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T 1022

:2006

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人電気設備

学会(IEIEJ)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS T 1022:1996 は改正され,この規格に置き換えられる。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS T 1022

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)建築構造体の接地抵抗の計算


T 1022

:2006

(2) 

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  医用接地方式,非接地配線方式及び非常電源の適用基準

2

4.1

  医用接地方式 

2

4.2

  非接地配線方式

2

4.3

  非常電源 

2

4.4

  医用室への適用

3

5.

  医用接地方式 

5

6.

  非接地配線方式 

8

7.

  非常電源

9

7.1

  一般非常電源 

9

7.2

  特別非常電源 

9

7.3

  瞬時特別非常電源

9

8.

  医用室の電源回路

10

9.

  検査及び保守 

10

附属書(参考)建築構造体の接地抵抗の計算 

12


     

日本工業規格

JIS

 T

1022

:2006

病院電気設備の安全基準

Safety requirements of electrical installations for medically used rooms in

hospitals and clinics

1. 

適用範囲  この規格は,医用電気機器などの使用上の安全確保のため,病院,診療所などに設ける電

気設備のうち,医用接地方式,非接地配線方式,非常電源及び医用室の電源回路に対する安全基準につい

て規定する。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS C 2808

  医用接地センタボディー及び医用接地端子

JIS C 3307

  600 V ビニル絶縁電線(IV)

JIS C 3612

  600 V 耐燃性ポリエチレン絶縁電線

JIS C 4402

  浮動充電用サイリスタ整流装置

JIS C 8371

  漏電遮断器

JIS C 8704-1

  据置鉛蓄電池−一般的要求事項及び試験方法−第 1 部:ベント形

JIS C 8704-2

  据置鉛蓄電池−一般的要求事項及び試験方法−第 2 部:制御弁式

JIS C 8705

  円筒密閉形ニッケル・カドミウム蓄電池

JIS T 0601-1

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項

JIS T 1021

  医用差込接続器

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a) 

医用室  診察,検査,治療,監視などの医療を行うための室。

b) 

医用接地方式  保護接地又は等電位接地を施すための接地設備で,医用のため特に接地の信頼性を向

上させた方式。

c) 

非接地配線方式  絶縁変圧器の二次側の中性点又は電路の一端を接地しない配線方式。

d) 

医用接地  医用接地方式に基づく接地。

e) 

保護接地  電撃防止のために露出導電性部分に施す接地。

f) 

等電位接地  露出導電性部分及び系統外導電性部分を等電位とするために,一点へ電気的に接続し,

これに施す接地。

g) 

露出導電性部分  充電部ではないが,故障時に充電するおそれがあり,人が容易に触れることができ

る電気機械器具の導電性部分。

h) 

系統外導電性部分  電気設備の部分を構成しない導電性部分で,大地の電位などを伝えるおそれがあ

る部分。


2

T 1022

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備考  系統外導電性部分には,建物金属サッシ,給水管,ベッドの金属フレームなどがある。

i) 

接地極  大地との電気的接続を行うため,大地へ密接に接触させた導電体。

j) 

接地幹線  接地極から医用接地センタの分岐用端子基板(分岐バーともいう。)に至る接地線。

k) 

接地分岐線  JIS T 1021 に規定する医用差込接続器(以下,医用コンセントという。)若しくは医用接

地端子の接地リード線,露出導電性部分又は系統外導電性部分から医用接地センタへ接続する接地線。

l) 

医用接地センタボディー  接地分岐線を集合して接地幹線へ接続するためのもので,分岐用端子基板,

リード線,試験端子などで構成される。

m) 

医用接地センタ  医用接地センタボディー及びそれを収容する外箱。

n) 

医用接地端子  接地分岐線と接地コードとを接続するための端子セット。

o) 

接地コード  医用電気機器に保護接地又は等電位接地を施すためのコード。

p) 

商用電源  医用電気機器以外にも供給するための,恒久的に設置された電源のうち,電気事業者から

供給される電源。

q) 

非常電源  商用電源が停止したとき,自動的に負荷に電力を供給するための電源の総称。

r) 

一般非常電源  商用電源の停止から,40 秒以内に電力を供給する非常電源。

s) 

特別非常電源  商用電源の停止から,10 秒以内に電力を供給する非常電源。

t) 

瞬時特別非常電源  商用電源の停止から,0.5 秒以内に電力を供給する非常電源。

u) 

交流無停電電源装置  整流装置,逆変換装置,エネルギー蓄積装置(例えば,蓄電池)などで構成さ

れ,この装置の入力電力が途絶えても,出力側の電力が途絶えることなく,連続的(無瞬断)に負荷

へ電力の供給を行うことができる電源装置。

4. 

医用接地方式,非接地配線方式及び非常電源の適用基準

4.1 

医用接地方式  医用室には,その使用目的に応じて,次の医用接地方式を適用しなければならない。

a) 

保護接地  医用電気機器を使用する医用室には,医用室ごとに保護接地のための設備を設ける。

b) 

等電位接地  医用電気機器の電極などを直接心臓に挿入又は接触して医療を行う医用室には,等電位

接地のための設備を設ける。

4.2 

非接地配線方式  電源の遮断による機能の停止が医療に重大な支障をきたすおそれがある医用電気

機器を使用する医用室のコンセント用分岐回路には,電路の一線地絡時にも電力の供給を継続するため,

非接地配線方式を適用しなければならない。

4.3 

非常電源  電源の遮断による機能の停止が医療に重大な支障をきたすおそれがある医用電気機器な

どを使用する医用室の電源回路には,その使用目的に応じて,次の非常電源を適用しなければならない。

備考  非接地配線方式の電源回路には,非常電源を設ける必要がある。

a) 

一般非常電源  商用電源が停止したとき,40 秒以内に電力供給を回復しなければならない次の医用電

気機器などに電力を供給する回路には,一般非常電源を設ける。

1) 

生命維持装置のうち,40 秒以内に電力供給の回復が必要なもの。

備考  生命維持装置には,人工呼吸器,人工心肺装置,保育器などがあるが,それぞれの電力供給回

復要求時間に合わせて,非常電源を選ぶ必要がある。

2) 

病院機能を維持するための基本作業に必要な照明。

3) 

その他病院機能を維持するための重要な機器又は設備。

備考  その他病院機能を維持するための重要な機器又は設備とは,次のような機器又は設備をいう。

−  医療用冷蔵庫,冷凍庫及び温度の保持が必要な装置


3

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−  滅菌器などの設備

−  通信・情報機器(医療情報,電話,ナースコール,ドクターコール,インターホンなど)

−  警報装置(火災警報設備など)

−  医療ガス供給設備(吸引設備を含む。

−  自動化装置(X 線フィルム自動現像装置,自動科学分析装置など)

−  非常時に電力供給が最低限必要と思われる搬送装置(エレベータなど)

,給排水ポンプ,換気装

置など

b) 

特別非常電源  商用電源が停止したとき,10 秒以内に電力供給を回復しなければならない次の医用電

気機器などに電力を供給する回路には,特別非常電源を設ける。

1) 

生命維持装置のうち,10 秒以内に電力供給の回復が必要なもの。

2) 

照明設備のうち,10 秒以内に電力供給の回復が必要なもの。

c) 

瞬時特別非常電源  商用電源が停止したとき,0.5 秒以内に電力供給を回復しなければならない次の医

用電気機器に電力を供給する回路には,瞬時特別非常電源(交流無停電電源装置によるものを含む。

を設ける。

1) 

生命維持装置のうち,0.5 秒以内に電力供給の回復が必要なもの。

2) 

手術灯。

4.4 

医用室への適用  医用室には,医療処置内容によって,医用接地方式,非接地配線方式及び非常電

源を適用しなければならない。

なお,医用室への適用例を

参考表 に示す。


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参考表  1  医用接地方式,非接地配線方式及び非常電源の適用

医用接地方式

非常電源(

1

)

カテ

ゴリ

医療処置

内容

保護 
接地

等電位

接地

非接地

配線方

一般/ 
特別(

2

)

瞬時特別

(

3

)

医用室の例

A

心臓内処置,心臓
外科手術及び生命
維持装置の適用に

当たって,電極な
どを心臓区域内に
挿入又は接触し使

用する医用室

手術室,ICU(特定集中治
療室)

,CCU(冠動脈疾患

集中治療室),NICU(新

生児特定集中治療室)

,心

臓カテーテル室

B

電極などを体内に
挿入又は接触し使

用するが,心臓に
は適用しない体内
処理,外科処置な

どを行う医用室

GCU/SCU/RCU/MFICU/H

CU

(準集中治療室)

,リ

カバリー室(回復室)

,救

急処置室,人工透析室(重
症者対応)

,内視鏡室

C

電極などを使用す

るが,体内に適用
することのない医
用室

LDR

室 [ 陣 痛 ・分 べ ん

(娩)

・回復]室,分べん

(娩)室,未熟児室,陣
痛室,観察室,病室,ESWL

室(結石破砕室),RI・PET
室(核医学検査室),温熱
治療室(ハイパーサーミ

ア)

,超音波治療室,放射

線治療室,MRI 室(磁気
共鳴画像診断室)

,X 線検

査室,理学療法室,人工
透析室(一般)

,診察室,

CT室(コンピュータ断

層撮影室),検査室,処置

D

患者に電極などを

使用することのな
い医用室

病室,診察室,検査室,

処置室

(

1

非常電源は,医用室以外の電気設備にも共用できる。

(

2

医用電気機器などに応じて,一般非常電源か特別非常電源のいずれか又は両方を設けることを意味す

る。

(

3

医用電気機器などに応じて,瞬時特別非常電源を設けることを意味する。

備考  記号の意味は,次による。

○:設けなければならない。 
+:必要に応じて設ける。

5. 

医用接地方式  4.1 に基づく医用接地方式は,次に適合しなければならない。


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備考  医用接地方式の概念を,参考図 に示す。

参考図  1  医用接地方式の概念図

a) 

保護接地  医用室に,4.1 a)によって設ける保護接地のための設備は,次による。

1) 

医用室ごとに,保護接地のための医用接地センタ,医用コンセント及び医用接地端子を設ける。た

だし,隣接する医用室との床面積の合計が 50 m

2

以下の場合は,医用接地センタを共用してもよい。

2) 

医用コンセント及び医用接地端子の接地用リード線は,医用接地センタのリード線に接地分岐線に

よってそれぞれ直接接続する。

3) 

接地分岐線は,JIS C 3307 又は JIS C 3612 に適合し,公称断面積が 5.5 mm

2

以上で,かつ,絶縁体

の色が緑/黄のしま模様又は緑の絶縁電線を使用する。

4) 

医用コンセントの接地極刃受け又は医用接地端子の端子部と,医用接地センタとの間の電気抵抗は,

無負荷電圧が 6 V 以下の交流電源によって約 25 A の電流を流し,

電圧降下法で測定したとき,

0.1

Ω

以下とする。

5) 

医用接地センタ及び医用接地端子は,JIS C 2808 に適合するものを使用する。

6)  100 V

系に使用する医用コンセントは,JIS T 1021 に適合するものを使用する。

7)  X

線装置などの据置形の医用電気機器などの保護接地は,その露出導電性部分を,JIS C 3307 又は

JIS C 3612

に適合する絶縁電線で,公称断面積が

表 に適合し,かつ,絶縁体の色が緑/黄のしま


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模様又は緑の接地線を使用して,次のいずれかによって接続する。

7.1) 

接地線の公称断面積が 5.5 mm

2

の場合は,その接地線を,装置などを設備する医用室の医用接地セ

ンタのリード線へ直接接続する。

7.2) 

接地線の公称断面積が 8 mm

2

以上の場合は,その接地線を,装置などを設備する医用室の医用接

地センタに近接した箇所に設けたプルボックスなどの中で接地幹線に接続する。

  1  据置形装置などの接地線の太さ

据置形装置などの低圧電路電源側に施設される

過電流遮断器のうち最小の定格電流の容量  A

接地線の太さ(銅)

(最小)mm

2

 100

以下

 150

以下

 200

以下

 400

以下

 600

以下

1 000

以下

1 200

以下

   5.5

    8

 14

 22

 38

 60

100

備考  接地幹線を変圧器の B 種接地工事と金属体などで接続しない場合は,こ

の表によって得られる値が 14 mm

2

を超える部分については 14 mm

2

のも

のを使用してもよい。

b) 

等電位接地  医用室に,4.1 b)によって設ける等電位接地のための設備は,5. a)によるほか,次による。

1) 

医療を行うため患者が占める場所から水平方向 2.5 m,床上高さ 2.3 m の範囲(

参考図 参照)にあ

る固定設備の露出導電性部分及び系統外導電性部分は,5. a) 2)の医用接地センタのリード線へ,5. a) 

3)

に規定する接地分岐線によってそれぞれ直接接続する。

この場合において,1 患者に対する上記範囲内の等電位接地に用いる医用接地センタは,同一のも

のとする。

なお,系統外導電性部分で,表面積が 0.02 m

2

以下のものは,等電位接地を施す対象から除外しても

よい。

参考図  2

2) 

等電位接地を施した導電性部分と医用接地センタとの間の電気抵抗は,無負荷電圧が 6 V 以下の交

流電源によって約 25 A の電流を流し,電圧降下法で測定したとき,0.1  Ω以下とする。

3) 

導電床をもつ手術室などにおいて,導電床の下敷きとなっている銅テープ又は金属網などは,通常,

医用接地センタに接続する。


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c) 

接地幹線  接地幹線は,次による。

1) 

鉄骨造,鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の建物には,接地極から医用室のある階

までの接地幹線は,建物の鉄骨又は 2 条以上の主鉄筋を使用する。

備考  建物の鉄骨又は鉄筋を接地幹線に用いる場合は,接地極までの電気的接続が確実でなければな

らない。

2) 

建物の同一階で横引きする接地幹線は,JIS C 3307 又は JIS C 3612 に適合し,公称断面積が 14 mm

2

以上で,かつ,絶縁体の色が緑/黄のしま模様又は緑の絶縁電線を使用する。

なお,X 線装置などの据置形の医用電気機器などの接地線を接続する場合の接地幹線の公称断面積

は,接続する接地線のうち最大の公称断面積以上とする。

3) 1)

によることができない場合は,接地極から医用室のある階までの接地幹線に,2)の横引きに用い

る接地幹線と同等な電線を使用する。

備考 1)によることができない場合には,医用接地設備の設けられていない建物に新規に医用接地を

設ける場合,鉄骨又は主鉄筋と建物の構造体の地下部分との接続が確実でない建築工法がとら

れる場合のような例がある。

4) 

二つ以上の医用接地センタが接続される横引きした接地幹線の接地極への接続は,次による。

4.1) 1)

の場合は,建物の鉄骨又は 2 条以上の主鉄筋に 2 か所以上で接続する。

4.2) 3)

の場合は,接地極から医用室のある階までの接地幹線は,2 系統以上で接地極に接続する。

備考1. 4.1)においては,建物の鉄骨又は 2 条以上の主鉄筋に横引きされた接地幹線を接続すること

によって接地極への接続がなされたものとみなす。

2.

4.2)

の場合,系統ごとに接地極を設ける。

3.

1)

に示す構造の建物の医用接地を 4.2)に基づいて設ける場合は,接地幹線を建物の鉄骨又は

主鉄筋の一部にも接続することが望ましい。

4.

医用接地センタが一つの場合については,接地極から医用室のある階までの接地幹線の接地

極への接続は 1 か所としてよい。

5) 

接地幹線を医用接地センタへ接続する場合は,医用接地センタボディーのリード線 2 本を一括して

堅固に接続する。

d) 

接地極  接地極は,次による。

1) 

鉄骨造,鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の建物には,その建築構造体の地下部分

を接地極として使用する。

2) 1)

以外であって,専用の接地極を打込み又は埋設する場合は,亜鉛めっき鋼棒,銅被覆鋼棒,銅棒,

亜鉛めっき鋼管,ステンレス鋼鋼管,炭素被覆鋼棒,銅板などを用い,これをなるべく水気のある

所で,かつ,ガス,酸などのため腐食するおそれがない場所を選び,地中に埋設又は打ち込む。

3) 

医用接地方式に用いる接地抵抗値は,通常,10  Ω以下とする。ただし,10  Ω以下とすることが困

難な場合には,医用室に b)の等電位接地を行うことによって,接地抵抗値を 100  Ω以下とすること

ができる。

参考  建物の建築構造体の地下部分を使用した接地極の接地抵抗値は,附属書に示す方法によって計

算してもよい。


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6. 

非接地配線方式  4.2 によって施設する医用室のコンセント用分岐回路の非接地配線方式は,次に適合

しなければならない。

備考  非接地配線方式を行った場合でも,4.1 の医用接地方式による設備を設ける。

また,絶縁変圧器を医用室内に設ける場合は,これを据置形の医用電気機器などとして 5. a) 

7)

を適用する。

a) 

電源に次の規定に適合する絶縁変圧器を使用し,その二次側電路は接地してはならない。

備考  絶縁監視装置の高インピーダンスを介した検出用接地は,電路の接地とはみなさない。

1) 

定格容量は,7.5 kVA 以下とする。

2) 

二次側電路の定格電圧は,100 V で,単相 2 線式とする。

3) 

絶縁変圧器に定格電圧を加え,JIS T 0601-1 に規定する漏れ電流測定用器具によって,

図 のよう

に二次巻線から一次巻線及び金属製外箱(金属製外箱がない場合は,鉄心。

)への漏れ電流を測定し

たとき,その値は 0.1 mA 以下とする。

4) 

絶縁変圧器に定格電圧を加え,JIS T 0601-1 に規定する漏れ電流測定用器具によって,

図 のよう

に一次巻線から金属製外箱(金属製外箱がない場合は,鉄心。

)への漏れ電流を測定したとき,その

値は 0.5 mA 以下とする。

備考 MD は,JIS T 0601-1 に規定する漏れ電流測定用器具を表す。

  1  二次巻線からの漏れ電流測定回路

備考 MD は,JIS T 0601-1 に規定する漏れ電流測定用器具

を表す。

  2  金属製外箱又は鉄心からの漏れ電流測定回路

b) 

非接地式電路には,次の規定に適合する絶縁監視装置を設ける。

1) 

電路の対地インピーダンスを計測・監視する方式とする。

2) 

事故時に異常を知らせるため,表示灯及び音響による警報装置を備える。


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また,警報装置を作動させないためのスイッチなどを設けてはならない。ただし,音響による警

報だけを止めるためのスイッチは設けてもよい。

3) 

警報装置は,非接地式電路のいずれかの一線を低インピーダンスの導体で大地へ接続した場合に流

れる地絡電流の値が 2 mA となるような状態となったとき,動作するものとする。

c) 

絶縁変圧器の一次側電路には,漏電遮断器は施設してはならない。

なお,漏電検知が必要な場合は,漏電警報器を施設する。

d) 

非接地配線方式とするための分電盤は,電源を非接地配線方式とする医用室の室内に設ける。ただし,

当該医用室の室内に設置できない場合には,可能な限り当該医用室に近接した場所に設ける。

7. 

非常電源

7.1 

一般非常電源  4.3 a)によって施設する一般非常電源は,次に適合しなければならない。

a) 

一般非常電源は,次の性能をもつ自家用発電設備とする。

1) 

商用電源が停止したとき,40 秒以内に電圧が確立し,自動的に負荷回路に切換接続され,かつ,商

用電源が復旧したとき,自動的に切り換えられて復帰できるものとする。

2) 

自家用発電設備は,10 時間連続運転可能なものとする。

3) 

地震,水害などに耐えるような有効な処置を講じる。

b) 

一般非常電源が設けられた医用コンセントの外郭表面の色などは,8. e)に規定する方法による。

7.2 

特別非常電源  4.3 b)によって施設する特別非常電源は,次に適合しなければならない。

a) 

特別非常電源は,次の性能をもつ自家用発電設備とする。

1) 

商用電源が停止したとき,10 秒以内に電圧が確立し,自動的に負荷回路に切換接続され,かつ,商

用電源が復旧したとき,自動的に切り換えられて復帰できるものとする。

2) 

自家用発電設備は,10 時間連続運転可能なものとする。

3) 

地震,水害などに耐えるような有効な措置を講じる。

b) 

特別非常電源が設けられた医用コンセントの外郭表面の色などは,8. e)に規定する方法による。

7.3 

瞬時特別非常電源  4.3 c)によって施設する瞬時特別非常電源は,次に適合しなければならない。

a) 

瞬時特別非常電源は,蓄電池設備又は交流無停電電源装置と自家用発電設備とを組み合わせたものと

し,次の性能をもつ。

備考1.  ここでいう蓄電池設備とは,直流負荷に対しては直流で,交流負荷に対しては直流を交流に

変換して電源を供給する設備をいう。

2.

自家用発電設備には,一般非常電源又は特別非常電源に用いる自家用発電設備を使用する。

3. 

電源を遮断することなく連続的な電力供給を必要とする負荷へは,交流無停電電源装置によ

る供給とする。

1) 

商用電源が停止したとき,0.5 秒以内に自動的に蓄電池設備が負荷回路に切換接続され,次いで電圧

が確立した自家用発電設備に自動的に切換接続され,かつ,商用電源が復旧したとき,自動的に切

り換えられて復帰できるものとする。

2) 

蓄電池設備は,充電を行うことなく,10 分間継続して負荷に電力を供給できるものとする。

3) 

蓄電池設備に用いる蓄電池は,JIS C 8704-1JIS C 8704-2 及び JIS C 8705,充電装置は JIS C 4402

に規定するもの又はこれらと同等以上の特性をもつものとする。

4) 

地震,水害などに耐えるような有効な措置を講じる。

b) 

瞬時特別非常電源が設けられた医用コンセントの外郭表面の色などは,8. e)に規定する方法による。


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8. 

医用室の電源回路  医用室の電源回路は,次に適合しなければならない。

a) 

医用室の電源回路は,通常,JIS C 8371 に規定する高速高感度形漏電遮断器を施設する。ただし,次

の場合は除く。

1) 6.

に規定する絶縁変圧器の一次側及び二次側の電路。

2) 

電源の遮断が医療に重大な支障をきたすおそれがある医用電気機器の電源回路であって,かつ,6.

に規定する非接地配線方式でない電源回路に漏電警報器を施設する場合。

3) 

床上高さが 2.3 m を超える位置に取り付ける照明器具への電源回路。

4) 

乾燥した場所に設置する医用電気機器への電源回路。

5) 

対地電圧が 150 V 以下の電路で,水気のない状態にある医用室へ供給する電源回路。

なお,この場合,漏電警報器を施設することが望ましい。

b) 6.

に規定する電源の分電盤について,主幹部分の過電流遮断器が動作する状態になったとき,これを

警報する電流監視装置を設ける。

c) 

医用室のコンセントは,次によって施設する。

1) 

使用する医用電気機器などの消費電力及び数量を考慮して,必要な数量のコンセントを設ける。

2)  1

分岐回路に接続するコンセントの口数は,通常,10 口以下とし,必要な数量の分岐回路を設ける。

3) 

定格電流が 10 A を超える医用電気機器を使用する医用室には,専用の分岐回路を設け,かつ,コン

セントには見やすい箇所にその旨を表示する。また,分岐回路の過電流遮断器が動作する状態にな

ったとき,これを警報する電流監視装置を設ける。

d) 

医用室の電源回路の配電盤及び分電盤には,分岐回路ごとに,供給先の医用室名,医用電気機器など

の名称又はコンセント番号などが容易に分かるように表示を施す。

e) 

医用室のコンセントは,次に示す方法によって,電源の種別を明示する。

1) 

商用電源だけから供給されるコンセントは,外郭表面の色を白とする。

2) 

一般非常電源から供給されるコンセントは,外郭表面の色を赤とする。

3) 

特別非常電源から供給されるコンセントは,外郭表面の色を赤とし,見やすい箇所に特別非常電源

であることを表示する。

4) 

瞬時特別非常電源から供給されるコンセントは,外郭表面の色を赤とし,見やすい箇所に瞬時特別

非常電源であることを表示する。ただし,交流無停電電源装置から供給されるコンセントは,外郭

表面の色を緑としてもよい。

5) 

非接地配線方式によるコンセントは,他の配線方式によるコンセントと識別できるようにする。

9. 

検査及び保守  検査及び保守は,次に適合しなければならない。

a) 

病院,診療所などで電気設備が完成したときは,検査を行い,この規格に適合することを確かめる。

備考  完成検査の項目例(一般の電気設備の点検項目は除く。)を,次に示す。

−  接地抵抗の測定(規定値以下であることの確認)

。ただし,5. d) 1)による場合は,測定を行わな

くてもよい。

−  絶縁変圧器の漏れ電流の測定

−  絶縁監視装置及び電流監視装置の動作試験(附属する機器を含む。

−  医用接地設備の接地線の電気的接続の確認

−  医用接地設備の接地分岐線の電気抵抗の測定

−  商用電源から非常電源への切換時間の測定


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−  8. e)に規定する表示の確認

b) 

病院電気設備は,定期的に検査を行い,この規格に適合することを確かめる。

備考  定期点検の項目例(一般の電気設備の点検項目は除く。)を,次に示す。

−  接地抵抗の測定(規定値以下であることの確認)

。ただし,5. d) 1)による場合は,測定を行わな

くてもよい。

−  絶縁変圧器の漏れ電流の測定(実施可能な範囲とするが,異常が疑われる場合はすべて実施す

る。

−  非接地配線方式とするための分電盤の充電部(特に変圧器)のねじ類の緩みの点検

−  絶縁監視装置及び電流監視装置の動作試験(附属する機器を含む。

−  医用接地設備の接地線の緩み,外れなどの点検

−  コンセント接地極の保持力が著しく低下しているものの有無の点検

−  商用電源から非常電源への切換時間の測定


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附属書(参考)建築構造体の接地抵抗の計算

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1. 

大地抵抗率の計算式  建物の建築構造体の地下部分の接地抵抗 R(Ω)は,2.及び 3.によって大対地抵抗

率ρ(Ωm)及び建物地下部分の延べ表面積 A(m

2

)

を求め,次の式によって算出する。

A

R

ρ

4

.

0

3

×

=

備考  式中の数値 3 は,論理値に対する安全係数である。

2. 

大地抵抗率の測定  大地抵抗率は,掘削前又は掘削後の地表面で建築面積 50×50 (m

2

)

につき 1 点を次

のいずれかによって求め,その相加平均とする。

a) 

大地抵抗率測定器(Wenner の四電極法によるもの)を用い,

附属書図 のように電極を配し,測定す

る。

附属書図 1

b) 

長さ 1.5 m,直径 14 mm の接地棒を打ち込み,補助電極を

附属書図 のように配し,JIS C 1304 に規

定する接地抵抗計を用いて接地抵抗を測定し,

附属書付図 から ρ を読み取る。

附属書図 2

c) 

直径 d(m)の接地棒を深さ l(m)まで打ち込んで,

附属書図 のように接地抵抗を測定する。

その接地抵抗を R(Ω)とすれば,大地抵抗率ρ(Ωm)は,次の式によって算出する。

d

l

lR

4

log

2

e

π

ρ

=

10

m

10

m

10

m

10 m

10 m

1.

5 m

φ

14


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3. 

建築物地下部分の延べ表面積の算定  建築物が大地と接触している部分の全表面積を算定する。ただ

し,基礎ぐい(

附属書図 参照)などの表面積は除く。

附属書図 3

附属書付図  1  大地抵抗率推定曲線(長さ 1.5 m,直径 14 mm の接地棒使用)

関連規格  JIS C 1304  接地抵抗計

1 000

1 000

大地抵抗率

ρ

Ωm

接地抵抗  (Ωm)