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T 1201-1

:2011

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義

3

4

  固定周波数オージオメータのタイプごとの要求事項

7

5

  一般的要求事項

8

5.1

  電気的安全性についての要求事項

8

5.2

  音響的安全性についての要求事項

8

5.3

  環境条件

8

5.4

  ウォームアップ時間

8

5.5

  電源変動

8

5.6

  電源及び無線周波数電磁界に対する電磁耐性

9

5.7

  妨害音(不要音)

9

5.8

  自動記録オージオメータ及びコンピュータ制御オージオメータの試験

9

5.9

  インタフェース接続

9

6

  検査信号源

10

6.1

  純音

10

6.2

  周波数変調

11

6.3

  外部信号源

11

6.4

  マスキング音

12

7

  スピーカ出力

14

8

  信号レベルの調整

14

8.1

  表示

14

8.2

  信号レベル表示器

14

8.3

  音圧レベル及び振動の力のレベルの精度

14

8.4

  聴力レベル調整器

14

8.5

  マスキングレベル調整器

15

8.6

  検査音の断続

15

9

  基準音

17

9.1

  一般的事項

17

9.2

  周波数

17

9.3

  基準音のレベル調整器

17

10

  校正

18

10.1

  一般的事項

18

10.2

  耳載せ形イヤホン用ヘッドバンド

18


T 1201-1

:2011  目次

(2)

ページ

10.3

  骨導受話器用ヘッドバンド

19

11

  電気出力

19

12

  オージオグラムのフォーマット

19

13

  仕様の適合性証明のための試験手順

19

13.1

  一般事項

19

13.2

  環境条件及び電源変動

20

13.3

  電源及び無線周波数への電磁耐性

20

13.4

  妨害音

20

13.5

  検査信号源

21

13.6

  信号の精度

22

13.7

  マスキング音

22

13.8

  ヘッドバンド

22

14

  測定の拡張不確かさの最大許容値

22

15

  表示及び取扱説明書

23

15.1

  表示

23

15.2

  取扱説明書

23

附属書 JA(規定)耳載せ形イヤホンによる純音の基準等価いき(閾)値音圧レベル

25

附属書 JB(規定)挿入形イヤホンによる純音の基準等価いき(閾)値音圧レベル

29

附属書 JC(規定)耳覆い形イヤホンによる純音の基準等価いき(閾)値音圧レベル

33

附属書 JD(規定)骨導受話器による純音の基準等価いき(閾)値の力のレベル

35

附属書 JE(規定)狭帯域マスキング雑音の基準レベル

39

附属書 JF(規定)自由音場及び拡散音場の聴取条件における基準の聴覚いき(閾)値

41

附属書 JG(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

44


T 1201-1

:2011

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本音響

学会(ASJ)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申

出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格で

ある。これによって,JIS T 1201-1:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS T 1201

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

T

1201-1

第 1 部:純音オージオメータ

JIS

T

1201-2

第 2 部:語音聴覚検査に用いる機器


T 1201-1

:2011  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 T

1201-1

:2011

聴覚検査機器−第 1 部:純音オージオメータ

Electroacoustics-Audiological equipment-

Part 1: Pure-tone audiometers

序文

この規格は,2001 年に第 2 版として発行された IEC 60645-1 を翻訳し,対応する部分については,技術

的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目

(タイプ 5 の純音オージオメータ)を日本工業規格として追加している。また,対応国際規格の中で引用

されている国際規格については,該当する日本工業規格がないために,その部分を翻訳して

附属書 JA∼附

属書 JF として追加した。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JG に示す。

1

適用範囲

この規格は,オージオメータの一般的要求事項及び聴覚いき(閾)値レベルを,音響心理学的検査法に

よって標準化された基準いき(閾)値レベルと比較して測定するために設計された,純音オージオメータ

の特別な要求事項について規定する。

この規格は,次の事項を保証することを目的とする。

a)  ISO 8253-1

及び ISO 6189 に規定する方法によって,同一の耳の聴覚検査,特に 125∼8 000 Hz の範囲

でいき(閾)値の検査を行った場合には,この規格に適合した異なるオージオメータを用いても,実

質的に同一の結果を与える。

注記 1  ここで,実質的に同一とは,校正値の許容範囲内の偏差,被検者の耳(乳突部)の音響(機

械)

特性の偏差,

被検者の応答の正確さに起因する偏差以外は同一であることを意味する。

b)

得られた結果が,被検査耳の聴覚と,基準の聴覚いき(閾)値との正しい比較を表す。

c)

発生する検査信号の範囲,動作モード又は(診断用,選別用など)検査する聴覚機能の範囲の複雑さ

にしたがって,オージオメータを分類する。

注記 2

この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60645-1:2001

,Electroacoustics−Audiological equipment−Part 1: Pure-tone audiometers

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,修正しているこ

とを示す。

なお,平成 26 年 7 月 28 日まで JIS T 1201-1:2000 は適用することができる。


2

T 1201-1

:2011

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 1509-1

  電気音響−サウンドレベルメータ(騒音計)−第 1 部:仕様

注記  対応国際規格:IEC 61672-1  Electroacoustics – Sound level meters−Part 1: Specifications (IDT)

JIS T 0601-1

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項

注記  対応国際規格:IEC 60601-1  Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for basic

safety and essential performance (MOD)

JIS T 0601-1-2

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項−第 2 節:副通則−電磁両立性

−要求事項及び試験

注記  対応国際規格:IEC 60601-1-2  Medical electrical equipment−Part 1-2: General requirements for

basic safety and essential performance−Collateral standard: Electromagnetic compatibility−

Requirements and tests (IDT)

JIS T 1201-2

  オージオメータ−第 2 部:語音聴覚検査に用いる機器

注記  対応国際規格:IEC 60645-2  Audiometers−Part 2: Equipment for speech audiometry (MOD)

ISO 4869-1

,Acoustics−Hearing protectors−Part 1: Subjective method for the measurement of sound

attenuation

ISO 6189

,Acoustics−Pure tone air conduction threshold audiometry for hearing conservation purposes

ISO 8253-1:1989

,Acoustics−Audiometric test methods−Part 1: Basic pure tone air and bone conduction

threshold audiometry

ISO 8253-2

,Acoustics−Audiometric test methods−Part 2: Sound field audiometry with pure tone and

narrow-band test signals

ISO 8253-3

,Acoustics−Audiometric test methods−Part 3: Speech audiometry

IEC 60268-3

,Sound system equipment−Part 3: Amplifiers

IEC 60318-1

,Electroacoustics−Simulators of human head and ear−Part 1: Ear simulator for the calibration of

supra-aural earphones

IEC 60318-2

,Electroacoustics−Simulators of human head and ear−Part 2: An interim acoustic coupler for the

calibration of audiometric earphones in the extended high-frequency range

IEC 60318-3

,Electroacoustics−Simulators of human head and ear−Part 3: Acoustic coupler for the

calibration of supra-aural earphones used in audiometry

IEC 60318-5

,Electroacoustics−Simulators of human head and ear−Part 5: 2 cm

3

 coupler for the

measurement of hearing aids and earphones coupled to the ear by means of ear inserts

IEC 60373

,Mechanical coupler for measurements on bone vibrators

IEC 60601-1-4

,Medical electrical equipment−Part 1-4: General requirements for safety−Collateral Standard:

Programmable electrical medical systems

IEC 60711

,Occluded-ear simulator for the measurement of earphones coupled to the ear by ear inserts

注記  対応日本工業規格:JIS C 5512:2000  補聴器 (MOD)


3

T 1201-1

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3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

純音オージオメータ(pure tone audiometer

純音に対する聴覚,特に聴覚いき(閾)値測定用の装置。

注記 1  純音オージオメータの意味で単にオージオメータという場合もある。

注記 2  オージオメータには,固定周波数式及び連続掃引周波数式がある。

3.2

手動オージオメータ(manual audiometer

信号の提示及び結果の記録が手動によって行われるオージオメータ。

3.3

自動記録オージオメータ(automatic-recording audiometer

信号の提示,聴力レベルの変更,周波数の選択又は変更及び被検者の応答の記録が自動的に行われるオ

ージオメータ。

注記 1  聴力レベルの変化の方向は,被検者の応答によって制御され,自動的に記録される。

注記 2  略して自記オージオメータともいう。

3.4

コンピュータ制御オージオメータ(computer-controlled audiometer

検査手順が,人の操作ではなくコンピュータ又はマイクロプロセッサによって制御されるオージオメー

タ。

3.5

語音オージオメータ(speech audiometer

語音検査材料(音声信号)に対する聴取能力を測定するための装置。

3.6

気導(air conduction  

外耳及び中耳を経由して内耳に至る音の伝達。

3.7

骨導(bone conduction

主として頭蓋骨の機械的振動を介する音の内耳への伝達。

3.8

耳科学的正常者(otologically normal person

耳疾患の症状所見,耳こう(垢)栓塞,過度の騒音暴露の経験,耳毒性薬物を使用した可能性及び遺伝

性難聴の家族歴がない正常な健康状態の人。

3.9

聴覚いき(閾)値(threshold of hearing

指定の条件で試行を反復したときに,ある人が 50  %の確率で正しく検出反応をするような音のレベル。

3.10

等価いき(閾)値音圧レベル(イヤホンによる単耳聴)[equivalent threshold sound pressure level (monaural 

earphone listening)]

ある周波数について,あるタイプのイヤホンを,指定の圧定力で耳に装着したときの聴覚いき(閾)値


4

T 1201-1

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に相当する電圧で駆動したときに,そのイヤホンがある擬似耳(音響カプラ又は人工耳)に発生させる音

圧レベル。

3.11

等価いき(閾)値の力のレベル(単耳聴)[equivalent threshold force level (monaural listening)]

ある周波数について,ある構成の骨導受話器を,乳突部又は前額に装着したときの聴覚いき(閾)値に

相当する電圧で駆動したときに,その骨導受話器があるメカニカルカプラ上に発生させる振動の力のレベ

ル。

注記  この定義においては,附属書 JE の規定によって非検査耳を遮蔽することが要求される。

3.12

基準等価いき(閾)値音圧レベル(RETSPL) [reference equivalent threshold sound pressure level (RETSPL)]  

特定の周波数における,18 歳∼30 歳の十分な数の耳科学的に正常な男女の耳の,等価いき(閾)値音圧

レベルの平均値又は最頻値。特定のイヤホンによる聴覚いき(閾)値を,特定の音響カプラ又は人工耳に

よって表す。

注記  基準等価いき(閾)値音圧レベルの値は,附属書 JA,附属書 JB 及び附属書 JC に規定してい

る。

3.13

基準等価いき(閾)値の力のレベル(RETFL)    [reference equivalent threshold force level (RETFL)]  

特定の周波数における,18 歳∼30 歳の十分な数の耳科学的に正常な男女の耳の,等価いき(閾)値の力

のレベルの平均値。特定の形式の骨導受話器による聴覚いき(閾)値を,特定のメカニカルカプラによっ

て表す。

注記  基準等価いき(閾)値の力のレベルの平均値は,附属書 JD に規定されている。

3.14

純音の聴力レベル(HL)  hearing level of a pure tone (HL)]

特定の周波数について,

特定の形式のイヤホン又は骨導受話器を規定の装着方法で用いる場合において,

そのイヤホン又は骨導受話器によって擬似耳(音響カプラを含む。

)又はメカニカルカプラに生じた純音の

音圧レベル又は(振動の)力のレベルから,気導(音圧レベル)の場合には基準等価いき(閾)値音圧レ

ベル,骨導(力のレベル)の場合には基準等価いき(閾)値の力のレベルを引いた値。

3.15

聴覚いき(閾)値レベル(hearing threshold level

聴力レベルで表した聴覚いき(閾)値。

注記  純音聴覚いき(閾)値の測定方法は,ISO 8253-1 に規定されている。

3.16

基準の聴覚いき(閾)値(音場における両耳聴 [reference threshold of hearingbinaural sound field listening 

condition

指定された周波数において,18 歳∼25 歳の耳科学的に正常な人の両耳による音場での聴覚いき(閾)値

の中央値に相当する純音又は 1/3 オクターブ帯域の雑音の音圧レベル。

注記  自由音場及び拡散音場における基準の聴覚いき(閾)値は,附属書 JF に規定されている。

3.17

擬似耳(ear simulator

イヤホンの出力音圧の測定に用いられる人工耳(3.18

,音響カプラ(3.19)などの装置の総称。特に人


5

T 1201-1

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の耳と等価な音響インピーダンスを与える装置とを指す場合もある。

3.18

人工耳  (artificial ear)  

イヤホンを校正するための装置。平均的な成人の耳と等価な音響インピーダンスをイヤホンに与える。

注記 1  イヤホンによって生じる音圧を測定するためのマイクロホンを備えている。

注記 2  耳載せ形イヤホン及び挿入形イヤホン用の人工耳は,それぞれ IEC 60318-1 及び IEC 60711

に規定されている。

3.19

音響カプラ(acoustic coupler

イヤホンの校正に用いる,規定された形状及び容量をもつ空洞。マイクロホンを接続して空洞内に発生

する音圧を測定する。

注記  耳載せ形イヤホン及び挿入形イヤホン用の音響カプラは,それぞれ IEC 60318-3 及び IEC 

60318-5

に規定されている。

3.20

メカニカルカプラ(mechanical coupler

規定の力で圧定した骨導受話器に,規定の機械インピーダンスを与えるように設計され,骨導受話器と

の接触面の振動の力のレベルを測定するための機械電気変換器を装備した装置。

注記  メカニカルカプラは,IEC 60373 に規定されている。

3.21

マスキング(masking

a)

別の音の存在によって,音の聴覚いき(閾)値が上昇する現象。

b)

聴覚いき(閾)値レベルが上記によって上昇した値。デシベルで表す。

3.22

実効マスキングレベル(effective masking level

正常な人の純音の聴覚いき(閾)値が特定のマスキング音の存在下で,ある聴力レベルまで上昇すると

きに,その上昇した聴力レベルと等しい数値で表したそのマスキング音のレベル。

注記 1  正常な人とは,その人の聴覚がいき(閾)値及びマスキング効果についての基準に一致する

人である(

附属書 JA,附属書 JB,附属書 JC 及び附属書 JE)。

注記 2  したがって,実効マスキングレベルは聴力レベルと相似である(3.14 参照)。すなわち,それ

は検査を受ける特定の耳とは無関係な物理的目盛をもつ音の尺度である。

注記 3  実効マスキングの基準値は,附属書 JE に規定されている。

3.23

耳せん(ear insert

イヤホンと外耳道とを音響的に結合するのに用いられる器具。

注記  例えば,イヤモールド又は同様の器具でもよい。イヤホンと接続するチューブが付いている場

合と付いていない場合とがある。

3.24

挿入形イヤホン(insert earphone

耳せんで外耳道と接続する,又は外耳道に挿入される接続器具に取り付けた小さなイヤホン。耳せんが

挿入形イヤホンの一部であることもある。


6

T 1201-1

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3.25

密閉形擬似耳(occluded-ear simulator

耳せんの先端から鼓膜までの外耳道内部を模擬した擬似耳。

注記 1  密閉形擬似耳は,IEC 60711 に規定されている。

注記 2  密閉型擬似耳ともいう。

3.26

擬似耳せん(代替イヤモールド,擬似イヤモールド)[ear-insert simulatorearmold substitute, earmold 

simulator

擬似耳の入口で終わり,

その軸上の開口部が音響カプラ又は密閉形擬似耳に至る音の通路となる挿入物。

3.27

挿入形イヤホン用音響カプラ(acoustic coupler for insert earphones

挿入形イヤホンの校正に用いる規定された形状及び容積の空洞。校正されたマイクロホンに接続し,空

洞中の音圧を測定する。

注記  挿入形イヤホン用音響カプラは,IEC 60318-5 に規定されている。

3.28

骨導受話器(bone vibrator

頭蓋骨を振動させて聴感を起こさせる電気機械変換器。

3.29

振動の力のレベル[alternating force level (force level) (of a vibration)]

デシベル値で表された力のレベル。振動を伝える力の実効値(単位 μN)を,基準値 1 μN で除した値の

常用対数の 20 倍。

3.30

閉鎖効果(occlusion effect

外耳道入口をイヤホン又は耳せんで覆うか又は塞いだときに,外耳に閉鎖腔ができることによって,骨

導受話器による刺激音に対する耳の聴覚いき(閾)値レベルが低下する効果。この効果は,低い周波数で

大きくなる。

3.31

白色雑音(ホワイトノイズ)(white noise

パワースペクトル密度が,本質的に周波数に依存しないような雑音。

3.32

狭帯域雑音(narrow-band noise

連続スペクトル及び一定のパワースペクトル密度をもつホワイトノイズから,帯域幅内では,実質的に

一定の減衰量をもつ帯域通過フィルタによって得られた信号(3.33 参照)

3.33

雑音の帯域幅(noise bandwidth

帯域雑音の帯域の上端と下端との周波数の差。両端の周波数では,雑音のパワースペクトル密度は中心

周波数における値の 1/2 に減少する。

3.34

臨界帯域幅(critical bandwidth

広帯域連続スペクトル雑音の一部分で,その帯域の中心周波数と同じ周波数の純音を実効的にマスキン


7

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グする周波数帯域幅。

3.35

狭帯域マスキング雑音の基準レベル(reference level for narrow-band masking noise

特定のタイプのイヤホンと規定された音響カプラ,擬似耳又は人工耳について,狭帯域マスキング雑音

の 0 dB の実効マスキングレベルに相当する音圧レベルを得るために,その帯域雑音の幾何平均周波数と同

じ周波数の純音の基準等価いき(閾)値音圧レベルに対して加えるべきレベル値。

3.36

自由音場(free sound field

部屋の境界面が音波に及ぼす効果が無視できる音場。

3.37

拡散音場(diffuse sound field

所与の点についてあらゆる方向から等しい確率とレベルでほぼ同時に到達する音波とからなる音場。

4

固定周波数オージオメータのタイプごとの要求事項  

オージオメータは,必要最低限の機能に対する要求事項によって,

表 のように五つのタイプに分類す

る。ただし,それ以外の機能を排除するものではない。五つのタイプはそれぞれ

表 に指定された主な用

途に対応している。

注記  タイプ 5 は,対応国際規格では削除されている。

表 1−固定周波数オージオメータの最低限の機能

機能

タイプ 1

高度臨床/研

究用

タイプ 2

臨床用

タイプ 3

基本的診断用

タイプ 4

選別/経過観

察用

タイプ 5

選別用

気導検査

−イヤホン  2 個

a)

−挿入形イヤホン

骨導検査

聴力レベル及び検査周波数

表 参照

表 参照

表 参照

表 参照

表 参照

マスキング用狭帯域雑音

外部信号入力

検査音の断続法

−音提示スイッチ

b)

b)

−音遮断スイッチ

c)

−自動断続音

マスキング音を出力する受話器

−反対側のイヤホン

−同側のイヤホン

−骨導受話器

基準音の提示法

d) 

−交互提示

−同時提示

被検者応答システム

c)

c)

電気信号出力

信号レベル表示器


8

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表 1−固定周波数オージオメータの最低限の機能(続き)

機能

タイプ 1

高度臨床/研

究用

タイプ 2

臨床用

タイプ 3

基本的診断用

タイプ 4

選別/経過観

察用

タイプ 5

選別用

検査信号の聴覚モニタ

−純音及び雑音

−外部入力

音声連絡

−検査者から被検者へ

−被検者から検査者へ

a)

  10.2 の規定を満たすヘッドバンドに装着する場合には,イヤホンの数は 1 個でもよい。

b)

  自動記録オージオメータの場合は,校正目的を除き必須ではない。

c)

  手動オージオメータの場合は必須ではない。

d)

  この最低限の要求事項は,検査音と同じ周波数の基準音を提示するためのものである。

5

一般的要求事項

5.1

電気的安全性についての要求事項

オージオメータは,JIS T 0601-1 及び IEC 60601-1-4 の安全性についての要求事項を満たさなければなら

ない。

5.2

音響的安全性についての要求事項

オージオメータは,

正常聴力者に傷害を与える可能性のある音圧レベルを発生させることができるので,

100 dB を超える聴力レベルでは必ず操作者に対する聴覚以外の警告信号を出さなければならない。

5.3

環境条件

温度範囲 15  ℃∼35  ℃,相対湿度範囲 30  %∼90  %及び環境気圧 98 kPa∼104 kPa の範囲の指定した組

合せで,この規格の規定を満たさなければならない。検査音のレベルを校正したときの環境パラメータの

実際の値を明記する。

注記  気圧が上記の範囲外の場合,基準等価いき(閾)値音圧レベルは大きく異なることもある。し

たがって,校正サイトと使用現場が同様な気圧条件を共有できない状況下では,使用現場の公

称気圧前後の値で再校正することが望ましい。

5.4

ウォームアップ時間

製造業者の取扱説明書に従って,指定されたウォームアップ時間を経過し,セットアップ調整を実施し

た後に,この規格の性能の要求事項を満たさなければならない。製造業者は,最短のウォームアップ時間

を指定し,この最短のウォームアップ時間は,オージオメータが試験環境の周囲温度に保たれていた場合

10 分を超えてはならない。

5.5

電源変動

5.5.1

電源動作

供給電源の電圧及び周波数の長期的変動が,定格電圧±10  %及び定格周波数で±5  %の範囲内で(その

最も都合の悪い組合せであっても)

,この規格の規定を満たさなければならない。

5 秒までの電源電圧の完全な中断が生じた場合でも,オージオメータは被検者の聴覚に害を与えず,異

常な検査結果にならない状態に必ず復帰しなければならない。

5.5.2

電池動作

製造業者は,この規格を満たす電池電圧の範囲を規定する。さらに,電池電圧が規定された範囲内であ


9

T 1201-1

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ることを保証するために適切な表示器を備えなければならない。規定された範囲内の全ての電池電圧でこ

の規格を満たさなければならない。

5.6

電源及び無線周波数電磁界に対する電磁耐性

5.6.1

オージオメータは,JIS T 0601-1-2 の電磁両立性 (EMC) を満たさなければならない。

5.6.2

電磁両立性 (EMC) 耐性試験中及び試験後も,次の条件を満たさなければならない。

電磁両立性 (EMC) 試験条件下で,気導受話器からの不要音は聴力レベル 80 dB を超えてはならない。

この仕様の適合性証明のための試験手順を 13.3 に規定する。

5.7

妨害音(不要音)

5.7.1

一般的事項

客観的な音響測定は,オージオメータの妨害音(不要音)の存在の試験に実用的でないことがある。し

たがって,主観的な試験を行う。主観的な試験には,少なくとも 2 名以上の耳科学的正常者の被験者を用

いる。被験者の聴覚いき(閾)値レベルは,周波数 250 Hz∼8

000 Hz の検査周波数において 10 dB を超え

てはならない。主観的な試験に使用する試験室は,ISO 8253-1 の箇条 12 

表 の右欄の要求事項を満た

さなければならない。

5.7.2

イヤホンからの妨害音

イヤホンからの妨害音は,音提示スイッチが“オフ”のときに,オージオメータ内でいろいろに生成さ

れた電気信号から生じることがある。妨害音(一般には,ブレークスルー又はクロストークという。

)は,

検査音が“オン”のときに非検査側イヤホンに生じることもある。具体的な要求事項及び性能を検証する

間接的な電気的測定方法は 13.4.1.1 に,主観的な方法については 13.4.1.2 による。

妨害音は,音提示スイッチの作動が不完全なときにもイヤホンに生じることがある。音提示スイッチの

要求事項については,8.6 による。

5.7.3

骨導受話器からの妨害音

製造業者は,骨導受話器の発する音が,気導で閉鎖されていない外耳道から検査耳に達し,骨導測定の

有効性を損なう可能性のある検査周波数を明示しなければならない。同じく製造業者は,その障害の可能

性の程度(限度)を明示しなければならない。この要求事項に適合することを示す方法は,13.4.2 による。

5.7.4

オージオメータの発する妨害音

オージオメータを被検者と同じ室内に置いて使用することが想定されるので,実際の聴覚検査中にオー

ジオメータの操作によって生じる音,オージオメータの放射する音及びオージオメータに接続して使用す

るコンピュータシステムのあらゆる機器からの音は,50 dB 又はそれ以下の聴力レベルダイヤルのどの設

定でも被検者には聞こえてはならない。この要求事項に適合することを示す方法は,13.4.3 による。

注記  操作ノイズの制限は,検査結果に影響する手がかり(例えば,被検者が検査者の操作内容を知

ること)を被検者に与えるようなあらゆるノイズに適用する。ただし,被検者が実際に検査中

でないときにノイズを発する出力選択スイッチ,周波数スイッチの戻り止めなどの機構には適

用しない。

5.8

自動記録オージオメータ及びコンピュータ制御オージオメータの試験

自動記録オージオメータ及びコンピュータ制御オージオメータは,オージオメータの特性を測定する目

的のために,信号を適切に制御する手段を備える。

5.9

インタフェース接続

情報インタフェースを経由した信号によって,どのような場合にも,オージオメータの検査音レベルの

校正情報が意図せず変更されることがないようにしなければならない。


10

T 1201-1

:2011

6

検査信号源

6.1

純音

6.1.1

周波数及び聴力レベル範囲

固定周波数オージオメータは,耳載せ形イヤホン及び骨導受話器に対しても,

表 の該当する欄に示す

最低限の聴力レベル範囲をもつ検査周波数を備えていなければならない。タイプ 1 で耳覆い形イヤホン又

は挿入形イヤホンを使用する場合,500 Hz∼8 000 Hz の周波数レンジで最大の聴力レベルは,表にある数

値より 10 dB 低くても差し支えない。

附属書 JA に RETSPL 値が示されている 8 000 Hz までの 1/3 オクターブ周波数の中から追加の周波数を

選択して備えてもよい。

周波数掃引オージオメータの場合には,周波数固定オージオメータについて,

表 に示したものと少な

くとも同じ周波数及び聴力レベルの範囲をもたなければならない。

6.1.2 

周波数の精度

固定周波数オージオメータの場合には,周波数は,次の許容差内で表示値と一致しなければならない。

タイプ 1 及び 2  ±1  %

タイプ 3 及び 4  ±2  %

タイプ 5

±3  %

連続掃引周波数式オージオメータの場合には,検査音の周波数は,オージオグラムに表示された値と±

5  %以内で一致しなければならない。

表 2−固定周波数オージオメータにおける最低限の検査周波数及び聴力レベル値の範囲

聴力レベル

a)

dB

タイプ 1

タイプ 2

タイプ 3

タイプ 4

タイプ 5

周波数

Hz

気導

骨導

気導

骨導

気導

骨導

気導だけ

気導だけ

125  70

60

250   90

45

 80

45

70

35

70

500

120 60

110 60 100 50 70

750

120

60

1

000

120 70

110 70 100 60 70 任意

1 500

  120

70

  110

70

2

000

120 70

110 70 100 60 70

3

000

120 70

110 70 100 60 70

4

000

120 60

110 60 100 50 70

6 000

  110

50

  100

90 − 70

8 000

  100

90

80 −

a)

  最大測定レベル(聴力レベル)は,表中の値以上とする。最小測定レベル(聴力レベル)はタイプ 1∼3 の

全周波数については−10 dB 以下,タイプ 4 については 0 dB,タイプ 5 については任意である。

耳覆い形又は挿入形イヤホンの最大測定レベル(聴力レベル)は,周波数 500∼8 000 Hz においては 10 dB

低くてもよい。

6.1.3

全高調波ひずみ

全高調波ひずみの最大値は,

表 に示した値を超えてはならない。


11

T 1201-1

:2011

表 3−載せ形,耳覆い形,挿入形イヤホン及び骨導受話器における音圧

又は振動の力の音響的な全高調波ひずみの最大許容値

気導

骨導

周波数範囲

Hz

125∼250 315∼400 500∼5 000

250∼400 500∼800 1

000∼4 000

聴力レベル

a)

dB

75 90 110 20 50 60

全高調波ひずみ

2.5 2.5 2.5 5.5 5.5 5.5

a)

  オージオメータの該当する周波数の最大出力レベルとのいずれか低いほうとする。耳覆い形及び挿入形イ

ヤホンについては,表に規定するレベルよりも 10 dB 小さい値とする。

6.1.4

周波数の変化率

自動記録オージオメータに連続掃引周波数式が含まれている場合には,1 分間当たり 1 オクターブ±

20  %の変化率が使用できなければならない。固定周波数式の自動記録オージオメータでは,それぞれの周

波数で最低 30 秒の間提示できなければならない。

6.2

周波数変調

周波数変調音を備える場合には,次の特性を満たす音とする。

a)

搬送周波数  搬送周波数は,表 に規定するオージオメータの検査周波数とし,許容差は表示値の±

3  %とする。

b)

変調信号の波形  変調信号の波形は,正弦波若しくは線形又は対数周波数軸上で対称な上昇及び下降

部分をもつ三角波とする。

変調波形が正弦波の場合は,全高調波ひずみは 5  %を超えないものとする。三角波の場合,傾斜部

は振幅の 5  %を超えて直線から外れないものとする。三角波では,上昇及び下降部分の持続時間は,

10  %を超えて異ならないものとする。

c)

変調信号の繰返し率  変調信号の繰返し率は,4 Hz∼20 Hz の範囲内とし,許容差は表示値の±10  %

とする。

d)

周波数偏移  周波数偏移は,搬送周波数の±2.5  %∼±12.5  %の範囲内とし,許容差は表示値の±

10  %とする。製造業者は,それらの信号の特性及び許容差を明示する。

6.3

外部信号源

6.3.1

信号

純音,語音,複合音信号などが聴覚検査では使用される。JIS T 1201-2 が語音聴覚検査の機器(語音オ

ージオメータ)を,ISO 8253-3 が語音聴覚検査の方法を規定する。したがって,この規格では,語音聴覚

検査又は複合音信号の使用に必要なパラメータは規定しない。

6.3.2

周波数応答

一定電圧を外部入力端子に加えたときのイヤホンからの出力音圧レベルは,オージオメータの校正に用

いるのと同じ擬似耳で測定したときに,周波数範囲 250 Hz∼4 000 Hz にある全ての検査信号の平均音圧レ

ベルから±3 dB を超えて異ならないものとする。125 Hz∼250 Hz の範囲のどの信号についても許容差は,

3

10

dB とし,4 000 Hz∼6

300 Hz では

3

5

dB とする。境界周波数 250 Hz 及び 4 000 Hz では,許容差は±3 dB

とする。

骨導受話器の出力については,製造業者は周波数範囲 250 Hz∼4 000 Hz の周波数応答及び許容差を明示

する。


12

T 1201-1

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6.3.3

電気的感度

製造業者は,外部入力信号の電気的感度を,次のように明示する。すなわち,信号レベル表示器が基準

位置を示すときに,規定する出力音圧レベルを得るのに必要な規定信号の入力電圧を示す。

6.3.4

外部信号源の基準レベル

外部信号は,信号レベル表示器で監視できなければならない(8.2 参照)

。基準レベルは,信号レベル表

示器が基準位置にあるときの値を表示する。

6.3.5

検査者から被検者への音声連絡

通常の検査状態で,検査者から被検者への音声連絡を可能とする装置を備えることが望ましい。

6.3.6

被検者から検査者への音声連絡

通常の検査状態で,被検者から検査者への音声連絡を可能とする装置を備えることが望ましい。

6.4

マスキング音

6.4.1

一般的事項

マスキング音を備えるオージオメータについては,全てのマスキング音を,純音を測定するのと同じ擬

似耳(音響カプラを含む。

)又はメカニカルカプラで測定する。

この規格は,純音をマスキングする雑音に対する要求事項だけを規定する。この場合,適切な雑音は狭

帯域雑音と考えられる。ほかのマスキング音については規定しない。純音オージオメータが音声(語音)

信号に対するマスキング雑音を備える場合,そのマスキング雑音は JIS T 1201-2 に規定する。

6.4.2

狭帯域雑音

狭帯域マスキングを備えるオージオメータでは,雑音帯域の幾何平均値を検査周波数とする。このマス

キング雑音の帯域の上側及び下側遮断周波数を

表 に示す。これらの帯域外では,雑音の音圧スペクトル

密度レベルは,少なくとも 3 オクターブにわたってオクターブ当たり 12 dB 以上の割合で降下しなければ

ならない。それ以降は,帯域の中心周波数のレベルに対して−36 dB 以下とする。31.5 Hz∼10 000 Hz の範

囲の外については,測定の必要はない。

変換器(イヤホン及び骨導受話器)

,擬似耳及びメカニカルカプラの限界によって,4 000 Hz より上の測

定ではマスキング雑音のスペクトルが正確に示されるとは限らない。したがって,3 150 Hz より上の中心

周波数では,イヤホン又は骨導受話器の端子を通して電気的に測定を行う。


13

T 1201-1

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表 4−狭帯域マスキング雑音(帯域の中心周波数のレベルに対して

音圧スペクトル密度レベルが−3 dB となる上側及び下側遮断周波数)

下側遮断周波数

Hz

上側遮断周波数

Hz

中心周波数

Hz

最小

最大

最小

最大

125 105  111

140  149

160 136  143

180  190

200 168  178

224  238

250 210  223

281  297

315 265  281

354  375

400 336  356

449  476

500 420  445

561  595

630 530  561

707  749

750 631  668

842  892

800 673  713

898  951

1

000 841  891

1

120 1

190

1

250 1

050 1

110 1

400 1

490

1

500 1

260 1

340 1

680 1

780

1

600 1

350 1

430 1

800 1

900

2

000 1

680 1

780 2

240 2

380

2

500 2

100 2

230 2

810 2

970

3 000

2

520 2

670 3

370 3

570

3

150 2

650 2

810 3

450 3

750

4 000

3

360 3

560 4

490 4

760

5

000 4

200 4

450 5

610 5

950

6 000

5

050 5

350 6

730 7

140

6

300 5

300 5

610 7

070 7

400

8

000 6

730 7

130 8

980 9

510

注記 1  表 に定義する雑音の周波数帯域幅は,最小値が 1/3 オクターブバンド,最大値が 1/2 オク

ターブバンドに相当する。中心周波数が 400 Hz 以上では,これらのバンド幅は等しい実効
マスキングを与える臨界帯域幅よりも広い。したがって,実効マスキングを与える臨界帯域
幅よりも全体的な音圧レベルは約 3 dB 高くなければならない(

附属書 JE 参照)。より広い

帯域幅を使用することには,

マスキング雑音の純音的な音色の知覚を最少にできる利点があ

る。

注記 2  上側及び下側遮断周波数の最小値並びに最大値 f

l

(min),f

l

(max),f

u

(min)及び f

u

(max)は,次の

式で与えられる(JIS C 1514 参照)

4

/

1

m

l

2

(min)

f

f

=

6

/

1

m

l

2

(max)

f

f

=

6

/

1

m

u

2

(min)

×

f

f

4

/

1

m

u

2

(max)

×

f

f

ここに,f

m

は中心周波数を示す。

注記 3  表 に示した値は,有効桁数第 3 桁で丸めてある。

6.4.3

その他のマスキング音

ほかの種類のマスキング音を備える場合は,製造業者はその周波数スペクトル及び使用方法を明示する。


14

T 1201-1

:2011

7

スピーカ出力

7.1

スピーカを用いて音場聴力検査を行う場合,その検査環境は,自由音場状態とはかなり異なること

がある。ISO 8253-2 は,音場聴力検査の手順及び検査条件に加えて,自由音場,拡散音場及び準自由音場

条件の特性を規定している。

製造業者は,スピーカ出力の公称性能の測定に適用する試験条件を,明示しなければならない。

7.2

音場聴力検査のための基準いき(閾)値音圧レベルは,

附属書 JF による。

8

信号レベルの調整

8.1

表示

信号レベル調整器は,

“Hearing Level”(HL)  又は“聴力レベル”の名称を用いて,そのことが分かるよ

うにしなければならない。

聴力レベル調整器の 0 dB 指示値は,

附属書 JA∼附属書 JF の該当部に示される基準等価いき(閾)値に

相当する変換器(イヤホン及び骨導受話器)の出力に一致しなければならない。

8.2

信号レベル表示器

正しく操作するために外部入力信号のレベルを表示する信号レベル表示器がある場合には(

表 参照),

製造業者は,指定した信号に対する基準点と考えられる信号レベル表示器の読みを明示する。また,この

表示器は内部で作られる信号のモニターを兼ねてもよい。

製造業者は,信号レベル表示器の時間重み付け,ダイナミックレンジ,整流器などの特性を明示する。

信号レベル表示器が語音信号のために使用される場合は,JIS T 1201-2 の要求事項を満たすものとする。

この表示器は,回路内で聴力レベル調整器の前段に接続されるものとし,提示される信号の全体レベル

に対して,20 dB の範囲で増幅器の利得を調整できることとする。

製造業者は,聴力レベル調整器を指定の値にセットし,モニタ用の信号レベル表示器が基準の指示値に

なるように指定されたレベルで,指定した信号を入力して擬似耳(音響カプラを含む。

)で測定したときの

出力レベルを明示する。

8.3

音圧レベル及び振動の力のレベルの精度

一つの信号チャネルを変換器(イヤホン)に接続したときに,イヤホンからの音圧レベルと基準等価い

き(閾)値音圧レベルとの差は,聴力レベル調整器のどの位置においても,125 Hz∼4

000 Hz の範囲では

±3 dB,それより高い周波数では±5 dB を超えて表示値と異なってはならない。

同様に,骨導受話器の振動の力のレベルと基準等価いき(閾)値の力のレベルとの差は,125 Hz∼4

000

Hz の範囲では±4 dB,それより高い周波数では±5 dB を超えて表示値と異なってはならない。

一つの変換器に複数チャネルの信号及び/又は雑音を同時に接続する場合には,変換器からのそれぞれ

の信号又は雑音の出力レベルは,単一チャネルを接続して得られたレベルと±1 dB を超えて異なってはな

らない。ただし,この要求事項は,周波数 125 Hz∼4

000 Hz の範囲内で満たされるものとし,それより高

い周波数においては±2 dB を許容範囲とする。また,最大出力レベルより 20 dB 以上低い聴力レベルにつ

いてだけ,この規定を適用する。

掃引周波数式オージオメータは,該当する全ての 1/3 オクターブ周波数において,上記の要求事項を満

足し,出力レベルはこれらの周波数の間で滑らかに変化しなければならない。

8.4

聴力レベル調整器

8.4.1

手動オージオメータ

聴力レベル調整器は,全ての検査周波数に共通な単一の目盛及び単一の基準ゼロ点をもつものとする。


15

T 1201-1

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聴力レベル指示器の目盛は,5 dB 以下の間隔とし,各周波数の 0 dB 位置は基準等価いき(閾)値レベル

と一致していなければならない。

8.4.2

自動記録(自記)オージオメータ

全ての自動記録(自記)オージオメータは,2.5 dB/s の変化率を備えていなければならない。他の変化

率を追加する場合には,1.25 dB/s 及び/又は 5 dB/s を用いる。許容差は±20  %とする。

製造業者は,聴力レベル調整の最小可変量を明示しなければならない。

8.4.3

コンピュータ制御オージオメータ

コンピュータ制御オージオメータについての要求事項は,対応する手動及び自動記録オージオメータに

準じる。また,提示されている信号レベルを表示する手段を備えなければならない。

コンピュータ制御のオージオメータは,ISO 8253-1 及び ISO 6189 に規定された手順に従わなければな

らない。

8.4.4

調整器の精度

連続する二つの聴力レベル表示の差は 5 dB 以内であり,これに対する出力を測定したときに,表示値の

差 (dB) の 3/10 又は 1 dB のいずれか小さいほうを超える誤差があってはならない。

自動記録オージオメータにおいては,5 dB 以内の連続する二つの聴力レベル表示に対する出力の測定値

の差は,表示値のデシベル差の 3/10 又は 1 dB のいずれか小さいほうを超えて,表示値の差と異なっては

ならない。

8.5

マスキングレベル調整器

8.5.1

一般的事項

マスキングレベル調整は,全ての周波数で共通の,単一の基準ゼロ点がなければならない。マスキング

レベルは,5 dB 以下の間隔で調整可能でなければならない。

8.5.2

マスキングレベル

a)

狭帯域雑音のマスキングレベル調整器は,

附属書 JE による実効マスキングのデシベル値に校正する。

表 の上限・下限内にあるが,マスキング雑音の正確なバンド幅が分からない場合は,基準レベル

として

表 JE.1 の 1/3 オクターブ欄と 1/2 オクターブ欄との平均値を使用する。

b)

その他の音のマスキングレベル調整器は,純音の校正に使用したものと同じ擬似耳(音響カプラを含

む。

)に載せたイヤホンで測定して,音圧レベルを校正しなければならない。製造業者は,全体の音圧

レベル及びそのマスキングノイズに対して指定した使用周波数範囲内の 1/3 オクターブバンドにおけ

る音圧レベルを明示する。

8.5.3

マスキングレベルの精度

イヤホンから出力されるマスキング音のレベルは,表示値から−3 dB∼+5 dB を超えて異なってはなら

ない。

任意の二つのマスキングレベル表示に対する出力の測定値の差は,

純音に関する 8.4.4 の要求事項を満た

さなければならない。

8.5.4

マスキングレベルの範囲

マスキング音は,少なくとも 250 Hz の 60 dB,500 Hz の 75 dB,1 000 Hz∼4 000 Hz の 80 dB の聴力レベ

ルにおいて,同側耳の純音をマスクするのに十分なレベルを備えなければならない。マスキング音のレベ

ルは,聴力レベル 0 dB と上記のレベルとの間で調整可能でなければならない。

8.6

検査音の断続

8.6.1

手動オージオメータの音提示スイッチ


16

T 1201-1

:2011

手動オージオメータには,検査音の提示又は中断用の音提示スイッチを備えなければならない。被検者

が,検査音の代わりに,スイッチ及びそれに関連する回路からの機械的ノイズ(5.7.4 参照)又は信号断続

時の過渡音に反応することがあってはならない。

注記  オージオメータに,検査音の長さ及び/又は反復率を制御する自動ゲート機能をもたせてもよ

い。

8.6.2

手動オージオメータのオン/オフ比

スイッチが“オフ”の位置にあり,聴力レベル調整器が 60 dB 以下のとき,出力は基準等価いき(閾)

値レベルよりも少なくとも 10 dB 低くなければならない。スイッチが“オフ”の位置のままで,更に高い

聴力レベルにセットしたとき,聴力レベルを 60 dB から 10 dB ずつ増加させるごとに,出力は 10 dB を超

えて増加してはならない。

8.6.3

手動オージオメータのレベルの上昇及び下降時間

a)

“オン”の位置  音提示スイッチを“オン”に設定したときの音の上昇時間は,次の要求事項を満た

さなければならない(

図 参照)。

− AC の上昇時間は,200 ms を超えてはならない。

− BC の上昇時間は,20 ms 以上とする。

BC 間では,音圧レベルは,不連続がなく単調増加的に上昇しなければならない。

b)

“オフ”の位置  音提示スイッチを,

“オフ”に設定したときの音の下降時間は,次の要求事項を満た

さなければならない(

図 参照)。

− DH の下降時間は,200 ms を超えてはならない。

− EG の下降時間は,20 ms 以上とする。

EG 間では,音圧レベルは,不連続がなく単調減少的に下降しなければならない。

提示音の上昇又は下降の間,イヤホンからの音圧レベルは,

“オン”の位置での定常状態のレベルに対し

て 1 dB 以上高くなってはならない。

注記 AC 及び DH の測定には不確かさが伴うため,特別な考慮が必要になることがある。

8.6.4

自動断続音の提示

自動断続音が提示できる場合,断続音のシーケンスは,次の要求事項を満たさなければならない(

図 1

参照)

−  上昇時間:BC は 20 ms 以上とし,50 ms を超えてはならない。

−  下降時間:EG は 20 ms 以上とし,50 ms を超えてはならない。

−  上昇及び下降変化:BC の間及び EG の間で,音圧レベルは,不連続がなく滑らかに変化しなければな

らない。

−  “オン”位相:CE は,150 ms 以上とする。

−  “オン”及び“オフ”の時間:FJ 及び JK は,各々225 ms±35 ms の値とする。

−  “オン”及び“オフ”の比率:GI 間の出力は,

“オン”位相 CE における最大値よりも,20 dB 以上低

く保たれなければならない。


17

T 1201-1

:2011

図 1−検査音のレベルの上昇及び下降包絡線

8.6.5

コンピュータ制御オージオメータでの被検者の応答時間

製造業者は,検査手順のアルゴリズムを明記するとともに,検査刺激に対する被検者の応答が有効な時

間範囲を明示しなければならない。

8.6.6

被検者応答システム

被検者応答システムとは,被検者が信号に応答したことを検査者に知らせる手段である。通常,この応

答システムは,オージオメータ上の視覚表示器を作動させる手持ち式スイッチの形をとる。自動記録オー

ジオメータ及びコンピュータ制御のオージオメータの場合には,被検者のスイッチは,オージオメータの

当該機能(通常は,検査信号レベル)を制御する。スイッチは,片手で簡単に確実に操作でき,聴覚いき

(閾)値レベルの測定に誤差をもたらすような音を発生してはならない。

9

基準音  

9.1

一般的事項

同じ又は異なる周波数の音を,イヤホンを通じて交互に又は同時に提示する手段を備える場合には,検

査者がこれらの音を適切な長さ及び間隔で容易に提示できなければならない。検査音の音圧レベルを調整

する主聴力レベル調整器に加え,この検査モードには,基準音のレベルを設定するもう一つの聴力レベル

調整器(以下,基準音のレベル調整器という。

)を必要とする。基準音の周波数精度,ひずみ,安定度及び

上昇・下降特性については,この規格の関連項目の規定に準じる。

9.2

周波数

タイプ 5 以外のオージオメータにおける気導検査のための基準音については,最低限 250 Hz∼4

000 Hz

の範囲内のオクターブごとの周波数と,更に 6 000 Hz を追加して備えなければならない。

9.3

基準音のレベル調整器

9.3.1

範囲

基準音のレベル調整器は,聴力レベル 0 dB から,周波数 250 Hz では少なくとも 80 dB まで,500 Hz∼

6

000 Hz では少なくとも 100 dB までの範囲で調整できなくてはならない。

9.3.2

間隔


18

T 1201-1

:2011

検査音又は基準音のどちらかのレベルが,2.5 dB 以下の間隔で調整できなければならない。

注記  マスキングレベル用に通常使用する調整器で,9.3.39.3.5 の要求事項に適合するものは,基準

音のレベル調整器として使用することができる。

9.3.3

表示

基準音のレベル調整器には,デシベルを用いて表された聴力レベルを表示する。

9.3.4

精度

基準音のレベル調整器の性能は,8.3 及び 8.4 の要求事項に適合しなければならない。また,同じ聴力レ

ベルで同じ周波数の場合には,基準音と検査音との音圧レベルの差は,周波数 500 Hz∼4 000 Hz の間では

±3 dB 以内とし,その他の周波数では±5 dB 以内とする。

9.3.5

操作

基準音のレベル調整器の操作が,検査音の出力に±1 dB を超える影響を及ぼしてはならない。

10

校正

10.1

一般的事項

耳載せ形イヤホン,挿入形イヤホン,耳覆い形イヤホン,骨導受話器及びスピーカを用いるオージオメ

ータの校正に関する規定をこの箇条に記載する。

表 は,変換器の種類ごとに,該当する基準いき(閾)値及び校正に用いられる擬似耳(音響カプラを

含む。

)又は測定方法を規定する規格を示している。

表 に記載されていない変換器又は基準レベルを用い

る場合は,製造業者は校正に用いられる手順及び擬似耳(音響カプラを含む。

)とともに,基準レベルの根

拠を明記する。変換器のヘッドバンドで得られる静荷重についても明記する。

注記 1  この規格の値が変換器の特定のモデルに対してだけに規定されている場合がある。耳載せ形

イヤホンは,遮音カップと併せて使用される場合がある。この場合,耳載せ形イヤホンに適

用される RETSPL 値は,有効ではない。

注記 2  定期点検時に,IEC 60318-1 に規定する擬似耳において基準いき(閾)値が示されている耳

載せ形イヤホンを IEC 60318-3 に規定する音響カプラを用いて校正する場合,オージオメー

タの製造業者によって決められたその機種のイヤホンに対する補正値を適用しなければなら

ない。

表 5−聴力検査の 0 dB 基準値に校正するための参照規格

変換器の種類

基準いき(閾)値

擬似耳又は測定方法

耳載せ形イヤホン

附属書 JA による。

IEC 60318-1

IEC 60318-2

IEC 60318-3

挿入形イヤホン

附属書 JB による。

IEC 60711

IEC 60318-5

耳覆い形イヤホン

附属書 JC による。

IEC 60318-1

IEC 60318-2

骨導受話器

附属書 JD による。

IEC 60373

スピーカ

附属書 JF による。

ISO 8253-2

10.2

耳載せ形イヤホン用ヘッドバンド

4.5 N±0.5 N の公称静荷重で,イヤホンを人間の耳介上に保持するヘッドバンドを備えなければならな


19

T 1201-1

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い。

10.3

骨導受話器用ヘッドバンド

5.4 N±0.5 N の公称静荷重で,骨導受話器を乳突部上に保持するヘッドバンドを備えなければならない。

11

電気出力

電気出力は,音場での測定に用いる電力増幅器,スピーカなどの外部機器に信号を送るために用いられ

ることがある。

電気出力は,

オージオメータの変換器に出力される全ての音源からの信号を提供できなければならない。

製造業者は,所定の条件下での規定負荷に適用した場合の出力インピーダンス,周波数応答及び電圧を

明示する。

12

オージオグラムのフォーマット

オージオメータが聴覚いき(閾)値レベルを表示又は印刷する場合には,表形式かグラフィックのオー

ジオグラムを使用することができる。オージオグラムにおいては,周波数軸の上の 1 オクターブの長さが

聴力レベル軸の上の 20 dB に対応するものとする。聴覚いき(閾)値のグラフィック表示が必要であると

ころでは,

表 に示すシンボルを使用する。気導の隣接しているポイントを接続するには実線を使用する。

ただし,左耳については破線を用いてもよい。骨導には破線を用いてもよい。

表 6−聴覚いき(閾)値レベルのグラフィック表現のシンボル

シンボル

検査音の提示方法

右耳

左耳

気導

マスキングされた骨導

−  乳様突起部位

−  前額の部位

応答がない(スケールアウトの)シンボルの例

−  気導

注記  この表は,ISO 8253-1 で規定された試験信号音の提示の全ての方法のシンボルについ

て示しているわけではない。

色を使用する場合には,右耳のシンボル及び接続線には赤,左耳には青を使用する。

13

仕様の適合性証明のための試験手順

13.1

一般事項

この規格の規定への適合性を証明するには,当該試験機関における測定の拡張不確かさを用いて拡張さ

れた測定結果が,

表 に示す U

max

の値によって拡張した,この規格の許容値に完全に収まらなければなら

ない。


20

T 1201-1

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13.2

環境条件及び電源変動

5.3

5.45.5.1 及び 5.5.2 の各規定に適合することを証明するために,オージオメータに附属して供給さ

れるタイプの異なるイヤホンごとに一つのサンプルを使用し,1 000 Hz の表示周波数における周波数,ひ

ずみ及び音圧レベルを測定する。聴力レベルは,100 dB 又は最大の聴力レベル設定のいずれか低いほうと

する。ひずみの測定は,6.1.3 に規定した方法で行う。

5.3

に従った環境試験は,温度と相対湿度との次の四つの組合せ及び 5.3 で規定した静圧範囲内で実施す

る。

温度  15  ℃    相対湿度  30  %

温度  23  ℃    相対湿度  50  %

温度  35  ℃    相対湿度  90  %

及び 5.3 に規定した範囲から一つの追加された組合せ。

13.3

電源及び無線周波数への電磁耐性

電源及び無線周波数への電磁耐性は,次による。

a) EMC

試験には,オージオメータに製造業者が指定する全ての附属品及び装置を装着する。

b)

器具のフロントパネルは放射アンテナに面しているものとする。

c) EMC

試験場の周囲の騒音は,1 000 Hz の 1/3 オクターブバンドレベルで 55 dB 未満とする。

d)

オージオメータの聴力レベル調整器を最大値にセットし,周波数を 1 000 Hz とし,更に右耳用に指定

された気導イヤホンに対して音提示スイッチをオンにする(該当する事項だけ)

e) EMC

試験は 80 MHz から 1 GHz の範囲で,1  %ステップで行う。

この 1  %の規定は,500 MHz より低い周波数では 4  %,他の周波数では 2  %までの上昇間隔によ

って置き換えてもよい。

各試験周波数を維持する時間は,

供試機器に適したものでなければならない。

限られた周波数での試験によって,5.6.1 の要求事項への適合の必要性を否定することはできない。

注記 1  電磁場による測定用マイクロホンへの影響の可能性を回避するために,適切なアダプタを

含むオージオメータのイヤホン又はスピーカと測定用マイクロホンとの間に音響管を挿入

することによって,測定用マイクロホンを高レベルの電磁場から離すことが望ましい。

注記 2  電磁場内でメカニカルカプラに発生する変化のために,骨導受話器の電磁場内での出力を

メカニカルカプラで測定することはできないと考えられる。

これに対応する適切な方法は,

まだ開発されていない。

13.4

妨害音

13.4.1

イヤホン

13.4.1.1

妨害音は電気的な方法で間接的に測定してもよい。一つの方法として,適切な擬似負荷に生じる

実効値電圧を時間重み付け特性 F(JIS C 1509-1 参照)で測定するものがある。擬似負荷とは,試験イヤ

ホンの代わりに各試験周波数でイヤホンと同じ公称インピーダンスの抵抗器を使用することである。

a)

聴力レベル調整器を 60 dB に設定して音を“オフ”にしたときに,125 Hz∼8 000 Hz の範囲内の 1/3

オクターブバンドごとの電気信号は,その 1/3 オクターブバンドの中心周波数における基準等価いき

(閾)値音圧レベルに対応する信号より 10 dB 以上低くなければならない。

b)

聴力レベル調整器を 70 dB 以上に設定して音を“オン”にしたときに,非検査イヤホンの又は代わり

の擬似負荷における妨害音は,検査音より 70 dB 以上低くなければならない。


21

T 1201-1

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13.4.1.2

非検査側イヤホンからの妨害音を主観的に測定するときは,マスキングレベル調整器及び聴力レ

ベル調整器が 70 dB 以下の全ての設定において,250 Hz∼6 000 Hz の周波数範囲で非検査側イヤホンのい

かなる音も被験者に感知されてはならない。この範囲を超え,125 Hz∼8 000 Hz の周波数範囲内について

は,設定が 50 dB 以下で,検査音以外に被験者が感知する音があってはならない。

なお,この試験は,提示音スイッチを“オン”にした場合及び“オフ”にした場合の両方で実施する。

これより高い聴力レベル調整の設定に対しては,被験者のイヤホンの接続に外部の電気的減衰器を挿入

する。この高い設定に対する適合性の試験を行う場合には,オージオメータの聴力レベルダイヤルの設定

がそれぞれ 70 dB 又は 50 dB を超えた分のデシベル数に合わせて外部の減衰器の値を設定し,試験中は,

反対側のイヤホンの接続を外し,オージオメータの出力端子に適切な擬似負荷(13.4.1.1 参照)を接続す

る。

13.4.2

骨導受話器からの妨害音

骨導受話器から発する音がオージオメータの検査結果に与える影響は,5.7.1 の要求事項を満たす 16 名

の被験者の平均聴覚いき(閾)値が,次の試験で c)の要求事項を満足すれば無視してよい。被験者の両側

の耳について測定した場合にはこれを 2 名分の結果として用いてよい。

a)

そのオージオメータの備える 2 000 Hz 以上の周波数について,ISO 8253-1 によって骨導いき(閾)値

を測定する。このとき,ISO 4869-1 によって測定した場合に,それらの周波数で 20 dB 以上の平均減

衰を与えるような耳せんで被検査耳を閉塞する。

b)

耳せんを取り除いて a)の方法を繰り返す。

c)

周波数ごとに,聴覚いき(閾)値の平均値を,a)及び b)それぞれについて計算する。各組の平均値の

差は,3 dB を超えてはならない。

注記  表 に示す最大許容全高調波ひずみは,低い検査周波数において高調波を知覚することによっ

て,誤った骨導いき(閾)値を導くことがある。

13.4.3 

オージオメータの発する妨害音

5.7.2

の要求事項に対する試験は,5.7.1 の要求事項を満たす被験者の少なくとも 2 名以上について行う。

被験者は,接続されていない一対のイヤホンを装着してオージオメータから 1 m の距離に位置する。オー

ジオメータの電気出力は,1 000 Hz でイヤホンのインピーダンスに等しい抵抗負荷で吸収する。骨導を備

えている場合には,耳を塞がずに同じ試験を繰り返す。

13.5

検査信号源

13.5.1

全高調波ひずみ

この規格の 6.1.3 への適合性を測定するには,

表 に示した聴力レベル又はオージオメータの最大聴力レ

ベル設定のいずれか低いほうで行う。この測定は,IEC 60268-3 に示す手順による。ただし,10 000 Hz を

超える周波数の高調波については,測定しなくてよい。

a)

気導の場合には,ひずみを音響的に測定するには,等価基準いき(閾)値音圧レベルを規定するのに

用いたものと同種の擬似耳(音響カプラを含む。

)を使用する。

b)

骨導の場合には,ひずみの測定にはメカニカルカプラを使用する。

注記 1  全ての種類の聴覚障害に対して,正確な骨導検査の結果が得られることを保証するように最

大許容高調波ひずみを適切に規定することは不可能なので,製造業者は,附属する骨導受話

器の非直線性が骨導測定の正確さを損なう可能性のある,周波数及び聴力レベル設定を明示

することが望ましい。

注記 2  擬似耳(音響カプラを含む。)及びメカニカルカプラの限界のため,高調波の測定結果はシス


22

T 1201-1

:2011

テムの非直線的な特性を正確に示すとは限らない。

13.6

信号の精度

13.6.1

音圧レベル及び振動の力の精度

8.3

に示す仕様への適合性は,指定された擬似耳(音響カプラを含む。

)において,全ての周波数で聴力

レベル 70 dB 又は最大のいずれか低いほうの設定で,それぞれのイヤホンの出力測定値として明示する。

骨導受話器については,30 dB か又は最大のいずれか低いほうの聴力レベルで,IEC 60373 に規定のメカ

ニカルカプラ上で測定する。

13.6.2

調整器の精度

精度は,そのオージオメータで使用できる最も低い周波数及び高い周波数で試験を行う。

注記  8.4.4 の要求事項に適合するかどうかの測定は,可能な限り音響的に行うことが望ましい。電気

的測定の場合には,変換器(イヤホン及び骨導受話器)を擬似耳(音響カプラを含む。

)に装着

した上で,そのイヤホン又は骨導受話器への入力を測定するのがよい。又は,変換器の代わり

に,試験周波数において変換器を模擬する擬似負荷に置き換えてもよい。

13.7

マスキング音

13.7.1

狭帯域雑音

6.4.2

に対する適合性は,純音を測定するのと同じ擬似耳(音響カプラを含む。

)を用いて,マスキング

ノイズの 3 150 Hz までの帯域を音響的に測定することによって証明する。

3 150 Hz 以上の測定は,変換器を同じ擬似耳(音響カプラを含む。)に置いたときの変換器の端子間を電

気的に測定する。

13.7.2

マスキングレベル

8.5.3

に対する適合性は,純音の測定するのと同じ擬似耳(音響カプラを含む。

)と,時間重み付け特性 S,

周波数重み付け特性 Z にした JIS C 1509-1 によるクラス 1 のサウンドレベルメータ(騒音計)の要求事項

に適合した測定器とを用いて,備える全ての周波数について,聴力レベルを 70 dB に設定したときの出力

の測定によって証明する。

13.8

ヘッドバンド

13.8.1

耳載せ形イヤホンのヘッドバンド

二つのイヤホンを水平に 145 mm 離し,同時にヘッドバンドの高さを,ヘッドバンドの中心(上端)と

二つのイヤホンの中心を結ぶ線との垂直距離が 129 mm になるように調整したとき,ヘッドバンドの力が

4.5 N±0.5 N の範囲であれば,10.2 の要求事項に適合しているとみなす。

13.8.2

骨導受話器のヘッドバンド

13.8.1

の要求に合わせて骨導受話器とヘッドバンドの反対側の端との間隔をとったとき,ヘッドバンド

の力が 5.4 N±0.5 N 以内になっていれば,適合しているとみなす。ただし,受話器を前額に配置して検査

を行う場合には,上記の間隔を 190 mm として測定を行う。

14

測定の拡張不確かさの最大許容値

この規格で取り扱う,測定に関連した包含係数 k=2 における拡張不確かさの最大許容値を

表 で規定す

る。基礎のタイプ承認の測定値のために U

max

の 1 組の値が与えられる。

表 で与えられた測定の拡張不確かさは,この規格の要求事項への適合性を証明するための最大許容値

となる。試験によって示された測定の実際の拡張不確かさが,

表 の最大許容値を上回る場合には,その

測定値を,この規格への適合性を立証するためには使用できない。


23

T 1201-1

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注記 1  拡張不確かさ とは,測定量と合理的に結び付けることができると考えられる測定値の分布

の大部分を含むと期待される,測定結果を包含する区間を定義する量であって,その算出方

法は参考文献[2]に示されている。

注記 2  包含係数 k  は,拡張不確かさを求めるときに合成標準不確かさに掛ける乗数の数値である。

表 7−基本測定の U

max

測定量

関連箇条番号

U

max

125 Hz∼4 000 Hz の音圧レベル

8.3

9.3.4 0.7

dB

4

000 Hz を超える周波数の音圧レベル

8.3

9.3.4 1.2

dB

周波数

6.1.2

6.2 a) 

0.5  %

全高調波ひずみ

6.1.3 0.5

温度

5.3

13.2 0.5

相対湿度

5.3

13.2 

5  %

環境気圧

5.3

13.2 

0.1 kPa

周波数変化率

6.1.4 5

持続時間

8.4.2 0.1

s

周波数応答

6.3.2 1.0

dB

マスキングの遮断周波数

6.4.2 1

マスキング  −36 dB レベル

6.4.2 1.0

dB

125 Hz∼4

000 Hz のマスキングレベル

8.5.3 1.0

dB

250 Hz∼4

000 Hz の振動の力のレベル

8.3 1.0

dB

4

000 Hz を超える周波数の振動の力のレベル

8.3 1.5

dB

レベルの変化率 (dB/s)

8.4.2 5

聴力レベル調整器の直線性

8.4.4

9.3.5 0.1

dB

上昇及び下降時間

8.6.3

8.6.4 5

ms

ヘッドバンドの力

10.2

10.3 0.3

N

15

表示及び取扱説明書

15.1

表示

オージオメータについては,製造業者名,モデル,

(この規格で規定する。

)タイプ別及び製造番号を表

示する。また,組になる機器の識別記号を変換器(イヤホン及び骨導受話器)にも表示する。

左右のイヤホンは,容易に識別できなければならない。イヤホンを色で区別する場合には,左イヤホン

は青,右イヤホンは赤で区別する。

15.2

取扱説明書

オージオメータには,取扱説明書を添付しなければならない。この取扱説明書には,少なくとも,次の

事項を記載する。

a)

機器が適合するこの規格のタイプの別,提供される装備の記述及び全ての取扱いの説明。

b)  5.3

及び 5.5 に適合するための電源変動の許容範囲及び環境条件。

c)

通常の使用状態において,妨害音の放射を最小限にとどめるための正しい設置方法(5.7 参照)

d)

イヤホン及び骨導受話器の種別並びにその基準等価いき(閾)値レベル。この規格の附属書以外によ

る基準等価いき(閾)値レベルについては,校正に使用する擬似耳(音響カプラを含む。

)も併せてこ

れを明示する。変換器に加える静的な力を明示する。骨導受話器の校正が乳突部用であるか又は前額

部用であるかについて明記する。


24

T 1201-1

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e)

装備しているマスキング音の,周波数応答特性及びマスキング効果(6.4 及び 8.5 参照)

。製造業者は,

狭帯域雑音の実際のバンド幅を明示する。

f)

ウォームアップ時間(5.4 参照)

g)

全ての入力装置(端子)の感度及び公称インピーダンス,全ての出力装置(端子)の得られる電圧及

び公称インピーダンス,全ての外部プラグ接続のピン配置。

h)

自動記録オージオメータの作動モード及び音圧レベルの変化率。連続可変周波数のオージオメータに

ついては,周波数の変化率も明記する。

i)

周波数変調信号を備える場合には,製造業者は,次の事項,特性及びその許容範囲を明示する。

−  変調信号の周波数

−  変調波形(例えば,正弦波,三角波)

−  検査周波数に対する,百分率で表示した変調範囲

j)

ISO 4869-1

によって測定した,イヤホンの装着による音の減衰特性。

k)

各々の検査周波数における最大聴力レベル値。ただし,これには高調波ひずみによる使用範囲の限界

も含まれる。

l)

骨導受話器の気導放射音のレベル及びそれに対して正しい検査結果を得る方法。

m)

コンピュータ制御オージオメータでは,被検者の応答を検出する時間範囲を,8.6.5 によって明記する。

n)

電池で動作する機器について,電池の種類,電池のチェック方法,バッテリーの交換方法及び電池の

標準寿命。

o)

保守及び校正の手順並びにその間隔。ISO 8253-1 が,これについての適切な情報を与える。

p) EMC

の警告。放射電磁界によって起こり得る影響,特に高電力医療機器がオージオメータの性能に与

える影響について,警告しなければならない。


25

T 1201-1

:2011

附属書 JA

規定)

耳載せ形イヤホンによる純音の基準等価いき(閾)値音圧レベル

序文

この附属書は,対応国際規格の中で引用されている ISO 389-1:1998,Acoustics−Reference zero for the

calibration of audiometric equipment−Part 1: Reference equivalent threshold sound pressure levels for pure tones

and supra-aural earphones を翻訳して作成した附属書であるが,この規格の本体と関係しない部分は削除し

ている。また,Annex A (Informative)  の一部を JA.3 として規定している。本体と重複しない用語及び定義

は本体に移動している。

JA.1

適用範囲

この附属書は,聴覚いき(閾)値レベル測定の世界的な合意と統一性を推進するために,純音気導オー

ジオメータに適用される聴覚いき(閾)値レベルの尺度の基準について規定する。

この附属書は,オージオメータの校正への直接的な応用に即した情報,すなわち,IEC 60318-3 で規定

するカプラを用いて測定した 2 種類の標準的な形式のイヤホンの応答特性及び IEC 60318-1 で規定した人

工耳を用いて測定した JA.2.3 に規定した耳載せ形イヤホンの応答特性について規定する。

この附属書は,標準化に携わり聴覚検査の基準について責任のある各研究施設及び科学的出版物からの

情報の精査に基づいている。

注記  この附属書は,本体が参照するオージオメータの校正のための基準レベルについて規定してい

る。

JA.2

基準レベル

JA.2.1

一般的事項

基準等価いき(閾)値音圧レベル(RETSPL)は,イヤホン及びその校正に使用する音響カプラの形式によ

って異なる。

JA.2.2

Beyer DT48

及び Telephonics TDH39 イヤホン

IEC 60318-3

によるカプラで測定したときの,2 種類のイヤホンに対して推奨される基準値を

表 JA.1 

示す。

Beyer DT48 イヤホンについては,人の耳に装着するときに,平たん(坦)なクッションを使用するが,

カプラに装着するときは,参考文献[3]で指定されているアダプタと交換する。TDH39 イヤホンは,人の耳

及びカプラに装着する場合の両方において,MX41/AR(又は model 51)のクッションを使用する。

注記 Beyer

DT48,Telephonics TDH39,MX41/AR 及び model 51 は,市販のイヤホン又はクッション

である。この附属書のこの箇条はこのイヤホンにだけ適用される。これ以外のイヤホンについ

ては,JA.2.3 又は JA.3 に規定する。

イヤホンは,イヤホン自体の重さ以外に公称 4.5 N±0.5 N の静的な力で音響的な漏えい(洩)がないよ

うにカプラに圧定する。


26

T 1201-1

:2011

表 JA.1IEC 60318-3 によるカプラ内における基準等価いき(閾)値音圧レベルの推奨値

周波数

Hz

RETSPL(基準:20 μPa)

a)

dB

125 47.5

45

160 40.5

37.5

200 34

31.5

250 28.5

25.5

315 23

20

400 18.5

15

500 14.5

11.5

630 11.5

8.5

750 9.5

7.5

800 9

7

1

000 8

7

1

250 7.5

6.5

1

500 7.5

6.5

1 600

7.5

7

2

000 8

9

2

500 7

9.5

3

000 6

10

3

150 6

10

4

000 5.5

9.5

5

000 7

13

6

000 8

15.5

6

300 9

15

8

000 14.5

13

イヤホンの機種 Beyer DT48

(平たん形クッションを使用)

Telephonics TDH39

b)

(MX41/AR 又は model 51 クッ

ションを使用)

a)

 0.5

dB 単位で丸めた値。

b)

 1963 年に Telephonics TDH39 イヤホンのフィルタ布が変更されたが,9A カプ

ラ上で同じイヤホンの応答を生成するように整合が行われた。変更期間中に約
1

000 組のイヤホンが整合の行われていない布で生産された。この附属書に記

載されたデータは,1963 年以前及び以後に生産された何個かのイヤホンのデ
ータの平均である。

JA.2.3

その他の耳載せ形イヤホン

耳載せ形イヤホンの,IEC 60318-1 に規定された人工耳における,等価いき(閾)値音圧レベル(RETSPL)

の推奨値を,

表 JA.2 に示す。

これらの値を,次の要求事項を満たすイヤホンに適用する(ただし,JA.2.2 に指定された形式のイヤホ

ンには,不確定さを避けるために除外する。

a)

イヤホン及びクッションがある場合のクッションは軸対称とする。

b)

イヤホンの構成及び材質は,イヤホン(又はそのクッション)と人の耳との間を音響的に良好に密閉

するのに適している。

c)

平面上に置いたとき,イヤホン(又はそのクッション)及び平面の接触点の描く円は,人の耳介の矢

状面の大きさと同程度とする。

d)

イヤホン(又はそのクッション)のどの部分も,c)  に規定する接触面から突出してはならず,それか


27

T 1201-1

:2011

らくぼんだ部分は,円すい(錐)台に近い形状とする。

e)

イヤホン又はクッションがある場合のクッションの外形は,IEC 60318-1 に規定された人工耳と,直

径 25 mm の開口縁だけで有効に接触する。

注記  この要求事項は,25 mm を超える直径上でイヤホンの外形と接する円すい(錐)の頂角が 116°

より大きいことを意味している。

f)

クッションがある場合には,その材質は,イヤホンを人工耳に圧定したときに柔らかすぎて有意な変

形を引き起こしてはならない。このことは,次の試験によって定められる。すなわち,5 N の静的な

圧定力を 10 N に変化させたときの 1 000 Hz における感度レベルが,0.2 dB を超えて変化してはなら

ない。

g)

イヤホン又はクッションがある場合のクッションの外形は,人の耳に装着したときに,耳介に接触し

なければならない。ただし,耳介の後部の頭蓋組織に接触してはならない。

注記  この規定によって,耳覆い形イヤホンにはこの項を適用できない。

h) 4

N∼5 N の静的な力で,イヤホンを人間の耳介上に保持するようなヘッドバンドを備える。

この RETSPL 値は,イヤホンが人工耳に次の条件で結合される場合に適用する。

a)

イヤホンと人工耳とが同軸上に配置され,その軸が垂直である。

b)

音響的漏れがない。

c)

イヤホン自体の重さ以外に公称 4.5 N±0.5 N の静的な力で圧定する。

表 JA.2IEC 60318-1 による人工耳内における

基準等価いき(閾)値音圧レベルの推奨値

0.5 dB

単位で丸めたレベル)

周波数

Hz

RETSPL(基準:20 μPa)

a)

dB

125 45 
160 38.5 
200 32.5 
250 27 
315 22 
400 17 
500 13.5 
630 10.5 
750 9 
800 8.5

1

000 7.5

1

250 7.5

1

500 7.5

1

600 8

2

000 9

2

500 10.5

3

000 11.5

3

150 11.5

4

000 12

5

000 11

6

000 16


28

T 1201-1

:2011

表 JA.2IEC 60318-1 による人工耳内における

基準等価いき(閾)値音圧レベルの推奨値

0.5 dB

単位で丸めたレベル)(続き)

周波数

Hz

RETSPL(基準:20 μPa)

a)

dB

6

300 21

8

000 15.5

a)

 0.5

dB 単位で丸めた値。

JA.3

適用方法

JA.3.1

表 JA.1 又は JA.2.3 の規定によるイヤホン

表 JA.1 に規定するモデル又は JA.2.3 の規定によるイヤホンを備えたオージオメータについて,規定さ

れたカプラ又は人工耳を用いて音響出力の測定を行うことによって,該当する表に示された RETSPL の推

奨値に校正することができる。イヤホンを人の耳に装着するときに使用するヘッドバンドは,公称 4.5 N

±0.5 N の静的な力を加えるものがよい。

注記 145

mm の平均的な頭部の幅に対して 4.5 N の圧定力を与えるヘッドバンドは,成人の被検者集

団に対して通常この許容範囲を満足する。

JA.3.2

表 JA.1 又は JA.2.3 の規定によらないイヤホン

表 JA.1 に記載されているモデルでなく,また,JA.2.3 の規定にも適合しないイヤホンを備えたオージオ

メータについては,その形式のイヤホンに対する RETSPL 値を決定しなければならない。これは通常,適

切な“等ラウドネスバランス法”又は“いき(閾)値バランス法”を用いて,そのイヤホンを JA.2 に適合

するイヤホンのうちの一つと比較して行う。そのような比較の結果が既に入手できる場合もある。

そのような作業の技術的な方法及び装置の詳細について,そのイヤホンの製造業者又は標準化に携わる

適切な研究施設に直接照会することが望ましい。


29

T 1201-1

:2011

附属書 JB

規定)

挿入形イヤホンによる純音の基準等価いき(閾)値音圧レベル

序文

この附属書は,対応国際規格の中で引用されている ISO 389-2:1994,Acoustics−Reference zero for the

calibration of audiometric equipment−Part 2: Reference equivalent threshold sound pressure levels for pure tones

and insert earphones を翻訳して作成した附属書であるが,この規格の本体と関係しない部分は削除している。

本体と重複しない用語及び定義は本体に移動している。

JB.1

適用範囲

この附属書は,純音オージオメータの校正のための基準等価いき(閾)値音圧レベルを規定し,

附属書

JA

の規定を補足するものである。この附属書に記載する値は,JB.2 に規定するモデルの挿入形イヤホン

に適用する。

注記  この附属書は,本体が参照するオージオメータの校正のための基準レベルについて規定してい

る。

JB.2

イヤホンのタイプ

この附属書は,Etymotic Research 製 ER-3A 挿入形イヤホンを,ER-3-14 耳せんで人の耳に接続した場合

に適用する。

注記 1 EARTONE

3A 挿入形イヤホンは,全ての面で ER-3A 挿入形イヤホンと同一である。また,

ER-3-14 耳せんは,EARLINK 3A 耳せんとしても提供されている。

耳せんは,直径 13 mm 及び長さ 12 mm の発泡ポリマー製のイヤチップからなり,中心に,内径 1.9 mm

のプラスチック製の管を通す。この管は,

(内径 1.9 mm 及び長さ 11 mm の)導音管ニップルを接続したと

きその先端からの実質長を 22 mm とする。ニップルは,耳せんと挿入形イヤホン出力とを導音管でつなぐ。

導音管は,内径 2 mm,接続時のニップルの先端とイヤホン出力口の先端との間の実質長を 240 mm とする

図 JB.1 参照)。

耳せんは,イヤチップの外側端が外耳道入口部より 2 mm∼3 mm 内部まで挿入する。

注記 2  被検者の外耳道の寸法によっては,耳せんの十分な挿入が困難な場合もある。サイズの小さ

い直径 9 mm のイヤチップも供給されている。耳せんの挿入が十分でない場合には,外耳道

に発生する音圧の差異に留意することが望ましい。

注記 3 EARTONE

3A,ER-3A 及び ER-3-14 は,市販のイヤホン又は耳せんである。この附属書のこ

の箇条は,このイヤホンにだけ適用される。これ以外のイヤホンについては,JA.3 に規定し

た方法で基準等価いき(閾)値音圧レベルの値を決定する。

JB.3

仕様

IEC 60318-5

による音響カプラ及び IEC 60711 による密閉形擬似耳で測定する場合について,JB.2 に規

定したイヤホンの基準等価いき(閾)値音圧レベルを,

表 JB.1 に示す。

これらの値は,挿入形イヤホンの導音管ニップルが IEC 60318-5 

図 又は IEC 60711 の図 のように


30

T 1201-1

:2011

それぞれ音響カプラ又は密閉形擬似耳にプラスチック製の間で滑らかに固定された場合に適用する。した

がって,挿耳形イヤホンの出力口の先端と擬似耳せんの先端との間の接続部の全長は,251 mm となる(

JB.2

参照)

注記  JB.2 に規定した以外の挿入形イヤホンを備えたオージオメータについては,JA.3 に規定した方

法で基準等価いき(閾)値音圧レベルの値を決定する。

単位  mm

図 JB.1ER-3-14 耳せんと ER-3A 挿入形イヤホンとの接続


31

T 1201-1

:2011

単位  mm

図 JB.2−挿入形イヤホンと音響カプラ又は密閉形擬似耳との接続


32

T 1201-1

:2011

表 JB.1IEC 60318-5 に適合する音響カプラ及び IEC 60711 に適合する

密閉形擬似耳内における基準等価いき(閾)値音圧レベル

RETSPL(基準:20 μPa)

a)

dB

周波数

Hz

音響カプラ  (IEC 60318-5)

密閉形擬似耳  (IEC 60711)

125 26.0

28.0

160

b)

 22.0

24.5

200

 b)

 18.0

21.5

250 14.0

17.5

315 12.0

15.5

400

 b)

 9.0

13.0

500 5.5

9.5

630 4.0

7.5

750 2.0

6.0

800

 b)

 1.5

5.5

1

000 0.0

5.5

1

250 2.0

8.5

1

500 2.0

9.5

1

600

 b)

 2.0

9.5

2

000 3.0

11.5

2

500 5.0

13.5

3

000 3.5

13.0

3

150

 b)

 4.0

13.0

4

000 5.5

15.0

5

000 5.0

18.5

6

000 2.0

16.0

6

300 2.0

16.0

8

000 0.0

15.5

a)

 0.5

dB 単位で丸めた値。

b)

  これらの周波数の値は,一部内挿補間法によって得られた。


33

T 1201-1

:2011

附属書 JC

規定)

耳覆い形イヤホンによる純音の基準等価いき(閾)値音圧レベル

序文

この附属書は,対応国際規格の中で引用されている ISO 389-8:2004,Acoustics−Reference zero for the

calibration of audiometric equipment−Part 8: Reference equivalent threshold sound pressure levels for pure tones

and circumaural earphones を翻訳して作成した附属書であるが,この規格の本体と関係しない部分は削除し

ている。

JC.1

適用範囲

この附属書は,耳覆い形イヤホンの 1 機種(SENNHEISER HDA 200)を備えた気導オージオメータの校

正のための 125 Hz から 8 000 Hz の純音の基準等価いき(閾)値音圧レベルについて規定する。

注記  この附属書は,本体が参照するオージオメータの校正のための基準レベルについて規定してい

る。

JC.2

仕様

基準等価いき(閾)値音圧レベルは,イヤホンのモデル及び,校正に使用するカプラ,擬似耳又は人工

耳とアダプタとの組合せによって異なる。IEC 60318-1 及び IEC 60318-2:1998 の

図 にそれぞれ規定され

ている人工耳及びアダプタを用いた場合の,閉鎖形の耳覆い形イヤホン SENNHEISER HDA 200 の基準値

表 JC.1 に示す。

イヤホンの特性は,温度に依存する。したがって,このイヤホンを備えたオージオメータを 21  ℃∼25  ℃

の範囲にできるだけ近い温度で校正することを推奨する。

耳覆い形イヤホン HDA 200 のヘッドバンドの圧定力は,10.0 N±1.0 N の範囲であるものとする。ヘッ

ドバンドの圧定力は,二つのイヤホンを 145 mm 離し,同時にヘッドバンドの高さを,ヘッドバンドの中

心(上端)と二つのイヤホンの中心を結ぶ線との垂直距離が 130 mm になるように調節した状態で測定す

る。

注記  SENNHEISER HDA 200 は,市販のイヤホンである。この附属書のこの箇条はこのイヤホンにだ

け適用される。これ以外のイヤホンについては,JA.3 に規定した方法で基準等価いき(閾)値

音圧レベルの値を決定する。


34

T 1201-1

:2011

表 JC.1−規定された人工耳及び規定されたアダプタを使用した場合の

耳覆い形イヤホンの基準等価いき(閾)値音圧レベル

RETSPL(基準:20 μPa)

a)

dB

イヤホンの形式

周波数

Hz

SENNHEISER HDA 200

125 30.5 
160

 b)

 26.0

200

 b)

 22.0

250 18.0 
315

 b)

 15.5

400

 b)

 13.5

500 11.0 
630

 b)

 8.0

750 6.0 
800

 b)

 6.0

1

000 5.5

1

250 6.0

1

500 5.5

1

600 5.5

2

000 4.5

2

500

 b)

 3.0

3

000 2.5

3

150

 b)

 4.0

4

000 9.5

5

000 14.0

6

000 17.0

6

300

 b)

 17.5

8

000

 c)

 17.5

a)

 0.5

dB 単位で丸めた値。

b)

  これらの周波数の値は,一部内挿補間法によって得られた。

c)

  ISO 389-5 による。


35

T 1201-1

:2011

附属書 JD

規定)

骨導受話器による純音の基準等価いき(閾)値の力のレベル

序文

この附属書は,対応国際規格の中で引用されている ISO 389-3:1994,Acoustics−Reference zero for the

calibration of audiometric equipment−Part 3: Reference equivalent threshold force levels for pure tones and bone

vibrators を翻訳して作成した附属書であるが,この規格の本体と関係しない部分は削除している。また,

この国際規格の Annex C (Informative) を JD.4 として規定している。本体と重複しない用語及び定義は本

体に移動している。

JD.1

適用範囲

この附属書は,骨導純音聴覚検査に使用する骨導受話器の校正に用いるデータとして,次の事項につい

て規定する。

a)

耳科学的に正常な若い被験者(3.8 参照)に対して,骨導聴覚検査で得られる聴覚いき(閾)値に相当

する,基準等価いき(閾)値の力のレベル(RETFL)

。RETFL とは,骨導受話器を規定された試験条

件のもとでメカニカルカプラに圧定し,乳突部上に装着したときの正常者の聴覚いき(閾)値に相当

する電圧レベルで(骨導受話器を)駆動したときに,規定の特性をもつメカニカルカプラ(本体の 3.20

参照)に伝達される振動の力のレベルである。

b)

骨導受話器に必要な特性,その被検者及びメカニカルカプラへの装着方法。

c)

非検査耳に付加されるマスキングノイズに必要な特性及びその基準となるレベル。

注記 1  骨導聴覚検査を実施するときに推奨する方法は,ISO 8253-1 に規定されている。

注記 2  この附属書は,本体が参照するオージオメータの校正のための基準レベルについて規定し

ている。

JD.2

基準等価いき(閾)値の力のレベル(RETFL)

骨導受話器を乳突部上に圧定した場合の基準等価いき(閾)値の力のレベルを,

表 JD.1 に示す。これら

の値は,耳科学的に正常な人に対する,JD.3 に示す測定条件による乳突部上での骨導聴覚いき(閾)値の

測定を基にしている。

注記 250

Hz 未満の周波数の値は,この附属書では規定しない。

JD.3

検査条件及び要求事項

JD.3.1

一般的事項

基準等価いき(閾)値の力のレベルは,この箇条で規定する検査条件及び要求事項を満たす。

JD.3.2

骨導受話器

骨導受話器は,公称面積 175 mm

2

の平たん(坦)な円形の先端をもたなければならない。外中耳機能に

障害をもたない被検者の頭部と接触するときに骨導受話器が放射するいかなる気導音も,真の骨導聴覚い

き(閾)値レベルと骨導受話器とによって誘発された偽りの気導聴覚いき(閾)値レベルの差が 10 dB 又

はそれ以上となるように,十分にレベルが低くなければならない。


36

T 1201-1

:2011

どの周波数でもそのままでは上記の条件が満たされないときには,影響されている周波数において耳せ

んを検査耳の外耳道に挿入することによって,望ましくない音の放射を除外できる。しかし,閉鎖効果が

生じるので,耳せんの使用は,2 000 Hz より高い周波数に限られる。

JD.3.3

骨導受話器の装着

骨導受話器が 5.4 N の静的な力で乳突部に圧定されるように,

ヘッドバンドを使用しなければならない。

骨導受話器は,耳介に触れることなく,乳突部に安定な位置を保つように装着する。

表 JD.1−骨導受話器を乳突部に装着した場合の

基準等価いき(閾)値の力のレベル(RETFL)

周波数

Hz

RETFL(基準:1 μN)

a)

dB

250 67.0 
315

b)

 64.0

400

b)

 61.0

500 58.0 
630

b)

 52.5

750

c)

 48.5

800

b)

 47.0

1

000 42.5

1

250

b)

 39.0

1

500

c)

 36.5

1

600

b)

 35.5

2

000 31.0

2

500

b)

 29.5

3

000 30.0

3

150

b)

 31.0

4

000 35.5

5

000

c)

 40.0

6

000

c)

 40.0

6

300

c)

 40.0

8

000

c)

 40.0

a)

 0.5

dB 単位で丸めた値。

b)

  これらの周波数の値は,内挿補間法によって得られた。

c)

  これらの周波数の値は,一つの研究機関だけの結果である。

JD.3.4

メカニカルカプラ

メカニカルカプラは,IEC 60373 による。

JD.3.5

検査信号

骨導受話器で生成される

表 JD.1 に相当するレベルの振動の力の信号は,メカニカルカプラで測定したと

きに,500 Hz∼1 000 Hz では基本周波数の 1  %,250 Hz∼400 Hz 及び 1 250 Hz 以上では 2  %を超える高

調波ひずみを発生してはならない。

JD.3.6

マスキング雑音

マスキング雑音は,不規則ホワイトノイズ(パワースペクトル密度が周波数によらない雑音)を,対数

軸上での中心周波数が

表 JD.1 に記載された検査用純音の周波数に等しい 1/3 オクターブバンドフィルタに

通して発生させる。


37

T 1201-1

:2011

JD.3.7

マスキング用イヤホン

マスキング雑音の信号は,

附属書 JA 又は附属書 JB のいずれかに適合する形式の耳載せ形又は挿入形イ

ヤホンを用いて非検査耳に付加する。

JD.3.8

マスキング用イヤホンの装着

マスキング雑音を付加する耳載せ形イヤホンは,公称 4.5 N の力で圧定でき,同時に装用する骨導受話

器用ヘッドバンド装着の邪魔にならないように設計されたヘッドバンドで,

被検者の非検査耳に装着する。

マスキング雑音を付加するのに挿入形イヤホンを用いるときには,

附属書 JB に規定する方法で,非検査

耳に装着する。

JD.3.9

マスキング雑音の基準となるレベル

耳科学的に正常で平均的な若い人に用いるマスキング雑音は,実効マスキングレベル 35 dB で付加する。

注記  どの周波数の 1/3 オクターブ帯域雑音に対しても,ここで定義された基準レベルは,40 dB の聴

力レベルとおおよそ等しい。しかし,通常,その値は,

(臨界帯域幅が異なるために)帯域の中

心周波数によって少しずつ異なる。帯域雑音の聴力レベルとその雑音下でのいき(閾)値に当

たる純音の聴力レベルとの差は約 5 dB である。これは,臨界帯域幅内のマスキング雑音が,そ

の雑音中で 50  %が正しく検出されるレベルの純音を上回る量を表している

附属書 JE 参照)。

この基準レベルは,マスキング用イヤホンとして用いられるイヤホンの形式について,

附属書 JA 又は

附属書 JB に規定する RETSPL 値に 40 dB を,20  μPa を基準にデシベルで表した音圧レベルとして表現し

てもよい。

JD.4

受話器を前額及び乳突部に装着したときの基準等価いき(閾)値の力のレベルの暫定的な差

受話器を前額及び乳突部に装着したときの基準等価いき(閾)値の力のレベルの暫定的な差を,

表 JD.2

に示す。これらは JD.3 に示す測定条件の下で,耳科学的正常者の骨導聴力いき(閾)値から求めたもので

ある。

注記  表 JD.2 の値は,ISO/TC 43 から伝達された実験結果から得られたものである。


38

T 1201-1

:2011

表 JD.2−受話器を前額及び乳突部に装着したときの

基準等価いき(閾)値の力のレベルの暫定的な差

周波数

Hz

RETFL(前額)−RETFL(乳突部)

a)

dB

250 12.0 
315

b)

 12.5

400

b)

 13.5

500 14.0 
630

b)

 13.5

750

c)

 13.0

800

b)

 12.0

1

000 8.5

1

250

b)

 10.0

1

500

c)

 11.0

1

600

b)

 11.0

2

000 11.5

2

500

b)

 12.0

3

000 12.0

3

150

b)

 11.5

4

000 8.0

5

000

c)

 11.0

6

000

c)

 11.0

6

300

c)

 10.0

8

000

c)

 10.0

a)

 0.5

dB 単位で丸めた値。

b)

  これらの周波数の値は,一部内挿補間法によって得ら

れた。

c)

  これらの周波数の値は,一つの研究機関だけの結果で

ある。


39

T 1201-1

:2011

附属書 JE

規定)

狭帯域マスキング雑音の基準レベル

序文

この附属書は,対応国際規格の中で引用されている ISO 389-4:1994,Acoustics−Reference zero for the

calibration of audiometric equipment−Part 4: Reference levels for narrow-band masking noise を翻訳して作成し

た附属書であるが,この規格の本体と関係しない部分は削除している。本体と重複しない用語及び定義は

本体に移動している。

JE.1

適用範囲

この附属書は,純音聴覚検査においてイヤホンから気導によって提示される狭帯域マスキング雑音の基

準レベルについて規定する。この基準値は,マスキング用のイヤホンが該当する音響カプラ,擬似耳又は

人工耳に結合されたときの値で,

附属書 JA 又は附属書 JB にそれぞれ規定する,各純音の周波数の基準等

価いき(閾)値音圧レベルに加えるべきレベル値として表示する。

基準値は,雑音の帯域幅が 1/3 及び 1/2 オクターブの場合について表示する。

注記  この附属書は,本体が参照するオージオメータの校正のための基準レベルについて規定してい

る。

JE.2

基準レベル

純音オージオメータにおける狭帯域マスキング雑音の基準レベルを,

表 JE.1 に示す。このデータは,マ

スキング用イヤホンを IEC 60318-5IEC 60318-3IEC 60711 又は IEC 60318-1 にそれぞれ規定している

該当の音響カプラ,擬似耳又は人工耳に結合した場合の基準値で,

附属書 JA 又は附属書 JB に規定した各

純音周波数の基準等価いき(閾)値音圧レベルに加えるべきレベル値として与えられている。基準レベル

は 1/3 オクターブ及び 1/2 オクターブ幅の帯域幅雑音について,1/3 オクターブ間隔で切りのよい周波数及

び聴覚検査に使用するそれ以外の周波数での基準レベルが示されている。1/3 と 1/2 オクターブの中間の任

意の帯域幅についての基準レベルは,補間によって求められた値である。


40

T 1201-1

:2011

表 JE.1−狭帯域マスキング雑音の基準レベル

各帯域幅に対する基準レベル

dB

中心周波数

Hz

1/3 オクターブ 1/2 オクターブ

125 4  4 
160 4  4 
200 4  4 
250 4  4 
315 4  4 
400 4  5 
500 4  6 
630 5  6 
750 5  7 
800 5  7

1

000 6  7

1

250 6  8

1

500 6  8

1

600 6  8

2

000 6  8

2

500 6  8

3

000 6  7

3

150 6  7

4

000 5  7

5

000 5  7

6

000 5  7

6

300 5  6

8

000 5  6


41

T 1201-1

:2011

附属書 JF

規定)

自由音場及び拡散音場の聴取条件における基準の聴覚いき(閾)値

序文

この附属書は,対応国際規格の中で引用されている ISO 389-7:2005,Acoustics−Reference zero for the

calibration of audiometric equipment−Part 7: Reference threshold of hearing under free-field and diffuse-field

listening conditions を翻訳して作成した附属書であるが,この規格の本体と関係しない部分は削除している。

本体と重複しない用語及び定義は本体に移動している。

JF.1

適用範囲

この附属書は,次の条件で用いられる聴力検査機器の校正のための基準の聴覚いき(閾)値について規

定する。

a)

聴取者がいないときの音場は,自由進行平面波(自由音場)又は拡散音場である。自由進行平面波の

場合は,音源は,聴取者のまっすぐ前方にある(正面入射)

b)

信号音は,自由音場条件では純音(正弦波)であり,拡散音場条件では 1/3 オクターブ帯域の雑音(白

色雑音又はピンクノイズから作られた雑音)である。

c)

音圧レベルは,聴取者がいないときに,聴取者の頭の中心に当たる位置で測定する。

d)

聴取は,両耳で行う。

データは,ISO 266 によって 20 Hz∼16 000 Hz の 1/3 オクターブ系列の優先周波数について,更に聴力

検査に使われる 18 000 Hz までの中間的な周波数についても,数値で与えられている。

注記 1  自由音場聴取条件下で音の入射方向が前方入射から特定の角度(45°及び 90°)だけ変移し

た場合の聴覚いき(閾)値の補正値は,ISO 8253-2 に参考として記載されている。

注記 2  他の条件は,参考文献[4]に記載してある。

注記 3  いき(閾)値のデータは,附属書 JA,附属書 JBISO 389-5 及び附属書 JC に規定された聴

力検査基準値とは異なることは強調しなければならない。それは,後者がイヤホンによる単

耳聴の値で,音圧レベルは規定されたカプラ又は擬似耳内で測定したものだからである。し

たがって,上記のデータとこの附属書のデータとを直接比較するのは,適当ではない。

JF.2

規定

JF.1

に指定した聴取条件における基準の聴覚いき(閾)値は,

表 JF.1 による。この表には,聴覚いき(閾)

値に対応する拡散音場における 1/3 オクターブ帯域の雑音の音圧レベルと,正面入射の自由進行波の純音

の音圧レベルとの差も示されている。基準の聴覚いき(閾)値は,

図 JF.1 による。


42

T 1201-1

:2011

表 JF.1JF.1 に挙げた 種の聴取条件での基準の聴覚いき(閾)値及び

2

種の音場における聴覚いき(閾)値の音圧レベル間の差

基準の聴覚いき(閾)値の聴取条件

周波数 

Hz

自由音場  T f (ref. 20 µPa)

dB

拡散音場  T' f (ref. 20 µPa)

dB

Δ

L = T f – T' f

dB

20 78.5

a)

 78.5  0.0

25 68.7

68.7

0.0

31.5 59.5

59.5

0.0

40 51.1

51.1

0.0

50 44.0

44.0

0.0

63 37.5

37.5

0.0

80 331.5

31.5

0.0

100 26.5

26.5

0.0

125 22.1

22.1

0.0

160 17.9

17.9

0.0

200 14.4

14.4

0.0

250 11.4

11.4

0.0

315 8.6

8.4

0.2

400 6.2

5.8

0.4

500 4.4

3.8

0.6

630 3.0

2.1

0.9

800 2.2

1.0

1.2

1

000 2.4

0.8

1.6

1

250 3.5

1.9

1.6

1

500 2.4

1.0

1.4

1

600 1.7

0.5

1.2

2

000

−1.3

−1.5 0.2

2

500

−4.2

−3.1

−1.1

3

000

−5.8

−4.0

−1.8

3

150

−6.0

−4.0

−2.0

4

000

−5.4

−3.8

−1.6

5

000

−1.5

−1.8 0.3

6

000 4.3

1.4

2.9

6

300 6.0

2.5

3.5

8

000 12.6

6.8

5.8

9

000 13.9

8.4

5.5

10

000 13.9

8.4

5.5

11

200 13.0

11.5

1.5

12

500 12.3

14.4

−2.1

14

000 18.4

23.2

−4.8

16

000 40.2

43.7

−3.5

a)

1

8000 73.2

a)

a)

 20

Hz 及び 18 000 Hz の T f  並びに 16 000 Hz の

Δ

L

は,それぞれ 1 研究機関だけのデータであ

る。

注記  他の附属書と異なり,表 JF.1 の基準の聴覚いき(閾)値は 0.1 dB の単位で表記している。理由

は,ISO 226 の自由音場のいき(閾)値の表記と合わせるためである。


43

T 1201-1

:2011

図 JF.1−両耳聴自由音場(正面入射)での純音及び両耳聴拡散音場での

1/3

オクターブ帯域雑音の基準の聴覚いき(閾)値

参考文献

[1]  JIS C 1514

  オクターブ及び 1/N オクターブバンドフィルタ

[2]

“計測における不確かさの表現ガイド”飯塚幸三  監修,財団法人日本規格協会(1996)

[3]  Mrass, H. and Diestel, H.G., Bestimmung der Normalhörshwelle für reine Töne bei einohrigen Hören mit

Hilfe eines Kopfhörers., Acoustica, 9, 1959, pp.61-64

[4]  ISO/TC 43/WG 1

“Threshold of Hearing”, convened by Henrik Møller, Preferred test conditions for

determining hearing thresholds for standardisation. Scand. Audiol. 25, 1996, pp. 45-52(ISO 389-9:2009 とし

て発行された。

[5]  ISO 226

,Acoustics−Normal equal-loudness-level contours

[6]  ISO 266:1997

,Acoustics−Preferred frequencies

[7]  ISO 389-5

,Acoustics−Reference zero for the calibration of audiometric equipment−Part 5: Reference

equivalent threshold sound pressure levels for pure tones in the frequency range 8 kHz to 16 kHz


附属書 JG

参考)

JIS

と対応する国際規格との対比表

JIS T 1201-1 : 2011

聴覚検査機器−第 1 部:純音オージオメータ

IEC 60645-1:2001

,Electroacoustics−Audiological equipment−Part 1: Pure-tone

audiometers

(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条

ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号

及び名称

内容

(Ⅱ)

国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

3  用語及
び定義

純音オージオメー
タ(pure tone 
audiometer)他

3

JIS

に同じ。

変更

不確かさに関する用語を削除
し,GUM を参照する旨の注記

を箇条 14 に追加。その他,本
体で用いられていない用語に
ついて修正又は削除。

実質的に規定内容を変更するも
のではない。

4  固定周
波 数 オ ー

ジ オ メ ー
タ の タ イ
プ ご と の

要求事項

タイプ 1∼5 の必要
機能

4

タイプ 1∼4 の必要機能

追加

前版によるタイプ 5 を継続。

国内で広く普及している学校健
診用オージオメータなどを除外

しないため。  対応国際規格の審
議段階で提案済み(ただし否決)

6  検査信
号源

検 査 音 の 品 質 に 対

する要求事項

6

(規定の範囲は)JIS に同

じ。

追加

タイプ 5 に対する検査音の強

度範囲及び検査周波数精度(前
版と同等)を追加。

国内で広く普及している学校健

診用オージオメータなどを除外
しないため。対応国際規格の審議
段階で提案済み(ただし否決)

9  基準音

ラ ウ ド ネ ス バ ラ ン
ス 測 定 機 能 に 対 す

る要求事項

9

(規定の範囲は)JIS に同
じ。

追加

タイプ 5 に対する除外事項を
追加(前版と同等)

国内で広く普及している学校健
診用オージオメータ等を除外し

ないため。対応国際規格の審議段
階で提案済み(ただし否決)。

10  校正

校正用基準値(適用

規格)の指定

10

(規定の範囲は)JIS に同

じ。

変更

ISO TR/389-5

に代わって ISO 

389-8

に基づく附属書 JC を引

用。

対応国際規格の改訂後に発行さ

れた,より適切な規格を引用して
いるもので実質的に合意済み。

44

T

 12

01
-1


20
1

1


(Ⅰ)JIS の規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇 条 番 号
及び名称

内容

(Ⅱ) 
国際規格
番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

12   オ ー
ジ オ グ ラ
ム の フ ォ
ーマット

検 査 結 果 の 表 示 と

印刷機能

12

(規定の範囲は)JIS に同

じ。

変更

左耳については,破線を使用し

てもよい旨を追加。

国内で広く普及しているオージ

オグラムの書式に対応。同様の規
定がある ISO 8253-1 の審議段階
で提案済み。

附属書 JA
(規定)

耳 載 せ 形 イ ヤ ホ ン
に よ る 純 音 の 基 準

等価いき(閾)値音
圧レベルを規定。

JIS

に同じ。

追加

対応国際規格で引用規格とし
ている ISO 389-1 を翻訳し附属

書として追加。

実質的な差異なし

附属書 JB
(規定)

挿 入 形 イ ヤ ホ ン に
よ る 純 音 の 基 準 等
価いき(閾)値音圧

レベルを規定。

JIS

に同じ。

追加

対応国際規格で引用規格とし
ている ISO 389-2 を翻訳し附属
書として追加。

実質的な差異なし

附属書 JC
(規定)

耳 覆 い 形 イ ヤ ホ ン
に よ る 純 音 の 基 準

等価いき(閾)値音
圧レベルを規定。

JIS

に同じ。

追加

対応国際規格で引用規格とし
ている ISO 389-8 を翻訳し附属

書として追加。

実質的な差異なし

附属書 JD
(規定)

骨 導 受 話 器 に よ る
純 音 の 基 準 等 価 い
き(閾)値の力のレ

ベルを規定。

JIS

に同じ。

追加

対応国際規格で引用規格とし
ている ISO 389-3 を翻訳し附属
書として追加。

実質的な差異なし

附属書 JE
(規定)

狭 帯 域 マ ス キ ン グ
雑 音 の 基 準 レ ベ ル

を規定。

JIS

に同じ。

追加

対応国際規格で引用規格とし
ている ISO 389-4 を翻訳し附属

書として追加。

実質的な差異なし

附属書 JF

(規定)

自 由 音 場 及 び 拡 散

音 場 の 聴 取 条 件 に
お け る 基 準 の 聴 覚
いき(閾)値を規定。

JIS

に同じ。

追加

対応国際規格で引用規格とし

ている ISO 389-7 を翻訳し附属
書として追加。

実質的な差異なし

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60645-1:2001:MOD

45

T

 12

01
-1


20
1

1


被引用法規

平成 17 年厚生労働省告示第 112 号

 
注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD 国際規格を修正している。

46

T

 12

01
-1


20
1

1