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T 1303

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)から,

工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚

生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって JIS T 1303:1994 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,JIS と対応する国際規格がないため,JIS T 0601-1(医用電気機器−第 1 部:安全に関

する一般的要求事項)への整合性見直しだけの,改正を行った。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本

工業標準調査会は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願

公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


T 1303

:2005

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  安全

1

5.

  種類

2

6.

  構成

2

6.1

  基本形装置の構成

2

6.2

  拡張形装置の構成

2

6.3

  付加的部分

3

7.

  構造

3

8.

  性能

3

8.1

  超音波探触子の駆動周波数

3

8.2

  胎児心音変換器

3

8.3

  超音波ドプラ信号検出増幅部

3

8.4

  心電増幅部

3

8.5

  胎児心音増幅部

4

8.6

  心拍数計数部

4

8.7

  心拍数校正部

5

8.8

  外測陣痛変換器

5

8.9

  子宮内圧変換器

5

8.10

  外測陣痛増幅部

5

8.11

  子宮内圧陣痛増幅部

5

8.12

  記録部

5

8.13

  警報発生機能

6

8.14

  テレメータ機能

6

9.

  試験

6

9.1

  試験条件

6

9.2

  安全に関する試験

6

9.3

  性能に関する試験

7

10.

  表示

9

11.

  附属文書

10

12.

  環境条件及び電源

10


日本工業規格

JIS

 T

1303

:2005

分べん(娩)監視装置

Fetal monitors

1.

適用範囲  この規格は,胎児情報及び妊産婦情報として超音波ドプラ法による胎児心拍数曲線と外測

法による陣痛曲線とを連続的に記録紙上に記録できる分べん(娩)監視装置(以下,装置という。

)につい

て規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS T 0601-1

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項

JIS T 1031

  医用電気機器の警報通則

IEC 61161

  Ultrasonic power measurement in liquids in the frequency range 0.5 MHz to 25 MHz

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS T 0601-1 の 2.(定義)によるほか,次による。

なお,この規格の文中で用いた太字は,JIS T 0601-1 の定義で規定した用語であることを示す。

a)

超音波ドプラ法  超音波のドプラ効果を利用する方法。

b)

胎児心拍数  1 分間当たりの胎児の心拍数。次の式によって求める。

T

FHR

60

=

ここに,

FHR

胎児心拍数(心拍/

min

T

ある任意心拍とその次の心拍との間の時間(

s

c

)

経ちつ(腟)直接誘導胎児心電信号  胎児下向部と母体外陰又はちつ(腟)壁から経ちつ(腟)的に

得られた胎児心電信号。

d

)

腹壁誘導胎児心電信号  母体腹壁から得られた胎児心電信号。

e

)

外測法  妊産婦腹壁上に変換器を置いて測定する方法。

f

)

陣痛  子宮収縮に伴って妊産婦腹部に発生する力学的変化。

4.

安全  安全に関する事項は,JIS T 0601-1

の規定によるほか,次による。

a

)

電撃に対する保護の程度による装着部  胎児心電計測部及び子宮内圧陣痛計測部は,CF 形装着部と

する。

b

)

装着部の表面温度

36

℃の周囲温度で装置を使用した場合,

装着部の表面温度は

 41

℃を超えてはな

らない。

c

)

超音波出力  超音波探触子の単位面積超音波出力は,9.2.1 によって試験したとき I

SATA

(空間平均,時

間平均強度)は,

10 mW/cm

2

以下とする。


2

T 1303

:2005

5.

種類  装置は,基本形装置と拡張形装置との

2

種類とする。

6.

構成

6.1

基本形装置の構成  基本形装置は,図 に示すように超音波探触子,超音波ドプラ信号検出増幅部,

心拍数計数部,心拍信号音発生部,心拍数校正部,外測陣痛変換器,陣痛増幅部,記録部及び電源部で構

成する。また,基本形装置は,基本形装置の本来の性能を阻害しない限り,6.3 に示す付加的部分を任意に

備えて構成してもよい。

基本形装置の構成要素各部は,次による(

図 参照)。

a

)

超音波探触子  超音波探触子は,妊産婦腹壁を介して超音波を妊産婦体内に入射し,胎児心拍動,胎

動などによってドプラ効果を受けた反射波を受信して電気信号に変換する部分。

b

)

超音波ドプラ信号検出増幅部  超音波ドプラ信号検出増幅部は,超音波ドプラ信号を検出し増幅して

心拍数計数部への入力信号(超音波ドプラ心拍信号)とする部分。

c

)

心拍数計数部  心拍数計数部は,心拍信号から心拍周期を計測し,これを心拍数に変換する部分。

d

)

心拍信号音発生部  心拍信号音発生部は,胎児心拍に同期した超音波ドプラ音,心音又は変換音を,

聴取可能にする部分。

e

)

心拍数校正部  心拍数校正部は,心拍数校正値を任意の時刻に記録できるように心拍数校正信号を発

生する部分。

f

)

外測陣痛変換器  外測陣痛変換器は,陣痛を電気信号(外測陣痛信号)に変換する部分。

g

)

外測陣痛増幅部  外測陣痛増幅部は,外測陣痛信号を増幅する部分。

h

)

記録部  記録部は,胎児心拍数曲線と陣痛曲線とを同時相で記録紙上に記録する部分。

i

)

電源部  電源部は,各構成部が必要とする電力を供給する部分。

6.2

拡張形装置の構成  拡張形装置は,図 に示すように基本形装置に直接誘導胎児心電計測部,腹壁

誘導胎児心電計測部,胎児心音計測部及び子宮内圧陣痛計測部のうち少なくとも一つを加えて構成する。

拡張形装置は,基本形装置に加えて,これら各部及び基本形装置の構成要素各部を複数個,任意に備えて

構成してもよいが,基本形装置の本来の性能を阻害してはならない。また,拡張形装置は,基本形装置の

本来の性能を阻害しない限り,6.3 に示す付加的部分を任意に備えて構成してもよい。

拡張形装置の構成各部は,次による。

a

)

直接誘導胎児心電計測部  直接誘導胎児心電計測部は,直接誘導胎児心電用電極及び誘導コード並び

に直接誘導胎児心電増幅部で構成する。直接誘導胎児心電用電極及び誘導コードは,経ちつ(腟)直

接誘導胎児心電信号を検出する部分で,直接誘導胎児心電増幅部はこの心電信号を増幅して心拍数計

数部への入力信号(直接誘導胎児心電心拍信号)とする部分。

b

)

腹壁誘導胎児心電計測部  腹壁誘導胎児心電計測部は,腹壁誘導胎児心電用電極及び誘導コード並び

に腹壁誘導胎児心電増幅部で構成する。腹壁誘導胎児心電用電極及び誘導コードは,腹壁誘導胎児心

電信号を検出する部分で,腹壁誘導胎児心電増幅部は,この心電信号を増幅して心拍数計数部への入

力信号(腹壁誘導胎児心電心拍信号)とする部分。

c

)

胎児心音計測部  胎児心音計測部は,胎児心音変換器及び胎児心音増幅部で構成する。胎児心音変換

器は,胎児心音信号による妊産婦腹壁上の機械的振動を電気信号に変換する部分で,胎児心音増幅部

は,この電気信号を増幅して心拍数計数部への入力信号(心音心拍信号)とする部分。

d

)

子宮内圧陣痛計測部  子宮内圧陣痛計測部は,子宮内圧変換器及び子宮内圧陣痛増幅部で構成する。

子宮内圧変換器は,子宮内圧を電気信号に変換する部分で,子宮内圧陣痛増幅部は,この電気信号(子


3

T 1303

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宮内圧陣痛信号)を増幅する部分。

6.3

付加的部分  付加的部分は,次による。

a

)

警報発生部  装置が故障した場合,設定された条件が検出された場合などに,警報を発生する部分。

b

)

表示部  胎児心拍数,陣痛などの計測データ,入力データなどを表示する部分。

c

)

テレメータ部  妊産婦情報及び胎児情報を,無線伝送によって送受信する部分。送信機及び受信機は,

それぞれ単品として取り扱う場合には,その構成及び機能にかかわらず,拡張形装置として取り扱う

ものとする。また,送信機は,可及的に小形軽量であり,通常内蔵電池によって作動するものとする。

d

)

母体心拍数計測部  母体の心拍数を計測する部分。

e

)

自動パターン解析部  胎児心拍数陣痛図,胎動図などを解析する部分。

f

)

胎動計測部  胎動を計測,記録する部分。

g

)

記憶部  胎児心拍数,陣痛などの計測データ,入力データなどを記憶する部分。

h

)

その他の部分  通信機能をもつ部分,多ベッド監視機能をもつ部分,トレンド機能をもつ部分など。

7.

構造  装置の構造は,JIS T 0601-1

第 10 章(構造上の要求事項)によるほか,次による。

a

)

超音波探触子  超音波探触子は,腹壁接触面が耐水性及び耐油性をもち,外装は電気的に絶縁されて

いなければならない。

b

)

胎児心音変換器  胎児心音変換器は,耐汗構造で,外装は電気的に絶縁されていなければならない。

c

)

胎児心電信号用電極  胎児心電信号用電極は,取付けが簡易で確実に皮膚に装着できる構造をもち,

羊水などによって安易に侵されない材質で,かつ,滅菌済又は滅菌可能なものでなければならない。

d

)

誘導コード  誘導コードは,胎児心電増幅部の入力部に接続される接続器を備えなければならない。

e

)

外測陣痛変換器  外測陣痛変換器は,耐汗構造で,外装は電気的に絶縁されていなければならない。

f

)

子宮内圧変換器  子宮内圧変換器は,子宮内挿入形のものでは耐体液構造で,外装は電気的に絶縁さ

れていなければならない。

8.

性能

8.1

超音波探触子の駆動周波数  超音波探触子の駆動周波数は,9.3.1 によって試験したとき,定格値の

±

10

%でなければならない。

8.2

胎児心音変換器  胎児心音変換器は,胎児心音信号を検出するために

30

250 Hz

の帯域で心拍数計

測上必要な感度をもたなければならない。

8.3

超音波ドプラ信号検出増幅部

8.3.1

ドプラ信号検出感度  超音波探触子を含み,超音波ドプラ信号検出増幅部は,心拍数計測上必要な

ドプラ信号検出感度をもたなければならない。

8.3.2

増幅特性  超音波ドプラ信号検出増幅部は,超音波ドプラ信号を増幅するために必要な帯域で心拍

数計測上必要な増幅度と周波数特性とをもたなければならない。

8.3.3

感度調整  超音波ドプラ信号検出増幅部は,感度調整ができる機能を備えていてもよい。

8.4

心電増幅部

8.4.1

直接誘導胎児心電増幅部  直接誘導胎児心電増幅部は,9.3.6 によって試験したとき,経ちつ(腟)

直接誘導胎児心電信号を増幅するために直接誘導標準入力信号電圧を

100 µV

として,必要な帯域で,心拍

数計測上必要な増幅度と周波数特性とをもたなければならない。


4

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8.4.2

腹壁誘導胎児心電増幅部  腹壁誘導胎児心電増幅部は,9.3.7 によって試験したとき,腹壁誘導胎

児心電信号を増幅するために腹壁誘導標準入力信号電圧を

20 µV

として,必要な帯域で,心拍数計測上必

要な増幅度と周波数特性とをもたなければならない。

8.4.3

同相抑圧比  心電増幅部の同相抑圧比(

CMRR

)は,9.3.8 によって試験したとき,

80 dB

以上でな

ければならない。

8.4.4

感度調整  心電増幅部は,感度調整ができる機能を備えていてもよい。

8.5

胎児心音増幅部

8.5.1

増幅特性  胎児心音増幅部は,胎児心音信号を増幅するために

30

250 Hz

の帯域で必要な増幅度

と心拍数計測上必要な周波数特性とをもたなければならない。

8.5.2

感度調整  胎児心音増幅部は,感度調整ができる機能を備えていてもよい。

8.6

心拍数計数部

8.6.1

心拍数計測性能  心拍数計数部は,9.3.2 によって

30 mm/min

で記録して試験したとき,入力され

た心拍信号を適切な方式によって処理し,次の性能をもたなければならない。

a

)

階段状変化  図 3

1

)のような,階段状に変化する胎児心拍数の心拍信号を入力したとき,その変化

した胎児心拍数±

2

心拍の記録を,記録進行

5 mm

内に開始する。

b

)

一時的上昇変化  図 3

2

)のような,一定値から直線状に上昇し続いて直線状に下降して元の一定値

に復帰する胎児心拍数の心拍信号を入力したとき,入力最大胎児心拍数−

3

心拍以内に胎児心拍数最

大値を記録し,傾斜直線部分の変動幅は

1.5 mm

以内であり,上昇開始から下降終了までの記録長は,

相当する入力時間の記録長±

0.5 mm

とする。

c

)

一時的下降変化 A  図 3

3

)のような,一定値から直線状に下降し続いて直線状に上昇して元の一定

値に復帰する胎児心拍数の心拍信号を入力したとき,入力最小胎児心拍数+

3

心拍以内に胎児心拍数

最小値を記録し,傾斜直線部分の変動幅は

1.5 mm

以内とする。

d

)

一時的下降変化 B  図 3

4

)のような,一定値から直線状に下降し続いて瞬時に上昇して元の一定値

に復帰する胎児心拍数の心拍信号を入力したとき,傾斜直線部分の変動幅は

1.5 mm

以内であり,元の

一定値に復帰したときから記録進行

5 mm

以内に元の一定値の胎児心拍数±

2

心拍に胎児心拍数を記

録する。

e

)

一時的下降変化 C  図 3

5

)のような,一定値から瞬時に下降し続いて直線状に上昇して元の一定値

に復帰する胎児心拍数の心拍信号を入力したとき,傾斜直線部分の変動幅は

1.5 mm

以内であり,瞬時

に下降したときから記録進行

5 mm

以内に上記直線状上昇開始部分の胎児心拍数の記録を開始する。

f

)

一時的下降変化 D  図 3

6

)のような,一定値から瞬時に下降し続いて瞬時に上昇して元の一定値に

復帰する胎児心拍数の心拍信号を入力したとき,瞬時に下降したときから記録進行

5 mm

以内に最小

胎児心拍数±

2

心拍に胎児心拍数を記録し,瞬時に上昇して元の一定値に復帰したときから記録進行

5

mm

以内に,元の一定値の胎児心拍数±

2

心拍に胎児心拍数を記録する。

g

)

細変動応答性  図 3

7

)のような,一定範囲の上限と下限との間で直線的に変化しながら往復して変

化する胎児心拍数の往復変動を

2

回/

min

から

12

回/

min

まで階段状に変化させた心拍信号を入力し

たとき,傾斜直線部分の変動幅は

1.5 mm

以内であり,往復変動

2

8

回/

min

のときの変動振幅は入

力変動振幅±

3

心拍であり,

往復変動

12

回/

min

のときの変動振幅は入力変動振幅の

1/2

以上とする。

8.6.2

計数範囲  心拍信号による胎児心拍数の計数範囲は

50

200

心拍/

min

を含むものとし,記録範囲

30

240

心拍/

min

の装置の心電心拍信号による胎児心拍数の計数範囲は上記の記録範囲を含むものとす

る。


5

T 1303

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8.6.3

記録範囲  胎児心拍数の記録紙への記録範囲は,胎児心拍数の計数範囲のうちの,用いている記録

装置の記録範囲に対応した計数範囲が記録されなければならない。

8.6.4

記録誤差  胎児心拍数の記録の誤差は,9.3.3 によって試験したとき,記録紙上で心拍数入力に対

して±

3

心拍とする。

8.6.5

心拍数表示及び心拍数外部出力  胎児心拍数は,メータなどのアナログ方式又は

LED

などのディ

ジタル方式による表示器で表示してもよい。また,アナログ方式又はディジタル方式による心拍数外部出

力によって外部へ出力してもよい。

8.6.6

心拍数表示及び心拍数外部出力の誤差  胎児心拍数表示及び心拍数外部出力の誤差は,9.3.4 によ

って試験したとき,心拍数入力に対して±

2

心拍とする。

8.7

心拍数校正部

8.7.1

心拍数校正信号  心拍数校正信号として,少なくとも一つの特定の胎児心拍数に相当するパルス列

の信号を発生するものとする。

8.7.2

心拍数校正信号の誤差  心拍数校正信号の誤差は,±

0.5

%とする。

8.7.3

心拍数校正信号の記録の誤差  心拍数校正信号の記録の誤差は,9.3.5 によって試験したとき,記

録紙上で±

1 mm

とする。

8.8

外測陣痛変換器

8.8.1

感度  外測陣痛変換器は,外測法によって陣痛を検出するために必要な帯域で,陣痛曲線記録上必

要な感度をもたなければならない。

8.8.2

温度ドリフト  外測陣痛変換器の周囲温度を

10

℃上昇させてから

30

分間の温度ドリフトは,

9.3.9

によって試験したとき,記録紙上でフルスケールの±

20

%とする。

8.9

子宮内圧変換器

8.9.1

感度  子宮内圧変換器は,子宮内圧を検出するために必要な帯域で,陣痛曲線記録上必要な感度を

もたなければならない。

8.9.2

温度ドリフト  子宮内圧変換器の周囲温度を

10

℃上昇させてから

30

分間の温度ドリフトは,

9.3.10

によって試験したとき,記録紙上でフルスケールの±

2.5

%とする。

8.10

外測陣痛増幅部

8.10.1

増幅特性  外測陣痛増幅部は,

DC

0.5 Hz

の帯域で必要な増幅度をもち,外的雑音を低減するた

めに必要な帯域で陣痛曲線記録上必要な周波数特性をもたなければならない。

8.10.2

感度調整  外測陣痛増幅部は,感度調整ができる機能を備えていてもよい。

8.10.3

外測陣痛曲線の記録の直線性  外測陣痛曲線の記録の直線性は,9.3.11 によって試験したとき,記

録紙上でフルスケールの±

5

%とする。

8.11

子宮内圧陣痛増幅部

8.11.1

増幅特性  子宮内圧陣痛増幅部は,

DC

1 Hz

の帯域で必要な増幅度と陣痛曲線記録上必要な周波

数特性とをもたなければならない。

8.11.2

子宮内圧陣痛曲線の記録の直線性  子宮内圧陣痛曲線の記録の直線性は,9.3.12 によって試験した

とき,記録紙上でフルスケールの±

2

%とする。

8.12

記録部

8.12.1

記録紙送り速度  記録紙送り速度は,少なくとも

30 mm/ min

をもたなければならない。そのほか,

例えば,

10 mm/ min

15 mm/ min

20 mm/ min

の一つ又は複数をもってもよい。速度の誤差は,9.3.13 

よって試験したとき±

5

%とする。


6

T 1303

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8.12.2

記録様式  記録紙への記録様式は,心拍数曲線を,記録幅

70 mm

・記録範囲

30

240

心拍/

min

は記録幅

80 mm

・記録範囲

50

210

心拍/

min

で記録紙の上段に記録し,陣痛曲線は,下段に記録する様

式でなければならない。

8.12.3

記録の向き  記録紙への曲線,刻時の記録は,左から右に行うものとする。

8.12.4

刻時  記録装置は,記録紙に

1

分間ごとの目盛を記録できなければならない。

8.12.5

蛇行  記録の蛇行は,9.3.14 によって試験したとき±

0.5 mm

とする。

8.12.6

基線の太さ  基線の太さは,

1 mm

以下とする。

8.13

警報発生機能  警報発生機能は,9.3.15 によって試験したとき,次の性能をもたなければならない。

なお,JIS T 1031 の規定によることが望ましい。

a

)

心拍数の警報範囲  心拍数の警報範囲は,上限警報を備えるものは

180

心拍/

min

以上に,下限警報

を備えるものは

100

心拍/

min

以下に設定できなければならない。

b

)

警報発生  上限警報と下限警報との警報発生は,

30

秒間以内の警報発生遅延時間を設けてもよい。

c

)

警報の停止  発生した警報は,自動停止することなく警報することとし,また,任意に手動停止可能

とする。

d

)

警報機能の解除  警報機能を備える装置は,警報発生条件を満足しても警報を発生しない状態にする

ことができる。

なお,警報機能が解除された状態であるときは,その状態であることを表示器などによって明確に

表示しなければならない。

8.14

テレメータ機能  テレメータ機能は,9.3.16 によって試験したとき,次の性能をもたなければならな

い。

a

)

送信能力  送信機は,その送信機が送信する胎児情報又は妊産婦情報を,その送信機に適合する特定

の受信機に対して,製造業者指定の送信方式及び送信周波数,かつ,規定以内の送信電力で無線伝送

によって送信できる能力をもつ。

b

)

受信能力  受信機は,適合する特定の送信機からの無線伝送による胎児情報又は妊産婦情報を,必要

な感度で受信する能力をもつ。

c

)

受信内容  受信機の受信可能な情報には,少なくとも胎児情報又は妊産婦情報として,胎児の心拍に

関する情報及び妊産婦の陣痛に関する情報を含む。

d

)

送信機の電撃に対する保護  電撃に対する保護の形式が内部電源機器である送信機を,商用電源に接

続する指定の外部電源に接続した場合は,送信機全体を外部電源から見た単一の

装着部とみなしても

よい。胎児心電用電極又は子宮内圧変換器を使用する送信機の電撃に対する保護の程度による

装着部

は,CF

形装着部とする。

9.

試験

9.1

試験条件  試験条件は,JIS T 0601-1

の 4.(試験に関する一般的要求事項)による。

9.2

安全に関する試験  安全に関する試験は,JIS T 0601-1 の規定によって試験するほか,次による。

9.2.1

超音波出力  超音波出力の上限

10 mW/cm

2

以下を確認するために,超音波探触子の単位面積当た

りの超音波出力 W

m

を a

)

によって求めるか,その理論的な上限値 を b

)

によって求める。

a

)

天びん法  IEC 61161 による。

b

)

電気入力法

1

)

V

P

P

測定  図 の回路ブロック図によって送信振動子に供給されている電圧波形からピークピーク


7

T 1303

:2005

電圧 V

P

P

を測定する。オシロスコープは,超音波探触子の定格駆動周波数の

150

%以上の周波数

帯域をもつオシロスコープとする。また,パルスドプラ方式の装置は,オシロスコープによってパ

ルス列発生状況の観測を行い,パルス列発生期間とパルス列発生周期との比から,駆動時間デュー

ティ比を求める。

2

)

Z

及び

φ

測定  超音波探触子とインピーダンスメータとを用いて,9.3.1 の測定によって得られる駆

動周波数での自由インピーダンスの測定を行う。

超音波探触子の送信振動子にインピーダンスメータを電気接続し,超音波探触子の超音波放射面

を反射波減衰が

20 dB

以上になる水深

30 cm

以上の水面又は水に浸した綿・布に接触させた状態で,

駆動周波数での送信振動子の自由インピーダンスの絶対値 及び位相角

φ

を測定する。

3

)

算出  1

)

で測定した“V

P

P

”並びに 2

)

で測定した“Z”及び“

φ

”を用い,駆動周波数での送信振

動子への電気入力 及び単位面積超音波出力の理論的な上限値 を,次の式によって算出する。

(

)

Z

V

P

8

cos

2

P

P

φ

α

=

S

P

W

=

ここに,

P

駆動周波数での送信振動子への電気入力(

mW

α

送信振動子の駆動時間デューティ比

V

P

P

送信振動子へ供給されているピークピーク電圧(

V

φ

駆動周波数での送信振動子の自由インピーダンスの位相角

Z

駆動周波数での送信振動子の自由インピーダンスの絶対値

k

Ω)

W

駆動周波数での単位面積当たりの超音波出力の理論的な上限
値(

mW/cm

2

S

送信振動子の面積(

cm

2

超音波探触子内に複数の送信振動子がある場合は,

W

は,各振動子について測定して得た最大の

値とする。

4

)

試験方法の表示  試験結果には,試験方法として天びん法又は電気入力法のいずれを用いたかを追

記する。

9.2.2

漏れ電流  超音波探触子などの変換器の漏れ電流については,JIS T 0601-1 の 19.4 の h

)

患者漏れ

電流の測定)の 9

)

0.9

%の食塩水(生理食塩液)を用いる試験は適用しない。

9.3

性能に関する試験

9.3.1

駆動周波数  装置の超音波探触子の駆動周波数は,図 に示す回路ブロック図によって測定する。

カウンタは,定格駆動周波数の

150

%以上の周波数帯域をもち,有効けた数

3

けた以上で測定できるディ

ジタルカウンタとし,カウンタのサンプリング時間は,測定値が変動しないような十分な長さに設定して

測定する。また,パルスドプラ方式の

装置では,オシロスコープによってパルス列発生状況の観測を行い,

パルス列発生期間とパルス列発生周期との比から,駆動時間デューティ比を求める。

駆動周波数

  f

は,次の式によって算出する。

α

F

f

=

ここに,

f

超音波探触子の駆動周波数(

Hz

F

カウンタによって計測された周波数(

Hz

α

送信振動子の駆動時間デューティ比


8

T 1303

:2005

9.3.2

心拍数計測性能  図 に示す波形の信号を

1

心拍の信号として,次の各項に規定する胎児心拍信号

に相当する擬似心拍信号を,

図 に示す測定系の擬似心拍信号発生器からアクチュエータに入力して,得

られた記録によって確かめる。

a

)

階段状変化

60

心拍/

min

80

心拍/

min

100

心拍/

min

120

心拍/

min

160

心拍/

min

180

心拍

min

及び

200

心拍/

min

が,順次に

20

秒間ずつ連続して階段状に変化する胎児心拍数。

b

)

一時的上昇変化

140

心拍/

min

から直線状に

10

秒間で

160

心拍/

min

まで上昇し,続いて

160

心拍

min

から直線状に

10

秒間で

140

心拍/

min

まで下降し,元の

140

心拍/

min

1

分間持続する変化

を一周期として,

3

回繰り返した胎児心拍数。

c

)

一時的下降変化 A

140

心拍/

min

から直線状に

30

秒間で

80

心拍/

min

まで下降し,続いて

80

心拍

min

から直線状に

30

秒間で

140

心拍/

min

まで上昇し,元の

140

心拍/

min

1

分間持続する変化

を一周期として,

3

回繰り返した胎児心拍数。

d

)

一時的下降変化 B

140

心拍/

min

から直線状に

1

分間で

80

心拍/

min

まで下降し,続いて瞬時に

140

心拍/

min

まで上昇し,元の

140

心拍/

min

1

分間持続する変化を一周期として,

3

回繰り返した胎

児心拍数。

e

)

一時的下降変化 C

140

心拍/

min

から瞬時に

80

心拍/

min

まで下降し,続いて

80

心拍/

min

から直

線状に

1

分間で

140

心拍/

min

まで上昇し,元の

140

心拍/

min

1

分間持続する変化を一周期とし

て,

3

回繰り返した胎児心拍数。

f

)

一時的下降変化 D

140

心拍/

min

から瞬時に

80

心拍/

min

まで下降し,続いて

80

心拍/

min

1

間持続し,続いて瞬時に

140

心拍/

min

まで上昇し,元の

140

心拍/

min

1

分間持続する変化を一

周期として,

3

回繰り返した胎児心拍数。

g

)

細変動応答性

140

心拍/

min

を中心に

148

心拍/

min

132

心拍/

min

との間を直線的に変化しなが

ら往復変動し,その往復変動が

2

回/

min

4

回/

min

6

回/

min

8

回/

min

10

回/

min

及び

12

min

と階段状に連続して変化し,それぞれ

2

往復変動する胎児心拍数。

9.3.3

心拍数の記録紙上の記録誤差  図 の測定回路で入力された信号(心拍信号周期:

1 200 ms

600 ms

500 ms

375 ms

,心拍信号間隔誤差:

0.1

%)から得られた心拍数記録によって確かめる。

9.3.4

    心拍数表示及び心拍数外部出力の誤差  図 の測定回路で入力された信号(心拍信号周期:

1 200 ms

600 ms

500 ms

375 ms

,心拍信号間隔誤差:

0.1

%)から得られた心拍数表示又は心拍数外部出力によっ

て確かめる。

9.3.5

心拍数校正信号の記録の誤差  記録された校正心拍数と図 の測定回路で入力された信号(各校正

心拍数に対応する周期をもつ信号,例えば,

375 ms

160

心拍/

min

相当,

500 ms

120

心拍/

min

相当な

ど)から得られた心拍数記録とを比較する。

9.3.6

直接誘導胎児心電増幅部の増幅特性  図 に示す波形で電圧

100 µV

の信号を

1

心拍の信号として,

9.3.2

の a

)

に規定する胎児心拍信号に相当する擬似心拍信号を直接誘導胎児心電計測部に入力して,得ら

れた記録によって確かめる。

9.3.7

腹壁誘導胎児心電増幅部の増幅特性  図 に示す波形で電圧

20 µV

の信号を

1

心拍の信号として,

9.3.2

の a

)

に規定する胎児心拍信号に相当する擬似心拍信号を腹壁誘導胎児心電計測部に入力して,得ら

れた記録によって確かめる。


9

T 1303

:2005

9.3.8

心電増幅部の同相抑圧比  オシロスコープ及び図 10 の試験用正弦波電圧発生回路を用い,オシロ

スコープを心電増幅部の出力に接続して,

60 Hz

20 µV

P

P

の試験電圧を心電増幅部の

2

入力端子に加え,

これによる心電増幅部差動出力電圧

A

をオシロスコープによって読み取る。次に,この

2

入力端子を短絡

し,これと中性端子との間に

60 Hz

2  V

P

P

の試験電圧を加え,これによる心電増幅部同相出力電圧

B

オシロスコープによって読み取り,同相抑圧比

C

を,次の式によって算出する。

B

A

C

10

log

20

100

+

=

ここに,

  A

心電増幅部差動出力電圧(

V

P

P

B

心電増幅部同相出力電圧(

V

P

P

C

同相抑圧比(

dB

9.3.9

外測陣痛変換器の温度ドリフト  陣痛曲線の記録紙のほぼ中央に記録できるような重さの分銅を

外測陣痛変換器の感圧部に載せ,外測陣痛変換器の周囲温度を

25

℃から

35

℃まで変化させる。周囲温度

35

℃に達してから

30

分間経過したときの,

25

℃からの陣痛曲線の記録紙上の変動幅を

ΔW

とし,陣

痛曲線の記録紙の基線とフルスケールとの間隔を

W

として,温度ドリフト

D

1

を,次の式によって算出す

る。

W

W

D

=

1

9.3.10

子宮内圧変換器の温度ドリフト  無負荷状態の子宮内圧変換器の周囲温度を

25

℃から

35

℃まで

変化させる。周囲温度が

35

℃に達してから

30

分間経過したときの,

25

℃からの陣痛曲線の記録紙上の

変動幅を

ΔW

とし,陣痛曲線の記録紙の基線とフルスケールとの間隔を

W

として,温度ドリフト

D

2

を,

次の式によって算出する。

W

W

D

=

2

9.3.11

外測陣痛曲線の記録紙上の直線性  外測陣痛変換器に,フルスケールの

0

25

%,

50

%及び

75

近傍の振れに相当する荷重をそれぞれ加えたときの,記録紙上の振れ幅から計算によって求める。

9.3.12

子宮内圧陣痛曲線の記録紙上の直線性  子宮内圧変換器に,フルスケールの

0

25

%,

50

%,

75

及び

100

%近傍の振れに相当する圧力をそれぞれ加えたときの,記録紙上の振れ幅から計算によって求め

る。

9.3.13

  記録紙送り速度の誤差  それぞれの速度で記録紙を送り,約

2

分間以降に校正信号を用いて刻時し,

更に

5

分間後に刻時してその刻時間隔から求める。

9.3.14

記録の蛇行  校正信号を用い,記録器を起動させ,約

10

分間後から

20

分間の記録の基線と記録紙

目盛の相対位置のずれを確かめる。

9.3.15

警報発生機能  警報を備える装置は,図 の測定回路を用い,警報設定値を超える信号を入力した

とき,警報が発生することを確認する。

9.3.16

テレメータ機能  テレメータ機能を備える装置,又は単品の送信機若しくは受信機は,製造業者指

定の胎児情報又は妊産婦情報を無線伝送によって,適切に送受信できること又は送信若しくは受信できる

ことを確かめる。

10.

表示  表示は,JIS T 0601-1

第 章(一般)の 6.(標識,表示及び文書)による。


10

T 1303

:2005

11.

附属文書  装置には,JIS T 0601-1 の 6.8(附属文書)に準じた取扱説明書及び仕様書のほか,必要に

応じて保証書及び試験成績書を

附属文書として添付しなければならない。

12.

環境条件及び電源  装置は,次に適合しなければならない。ただし,結露を生じるような環境変化は

除く。

a

)

使用環境  使用環境は,JIS T 0601-1

の 10.2.1(環境)による。

b

)

電源  電源は,JIS T 0601-1

の 10.2.2(電源)による。

c

)

保管環境  保管環境は,製造業者の指定がない場合は,次による。

1

)

周囲温度  −

10

∼+

60

2

)

相対湿度

30

95

3

)

気圧

700

1 060 hPa

心拍信号音

発生部

超音波探触子

心拍数校正部

超音波ドプラ

信号検出

増幅部

心拍数計数部

記録部

外測陣痛

変換器

外測陣痛

増幅部

電源部

  1  基本形装置の構成


11

T 1303

:2005

直接誘導

胎児心電計測部

胎児心音計測部

付加的部分

腹壁誘導

胎児心電計測部

子宮内圧

陣痛計測部

基本形装置

  2  拡張形装置の構成

  3  入力胎児心拍数波形図

送信部

送信振動子

オシロスコープ

  4  電気入力法 V

P

P

測定の接続ブロック図

      

(5)

(6)

(4)

(3)

(1)

(2)

(7)


12

T 1303

:2005

送信部

送信振動子

カウンタ

オシロスコープ

  5  駆動周波数測定の接続ブロック図

擬似心拍信号発生器

アクチュエータ

超音波探触子

分べん監視装置

備考  図中のアクチュエータと超音波探触子とは,空気伝達又は適切な音響媒質(例えば,超音波ゲルなど)によ

って音響結合させる。

  6  心拍数計測性能測定の接続ブロック図

備考  図中の 及び は,次の式のとおりとする。また,各パルスのパルス幅(約 10 ms)は同一とし,電圧値は,

使用するアクチュエータなどに応じて適切に設定してよい。

(

)

105

000

60

85

.

0

268

+

=

×

=

t

FHR

i

FHR

t

ここに,t:  心室駆出時間(ms)

i

:  心拍間隔時間(ms)

FHR

:  胎児心拍数(心拍/min)

  7  1 心拍信号波形

i

65ms

40ms

1

心拍


13

T 1303

:2005

擬似心拍信号発生器

減衰器

分べん監視装置

  8  心拍数計数性能の測定回路

  9  心電増幅部試験用 1 心拍信号波形

備考

図中の各部は,次のとおりとする。

低周波発振器:1∼600 Hz の正弦波の電圧を発振し,600  Ωの平衡負荷を

      接続するのに適切なもので,周波数の確度は±2  %

抵抗減衰器  :特性インピーダンスは 600  Ωで,確度は±0.1 dB

R

1

R

2

      :300  Ω±1  %の抵抗器

振幅指示器  :2  %の変動を検出できるもの

 10  試験用正弦波電圧発生回路のブロック図

15

∼30 ms

R

1

R

2

低周波発振器

振幅指示器

抵抗減衰器