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T 0993-1

:2012

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

2

2

  引用規格

2

3

  用語及び定義

3

4

  医療機器の生物学的評価に適用される一般原則

5

5

  医療機器のカテゴリ化

8

5.1

  一般

8

5.2

  身体との接触の性質によるカテゴリ化

8

5.3

  接触期間によるカテゴリ化

9

6

  生物学的評価のプロセス

9

6.1

  材料の特定

9

6.2

  生物学的評価試験

9

7

  生物学的評価データの説明及び生物学的安全性の総合評価

14

附属書 A(参考)生物学的評価試験

15

附属書 B(参考)リスクマネジメントプロセスの指針

16

附属書 C(参考)推奨する文献レビューの手順

19

附属書 D(参考)参考文献

21

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表

22


T 0993-1

:2012

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本医療器材工業

会(JMED)及び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS T 0993-1:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS T 0993

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

T

0993-1

  第 1 部:リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験

JIS

T

0993-7

  第 7 部:エチレンオキサイド滅菌残留物


日本工業規格

JIS

 T

0993-1

:2012

医療機器の生物学的評価−第 1 部:

リスクマネジメントプロセスにおける評価及び試験

Biological evaluation of medical devices

−Part 1: Evaluation and testing

within a risk management process

序文

この規格は,2009 年に第 4 版として発行された ISO 10993-1 を基とし,技術的内容を変更して,作成し

た日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

この規格の主要な目的は,医療機器の使用によってじゃっ(惹)起される潜在的な生物学的リスクから

ヒトをまも(護)ることにある。この規格は,医療機器の生物学的評価に関する数多くの国際規格,国内

規格及び指針を結合したものである。この規格は,個々の機器の総合的評価及び開発の一環としてのリス

クマネジメントプロセスにおける生物学的評価についての指針文書として意図したものである。このアプ

ローチでは,あらゆる情報源の調査及び既存データの評価,必要な場合は,追加的試験の選択・適用を併

せて行う。それによって個々の機器に対する生物学的反応を,機器使用における安全性との関連で,漏れ

なく評価することが可能になる。

“医療機器”という言葉には広範囲のものが含まれることに注意しなけれ

ばならない。一つの極端な例では,単一の材料からなるが二つ以上の物理的な形体からなる医療機器があ

る一方,複数の材料から製造された数多くの部品で構成された複雑な器械又は装置からなるものもある。

この規格では,特定の機器のタイプが置かれた状況よりも,むしろ一般的な立場から,医療機器の人体

組織への影響の評価を扱う。したがって,漏れなく生物学的安全性を評価するために,当該機器の使用時

に想定される人体組織との接触の性質及び期間によって医療機器をクラス分けし,それぞれのカテゴリを

考慮した上で,適切と考えられる生物データのセットをマトリックスに示している。

生物学的ハザードの範囲は,広く複雑である。構成材料と組織との相互作用だけを医療機器の全体的な

設計と分離して考えることはできない。すなわち,組織と材料との相互作用は材料選択で考慮しなければ

ならない特性の一つにすぎず,その点だけを考慮して設計した場合は,組織との相互作用に留意して最良

の材料を選択することが,結果として医療機器としての機能の低いものとなる可能性もある。材料がその

機能を発揮するために組織と相互作用することが織り込まれている場合には,生物学的評価において,そ

のことを明示する必要がある。

ある適用では,材料によって引き起こされる組織との作用が副作用と考えられても,異なる状況では副

作用とは考えられないかもしれない。生物学的試験は,とりわけ,インビトロ(in vitro)試験,エクスビ

ボ(ex vivo)試験及び動物モデルに基づいているので,機器をヒトに使用したときに想定される作用を判

断するには注意が必要である。なぜなら,ヒトという種にも同様の組織反応が起こるとは,無条件でいえ


2

T 0993-1

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ないからである。さらに,同じ材料に対しての反応という意味で個体差があるということは,よく確立さ

れた材料に対してさえ,ある種の患者に副作用の可能性があるということを示している。

この規格の役割は,生物学的評価計画を立案するための枠組みを提供することにある。その枠組みにお

いては,科学的知識によって組織反応の根本機構の理解が進み,化学試験又はインビトロ試験からインビ

ボ(in vivo)試験と同等の当該情報が得られるなら,化学成分(分析)試験及びインビトロ試験を優先す

ることで,実験動物へのばく(曝)露及び動物数を最小化することになる。

この規格は,硬直化した試験方法のセット及び合格/不合格の判定基準を提供するものではない。その

ようなセット及び基準を適用すると,

新しい医療機器の開発及び使用を不必要に制限することになったり,

医療機器の一般的な使用において間違った安全観に陥ることになってしまう。特別な適用が確実な場合,

その製品又は適用分野の専門家が,製品に特有な個別規格の中で特殊な試験及び判定基準を作成すること

を選択することもあり得る。

この規格は,当該医療機器に関連する全ての因子(その使用目的,科学文献レビュー及び以前の臨床的

経験から得られる医療機器の最新の情報に関わる諸要素)を考慮しながら,個々の医療機器についての生

物学的評価結果に対する要求事項を説明し判断できる,訓練され経験を積んだ資格のある適切な専門家が

使うことを想定している。

附属書 に,参考としての表を記載している。この表は,人体への接触部位及び接触期間のカテゴリに

依拠して,医療機器を評価するときに推奨される生物学的データを確認するために広く役に立つ。

附属書

B

は,生物学的評価を含んだリスクマネジメントプロセスを医療機器に適用するための指針である。

1

適用範囲

この規格は,次の事項を規定する。

a)

医療機器のリスクマネジメントプロセスにおける生物学的評価を律する一般的原則

b)

身体との接触の性質及び期間に基づく機器のカテゴリ

c)

全ての情報源からの既存データの評価

d)

リスク分析に基づいて利用できるデータセットの不足の特定

e)

医療機器の生物学的安全性を分析するために必要な追加データセットの特定

f)

医療機器の生物学的安全性のアセスメント

この規格では,患者の身体に直接的にも間接的にも接触しない材料及び機器の試験,及び機械的欠陥に

起因する生物学的ハザードを適用範囲としない。ISO 10993 の他の部は,個々の特別な試験について規定

している。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10993-1:2009

,Biological evaluation of medical devices−Part 1: Evaluation and testing within a

risk management process(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

なお,平成 27 年 2 月 28 日まで JIS T 0993-1:2005 は適用することができる。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。


3

T 0993-1

:2012

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS T 0993-7

  医療機器の生物学的評価−第 7 部:エチレンオキサイド滅菌残留物

注記  対応国際規格:ISO 10993-7,Biological evaluation of medical devices−Part 7: Ethylene oxide

sterilization residuals(IDT)

JIS T 14971

  医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用

注記  対応国際規格:ISO 14971,Medical devices−Application of risk management to medical devices

(IDT)

ISO 10993-2,  Biological evaluation of medical devices

−Part 2: Animal welfare requirements

ISO 10993-3,  Biological evaluation of medical devices

−Part 3: Tests for genotoxicity, carcinogenicity and

reproductive toxicity

ISO 10993-4,  Biological evaluation of medical devices

−Part 4: Selection of tests for interactions with blood

ISO 10993-5,  Biological evaluation of medical devices

−Part 5: Tests for in vitro cytotoxicity

ISO 10993-6,  Biological evaluation of medical devices

−Part 6: Tests for local effects after implantation

ISO 10993-9, Biological evaluation of medical devices

− Part 9: Framework for identification and

quantification of potential degradation products

ISO 10993-10, Biological evaluation of medical devices

−Part 10: Tests for irritation and skin sensitization

ISO 10993-11, Biological evaluation of medical devices

−Part 11: Tests for systemic toxicity

ISO 10993-12, Biological evaluation of medical devices

−Part 12: Sample preparation and reference materials

ISO 10993-13,Biological evaluation of medical devices

− Part 13: Identification and quantification of

degradation products from polymeric medical devices

ISO 10993-14,Biological evaluation of medical devices

− Part 14: Identification and quantification of

degradation products from ceramics

ISO 10993-15,Biological evaluation of medical devices

− Part 15: Identification and quantification of

degradation products from metals and alloys

ISO 10993-16, Biological evaluation of medical devices

−Part 16: Toxicokinetic study design for degradation

products and leachables

ISO 10993-17,

Biological evaluation of medical devices−Part 17: Establishment of allowable limits for

leachable substances

ISO 10993-18:2005, Biological evaluation of medical devices

−Part 18: Chemical characterization of materials

ISO/TS 10993-19,  Biological evaluation of medical devices

−Part 19: Physico-chemical, morphological and

topographical characterization of materials

ISO/TS 10993-20, Biological evaluation of medical devices

− Part 20: Principles and methods for

immunotoxicology testing of medical devices

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

医療機器(medical device)

あらゆる機器,装置,用具,機械,器具,インプラント,体外診断薬又は測定装置,ソフトウェア,材

料又はその他の類似若しくは関連物品であって,単独使用か組合せ使用かを問わず,製造販売業者が人体


4

T 0993-1

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への使用を意図し,使用目的が次の一つ以上のもの。

−  疾病の診断,予防,モニタリング,治療又は緩和

−  傷害の診断,モニタリング,治療,緩和又は補償

−  解剖学的構造若しくは生理学的プロセスの検査,置換,修飾又は補助

−  生命補助又は維持

−  受胎調節

−  医療機器の殺菌消毒

−  人体から採取した試料の臨床検査による医療目的のための情報提供

なお,体内又は体表で,薬理学的,免疫学的又は代謝的作用を主要な手段としてではなく,補助的手段

として用いるものも含む。

注記 1  この定義は,医療機器規制国際整合化会議(GHTF)によるものである。

注記 2  ある地域では医療機器と認識されているようであるが,まだ調和に達していない製品には,

次のものがある。

a)

身体障害者の補助器具

b)

動物の疾病及び傷害の治療・診断用機器

c)

医療機器の附属品(

注記 参照)

d)

殺菌・消毒薬

e)

動物又はヒト組織を含んだ機器で,上記の定義での要求事項に合致するが,異なる管

理対象であるもの

注記 3  医療機器がその使用目的を達成するために医療機器本体とともに使用されることを意図して

製造された附属品は,ISO 10993 規格群の適用対象とするのが望ましい。

注記 4  医療機器は,医薬品及び生物製品とは異なるので,その生物学的評価においても異なるアプ

ローチが必要である。

注記 5  医療機器には,歯科用機器も含まれる。

3.2

材料(material)

医療機器又はその部品に使用される,あらゆる合成又は天然高分子,金属,合金,セラミック又はその

他のノンバイアブル(nonviable)な物質(死滅させた組織も含む。

3.3

最終製品(final product)

製造販売業者の仕様又は表示どおりに“使用される状態(as-used state)

”にある医療機器。

3.4

成分化学物質(chemical constituent)

材料及び/又は医療機器の製造工程に使用される,添加剤(酸化防止剤,UV 安定剤,色素など)及び

製造処理剤(溶剤,潤滑剤,消泡剤など)のような,あらゆる合成化学物質又は天然化学物質。

3.5

データセット(data set)

機器の生物反応を特徴付けるために必要な,多様な情報源からの情報。


5

T 0993-1

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4

医療機器の生物学的評価に適用される一般原則

4.1

  ヒトに使用することを意図したいかなる材料又は医療機器の生物学的評価も,

図 に規定したように,

JIS T 14971

に基づいたリスクマネジメントプロセスにおける体系的な生物学的評価プログラムの一環と

したものでなければならない。

附属書 には,このリスクマネジメントプロセスの指針を示している。生

物学的評価は,知識及び経験が豊かな専門家によって計画し,実施し,かつ,文書化しなければならない。

既存データについての文献レビューの手順については,

附属書 を参照する。

リスクマネジメント計画においては,特別な技術的力量が要求される側面を特定することが望ましい。

また,生物学的安全性評価の責任者を特定しなければならない。

生物学的評価プログラムでは,次の関連事項の利点及び欠点をよく検討して決定し,それらを文書化し

なければならない。

a)

種々の候補材料の物理的,化学的性質

注記  これらの情報が当該機器のリスクマネジメントの中に既に文書化されている場合,それを引

用文献に含めることができる。

b)

臨床使用の実績又はヒトばく(曝)露データ

c)

製品及び部品材料,分解生成物,及び代謝産物に関する既存の毒性データ並びに生物学的安全性デー

d)

試験の手順

評価においては,関連する前臨床及び臨床経験の調査並びに実際の試験のいずれも採用できる。そのよ

うな評価の結果として,設計中の機器と同等の特化した使用目的及び物理的形状のものにおいて,当該材

料が安全に使用されてきたことが示せるなら,試験実施不要という結論もあり得る。

4.2

  医療機器の製造で使用される材料の選択においては,その材料の特性及び性質を考慮した,目的への

適合性を最初に考慮しなければならない。その特性・性質には,化学的,毒性学的,物理的,電気的,形

態的及び機械的性質が含まれる。

4.3

  医療機器の総合的生物学的評価に関連して,次の事項を考慮しなければならない。

a)

材料

b)

意図的な添加物,製造工程での混入物及び残存物(残留エチレンオキサイドについての JIS T 0993-7

を参照)

c)

浸出物(leachable substances)

ISO 10993-17 参照)

注記  この規格中において“leachable substances”及び“leachables”を“浸出物”とした。その定義

は,ISO 10993-17 に次のように規定されている。

“ある医療機器から,水又は機器の使用に関連した他の液体へ移行する化学物質。例:添

加剤,滅菌残留物,製造工程残留物,分解生成物,溶媒,可塑剤,潤滑剤,触媒,安定剤,

抗酸化剤,色素,充塡剤,モノマーなど”

“機器の使用に関連した他の液体”とは,輸液などの薬液,血液,胆汁又は髄液などの体

液,脂質(脂肪)などが考えられる。

d)

分解生成物(一般原則については ISO 10993-9 を,ポリマー,セラミックス及び金属についてはそれ

ぞれ,ISO 10993-13ISO 10993-14 及び ISO 10993-15 を参照)

e)

最終製品中の他の成分及びそれらの相互作用

f)

最終製品の性能及び特性


6

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g)

最終製品の物理的性質(多孔率,粒径,形状,表面形態など)

生物学的試験に先立って,材料の成分化学物質の特定及び化学的キャラクタリゼーション(ISO 

10993-18

参照)を行わなければならない(

図 参照)。

医療機器の物理的影響が,生物学的適合性に影響力を及ぼす場合,それを考慮しなければならない

ISO/TS 10993-19 参照)

インプラント機器のリスク評価では,

全身的影響に加えて,局所的影響も考慮しなければならない。

4.4

  生物学的評価に必要な試験並びに,データの選択,及びその解釈においては,材料の化学的組成を考

慮しなければならない。その場合は,医療機器及びその成分の人体へのばく(曝)露の状況,性質,程度,

頻度,期間も含めて考慮する。そうすることによって,適切な試験の選択を容易にするために医療機器を

カテゴリ化することが可能になる(箇条 参照)

。生物学的評価において最も必要な事項は,主に材料につ

いてのばく(曝)露及びハザードの性質,程度,頻度及び期間によって決まる。

4.5

  それぞれの材料及び最終製品について,全ての既知の潜在的な生物学的ハザードを考慮した方がよい

が,このことは全ての潜在的なハザードについて試験を行うことが必要であることを意味しているのでは

なく,それは実際的でもない(箇条 及び箇条 参照)

。反対に試験結果をもって,潜在的な生物学的ハザ

ードが全くないということを保証することはできないので,その医療機器を臨床的に使用する間に,人体

における予期しない有害作用又は有害事象に対して注意深い観察を行う必要がある。

潜在的な生物学的ハザードの範囲は広く,それらには次のものが含まれる:短期的作用(例えば,急性

毒性,皮膚・眼及び粘膜表面に対する刺激性,溶血性,血栓形成性)

,長期的作用又は特殊毒性作用[例え

ば,亜慢性又は慢性毒性,感作性,アレルギー,遺伝毒性,発がん(癌)性(催腫瘍性)

,催奇形性を含む

生殖への作用]

4.6

  どのようなインビトロ又はインビボ試験も,最終的な使用法に基づいて選択しなければならない。全

ての試験は,できるだけ最新かつ有効な,最良の実験室/品質手順[例えば,GLP(Good Laboratory Practice)

又は ISO/IEC 17025]によって実施し,データは適格で見識のある専門家が評価しなければならない。

インビトロ試験については,それが適切にバリデーションされ,無理なく現実的に使用でき,信頼性及

び再現性があるならば,インビボ試験に優先して考慮しなければならない。可能な限り,インビボ試験を

開始する前にインビトロのスクリーニング試験を実施しなければならない。また,それだけで独立した解

析ができるだけの程度に完全な試験データを保管しなければならない。

4.7

  材料又は最終製品は,次の事項のいずれかが生じた場合は,生物学的再評価を行わなければならない。

a)

製品の製造に使用される材料の供給元又は仕様の変更

b)

製品の成分・配合,加工,一次包装又は滅菌の変更

c)

保管・貯蔵に関する製造販売業者の指示又は想定の変更(有効期限及び輸送条件の変更)

d)

製品の使用目的の変更

e)

製品が人体に使用されたとき,何らかの有害な作用を生じるかもしれないという証拠

4.8

  総合的評価のためには,生物学的評価は,当該機器を製造するために使用された材料の中の成分の性

質及び移行性並びに他の情報,他の非臨床試験,臨床試験及び市販後の経験を考慮に入れる必要がある。


7

T 0993-1

:2012

a)

  このプロセスは,患者の身体に直接又は間接的に接触する医療機器にだけ適用する。

図 1−リスクマネジメントプロセスの一環として実施する医療機器の生物学的評価の体系的手引き

要約)

いいえ

いいえ

いいえ

いいえ

開始

医療機器の材料情報を収
集する。 
材料の同定及び化学特性
を 考 慮 す る 。( ISO 
10993-18

はい

4.2,4.3,6.1

その材料は,
既存の市販医
療機器に使用
されているも
のと同等か。

6.1

いいえ

JIS T 0993-1

適用されない。

はい

その医療機
器の化学組
成 は 同 じ
か。

6.1

はい

製造方法,
滅 菌 方 法
は , 同 じ
か。

6.1

身 体 接
触は,同
じか。

はい

はい

リスクアセスメント
のために十分に正当
化できる根拠及び/
又は臨床に関連性の
あるデータがあるか。

6.1

当該材料の
全ての化学
物質に十分
な毒性学的
データが存
在するか。

6.1

 a)

混 合 さ れ た
化 学 物 質 に
適 用 で き る
データか。

6.1

 a)

そのデータ
の用量及び
ばく(曝)
露経路は妥
当か。

6.1

 a)

はい

はい

はい

医療機器は,身体に
直接又は間接に接
触するか。

箇条 1

4.2,5.2,5.3,6.1,7

生物学的評価の完了

材料の化学的性質,接触部位及び
期間に基づき,更なる当該医療機
器の評価を実行する。

生 物 学 的 試 験 の 選
択(

附属書 A)

毒性学的リスク評価を実
行する(

附属書 B)。

附属書 に示す試験の実施 
及び/又はその省略の正当

はい

いいえ

いいえ

いいえ

いいえ

7

T 0

9

93
-1


201

2


8

T 0993-1

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5

医療機器のカテゴリ化

5.1

一般

医療機器は,5.2 及び 5.3 に規定するように,人体との接触の性質及び期間によってカテゴリに分ける。

医療機器をカテゴリに分けることによって,

適切なデータセットを見つけることができる

附属書 参照)。

いずれのカテゴリにも当てはまらない医療機器の試験は,この規格に規定する一般原則に従うものとす

る。ある医療機器は,二つ以上のカテゴリに当てはまることがあるかも知れないが,その場合は,それぞ

れのカテゴリに対応する適切な試験を実施しなければならない。

5.2

身体との接触の性質によるカテゴリ化

5.2.1

表面接触医療機器

表面接触医療機器は,接触する表面によって次のカテゴリに分ける。

a)

皮膚:健常皮膚表面とだけ接触する医療機器。

例  電極,人工補てつ(綴)材料,固定用テープ,圧迫包帯及び各種の監視装置

b)

粘膜:健常な粘膜と接触する医療機器。

例  コンタクトレンズ,尿道カテーテル,ちつ(膣)内及び腸内機器(胃管,S 状結腸鏡,結腸鏡,

胃鏡)

,気管チューブ,気管支鏡,歯科用補てつ(綴)材料,歯科矯正機器及び子宮内機器

c)

損傷表面:損傷した身体表面と接触する医療機器。

例  潰瘍,やけど(火傷)及び肉芽組織のための被覆材及び創傷治癒機器並びに閉塞性パッチ

5.2.2

体内と体外とを連結する医療機器

体内と体外とを連結する医療機器は,適用部位との接触によって次のカテゴリに分ける。

a)

血液流路間接的:一点で血管と接触するもので,血管系統への(薬液などの)導管として機能する医

療機器。

例  輸液セット,延長チューブ,トランスファーセット及び輸血セット

b)

組織,骨,歯質:組織,骨,歯髄又は歯質と接触する医療機器。

例  腹くう(腔)鏡,関節鏡,排液システム,歯科用セメント,歯科用充塡材料及び皮膚縫合針

c)

循環血液:循環血液と接触する医療機器。

例  血管内カテーテル,一時的ペースメーカ電極,人工肺,人工肺用回路及び附属品,透析器,透

析用回路及び附属品,血液成分吸着器及び免疫吸着材

5.2.3

インプラント機器(体内植込み機器)

インプラント機器は,適用部位との接触によって次のカテゴリに分ける。

a)

組織,骨

1)

主として骨と接触する医療機器。

例  整形外科用ピン,整形外科用プレート,人工関節,骨補てつ(綴)材,骨セメント及び骨内

機器

2)

主として組織及び組織液と接触する医療機器。

例  ペースメーカ,薬物注入機器,神経・筋センサ及び刺激装置,人工けん(腱),人工乳房,人

工喉頭,骨膜下インプラント及び結さつクリップ

b)

血液:主として血液と接触する医療機器。

例  ペースメーカ電極,人工動静脈ろう(瘻)(動静脈シャント用人工血管),心臓弁,人工血管,

血管内挿入薬物送液用カテーテル及び心室補助機器


9

T 0993-1

:2012

5.3

接触期間によるカテゴリ化

医療機器は,想定される接触期間によって,次のカテゴリに分ける。

a)

一時的接触(A):単回又は複数回使用され,その累積接触期間が,24 時間以内の医療機器。

b)

短・中期的接触(B)

:単回又は複数回使用され,その累積接触期間が 24 時間を超えるが 30 日以内の

医療機器。

c)

長期的(永久)接触(C):単回又は複数使用され,その累積接触期間が 30 日を超える医療機器。

材料又は医療機器が,二つ以上の期間カテゴリにあてはまる場合は,より厳しい試験又は評価要求事項

を適用しなければならない。その医療機器に多数回ばく(曝)露される場合,その医療機器がどのカテゴ

リに該当するかの決定は,これらのばく(曝)露期間を考慮して,可能性のある累積効果を考慮に入れな

ければならない。機器がその寿命の間に変化することが織込み済みの場合,例えば,適用場所で重合する

又は生分解するような場合には,異なる変化状態でそれぞれ評価を実施しなければならない。例えば,適

用場所で重合するように設計された生分解性ののり(糊)の場合の異なる状態とは,出発成分,中間反応

生成物,完全重合材料及び分解生成物である。

6

生物学的評価のプロセス

6.1

材料の特定

材料の特定(material characterization)は,生物学的評価プロセスにおいて最初の重要なステップである。

必要とされる化学的キャラクタリゼーションの程度は,どのような前臨床的,臨床的な安全性データ及び

毒性データが存在するか,並びに当該医療機器の人体への接触の性質及び期間によって異なる。しかし,

最低限,当該機器中の成分化学物質,製造工程で使用した処理剤及び添加剤の残留について触れなければ

ならない。材料特定については,ISO 10993-18 及び ISO/TS 10993-19 に規定している。

図 は,材料特定の異なるステップが総合的な生物学的評価における決定分岐点と,どのように関連す

るかを示している。

全ての材料,成分化学物質及び製造工程の組合せが,その機器の使用目的において安全に使用されてき

た実績がある場合は,更なる材料特定及び生物学的評価は必要ないであろう。

新規の材料及び化学物質がある場合は,それらを特定し,その量を規定又は測定することが望ましい。

機器の抽出物及び浸出物について,それらのばく(曝)露用量と関連した毒性データが知られており,

そのばく(曝)露ルート及びばく(曝)露頻度において適切な安全許容範囲内である場合,更なる試験実

施の必要性は最小限か又は不必要であろう。既知の化学物質の混合物が機器から浸出する場合,それらの

化学物質のあり得る相乗作用を考慮することが望まれる。

リスク評価の結果として,材料の特定を更に実施することが必要だという結論になるかもしれない。例

えば,ある特定の化学物質の総量が浸出したと仮定したとき,妥当な安全係数を確保できないと認められ

たような場合である。そのような場合には,臨床でのばく(曝)露を模擬した適切な抽出試験によって,

当該化学物質の臨床でのばく(曝)露の程度を見積もることができる。浸出する物質のレベルが許容でき

るかどうかは,ISO 10993-17 に基づいて決定する。

製造,滅菌,輸送,貯蔵及び使用の条件下で分解が起こる可能性がある場合は,ISO 10993-9ISO 10993-13

ISO 10993-14

及び ISO 10993-15 に基づいて,分解物の有無及びその性質を調べる。

6.2

生物学的評価試験

6.2.1

一般

全ての妥当な,かつ,現実に入手可能な情報を評価し,当該機器の生物学的安全性を評価するために必


10

T 0993-1

:2012

要なデータセットと比較する(箇条 及び

附属書 参照)。リスク評価を行うために要求されるデータセ

ットを充足するために必要な追加データを特定する。

いかなるインビボ試験でもそれを考慮する場合は,ISO 10993-2 を適用する。次のいずれかに該当する

場合は,インビボ試験を実施してはならない。

1)

これまでに実施された関連試験から結果が得られる場合

2)

それが安全に使用されたという経験を含め,既存の前臨床及び臨床データが生物学的評価の要求事

項に合致し,更なる動物試験を行うのは非倫理的だと考えられる場合。材料が以前に使用された場

合,データを生物学的評価に使うことが妥当かを評価するには,ヒストリカルデータの信頼性のレ

ベルを考慮しなければならない。ISO 10993-18 の Annex C には,毒性学的同等性を判断するための

原理が情報として示されている。

総合的リスクマネジメントのプロセスの一部として医療機器の生物試験を実施することが必要と考えら

れる場合,箇条 に規定している一般原則に加えて,次の事項を適用する。

a)

試験は,滅菌済み最終製品,最終製品から採取した代表的試料又は最終製品と同じ方法(滅菌も含む。

で処理された材料から採取した代表的試料,のいずれかによって実施する。

b)

試験方法の選択には,次の事項を考慮する。

1)

通常の意図された使用目的において,医療機器への人体のばく(曝)露又は接触の性質,程度,期

間,頻度及び条件。

2)

最終製品の化学的及び物理的性質。

3)

最終製品の配合・処方中の化学物質の毒性学的活性。

4)

浸出物の存在が無視できるか,又は浸出物が既知であり,その毒性があらかじめ受容できるもので,

ISO 10993-17

及び JIS T 14971 によるリスクアセスメントに従って評価したとき安全に使用可能と

評価できる場合は,ある種の試験(例えば,全身性作用を評価するように計画されたもの。

)は,適

用しなくてもよい。

5)

医療機器の表面積とレシピエント(適用患者)の身体の大きさとの関係。

6)

文献,経験及び非臨床試験に基づく既存の情報。

7)

該当する生物学的評価データセットとの関連で考慮しなければならない当該試験の感度及び特異

性。

8)

“ヒトをまも(護)ること”がこの規格の主要な目標であり,副次的な目標は,動物の福祉を保証

し,実験動物の数及びばく(曝)露を最小にすることである。

c)

医療機器の抽出物を調製する場合,使用する溶媒及び抽出の条件は,最終製品の性質及び使用に沿っ

たものが望ましい。また,当該試験方法の予見性(試験の目的,原理,感度,特異性など)において

も適したものが望ましい(ISO 10993-12 参照)

d)

それが妥当な場合,陽性対照及び陰性対照を使用するのが望ましい。

生物学的評価に用いる試験方法は鋭敏であり,精確であり,正確でなければならない。

全ての試験は,できるだけ最新かつ有効な,最良の実験室手順又は品質手順[例えば,GLP(Good

Laboratory Practice)又は ISO/IEC 17025]に従って実施するのが望ましい。

試験結果は,実験室内でも実験室間でも再現性があり,頑健であるのが望ましい。

6.2.2

試験について

6.2.2.1

一般

当該医療機器の生物学的評価に必要とされるデータセットを完結するために必要な場合は,6.2.2.2


11

T 0993-1

:2012

6.2.2.15

に規定した評価のための試験を考慮し,実施しなければならない。既存データが適切な場合は,

追加試験の実施は必要ない(

附属書 参照)。

医療機器は多様であるので,当該機器について,該当するカテゴリで規定した全ての試験が必要である

とは限らない。また,そうすることが実際的であるとも限らない(JIS T 14971 参照)

。試験を実施するに

ついては,それぞれの機器をその固有の価値に基づいて考えることが必要である。

表 A.1 に示していない追加試験が必要なこともあり得る(例  生体内分解試験,トキシコキネティクス)。

6.2.2.2

細胞毒性

医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物によって引き起こされる細胞の融解(細胞死)

,コロニー形成

及び細胞増殖の阻害並びにその他の細胞に対する作用を評価するために,細胞培養技術を用いた細胞毒性

試験を用いる(ISO 10993-5 参照)

6.2.2.3

遅延型過敏症(感作性)

医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物の接触感作性を評価するために,適切な動物モデルによる感

作性試験を用いる(ISO 10993-10 参照)

たとえ僅かな量の感作性浸出物へのばく(曝)露又は接触であっても,アレルギー又は感作反応が起こ

り得るので,感作性試験は重要である。

6.2.2.4

刺激性(皮内反応試験を含む)

医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物の刺激性を評価するために,皮膚,眼及び粘膜などの適切な

部位に適用する適切な実験モデルを用いた刺激性試験を用いる。試験は,適切なばく(曝)露ルート(皮

膚,眼,粘膜)及びばく(曝)露又は接触期間で実施する(ISO 10993-10 参照)

皮内反応は,医療機器の抽出物に対する組織の局所的な反応を評価するために用いるものとする。皮膚

又は粘膜への試験によって刺激性を評価することが適切でない場合に

(例えば,

埋植機器,

血液接触機器)

これらの試験が適用できる。

この試験は,また,抽出物が疎水性である場合にも有用であろう(ISO 10993-10 参照)

6.2.2.5

全身毒性(急性毒性)

医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物への,24 時間未満の期間における単回又は複数回のばく(曝)

露による潜在的有害作用を評価するために,

動物モデルを使った全身毒性試験を用いる。

これらの試験は,

医療機器の接触によって有毒な浸出物及び分解生成物が人体に吸収される可能性がある場合に用いられる

ISO 10993-11 参照)

発熱性物質試験は,医療機器又は材料の抽出物の材料由来の発熱作用を検知するために,全身毒性試験

の一部として含まれている。単一の試験で,材料由来の発熱反応をエンドトキシン汚染による発熱反応と

識別することはできない。

技術的に可能であれば,全身毒性試験を,亜急性及び亜慢性毒性試験プロトコル,及び埋植試験プロト

コルと一体化させてもよい。

6.2.2.6

亜急性及び亜慢性毒性

医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物への,24 時間以上であって,実験動物の寿命の 10 %以下(例

えば,ラットでは 13 週まで。

)の期間における,単回又は複数回のばく(曝)露若しくは接触による作用

を評価するために,亜急性及び亜慢性毒性試験を実施するものとする。

問題とされる材料の慢性毒性データが入手でき,それが亜急性及び亜慢性毒性を評価するために十分で

ある場合は,亜急性及び亜慢性毒性試験の実施は差し控えなければならない。その場合,省略した理由を

総合評価報告書に記載しなければならない。接触ルート及び期間は,適切でなければならない。


12

T 0993-1

:2012

亜急性及び亜慢性毒性試験については,ISO 10993-11 を参照する。

技術的に可能な場合は,亜急性及び亜慢性全身毒性と局所影響とを評価するために,亜急性及び亜慢性

全身毒性試験プロトコルに埋植試験プロトコルを含むように拡張してもよい。

6.2.2.7

遺伝毒性

医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物によって引き起こされる遺伝子突然変異,染色体の構造及び

数の変化並びに他の DNA 又は遺伝子への毒性を評価するために,哺乳類若しくは非哺乳類の培養細胞,

又はその他の技術を利用した一連のインビトロ遺伝毒性試験を用いるものとする。

インビトロ試験結果のいずれかが陽性であった場合は,インビボの変異原性試験を実施するか,又は当

該材料は変異原性であるという推定を下すものとする(ISO 10993-3 参照)

6.2.2.8

埋植試験

材料又は最終製品試料を,その医療機器の意図する適用方法(例えば,特別な歯科使用模擬試験)に見

合った埋植部位又は組織へ外科的に埋植又は留置したときに,それら試料が周囲生体組織に与える局所的

病理学的影響を肉眼及び顕微鏡的レベルで評価するために,埋植試験を用いるものとする。これらの試験

は,適切な接触ルート及び期間で実施しなければならない。

技術的に可能な場合は,全身性及び局所影響の両方を評価するために埋植試験プロトコルを,急性,亜

急性,亜慢性及び慢性毒性試験の要件に適合するように拡張してもよい(ISO 10993-6 参照)

6.2.2.9

血液適合性

血液と接触する医療機器又は材料が血液又は血液成分へ与える影響を評価するために,適切なモデル又

はシステムを用いた血液適合性試験を用いるものとする。

一つの血液適合性試験としての溶血性試験は,医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物によって引き

起こされる赤血球の溶解の程度及びヘモグロビンの放出をインビトロで測定するものである。

臨床適用における医療機器又は材料の形状,接触条件及び流体力学を模して,血液と材料又は機器との

相互作用を調べるために,その他の特別な血液適合性試験を立案してもよい(ISO 10993-4 参照)

6.2.2.10

  慢性毒性

慢性毒性試験は,医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物の,単回又は複数回のばく(曝)露による

実験動物の全寿命の大半(例えば,ラットでは通常 6 か月)の期間の影響を調べるために用いるものとす

る。これらの試験は,適切なばく(曝)露又は接触ルート及び期間で行わなければならない(ISO 10993-11

参照)

技術的に可能な場合は,慢性全身影響及び局所影響の双方を評価するために,慢性全身毒性試験プロト

コルを埋植試験プロトコルを含むように拡張してもよい。

6.2.2.11

  発がん(癌)性

他の情報源からの情報が全くない場合は,機器又は材料の発がん(癌)性試験実施を考慮するものとす

る。しかし,医療機器において適切と思われる発がん(癌)性試験は希である(ISO 10993-3 参照)

。発が

ん(癌)性試験は,実験動物のほぼ寿命に匹敵する期間における,医療機器,材料及び/又はそれらの抽

出物の,単回又は複数回のばく(曝)露又は接触による,腫瘍形成性を調べるのに用いるものとする。こ

れらの試験は,適切なばく(曝)露又は接触ルート及び期間で行うことが望ましく,生涯ばく(曝)露試

験又はトランスジェニック・モデルが適切であろう。これらの試験は,一つの試験で慢性毒性及び腫瘍形

成性の両方を調べるように計画してもよい。

6.2.2.12

  生殖及び発生毒性

生殖及び発生毒性試験は,医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物の,生殖機能,はい(胚)発生(催


13

T 0993-1

:2012

奇形性)及び胎児発育並びに新生児発育への潜在的効果を評価するのに用いるものとする。生殖/発生毒

性試験又はバイオアッセイは,医療機器が使用患者の生殖性に対して潜在的な影響をもつ場合にだけ実施

する。さらに,妊娠期間中に使用される機器/材料については,これらの試験を考慮することが望ましい。

医療機器の適用部位が,試験を実施するかどうかを検討する場合の主な判断基準である。生殖及び発生毒

性試験方法は,ISO 10993-3 に規定されている。

6.2.2.13

  生体内分解

生体内分解性試験は,次のいずれかの場合に考慮するものとする。

a)

当該機器が生体内分解性として設計されている場合。

b)

当該機器が 30 日以上の期間体内に埋め込まれるように意図されている場合。

c)

当該材料系について,人体に接触する間に毒性物質が放出されるかもしれないという幅広い認識があ

る場合。

分解速度に影響を与えるパラメータを記述し,文書化しなければならない。

生体内分解の機構を説明することが望ましい。分解物へのばく(曝)露を見積もるためには,分解速度

及び潜在的毒性化学物質の放出を調べるためのインビトロ試験は,分解機構を模擬したものであることが

望ましい。材料の生体内分解を評価するためにインビボ試験も要求される場合がある。

生体内分解試験は,次のいずれか一方に該当する場合は,実施する必要はないであろう。

1)

分解産物が確かであり,その生成量は予測でき,それらが臨床的に安全に使用されていた実績のあ

るものと同等の速度で生成される場合。

2)

分解産物が微粒子であり,それらの粒子分布及び形状の物理的様相は,臨床的に安全に使用されて

きた実績があるものと同等であるか,又は既存の使用目的における物質及び分解生成物に関連した

十分な分解性データと同等である場合。

生体内分解試験の一般的枠組みについては,ISO 10993-9 に規定されている。

ポリマー,セラミックス及び金属に特異的なインビトロ生体内分解試験については,それぞれ ISO 

10993-13

ISO 10993-14 及び ISO 10993-15 に規定されている。

6.2.2.14

  トキシコキネティクス試験

トキシコキネティクス試験を実施する目的は,有毒であることが知られている化学物質又は毒性が不明

な化学物質について,吸収,分布,代謝及び排せつ(ADME)を評価することにある。また,この試験は,

生理学的速度論(PBPK)モデルを用いての健康ハザードアセスメントのために標的臓器への分布用量を調

べるのにも有用である。試験結果について,性,年齢,種及び用量/ばく(曝)露量を超えて外挿するこ

とは可能であるが,

それは専門家によって判断される必要があり,

外挿についてよく説明する必要がある。

医療機器,材料及び/又はそれらの抽出物の浸出物及び分解産物の ADME を調べるためにインビボのト

キシコキネティクス試験が必要か否かは,インビトロ生体内分解性試験の結果に照らして考慮しなければ

ならない(6.2.2.13 及び ISO 10993-16 参照)

医療機器の生物学的評価の一環としてトキシコキネティクス試験を実施するか否かを決定するのに当た

って,当該機器の使用目的との関連において,当該製品とその成分化学物質(その中には,潜在的な分解

生成物及び浸出物,並びにあらかじめ設計された分解生成物及び浸出物も含まれる。

)の全てを考慮するも

のとする(6.2.2.13 参照)

それが適切な場合は,トキシコキネティクス試験を実施する前にインビトロ実験(例えば,生体組織,

ホモジネート又は細胞)の手段によって理論的分解過程を調べなければならない。これは何も ISO 10993-2

に示した動物愛護の理由によるだけでなく,ありそうな(possible)分解生成物よりもむしろ,可能性の高


14

T 0993-1

:2012

い(probable)分解生成物を明らかにするためでもある。

次のいずれかに該当する場合,トキシコキネティクス試験を考慮する。

a)

当該機器が生体吸収性として設計されている場合。

b)

当該機器は長期埋植機器であって,生体内で分解すること又は明らかな腐食が知られているか予想で

きる場合,及び/又は,当該機器からの浸出物の移行が起こる場合。

c)

臨床で使用される間に当該機器から体内へ,かなりの量の毒性又は反応性の分解生成物及び浸出物が

放出されることがあり得るか,又は知られている場合。

トキシコキネティクス試験は,次のいずれかに該当する場合には要求しない。

a)

その特定の機器又は材料からの分解産物及び溶出/浸出物の(実測又は予測)放出速度から,その臨

床使用におけるばく(曝)露レベルは,かなりの実績上の経験を参考にして,安全レベルにあると判

断できる場合。

b)

当該分解産物及び浸出物について,十分な毒性データ又はトキシコキネティクスデータが既に存在す

る場合。

金属,合金及びセラミックスからの浸出物及び分解生成物の放出は,通常,あまりに少ないので,それ

らが当初から生体内分解性としての材料設計をしていない限り,トキシコキネティクス試験を実施するこ

とは正当化されない。

分解生成物及び浸出物のトキシコキネティクス試験のデザインは,ISO 10993-16 に規定している。

6.2.2.15

  免疫毒性

ISO/TS 10993-20

は,特に医療機器についての潜在的な免疫毒性についての概要を提供している。免疫

毒性試験は,製造材料の化学的性質及び免疫毒性影響を示唆するような情報源からのデータに基づいて考

慮する。化学物質の免疫原性の強さが不明の場合には,免疫毒性試験実施を考慮する。

7

生物学的評価データの説明及び生物学的安全性の総合評価

必要とされる知識及び経験のある専門的評価者が,次の事項を決定し,文書化しなければならない。

a)

当該医療機器の生物学的評価についての戦略及び計画内容

b)

リスクマネジメント計画に沿って,当該材料がその使用目的において許容できるかどうかを決定する

基準

c)

材料特定の適切性

d)

試験選択/省略の論拠

e)

既存データ及び試験結果の説明

f)

生物学的評価を完全にするための追加データの必要性について

g)

当該医療機器についての総合的生物学的安全性の結論

附属書 には,個々の機器及びカテゴリについて考慮すべき一般的評価試験を示している。

医療機器は多様であるので,どんな機器についても当該カテゴリで定められた全ての試験が必要である

とか,また,そうすることが実際的であるとは限らない。試験を実施するかについては,それぞれの機器

をその固有の価値に基づいて考えることが必要である。


15

T 0993-1

:2012

附属書 A

参考)

生物学的評価試験

表 A.1 は生物学的評価プログラムを展開するための骨子であるが,試験実施の照合表ではない(箇条 6

参照)

。特定の医療機器では,この表とは異なる組合せの試験が必要となる可能性,この表に示す以上又は

それ以下の試験が必要となる可能性があり得る。医療機器の接触部位及びばく(曝)露期間に基づき行わ

れるリスク評価によって,この表で設定される試験の組合せに加えて,慢性毒性,発がん(癌)性,生体

内分解性,トキシコキネティクス,免疫毒性,生殖/発生毒性及びその他の臓器特異的な毒性についての

評価も考慮する。

表 A.1−念頭に置くべき評価試験

医療機器のカテゴリ

生物学的作用

身体接触の性質

5.2 参照)

カテゴリ

接触部位

接触時間(5.3 参照)
A−一時的 
(24 時間以内) 
B−短・中期的 
(24 時間超え 30 日
以内) 
C−長期的(永久) 
(30 日を超える)

細胞毒

感作

刺激性


内反応

全身毒

急性)

亜急性


( 亜

慢 

毒 
性 

遺伝


埋植

血液

適合

A

B

皮膚

C

A

B

粘膜

C

A

B

表面接触機

損傷表面

C

A

B

血液流路

間接的

C

A

B

組織,骨,

歯質

C

A

B

体内と体外
とを連結す
る機器

循環血液

C

A

B

組織,骨

C

A

B

体内植込み
機器

血液

C

注記  ○印は,リスク分析の基礎となる生物学的安全性評価に必要とするデータエンドポイントを表している。既存

のデータが妥当である場合には,追加試験は必要でない。


16

T 0993-1

:2012

附属書 B

参考)

リスクマネジメントプロセスの指針

B.1

  概要

この附属書は,

製造販売業者が医療機器に関連する生物学的ハザードを特定し,

そのリスクを見積もり,

評価し,これらのリスクを制御し,その制御の効果をモニターできる,連続的なプロセスについて説明す

る。

B.2

  リスクマネジメントプロセス

B.2.1

  一般

表 A.1 は,生物学的リスク評価を実行するに当たり,文献レビュー,臨床経験及び試験実施によって取

り組むべき問題分野を特定するために使用するとよい。特定された生物学的ハザードによってもたらされ

るリスクを評価する。医療機器の生物学的安全性評価とは,ハザードを特定し,既知のハザードのリスク

をよりよく見積もるために,ケースバイケース・ベースで計画される戦略である。試験の戦略には,試験

選択/省略の論拠を含める。全ての生物学的ハザードを考慮し,関連するリスクを評価及び制御している

ことを明示する生物学的安全性評価のために,試験選択/省略の論拠は明確で,簡潔で,論理的で科学的

論拠に基づいたものとする。

JIS T 14971

に規定されるリスクマネジメントプロセスに基づき,医療機器及びそれらの材料の生物学的

評価は次の要素で構成する。

B.2.2

  リスク分析

B.2.2.1

  使用目的/機器の特性

使用目的及び機器の特性は,次による。

a)

それぞれの材料又は機器及びその使用目的,並びにその合理的に予測できる誤使用を明らかにする。

b)

それぞれの材料又は機器の物理的及び化学的特性を示す。

B.2.2.2

  生物学的ハザードの特定

生物学的ハザードの特定は,次による。

a)

材料,添加物,加工助剤,及び他の潜在的な浸出物からのハザードを特定する。

b)

化学物質が介在するハザードを特定する。

−  構成材料についての毒性データ

−  用量反応関係

−  毒性の性質

c)

化学物質が介在しないハザードを特定する。

B.2.2.3

  ばく(曝)露評価

ばく(曝)露評価は,次による。

a)

浸出物の放出の速度及びパターン

b)

物理的形状

c)

患者のばく(曝)露量(総量又は臨床的有効量)の見積り

B.2.2.4

  リスク推定


17

T 0993-1

:2012

リスク推定は,次による。

a)

材料,添加物,加工助剤,及び他の潜在的な浸出物についての使用実績に関わる情報

b)

生物学的評価からのデータ

c)

臨床試験及び臨床経験からのデータ

d)

ハザードの特定及びばく(曝)露評価からのリスクの見積り

B.2.2.5

  リスク評価

リスク評価は,次による。

a)

見積もったリスクを,

(リスクマネジメント計画において事前に設定した)許容基準と比較して評価す

る。

b)

リスクコントロールが必要であるかどうかを決定する。

B.2.2.6

  リスクコントロール

リスクコントロールは,次による。

a)

リスクの低減方法の選択肢の検討

b)

実行可能性を含む選択肢の分析

c)

リスクコントロール対策の実施

d)

残存リスクの評価及びリスクコミュニケーション

e)

効用の評価

f)

リスク/効用の分析

g)

他に発生しているハザード−抑制対策によるハザード発生

h)

リスクコントロールの完了

B.2.3

  残存リスク及び効用の総合評価

残存リスク及び効用の総合評価は,次による。

a)

(リスクマネジメント計画において事前に設定した)許容基準と比べて,見積もった総合的な残存リ

スクを評価する。

b)

総合的なリスクの許容性

c)

総合的な効用の評価

d)

総合的なリスク/効用の分析

B.2.4

  生物学的評価報告書

生物学的評価報告書は,次による。

結果を報告書として文書化する。

B.2.5

  製造後の情報

製造後の情報は,次による。

a)

製造後の経験を文書化する。

b)

リスクマネジメント実績についての批判的検討(レビュー)を行う。

B.3

  試験及び試験報告書

JIS T 14971

の論理に従えば,生物学的リスクの評価において,既存のデータから特定されたリスクが許

容できると結論付けられる場合は,追加的試験は不要である。そうでない場合は,追加情報を得る。

追加的試験は,それが結論に達することの助けとなると判断できる場合にだけ実施するのがよい。すな

わち,試験を行うための論拠は,既存データからの関連リスクの分析に基づくことが望ましい。


18

T 0993-1

:2012

試験報告書には,証拠の説明,試験結果の評価及びそれらの許容性に関する定性的評価を含むことが望

ましい。

結論を導くに至る諸要因を,それぞれの判断に対する簡潔で正確な論拠,各決定に内在するあらゆる不

確定要因に対する説明とともに十分考察することが不可欠であり,そのような考察を示さなければならな

い。

B.4

  生物学的評価の報告書

専門的評価者は,入手可能な情報が生物学的安全性評価の目的を満たすために十分であるかを検討し,

十分であるなら,どのようにして安全だという結論に達したかを文書化しなければならない。

生物的評価報告書には,

−  総括的評価結果の概要を含める。

−  リスク分析及びリスクコントロールが完結していることを確認する。

リスクマネジメントの報告書は,リスクマネジメントのために選任され,責務及び権限を与えられた者

が承認する。

B.5

  結論

適切なリスクマネジメントプロセスの一部分として ISO 10993 規格群を使用することは,生物反応の評

価の過程において科学的妥当性を提供し,動物の倫理的な使用のために適切な規定を設け,医療機器の生

物学的安全性に関して,より大きな安心を公衆に提供するものである。


19

T 0993-1

:2012

附属書 C 

参考)

推奨する文献レビューの手順

C.1

  一般

医用材料及び医療機器の生物学的評価において,その実施の妥当性判断及び評価計画の作成に当たり,

文献レビュー及びその評価が必須である。文献レビューの目的は,当該生物学的評価の科学的背景を構築

することにある。また,文献レビューは,リスク及び効用の評価のため,計画した評価を実施するに当た

り ISO 10993-2 が規定した倫理性を達成する上で,必須の情報を提供するものである。

注記  文献レビューは,当該医療機器が生物学的に安全であることを示すために,関連データが文献

から十分入手可能であり,更なる試験の実施は必要ないと決定するか,又は入手データでは不

十分であると結論を導くのに役立ち得る。

文献レビューは科学的行為であり,厳密性,客観性及び第三者による検証に耐える必要がある。

C.2

  手順

C.2.1

  概要

文献レビューを行う前に,入手できる全ての試験並びにデータを特定,選択,照合及びレビューする計

画を作成するのがよい。この計画を文書化し,認知された科学文献の系統的レビュー方法に基づいて行う

ことが望まれる。

C.2.2

  目的

文献レビューの目的を明瞭に定める。当該材料及び機器について既に確立した知識を全て考慮した上で,

上記目的にかなった試験の種類を特定するとよい。

C.2.3

  文書の選択基準

データの選択又は除外基準は,十分な論拠の基に設定しなければならない。公表データは,一般に認知

された科学的出版物から抽出する。また,出版バイアスを避けるために,未公表の関連データで入手でき

るものは,全て考慮の対象にするのがよい。全てのデータは引用できるようにする必要がある。

文献レビューにおいては,文献及びデータの出所,データベース又は他の編さん(纂)情報で調査対象

にした範囲を記載しなければならない。

C.2.4

  文書の評価

文献レビューにおいては,機器の目的用途を考慮した上で,文献の質,並びに文献が当該材料及び機器

の特徴並びに素性に関連する程度を,明確に評価する必要がある。

具体的には次の事項を考慮しなければならない。

a)

技術内容,主要性能,設計及び動作原理に基づいた考察を行い,当該機器と選択した文書中の機器と

の間で同等性が示されており,文献が適用できる内容を(適切に)評価できるかどうか。

b)

選択された文献中の試験に用いられた特定の実験動物が,当該機器の生物学的評価に適切であるかど

うか。

c)

選択された文書中の材料又は機器の使用条件と当該機器の使用目的との関係。

C.2.5

  文献の批判的評価

文献レビューにおいては,試験デザインの異なる試験,及び公開/未公開データ間の意味合い並びに重


20

T 0993-1

:2012

み付けを評価しなければならない。未公表データが評価に含められる場合には,それらのデータがもつ意

味合いを文献レビューで明らかにする必要がある。

考慮すべき要素としては,次の事項が挙げられる。

−  著者の結論が,得られたデータで裏付けられているかどうか。

−  文献内容が現時点の医療実態及び最新技術を反映したものかどうか。

−  引用文献が一般に認知された科学的出版物から抽出され,それらは査読付き(ピアレビュー)ジャー

ナルに掲載されていたものかどうか。

−  発表された文献内容が,科学的な原理に基づいた試験結果をどの程度反映させたものなのか。

文献レビューには,文献を批判的に評価した内容を含める。文書を入手・評価した後に,適用した選択基

準,及び重要な評価から除外した全ての文書の除外基準が妥当であったかを,明らかにしなければならな

い。これで当該医療機器及びその使用目的に関わる文献レビューは完了するが,次の構成内容から成る文

献レビュー報告書を作成する必要がある。

a)

当該材料又は機器の簡潔な説明(使用目的を含む。

b)

選択した全ての文献及びデータの解析(有利なもの,不利なもの両方を含む。

c)

有害性,随伴するリスク,及び適切な安全対策の批判的な評価。

d)

異なる文献の重み付け方法についての記載(特に,同一著者によって繰り返し論文出版がある場合に

は,同一試験が過大に重み付けされないように特別な注意を払う。

e)

評価において適切に論文引用がなされたことを示す引用文献のリスト。

f)

結論−その妥当性も示す。次の事項を含まなければならない。

製造販売業者が意図する用途における機器の使用から得られる健康利益を,使用上発生し得る障害

及び疾患のリスクと比較しての評価(

“最新技術”レベルを考慮して)

。結論では,文献レビューの目

的がどの程度達成されているかを明らかにするとともに,安全性及び性能に関連する全ての側面をカ

バーする証拠に何らかの不足がある場合には,その不足の内容を特定する必要がある(文献レビュー

の結果に基づき,改めての試験が実際に必要と考えられた場合には,結論にはそのような試験の目的

及び試験デザインの詳細を記載する必要がある。

g)

文献レビューを行った人(達)の署名及び日付


21

T 0993-1

:2012

附属書 D 

参考)

参考文献

[1]  ISO 7405,Dentistry−Evaluation of biocompatibility of medical devices used in dentistry

[2]  ISO 9000,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary

[3]  ISO 9001,Quality management systems−Requirements

[4]  ISO 9004,Managing for the sustained success of an organization−A quality management approach

[5]  ISO 13485,Medical devices−Quality management systems−Requirements for regulatory purposes

[6]  ISO/IEC 17025,General requirements for the competence of testing and calibration laboratories

[7] Chemical

Testing:  OECD Guidelines for the Testing of Chemicals−Section 4: Health Effects

[8]  厚生労働省令第三十七号  医療機器の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令  平成十

七年三月二十三日

[9]  厚生労働省令第百十五号  医療機器の安全性に関する非臨床試験の実施の基準に関する省令(平成十七

年厚生労働省令第三十七号)の一部を改正する省令  平成二十年六月十三日

[10] USA, GLP reference in the Federal Register


22

T 0993-1

:2012

附属書 JA

参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS T 0993-1:2012

  医療機器の生物学的評価−第 1 部:リスクマネジメントプロセス

における評価及び試験

ISO 10993-1:2009

  Biological evaluation of medical devices−Part 1: Evaluation

and testing within a risk management process

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国 際 規

格番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

1  適用範囲

1

JIS

と同じ

一致

2  引用規格

2

JIS

と同じ

一致

3  用 語 及 び
定義

3

JIS

とほぼ同じ

変更 3.1 及び 3.3  ISO 規格では

“製

造業者(manufacturer)”と記述
されているが,JIS は“製造販
売業者”とした。

医療機器に関する JIS であるこ

とから,薬事法上の用語に統一し
た。

4  医 療 機 器
の 生 物 学 的

評 価 に 適 用
さ れ る 一 般
原則

4

JIS

とほぼ同じ

変更 4.3

c)

この規格で“浸出物”と

表記した“leachable substances”

及び“leachables”の説明を注
記として加えた。 
 
4.3  最終節  インプラント機器
のリスク評価における局所毒
性評価を努力目標的規定“望

ましい(should)

”とせず,JIS

は“しなければならない”と
して,医療機器評価の本質を

表した。

ISO

規 格 の 引 用 規 格 ISO 

10993-17

に忠実に用語の説明を

加えた。実質的な差はない。 
 

ISO

規格は“should”が使われて

いる。それを“…することが望ま
しい”とすると責任者の特定をし

なくてもよいとの誤解,又はイン
プラント機器の生物学的リスク
評価において局所影響を考慮す

ることを省略してもよいとの誤
解を招く可能性があるので,

“し

なければならない”とした。ISO

規格の主旨からみて実質的な差
はない。

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T

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-1


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T 0993-1

:2012

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国 際 規

格番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

4  医 療 機 器
の 生 物 学 的
評 価 に 適 用

さ れ る 一 般
原則(続き)

 4.7

c)  ISO 規格では“製造業

者(manufacturer)”と記述され
ているが,JIS は“製造販売業

者”とした。

医療機器に関する JIS であるこ
とから,薬事法上の用語に統一し
た。

5  医 療 機 器
の カ テ ゴ リ

5

JIS

と同じ

一致

6.1  材料の特定

6.1

JIS

と同じ

一致

6  生 物 学 的
評 価 の プ ロ
セス

6.2  生 物 学 的 評
価試験

 6.2 JIS とほぼ同じ

変更 6.2.1

2)

ヒストリカルデータ

の信頼性レベルの考慮に関し
て,努力目標的規定“望まし
い(should)

”とせず,JIS は“し

なければならない”とした。
 
 
 
 
6.2.1 d)  ISO 規格で,GLP 又
は ISO/IEC 17025 に従って試
験 を “ し な け れ ば な ら な い
(shall)

”と記述されているが,

“するのが望ましい”とした。

6.2.1 2)  は,ISO 規格の主旨から
みてこれらは努力目標的規定で
はなく規定であり,

“…すること

が望ましい”とすると省略又はし

なくてもよいとの誤解を招く可
能性があるので,

“…しなければ

ならない。

”とした。実質的な差

はない。 
 
我が国の薬事法では,規格の制定

されている医療機器認証品目の
生物学的安全性試験には,GLP
は適用されていないことから,こ

れらを必要要件にしないことと
した。

7  生 物 学 的
評 価 デ ー タ
の 説 明 及 び

生 物 学 的 安
全 性 の 総 合
評価

7

JIS

とほぼ同じ

変更

附属書 A の説明として,努力
目標的に考慮することが“望
ましい(should)

”ものとせず,

JIS

は考慮“すべき”ものとし

た。

ISO

規格の主旨からみて努力目

標 的 規 定 で は な く 規定 で あり ,
“考慮することが望ましい”とす

るとしなくてもよいとの誤解を
招く可能性があるので,

“考慮す

べき”とした。実質的な差はない。

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2


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(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国 際 規

格番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

附属書 A(参
考)生物学的
評価試験

Anne A

JIS

とほぼ同じ

変更

慢性毒性等,表 A.1 に記載の
ない毒性に関して,努力目標
的に考慮することが“望まし

い(should)”とせず,JIS は考
慮“する”とした。

ISO

規格の主旨からみてこれは

努力目標的規定ではなく規定で
あり,

“…することが望ましい”

とすると省略又はしなくてもよ
いとの誤解を招く可能性がある
ので,

“…する”とした。実質的

な差はない。

附属書 B(参
考)リスクマ

ネ ジ メ ン ト
プ ロ セ ス の
指針

Annex B

JIS

とほぼ同じ

変更 B.2.1

生物学的ハザードによ

りもたされるリスクの評価の

必要性,試験戦略立案におけ
る試験選択論拠の必要性及び
科学的論拠の必要性等に関し

て,努力目標的に“望ましい
(should)”とせず,JIS は“す
る”などと明確にした。 
B.3  リスクマネジメントプロ
セスにおける試験及び試験報
告書に含める考察について,

努 力 目 標 的 に “ 望 ま し い
(should)”と規 定せず ,JIS
は“しなければならない”と

し,考察のあり方を記載した。

B.4  リスクマネジメントプロ

セスにおける報告書における

結論の文書化及び記載すべき
事項を,努力目標的に“望ま

しい(should)

”と規定せず,

JIS

は“しなければならない”

及び“する”と明確にした。

ISO

規格の主旨からみてこれら

は努力目標的規定ではなく規定

で あ り ,“ … す る こ と が 望ま し
い”とすると省略又はしなくても
よいとの誤解を招く可能性があ

るので,

“…する。

“…しなけれ

ばならない。

”などとした。実質

的な差はない。

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2


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(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国 際 規

格番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

附属書 C(参
考)推奨する
文 献 レ ビ ュ

ーの手順

Annex C

JIS

とほぼ同じ

変更 C.1

文献レビューの要件とし

て挙がっている厳密性,客観
性などを“望ましい(should)

とせず,JIS は“必要がある”
とした。 
C.2.2  文献レビューの目的を
明瞭に定めることを“望まし
い(should)

”とせず,JIS は“定

める”とした。 
C.2.3  文献選択基準の設定,デ
ータの抽出元及び調査範囲の
記 述 に 関 し て ,“ 望 ま し い

(should)”とせず,JIS は“し
なければならない”及び“す
る必要がある”とした。 
C.2.4  文献レビューにおける
文書の評価に関し,考慮すべ
き事項等について,“望まし

い(should)

”とせず,JIS は“必

要がある”及び“しなければ
ならない”と明確にした。 
C.2.5  文献の批判的評価の手
順において,努力目標的に“望
ましい(should)

”とせず,JIS

は“しなければならない”及
び“必要がある”と明確にし
た。

ISO

規格の主旨からみてこれら

は努力目標的規定ではなく規定
で あ り ,“ … す る こ と が 望ま し

い”とすると省略又はしなくても
よいとの誤解を招く可能性があ
るので,

“…必要がある。

”などと

した。実質的な差はない。

 
 

25

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:2012

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国 際 規

格番号

箇条番号

内容

箇 条 ご と
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

附属書 C(参
考)推奨する
文 献 レ ビ ュ

ーの手順(続
き)

 C.2.5

f)  ISO 規格では“製造

業者(manufacturer)”と記述さ
れているが,JIS は“製造販売

業者”とした。

医療機器に関する JIS であるこ
とから,薬事法上の用語に統一し
た。

附属書 D(参

考)参考文献

Annex D

JIS

と同じ

一致

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 10993-1:2009,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

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T

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-1


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