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T 0921

:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。


T 0921

:2006

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  定義

1

3.

  点字表示に使用する材料

2

4.

  点字の表示原則

2

4.1

  点字の表示及びレイアウト

2

4.2

  墨字の併記表示

2

4.3

  点字の間隔及び断面形状

2

4.4

  点字の訂正

3

5.

  点字の表示方法

3

5.1

  手すり

3

5.2

  室・トイレ

5

5.3

  エレベータ

5

5.4

  自動販売機・自動サービス機

6

5.5

  現金自動預払機  (ATM)

6

 


   

日本工業規格

JIS

 T

0921

:2006

高齢者・障害者配慮設計指針−

点字の表示原則及び点字表示方法−

公共施設・設備

Guidelines for all people including older persons and persons with

disabilities-Methods of displaying braille sign-Public facility

序文  高齢者・障害者の社会参加が進んでおり,高齢者・障害者の安全かつ円滑に行動することを支援す

るため,“高齢者,身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律(ハートビル

法)

“高齢者,身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律(交通バリアフ

リー法)

”などが制定され,視覚障害者の分野では,視覚障害者誘導用ブロック,音響信号機,点字表示・

音声案内などの環境整備が進められている。

点字表示は,視覚障害者が自由に行動するための情報伝達を行うもので,社会的自立を支援する重要な

役割を果たしているが,点字の間違い及び不適切な表示があること,表示位置が統一されていないことな

どの問題点が指摘されている。この規格は,これらの問題点を解決するため,社会福祉法人日本盲人社会

福祉施設協議会が,平成 14 年 5 月に公表した“視覚障害者の安全で円滑な行動を支援するための点字表示

等に関するガイドライン”を参考にして,点字表示の使用方法の標準化を図ったものであり,視覚障害者

などの生活自立,社会参加及び安全性の向上に資するものである。

1.

適用範囲  この規格は,視覚障害者が,公共施設・設備(乗り物などを含む。)及び公共的空間を利用

し移動する場合,安全,かつ,円滑に行動できるために,施設・設備の利用・操作方法などの情報伝達手

段として用いる点字の表示原則及び点字表示方法について規定する。

この規格は,次の公共施設・設備に適用する。

a)

階段・スロープ・通路の手すり,室・トイレの出入口,触知案内図・点字案内板などの点字表示

b)

エレベータ,自動券売機・自動販売機,現金自動預払機 (ATM) などの操作方法の点字表示

2.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

点字表示  視覚障害者が読む文字に代わる符号による表示。

b)

触知  点字,触知案内図などに手指で触れて認知すること。

c)

触知案内図  案内図,レイアウト図などに使用される図形,記号などの表示を凸表示したもの。

d)

墨字  点字に対して,鉛筆,ペンなどで書いたり,印刷した文字。

e)

触読性  点字,触知案内図などに手指で触れた場合の認知のしやすさ。

f)

マス  縦 3 点,横 2 点の組合せで構成された点字の単位。


2

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3.

点字表示に使用する材料

a)

点字表示に使用する材料は,触読性が良好で手指を傷つけない表面形状になるものとする。

b)

点字表示に使用する材料は,長期間の使用によって著しい劣化及び破損をしないものとする。

c)

点字表示に使用する材料は,外的熱環境が原因となって手指で触れられないほどの高温又は低温にな

らないようなものとする。

4.

点字の表示原則

4.1

点字の表示及びレイアウト  点字の表示及びレイアウトは,次による。

a)

点字は,いずれの場所に表示する場合でも,左から右に触読できるように配置する。1 行のマス(ま

とまり)数が 40 マスを超えないことが望ましい。

b)

操作ボタンの点字の表示位置は,操作ボタンの位置の左側,又は上側が望ましい。操作ボタンの表面

には表示しない。

c)

点字表示の表記方法は,日本点字委員会が発行する“日本点字表記法”に基づいて正しく行う。

4.2

墨字の併記表示  点字と併記する墨字は,素地に対して色のコントラストのはっきりした見やすい

書体を用い,文字の大きさは表示の目的によって定める。墨字は,点字と重ならないようにすることが望

ましい。

4.3

点字の間隔及び断面形状  点字の間隔及び断面形状は,通常,図 及び図 とする。

a)

図 に定める点字の間隔 abpは,表 のとおりとする。については,の値の 0.1 mm ごとに表

2

のように定める。

b)

点字の断面形状は,

図 のとおりとする。

a

:1-2 点間,2-3 点間

b

:1-4 点間

p

:1 マスの領域・横 1-1’点間

q

:1 行の領域・縦 1-1”点間

  1  点字の間隔


3

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  1  点字の間隔

単位  mm

中心間距離

2.2

∼2.5

2.0

∼2.5

5.1

∼6.3

11.0

 (

1

)

∼15.0

注(

1

)  a

が 2.2 mm から 2.3 mm の場合に限り,q

は 10.1 mm を下限値とすることができる。

  2  と との関係

b p

の範囲

2.0 5.1

∼6.0

2.1 5.2

∼6.1

2.2 5.4

∼6.2

2.3 5.6

∼6.3

2.4 5.8

∼6.3

2.5 6.0

∼6.3

単位  mm

d

:底面の直径

h

:点の中心の高さ

寸法

d 1.3

∼1.7

h 0.3

∼0.5

  2  点字の断面形状

4.4

点字の訂正  点字表示の内容が変更された場合には,速やかに訂正する。

5.

点字の表示方法

5.1

手すり  手すりの点字表示方法は,次による。

a)

点字は,手すりの長手方向と平行に表示することが望ましい。

b)

点字の行数は,3 行以内とする。

c)

断面が円形状の手すりで,点字の行数が 1 行の場合は,点字部分を手すりの真上より少し壁側に表示

し,3 行の場合は,3 行目が手すりの真上になるように表示することが望ましい。上部が平面状の手す

りの場合は,点字部分が平たん部からはみ出さないように表示する(

図 参照)。


4

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点字 1 行の場合

点字 2 行の場合

点字 3 行の場合

  3  手すりの点字表示例

d) 2

段手すりとなっている場合は,少なくとも上部の手すりに表示する。

e)

階段などに設置する手すりでは,階段手前の警告ブロックの延長線上の手すりの末端部に表示するこ

とが望ましい。

f)

建物内の階段では,現在階の階数及びフロアの情報を手すりの末端部に表示する。また,必要によっ

て現在階と行き先階を表示する。その場合,現在階を先に書き,改行し,行先を示す矢印の後に行先

階を表示する(

図 参照)。

  4  矢印の点字表示例

g)

駅構内・歩道橋など,移動を目的とする施設では,行き先情報を優先することが望ましく,説明文の

前に行き先を表す矢印を表示する。また,必要に応じて現在地情報も表示する。その場合,現在地を

先に書き,改行し,行先を示す矢印の後に行先地を表示する。

h)

室出入口の両側に手すりがある場合は,

両側にそれぞれ方向を示す矢印を添えて表示する(

図 参照)。


5

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  5  室出入口の点字表示例

5.2

室・トイレ  室・トイレの点字表示方法は,次による。

a)

墨字の室名表示とは別に触知案内図を設置する場合は,ドアノブ又は引戸取っ手がある壁側の高さ約

1.4 m

の位置に,ドアと壁の境の壁側に設置することが望ましい。墨字の室名表示と兼ねる場合は,

この限りでない(

図 参照)。

b)

ホテルなどの部屋番号については,アラビア数字に限り,点字表示の代わりに字形を浮き出させ,数

字,ドアとの色相及びコントラストを明確に表すことができる。

c)

トイレなどにおいては,入口付近の分かりやすい場所に触知案内図を設置する。

  6  室名の点字表示例

5.3

エレベータ  エレベータの点字表示方法は,次による。

a)

乗り場では,探しやすい位置に現在階を点字表示する。また,呼ボタンの左側に“ウエ”

“シタ”と表

示することが望ましい。ただし,ボタン形状が上若しくは下の方向を表す三角形,又は半円形の場合

は,

“ウエ”

“シタ”の点字表示はしなくてもよい。

b)

エレベータのかご内の操作ボタンが縦配列の場合は,ボタンの左側に表示する(

図 参照)。


6

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  7  エレベータの点字表示例

c)

かご内に横配列の操作ボタンしかない場合に限り,操作ボタンの上部に点字表示する。

d)

かご内の操作ボタンのうち“開”

“閉”

“非常呼”には,

“アケ”

“シメ”

“ヒジョー”の点字表示をす

ることが望ましい。

5.4

自動販売機・自動サービス機  自動販売機(自動券売機等)

・自動サービス機(自動精算機等)の点

字表示方法は,次による。

a)

操作可能なすべてのボタン,投入・取出口なども表示することが望ましい。

b)

点字の表示位置は,縦方向に並ぶ操作ボタンの場合はその左側,横方向に並ぶボタンの場合はその上

側が望ましいが,スペース上やむを得ない場合はこの限りではない(

図 参照)。

  8  自動券売機等の表示例

5.5

現金自動預払機  (ATM)  現金自動預払機 (ATM) は,現金,カード・通帳等の出し入れ口付近に点

字表示する。