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日本工業規格

JIS

 T

1117

-1988

長時間心電図携帯形記録装置

(ホルタ心電計)

Ambulatory ECG Recording System (Holter System)

1.

適用範囲  この規格は,心電図解析を行うために被検者が長時間携帯し,心電図を磁気テープに記録

する臨床診断用長時間心電図携帯形記録装置(以下,携帯形記録装置という。

)について規定する。

引用規格: 

JIS T 1001

  医用電気機器の安全通則

JIS T 1002

  医用電気機器の安全性試験方法通則

JIS T 1003

  医用電気機器の電気的安全性試験方法

JIS T 1004

  医用電気機器の機械的安全性試験方法

JIS T 1005

  医用電気機器取扱説明書の様式

2.

用語の意味  この規格で用いる主な用語の意味は,JIS T 1001(医用電気機器の安全通則),JIS T 1002

(医用電気機器の安全性試験方法通則)及び JIS T 1003(医用電気機器の電気的安全性試験方法)による

ほか,次による。

(1)

携帯形記録装置  心電図を磁気テープに記録(以下,磁気記録という。)するための携帯形記録装置。

(2)

再生装置  携帯形記録装置に磁気記録された心電図を高速で再生する装置。

(3)

記録装置  再生装置に内蔵された,心電図を記録する装置。

(4)

誘導  心電図を携帯形記録装置に磁気記録するために,心臓活動電位を導き出すこと。

(5)

誘導電極  心臓活動電位を検出するために,生体のある部分に固定する電極。

(6)

誘導コード  誘導電極を携帯形記録装置に結合するためのコード。

(7)

入力回路  誘導コードから,高周波除去フィルタ,保護回路などを含む携帯形記録装置のバッファ増

幅器までの回路。

(8)

入力インピーダンス  誘導コードからみた,携帯形記録装置の等価入力抵抗。

(9)

入力回路電流  携帯形記録装置の増幅器入力部と中性点電極間を流れる電流。

(10)

再生出力  再生装置の心電図の再生出力電圧。

(11)

記録感度  記録紙に記録された振幅の大きさを入力電圧で除したもので,その単位は,mm/mV とす

る。

(12)

標準感度  携帯形記録装置以外の独立した信号発生源から 10Hz, 1mV (p-p) の正弦波電圧を携帯形記

録装置に加えたとき,再生装置の記録装置で製造業者の指定する振幅に記録できる感度。

(13)

感度切換器  記録感度を切り換えるためのスイッチ。

(14)

校正装置  標準感度に相当する電圧を携帯形記録装置に磁気記録する装置。


2

T 1117-1988

(15)

過負荷許容電圧  携帯形記録装置を損傷することがない信号入力電圧。

(16)

テープ速さ偏差  磁気テープのテープ速さの定格値からの偏差の定格値に対する百分率。

(17)

ワウ・フラッタ  磁気テープのテープ速さの変動に起因して生じる再生信号の動揺で,変動のせん頭

値 (p-p) のテープ速さの定格値に対する百分率。

(18)

モニタ機能  携帯形記録装置の入力信号を確認するための機能。

(19)

モニタ出力  モニタ端子の出力電圧。

3.

使用条件  使用条件は,JIS T 1001 の 3.による。

4.

安全  安全に関する事項は,JIS T 1001 による。

なお,電撃に対する保護の形式及び程度は,それぞれ JIS T 1001 の 4.に規定された次の分類に適合する

こと。

(1)

電撃に対する保護の形式による分類  携帯形記録装置は,内部電源機器とする。

(2)

電撃に対する保護の程度による分類  携帯形記録装置は,B 形機器,BF 形機器又は CF 形機器とする。

5.

性能

5.1

標準感度  7.5.1 によって試験を行ったとき,標準感度の誤差は,±10%以内でなければならない。

ただし,感度切換器を備えている装置で感度を切り換えたときの誤差は,±5%以内でなければならない。

5.2

携帯形記録装置の電源電圧変動による再生出力の変化  7.5.2 によって電源電圧を取扱説明書に定め

られた電池の公称電圧の+10%及び−20%に変動させたとき,再生出力の変化は,±10%以内でなければな

らない。

5.3

直流電圧重畳によるモニタ出力の変化  直流電圧重畳によるモニタ出力の変化は,次による。

(1) 7.5.3(1)

によって携帯形記録装置の入力に±150mV の直流電圧を重畳させたとき,モニタ出力の変化は,

±5%以内でなければならない。

(2)  7.5.3(2)

によって携帯形記録装置の入力端子と中性点 (N) 電極取付端子との間に±150mV の直流電圧

を重畳させたとき,モニタ出力の変化は,±5%以内でなければならない。

5.4

振幅特性

5.4.1

交流振幅直線性  7.5.4(1)によって試験を行ったとき,0.5∼6mV (p-p) 間の交流振幅直線性は,±

10%

以内でなければならない。

5.4.2

総合周波数特性  7.5.4(2)によって試験を行ったとき,10Hz での再生出力を 100%として,0.2Hz か

ら 35Hz までは 70%以上 130%以下でなければならない。

5.5

チャネル間の干渉  7.5.5 によって試験を行ったとき,干渉による無入力チャネルの再生出力は,10Hz,

1mV (p-p)

の正弦波電圧を加えたときの

20

1

以下でなければならない。

5.6

内部雑音  7.5.6 によって試験を行ったとき,再生出力の雑音振幅は,10Hz, 1mV (p-p)  の正弦波電圧

を加えたときの

20

1

以下でなければならない。

5.7

同相信号の抑制  7.5.7 によって試験を行ったとき,再生出力又はモニタ出力は,10Hz, 2mV (p-p)  の

正弦波電圧を加えたときの再生出力又はモニタ出力以下でなければならない。

5.8

入力回路

5.8.1

入力インピーダンス  7.5.8(1)によって試験を行ったとき,各チャネルでの電極取付端子間のイン

ピーダンスは,5M

Ω以上でなければならない。


3

T 1117-1988

5.8.2

入力回路電流  7.5.8(2)によって試験を行ったとき,各チャネルでの電流は,0.1

µA 以下でなければ

ならない。

5.9

校正装置  7.5.9 によって試験を行ったとき,試験用信号発生装置による再生出力に対する校正装置

による再生出力の誤差は,±5%以内でなければならない。

5.10

過負荷許容電圧  7.5.10 によって試験を行った後も,携帯形記録装置は,損傷することなく,この規

格を満足しなければならない。

5.11

テープ速さ偏差  7.5.11 によって試験を行ったとき,テープ速さの偏差は,±5%以内でなければな

らない。

5.12

ワウ・フラッタ  7.5.12 によって試験を行ったとき,ワウ・フラッタは,10%以内でなければならな

い。

5.13

記録心電図と時刻との対応  7.5.13 によって試験を行ったとき,心電図の表示時刻と実時刻との差は,

±30 分以内でなければならない。

5.14

最大連続記録時間  7.5.14 によって試験を行ったとき,最大連続記録時間は,24 時間以上なければ

ならない。

6.

構成及び構造

6.1

構成  携帯形記録装置は,図 に示すような誘導電極,誘導コード,入力回路,増幅器,テープ駆

動機構などで構成する。

図 1  携帯形記録装置の構成

6.2

構造

6.2.1

携帯形記録装置のテープ駆動機構部  携帯形記録装置は,被検者が長時間日常生活中に携帯するこ

とから,次の点を考慮した機構とする。

(1)

使用状態での振動,加速度及び衝撃に対して,この規格の性能を満足する構造であること。

(2)

発生する機械的騒音が,可能な限り少ない構造であるか又は防音対策が可能な構造であること。

6.2.2

携帯形記録装置の外装  携帯形記録装置は,被検者の長時間の携帯に耐えるように堅ろうで,かつ,

小形・軽量であること。

また,確実に装着できる機構を備えていなければならない。

6.2.3

誘導電極及び誘導コード

(1)

誘導電極  取付けが容易で確実に皮膚に密着できる構造で,塩分などによって容易に侵されない材質


4

T 1117-1988

であること。

また,電極ペーストを介して測定した 2 電極間の電圧は,150mV 以下になるような材質及び構造で

なければならない。

(2)

誘導コード  2 チャネル方式の,誘導コードの識別記号及び色別は表 による。

表 1  誘導コードの識別記号及び色別

名称

識別記号

色別

チャネル 1  正 CH1

(

+)

チャネル 1  負 CH1

(

−)

チャネル 2  正 CH2

(

+)

チャネル 2  負 CH2

(

−)

だいだい

中性点電極 N

6.2.4

誘導チャネル数  誘導チャネル数は,少なくとも 2 種類以上の誘導を同時に磁気記録できるチャネ

ル数を備えていなければならない。

6.2.5

携帯形記録装置の電源  電池は,最大連続磁気記録時間の全体にわたって安定して使用できる容量

をもっていなければならない。

6.2.6

校正装置  携帯形記録装置は,校正装置を備えていなければならない。

6.2.7

モニタ機能  携帯形記録装置は,適正な心電図が入力されていることを確認するためのモニタ機能

又は心電計などの入力に接続できるモニタ出力を備えていなければならない。

7.

試験

7.1

試験条件  試験条件は,JIS T 1002 によるほか,次のとおりとする。

(1)

標準として温度 18∼22℃,相対湿度 60∼70%の状態で行うこと。ただし,判定に疑義を生じない場合

には,温度 10∼40℃,相対湿度 30∼85%の範囲内で試験を行うことができる。

(2)

試験に用いる再生装置の試験電源は,電源電圧の変動が定格値の±1%以内,周波数の変動が定格値の

±0.5Hz 以内のものであること。

(3)

携帯形記録装置は,取扱説明書に定められた電池電圧の表示内の電圧で試験を行うこと。

(4)

特に規定しない試験用信号発生装置は,その発生する信号の周波数確度が±2%以内,出力電圧確度が

±1%以内のものであること。

(5)

電池の代わりに直流電源装置を用いる場合は,その電源のリップル成分が 1mV 以下のものであること。

(6)

試験回路で用いる抵抗,コンデンサ,インダクタンス,試験電圧は,指定がない限り定格値に対して

次の許容差又は確度をもつものであること。

抵抗値

±5%以内

コンデンサ容量

±10%以内

インダクタンス容量

±10%以内

試験電圧

±2%以内

(7)

試験に使用するテープは,製造業者の指定した形式のものを使用すること。

7.2

試験項目  試験項目は,表 のとおりとする。


5

T 1117-1988

表 2  試験項目

試験項目

方法

1.

安全性試験

7.4

2.

性能試験

7.5

(1)

標準感度

7.5.1

(2)

携帯形記録装置の電源電圧変動による再生出力の変化

7.5.2

(3)

直流電圧重畳によるモニタ出力の変化

(3.1)

方法 1

7.5.3(1)

(3.2)

方法 2

7.5.3(2)

(4)

振幅特性

7.5.4

(4.1)

交流振幅の直線性

7.5.4(1)

(4.2)

総合周波数特性

7.5.4(2)

(5)

チャネル間の干渉

7.5.5

(6)

内部雑音

7.5.6

(7)

同相信号の抑制

7.5.7

(8)

入力回路

7.5.8

(8.1)

入力インピーダンス

7.5.8(1)

(8.2)

入力回路電流

7.5.8(2)

(9)

校正装置

7.5.9

(10)

過負荷許容電圧

7.5.10

(11)

テープ速さ偏差

7.5.11

(12)

ワウ・フラッタ

7.5.12

(13)

記録心電図と時刻との対応

7.5.13

(14)

最大連続記録時間

7.5.14

7.3

試験に使用する測定器  試験に使用する測定器は,表 のとおりとする。

表 3  測定器

名称

仕様

備考

試験用信号発 生装置

(低周波発信 器又は
ファンクショ ンジェ
ネレータ)

周波数範囲

正弦波出力電圧
ひずみ率 
周波数安定度

方形波出力電圧

0.1

∼100Hz

1mV

∼50V (p-p)

1%

以下

0.1%

以内

1Hz, 1mV

抵抗減衰器を併用する。

測定範囲

ゲート時間

100

∼10 000Hz

1

周波数カウンタ

最小読取り周波数

1Hz

測定周波数
測定範囲

3kHz

±6%以内

0

∼3%

ワウ・フラッタ周波数範囲

0.2

∼200Hz

ワウ・フラッタメータ

指示方式

せん頭値

7.4

安全性試験  安全に関する試験は,JIS T 1003 及び JIS T 1004(医用電気機器の機械的安全性試験方

法)による。

7.5

性能試験

7.5.1

標準感度  標準感度は,図 の回路で測定する試験用信号発生装置から,10Hz, 1mV (p-p)  の正弦

波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,再生出力をオシロスコープ又は交流電圧計で測

定する。ただし,感度切換器を備えている装置については,感度切換器を標準感度の

2

1

及び 2 倍に切り換

えたときの切換え誤差を調べる。


6

T 1117-1988

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。

図 2  標準感度測定回路

7.5.2

携帯形記録装置の電源電圧変動による再生出力の変化  出力の変化は,図 の回路で測定する試験

用信号発生装置から,10Hz, 1mV (P-P) の正弦波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,磁気記録す

るとき携帯形記録装置の電池の代わりに直流電源装置を接続して,直流電源装置の出力電圧を取扱説明書

に定められた電池の公称電圧に対して+10%及び−20%に変化させて,携帯形記録装置のチャネル 1 に磁

気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,

図 2(B)の回路で再生出力をオシロスコープ又は

交流電圧計で測定する。

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。

図 3  電源電圧変動測定回路

7.5.3

直流電圧重畳によるモニタ出力の変化直流電圧重畳によるモニタ出力の変化の測定は,次のいずれ

かの方法とする。

(1)

方法 1  方法 1 は,図 の回路で測定する。試験用信号発生装置から 10Hz, 1mV (p-p)  の正弦波電圧を

携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,更に+極端子及び−極端子に 150mV の直流電圧を正負に切り換

えて重畳させ,モニタ出力をオシロスコープ又は交流電圧計で測定する。

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。


7

T 1117-1988

図 4  方法 の測定回路

(2)

方法 2  方法 2 は,図 の回路で測定する。試験用信号発生装置から 10Hz, 1mV (p-p)  の正弦波電圧を

携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,更に,携帯形記録装置の−極端子と N 極端子との間に 150mV

の直流電圧を正負に切り換えて重畳させ,モニタ出力をオシロスコープ又は交流電圧計で測定する。

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。

図 5  方法 の測定回路

7.5.4

振幅特性

(1)

交流振幅直線性  図 の回路で,試験用信号発生装置の出力を 10Hz の正弦波電圧とし,振幅を,0.5mV

(p-p)

,1.0mV (p-p),2.5mV (p-p),5.0mV (p-p)  及び 6.0mV (p-p)  に切り換えて,携帯形記録装置のチャ

ネル 1 に磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,再生出力をオシロスコープ又は交流電圧計

によって測定する。

次に,測定した値をグラフ上にプロットし,直線性を調べる。

また,感度切換器を備えている装置については,感度切換器を標準感度の

2

1

に設定しておく。

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。

(2)

総合周波数特性  図 の回路で,試験用信号発生装置の出力を 1mV (p-p)  の正弦波電圧とし,周波数

を 0.2Hz,0.5Hz,1.0Hz,2.5Hz,5.0Hz,10.0Hz,25.0Hz 及び 35.0Hz に切り換えて携帯形記録装置の

チャネル 1 に磁気記録する。


8

T 1117-1988

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,再生出力をオシロスコープ又は交流電圧計

によって測定する。

また,感度切換器を備えている装置については,感度切換器を標準感度に設定しておく。

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。

7.5.5

チャネル間の干渉  図 の回路で,試験用信号発生装置から 10Hz, 4mV (p-p)  の正弦波電圧をチャ

ネル 1 に加え,他の入力端子は,すべて短絡して,磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,チャネル 2 の再生出力をオシロスコープ又は交

流電圧計によって測定する。

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。

なお,この場合,正弦波電圧をチャネル 2 に加え,チャネル 1 の再生出力を測定する。

7.5.6

内部雑音  内部雑音は,図 の回路で測定する。携帯形記録装置のチャネル 1 の+極端子及び−極

端子にそれぞれ 27k

Ω抵抗器を通して N 極端子に接地し,磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,

図 2(B)の回路で再生出力をオシロスコープ又は

交流電圧計によって測定する。

また,感度切換器を備えている装置については,感度切換器を標準感度に設定しておく。

試験は,チャネル 2 も同様の測定を行う。

図 6  内部雑音測定回路

7.5.7

同相信号の抑制  同相信号の抑制は,図 の回路で測定する。試験用信号発生装置から,60Hz, 20V

の正弦波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,感度切換器を備えている装置については,感度切換

器を標準感度に設定し,S

1

を開,S

2

を閉として磁気記録する。

次に,S

2

を開,S

1

を閉として磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,

図 2(B)の回路でチャネル 1 の再生出力をオシロ

スコープ又は交流電圧計によって測定する。ただし,モニタ出力で測定する場合は,携帯形記録装置のモ

ニタ出力をオシロスコープ又は交流電圧計によって測定してもよい。

試験は,チャネル 2 についても同様の測定を行う。


9

T 1117-1988

図 7  同相信号の抑制測定回路

備考  と の並列回路は電極と皮膚のインピーダンスの仮想値であり,不平衡インピーダンスを形成する。

7.5.8

入力回路

(1)

入力インピーダンス  入力インピーダンスは,図 の回路で測定する。試験用信号発生装置から,10Hz,

1mV (p-p)

の正弦波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,更に 150mV の直流電圧を正負に切り

換えて重畳させる。スイッチ S を閉にして磁気記録し,次にスイッチ S を開にして磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,

図 2(B)の回路でチャネル 1 の再生出力をオ

シロスコープ又は交流電圧計によって,スイッチ S が閉のときの再生出力 D

1

及びスイッチ S が開の

ときの再生出力 D

2

を測定する。ただし,モニタ出力で測定する場合は,携帯形記録装置のモニタ出力

をオシロスコープ又は交流電圧計によってスイッチ S が閉のときのモニタ出力 D

1

及びスイッチ S が

開のときのモニタ出力 D

2

を測定してもよい。

試験は,チャネル 2 についても,同様の測定を行う。

測定の結果,次の式を満足しているかを調べる。

1

2

11

10

D

D


10

T 1117-1988

図 8  入力インピーダンス測定回路

(2)

入力回路電流  入力回路電流は,図 の回路で測定する。チャネル 1 の+極端子と N 極端子及び−極

端子と N 極端子間にそれぞれ 10k

Ωの抵抗器を接続し,スイッチ S

1

又は S

2

でこの抵抗器を短絡したと

きのモニタ出力を測定し,これを入力電圧に換算して次の式によって入力回路電流を算出する。

入力換算電圧値(

入力回路電流(

×

=

3

10

10

V

A

µ

µ

試験は,チャネル 2 についても同様の測定を行う。

図 9  入力回路電流測定回路

7.5.9

校正装置  校正装置は,図 の回路で測定する試験用信号発生装置から,1Hz, 1mV (p-p)  の方形波

電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,磁気記録する。

次に,携帯形記録装置の校正装置によって,校正電圧を磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんして,

図 2(B)の回路でチャネル 1 の再生出力をオシロ

スコープ又は交流電圧計によって測定する。

なお,試験用信号発生装置の出力振幅は,1mV (p-p) の±0.5%以内に調整しておき,感度切換器を備え

ている装置については,感度切換器を標準感度に設定しておく。

試験は,チャネル 2 についても同様の測定を行う。


11

T 1117-1988

7.5.10

過負荷許容電圧  過負荷許容電圧は,図 10 の回路で測定する。試験用信号発生装置から,50Hz 又

は 60Hz, 1.0V (p-p)  の正弦波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に 2 秒間加えた後,7.5.1 の標準感度の測

定を行う。

試験は,チャネル 2 についても同様の測定を行う。

図 10  過負荷許容電圧測定回路

7.5.11

テープ速さ偏差  図 の標準感度測定回路で,試験用信号発生装置から 10Hz, 1mV (p-p)  の正弦波

電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,テープの巻始めから巻終わりまで磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんし,

図 2(B)の回路で再生出力端子に周波数カウンタを

接続して,周波数を測定する。

テープ速さ偏差は,次の式によって算出する。

100

10

10

(%)

1

×

×

×

=

n

f

n

テープ速さ偏差

ここに,

n

:  再生時の倍速比

f

1

:  再生出力の周波数 (Hz)

測定は,テープの巻始め,中央及び巻終わりの 3 か所を各々約 10 秒間行い,各箇所の測定値のうち,最

大値をとる。

なお,試験用信号発生装置の周波数確度は,0.1%以下に調整しておく。

試験は,チャネル 1 だけでよい。

備考  再生出力端子に周波数カウンタを接続して測定する代わりに波形記録器(熱ペンレコーダなど)

を接続してもよい。ただし,この場合は,記録装置の特性をあらかじめ校正しておくことが必

要である。

この場合の測定については,40 周期以上を記録して,記録紙上の各周期の長さの平均値を光

学測定装置などを使用して読み取る。

テープ速さ偏差は,次の式によって算出する。

100

mm

mm

mm

(%)

×

=

規定周期の長さ(

平均周期の長さ(

規定周期の長さ(

テープ速さ偏差

なお,記録波形の周期の長さを読み取る場合は,記録波形として,三角波又は方形波を使用

してもよい。

7.5.12

ワウ・フラッタ  図 の標準感度測定回路で,試験用信号発生装置から試験用信号周波数 f

2

Hz, 1mV

(p-p)

の正弦波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,

テープの巻始めから巻終わりまで磁気記録する。

磁気記録の終了後,記録媒体を再生装置に装てんし,

図 2(B)の回路で再生出力端子にワウ・フラッタメ

ータを接続する。

なお,試験用信号周波数 f

2

は,次の式によって算出し,周波数確度は,0.1%以下に調整しておく。


12

T 1117-1988

n

Hz

f

3000

)

(

2

=

ここに,

n

再生時の倍速比

3 000

ワウ・フラッタメータの規定入力周波数 (Hz)

また,ワウ・フラッタメータのフィルタを,4Hz×に設定し,メータの読みは,せん頭値を測定する。

測定は,テープの巻始め,中央,巻終わりの 3 か所を各々約 10 秒間行い,各箇所の測定値のうち,最大

値とする。

試験は,チャネル 1 だけでよい。

備考  再生出力端子にワウ・フラッタメータを接続して測定する代わりに,波形記録器(熱ペンレコ

ーダなど)を接続してもよい。ただし,この場合は,記録器の特性をあらかじめ校正しておく

ことが必要である。

この場合の測定については,40 周期以上を記録して,記録紙上の各周期の長さの中から最大

周期の長さと最小周期の長さを光学測定装置などを使用して読み取る。

ワウ・フラッタは,次の式によって算出する。

100

mm

mm

mm

(%)

×

=

最小周期の長さ(

最小周期の長さ(

最大周期の長さ(

ワウ・フラッタ

なお,記録波形の周期の長さを読み取る場合は,記録波形として,三角波又は方形波を使用

してもよい。

7.5.13

記録心電図と時刻との対応  図 の標準感度測定回路で,試験用信号発生装置から,10Hz, 1mV

(p-p)

の正弦波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,磁気記録する。

磁気記録開始後 24 時間±1 分経過後に,試験用信号発生装置からの出力電圧を遮断する。

次に,記録媒体を再生装置に装てんし,

図 2(B)の回路で再生出力を監視する。

7.5.14

最大連続記録時間  図 の標準感度測定回路で,試験用信号発生装置から,10Hz, 1mV (p-p)  の正

弦波電圧を携帯形記録装置のチャネル 1 に加え,磁気記録する。

磁気記録開始後 24 時間±1 分経過後に,試験用信号発生装置からの出力電圧を遮断する。

次に,記録媒体を再生装置に装てんし,

図 2(B)の回路で再生出力を監視する。

8.

表示

8.1

銘板表示  携帯形記録装置には,JIS T 1001 の 12.によって見やすいところに次の項目を表示しなけ

ればならない。

(1)

製造業者名及び所在地

(2)

名称及び形名

(3)

定格電源電圧 (V)

(4)

電源入力 (W)

(5)

電撃に対する保護の程度

(6)

製造番号

8.2

取扱いに関する表示  携帯形記録装置には,取扱い上の注意を喚起するために,見やすいところに

次の注意事項及び識別名を表示しなければならない。

(1)

電池の形式,個数及び連続使用時間

(2)

除細動器との併用の可否及び併用時の注意(特定のコードを使用するときだけ有効である場合は,装


13

T 1117-1988

置及び誘導コードの双方に表示すること。

(3)

揮発性及び可燃性物質との併用時の注意

(4)

その他安全稼働が可能な条件及び禁止事項

(5)

その他必要とする事項

9.

附属文書  携帯形記録装置には,取扱説明書,仕様書,保証書のほか,必要に応じて試験成績書など

の書類を添付しなければならない。

取扱説明書は,JIS T 1005(医用電気機器取扱説明書の様式)による。


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電子部会 ME 機器専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

菊  地      眞

防衛医科大学校

斎  藤  正  男

東京大学医学部

都  築  正  和

東京大学附属病院

井  出  正  男

武蔵工業大学

小  川  絜以知

東京都立工業技術センター

小  野  哲  章

三井記念病院

須  磨  幸  藏

東京女子医科大学附属第二病院

古  幡      博

東京慈恵会医科大学

早  川  弘  一

日本医科大学

柄  川      順

国立ガンセンター病院

本  田  幸  雄

通商産業省機械情報産業局

渡  辺      徹

厚生省薬務局

前  田  勲  男

工業技術院標準部

越  智  秀  夫

財団法人機械電子検査検定協会

市  河  鴻  一

株式会社アイカ

篠  原  輝  雄

日本光電工業株式会社

太  田  善  久

日本電気三栄株式会社

繁  村      直

株式会社東芝

山  根      巌

日立メディコ株式会社

楡  木  武  久

杜団法人日本電子工業振與協会

小  島  正  男

社団法人日本電子機械工業会

(関係者)

橋  本  寛  保

フクダ電子株式会社

(事務局)

吉  田      厚

工業技術院標準部電気・情報規格課

畠  中  正  人

工業技術院標準部電気・情報規格課

早  野  幸  雄

工業技術院標準部電気・情報規格課

日本医用機器工業会ホルタ心電計 JIS 原案作成委員会  構成表(昭和 60 年度当時)

氏名

所属

(委員長)

橋  本  寛  保

フクダ電子株式会社

(幹事)

山  崎      猛

日本光電富岡株式会社

(幹事)

野  中      功

株式会社東機貿

吉  井  輝  雄

フクダエムイー工業株式会社

昌  谷      信

ミネベア株式会社

黒  田  浩  司

日本電気三栄株式会社

木  戸  清太郎

株式会社エムイーコマーシャル

岡  村  哲  夫

聖マリアンナ医科大学病院

(事務局)

福  島  昭  典

日本医用機器工業会