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T 1506

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚

生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS T 1506:1984 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 61266:1994,Ultrasonics−Hand-held

probe Doppler foetal heartbeat detectors

−Performance requirements and methods of measurement and reporting を

基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 1506

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)標的の選択と標的平面波反射損失の決定

附属書 B(参考)一般的な試験装置及び試験手順

附属書 C(参考)音響減衰器の往復挿入損失の決定

附属書 D(参考)理論的根拠

附属書 E(参考)参考文献

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


T 1506

:2005

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  記号一覧

3

5.

  形状

4

6.

  性能

4

6.1

  音響作動周波数

4

7.

  安全

4

8.

  試験

4

8.1

  音響作動周波数

4

8.2

  出力

5

8.3

  空間のピーク時間的ピーク音圧

5

8.4

  超音波振動子の有効範囲

5

8.5

  総合感度

5

9.

  性能の表示

8

10.

  附属文書の明細項目

8

11.

  サンプリング方法

8

附属書 A(参考)標的の選択と標的平面波反射損失の決定

11

附属書 B(参考)一般的な試験装置及び試験手順

17

附属書 C(参考)音響減衰器の往復挿入損失の決定

19

附属書 D(参考)理論的根拠

21

附属書 E(参考)参考文献

22

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

23


日本工業規格

JIS

 T

1506

:2005

超音波手持探触子形ドプラ胎児心拍動

検出装置性能要求事項,試験方法及び表示

Ultrasonics

Hand-held probe Doppler foetal heartbeat detectors

Performance requirements and methods of measurement and reporting

序文  この規格は,1994 年に第 1 版として発行された IEC 61266,Ultrasonics−Hand-held probe Doppler foetal

heartbeat detectors

−Performance requirements and methods of measurement and reporting を翻訳し,技術的内容

を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,次の事項について規定する。

−  完全な状態の超音波手持

探触子形ドプラ胎児心拍動検出装置(以下,装置という。)の性能試験方法

−  装置の性能に対する要求事項

−  現存する装置の性能の表示に対する要求事項

−  装置の性能に関する

附属文書によって,製造業者が表明した場合の要求事項

この規格は,単一超音波ビームを発生し,連続波超音波又は

準連続波超音波を使用したドプラ法によっ

て母体腹壁から胎児心拍動の情報を得るために使われる,手持の

探触子によって構成する装置について適

用する。ただし,この規格は,複数の超音波ビームを用い,

患者に平面探触子を装着して使用するような

形式の連続監視装置については,適用外である。

この規格は,装置の設計規格ではない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

IEC 61266:1994

, Ultrasonics−Hand-held probe Doppler foetal heartbeat detectors−Performance

requirements and methods of measurement and reporting (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年又は発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS T 0601-1:1999

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項

備考  IEC 60601-1:1988  Medical electrical equipment−Part 1:General requirements for safety からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。


2

T 1506

:2005

IEC 60854:1986

  Methods of measuring the performance of ultrasonic pulse−echo diagnostic equipment

IEC 60866:1987

  Characteristics and calibration of hydrophones for operation in the frequency range 0.5 MHz

to 15 MHz

IEC 61101:1991

  The absolute calibration of hydrophones using the planar scanning technique in the

frequency range 0.5 MHz to 15 MHz

IEC 61102:1991

  Measurement and characterization of ultrasonic fields using hydrophones in the frequency

range of 0.5 MHz to 15 MHz

IEC 61157:1992

  Requirements for the declaration of the acoustic output of medical diagnostic ultrasonic

equipment

IEC 61161:1992

  Ultrasonic power measurement in liquids in the frequency range 0.5 MHz to 25 MHz

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

なお,この規格の文中で用いた太字は,この規格及び JIS T 0601-1 の定義で規定した用語であることを

示す。

3.1

音響結合媒体(acoustic coupling medium)  音響伝達を維持するために探触子と体表面との間に置いた

物質。

3.2

音響作動周波数(acoustic working frequency)  超音波音場に設置したハイドロホンの出力の観察から

得られる音響信号の周波数。

この規格での使用に当たっては,信号はゼロクロス周波数法(IEC 60854 参照)によって分析する(IEC 

61102

の 3.4.1

3.3

連続波超音波(continuous wave ultrasound)  連続又は数十回続く準連続の超音波振動。

3.4

ドプラ周波数(Doppler frequency)  散乱体と探触子との間に関係した作動に起因する超音波散乱波の

周波数の変化。送信波と受信波との周波数の差である。

3.5

超音波振動子の有効範囲(effective area of the ultrasonic transducer active element)  探触子表面から

5mm

の距離での−6 dB ビームの領域(IEC 61102 の 3.6

    単位:平方ミリメートル,mm

2

3.6

ドプラ信号(Doppler signal)  ドプラ周波数での信号。

3.7

装置(equipment)  超音波手持探触子形ドプラ胎児心拍動検出装置。

3.8

公称音響作動周波数(nominal acoustic working frequency)  設計者又は製造業者によって提示された音

響作動周波数値。

3.9

出力(output power)  特定された媒体中(水中が望ましい。)で,特定の状況下でほぼ自由な音場内の

超音波トランスジューサによって放射された時間平均超音波

出力(IEC 61161 の 3.5)。

    記号:P

    単位:ワット,W

3.10

総合感度(overall sensitivity)  特定の速度をもち,探触子から特定の距離に位置して動く,標的平面反

射損失が既知の模擬先端標的(3 波長より直径が短い。

)からの

ドプラ信号(ノイズレベルより上の信号。)

を検出する装置の能力を測る基準。

C

B

d

A

S

+

+

=

)

(


3

T 1506

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ここに,

A(d)

探触子からの距離 での標的に対する標的平面波
反射損失(dB)

B

音響進路全体にわたる往復減衰(dB)。そこには,
音響減衰器,すべての結合窓及び水の進路の往復
減衰も含む。

C

信号とノイズとの比(dB)

S

総合感度(S)

単位:

デシベル,dB

3.11

超音波探触子(probe)  超音波エネルギーの送信と受信とを受けもつ,超音波トランスジューサの振

動子を含む組立部品。必要があれば,他の構成部分を含む場合もある。

3.12

受信部(receiver unit)  少なくとも可聴領域内のドプラ信号を作り出す,探触子からの超音波信号を処

理する装置の部分。

3.13

信号出力部(signal output part)  他の機器,例えば,表示,記録又はデータを処理するための機器への,

出力信号電圧又は電流の供給を意図した規定を受けない装置の部分(JIS T 0601-1  の 2.1.19)。

備考  通常,装置の信号出力部は,イヤホン,ヘッドホン,スピーカ又は他の音響機器の接続が許容

された

受信部の出力ターミナル,又はコネクタである。

3.14

空間のピーク時間的ピーク音圧(spatial-peak temporal-peak acoustic pressure)  超音波音場での,正の最

大瞬時音圧又は負の最大瞬時音圧の絶対値(IEC 61102 の 3.263.27 及び 3.50

    単位:パスカル,Pa

3.15

標的平面波反射損失(target plane-wave reflection loss)  標的からのある指定された距離での,180 度後

方反射された超音波音場の音圧と,標的対称軸の共軸平面波内で,標的を取り除いた場合のその位置での

音圧との比。損失は正の数値として表現する。

    記号:A

    単位:デシベル,dB

3.16

送信部(transmitter unit)  探触子を作動させるための,高周波連続波電気信号又は高周波準連続波電気

信号を発生する装置の部分。

4.

記号一覧

  a

球又は棒状標的の半径

  A(d)  距離 での

標的平面波反射損失(dB)

  B

全音響行程にわたる往復減衰(dB)

  B

a

音響減衰器の往復挿入損失(dB)

  B

w

結合窓の往復挿入損失(dB)

  C SN 比(dB)

  c

媒体中の音速

  d

超音波トランスジューサ又は

探触子の表面と標的との距離

  f

超音波周波数

  k (=2π/λ)波数

  P

超音波トランスジューサの

出力

  Pa

音響

出力


4

T 1506

:2005

  S

装置の

総合感度

  t

音響窓の厚さ

  Ur

標的のその位置でのハイドロホン又は超音波トランスジューサの p-p 信号

  Ut

標的から特定された距離でのハイドロホン又は超音波トランスジューサの p-p 信号

  Vs

ドプラ信号の実効値電圧

  Vn

雑音の実効値電圧

  Z

電気的インピーダンス

α

媒体中の平面波振幅減衰係数

λ

超音波の波長

5.

形状  図 に示すとおり,装置は,通常次のモジュールによって構成する[モジュールは,同一きょ

う(筐)体内に組み込まれる場合と組み込まれない場合とがある。

探触子

送信部

受信部

信号出力部

6.

性能

6.1

音響作動周波数  音響作動周波数は,10.  に従って設計者又は製造業者によって公表された公称音響

作動周波数値の±15  %を超えてはならない。

適合性は,8.1 の試験方法による。

7.

安全  装置の安全は,JIS T 0601-1 による。

参考  IEC 60601-2-X シリーズを参考にしてもよい。

8.

試験  すべての試験は,22.5  ℃±5  ℃の脱気水を使用する。

8.1

音響作動周波数  装置の音響作動周波数は,図 で示した音響結合法によって決定する。ハイドロ

ホンは,クラス B ハイドロホンとして IEC 60866 に従うものとする。ハイドロホンの振動子は,水槽の中

央部,少なくとも側面,底面から 5 cm 離れたところに設置する。音響減衰材は,横にそれた(不必要な)

反射波の減衰のために水槽に並べて使用する。ハイドロホンは,最大信号を得られるよう照準を合わせる

ものとする。装置を真の連続波モードで使用するとき,周波数カウンタは,

音響作動周波数の決定に使用

することができる。この場合には,周波数カウンタに十分な感度があれば増幅器は使用しなくてもよい。

この目的に使用する周波数カウンタは,装置の

公称音響作動周波数の 140  %以上平たんな周波数応答をも

つものとする。

準連続波モード又は掃引周波数モード,他のモードで使用する場合には,

音響作動周波数は,IEC 60854

に規定されたオシロスコープのゼロクロス法を用い,ハイドロホンによって検出された波形から決定する。

複数の周波数を使用する装置の場合には,

音響作動周波数を,公称音響周波数として公表されたそれぞ

れについて計測する(10.参照)

。周波数を掃引する装置の場合には,

音響作動周波数を,掃引周波数範囲

の最小及び最大の周波数で計測する(10.参照)

音響作動周波数の計測での総合精度は,信頼率 95  %で±1  %とする。


5

T 1506

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8.2

出力  出力は,IEC 61161 に従って放射力バランスを使用するか,又はハイドロホン並びに IEC 61101

及び IEC 61102 で与えられる手順によって,音圧の正方形を空間的に集めたものを使用して決定する。

力の計測での総合的な不確かさは,±50  %を超えないか,又は 4 mW を超えないものとする。いずれの場

合も信頼率 95  %以上である。ただし,

出力が IEC 61157 の 6.  に従わないような装置の場合には,出力の

測定での総合的不確かさは,信頼率 95  %で±30  %より良いものとする。計測装置は,国家計測標準に比

較校正していることが望ましい。

8.3

空間のピーク時間的ピーク音圧  空間のピーク時間的ピーク音圧は,全超音波音場において IEC 

61102

に規定する試験方法か,これと同等の試験方法を使用して決定する。ハイドロホンは,IEC 60866

及び IEC 61102 に従ったものとする。ハイドロホンは,IEC 60866 又は IEC 61101 で与えられた相互依存

又は平面の走査方法によるか,これと同等と認めることを示し得るか,又は精度がよりよい方法によって

校正することが望ましい。ハイドロホンの校正が妥当なものとして,国家計測標準に比較校正しているこ

とが望ましい。

全超音波音場での

空間のピーク時間的ピーク音圧が探触子面から 5 mm 未満で生じる場合は,空間のピ

ーク時間的ピーク音圧は,探触子面からの距離が少なくとも 5 mm 離れた超音波音場の部分で決定する。

8.4

超音波振動子の有効範囲  超音波振動子の有効範囲は,超音波ビームの方向に垂直平面で,かつ,

IEC 61102

の 8.1.5 の方法を使用して

探触子面から 5 mm の距離で走査したハイドロホンによって決定する。

8.5

総合感度  総合感度は,装置の実際の使用条件を模擬するための 8.5.1 及び 8.5.2 の方法を使用して,

決定する。試験方法の不確かさは,

(信頼率 67  %での)次の値を超えないことが望ましい。

標的反射損失

±3 dB

再現性

±3 dB

総合精度

±6 dB

総合感度の決定は,探触子によって生成された超音波音場に置いた小さい振動標的を使用して行う。図

3

に試験方法の基本的概要を図示したブロックダイアグラムを示す。

8.5.1

試験装置  試験装置は,次による。

8.5.1.1

標的反射体  音響作動周波数において標的平面波反射損失が既知の小さい標的反射体を使用す

る(

附属書 参照)。

標的の直径は,

音響作動周波数の 3 波長を超えてはならない。標的は,小さい球又は先端標的(先が平

面若しくは半球面の長い棒状のもの)のいずれであってもよい。標的は,特性音響インピーダンスが 0.6

×10

6

∼3.5×10

6

 kgm

-2

  s

-1

までの範囲の材質で作ったものであることが望ましい。

標的平面波反射体損失

は,標的を使用する周波数帯全体にわたって±3 dB 以内であることが確認されているものとする。

標的平面波反射損失は,被試験装置の音響作動周波数で決定する。多周波数装置又は掃引周波数装置で

は,

標的平面波反射損失を音響作動周波数帯にわたって決定する。

標的平面波反射損失は,8.5.2 に規定した総合感度の決定に使用する入射超音波ビームと同一のものにつ

いて,標的の軸の方向で決定する。

附属書 に使用できる試験方法の資料を示す。

標的平面波反射損失は,四つの距離 50 mm, 75 mm, 100 mm 及び 200 mm で決定する。


6

T 1506

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8.5.1.2

駆動部  標的は,往復運動の中間帯域において一定速度でのこぎり波状の振動をつくる,電気機

械的駆動部に取り付ける。標的の作動の振幅は,標的の全体又は棒状の標的の先端が常時水中に浸ってい

る状態であることが望ましい。励振周波数及び振幅は,10∼40 cm/s の範囲の速度を標的に与えることが望

ましい。

ドプラ周波数及び標的速度は,明確に示すものとする(9.  及び 10.  参照)。この計測は,図 

示すように,標的の往復運動の極と波形が安定した後の波形の領域との間で行う。標的と

探触子面との距

離は,調整可能とする。

8.5.1.3

試験容器  試験容器は,探触子と接する部分が音響的に透明な窓にした,音響結合媒体を使用す

ることが望ましい。

探触子の水平位置は,一直線になるように調整する。探触子の方向は,超音波ビーム

が試験容器の軸とほぼ一直線にする。標的の表面を除いて,

探触子音場内のすべての表面で起こる可能性

のある擬似的動きが起こらないように配慮する。

音響減衰材は,試験容器に並べ,かつ,水面に標的支持部を取り囲むように置く。

備考  附属書 に,音響窓に探触子を結合し,その探触子の垂直方向上部に振動する標的を置いた試

験容器を説明した。それに代わる試験容器としては,水に浸した

探触子面をもつ試験水槽の底

に標的があるものを使用することもできる。後者の形状では,

探触子と標的との距離の変化を

考慮せず,音響減衰器(8.5.1.6 参照)を容易に挿入することができる。

8.5.1.4

実効値信号測定  信号出力部での信号の実効値レベルの一つの決定手段としては,8.5.1.2  に規定

したものを使用する。実効値電圧計を使用する場合には,読取り値が標的の往復運動の最中の中間領域で

の値を表している,ということを確実にするための確認を行うものとする。

8.5.1.5

スピーカ(音響出力部)  音響出力が利用できない場合には,スピーカ又は他の音響出力部は,

被試験装置の

信号出力部に接続することが望ましい。

8.5.1.6

音響減衰器  音響減衰器は,標的からのドプラシフトしたエコーレベルの実際的な条件を作るた

めに,

探触子と標的との間の超音波音場に挿入する。減衰器の位置は,探触子とできる限り近付ける。減

衰器は,測定される感度の範囲をカバーする挿入損失の範囲をもつものとする。最も厚い減衰器は,20 dB

以上の往復挿入損失をもつものとする。減衰器は,誤差±0.05 mm の一定の厚さの材料のシートで,25  %

未満の前面振幅反射係数をもつものとする。往復挿入損失(減衰)は,この全体の感度試験(

附属書 

照)の間か,又はそれに先立って測定する。個々の減衰挿入損失の精度は,

音響作動周波数の範囲で信頼

限界 95  %において,±1 dB 又はそれ以上のものとする。幾つかの減衰器を重ねて使用するとき,減衰器

の厚さの総合計は 20 mm を超えないものとする。減衰器の表面に空気が入らないように注意することが望

ましい。水,他の適切な液体,又はゲルを,音響の結合媒体として使うことが望ましい。

探触子から標的へ,及びその戻りの超音波が通過する間の往復減衰の総合計 B を決定する。この減衰は,

水槽の音響の結合器窓(

図 において例として示した底プレート)の挿入損失も含むものとする。信号減

衰の総合計は,次の式によって算出する。

w

a

B

B

B

+

=

å

ここに,

ΣB

a

減衰器の全挿入損失。

B

w

全結合窓にわたっての挿入損失。一定の条件のもと
では無視できる(

附属書 参照)。

8.5.2

測定手続  装置の総合感度の測定は,次に従って行う(図 に示した試験システムの例参照)。


7

T 1506

:2005

8.5.2.1

水槽を水で満し,

探触子面がほぼ試験容器の中心となり,探触子を超音波ビームが標的に当たる

ように向けた試験装置を準備する。

探触子と標的との間の距離 は,8.5.2.6 に規定した距離のうちの一つ

に設定する。超音波ビームに関連した標的は,標的反射損失の決定のために使用したものと同一のものと

する(8.5.1.1 参照)

8.5.2.2

実効値電圧測定システムは,信号の

出力部に接続する。CRT オシロスコープは,標的駆動部の電

気信号と被試験装置とに接続する。

探触子は,図 に例示するような試験装置と接続する。

8.5.2.3

被試験装置の音量調整器は,標的が作動していないときに実効値 V

n

(装置の電気のノイズ

出力)

の値を測定できる位置に設定する。駆動部は,

ドプラ信号を得るために操作され,探触子部の水平位置は,

出力振幅が最大になるような位置に調整する。

出力実効値 V

s

(信号及びノイズが混ざったもの)は,前出の音量調整器と同じ位置で測定する。被試験

装置の

出力は,信号とノイズの比率 が,約 6 dB になるまで,探触子と標的との間に音響減衰器を加え

ることによって減衰させる。

ここに,はデシベルで,次の式によって算出する。

÷

÷
ø

ö

ç

ç
è

æ

=

)

(

)

(

10

log

20

rms

n

rms

s

V

V

C

総合感度

S(dB)

は,次の式によって算出する。

C

B

d

A

S

+

+

=

)

(

ここに,

A(d)

距離

d

で標的平面反射損失

(dB)

8.5.1.1 及び

附属書 A

参照)

B

音響減衰器,全結合窓及び水の進路を含む音響の進路
全体にわたる往復減衰

(dB)

附属書 参照)

C

信号とノイズの比率

(dB)

8.5.2.4

ドプラ信号が確実に聞こえるように,信号とノイズの比率

  C=6 dB

の条件のもとで,音声

出力

P

a

は,音量調整器を最大に設定した状態で,スピーカ駆動

出力として

P

>1 mW

,及びイヤホーン又はヘッド

ホーン駆動

出力として

P

>100µW

であることが望ましい。

出力

  P

a

は,次の式によって算出する。

v

rms

n

a

Z

V

P

)

(

2

=

ここに,

Z

v

実質的な抵抗である負荷の公称電気インピーダンス

8.5.2.5

球状標的を使用する場合には,

総合感度の決定は,直径の異なる二つの標的を使用して行うもの

とする。大きい標的と小さい標的の直径の比率は,

1.1

より大きいものとする。

総合感度 の公示値は,よ

り大きい値を与える標的からのデータに基づく(

附属書 参照)。

8.5.2.6

総合感度 は,探触子の面から

50 mm

 75 mm

 100 mm

及び

200 mm

の距離

(

d

)

に置いた標的に

よって決定する。

備考

ここでの目的は,臨床に使われる距離の範囲での感度を決定することである。最大距離

200 mm

は,遠い距離にある標的を表し,この距離は比較的厳しい要求条件である。


8

T 1506

:2005

9.

性能の表示  既存装置の性能を表示するために,次のパラメータの値を明示する。

a

)

公称音響作動周波数(有効数字

2

けた)

b

)

探触子表面から

50 mm

 75 mm

 100 mm

及び

200 mm

の距離の

総合感度

この規格では要求しない。

c

)

b

)

の決定のために使用した

ドプラ周波数及び標的速度(有効数字

2

けた)

この規格では要求しない。

d

)

空間のピーク時間的ピーク音圧

e

)

出力

f

)

超音波振動子の有効領域

g

)

通常使用する

音響結合媒体及びその特性音響インピーダンスの記述

複数の周波数を使用する装置の場合には,パラメータ a

)

f

)

は,各

公称音響作動周波数に対する値を明

示する。周波数掃引をする装置の場合には,パラメータ a

)

f

)

は,掃引された周波数範囲の下限及び上限

の周波数での値を明示する。

出力が可変できる装置の場合には,a

)

f

)

は,最大

出力時の値を明示する。

ここに,8.で規定した試験で使用された水槽の温度を明示する。さらに,試験中の環境温度も明示する。

10.

附属文書の明細項目  超音波の性能に関するラベリングについては,次のパラメータの値を適切な形

式で

附属文書の中に明確に述べる。

a

)

公称音響作動周波数

(有効数字

2

けた)

b

)

探触子表面から

50 mm

 75 mm

 100 mm

及び

200 mm

の距離の

総合感度

この規格では要求しない。

c

)

b

)

の決定のために使った

ドプラ周波数及び標的速度(有効数字

2

けた)

この規格では要求しない。

d

)

空間のピーク時間的ピーク音圧

e

)

出力

f

)

超音波振動子の有効領域

g

)

通常使用する

音響結合媒体及びその特性音響インピーダンスの記述

公表値は,11.  で規定したサンプリングと一致しなければならない。

複数の周波数を使用する装置の場合には,パラメータ a

)

f

)

は,各

公称音響作動周波数に対する値を明

示する。周波数掃引をする装置の場合には,パラメータ a

)

f

)

は,掃引された周波数範囲の下限及び上限

の周波数での値を明示する。

出力の可変できる装置の場合には,a

)

f

)

は,最大

出力時の値を明示する。

水槽の温度及び環境温度の範囲は,パラメータ a

)

g

)

の記述ごとに明示する。

備考

3.10

で定義した装置の

総合感度は,出力及び装置によって発生した超音波音場での音響圧力分

布によって変わる。したがって,装置の性能を十分評価するためには,これらのパラメータの

知識を必要とするため,それらをこの項に含めた。その装置が IEC 61157 の公表免責条項

6.

に該当する場合にも,これらの項目を含める。

11.

サンプリング方法  10.で規定した性能パラメータの記述の必要条件は,少なくとも五つの同一形名の

装置のサンプル群による形式検査に基づくこととする。


9

T 1506

:2005

10.

に従って記述した種々のパラメータの値は,サンプルから得た平均値とする。

受  信  部

送  信  部

探  触  子

信号出力部

  1  装置構成のブロックダイアグラム

2cm≦

d

≦5cm

脱気水

音響減衰材

ハイドロホン

水槽

周波数カウンタ

又は

オシロスコープ

探触子

被試験装置

増  幅  器

  2  音響作動周波数測定のためのブロックダイアグラム

2 cm

5 cm


10

T 1506

:2005

実効値測定装置

被試験装置

波形発生器

オシロスコープ

標的反射体をもつ支持部

音響減衰部

水槽

音響減衰部(必要なとき)

脱気水

音響減衰器

探触子

駆動部

  3  総合感度テスト方法の基本概念を説明するブロックダイアグラム

ドプラ信号

測定位置(傾斜部分のほぼ中央)

励振波形

  4  標的を動かすための三角波に関してドプラ信号レベルを決定するためのサンプル点


11

T 1506

:2005

附属書 A(参考)標的の選択と標的平面波反射損失の決定

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

A.1

標的の選択  本体の 8.5.1.1 に規定した小さい標的に要求する仕様は,多くの異なった形式の標的を

用いることによって明確になる。最も頻繁に用いられる二つの形式(終端の形状が,平面カット又は半球

状の細い棒の場合及び細い棒の端に支持される小球である場合)の標的について次に述べる。一般的な目

的は,

標的平面波反射損失が

 40

60 dB

の範囲の標的を使うことにある。

A.1.1

鋼球標的

A.1.1.1

特性  附属書 表 は,この規格で述べている応用例で使用し,良い結果を得た鋼球標的の詳細

である。

附属書   1  鋼球反射体の詳細

形式

データ

A

(周波数 800 kHz 以上)

B

(周波数 1.2 MHz  以上)

鋼球の直径 mm

2.38

1.58

鋼球の材質

マルテンサイト系ステンレス鋼

支柱

ステンレス製皮下注射針

鋼球標的の

標的平面波反射損失は,その剛球の大きさ及び超音波の波長,すなわち,周波数に依存する。

重要なパラメータ ka は,波数 k

=

2

π

f/c

[ここに,f  は周波数

(kHz)

は鉄の音速

(m/s)

]と鋼球の半径 

(m)

との積である。ka

4

の範囲では,反射損失は ka によって変化し,かつ,ka

増加に伴い,一定の値に収

束する傾向がある。

附属書 表 に示した二つの標的で,ka

=4

であるための周波数は,

形式

A

では

800 kHz

形式

B

では

1.2 MHz

である。

A.1.1.2

反射損失  連続波の場合は,特定の方角での鋼球から反射される超音波は,鋼球と支持棒の内部

の種々な反射の干渉によって強く影響される。したがって,

標的平面波反射損失は,被試験装置の音響作

動周波数及び使用する標的の方向によって決定されることになる。これは,球状標的の場合には,異なっ

た直径の二つの標的が使われなければならず,かつ,が大きい方の標的からデータをとらなければなら

ないと本体の 8.5.2.5 で推奨している理由である。これを考慮した場合には,直径が

1.58 mm

2.38 mm

の二つが適切であろう。この方法は,有害な干渉のために偶然に非常に高い反射損失が出るかも知れない

不具合を回避できる。

附属書 表 で詳述した距離

 100 mm

での二つの鋼球の

標的平面波反射損失の周波

数による変化の例を,

附属書 図 に示した。

A.1.2

細い棒状の標的

A.1.2.1

特徴  長い棒を標的として用いる。直径が約

0.5 mm

の終端が平面状のステンレス製の棒を使用し,

標的平面波反射損失が滑らかに変化することを,附属書 図 に示している。これらの標的は,音響のイ

ンピーダンスが

 0.6

×

10

6

3.5

×

10

6

 kgm

2

s

1

の範囲の材質を使わねばならない本体の 8.5.1.1 の規定に従わ

ないが,鋼球からの高い反射によって内部反射なしに直径を小さくできる利点がある。それによって,滑ら

かで適切な

標的平面波反射損失を算出できる。また,ポリメタクリル酸メチルやポリカーボネート,ポリテ

トラフルオルエチレンのような損失の大きい材料から作った直径

1 mm

の終端が平面状の棒も使用できる。


12

T 1506

:2005

ポリメタクリル酸メチルのような損失の大きい材料で組み立てた終端が半球状の長い棒の場合は,ka

>4

は半球部分の直径)において平たんな周波数応答をもつことを示した。使用した他の材料として,ポ

リテトラフルオルエチレン

(PTFE)

がある。これらの材料の特性音響インピーダンスは,本体の 8.5.1.1 に示

す値より十分に低い。しかし,十分に小さい

標的平面波反射損失を得るためには,直径が上の規定より大

きい棒を使うほうがよく,一般に

2 mm

程度の値である。

附属書 図 に代表的な結果を示す。

A.2

標的平面波反射損失の決定

A.2.1

一般  標的平面波反射損失は,多くの異なった試験方法を使用して決定する。その目的は,標的か

らの規定の距離で,

180

°後方反射超音波音場と標的との位置で,標的を取り去ったときの音響圧力比を決

定することにある。この規定のために,例えば,次のような異なった方法が使用される。三つの方法には,

それぞれ概略的に

附属書 図 に示すような試験機器構成を用いる。附属書 図 2 a

)

及び  b

)

に示した機

器構成ではハイドロホンの使用を基本においているが,これは最大の精度が要求される場合の参考測定と

して使用する。

附属書 図 2 c

)

で示した機器構成は,超音波トランスジューサの使用に基づいており,測

定の精度はそれほど重要でなく,簡単なこと及び使いやすいことが最も重要である。

三つの機器構成に共通の初期設定の手順は,次による。

A.2.1.1

少なくとも

0.5 m

の長さの,水で満した試験水槽を準備する。トランスジューサ,標的及び測定

用ハイドロホン(又は反射体)を支持するための位置調節機構が必要である。少なくとも

20

サイクルのト

ーンバースト励起を起こさせる超音波トランスジューサを,標的位置調節機構の移動軸の

1

本と,超音波

ビームが平行に一直線に並ぶような,一つの位置調節機構に取り付ける。A.2.3 によって小さい直径のトラ

ンスジューサが必要でない場合は,トランスジューサの振動子の直径は,

50 mm

又はそれよりも短い近距

離音場を生じるように選定する(IEC 61102 参照)

(直径

12.5 mm

の振動子をもつトランスジューサは,ほ

2 MHz

の周波数に適している。

。トランスジューサの励起レベルは,適切な

SN

比を獲得できるように

十分に高いが,非直線伝達に起因する波形のひずみを避けるために十分な低さでなければならない(IEC 

61102

参照)

トランスジューサの有効な振動子の直径(IEC 61102 参照)を,近距離域が

 50 mm

以下になるように選

ぶ(

2 MHz

の周波数に対しては,振動子の有効直径

12.5 mm

のトランスジューサが適している。

)トラン

スジューサ励起レベルは,適切な信号対雑音比を得るために十分に高く,かつ,非線形伝達によって起こ

される波形のひずみを避けるために十分低くとらなければならない(IEC 61102 参照)

A.2.1.2

標的をトランスジューサから放射される超音波ビームの線上に置き,その方向を対称軸が入射す

る超音波ビームの方向と平行に,かつ,標的の先端がトランスジューサに向かうように調整する。超音波

ビームとの関係において標的の方向は,本体の 8.5.1.1 で規定した

総合感度試験のために使用したものと同

一とする。散乱した超音波による干渉効果を減じるため,標的及び送信用トランスジューサの後方に音響

吸収材を置く。

A.2.2

ハイドロホンを基準とした場合の手順  検出器としてハイドロホンを応用した二つの形態を,附属

書 図 2 a

)

及び  b

)

に示す。

附属書 図 2 a

)

は二つの検出器を使用する。一つは,トランスジューサに近く,

送信モードで作動する薄膜ハイドロホン(IEC 61102 参照)で,後方反射超音波ビームの音圧測定に使用

し,他は,ニードル

探触子形ハイドロホン(IEC 61102 参照)又は薄膜ハイドロホンで,標的を取り除い

た後の標的の位置での音圧の決定に使用する。

この試験装置の優れた点は,標的,入射超音波ビーム及び後方反射ビームを同軸上に置くことができる

ことである。これは重要な意味をもつ,様々な入射角を伴う

標的平面波反射損失を表す球状標的の場合に


13

T 1506

:2005

は,最も考慮するところである。この装置の不利な点は,薄膜ハイドロホンからの干渉反射を避けるため

の方策の必要があること,及び二つの検出器の感度の比を知る必要があることである。

附属書 .2 b

)

に検出器としてニードル

探触子形ハイドロホンを使用し,入射及び反射ビームの間の

角度を最小にするため,トランスジューサの横になるべく近付けた位置にハイドロホンを置いた二つめの

試験装置を示す。前述したように,ニードル

探触子又は薄膜ハイドロホンを標的の位置での,音圧測定の

ための検出器として使用することができる。この装置の利点は,同じ検出器が両測定に使用できることで

あるが,不利な点は,トランスジューサ,標的及び検出器が,後方反射信号の測定のために同軸上に配置

することが不可能なことである。軸から外れた角度を伴う様々な反射損失を考慮することを確実にする方

策を立てなければならない。特に,球状標的を使用したときには必要である。標的からの反射信号の測定

には,十分な

SN

比を得るために,標的の位置での音圧測定で使用する範囲より広い範囲で検出器を使用

することが必要になる。

この場合には,空間平均を説明するためには補正が必要になる(

[1]*

参照)

*

角括弧の番号は,

附属書 の参考文献の番号を表している。

ハイドロホンを基準とした場合の手順は,次のとおりである。

A.2.2.1

標的によって反射された超音波は,

附属書 図 2 a

)

又は  b

)

に示した装置を使用して検出する。

附属書 図 2 a

)

の場合には,薄膜ハイドロホン

E

は透過送信モードで使用し,入射超音波ビームと同一線

上にあり,また,その振動子は薄膜ハイドロホンとトランスジューサとの間の二重反射が,標的から反射

した超音波を妨害しないようなトランスジューサからの距離に置いている。

備考

標的が計測するハイドロホンから測定距離 を,

50 mm

75 mm

100 mm

及び

200 mm

の四つ

の位置としたとき,二重反射によって検出器で受信した信号が,標的から得られた信号の出現

と同時には出現しないことを確実にするために,距離 

120 mm

150 mm

との間が適してい

る。

附属書 図 2 b

)

で示した装置を使用する場合には,

標的はトランスジューサからの距離 の位置に置く。

そのとき,ニードル

探触子形ハイドロホンは,標的からの距離 の位置で,かつ,トランスジューサのそ

ばにできるだけ近付ける。

A.2.2.2

ハイドロホン

E

によって受信される信号の

p-p

値は,標的の平行移動によって最大になる(すな

わち,入射超音波ビームに直交する平面上を移動することによって)

。測定するトーンバーストの領域は,

トーンバーストの終わりに面し,振幅が全面にわたって一定である領域である。安定した状態の疑似連続

波状態を確実にするため,トーンバーストのサイクルの数を増やす必要があるかもしれない。この測定に

伴って,標的支持体からの反射の干渉がないことを確実にするよう注意する。

A.2.2.3

ハイドロホン

E

p-p

信号レベル U

E

は,距離 において計測する。そのとき,標的に代わって

2

番目のハイドロホン

D

附属書 図 2 b

)

]で示される形態の場合には,同じハイドロホン(両計測に用い

ることができる。

)を置き,水平位置と方向が,

p-p

信号が最大になるように調整する。

p-p

信号 U

D

を決

定する。

標的平面波反射損失 A

(

d

)

は,次の式によって算出する。

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

R

U

U

d

A

E

D

10

log

20

)

(

ここに,

R

ハイドロホン

E

とハイドロホン

D

のケーブル端負荷感

度の比


14

T 1506

:2005

A.2.3

トランスジューサを基準とした場合の手順  附属書 図 2 c

)

に示した装置は,検出器としてパルス

エコーモードの超音波トランスジューサを利用する。標的の位置での音圧を測定するために,トランスジ

ューサと標的との間の中間に平面反射体を置く。この装置の有利な点は,トランスジューサがすべての計

測に使用できる点であるが,不利な点は,トランスジューサの限定された大きさが誤差の原因となる点で

ある。この誤差を

2 dB

より小さくするためには,トランスジューサの振動子の直径を

d

λ

2

.

1

ここに,

λ:

波長

d

トランスジューサと標的との間の距離

([1]

*

参照

)

より小さくしなければならない。

附属書 図 2 c

)

に示した装置構成の場合には,平面反射体は,中心が少なくとも

20 mm

の厚さのステ

ンレス鋼で,くさび形にできたものであることが必要である。くさびの角度は,後面からの超音波反射が

測定に干渉しないように,少なくとも

15

°以上にすることが望ましい。反射体の振幅反射係数 は,鋼及

び水の特性音響インピーダンスから算出する。

トランスジューサを基準とした場合の手順は,次のとおりである。

A.2.3.1

標的によって反射された超音波は,

附属書 図 2 c

)

に示した装置構成を使用して,パルスエコ

ーモードで超音波トランスジューサによって検出する。標的は,トランスジューサから距離 の位置に置

く。

A.2.3.2

トランスジューサによって受信される

p-p

信号は,標的の平行移動によって最大になる。測定す

るトーンバーストの領域は,トーンバーストの終わりに面し,振幅が全面にわたって一定の領域である。

安定した状態の準連続波状態を確実とするために,トーンバーストのサイクルの数を増やす必要がある場

合もある。この測定に伴って,標的支持体からの反射に干渉がないことを確実にするよう注意する。

A.2.3.3

 p-p

トランスジューサ信号レベル U

T

は,距離 での標的によって計測する。平面反射体をトラン

スジューサから d/2 の距離に挿入する。平面反射体の方向は,

p-p

反射信号が最大になるように調整する。

p-p

信号 U

R

を決定し,

標的平面波反射損失 A

(

d

)

を,次の式によって算出する。

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

T

R

rU

U

d

A

10

log

20

)

(

ここに,  r:  平面反射体の振幅反射係数

A.2.4

本体の 8.5.2 に規定した

総合感度試験の目的のため,標的を探触子表面から四つの異なった距離に

設置する。これには本体の 8.5.2.6 で述べた四つの異なった距離での

標的平面波反射損失が分かっているこ

とが必要になる。それぞれの距離での反射損失を決定することが望ましいが,本体の 8.5.1.1 の要求を満た

す標的の

標的平面波反射損失は,距離に反比例する性質があることが分かっている。したがって,距離 d

1

での

標的平面波反射損失 A(d

1

)

は,距離 での測定から,次の式によって算出する。

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

=

d

d

d

A

d

A

1

10

1

1

log

20

)

(

)

(


15

T 1506

:2005

30

35

40

45

50

55

60

65

標的平面波反射損失dB

1.6

1.8

3.0

2.8

2.6

2.4

2.2

2.0

●  鋼球形式 A

附属書 表 1  参照

■  鋼球形式 B

附属書 表 1  参照

◆  直径 0.56 mm で終端が平らな鋼棒 
▲  直径 2 mm で終端が半球状のポリテトラフルオルエチレンの棒

附属書 図 1  距離 100 mm での 4 種類の標的の周波数の作用に関する標的平面波反射損失

附属書 図 2 a)

超音波 
トランジューサ

薄膜ハイドロホン E    標的

薄膜ハイドロホン

超音波 
トランジューサ

e d


16

T 1506

:2005

附属書 図 2 b)

附属書 図 2 c)

附属書 図 2  標的に対する平面波反射損失の決定のための三つの代表的装置形態

附属書 図 2 a)と附属書 図 2 b)とは,検出器としてハイドロホンを使用する。附属書 図 2 c)は,送

信及び受信の両方にトランスジューサを使用する。すべての装置形態は,まず,標的と反射音圧の決定の

ための検出器の位置を示し,次に入射音圧決定のための検出器の位置を示している。

超音波 
トランジューサ

超音波 
トランジューサ

標的

ニードル

探触子形

ハイドロホン E

d

ニードル

探触子ハイドロホン D


2

超音波 
トランジューサ

超音波 
トランジューサ

d

平面反射体

トランジューサの鏡像 

トランスジューサは標的の

位置で超音波ビームを受ける)


17

T 1506

:2005

附属書 B(参考)一般的な試験装置及び試験手順

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

この附属書は,全体的な感度を正確に決めるために使用する代表的な試験装置及び手順を詳細に記述す

る。

B.1

試験器具  本体の図 は,この目的に適した試験装置の例及び組立を示す。これには,次の項目を

含んでいる。

B.1.1

標的反射体  標的反射体の反射損失は,標的からの p-p エコー振幅と完全な平面反射体の振幅との

比である。この損失は,装置に使用する個々の周波数範囲で決定する(本体の 8.5.1.1 参照)

B.1.2

水槽  感度試験に使用する水槽は,透明なプラスチックで作る。代表的な構造及び寸法を,附属書

B

図 に示す。探触子の水平位置及び方向の調整装置を準備する。

B.1.3

駆動装置  装置は,波形発生器からの電気信号に応じて,標的反射体アームを支えて,駆動する。

標的の垂直位置調整装置を準備する。

B.1.4

波形発生器  この装置は,B.1.3 に記載した駆動装置のために,三角波としての電気的励起を供給

する。

B.1.5

CRT

オシロスコープ  CRT オシロスコープは,試験中に波形を観察するために必要なものとして

使用する。

B.1.6

実効値計測システム  装置の信号出力部で,実効値信号レベルを計測する方法を準備する。

B.1.7

スピーカ(音声出力部)  被試験装置に対する音声出力を準備する。

B.1.8

音響減衰材  好ましくない反射を減じるために,中心に直径 10 mm 以下のあなの開いた一枚の音

響減衰材を,容器の水表面上に設置する。同様の音響減衰材を,容器の側面からの不必要な反射を減衰さ

せるために使用する。

B.1.9

音響減衰器  挿入損失が分かっている(附属書 参照)幾つかの音響減衰器は,探触子と標的と

の間に挿入して使用する。

備考  本体の図 は,探触子と水槽の底との間に挿入する減衰器を示す。もう一つの方法として,水

中の水槽の底に減衰器を挿入することもできる。減衰器の位置決めは困難かもしれないが,こ

の配置は,不確実な音響結合による問題を解決し(本体の 8.5.1.6 参照)

,減衰器を挿入するこ

とによって,

探触子と標的の間の分割箇所が変化することを解決できる。

B.2

試験装置への結合  被試験装置は,水,その他の適切な液体又はゲルで試験装置に結合すると,本

体の

図 に示す状態になる。

B.3

試験手順  装置の総合感度の計測は,次のように行う(本体の図 参照)。

B.3.1

脱気水を深さ 200 mm 以上水槽に満たし,水表面に音響減衰材を置く。

B.3.2

波形発生器へ CRT オシロスコープを接続する。被試験装置の

信号出力部へ実効値計測システムを

接続する。音響結合媒質を使用して,本体の

図 に示した装置へ探触子を接続する。

B.3.3

駆動装置へ標的を,本体の

図 に示すように取り付ける。標的と探触子との間の距離を適切な開始

位置,約 100 mm に合わせる。


18

T 1506

:2005

B.3.4

波形発生器は,標的の三角波作動が生じるように調整する。標的の作動の振幅及び周波数は,本体

の 8.5.1.2 に従って調整する。

B.3.5

本体の 8.5.2.38.5.2.6 に示した計測手順に従う。

                                                    単位  mm

附属書 図 1  総合感度試験のための容器の標準寸法

材質:透明樹脂


19

T 1506

:2005

附属書 C(参考)音響減衰器の往復挿入損失の決定

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

C.l

音響減衰器に適切な材料は,ゴム又はプラスチック材料で作ったものである。減衰器は,通常,あ

らかじめ厚さを正確に決定した平面な素材でできたシート状又は板状のもので,両面が滑らかなものであ

る。

C.2

2

∼20 dB の間の往復挿入損失(往復減衰)をもつ,幾つかのシート状又は板状の減衰器を準備する。

C.3

透過法又は反射法によって,パルス波又は連続波を使用する,満足できる種々の減衰測定法がある。

適切な精度をもついずれの方法も,この規格の目的のために認められる。次に示したものは,そのような

方法の一例である。これは,この規格に規定した試験中に行う。

C.3.1

水を通じて音響的に結合する超音波送信機と受信トランスジューサとの間に,減衰シートが挿入さ

れているような,水で満たされた試験容器を組み立てる。受信トランスジューサは,ハイドロホンでもよ

い。受信トランスジューサの

出力は,オシロスコープなどの信号測定システムへ接続する。

送信トランスジューサは,関係ある周波数でトーンバーストを繰り返すことによって駆動する。

C.3.2

音響減衰シート又は板を追加し,受信トランスジューサの電気信号

出力のレベル変化に注意する。

この変化(デシベル)は,シートの減衰である(C.3.3  の後半参照)

測定システムは,線形と仮定する。これは同じ減衰器を追加挿入し,

出力の変化が 0.3 dB 以内であるこ

とを確認することによって証明してもよい。

C.3.3

音響減衰シート又は板の往復挿入損失 B

a

(dB)

は,与えられた

出力信号レベル変化から,次の式によ

って決定する。

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

)

1

(

)

0

(

log

40

10

out

out

a

V

V

B

ここに,

  V

out

 (0)

減衰器のない

出力信号レベル

V

out

 (1)

減衰器のある

出力信号レベル

C.4

音響窓往復挿入損失

B

w

については,本体の 8.5.2.3 を考慮する。挿入損失の低い材料を使用してもよ

い。例えば,厚さ

0.05 mm

のポリエチレンは,水の特性音響インピーダンスとよく整合するため,特によ

い音響窓材料である。選択的に,音響窓を音響減衰シートの一部として構成してもよい。

C.5

音響窓の厚さが十分に厚い(

10

波長以上)ときの

B

w

は,音響窓材料の既知の音響データから算出す

ることができる。例えば,透明なアクリル樹脂(ポリメチルメタクリレイト)の減衰係数は,ほぼα=

1.3

2.0 dBcm

-1

 MHz

-1

である。アクリル樹脂の窓には,

B

w

(dB)

の往復挿入損失がある。


20

T 1506

:2005

f

t

B

w

2

α

=

ここに,

  

: 窓の厚さ

(cm)

: 超音波周波数

(MHz)

α 

: 減衰係数

(dBcm

1

MHz

1

)

C.6

窓の厚さが

0.25

10

波長の間にある場合には,その往復挿入損失

B

w

は,その場で決定できる。この

目的のために,特別な窓板は C.3 に規定した手順で,音響減衰器として挿入する。板と板との不要共振を

避けるために,

10

20 dB

の挿入損失をもつもう一つの減衰器を,板と板との間に挿入することが望まし

い。


21

T 1506

:2005

附属書 D(参考)理論的根拠

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

D.1

この規格の審議中に,

総合感度の決定のための試験方法について,多くの考察が得られた。本体の 8.5

に示した試験方法のための要求事項及び

附属書 B  に示した参考事項は,我が国での長年にわたる広範囲の

経験に基づいている

[2~4]

*

。世界中のどこかで,装置の感度を決定するために,これらの試験方法を使用

する経験が積まれている。それにもかかわらず,この状況を考慮して,本体の 8.5 

総合感度のための要

求事項の記述に,必す(須)を意味しない語句の“望ましい”を使用した。本体の 8.5.1.2 での標的を励起

する周波数に対する要求事項と同様に,本体の 8.5.1.3 での試験容器の形状もまた,全体の試験方法の規定

を維持している間は,試験装置の代わりの方法を開発することを認めるために,少ない項目で作成された。

最後に,本体の 8.5 で規定した精度の要求事項は,現在分かっている試験方法を反映して選んだが,これ

もまた強制ではない。

*

角括弧の番号は,

附属書 の図書目録の番号を表している。

D.2

本体の 8.5.l.6 で規定したそれぞれの減衰器は,減衰材料のシート状の積層プラスチックでもよい。

D.3

本体の 8.5.2.5 で規定した二つの標的を使用することは,球状標的を使用したときの予防措置である。

この目的は,標的の特別な大きさが,試験される装置の

音響作動周波数で早く変化している平面波反射損

失をもつときの問題を避けることにある。棒状標的を使用すれば,これは問題ではない

([5~8]

 *

参照

)

D.4

試験の間,胎児の装置が,臨床現場で使用されるのと同じドプラ

出力レベルで作動していることは,

重要である。したがって,標的の特性音響インピーダンスが,水の音響インピーダンスとあまりかけ離れ

ていない値でないことが望ましい。これは,言及した鋼製標的が,理想的であるという意味ではない。そ

のため,本体の 8.5.1.1 には,その標的範囲

0.6

×

10

6

3.5

×

10

6

 kgm

-2

s

-1

において特性音響インピーダンスの

材料で作ることが望ましい。しかし,周波数に伴う

標的平面波反射損失の最も小さい変動を示す標的は,

先端が平面な小さい半径の鋼製棒であることは事実である。この標的が,参照標的として最適といえる一

方,先端が平たんなプラスチック棒が,臨床での使用をもっともよく表している標的の代表と考えること

ができる。

D.5

装置についての性能評価結果表示は,装置の二つの範囲に対して検討している。

1

番目は,本体の

9.

で述べたように,既に存在しているか,既に臨床で使用されているかもしれない装置の性能パラメータ

の範囲に関することである。これは,性能モニタリング,評価及び記録のために保証される。この場合に

は,パラメータの表示は,単独で表示される。

2

番目は,本体の 10.で与え,超音波の様相の仕様は,装置

の製造業者が記述する。


22

T 1506

:2005

附属書 E(参考)参考文献

1

Beissner

 K.

"Maximum hydrophone size in ultrasonic field measurements". 

Acustica

 vol. 59

 pp.

61-66

1985

2

Ide

 M.

Measurement method of the sensitivity of ultrasonic Doppler fetal diagnostic equipment.

 Proc. of

the 10th International Congress on Acoustics

 F-9.2

 1980

3

Ide

 M.

"Steel ball method for measurement of overall sensitivity of ultrasonic diagnostic equipment". 

Japanese Journal of Medical Ultrasonics

 vol. 3

 No. 1

 pp. 45-52

 1976

4

JIS-T 1506 (Japan Industrial Standard): 1984

Ultrasonic Doppler Fetal Diagnostic Equipment

5

Morimatsu

  E. and Ueda

 M.

"Estimation of frequency characteristics of echo scattered by a small 

sphere". J. Acoust. Soc. Jpn.

, vol. 43

 pp. 65-70

 1987

6

Anson

 L. W. and Chivers

 R. C.

"Frequency dependence of the radiation force function 

(

Yp

)

 for 

spherical targets for a wide range of materials". J. Acoust. Soc. Am.

 

vol. 69

 pp. 1618-1623

 1981

7

 Faran

 J. J

. "Sound scattered by solid cylinders and spheres". J. Acoust. Soc. Am.

 

vol. 23

 pp. 415-418

1951

8

Hickling

 R.

"Analysis of echoes from a solid elastic sphere in water"

  J. Acoust. Soc. Am.

 

vol. 34

pp.1582-1592

 1962


23

T 1506

:2005

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS T 1506:2005

超音波手持探触子形ドプラ胎児心拍動検出装

置性能要求事項,試験方法及び表示

IEC 61266:1994

超音波手持探触子形ドプラ胎児心拍

動検出装置性能要求事項,試験方法及び表示

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との
技術的差異の項目 ごとの
評価及びその内容

表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項 目

番号

内容

(Ⅱ) 
国 際 規 格
番号

項 目

番号

内容

項 目 ご と

の評価

技 術 的 差 異

の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格と
の技術的差異の理由及
び今後の対策

9.b)

この規格では

要求しない。

9 b)

記 探 触 子 表 面 か

ら 50 mm,

75 mm

,100 mm 及

び 200 mm の距離

の総合感度。

MOD/

削除

要 求 事 項 と

はしない。

理由:現在販売されて

いる装置には表示され
ていないこと,及び試
験の再現が不確実であ

るため。

9.c)

この規格では

要求しない。

9 c)

b)

の決定のために

使 用 し た ド プ ラ
周 波 数 及 び 標 的
速度(有効数字 2

けた)

MOD/

削除

要 求 事 項 と

はしない。

理由:上記項目を明記

しない場合不要。

10.b)

この規格では

要求しない。

10 b)

記 探 触 子 表 面 か

ら 50 mm,

75 mm

,100 mm 及

び 200 mm の距離

の総合感度。

MOD/

削除

要 求 事 項 と

はしない。

現在販売されている装

置には表示されていな
いこと,及び試験の再
現 が 不 確 実 で あ る た

め。

10.c)

この規格では
要求しない。

IEC 

61266 

10 c)

b)

の決定のために

使 用 し た ド プ ラ

周 波 数 及 び 標 的
速度(有効数字 2
けた)

MOD/

削除

要 求 事 項 と
はしない。

理由:上記項目を附属
文書に明確に述べない

場合不要。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD/削除………  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

2. JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。