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日本工業規格

JIS

 T

1301

-1991

患者監視装置通則

General requirements for patient monitors

1.

適用範囲  この規格は,患者の生理学的情報を,長期間にわたって監視する患者監視装置に共通する

要求事項について規定する。ただし,集中患者監視装置には適用しない。

また,個別規格の規定と相違があるときは,個別規格の規定が優先するものとする。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS C 7612

  照度測定方法

JIS T 1001

  医用電気機器の安全通則

JIS T 1002

  医用電気機器の安全性試験方法通則

JIS T 1003

  医用電気機器の電気的安全性試験方法

JIS T 1004

  医用電気機器の機械的安全性試験方法

JIS T 1005

  医用電気機器取扱説明書の様式

JIS T 1031

  医用電気機器の警報通則

JIS Z 9110

  照度基準

2.

用語の定義  この規格に用いる主な用語の定義は,JIS T 1001 によるほか,次による。

(1)

患者監視装置  患者の生理学的情報(心電図,体温,血液ガスなど)を検出し,これによって患者の

状態を,長期間にわたって監視する装置。記録,警報などを行う機能を備えた装置も含める。

(2)

集中患者監視装置  複数の患者監視装置からの信号を集めて,複数の患者の生理学的情報を同時に,

長期間にわたって監視する装置。

(3)

計測部  装着部からの電気的信号を入力し増幅する部分。信号を処理する部分も含む。

(4)

視認可能角度  装置の表示部を斜め方向から見て,その表示内容を確認できる角度の範囲。

3.

安全  安全に関する事項は,JIS T 1001 による。ただし,電撃に対する保護の形式は,クラス I 機器,

クラス II 機器又は内部電源機器に適合するものとする。

4.

性能

4.1

表示部

4.1.1

掃引速度  波形の掃引速度の確度は,6.4.1 によって試験したとき,±10%とする。

4.1.2

表示の直線性  表示の直線性の誤差は,6.4.2 によって試験したとき,±10%とする。

4.2

警報部  警報部の警報設定の確度は,6.4.3 によって試験したとき,±3%とする。

4.3

記録部

4.3.1

記録速度  記録速度の確度は,6.4.4 によって試験したとき,±10%とする。


2

T 1301-1991

4.3.2

記録感度  記録感度の確度は,6.4.5 によって試験したとき,±10%とする。

4.4

信号出力部

4.4.1

アナログ出力標準感度  アナログ出力標準感度は,参考表 によることが望ましい。

参考表 1

項目

アナログ出力標準感度

心電図 1V/mV

呼吸曲線(インピーダンス方式) 1V/

脳波 1V/50

µV

血圧(高圧系) 1V/100

mmHg

血圧(低圧系) 1V/20

mmHg

炭酸ガス分圧曲線 1V/20

mmHg

4.4.2

出力短絡保護  出力回路は,6.4.6 によって試験したとき,30 秒間短絡した後,出力電圧が正常に

出力されなければならない。

4.4.3

出カインピーダンス  出力インピーダンスは,6.4.7 によって試験したとき,1k

Ω以下とする。

4.5

除細動に対する保護  除細動に対する保護をもつ患者監視装置は,6.4.8 によって試験した後に,正

常動作に復帰しなければならない。

5.

構成及び構造

5.1

構成  患者監視装置は,図 に示すように,装着部及び本体部で構成する。本体部は,計測部,表

示部,警報部,記録部,信号出力部及び電源部を含むものとする。ただし,警報部,記録部及び信号出力

部は必ずしも備えなくてもよい。

図 1  患者監視装置の構成

5.2

構造

5.2.1

構造一般  患者監視装置は,取扱いが容易で危険がなく,機械的に丈夫で,温度,湿度,振動及び

電磁気的な影響を受けにくい構造とする。

また,記録部は,本体に収納されず外部に接続される構造としてもよい。

5.2.2

装着部  装着部は,患者の安全を保つことができる構造になっていなければならない。


3

T 1301-1991

また,本体との接続部は,誤接続ができない構造とするか,又は誤接続を防止するための表示若しくは

色による区別を行うものとする。

5.2.3

表示部  表示部の構造は,次のとおりとする。

(1)

視認可能角度  照度 1 500lx(

1

)

,視距離 1m の使用環境(

2

)

の下で,表示表面方向に対して上下各 30 度,

左右各 45 度以上の位置から,表示内容が視認できること。ただし,液晶表示器 (LCD) については,

この規定を適用しない。

(2)

有効表示面積  波形を表示する部分は,50(高さ)×100(幅)mm 以上の有効表示面積をもっている

こと。

(3)

表示の見やすさ  生体信号の計測値を表示する数値及び文字の縦の寸法は 6mm 以上,その他(計測

結果のリスト表示や説明文など)の数値及び文字の縦の寸法は 3mm 以上であること。

また,表示部全体にちらつきがないこと。

(4)

波形用目盛  ゼロ点の定められる生体信号(血圧波形,CO

2

波形など)については,見やすい目盛が

同時に表示できること。

(

1

)  JIS C 7612

参照。

(

2

)  JIS Z 9110

付表 4-1(病院)参照。

5.2.4

警報部  警報部の構造は,JIS T 1031 の規定による。

5.2.5

記録部  記録部は,道具を使用しないで容易に記録紙を装てん(填)できる構造になっていなけれ

ばならない。

6.

試験

6.1

試験条件  試験条件は,JIS T 1002 の 4.(試験の条件)並びに JIS T 1003 の 3.2(試験環境),3.3(試

験用電源)及び 3.4(前処理)による。

6.2

試験項目  試験項目は,次のとおりである。

(1)

安全に関する試験 

(2)

性能試験 

(a)

掃引速度

(b)

表示の直線性

(c)

警報設定

(d)

記録速度

(e)

記録感度

(f)

出力短絡保護

(g)

出力インピーダンス

(h)

除細動に対する保護

6.3

安全に関する試験  安全に関する試験は,JIS T 1003 及び JIS T 1004 による。

6.4

性能試験

6.4.1

掃引速度  表示器の有効表示面に,単位時間の掃引幅が読み取れる信号を入力し,有効面を左・右・

中央に 3 分割した各分割域における単位時間の掃引幅を実測し,次の式によって掃引速度の確度 を算出

する。

100

×

W

W

V

P


4

T 1301-1991

ここに,

P

:  掃引速度の確度 (%)

V

:  管面から読み取った掃引幅から求めた 1 秒間の掃引速度 (mm/s)

W

:  試験しようとする装置の定格掃引速度 (mm/s)

6.4.2

表示の直線性  信号振幅表示範囲の 60%以上の値の上下を含むほぼ等間隔の 4 点で,人力信号振幅

及び管面振幅を測る。表示の直線性の誤差 は,

図 に示す a と d を結ぶ基準線とのずれから,次の式に

よって算出する。

100

×

F

A

B

L

ここに,

L

:  表示の直線性の誤差 (%)

F

: a-d 間入力信号振幅に相当する管面振幅 (mm)

A

:  a を基準とし b,c のときの基準値 (mm)

B

:  a を基準とし b,c の管面上の振れ (mm)

図 2  直線性の測定基準における基準線

6.4.3

警報設定  警報を発生させるのに必要な疑似信号を入力し,警報設定値に警報設定範囲の最大値の

±3%を加えた値以内で警報が発生し,その値以外では発生しないかどうかを調べる。この場合,各警報部

について最低 2 か所の警報設定値において試験するものとする。

6.4.4

記緑速度  記録紙を搬送させ,単位時間の記録速度が読み取れる信号を記録部に入力し,記録する。

このときの記録紙に記録された波形から記録速度を読み取る。

6.4.5

記録感度  記録範囲内の 2 点を変化する入力信号振幅と記録振幅を測定し,次の式によって確度 Q

を算出する。

100

×

A

A

B

Q

ここに,

Q

確度 (%)

A

入力信号振幅に相当する定格記録振幅 (mm)

B

実際の記録振幅 (mm)

6.4.6

出力短絡保護  出力信号が最大振幅になる入力信号を加え,出力を 30 秒間短絡した後に,正常に

出力するかどうかを調べる。

6.4.7

出力インピーダンス  出力信号が最大振幅になる入力信号を加え,出力の電圧 E

a

を測定する。次

に,出力に 10k

Ωを接続し,その両端の電圧 E

b

を測定し,次の式を満足するかどうかを調べる。測定器は,

入力インピーダンスが 1M

Ω以上のものを使用するものとする。

a

b

11

10

E

E


5

T 1301-1991

6.4.8

除細動に対する保護  除細動に対する保護の試験は,図 の試験回路によって行う。この場合,図

3

のスイッチ S を a 側に倒し,直流高電圧電源によってコンデンサ C に充電する。次いで,スイッチ S を

約 200 ms 間 b 側に倒し,装着部に高電圧を加える。その後,装着部を試験回路から取り外し,正常な使用

状態に等しい信号を装着部から入力し,装置が正常に動作するかどうかを調べる。ただし,装着部が単一

の機器は,

図 の装着部 2 はないものとする。

また,すべての装着部を装着部 1 として,同様の試験を行う。

なお,正常動作の判定は個別規格の規定による。

図 3  試験回路(例)

備考1.  インダクタンス は500

µH,インダクタンス の巻線抵抗 は10Ω以下,

キャパシタンス は32

µF とする。

2.

装着部 1 は,複数ある同一機能の装着部のうちの一つの装着部を示し,
装着部 2 は,装着部 1 以外の同一機能のすべての装着部を示す。

3. PE

は,保護接地端子を示す。

7.

表示  表示は,JIS T 1001 の 12.(表示・識別・取扱説明書)によるほか,次の事項を記載する。

7.1

一般表示  本体の見やすいところに,次の事項を表示する。

(1)

電池式の場合には,電池の種類,連続使用時間。再充電可能な場合には,必要充電時間,過充電防止

機構の有無。

(2)

除細動器との併用の可否。

7.2

取扱いに関する表示  取扱い上の注意を喚起するため,本体の見やすいところに,次のような注意

事項又は識別記号を表示する。

(1)

除細動器との併用の可否

(2)

揮発性可燃物質との併用の可否

(3)

防滴,防まつ(沫)又は防浸構造の有無。有る場合には,そのどれであるかを表示する。

(4)

電池収納時の方法(極性)

(5)

発熱素子(例えば,熱ペンなど)


6

T 1301-1991

(6)

その他,特に注意を喚起する必要のある部分(例えば,コネクタの色別や識別記号など)

8.

附属文書  患者監視装置には,取扱説明書,保証書のほか,必要に応じて試験成績書などの書類を添

付しなければならない。取扱説明書は,JIS T 1005 によるほか,次の事項を記載する。

(1)

他の機器との併用・組合せ使用時の注意事項[除細動器,電気手術器(電気メス)

,直接心臓へ導電接

続される装置,コンピュータ,非医用機器など,及び液体が滴下するおそれのある機器(例えば,輸

液機器など)との併用・組合せ使用時の注意事項]

(2)

消毒・滅菌の必要のある装着部については,その方法

(3)

落下に対する注意事項

(4)

放熱に対する注意事項

(5)

防滴,防まつ又は防浸構造の有無。有る場合には,そのどれであるかを表示する。

9.

使用条件  使用条件は,JIS T 1001 の 3.(使用条件)による。


7

T 1301-1991

医療安全用具部会 ME 機器専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

菊  地      眞

防衛医科大学校

井  出  正  男

武蔵工業大学

稲  葉  裕  俊

工業技術院標準部

小  川  契以知

東京都立工業技術センター

齋  藤  正  男

東京大学医学部

都  築  正  和

東京大学附属病院

中  村  誠  一

財団法人機械電子検査検定協会

吹  訳  正  憲

通商産業省機械情報産業局

澤      宏  紀

厚生省薬務局

市  河  鴻  一

株式会社アイカ

太  田  善  久

日本電気三栄株式会社

小  島  正  男

社団法人日本電子機械工業会

繁  村      直

株式会社東芝

竹  内      清

フクダ電子株式会社

楡  木  武  久

社団法人日本電子工業振興協会

保  坂  栄  弘

日本光電工業株式会社

山  根      巌

株式会社日立メディコ

柄  川      順

国立ガンセンター病院

小  野  哲  章

三井記念病院

須  磨  幸  蔵

東京女子医科大学附属第二病院

早  川  弘  一

日本医科大学

古  幡      博

東京慈恵会医科大学

(事務局)

柾  谷  栄  吾

工業技術院標準部電気規格課

金  地  隆  志

工業技術院標準部電気規格課

JIS

医用監視装置原案作成委員会  構成表

(敬称略・順不同)

氏名

所属

(委員長)

小  野  哲  章

三井記念病院 ME サービス部

(幹事)

澤          桓

東京医科歯科大学医学部

渡  辺      瞭

東京大学医学部

田  中  茂  夫

日本医科大学付属病院

白  井  康  之

虎ノ門病院臨床生理 ME

谷  島  正  己

日本光電工業株式会社監視装置事業部第 1 技術部

星  野  伸  雄

フクダ電子株式会社生産本部開発管理部

大  知  敬  三

日本電気三栄株式会社医用電子機器事業部第 1 技術部

亀  山  廣  昭

横河・ヒューレット・パッカード株式会社医用電子部門

小  島  正  男

社団法人日本電子機械工業会技術部

中  村  誠  一

財団法人機械電子検査検定協会電子技術研究所

手  島  邦  和

厚生省薬務局

吹  訳  正  憲

通商産業省機械情報産業局

(関係者)

鈴  木  紀  男

工業技術院標準部電気規格課

(事務局)

楡  木  武  久

社団法人日本電子工業振興協会基盤技術部

内  山  誠  作

社団法人日本電子工業振興協会基盤技術部