(フィルタの孔径:0.8 μm) 
試験液の調製:Sacharomyces cerevisiae 

e)

を日局無菌試験用ブドウ糖・ペプトン培地を用いて 20∼25  ℃で 24 時間培

養後,生理食塩水で希釈し試験液とする。最終の希釈は,同培地を用いて希釈する

c)

。ただし,こ

の試験液 1 mL に含まれる菌数は,約 10

3

個とする。

操作及び培養:試験液 15 mL を注射筒にとり,注射筒の先端にシリンジフィルタを付け,試験液をゆっくりと,ほ

とんど全て押し出し,この流出液を試験管にとる。流出液の入った試験管を 20∼25  ℃で少なくと
も 10 日間培養する。このとき,シリンジフィルタ内に残った試験液は,注射筒を用いて空気圧で押

し出す。

判        定:この培養液について,肉眼的に菌の発育を認めたときは,不適であると判定する。

a)

  Brevundimonas diminuta ATCC 19146 は,この種のメンブレンフィルタの菌捕捉性能評価試験に一般的に用い

られている細菌で,財団法人発酵研究所にも同じものが IFO14213 として保存されている。

b)

  加乳糖ブイヨンの調製法は,ASTM F 838-83 に準じて行うことができる。

c)

  最終の希釈を培地で行う理由は,試験液のろ過液をそのまま培養するため,ろ過液が菌の発育に十分な栄養

状態である必要からである。

d)

  Serratia marcescens は,無菌試験に用いられるメンブレンフィルタの菌捕捉性能評価試験に一般的に用いられ

ている細菌で,財団法人発酵研究所などの保存機関から入手できる。

e)

  Sacharomyces cerevisiae は,発酵工業又は醸造工業に広く利用されている有胞子酵母で,財団法人発酵研究所

などの保存機関から入手できる。 


9

T 3224

:2011

附属書 C 

規定)

溶出物試験第二法

C.1.1

  試験液  滅菌済みシリンジフィルタ 3 本及び 300 mL のほうけい酸ガラスフラス

コで,クローズドサーキュレイションシステムを作る。フラスコ中の液を 37±1  ℃に維
持できるようなサーモスタット装置をフラスコに取り付ける。できるだけ短い適切なシ
リコンチューブにペリスタリックポンプを用いるなどの方法で,ISO 3696 のグレード 1

又はグレード 2 に適合する水 250 mL を,流量 1 L/h で 2 時間循環させる。循環液を集め
て冷まし,この液を試験液とする。

C.1

  試 験 液 及 び 空 試

験液の調製 

C.1.2

  空試験液  シリンジフィルタを付けないで同様に循環させ,空試験液を調製す

る。

C.2

  酸 性 又 は ア ル カ

リ性

滴定フラスコに入れた試験液 20 mL に,タシロ指示薬 0.1 mL を加える。色が紫色の場合

は水酸化ナトリウム溶液(0.01 mol/L)を,緑色の場合は塩酸(0.01 mol/L)を,灰色が
現れるまで加える。

注記  タシロ指示薬(Tashiro's indicator)

:95 %(V/V)エタノールへ,メチルレッド

0.2 g 及びメチレンブルー0.1 g を溶解し 100 mL としたもの。

C.3

  金属イオン 10

mL の試験液を用いて各国薬局方によって金属イオンの試験を行う。呈色度を調べる。

C.4

  過 マ ン ガ ン 酸 カ

リウム還元性物質

10 mL の試験液に 0.002 mol/L の過マンガン酸カリウム溶液 10 mL 及び 1 mol/L の硫酸溶
液 1 mL を加え,かくはんし,室温で 15 分間反応させる。よう化カリウム 0.1 g を加え,
0.005 mol/L のチオ硫酸ナトリウム溶液で液が薄茶色になるまで滴定した後に,5 滴ので
んぷん溶液を加え,青色が消えるまで滴定する。空試験液についても同様に行う。0.002 
mol/L 過マンガン酸カリウム溶液消費量(mL)を空試験液との差によって計算する。

C.5

  蒸発残留物 50

mL の試験液を,質量を量った蒸発皿に入れ,沸点近くの温度で蒸発乾固する。105  ℃

で質量が一定となるまで乾燥させる。50 mL の空試験液についても同様な操作を行う。

試験液と空試験液の蒸発残留物との差を mg で表す。

C.6

  紫 外 吸 収 ス ペ ク

トル

試験液を 0.45  μm のメンブランフィルタでろ過する。5  時間以内に空試験液を入れたセ
ルを対照として,1 cm の石英セルに入れた液を走査紫外分光光度計にかけ,波長 250∼
320 nm のスペクトルを記録する。結果を,波長に対する吸光度を図示したスペクトルと
して報告する。