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T 2004

:2011

(1) 

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  種類

3

5

  品質

3

5.1

  性能

3

5.2

  構造

3

5.3

  電気機器としての安全性

4

6

  試験方法

4

6.1

  アルカリ性電解水及び酸性電解水の pH の試験方法

4

6.2

  アルカリ性電解水中の金属類の試験方法

4

6.3

  アルカリ性電解水中の総トリハロメタン濃度の試験方法

4

6.4

  アルカリ性電解水中のその他の項目の試験方法

5

6.5

  異常時の漏えい電流の試験方法

5

7

  表示及び取扱説明書

5

附属書 A(規定)合成水の調製方法

8

附属書 B(規定)pH の測定方法

9

附属書 C(規定)構造及び材料に関する性状基準

11

附属書 D(参考)機器に使用する材料

13

附属書 E(参考)精製水

14


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本ホー

ムヘルス機器協会(HAPI)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格

を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正

した日本工業規格である。

これによって,JIS T 2004:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 T

2004

:2011

家庭用電解水生成器

Water electrolyzer for home use

1

適用範囲

この規格は,病院及び診療所以外で使用する家庭用電解水生成器で,単相機器の場合は,定格電圧が 100

V で作動し,内部電源機器の場合は,安全特別低電圧(SELV)で作動する次の機器について規定する。

−  貯槽式電解水生成器

−  連続式電解水生成器

なお,平成 26 年 7 月 28 日まで JIS T 2004:2005 は適用することができる。 

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の西暦年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS C 9335-2-207:2007

  家庭用及びこれに類する電気機器の安全性−第 2-207 部:水電解器の個別要求

事項

JIS K 0125:1995

  用水・排水中の揮発性有機化合物試験方法

JIS K 0557:1998

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 8799:1992

  フェノールフタレイン(試薬)

JIS K 8842:1992

  ブロモチモールブルー(試薬)

JIS K 8896:1992

  メチルレッド(試薬)

JIS S 3200-7:2004

  水道用器具−浸出性能試験方法

JIS S 3201:2004

  家庭用浄水器試験方法

JIS Z 8802:1984

  pH 測定方法

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 9335-2-207 の 3.(定義)によるほか,次による。

3.1

家庭用電解水生成器

水を電気分解して,アルカリ性電解水及び酸性電解水を生成する,家庭用に専用設計された機器。

3.2

貯槽式電解水生成器

家庭用電解水生成器のうち,カルシウムイオンを含んだ飲用適の水を,一定時間貯水し,電気分解して

飲用のアルカリ性電解水及び飲用外の酸性電解水を生成する機器。

3.3

連続式電解水生成器


2

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家庭用電解水生成器のうち,水道などに直結し,流水過程において,カルシウムイオンを含んだ飲用適

の水を電気分解して飲用のアルカリ性電解水及び飲用外の酸性電解水を生成する機器。

3.4

原水

機器に供給する水で,飲用適の水又は合成水。

3.5

飲用適の水

水道法(昭和 32 年法律第 177 号)に基づく水質基準に関する省令(平成 15 年厚生労働省令第 101 号)

に適合する水。

3.6

合成水

試験を行うために特別に調製した水(調製方法は,

附属書 参照)。

3.7

生成水

家庭用電解水生成器によって生成される,アルカリ性電解水及び酸性電解水。

3.8

アルカリ性電解水

pH 9.0 以上で飲用可能なアルカリ性水。

3.9

酸性電解水

洗顔用として使用する酸性水。

3.10

精製水

合成水の調製及び器具などを洗浄するために用いる水で JIS K 0557 の 4.(種別及び質)に規定した A1

及び A2 のもの。

注記  JIS K 0557 の 4.の必要箇所を附属書 に示す。

3.11

放流水

連続式電解水生成器において,

機器が一定時間使用されなかったとき,次の通水時に使用目的ではなく,

排水する水。

3.12

電解補助剤

水の電気分解を補助するために,原水に添加する添加剤。

3.13

内部電源機器

機器を作動させるために必要な電力を与えることを意図し,かつ,その機器の一部として組み込まれる

電源によって作動させることができる機器。

3.14

アース

接地と同義で,特別な要求がない限り保護接地。


3

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3.15

AC

アダプタ

電気用品安全法施行令  別表第一の九の(4)で定める直流電源装置。

4

種類

種類は,医療機器の一般的名称(JMDN)によって,次のとおり区分する。

a)

貯槽式電解水生成器

b)

連続式電解水生成器

注記 JMDN:日本版医療機器の一般的名称(Japanese Medical Device Nomenclature)

5

品質

5.1

性能

性能は,次による。

a)

アルカリ性電解水の pH  機器は,pH 9.5±0.3 のアルカリ性電解水を生成できなければならない(6.1

参照)

b)

酸性電解水の pH  機器は,pH 5.5±1.0 の酸性電解水を生成できなければならない(6.1 参照)。

5.2

構造

構造は,JIS C 9335-2-207 の 22.(構造)によるほか,次による。

a)

材料  機器に使用する材料のうち,生成水の生成過程で,水が接触する構成材料は,有害な物質が溶

出しないものとする。

注記  構成材料の選定は,附属書 を参考にするとよい。

b)

アルカリ性電解水の性状  アルカリ性電解水の性状は,次による。

1)

アルカリ性電解水中の金属類  アルカリ性電解水中の金属類濃度は,使用する電極材料別に,原水

に対して,

表 C.1 の値を超えて増加してはならない。また,この規定は,機器又は取扱説明書に表

示した使用可能期間に生成する水量に相当する水量(総水量)を処理したものについても,適合し

なければならない(6.2 参照)

2)

アルカリ性電解水中の総トリハロメタン濃度  アルカリ性電解水中の総トリハロメタン濃度(クロ

ロホルム,ブロモジクロロメタン,ジブロモクロロメタン及びブロモホルムのそれぞれの濃度の総

和)は,原水に対して,

表 C.1 の値を超えて増加してはならない。機器又は取扱説明書に表示した

使用可能期間に生成する水量に相当する水量を処理したもの(浄水機能をもつものは,浄水機能の

品質性能表示に相当する水量を処理したもの)についても,適合しなければならない(6.3 参照)

3)

アルカリ性電解水中のその他の項目  アルカリ性電解水中のその他の項目は,その各項目の成分が

原水に対して,

表 C.1 の値を超えて増加してはならない(6.4 参照)。

c)

酸性電解水の性状  水道法(昭和 32 年法律第 177 号)第 4 条第 2 項に基づく“水質基準に関する省令”

(平成 15 年 5 月 30 日厚生労働省令第 101 号)のうち,

“健康に関する項目”に区分される項目に適合

しなければならない。

d)  pH

確認手段  機器には,pH 指示薬又は pH 指示紙など,pH を確認する手段を附属しなければならな

い。

なお,機器にその機能があるものは,この限りでない。


4

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5.3

電気機器としての安全性

電気機器としての安全性は,JIS C 9335-2-207 によるほか,次による。

a)

分類  機器の感電に対する保護は,JIS C 9335-2-207 の 6.(分類)によるか,又は内部電源機器でな

ければならない。ただし,内部電源機器で,AC アダプタも使用できる構造の機器は,AC アダプタの

分類による。

b)

異常時の漏えい電流  単一故障状態の漏えい電流は,JIS C 9335-2-207 の 13.(動作温度での漏えい電

流及び耐電圧)による。ただし,クラス II 機器は,0.5 mA 以下とする(6.5 参照)

6

試験方法

6.1

アルカリ性電解水及び酸性電解水の pH の試験方法

a)

試験装置  アルカリ性電解水及び酸性電解水の pH の試験方法は,次のいずれかによる。

1)  A

法(pH 計法)  B.3.1 及び B.3.2 による。

2)  B

法(比色法)  B.4.1 による。

b)

手順  手順は,次による。

1)

測定は,JIS C 9335-2-207 の 5.(試験のための一般条件)の 5.102 の水を用いて行う。

注記  JIS C 9335-2-207 の 5.102 の水とは,次の条件に適合する水をいう。

水温:20  ℃±5  ℃

電気伝導率:200 µS/cm±50 µS/cm

2) A

法(pH 計法)は,B.3.3 で,B 法(比色法)は,B.4.2 によって試験を行う。

c)

結果の記録  附属書 によって pH を測定し,値を記録する。

6.2

アルカリ性電解水中の金属類の試験方法

アルカリ性電解水中の金属類の試験方法は,次による。

a)

試験装置  JIS S 3200-7 の 8.(分析方法)に規定した各附属書に規定の試薬,器具及び装置を使用す

る。

b)

手順  試験手順は,次による。

1)

使用する電極材料別に,JIS S 3200-7 

表 2(材質別項目)によって試験対象とする項目を選定する。

2)

選定した金属類の項目について,JIS S 3200-7 

表 1(試験の項目)に規定した試験を行う。

3)

採水方法は,C.3 による。

c)

結果の記録  JIS S 3200-7 の 8.

によって分析した値を記録する。

6.3

アルカリ性電解水中の総トリハロメタン濃度の試験方法

アルカリ性電解水中の総トリハロメタン濃度の試験方法は,次による。

a)

試験装置  JIS K 0125 に規定する試験環境,試薬及びガラス器具類を使用する。

b)

手順  手順は,次による。

1)

アルカリ性電解水中の総トリハロメタン濃度(クロロホルム,ブロモジクロロメタン,ジブロモク

ロロメタン及びブロモホルムのそれぞれの濃度の総和)について,JIS K 0125 によって分析する。

2)

機器に供給する水は,JIS C 9335-2-207 の 5.(試験のための一般条件)の 5.102,又は合成水を用い,

JIS S 3201

の 6.2.3(揮発性有機化合物除去性能試験)の

表 1(揮発性有機化合物試験用試料水の調

製)に規定する総トリハロメタン濃度に調製する。

c)

結果の記録  判定は,表 C.1 による。


5

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6.4

アルカリ性電解水中のその他の項目の試験方法

アルカリ性電解水中のその他の項目の試験方法は,次による。

a)

試験装置  JIS S 3200-7 の 8.(分析方法)に規定した各附属書に規定の試薬,器具及び装置を使用す

る。

b)

手順  手順は,次による。

1)

アルカリ性電解水中のその他の項目について,JIS S 3200-7 

表 2(材質別項目)によって試験対象

とする項目を選定する。

2)

選定した項目について,JIS S 3200-7 

表 1(試験の項目)に規定した試験を行う。

3)

採水方法は,C.3 による。

c)

結果の記録  JIS S 3200-7 の 8.

に基づき分析した値を記録する。

6.5

異常時の漏えい電流の試験方法

異常時の漏えい電流の試験は,次による。

a)

試験装置  試験装置は JIS C 9335-2-207 の 13.(動作温度での漏えい電流及び耐電圧)によって漏えい

電流試験装置を使用する。

b)

手順  手順は,次による。

1)

次の状態において,漏えい電流を測定する。

1.1)

電源電線の 1 本の断線時(ヒューズの溶断を含む。

1.2)

保護接地線の断線時(クラス 0I 及びクラス I 機器だけに適用する。

1.3)

温度過昇防止装置(温度ヒューズを含む。

)の故障時

1.4)

漏えい電流を生じる可能性がある電気部品[1.1)∼1.3)  を除く。

]の故障時

1.5)

漏えい電流を生じる可能性がある機械部品の故障時

なお,クラス 0 機器の基礎絶縁の破壊には,適用しない。

2)  JIS C 9335-2-207

の 13.

によって漏えい電流を測定する。

c)

結果の記録  漏えい電流の値を記録する。

7

表示及び取扱説明書

JIS C 9335-2-207

の 7.(表示及び取扱説明)によるほか,次に適合しなければならない。

a)

表示  機器の本体又は直接の容器若しくは被包に,次の事項を表示する。

1)

制御部の機能及び表示器の意味。

機器上の表示で操作に必要な指示を行い,操作又は調整のパラメータ(電流,電圧,周波数,パ

ルス幅など)を表示する場合,それらの情報は,機器上又は取扱説明書で使用者に理解できるよう

にしなければならない。

2)

法令で定められた必要な表示事項。

注記  表示事項は,機器の本体に表示することが望ましい。

b)

取扱説明書  取扱説明書には,次の事項を含んでいなければならない。

1)

一般

1.1)

機器の電極材料について,想定される使用可能期間。浄水機能をもつ機器は,除去対象物質の除

去性能として除去率及び総ろ過水量。

1.2)

機器に使用した数字,記号,注意書き及び略語の意味を説明。

2)

使用前の注意事項


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2.1)

機器に供給する水は,飲用適の水を用いる旨。

2.2)

しばらく使用しなかった機器を使用するときは,正常に,かつ,安全に作動することを確認する

旨。

2.3)

製造業者が指定した電解補助剤を必要に応じ添加し,その入れ方,添加量及び添加場所を守る旨。

2.4)

貯槽式電解水生成器の場合は,電解槽に入れる水量,連続式電解水生成器の場合には,機器の最

低作動水圧。

2.5)

機器の内部洗浄については,次の各事項。

−  貯槽式電解水生成器は,貯水部の洗浄方法及びその頻度

−  連続式電解水生成器は,放流水の量又は通水時間及びその頻度

−  初めて使用するとき及び長時間使用しなかったときの洗浄,又は放流方法

2.6)

アース端子をもつ機器にあっては,アースが正しく接続されていることを確認して使用する旨。

2.7)

全ての電源コードは,容易に離脱しないように接続されていることを確認して使用する旨。

2.8)

操作つまみ,ダイヤル,タイマ,スイッチなどが正常に作動するか確認して使用する旨。

3)

使用中の注意事項

3.1) pH

の調整方法を次の該当する項目から記載する。ただし,自動調節機能をもつ機器には,適用し

ない。

−  処理時間による設定手順

−  電圧・電流による調整

−  電解補助剤の増減による方法

−  流量による方法

−  原水による希釈の方法

3.2) pH

の確認において,pH 指示薬又は pH 指示紙を使用する場合は,次の各事項。

− pH の確認方法

−  指示薬溶液の保存方法

−  指示薬溶液及び pH の確認に使用した生成水を飲用しない旨。

3.3)

機器を操作するために必要な全ての情報。

これには,次の情報を含める。

−  制御器の機能

−  ディスプレイ及び信号

−  操作の手順

−  着脱可能な部品及び附属品の着脱方法

−  作動中に消耗する材料の交換などについての説明

4)

使用後及び保管時の注意事項

4.1)

生成水は生成後速やかに使用する旨。また,生成水の保存方法及び保存日数。

4.2)

生成水の保存に適さない容器についての注意。

4.3)

機器の使用を停止する場合は,操作つまみ,ダイヤル,タイマなどを元の状態に戻した後,電源

を切る必要のある機器はその旨。

4.4)

使用者又は操作者が行う,清掃,予防点検及び保守方法並びにこのような保守の周期に関わる詳

細。このような説明には,日常保守の安全な実施方法についての情報を含める。

なお,取扱説明書には,予防点検及び保守を行わなければならない部分について,その実施周


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期を含め,明示する。ただし,この記載には,このような保守についての詳細を含める必要はな

い。

4.5)

機器及び附属品の廃棄に伴うリスク,並びにこれらのリスクを最小にするための廃棄方法。

5)

機器の故障及び改造についての注意事項

5.1)

故障した場合は分解及び修理をしないで,販売店などに連絡する旨。

5.2)

機器は,改造しない旨。

5.3)

貯槽式電解水生成器については,機器本体,電解槽,隔膜,電極などの保守及び点検方法。

5.4)

長時間使用しないときは,電源プラグを抜く。また,貯槽式電解水生成器については,保守,点

検後乾燥などをして湿気の少ないところへ保管する旨。

5.5)

コード類を取り扱うときは,コードを持って引き抜くなどコードの接続部に無理な力をかけない

旨。

6)

使用上の注意事項

6.1)

アルカリ性電解水については,次の各事項。

−  医薬品をアルカリ性電解水で併飲しない旨。

−  初めて飲用する人は,pH が中性に近い範囲で少量から飲用する旨。

−  飲用して身体に異常を感じたとき,又は飲用し続けても症状に改善が見られないときは,飲用を

中止し,医師に相談する旨。

−  医師の治療を受けている人,特にじん(腎)臓に障害がある人,及び身体に異常を感じている人

は飲用前に医師に相談する旨。また,じん(腎)不全,カリウム排せつ(泄)障害などのじん(腎)

疾患の人は飲用しない旨。

−  アルカリ性電解水を飲用に用いるときは,pH 9.5 を適値とし,pH 10 以上は飲用不可であり直接

飲用しない旨。

−  アルカリ性電解水を飲用に用いるとき,使用開始時と,その後 1 か月に 1 回以上,ガラス電極式

pH 計,又は比色法によって pH を確認し,飲用範囲であることを確認してから飲用する旨。

−  アルカリ性電解水の飲用量は,1 日当たり 500∼1 000 mL 程度を適量とする旨。

6.2)

酸性電解水については,次の各事項。

−  飲用しない旨。

−  肌の弱い人及びアレルギ体質の人は,酸性電解水を使用する前に医師に相談する旨。

−  酸性電解水を用いて肌に異常を感じたときは,使用を中止して医師に相談する旨。

6.3)

他の部品又は材料の使用によって最低安全限界を下回る可能性がある場合には,組み合わせても

よい附属品,着脱可能な部品及び材料の指定を含める。


8

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附属書 A

規定)

合成水の調製方法

A.1

  適用範囲

この附属書は,家庭用電解水生成器の性能及び性状の確認における,機器に供給する合成水の調製方法

について規定する。

A.2

  試薬

試薬は,次のものを用いる。

a)

有効塩素濃度 0.3 mg/mL 次亜塩素酸ナトリウム溶液  次亜塩素酸ナトリウム溶液を,有効塩素濃度が

0.3 mg/mL となるように,精製水で希釈する。調製した溶液は,共栓付きフラスコに入れ,密封して

冷暗所に保管する。

b)  0.04 mol/L

塩化カルシウム溶液  塩化カルシウム 4.44 g を精製水に溶かして 1 L としたもの。

c)

0.04 mol/L

炭酸水素ナトリウム溶液  炭酸水素ナトリウム 3.36 g を精製水に溶かして 1 L としたもの。

d)

塩酸(199

注記  試薬溶液の濃度の表し方:水との混合比[試薬(ab)]で表し,試薬 a mL と水 b mL とを

混合したことを示す。

e)

0.1 mol/L

水酸化ナトリウム溶液  水酸化ナトリウム 4.0 g を精製水に溶かして 1 L としたもの。

A.3

  調製方法

調製方法は,次による。

a)

ビーカーに水 900 mL を採り,有効塩素濃度 0.3 mg/mL 次亜塩素酸ナトリウム溶液,0.04 mol/L 炭酸水

素ナトリウム溶液及び 0.04 mol/L 塩化カルシウム溶液を適量加えた後,精製水を加えて l L とする。

注記  規定の合成水に調製するには,次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素濃度 0.3 mg/mL)1 mL,

炭酸水素ナトリウム溶液(0.04 mol/L)22.5 mL 及び塩化カルシウム溶液(0.04 mol/L)11.3 mL

を目安に調製するとよい。

b)

この溶液を,塩酸(1+99)及びそれを 10 倍に薄めたもの,並びに 0.1 mol/L 水酸化ナトリウム溶液及

びそれを 10 倍に薄めたものを用いて pH 調製し,

水質が,

pH 7.0±0.5,水温 20±5  ℃,硬度 45±5 mg/L,

残留塩素 0.3±0.1 mg/L となるように調製する。

注記  調製後の電気伝導率は 200±50 μS/cm を目安とする。

c)

調製した合成水の pH,硬度及び残留塩素は,次の方法によって確認する。

1) pH

は,B.3 又は B.4 による。

2)

硬度は,JIS S 3200-7 

附属書 10(硬度の測定方法)による。

3)

残留塩素は,JIS S 3200-7 

附属書 21(残留塩素の測定方法)の 2.(DPD 比色法),3.(電流滴定法)

又は 4.(吸光光度法)のいずれかによる。


9

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附属書 B

規定)

pH

の測定方法

B.1

  適用範囲

この附属書は,家庭用電解水生成器の性能試験における,pH の測定方法について規定する。

B.2

  試料水の採水

当該機器に添付する取扱説明書に記載の,機器の操作方法によって生成したアルカリ性電解水及び酸性

電解水を採水し,B.3 又は B.4 のいずれかの方法によって,pH を測定する。

B.3

  法(pH 計法)

B.3.1

  試薬

試薬は,JIS S 3200-7 

附属書 15(pH の測定方法)の 2.1(試薬)によるほか,JIS Z 8802 の 6.(pH 標

準液)による。

B.3.2

  装置

装置は,JIS Z 8802 の 4.(pH 計の種類及び形式)による。

B.3.3

  操作方法

操作方法は,次による。

a)  pH

計の試験  JIS Z 8802 の 7.1(pH 計の試験)による。

b)

測定方法  測定方法は,次による。

1)

準備  JIS Z 8802 の 7.2.1(準備)による。

2)  pH

計の校正  JIS Z 8802 の 7.2.2(pH 計の校正)によるほか,次による。

2.1)

スパン校正

2.1.1)

アルカリ性電解水を測定する場合  検出部をりん酸塩 pH 標準液,ほう酸塩 pH 標準液,又は炭

酸塩 pH 標準液に浸し,pH 標準液の温度に対応する値にスパン調整ダイヤルを調整して校正す

る(自動校正機能をもつ pH 計においては,その pH 計の操作方法による。

2.1.2)

酸性電解水を測定する場合  検出部をフタル酸塩 pH 標準液,しゅう酸塩 pH 標準液に浸し,そ

の後の操作は 2.1.1)  と同様に行う。

3)

試料水の採取  試料水の採取は,精製水によって洗ったガラス瓶又はポリエチレン瓶を,試料水に

て 3 回以上共洗いした後,試料水を採取し,速やかに試験に供する。

なお,生成水の量は,測定値が変化しない程度に十分にとる必要がある。

4)

測定  pH 計を校正した後,電極を洗浄し,直ちに試料水の pH を測定する。

B.4

  法(比色法)

B.4.1

  試薬

試薬は,JIS K 8842 に規定するブロモチモールブルー,JIS K 8896 に規定するメチルレッド又は JIS K 

8799

に規定するフェノールフタレインのいずれか,又はこれらを含む混合試薬による。

B.4.2

  操作方法


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:2011

   

操作方法は,次による。

a)

試料水の採取  試料水の採取は,B.3.3 b) 3)  と同様に行う。

b)

操作  a)  で採取した試料水を,比色用容器に必要量採り,B.4.1 の試薬を加えて混合した後,発色し

た色を直ちにそれぞれの比色列と比色して,該当する比色列から試料水の pH を求める。


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T 2004

:2011

附属書 C 

規定)

構造及び材料に関する性状基準

C.1

  適用範囲

この附属書は,アルカリ性電解水の性状基準について規定する。

C.2

  項目及び基準

項目及び基準は,JIS S 3200-7 

表 2(材質別項目)によって試験対象とする項目を選定し,JIS S 3200-7

表 1(試験の項目)に示す試験項目において試験を行ったとき,表 C.1 による。

表 C.1−項目及び基準

基準項目

判定基準

カドミウム及びその化合物

a)

カドミウムの量に関して,0.000 3 mg/L 以下

水銀及びその化合物

水銀の量に関して,0.000 05 mg/L 以下

セレン及びその化合物

セレンの量に関して,0.001 mg/L 以下

鉛及びその化合物

鉛の量に関して,0.001 mg/L 以下

ひ素及びその化合物

ひ素の量に関して,0.001 mg/L 以下

六価クロム化合物

六価クロムの量に関して,0.005 mg/L 以下

シアン化物イオン及び塩化シアン

シアンの量に関して,0.001 mg/L 以下

硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素 1.0

mg/L 以下

ふっ素及びその化合物

ふっ素の量に関して,0.08 mg/L 以下

四塩化炭素 0.0

2

mg/L 以下

1,2-ジクロロエタン 0.0

4

mg/L 以下

ジクロロメタン 0.002

mg/L 以下

シス-1,2-ジクロロエチレン及び 
トランス-1,2-ジクロロエチレン

0.004 mg/L 以下

テトラクロロエチレン 0.001

mg/L 以下

トリクロロエチレン 0.001

mg/L 以下

ベンゼン 0.001

mg/L 以下

亜鉛及びその化合物

亜鉛の量に関して,0.1 mg/L 以下

鉄及びその化合物

鉄の量に関して,0.03 mg/L 以下

銅及びその化合物

銅の量に関して,0.1 mg/L 以下

ナトリウム及びその化合物

ナトリウムの量に関して,20 mg/L 以下

マンガン及びその化合物

マンガンの量に関して,0.005 mg/L 以下

塩化物イオン 20

mg/L 以下

蒸発残留物 50

mg/L 以下

陰イオン界面活性剤 0.02

mg/L 以下

フェノール類

フェノールの量に換算して,0.000 5 mg/L 以下

有機物[全有機炭素(TOC)の量] 0.5

mg/L 以下

異常でないこと。

臭気

異常でないこと。

色度

0.5 度以下

濁度

0.2 度以下


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表 C.1−項目及び基準(続き)

基準項目

判定基準

エピクロロヒドリン 0.01

mg/L 以下

アミン類

トリエチレンテトラミンとして,0.01 mg/L 以下

2,4-トルエンジアミン 0.002

mg/L 以下

2,6-トルエンジアミン 0.001

mg/L 以下

ホルムアルデヒド 0.008

mg/L 以下

酢酸ビニル 0.01

mg/L 以下

スチレン 0.002

mg/L 以下

1,2-ブタジエン 0.001

mg/L 以下

1,3-ブタジエン 0.001

mg/L 以下

総トリハロメタン 0.01

mg/L 以下

a)

  カドミウム及びその化合物は,2012 年 3 月 31 日までは,0.001 mg/L 以下とし,2012 年

4 月 1 日からは,0.000 3 mg/L 以下とする。

C.3

  採水方法

採水は,次による。

a)

機器に供給する水  機器に供給する水は合成水を使用する。

b)

電解補助剤  電解補助剤は添加せずに試験を行う。

c)

試料水の調製  試料水は,次の方法によって洗浄,コンディショニング及び採水の操作を時間を空け

ずに行い,調製する。

なお,コンディショニングは,省略できる。

1)

洗浄  貯槽式電解水生成器の場合は,JIS S 3200-7 の 7.1.1 a)(洗浄)による。連続式電解水生成器

の場合は,機器に水道水を 1 時間供給した後,機器内の容積に相当する水量以上の精製水を供給し

て機器内を洗浄する。

2)

コンディショニング  JIS S 3200-7 の 7.1.1 b) 1)(末端給水用具)による。

d)

採水  採水は,あらかじめ硝酸(1+15)で洗い,更に精製水で洗った硬質ガラス製瓶を使用し,次に

よる。

1)

貯槽式電解水生成器  水を機器に供給し,当該機器に添付する取扱説明書に記載された,機器の操

作方法によって,生成したアルカリ性電解水を試料水として採水する。

2)

連続式電解水生成器  機器に添付する取扱説明書に表示の放流水の量,又は放流水の通水時間,水

を機器に供給し,引き続き取扱説明書に表示の機器の操作方法によって,生成したアルカリ性電解

水を試料水として採水する。


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附属書 D 

参考)

機器に使用する材料

D.1

  適用範囲

この附属書は,家庭用電解水生成器に使用する材料のうち,生成水の生成過程で,水が接触する構成材

料について記載する。

D.2

  ろ材[原水をろ(濾)過する材料]

ろ材は,次による。

a)

活性炭  活性炭は黒色の粉末,粒,繊維状,又はそれらを成型したもので,食品衛生法(昭和 22 年法

律第 233 号)に基づく食品,添加物などの規格基準(昭和 34 年厚生省告示第 370 号)第 2 添加物 D

の活性炭の成分規定に適合するか,又はこれと同等以上の品質とする。

b)

活性炭以外のろ(濾)材  活性炭以外のろ(濾)材は,食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)に基づ

く食品,

添加物などの規格基準

(昭和 34 年厚生省告示第 370 号)

第 3 器具及び容器包装に適合するか,

又はこれと同等以上の品質とする。

D.3

  その他の構成材料

その他の構成材料は,次による。

a)

ゴム  食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)に基づく食品,添加物などの規格基準(昭和 34 年厚生

省告示第 370 号)第 3 器具及び容器包装,又は JIS K 6353(水道用ゴム)の材料試験に適合するか,

又はこれと同等以上の品質とする。

b)

合成樹脂  食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)に基づく食品,添加物などの規格基準(昭和 34 年

厚生省告示第 370 号)第 3 器具及び容器包装に適合するか,又はこれと同等以上の品質とする。

c)

金属  電極材料は,食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)に基づく食品,添加物などの規格基準(昭

和 34 年厚生省告示第 370 号)第 3 器具及び容器包装とする。

d)

電解補助剤  電解補助剤に使用するカルシウム化合物は,食品衛生法第 4 章の 2(食品添加物公定書)

による。

なお,カルシウム化合物に保存料を配合する場合においては,保存料は食品衛生法第 4 章の 2(食

品添加物公定書)による。


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T 2004

:2011

   

附属書 E

参考)

精製水

E.1

  適用範囲

この附属書は,用語及び定義で規定する精製水について記載する。

E.2

  精製水

精製水とは,機器本体の用語及び定義で規定する精製水であり,品質を参考として JIS K 0557 の 4.(種

別及び質)の

表 及び備考のうち,関係する部分だけを表 E.1 に示す。

表 E.1 の A1 及び A2  の水の用途及び精製方法は,一般に,次のようなものである。

− A1 の水は,器具類の洗浄に用いる。最終工程でイオン交換法,逆浸透膜法などによって精製したもの,

又はこれと同等の質が得られる方法で精製したもの。

− A2 の水は,一般的な試験に用いる。A1 の水を用い,最終工程でイオン交換装置,精密ろ過器などの

組合せによって精製したもの,又はこれと同等の質が得られる方法で精製したもの。

表 E.1−精製水

種別及び質

項目

a)

A1 A2

電気伝導率 µS/cm(25  ℃)

5 以下 1

b) c)

  以下

有機炭素

(TOC)mg/L 1 以下 0.5 以下

亜鉛 µg/L

0.5 以下 0.5 以下

シリカ µg/L

− 50 以下

塩化物イオン µg/L

10 以下

2 以下

硫酸イオン µg/L

10 以下

2 以下

a)

  試験方法によっては,項目を選択してもよい。また,試験方法で個別に使用する水の規定がある場合

はそれによる。

b)

  水精製装置の出口水を電気伝導率計の検出部に直接導入して測定したときの値。

c)

  最終工程のイオン交換装置の出口に精密ろ過器などのろ過器を直接接続し,出口水を電気伝導率計の

検出部に直接導入した場合には,0.1 µS/cm(25  ℃)以下とする。