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T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  略語,用語及び定義

2

3.1

  略語

2

3.2

  用語及び定義

3

4

  線量設定,線量実証及び滅菌線量監査のための製品ファミリーの定義及び維持

4

4.1

  一般

4

4.2

  製品ファミリーの定義

5

4.3

  検定線量試験又は滅菌線量監査に使用する製品ファミリーを代表する製品の指定

5

4.4

  製品ファミリーの維持

6

4.5

  滅菌線量の確立又は滅菌線量監査の不合格が製品ファミリーに及ぼす影響

6

5

  滅菌線量の確立及び滅菌線量検定のための製品の選択及び試験

7

5.1

  製品の性質

7

5.2

  分割試料  (SIP)

7

5.3

  サンプル採取の方法

8

5.4

  微生物試験

8

5.5

  照射

9

6

  線量確立の方法

9

7

  方法 1:バイオバーデン情報を用いる線量設定法

10

7.1

  理論的根拠

10

7.2

  平均バイオバーデンが 1.0 以上の複数製造バッチの製品に方法 を適用する手順

11

7.3

  平均バイオバーデンが 1.0 以上の単一製造バッチの製品に方法 を適用する手順

16

7.4

  平均バイオバーデンが 0.10.9 の複数又は単一製造バッチの製品に方法 を適用する手順

17

8

  方法 2:外挿係数決定のための累加線量照射によって得られる陽性率の情報を用いる線量設定法

17

8.1

  理論的根拠

17

8.2

  方法 2A の手順

18

8.3

  方法 2B の手順

21

9

  VD

max

法−滅菌線量としての 25 kGy 又は 15 kGy の実証

23

9.1

  理論的根拠

23

9.2

  複数製造バッチに VD

max

25

法を適用する手順

24

9.3

  単一製造バッチに VD

max

25

法を適用する手順

28

9.4

  複数製造バッチに VD

max

15

法を適用する手順

29

9.5

  単一製造バッチに VD

max

15

法を適用する手順

31

10

  滅菌線量監査

32


T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)  目次

(2)

ページ

10.1

  目的及び頻度

32

10.2

  方法 又は方法 を用いて確立した滅菌線量監査の手順

32

10.3

  VD

max

法を用いて実証した滅菌線量監査の手順

35

11

  実施例

39

11.1

  方法 の実施例

39

11.2

  方法 の実施例

41

11.3

  VD

max

法の実施例

48

11.4

  方法 を用いて確立した滅菌線量監査で滅菌線量の増加が必要となる場合の実施例

50

11.5

  方法 2A を用いて確立した滅菌線量監査で滅菌線量の増加が必要となる場合の実施例

51

11.6

  VD

max

25

法で実証した滅菌線量監査の実施例

52

参考文献

53


T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本医療機器学会(JSMI)及び財団法人日本規

格協会(JSA)から,日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労

働大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。厚生労働大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。

JIS T 0806

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

T

0806-1

  第 1 部:医療機器の滅菌プロセスの開発,バリデーション及び日常管理の要求事項

JIS

T

0806-2

  第 2 部:滅菌線量の確立

JIS

T

0806-3

  第 3 部:線量測定にかかわる指針


T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 T

0806-2

:2010

(ISO 11137-2

:2006

)

ヘルスケア製品の滅菌−放射線−

第 2 部:滅菌線量の確立

Sterilization of health care products

−Radiation−

Part 2: Establishing the sterilization dose

序文

この規格は,2006 年に第 1 版として発行された ISO 11137-2 (Corrected version)

を基に,技術的内容及び

対応国際規格の構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

この規格は,JIS T 0806-1 の 8.2.2 で規定する二つのアプローチのいずれかによって滅菌線量を確立する

のに用いる方法について規定する。これらのアプローチに用いられる方法は,次による。

a)

製品固有の滅菌線量を求めるための線量設定

b)

事前に選択した 25 kGy 又は 15 kGy の滅菌線量の実証

この規格は,JIS T 0806-1 の箇条 12 によって滅菌線量監査を行う方法についても規定する。滅菌線量の

確立後は,滅菌線量監査を定期的に実施して,その滅菌線量が必要な SAL を継続して達成していることを

確認する。

1

適用範囲

この規格は,あらかじめ定めた SAL を達成するのに必要な最低線量を決定する方法,SAL 10

6

を達成

するための滅菌線量としての 25 kGy 又は 15 kGy を実証する方法及び滅菌線量が継続して有効であること

を実証するための滅菌線量監査の方法について規定する。

また,線量確立及び線量監査のための製品ファミリーについても定義する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 11137-2:2006

, Sterilization of health care products − Radiation − Part 2: Establishing the

sterilization dose (IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致していること”

を示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む)

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む)を適用する。

JIS T 0806-1:2010

  ヘルスケア製品の滅菌−放射線−第 1 部:医療機器の滅菌プロセスの開発,バリ

デーション及び日常管理の要求事項


2

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

注記  対応国際規格:ISO 11137-1:2006,Sterilization of health care products−Radiation−Part 1:

Requirements for development, validation and routine control of a sterilization process for medical

devices (IDT)

ISO 11737-1

, Sterilization of medical devices− Microbiological methods− Part 1: Determination of a

population of microorganisms on products

ISO 11737-2

,Sterilization of medical devices−Microbiological methods−Part 2: Tests of sterility performed

in the validation of a sterilization process

3

略語,用語及び定義

この規格で用いる略号,用語及び定義は,JIS T 0806-1 によるほか,次による。

3.1

略語

3.1.1

A 

ffp

中央値を下方修正して FFP とするための線量。

3.1.2

CD*

線量設定法の方法 2 の検定線量試験で照射した 100 個の製品試料で個別に実施して得られた無菌性の試

験の陽性数。

3.1.3

d

*

あらかじめ定めた製造バッチから取り出した製品試料に実施した累加線量試験で得られた線量。

3.1.4

D*

製品試料に SAL 10

2

を与える初期推定線量値。

注記  通常,この値はあらかじめ定めた製品試料から導き出された三つの d*

値の中央値となる。

3.1.5

D**

製品試料に SAL 10

2

を与える最終推定線量値。滅菌線量の計算に用いる。

3.1.6

DD*

線量設定法の方法 2 の検定線量試験で得られた線量。

3.1.7

DS 

DD*

を照射した後の製品試料に存在する微生物の推定 D

10

値。

3.1.8

D

値,D

10

定められた条件下で,試験に用いる微生物数の 90

%を不活化するのに要する時間又は放射線量(ISO/TS 

11139

参照)

注記  この規格では,D

10

値は時間ではなく放射線量だけを適用する。


3

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

3.1.9

ffp (first fraction positive dose)

あらかじめ定めた製造バッチから取り出した製品試料に実施した一連の累加線量試験で,20 の無菌性の

試験中,少なくとも一つの試験が陰性となる最小線量。

3.1.10

FFP (First Fraction Positive dose)

20

の無菌性の試験中,19 が陽性となる推定線量。三つの ffp の中央値から を減じて算出する。

3.1.11

FNP (First No Positive dose)

製品試料に SAL 10

2

を与える推定線量。DS の計算に使用する。

3.1.12

VD

max

15

あらかじめ定めたバイオバーデンに対して,15 kGy の規定滅菌線量で SAL 10

6

の達成に相当する最大

検定線量。

3.1.13

VD

max

25

あらかじめ定めたバイオバーデンに対して,25 kGy の規定滅菌線量で SAL 10

6

の達成に相当する最大

検定線量。

3.2

用語及び定義

3.2.1

バッチ  (batch)

定められた製造プロセスで生産され,特性及び品質が均一であると意図し,又はみなすことができる定

められた量の製品(ISO/TS 11139 参照)

3.2.2

バイオバーデン  (bioburden)

製品及び/又は無菌バリアシステムの上又は内部に存在する生育可能な微生物群(ISO/TS 11139 参照)

3.2.3

偽陽性  (false positive)

製品試料又はその一部分が無菌性の試験で陽性を示し,その試験結果が外部からの微生物汚染に起因す

るもの又は懸濁が製品試料若しくはその一部分が培地との反応によって生じたもの。

3.2.4

陽性率  (fraction positive)

無菌性の試験の陽性数を分子とし,試験実施数を分母とした場合の商。

3.2.5

累加線量  (incremental dose)

滅菌線量の確立又は滅菌線量の確認のために製品試料又はその一部分に照射する一連の線量。

3.2.6

陰性無菌性の試験  (negative test of sterility)

無菌性の試験を実施した製品試料又はその一部分に,検出可能な微生物の生育を認めない試験。


4

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

3.2.7

包装システム  (packaging system)

滅菌バリアシステムと保護包装との組合せ(ISO/TS 11139 参照)

3.2.8

無菌性の陽性試験  (positive test of sterility)

無菌性の試験を実施した製品試料又はその一部分に,検出可能な微生物の生育を認めるかの試験。

3.2.9

分割試料  (SIP) (sample item portion)

試験を行うヘルスケア製品のうちの定義した一部分。

3.2.10

無菌バリアシステム  (sterility barrier system)

微生物の侵入を防ぎ,使用時点で製品の無菌性を保つのに最低限必要な包装。

3.2.11

無菌性保証水準  (SAL) [Sterility Assurance Level]

滅菌後に,生育可能な 1 個の微生物が製品上に存在する確率(ISO/TS 11139 参照)

注記 SAL は定量値として一般的に,10

3

,10

6

などと表す。この定量値を無菌性保証に適用すると

きは,SAL 10

6

の方がより小さい数値であるが,SAL 10

3

よりも高い無菌性保証である。

3.2.12

滅菌線量監査  (sterilization dose audit)

確立した滅菌線量の妥当性を確認するために実施する試験。

3.2.13

検定線量  (verification dose)

滅菌線量を確立するためにあらかじめ決定した SAL が 10

2

以下を与える放射線量。

4

線量設定,線量実証及び滅菌線量監査のための製品ファミリーの定義及び維持

4.1

一般

滅菌線量の確立及び滅菌線量監査の実施は,プロセスの定義(JIS T 0806-1 の箇条 参照)及びプロセ

スの有効性の維持(JIS T 0806-1 の箇条 12)の作業の一部をなすものである。これらの作業のために,製

品を製品ファミリーにまとめてもよい。製品ファミリーは,主に製品上又は内部に存在する微生物の数及

びタイプ(バイオバーデン)によって定義する。このうち微生物のタイプは,放射線抵抗性を示す。密度

又は包装システム中の製品構成といった変動要因は,バイオバーデンに影響を及ぼす因子ではないため製

品ファミリーの確立においては考慮しない。

滅菌線量の確立及び滅菌線量監査に製品ファミリーを用いる場合には,滅菌の有効性に影響を与える製

造プロセス内の不測の変化を検出する能力の低下を認識することが重要である。さらに,製品ファミリー

を代表する製品として,製品ファミリーに属する他の製品メンバーに何らかの変化が発生した場合には,

その変化を検知できない場合もあることに注意を要する。そこで製品ファミリーに属する他の製品メンバ

ーに発生する変化を検知する能力の低下にかかわるリスクを評価し,作業を進めるに先立って製品ファミ

リーを維持する計画を作成し,実行することが望ましい。

注記  リスクマネジメントについての指針は,JIS T 14971 を参照。


5

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

4.2

製品ファミリーの定義

4.2.1

製品ファミリーを定義するための基準を文書化しなければならない。製品をこれらの基準によって

評価し,製品ファミリーのメンバーとなる可能性のある製品間の類似性を検討しなければならない。この

検討においては,製品のバイオバーデンに影響を及ぼす製品にかかわるすべての変動要因を検討しなけれ

ばならない。この変動要因の例を次に示すが,これらに限定されるものではない。

a)

原材料の性質及び供給源,複数の供給先のある場合には,供給源の違いによる影響

b)

構成部品

c)

製品設計及び寸法

d)

製造プロセス

e)

製造機器

f)

製造環境

g)

製造場所

評価及び検討の結果は,記録しなければならない(JIS T 0806-1 の 4.1.2 参照)

4.2.2

製品をある製品ファミリーに含めるには,製品に関連した変動要因(4.2.1 参照)が類似し,適正

な管理が立証された場合だけとする。

4.2.3

製品をある製品ファミリーに加えるには,バイオバーデンが類似の微生物の菌数及びタイプから構

成されていることを立証しなければならない。

4.2.4

1

か所以上の製造場所で製造された製品を製品ファミリーに含める場合には,明確な根拠を示し,

その記録を残さなければならない(JIS T 0806-1 の 4.1.2 参照)

次の事項については,バイオバーデンに及ぼす影響について考慮しなければならない。

a)

製造場所間の地理的及び/又は気候的な差異

b)

製造プロセス又は環境の管理の差異

c)

原材料の供給源及び生産副資材(例えば,水)

4.3

検定線量試験又は滅菌線量監査に使用する製品ファミリーを代表する製品の指定

4.3.1

製品ファミリーを代表する製品

4.3.1.1

  製品ファミリーの代表となる製品を選定する場合には,製品上又は内部に存在する微生物の数及

びタイプを基準としなければならない。

4.3.1.2

  製品ファミリーは,次のいずれかで代表しなければならない。

a)

マスタ製品(4.3.2 参照)

b)

類似製品(4.3.3 参照)

c)

模擬製品(4.3.4 参照)

4.3.1.3

  4.3.1.2 に規定する三つの代表製品の候補のうち,いずれが適切であるかを決定する場合には,文

書化した手順によって評価しなければならない。この評価では,次の事項に留意しなければならない。

a)

バイオバーデンを構成する微生物の数

b)

バイオバーデンを構成する微生物のタイプ

c)

微生物が発生する環境

d)

製品寸法

e)

構成部品の数

f)

製品の複雑性

g)

製品製造の自動化の程度


6

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

h)

製造環境

4.3.2

マスタ製品

製品ファミリーに属するあるメンバー製品が,評価(4.3.1.3 参照)で同じ製品ファミリーに属する他の

メンバー製品より大きな耐滅菌性をもつことが認められた場合だけマスタ製品とみなすことができる。状

況によっては,製品ファミリーに属する複数の製品が,マスタ製品とみなす可能性もある。その場合には,

4.3.3

によって,そのうちのいずれか一つを製品ファミリーを代表するマスタ製品として選択してよい。

4.3.3

類似製品

評価(4.3.1.3)で製品グループのメンバーが同一の滅菌線量を示している場合だけ,その製品グループ

を類似製品とみなす。類似製品の選定は,次のいずれかでなければならない。

a)

無作為

b)

製品ファミリーの異なる製品メンバーを含むように計画したスケジュールに適合する。

製品ファミリーを代表する類似製品を選定する場合には,製品の製造量及び入手可能性を考慮すること

が望ましい。

4.3.4

模擬製品

模擬製品は,その製品が製品ファミリーの他の製品メンバーが滅菌プロセスに対して与える耐滅菌性と

同等以上である場合だけ,製品ファミリーを代表できるものとする。模擬製品は,実際の製品に使用され

る材料及び方法で包装しなければならない。

注記  模擬製品は,滅菌線量の確立又は維持のためだけに作製する。

模擬製品とは,次のいずれかである。

a)

材料及び寸法が実際の製品に類似し,類似の製造プロセスを経たもの。

例えば,全製造プロセスを経たインプラント用の材料。

b)

使用時には通常組み合わせることのない,製品ファミリー内の製品の構成部品の組合せ。例えば,製

品ファミリー内の他の製品の構成部品である複数のフィルタ,クランプ及び止栓を含むチューブセッ

ト。

4.4

製品ファミリーの維持

4.4.1

定期的検証

それぞれの製品ファミリーを代表するために使用する製品ファミリー及び製品の有効性を確認するため,

あらかじめ定めた頻度で定期的にレビューを行わなければならない。製品ファミリーのメンバーへの帰属

に影響を与える製品及び/又はプロセスの検証にかかわる責任は,有資格者が負わなければならない。こ

のレビューは,最低年 1 回実施しなければならない。レビューの結果は,JIS T 0806-1 の 4.1.2 によって記

録しなければならない。

4.4.2

製品及び/又は製造プロセスの変更

原材料(性質及び入手先)

,構成部品,製品設計(寸法を含む。

)などの製品の変更及び/又は設備,環

境又は場所といった製造プロセスの変更は,文書化された変更管理システムによって評価しなければなら

ない。これらの変更は,製品ファミリーを定義した基準又は製品ファミリーを代表する製品を選定した基

準に変更を及ぼす可能性がある。重大な変更がある場合には,新しい製品ファミリーの定義又は代表製品

の選定が必要となる。

4.4.3

記録

製品ファミリーにかかわる記録を,保管しなければならない(JIS T 0806-1 の 4.1.2 参照)

4.5

滅菌線量の確立又は滅菌線量監査の不合格が製品ファミリーに及ぼす影響


7

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

製品ファミリーの滅菌線量の確立又は滅菌線量監査が不合格の場合には,その製品ファミリーのすべて

の製品を不合格とみなさなければならない。その後の処置については,製品ファミリーに属するすべての

製品に適用しなければならない。

5

滅菌線量の確立及び滅菌線量検定のための製品の選択及び試験

5.1

製品の性質

5.1.1

滅菌用の製品は,次のもので構成することができる。

a)

包装システム内の個々のヘルスケア製品

b)

使用時に必要な附属品とともにヘルスケア製品を組み立てるために使用する包装システム内の構成部

品のセット

c)

包装システム内の複数の同一のヘルスケア製品

d)

治療手順に応じた各種ヘルスケア製品のキット

線量設定及び線量の実証のための製品試料の取得は,

表 によって実施しなければならない。

表 1−滅菌線量の確立及び検定のための製品試料の性質

製品の種類

バイオバーデン評価,検定及び/

又は累加線量試験に使用する

製品試料

根拠

包装システム内の個々のヘルス

ケア製品

個々のヘルスケア製品

各ヘルスケア製品は臨床では独

立して使用する。

包装システム内の構成部品のセ
ット

製品の全構成部品の組合せ

構成部品は製品に組み立て,臨床
で一緒に使用される。

包装システム内の複数の同一ヘ
ルスケア製品

包装システム内から取り出した
一つのヘルスケア製品

各ヘルスケア製品は,臨床用では
独立して使用する。包装システム

内 の 個 々 の ヘ ル ス ケ ア 製 品 の

SAL

は選定した SAL に適合する

が,包装システムの SAL は,その

SAL

より高くなることがある。

治療手順に応じた各種ヘルスケ

ア製品のキット

a)

キットを構成する個々のヘルス

ケア製品

個々のヘルスケア製品は,臨床で

は独立して使用する。

注記 1  5.1.1 b)

で特性を定める製品に対する SIP 適用の指針については,5.2 を参照。

注記 2  5.1.1 d)

で特性を定める製品対する製品ファミリーの適用については,箇条 を参照。

a)

線量設定では,最大の滅菌線量を必要とするヘルスケア製品を基準として滅菌線量を選ぶ。

5.1.2

製品の一部分だけについて無菌を要求する場合には,滅菌線量の確立はその部分だけについて行っ

てもよい。

例  液体の流路だけの無菌を要求する製品は,液体の流路についてのバイオバーデンの決定及び無菌

性の試験の結果に基づいて滅菌線量を確立してよい。

5.2

分割試料  (SIP)

5.2.1

平均バイオバーデンが 1.0 以上の製品試料は,実施可能である限り

表 によって製品試料全体(SIP

は 1.0)を用いることが望ましい。製品試料全体の使用が困難な場合には,試料の一部分を選択し(分割試

料)代用してもよい。SIP は試験機関で実用上取扱い可能な最大の製品試料部分であることとし,試験中

の操作が可能であることが望ましい。


8

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

5.2.2

平均バイオバーデンが 0.9 以下の製品試料は,

表 によって製品試料全体を用いなければならない。

5.2.3

製品上及び/又は内部にバイオバーデンが均等に分布している場合には,SIP は製品試料のいずれ

の部分から選んでもよい。バイオバーデンが均等に分布していない場合,SIP は製品を構成する各原材料

を比例的に代表するよう無作為に選んだ製品の部分としなければならない。バイオバーデンの分布が既知

である場合には,SIP を滅菌プロセスに対して最大の耐滅菌性をもつとみなせる製品の部分から選んでも

よい。

SIP

の値は,長さ,質量,容積又は表面積から計算が可能である(例は,

表 参照)。

表 2SIP の計算例

SIP

の基準

製品

長さ

チューブ(一定の口径)

質量

粉体,ガウン,インプラント(吸収性)

容積

液体

表面積

インプラント(非吸収性) 
チューブ(多様な口径)

5.2.4

分割試料の準備及び包装は,バイオバーデンの変化を最小とする条件のもとで実施しなければなら

ない。SIP の準備は,管理された環境条件で実施し,包装材料は可能な限り最終製品に使用するものと同

等であることが望ましい。

5.2.5

選定した SIP の妥当性を立証しなければならない。SIP のバイオバーデンは,20 個の未照射 SIP 製

品試料について無菌性の試験を行い,最低 17 の無菌性の試験が陽性(すなわち,85

%の陽性)とならな

ければならない。この基準に適合しない場合には,当初試験した SIP より大きくして基準を満たすように

しなければならない。製品試料全体を試験する場合には,20 の無菌性の試験で最低 17 が陽性になるとい

う基準を満たす必要はない。

5.3

サンプル採取の方法

5.3.1

滅菌線量の確立又は監査のための製品試料は,日常の処理手順及び条件を経た製品試料でなければ

ならない。

一般に,バイオバーデンの決定又は無菌性の試験に使用する製品試料は,別の包装システムから取り出

すことが望ましい。

5.3.2

製品試料の選定からバイオバーデンの決定までの経過時間は,製品試料の最終製造プロセスが完了

してから滅菌までにかかる時間を反映することが望ましい。製品試料は,製造プロセスで不合格となった

製品の中から選んでもよいが,その製品が残りの製品と同じ処理及び条件を経たものであることが必要で

ある。

5.4

微生物試験

5.4.1

バイオバーデンの決定及び無菌性の試験は,それぞれ ISO 11737-1 及び ISO 11737-2 によって行わ

なければならない。

無菌性の試験に単一の培地を使用する場合には,一般的に培養温度 30±2

℃,培養期間 14 日間の条件

でソイビーンカゼインダイジェストブロス培地を使用することが望ましい。この培地及び温度が,存在す

る微生物の生育に十分でないと疑われる理由がある場合には,他の適切な培地及び培養条件を用いること

が望ましい。例えば,Herring ら 1974

 [12]

, Favero, 1971

 [10]

NHB 5340.1A, 1968

 [7]

を参照。


9

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

実施可能であれば,製品試料はできるだけ製品と同じ形状及び包装で照射するのが望ましいが,無菌性

の試験において偽陽性の可能性を減らすために,照射に先立って製品試料を分解し再包装してもよい。た

だし,照射に先立って操作を行うことでバイオバーデンの程度又は微生物の放射線応答性に影響を与える

場合(すなわち,微生物の周囲の化学的環境,特に酸素濃度を変化させる場合)には認められない。照射

用の再包装材料も照射線量及び照射後の取扱いに耐えるものを使用し,汚染の可能性を最小限にしなけれ

ばならない。

5.4.2

バイオバーデンの決定は,包装プロセスを経た製品試料で実施しなければならない。

注記  通常,バイオバーデンの決定は,包装システムから取り出した製品試料で実施し,包装システ

ムをその決定から除外しても問題ない。

5.5

照射

5.5.1

滅菌線量の確立及び検証のための製品試料の照射は,JIS T 0806-1 によって据付適格性の確認,運

転適格性の確認及び稼働性能適格性の確認に適合した照射設備で実施しなければならない。検定線量試験

又は累加線量試験を実施する場合には,十分な線量分布評価を実施して,製品試料が受ける最大線量及び

最小線量を特定しなければならない。

5.5.2

線量測定及び放射線源の使用手順は,JIS T 0806-1 による。

注記  放射線滅菌の線量測定手順に関する指針 JIS T 0806-3 を参照。

6

線量確立の方法

6.1

JIS T 0806-1

の 8.2.2 a)(製品固有の滅菌線量)によって滅菌線量を確立する場合には,次のいずれ

かで設定しなければならない。

a)

単一製造及び複数製造バッチについての方法 1(箇条 参照)

b)

方法 2A(8.2 参照)

c)

方法 2B(8.3 参照)

d)

無菌性についての特定の要求事項を達成する上で上記の a),b)

又は c)

と同等の保証を与える方法

6.2

JIS T 0806-1

の 8.2.2 b)

によって滅菌線量を確立する場合には,次のいずれかで実証しなければなら

ない。

a)

平均バイオバーデンが 0.1∼1 000 の範囲(両端を含む。

)の製品

1) VD

max

25

法(9.2 又は 9.3 参照)

2)

方法 1(箇条 参照)

:滅菌線量≦25 kGy で SAL 10

6

を達成する場合

3)

方法 2(箇条 参照)

:滅菌線量≦25 kGy で SAL 10

6

を達成する場合

4)

最大で SAL 10

6

を達成する上で,上記 1),2)

又は 3)

と同等の保証を与える方法(3.2.11 

注記参

照)

b)

平均バイオバーデンが 0.1∼1.5 の範囲(両端を含む。

)の製品

1) VD

max

15

法(9.4 又は 9.5 参照)

2)

方法 1(箇条 参照)

:滅菌線量≦15 kGy で SAL 10

6

を達成する場合

3)

方法 2(箇条 参照)

:滅菌線量≦15 kGy で SAL 10

6

を達成する場合

4)

最大で SAL 10

6

を達成する上で,上記の 1),2)

又は 3)

と同等の保証を与える方法(3.2.11 

注記

参照)

c)

平均バイオバーデンが 0.1 未満の製品

1) VD

max

25

法(9.2 又は 9.3 参照)


10

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

2) VD

max

15

法(9.4 又は 9.5 参照)

3)

方法 2(箇条 参照)

:滅菌線量≦15 kGy で SAL 10

6

を達成する場合

4)

最大で SAL 10

6

を達成する上で,上記の 1),2)

又は 3)

と同等の保証を与える方法(3.2.11 

注記

参照)

7

方法 1:バイオバーデン情報を用いる線量設定法

7.1

理論的根拠

滅菌線量を確立するこの方法は,バイオバーデンの放射線抵抗性が標準抵抗性分布

(SDR)

をもつ微生

物群の抵抗性に比べ同等以下であるという実験的検証に基づいている。

SDR

は,合理的に選択されたものである。SDR は,D

10

値及びすべての微生物群における D

10

値の存在

確率によって微生物群の放射線抵抗性を定めている(

表 参照)。また,SDR をもった平均バイオバーデ

ンのレベルを増加させた場合に,10

2

,10

3

,10

4

,10

5

及び 10

6

の SAL を達成するために必要となる

線量が計算されている。あらかじめ定めた平均バイオバーデンに対する滅菌線量の計算値を

表 及び表 6

に示す。

表 3−方法 で使用する標準抵抗性分布  (SDR)(Whitby 及び Gelda1979

 [20]

D

10

kGy

1.0 1.5 2.0 2.5 2.8 3.1 3.4 3.7 4.0 4.2

確率

65.487

22.493 6.302 3.179 1.213

0.786

0.350

0.111 0.072 0.007

実際に適用する場合,まず平均バイオバーデンの決定を行い,この平均バイオバーデンで SAL 10

2

を与

える線量を

表 又は表 から読み取る。この線量を検定線量とするが,これは SDR をもつ微生物群を SAL

10

2

のレベルまで減少させる線量に相当する。得られた検定線量で 100 個の製品試料を照射し,製品試料

ごとに無菌性の試験を行う。100 個の無菌性の試験で 3 以上の陽性が見出されなければ,再び

表 又は表 6

を用いて平均バイオバーデンに対して任意の SAL に適合する必要な滅菌線量を得る。

二つの陽性を許すという理論的根拠は,陽性数の発生する確率がポワソン分布となり,平均一つの陽性

の近傍に分布するという仮定に基づいている。この分布では 0,1 又は 2 の陽性が発生する確率は 92

%と

なる。

表 を参照。

表 4SAL 10

2

における 100 個の試験で陽性の発生する期待値

陽性数

0 1 2 3 4 5 6 7 8

確率

36.6 37.0 18.5  6.1  1.5  0.3  0.05 0.006

0.000

7

注記  方法 1 の検定線量及び滅菌線量を与える ISO 11137:1995 の表 B.1 では,規則正しく増加する線

量に対応するように増加させた平均バイオバーデン値を示すように作成されていた。線量は 0.1

kGy

刻みで増加していたが,平均バイオバーデン値は不規則に増加し,小数を含む数値となっ

ていた(例えば,104,112.6,121.9,131.9 など)

。改訂版では使いやすく,かつ,理解しやす

いようにこの表を変更して,

表 では平均バイオバーデン値を規則的に増加する整数で表して

いる。バイオバーデン値の増加は,検定線量が約 0.1 kGy の増加となるように選び,検定線量


11

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

値は,小数点以下 1 けたで丸めた。平均バイオバーデン値の規則的な増加は,

表 でも同様で

ある。

7.2

平均バイオバーデンが 1.0 以上の複数製造バッチの製品に方法 を適用する手順

7.2.1

一般

方法 1 を適用するに当たり,次の 6 段階の手順を実施しなければならない。

注記  実施例は,11.1 を参照。

7.2.2

第 段階:SAL の選択及び製品試料の入手

7.2.2.1

  製品の使用目的に必要な SAL を記録する。

7.2.2.2

  5.15.2 及び 5.3 によって,それぞれ独立した三つの製造バッチから少なくとも 10 個の製品試料

を選ぶ。

7.2.3

第 段階:平均バイオバーデンの決定

7.2.3.1

  バイオバーデンの決定に補正係数を適用するか否かを決定する。

注記  ISO 11737-1 に規定されたバイオバーデンの決定方法では,バイオバーデン技術のバリデーショ

ンから得られた補正係数を生菌数に適用する。方法 1 を用いて滅菌線量を確立する場合には,

補正係数を適用しない生菌数を使用することができる。補正係数を用いない場合には,バイオ

バーデンを過少に見積もることがある。バイオバーデン補正係数を適用しないと,検定線量試

験が不合格となるリスクが増加する可能性がある。

7.2.3.2

  選んだそれぞれの製品試料のバイオバーデンを決定し,次の事項を計算する。

a)

三つの製造バッチのそれぞれについての製品試料ごとの平均バイオバーデン(バッチ平均バイオバー

デン)

b)

すべての製品試料ごとの平均バイオバーデン(全平均バイオバーデン)

注記  通常,バイオバーデンは,個別の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場合

(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデンの決定のため 10 個の製品試料をまとめて

もよい。この方法は,SIP には適用してはならない。SIP はまとめてはならず,むしろより大き

な SIP を選ぶことが望ましい。

7.2.3.3

  三つの製造バッチ平均バイオバーデンと全平均バイオバーデンとを比較して,バッチ平均バイオ

バーデンのいずれかが全平均バイオバーデンの 2 倍以上であるかを調べる。

7.2.4

第 段階:検定線量の取得

次のいずれかを用いて,

表 から SAL 10

2

の線量を得る。

a)

一つ以上のバッチ平均バイオバーデンが,全平均バイオバーデンの 2 倍以上の場合には,バッチ平均

バイオバーデンの最大値

b)

それぞれのバッチ平均バイオバーデンが,全平均バイオバーデンの 2 倍未満の場合には,全平均バイ

オバーデン

これから得られる線量を検定線量とする。

SIP

を用いて無菌性の試験を実施する場合には,SIP 平均バイオバーデンを用いて検定線量を求める。

平均バイオバーデンが

表 にない場合には,計算したバイオバーデンより大きく,表にある最も近い平均

バイオバーデンを用いる。

7.2.5

第 段階:検定線量試験の実施

7.2.5.1

  単一製造バッチの製品から 100 個の製品試料を選ぶ。第 4 段階で実施するための 100 個の製品試

料は,第 2 段階のバイオバーデンの決定に使用したバッチの一つから選ぶか又は通常の生産を代表する条


12

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

件で製造した第 4 のバッチから選んでもよい。使用するバッチを選ぶ場合には,製品試料が微生物の生育

を支持する能力があるかどうかを考慮することが望ましい。

7.2.5.2

  検定線量で製品試料を照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大線量が検定線量からそ

の 10

%を超え,かつ,方法 1 で滅菌線量の確立をする場合には,検定線量試験を再度実施しなければな

らない。製品試料に照射した最大線量及び最小線量の算術平均が,検定線量の 90

%未満の場合には,検

定線量試験を繰り返してもよい。この平均線量が,検定線量の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合

格の結果が得られた場合(7.2.6.1 参照)は,検定線量試験を繰り返す必要はない。

7.2.5.3

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の試

験の陽性数を記録する。

7.2.6

第 段階:結果の判定

7.2.6.1

  100 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 以下の場合には,検定線量試験を合格とする。

7.2.6.2

  無菌性の試験の陽性数が 3 以上の場合には,検定線量試験は不合格となる。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,バイオバーデン決定時に補正係数を用いなかったこと,

不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照射に原因がある場合には,是正処置を行った後に

検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この線量設定法は無効であり,他の滅菌線量確

立法を適用しなければならない(箇条 参照)

7.2.7

第 段階:滅菌線量の確立

7.2.7.1

  製品試料全体を使用し検定線量試験に合格した場合,計算した平均バイオバーデンより大きく,

表 にある最も近い平均バイオバーデンを用いて,要求される SAL を達成するために必要な線量を読み取

り,滅菌線量を得る。

7.2.7.2

  1.0 未満の SIP を使用して検定線量試験に合格した場合には,SIP 平均バイオバーデンを SIP 値で

除して製品試料全体の平均バイオバーデンを求める。計算した製品試料全体の平均バイオバーデンより大

きく,

表 にある最も近い平均バイオバーデンを用いて,要求される SAL を達成するために必要な線量を

読み取り,滅菌線量を得る。


13

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 5−標準抵抗性分布をもち,平均バイオバーデンが 1.0 以上で所定の SAL

を達成するために必要な放射線量  (kGy)

SAL SAL

平均バイオ

バーデン

10

2

 10

3

 10

4

 10

5

10

6

平均バイオ

バーデン

10

2

10

3

10

4

 10

5

 10

6

1.0 3.0

5.2

8.0

11.0

14.2

44  6.9

9.9

13.0

16.4

19.9

1.5 3.3

5.7

8.5

11.5

14.8

46  7.0

9.9

13.1

16.5

20.0

2.0 3.6

6.0

8.8

11.9

15.2

48  7.0

10.0

13.2

16.5

20.0

2.5 3.8

6.3

9.1

12.2

15.6

50  7.1

10.0

13.2

16.6

20.1

3.0 4.0

6.5

9.4

12.5

15.8

55  7.2

10.2

13.4

16.7

20.3

3.5 4.1

6.7

9.6

12.7

16.1

60  7.3

10.3

13.5

16.9

20.4

4.0 4.3

6.8

9.7

12.9

16.2

65  7.4

10.4

13.6

17.0

20.5

4.5 4.4

7.0

9.9

13.1

16.4

70  7.5

10.5

13.7

17.1

20.6

5.0 4.5

7.1

10.0

13.2

16.6

75  7.6

10.6

13.8

17.2

20.7

5.5 4.6

7.2

10.2

13.4

16.7

80  7.7

10.7

13.9

17.3

20.8

6.0 4.7

7.3

10.3

13.5

16.9

85  7.7

10.8

14.0

17.4

20.9

6.5 4.8

7.4

10.4

13.6

17.0

90  7.8

10.8

14.1

17.5

21.0

7.0 4.8

7.5

10.5

13.7

17.1

95  7.9

10.9

14.1

17.5

21.1

7.5 4.9

7.6

10.6

13.8

17.2

100  8.0

11.0

14.2

17.6

21.2

8.0 5.0

7.7

10.7

13.9

17.3

110  8.1

11.1

14.3

17.8

21.3

8.5 5.1

7.8

10.8

14.0

17.4

120  8.2

11.2

14.5

17.9

21.5

9.0 5.1

7.8

10.8

14.1

17.5

130  8.3

11.3

14.6

18.0

21.6

9.5 5.2

7.9

10.9

14.1

17.6

140  8.4

11.4

14.7

18.1

21.7

10 5.2

8.0

11.0

14.2

17.6

150 8.5

11.5

14.8

18.2

21.8

11 5.3

8.1

11.1

14.3

17.8

160 8.5

11.6

14.9

18.3

21.9

12 5.4

8.2

11.2

14.5

17.9

170 8.6

11.7

15.0

18.4

22.0

13 5.5

8.3

11.3

14.6

18.0

180 8.7

11.8

15.1

18.5

22.1

14 5.6

8.4

11.4

14.7

18.1

190 8.8

11.9

15.1

18.6

22.2

15 5.7

8.5

11.5

14.8

18.2

200 8.8

11.9

15.2

18.7

22.3

16 5.8

8.5

11.6

14.9

18.3

220 9.0

12.1

15.4

18.8

22.4

17 5.8

8.6

11.7

15.0

18.4

240 9.1

12.2

15.5

19.0

22.6

18 5.9

8.7

11.8

15.1

18.5

260 9.2

12.3

15.6

19.1

22.7

19 5.9

8.8

11.9

15.1

18.6

280 9.3

12.4

15.7

19.2

22.8

20 6.0

8.8

11.9

15.2

18.7

300 9.4

12.5

15.8

19.3

22.9

22 6.1

9.0

12.1

15.4

18.8

325 9.5

12.6

15.9

19.4

23.1

24 6.2

9.1

12.2

15.5

19.0

350 9.6

12.7

16.0

19.5

23.2

26 6.3

9.2

12.3

15.6

19.1

375 9.7

12.8

16.2

19.7

23.3

28 6.4

9.3

12.4

15.7

19.2

400 9.7

12.9

16.2

19.8

23.4

30 6.5

9.4

12.5

15.8

19.3

425 9.8

13.0

16.3

19.8

23.5

32 6.6

9.4

12.6

15.9

19.4

450 9.9

13.1

16.4

19.9

23.6

34 6.6

9.5

12.7

16.0

19.5

475

10.0

13.1

16.5

20.0

23.7

36 6.7

9.6

12.8

16.1

19.6

500

10.0

13.2

16.6

20.1

23.7

38 6.8

9.7

12.8

16.2

19.7

525

10.1

13.3

16.7

20.2

23.8

40 6.8

9.7

12.9

16.2

19.8

550

10.2

13.4

16.7

20.3

23.9

42 6.9

9.8

13.0

16.3

19.8

575

10.2

13.4

16.8

20.3

24.0


14

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 5−標準抵抗性分布をもち,平均バイオバーデンが 1.0 以上で所定の SAL

を達成するために必要な放射線量  (kGy)(続き)

SAL SAL

平均バイオ

バーデン

10

2

 10

3

 10

4

 10

5

10

6

平均バイオ

バーデン

10

2

10

3

10

4

 10

5

 10

6

600

10.3 13.5 16.9 20.4

24.0

2

800

12.4

15.7

19.2 22.8 26.5

650

10.4 13.6 17.0 20.5

24.2

2

900

12.4

15.8

19.3 22.9 26.6

700

10.5 13.7 17.1 20.6

24.3

3

000

12.5

15.8

19.3 22.9 26.6

750

10.6 13.8 17.2 20.7

24.4

3

200

12.6

15.9

19.4 23.0 26.8

800

10.7 13.9 17.3 20.8

24.5

3

400

12.7

16.0

19.5 23.1 26.9

850

10.8 14.0 17.4 20.9

24.6

3

600

12.8

16.1

19.6 23.2 26.9

900

10.8 14.1 17.5 21.0

24.7

3

800

12.8

16.2

19.7 23.3 27.0

950

10.9 14.1 17.5 21.1

24.8

4

000

12.9

16.3

19.8 23.4 27.1

1

000

11.0 14.2 17.6 21.2

24.9

4

200

13.0

16.3

19.8 23.5 27.2

1

050

11.0 14.3 17.7 21.3

24.9

4

400

13.0

16.4

19.9 23.5 27.3

1

100

11.1 14.4 17.8 21.3

25.0

4

600

13.1

16.5

20.0 23.6 27.3

1

150

11.2 14.4 17.8 21.4

25.1

4

800

13.2

16.5

20.0 23.7 27.4

1

200

11.2 14.5 17.9 21.5

25.2

5

000

13.2

16.6

20.1 23.7 27.5

1

250

11.3 14.5 18.0 21.5

25.2

5

300

13.3

16.7

20.2 23.8 27.6

1

300

11.3 14.6 18.0 21.6

25.3

5

600

13.4

16.8

20.3 23.9 27.7

1

350

11.4 14.6 18.1 21.7

25.3

5

900

13.5

16.8

20.4 24.0 27.8

1

400

11.4 14.7 18.1 21.7

25.4

6

200

13.5

16.9

20.4 24.1 27.8

1

450

11.5 14.8 18.2 21.8

25.5

6

500

13.6

17.0

20.5 24.2 27.9

1

500

11.5 14.8 18.2 21.8

25.5

6

800

13.7

17.0

20.6 24.2 28.0

1

550

11.6 14.9 18.3 21.9

25.6

7

100

13.7

17.1

20.7 24.3 28.1

1

600

11.6 14.9 18.3 21.9

25.6

7

400

13.8

17.2

20.7 24.4 28.1

1

650

11.7 14.9 18.4 22.0

25.7

7

700

13.8

17.2

20.8 24.4 28.2

1

700

11.7 15.0 18.4 22.0

25.7

8

000

13.9

17.3

20.8 24.5 28.3

1

750

11.7 15.0 18.5 22.1

25.8

8

500

14.0

17.4

20.9 24.6 28.4

1

800

11.8 15.1 18.5 22.1

25.8

9

000

14.1

17.5

21.0 24.7 28.5

1

850

11.8 15.1 18.6 22.2

25.9

9

500

14.1

17.6

21.1 24.8 28.5

1

900

11.9 15.1 18.6 22.2

25.9

10

000

14.2

17.6

21.2 24.9 28.6

1

950

11.9 15.2 18.6 22.2

25.9

10

500

14.3

17.7

21.3 24.9 28.7

2

000

11.9 15.2 18.7 22.3

26.0

11

000

14.4

17.8

21.3 25.0 28.8

2

100

12.0 15.3 18.8 22.4

26.1

11

500

14.4

17.8

21.4 25.1 28.9

2

200

12.1 15.4 18.8 22.4

26.1

12

000

14.5

17.9

21.5 25.2 28.9

2

300

12.1 15.4 18.9 22.5

26.2

13

000

14.6

18.0

21.6 25.3 29.1

2

400

12.2 15.5 19.0 22.6

26.3

14

000

14.7

18.1

21.7 25.4 29.2

2

500

12.2 15.6 19.0 22.6

26.4

15

000

14.8

18.2

21.8 25.5 29.3

2

600

12.3 15.6 19.1 22.7

26.4

16

000

14.9

18.3

21.9 25.6 29.4

2

700

12.3 15.7 19.1 22.8

26.5

17

000

15.0

18.4

22.0 25.7 29.5


15

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 5−標準抵抗性分布をもち,平均バイオバーデンが 1.0 以上で所定の SAL

を達成するために必要な放射線量  (kGy)(続き)

SAL SAL

平均バイオ

バーデン

10

2

 10

3

 10

4

 10

5

10

6

平均バイオ

バーデン

10

2

10

3

10

4

 10

5

 10

6

18

000  15.1 18.5 22.1 25.8

29.6

120

000  17.9

21.5

25.2  28.9  32.8

19

000  15.1 18.6 22.2 25.9

29.7

130

000  18.0

21.6

25.3  29.1  32.9

20

000  15.2 18.7 22.3 26.0

29.8

140

000  18.1

21.7

25.4  29.2  33.0

21

000  15.3 18.8 22.4 26.1

29.9

150

000  18.2

21.8

25.5  29.3  33.1

22

000  15.4 18.8 22.4 26.1

29.9

160

000  18.3

21.9

25.6  29.4  33.3

23

000  15.4 18.9 22.5 26.2

30.0

170

000  18.4

22.0

25.7  29.5  33.4

24

000  15.5 19.0 22.6 26.3

30.1

180

000  18.5

22.1

25.8  29.6  33.4

25

000  15.6 19.0 22.6 26.4

30.1

190

000  18.6

22.2

25.9  29.7  33.5

26

000  15.6 19.1 22.7 26.4

30.2

200

000  18.7

22.3

26.0  29.8  33.6

27

000  15.7 19.1 22.8 26.5

30.3

220

000  18.8

22.4

26.1  29.9  33.8

28

000  15.7 19.2 22.8 26.5

30.3

240

000  19.0

22.6

26.3  30.1  33.9

29

000  15.8 19.3 22.9 26.6

30.4

260

000  19.1

22.7

26.4  30.2  34.1

30

000  15.8 19.3 22.9 26.6

30.4

280

000  19.2

22.8

26.5  30.3  34.2

32

000  15.9 19.4 23.0 26.8

30.6

300

000  19.3

22.9

26.6  30.4  34.3

34

000  16.0 19.5 23.1 26.9

30.7

320

000  19.4

23.0

26.8  30.6  34.4

36

000  16.1 19.6 23.2 26.9

30.8

340

000  19.5

23.1

26.9  30.7  34.5

38

000  16.2 19.7 23.3 27.0

30.8

360

000  19.6

23.2

26.9  30.8  34.6

40

000  16.3 19.8 23.4 27.1

30.9

380

000  19.7

23.3

27.0  30.8  34.7

42

000  16.3 19.8 23.5 27.2

31.0

400

000  19.8

23.4

27.1  30.9  34.8

44

000  16.4 19.9 23.5 27.3

31.1

420

000  19.8

23.5

27.2  31.0  34.9

46

000  16.5 20.0 23.6 27.3

31.2

440

000  19.9

23.5

27.3  31.1  35.0

48

000  16.5 20.0 23.7 27.4

31.2

460

000  20.0

23.6

27.3  31.2  35.0

50

000  16.6 20.1 23.7 27.5

31.3

480

000  20.0

23.7

27.4  31.2  35.1

54

000  16.7 20.2 23.9 27.6

31.4

500

000  20.1

23.7

27.5  31.3  35.2

58

000  16.8 20.3 24.0 27.7

31.5

540

000  20.2

23.9

27.6  31.4  35.3

62

000  16.9 20.4 24.1 27.8

31.7

580

000  20.3

24.0

27.7  31.5  35.4

66

000  17.0 20.5 24.2 27.9

31.8

620

000  20.4

24.1

27.8  31.7  35.5

70

000  17.1 20.6 24.3 28.0

31.9

660

000  20.5

24.2

27.9  31.8  35.6

75

000  17.2 20.7 24.4 28.2

32.0

700

000  20.6

24.3

28.0  31.9  35.7

80

000  17.3 20.8 24.5 28.3

32.1

750

000  20.7

24.4

28.2  32.0  35.9

85

000  17.4 20.9 24.6 28.4

32.2

800

000  20.8

24.5

28.3  32.1  36.0

90

000  17.5 21.0 24.7 28.5

32.3

850

000  20.9

24.6

28.4  32.2  36.1

95

000  17.6 21.1 24.8 28.5

32.4

900

000  21.0

24.7

28.5  32.3  36.2

100

000  17.6 21.2 24.9 28.6

32.5

950

000  21.1

24.8

28.5  32.4  36.3

110

000  17.8 21.3 25.0 28.8

32.6

1

000

000  21.2

24.9

28.6  32.5  36.3

注記 1  この表には,高水準のバイオバーデンが示されているが,このような水準が普通に存在すること

を意味するものではない。

注記 2  表に記載する数値は,方法 1 の第 3,第 4 及び第 6 段階で用いる。


16

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

7.3

平均バイオバーデンが 1.0 以上の単一製造バッチの製品に方法 を適用する手順

7.3.1

理論的根拠

この方法は,方法 1 の変法であり,単一製造バッチの滅菌線量の確立だけに用いることを目的とする。

この方法は,バイオバーデンの放射線抵抗性が SDR の微生物群の抵抗性以下であるという実験的検証に基

づいて滅菌線量を確立する方法である。

7.3.2

一般

この方法 1 の変法を適用する場合には,次の 6 段階の手順を実施しなければならない。

注記  実施例については,11.1 を参照。

7.3.3

第 段階:SAL の選択及び製品試料の入手

7.3.3.1

  製品の使用目的に必要な SAL を記録する。

7.3.3.2

  5.15.2 及び 5.3 によって,単一製造バッチから少なくとも 10 個の製品試料を選ぶ。

7.3.4

第 段階:平均バイオバーデンの決定

7.3.4.1

  バイオバーデンの決定に補正係数を適用するか否かを決定する。

注記  ISO 11737-1 に規定されたバイオバーデンの決定法では,バイオバーデン技術のバリデーション

から得られた補正係数を生菌数に適用する。方法 1 を用いて線量確立を行う場合には,補正係

数を適用しない生菌数を使用することができる。補正係数を用いない場合には,バイオバーデ

ンを過少に見積もることがある。バイオバーデンに補正係数を適用しないと,検定線量試験が

不合格となるリスクが増加する可能性がある。

7.3.4.2

  選んだそれぞれの製品試料のバイオバーデンを決定し,選んだすべての製品試料の平均バイオバ

ーデン(全平均バイオバーデン)を計算する。

注記  通常,バイオバーデンは,個別の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場合

(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデンの決定のため 10 個の製品試料をまとめて

もよい。この方法は,SIP には適用してはならない。SIP はまとめてはならず,むしろより大き

な SIP を選ぶことが望ましい。

7.3.5

第 段階:検定線量の取得

表 から平均バイオバーデンに対応する SAL 10

2

の線量を読み取り,これを検定線量とする。

SIP

を用いて無菌性の試験を実施する場合には,SIP 平均バイオバーデンを用いて検定線量を求める。

平均バイオバーデンが

表 にない場合には,計算した平均バイオバーデンより大きく,表にある最も近

い平均バイオバーデンを用いる。

7.3.6

第 段階:検定線量試験の実施

7.3.6.1

  単一製造バッチ製品から 100 個の製品試料を選ぶ。

7.3.6.2

  検定線量で製品試料を照射し,線量を測定する。製品試料に照射された最大線量が検定線量から

その 10

%を超え,かつ,方法 1 で滅菌線量を確立する場合には,検定線量試験を再度実施しなければな

らない。製品試料に照射した最大線量及び最小線量の算術平均が検定線量の 90

%未満の場合には,検定

線量試験を繰り返してもよい。この平均線量が検定線量の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合格の

結果が得られた場合(7.3.7.1 参照)は,検定線量試験を繰り返す必要はない。

7.3.6.3

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の試

験の陽性数を記録する。

7.3.7

第 段階:結果の判定

7.3.7.1

  100 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 以下の場合には,検定線量試験を合格とする。


17

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

7.3.7.2

  無菌性の試験の陽性数が 3 以上の場合には,検定線量試験は不合格となる。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,バイオバーデン決定時に補正係数を用いなかったこと,

不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照射に原因がある場合には,是正処置を行った後に

検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この線量設定法は無効であり,他の滅菌線量確

立法を適用しなければならない(箇条 参照)

7.3.8

第 段階:滅菌線量の確立

7.3.8.1

  製品試料全体を使用し検定線量試験に合格した場合には,計算した平均バイオバーデンより大き

く,

表 にある最も近い平均バイオバーデンを用いて,要求される SAL を達成するために必要な線量を読

み取り,滅菌線量を得る。

7.3.8.2

  1.0 未満の SIP を使用して検定線量試験に合格した場合には,SIP 平均バイオバーデンを SIP 値で

除して製品試料全体の平均バイオバーデンを求める。計算した製品試料全体の平均バイオバーデンより大

きく,

表 にある最も近い平均バイオバーデンを用いて,要求される SAL を達成するのに必要な線量を読

み取り,滅菌線量を得る。

7.4

平均バイオバーデンが 0.10.9 の複数又は単一製造バッチの製品に方法 を適用する手順

平均バイオバーデンが 0.1∼0.9(両端を含む。

)の製品は,次の事項を除いて 7.2 の複数製造バッチ又は

7.3

の単一製造バッチについての方法 1 の滅菌線量確立の手順による。

a)

表 によって製品試料全体を使用しなければならない。

b)

バイオバーデンの決定には,補正係数を使用しなければならない。

c) SAL 10

2

(検定線量)及び要求される SAL に対応する滅菌線量を得るため

表 を用いなければならな

い。

注記 1  実施例は,11.1 参照。

注記 2  表に記載する値は,方法 1 の線量設定法の第 3,第 4 及び第 6 段階で使用する。

表 6−標準抵抗性分布をもち,平均バイオバーデンが 0.10.9 であらかじめ定めた SAL 

達成するために必要な放射線量  (kGy)

SAL SAL

平均バイオ

バーデン

10

–2

 10

–3

 10

–4

 10

–5

 10

–6

平均バイオ

バーデン

10

–2

 10

–3

 10

–4

 10

–5

 10

–6

0.10  1.3 3.0 5.2 8.0 11.0  0.45  2.3 4.4 7.0

9.9

13.1

0.15  1.5 3.3 5.7 8.5 11.5  0.50  2.4 4.5 7.1 10.0

13.2

0.20  1.7 3.6 6.0 8.8 11.9  0.60  2.5 4.7 7.3 10.3

13.5

0.25  1.9 3.8 6.3 9.1 12.2  0.70  2.7 4.8 7.5 10.5

13.7

0.30  2.0 4.0 6.5 9.4 12.5  0.80  2.8 5.0 7.7 10.7

13.9

0.35  2.1 4.1 6.7 9.6 12.7  0.90  2.9 5.1 7.8 10.8

14.1

0.40  2.2 4.3 6.8 9.7 12.9

注記 0.9<平均バイオバーデン<1.0 の範囲にある場合には,表 の平均バイオバーデン 1.0 を適用する。

8

方法 2:外挿係数決定のための累加線量照射によって得られる陽性率の情報を用いる線量設定法

8.1

理論的根拠

方法 2 は,方法 2A 及び方法 2B があり,微生物が製品に存在する状態での放射線抵抗性にかかわる情報

を取得することから始まる。この方法は,100 個の製品試料のうち 1 個が無菌でない(すなわち,SAL 10


18

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

2

)線量を推定するために,一連の累加線量を照射した製品試料の無菌性の試験の結果を利用する。この

ような線量を照射した後に生残する微生物は,初期のバイオバーデンより均一な D

10

値をもつと推定でき

る。累加線量試験からこの D

10

値を推定し,滅菌線量を決定するため 10

2

より小さい SAL へ外挿するの

にこの値を用いる。

滅菌線量の計算値の有効性は,通常 SAL 10

2

を達成する線量を超える部分に対する外挿の有効性に依存

する。製品上に存在する微生物の不活化についてのコンピュータシミュレーションを使用した実験プロト

コルの広範な試験では,実験的に確立された抵抗性分布をもつ微生物群に対してこのような外挿法の妥当

性が確認されている。上記の理論的根拠の詳細及びコンピュータシミュレーションの結果は,Davis,

Strawderman

及び Whitby の論文 (1984)

 [9]

に示されている。

方法 2A は一般的に用いられている方法であるが,方法 2B は低バイオバーデンで変動の少ない製品に適

用するために開発された方法である。方法 2B を適用するための条件は,8.3.1.1 に規定する。

方法 2 を用いて滅菌線量を確立する場合には,バイオバーデンの決定の必要はない。ただし,日常の製

品監視の一部としてバイオバーデンの決定が必要になる(JIS T 0806-1 の 7.3 及び 12.1 参照)

A

DS 及び滅菌線量の計算は,方法 2A 及び方法 2B で異なる。したがって,適切な式を間違いなく使用

するよう十分注意を払う必要がある。

線量計算は,小数点以下 1 位で報告されたデータで行うことが望ましい。滅菌線量は,小数点以下 1 け

たに丸めるとよい。

注記 1  次の手順及び例では,単一製造バッチから取り出した製品から導いた結果を示す場合には,

記号を小文字で示す。三つの製造バッチすべてから取り出した製品から導いた結果を示す場

合には,記号を大文字で示す。

注記 2  方法 2B では製品試料全体を使う必要があるのに対して,方法 2A では製品試料全体又は製品

試料の一部分を使ってもよい。

8.2

方法 2A の手順

8.2.1

一般

方法 2A を適用する場合には,次の 5 段階の手順を実施しなければならない。

注記  11.2.2 及び 11.2.3 に実施例を記載する。

8.2.2

第 段階:SAL の選択及び製品試料の入手

8.2.2.1

  製品の使用目的に必要な SAL を記録する。

8.2.2.2

  5.15.2 及び 5.3 によって,三つの独立した製造バッチからそれぞれ少なくとも 280 個の製品試料

を選ぶ。SIP が 1 未満であることの妥当性を確認するために,追加の製品試料が必要になる場合もある(5.2.5

を参照)

8.2.3

第 段階:累加線量試験の実施

8.2.3.1

一般

8.2.3.1.1

  三つの製造バッチそれぞれについて,20 個ずつの製品試料を最初の線量を 2 kGy として,2 kGy

刻みで増加する少なくとも 9 水準の一連の線量で照射し,それぞれの累加線量を測定する。照射した各累

加線量の最大線量は,ffp 及び d*を決めるために使用する。この線量は,目標の累加線量から±1.0 kGy 又

は±10

%のいずれか大きい値まで変動してもよい。あらかじめ定めた累加線量における最大線量及び最小

線量の算術平均が,下限値よりも小さい場合には,この特定の累加線量で更に 20 個の製品試料を照射して

もよい。

8.2.3.1.2

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の


19

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

試験の陽性数を記録する。

8.2.3.1.3

  この試験結果から,次のものを求める。

a)  A

及び FFP(8.2.3.2 参照)

b)  D*

8.2.3.3 参照)

c)

CD*

バッチ(8.2.3.4 参照)

8.2.3.2

A

及び FFP

8.2.3.2.1

  三つの製造バッチのそれぞれから 20 個の無菌性の試験のうち少なくとも一つの試験が陰性とな

る一連の累加線量試験の最小線量を決める。この線量を所定バッチの ffp とし,更にその三つの ffp から中

央値を求める。二つ又は三つの製造バッチが同じ ffp を示す場合には,ffp の中央値よりも陽性数が多い又

は最大の陽性数を示すバッチの ffp を選択する。

8.2.3.2.2

  ffp 中央値での無菌性の試験の陽性数を用いて

表 から の値を求める。

表 7ffp 中央値での無菌性の試験で異なった陽性数に対する の値(方法 2A

ffp

中央値での無菌性の試験の

陽性数

kGy

ffp

中央値での無菌性の試験の

陽性数

kGy

19 0.00  9  0.79

18 0.13  8  0.87

17 0.22  7  0.95

16 0.31  6  1.05

15 0.38  5  1.15

14 0.45  4  1.28

13 0.52  3  1.43

12 0.58  2  1.65

11 0.65  1  2.00

10 0.72  0  2.00

注記  を計算するための式(1)を次に示す。

(

)

(

)

(

)

×

=

19

20

log

log

20

log

log

20

log

log

20

log

log

kGy

2

10

10

10

10

e

e

e

e

n

A

 (1)

ここに,n:陰性となる無菌性の試験の数

[8]

8.2.3.2.3

  FFP は,式

(2)

を用いて求める。

FFP

=ffp 中央値−A (2)

8.2.3.3

  D*

8.2.3.3.1

  三つの製造バッチそれぞれについて,次のいずれかによって d*を求める。

a)

一連の累加線量試験において,すべての無菌性の試験の結果が陰性となる二つの連続した線量の低い

方の線量で,それ以後の累加線量試験で二つ以上の陽性のないものを見つける。

b) 20

個の無菌性の試験のうち一つが陽性となる線量で,すべての試験が陰性となる累加線量がその直前

にあり,すべての試験が陰性となる累加線量が直後にあるものを見つける。

8.2.3.3.2

  三つの製造バッチのいずれもが 8.2.3.3.1 a)

又は b)

に適合しない場合には,累加線量試験は無効

となる。この場合には,試験方法が適切であるかを調査し,是正処置を行った後に累加線量試験を再び実


20

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

施してもよい。

8.2.3.3.3

  次のいずれかによって D*を決定する。

a)

バッチ d*の最大値とバッチ d*の中央値との差が 5 kGy 未満の場合には,バッチ d*の中央値を D*とす

る。

b)

バッチ d*の最大値とバッチ d*の中央値との差が 5 kGy 以上の場合には,バッチ d*の最大値を D*とす

る。

8.2.3.4

  CD*バッチ

d*

と D*とが同じとなるバッチを求め,これを CD*バッチとする。D*と d*とが等しくなるバッチが複数

ある場合には,そのバッチの中から無作為に一つを選択し CD*バッチとする。CD*バッチのうち残った製

品試料は,方法 2A の第 3 段階で用いる。三つの製造バッチから選んで残った製品を保管する場合には,

微生物が生育しない条件とすることが望ましい。これが実際上困難な場合には,第 4 のバッチを CD*バッ

チとしてもよい。

8.2.4

第 段階:検定線量試験の実施

8.2.4.1

  CD*バッチから 100 個の製品試料を選び,D*の線量で照射する。線量を測定し製品試料に照射し

た最大線量を DD*とする。DD*は,D*からその+1.0 kGy 又は+10  %のいずれか大きい値まで変動しても

よい。製品試料に照射した最大線量及び最小線量の算術平均が,D*の 90  %未満の場合には,CD*バッチ

から更に 100 個の製品試料を選び,照射を繰り返してもよい。この平均線量が D*の 90  %未満で,無菌性

の試験を実施して合格が得られた場合(8.2.5 参照)は,検定線量試験を繰り返す必要はない。

8.2.4.2

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の試

験の陽性数を記録する。この値を CD*とする。

8.2.5

第 段階:結果の検討

この試験結果から,次のいずれかによって FNP(第一無陽性)線量を求める。

a)  CD*

≦2 の場合には,FNP=DD*

b) 3

CD*≦9 の場合には,FNP=DD*+2.0 kGy

c) 10

CD*≦15 の場合には,FNP=DD*+4.0 kGy

d) 16

CD*の場合には,原因を究明し,是正処置を行って,D*を再決定することが望ましい。

8.2.6

第 段階:滅菌線量の確立

8.2.6.1

  FNP と FFP との差の値に応じて,式

(3)

又は式

(4)

を用いて FFP 及び FNP から DS を求める。

(FNP

−FFP)  <10 kGy の場合には,次の式を用いる。

DS

=2+0.2×(FNP−FFP) (3)

注記 (FNP−FFP)  <0 の場合には,(FNP−FFP)=0 とする。

(FNP

−FFP)  ≧10 kGy の場合には,次の式を用いる。

DS

=0.4×(FNP−FFP) (4)

8.2.6.2

  式

(5)

を用いて D**を求める。

D**

DD*+[log (CD*)]×DS (5)

注記  CD*=0 の場合には,[log (CD*)]=0 とする。

8.2.6.3

  滅菌線量は,式

(6)

を用いて求める。

滅菌線量=DD**+[−log (SAL)−log (SIP)−2]×DS  (6)

ここに,

D**

SAL 10

2

を与える最終推定線量値

SAL

あらかじめ定めた製品の SAL


21

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

SIP

D**

及び DS を求めるのに使用した製品試料の部分

(分割試料)

DS

DD*

で生残する微生物の 90

%を不活化するのに必要な

線量の推定値

線量計算は,小数点以下 1 けたまでのデータで行うことが望ましい。滅菌線量は,小数点以下 1 けたに

丸めるとよい。

注記  式

(6)

の log (SIP)

は,線量設定に使用している製品試料の部分に対する補正のための係数であ

る。

8.3

方法 2B の手順

8.3.1

一般

8.3.1.1

  方法 2B を適用する場合には,次の三つの要求事項に適合しなければならない。

a)

製品試料全体を使用する。

b)

累加線量試験のいずれの線量を照射した後も,無菌性の試験で陽性数が 14 を超えない。

c) FNP

が 5.5 kGy を超えない。

8.3.1.2

  方法 2B を適用する場合には,次の 5 段階の手順を実施しなければならない。

注記  11.2.4 に実施例を記載する。

8.3.2

第 段階:SAL の選択及び製品試料の入手

8.3.2.1

  製品の使用目的に必要な SAL を記録する。

8.3.2.2

  5.1

5.2 及び 5.3 によって,三つの独立した製造バッチからそれぞれ少なくとも 260 個の製品試料

を選ぶ。

8.3.3

第 段階:累加線量試験の実施

8.3.3.1

  一般

8.3.3.1.1

  三つの製造バッチそれぞれについて,20 個ずつの製品試料を最初の線量を 1 kGy として 1 kGy

刻みで増加する少なくとも 8 水準の一連の線量で照射し,それぞれの累加線量を測定する。照射した各累

加線量の最大線量は,ffp 及び d*を決めるために使用する。この線量は,目標の累加線量から±0.5 kGy 又

は±10

%のいずれか大きい値まで変動してもよい。あらかじめ定めた累加線量における最大線量及び最小

線量の算術平均が,下限値よりも小さい場合には,この特定の累加線量で更に 20 個の製品試料を照射して

もよい。

8.3.3.1.2

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の

試験の陽性数を記録する。

8.3.3.1.3

  この試験結果から,次のものを求める。

a)  A

及び FFP(8.3.3.2 参照)

b)  D*

8.3.3.3 参照)

c)

CD*

バッチ(8.3.3.4 参照)

8.3.3.2

  及び FFP

8.3.3.2.1

  三つの製造バッチのそれぞれから 20 個の無菌性の試験のうち少なくとも一つの試験が陰性とな

る一連の累加線量試験の最小線量を求める。この線量を所定バッチの ffp とし,更にその三つの ffp から中

央値を求める。二つ又は三つの製造バッチが同じ ffp を示す場合には,ffp の中央値よりも陽性数が多い又

は最大の陽性数を示すバッチの ffp を選択する。

8.3.3.2.2

  ffp 中央値での無菌性の試験の陽性数を用いて

表 から の値を求める。


22

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 8ffp 中央値での無菌性の試験で異なった陽性数に対する の値(方法 2B

ffp

中央値での無菌性の試験の

陽性数

kGy

ffp

中央値での無菌性の試験

の陽性数

kGy

14 0.22  6  0.52

13 0.26  5  0.58

12 0.29  4  0.64

11 0.32  3  0.72

10 0.36  2  0.82

 9

0.40

1

1.00

 8

0.44

0

1.00

 7

0.48

注記  を計算するための式(7)を次に示す。

(

)

(

)

(

)

×

=

19

20

log

log

20

log

log

20

log

log

20

log

log

kGy

1

10

10

10

10

e

e

e

e

n

A

 (7)

ここに,n:陰性となる無菌性の試験の数

[8]

8.3.3.2.3

  FFP は,式

(2)

を用いて求める(8.2.3.2.3 参照)

8.3.3.3

  D*

8.3.3.3.1

  三つの製造バッチそれぞれについて,次のいずれかによって d*を求める。

a)

一連の累加線量試験において,すべての無菌性の試験の結果が陰性となる二つの連続した線量の低い

方の線量で,それ以後の累加線量試験で陽性のないものを見つける。

b) 20

個の無菌性の試験のうち一つが陽性となる線量で,すべての試験が陰性となる累加線量がその直前

にあり,すべての試験が陰性となる累加線量が直後にあるものを見つける。

8.3.3.3.2

  三つの製造バッチのいずれもが 8.3.3.3.1 a)

又は b)

に適合しない場合には,累加線量試験は無効

となる。この場合には,試験方法が適切であるかを調査し,是正処置を行った後に累加線量試験を再び実

施してもよい。

8.3.3.3.3

  次のいずれかによって D*を決定する。

a)

バッチ d*の最大値とバッチ d*の中央値との差が 5 kGy 未満の場合には,バッチ d*の中央値を D*とす

る。

b)

バッチ d*の最大値とバッチ d*の中央値との差が 5 kGy 以上の場合には,バッチ d*の最大値を D*とす

る。

8.3.3.4

  CD*バッチ

d*

と D*とが同じとなるバッチを求め,これを CD*バッチとする。D*と d*とが等しくなるバッチが複数

ある場合には,そのバッチの中から無作為に一つを選択し CD*バッチとする。CD*バッチのうち残った製

品試料は,方法 2B の第 3 段階で用いる。三つの製造バッチから選んで残った製品を保管する場合には,

微生物が生育しない条件とすることが望ましい。これが実際上困難な場合には,第 4 のバッチを CD*バッ

チとしてもよい。

8.3.4

第 段階:検定線量試験の実施

8.3.4.1

  CD*バッチから 100 個の製品試料を選び,D*の線量で照射する。線量を測定し製品試料に照射し

た最大線量を DD*とする。DD*は,D*からその+1.0 kGy 又は+10

%のいずれか大きい方まで変動しても


23

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

よい。製品試料に照射した最大線量及び最小線量の算術平均が,D*の 90

%未満の場合には,CD*バッチ

から更に 100 個の製品試料を選び照射を繰り返してもよい。この平均線量が D*の 90

%未満で,無菌性の

試験を実施して合格が得られた場合(8.3.5 参照)は,検定線量試験を繰り返す必要はない。

8.3.4.2

  ISO 11737-25.4.1 参照)によって,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の試験の陽

性数を記録する。この値を CD*とする。

8.3.5

第 段階:結果の検討

この試験結果から,次のいずれかによって FNP を求める。

a)  CD*

≦2 の場合には,FNP=DD*

b) 3

CD*≦9 の場合には,FNP=DD*+2.0 kGy

c) 10

CD*≦15 の場合には,FNP=DD*+4.0 kGy

d) 16

CD*の場合には,原因を究明し,是正処置を行って,D*を再決定することが望ましい。

8.3.6

第 段階:滅菌線量の確立

8.3.6.1

  FFP 及び FNP の差の値に応じて,式

(8)

を用いて FFP 及び FNP から DS を求める。

DS

=1.6+0.2×(FNP−FFP) (8)

注記 (FNP−FFP)  <0 の場合には,(FNP−FFP)=0 とする。

8.3.6.2

  式

(5)

を用いて D**を求める(8.2.6.2 参照)

注記  CD*=0 の場合には,[log (CD*)]=0 とする。

8.3.6.3

  滅菌線量は,次の式

(9)

を用いて求める。

滅菌線量=D**+[−log (SAL)−2]×DS (9)

ここに,

D**

SAL 10

2

を与える最終推定線量値

SAL

あらかじめ定めた製品の SAL

DS

DD*

で生残する微生物の 90

%を不活化するのに必要な

線量の推定値

9

VD

max

法−滅菌線量としての 25 kGy 又は 15 kGy の実証

9.1

理論的根拠

選択した滅菌線量の実証方法は,実施面では線量設定の方法 1(箇条 参照)と類似している。この方

法の場合もバイオバーデンの決定及び検定線量試験を実施する必要がある。

滅菌線量の実証を行う場合には,この方法では滅菌前の製品に存在するバイオバーデンが,選択した滅

菌線量が SAL 10

6

を達成するのに相当する最大抵抗性をもつ微生物群より,小さい放射線抵抗性を示すこ

とを検証する。検証は検定線量試験実施時に,照射した 10 個の製品試料を用いて SAL 10

1

で行う。この

SAL

に対応する線量(最大検定線量,VD

max

)は,バイオバーデン数及び関連する最大抵抗性の両者に特

有なものである。

ある特定のバイオバーデン数における最大抵抗性を確立する場合には,方法 1 の基礎となる SDR(

表 3

参照)の様々な抵抗性の構成要素について考慮している。この実証法の基礎になる最大抵抗性を定義する

ために,SAL 10

6

の達成に重大な影響を及ぼす SDR の高抵抗性の構成要素を用いる。このようなかたち

で SDR 及び方法 1 における安全度を維持している。Kowalski and Tallentire

 [14] [15]

,Kowalski,Aoshuang and

Tallentire 2000

 [13]

参照。

具体的には,まず平均バイオバーデンを決定し,この平均バイオバーデンに対応する VD

max

線量を

表 9

から読み取る。この値が,検定線量試験を実施するときの線量となる。10 個の製品試料又は分割試料に


24

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

VD

max

線量を照射し,それぞれの製品試料は個別に無菌性の試験を行う。10 個の無菌性の試験のうち陽性

数が一つ以下の場合には,あらかじめ定めた滅菌線量を実証したことになる。

この規格で示す VD

max

法は,選択した 25 kGy 及び 15 kGy の滅菌線量についてのものである。25 kGy の

方法は,平均バイオバーデンが 1 000 以下(9.29.3 及び

表 参照)の製品に適用し,15 kGy はバイオバ

ーデンが 1.5 以下(9.49.3 及び

表 10 参照)の製品だけに用いる。15 kGy の VD

max

法を含めることは,低

い平均バイオバーデンの製品の線量確立に使用される方法 1 の代替法となる。二つの VD

max

法の適用及び

それらに関連する一連の検定線量値を区別するために,VD

max

に“25”又は“15”を上付文字として加え

て,VD

max

25

及び VD

max

15

と表記する。

注記  表 に示された様々な平均バイオバーデンに対する VD

max

25

の値を検討するとバイオバーデン

と VD

max

の値との関係に変化があることが分かる。バイオバーデンが 80 に達するまで増加する

に従い,その値は当然想定されるように徐々に増加する。しかし,バイオバーデンが 80 のとき

VD

max

25

は最大となり,これより大きいバイオバーデンでは,対応する VD

max

値は減少する。

VD

max

15

の値でも増加してから減少に転ずるという類似の挙動が見られる(

表 10 参照)。この挙

動は VD

max

値の表又は計算の誤りの結果ではなく,VD

max

法に方法 1 と同等の安全度を見込ん

だため生じた必然的な結果である(Kowalski and Tallentire

 [15]

参照)

9.2

複数製造バッチに VD

max

25

法を適用する手順

9.2.1

一般

9.2.1.1

  この方法は製品の平均バイオバーデンが,1 000 以下の場合だけに適用する。

9.2.1.2

  平均バイオバーデンが 0.9 以下の製品に VD

max

25

法を適用する場合には,

表 によって製品試料全

体を用いなければならないが,平均バイオバーデンが 0.9 を超える製品については,SIP を用いてもよい。

9.2.1.3

  VD

max

25

法を適用する場合には,次の 5 段階の手順を実施しなければならない。

注記  実施例は,11.3 を参照。

9.2.2

第 段階:製品試料の入手

9.2.2.1

  5.15.2 及び 5.3 によって,それぞれ独立した三つの製造バッチから少なくとも 10 個の製品試料

を選ぶ。

9.2.3

第 段階:平均バイオバーデンの決定

9.2.3.1

  バイオバーデンの決定には,補正係数(ISO 11737-1 参照)を用いる。

9.2.3.2

  選んだ製品試料のバイオバーデンを決定し,次の計算を行う。

a)

三つの製造バッチのそれぞれについての製品試料ごとの平均バイオバーデン(バッチ平均バイオバー

デン)

b)

すべての製品試料ごとの平均バイオバーデン(全平均バイオバーデン)

注記  通常,バイオバーデンは,個々の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場

合(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデン決定のため 10 個の製品試料をまとめ

てもよい。この方法は,SIP には適用してはならない。SIP はまとめてはならず,むしろより

大きな SIP を選ぶことが望ましい。

9.2.3.3

  三つの製造バッチ平均と全平均バイオバーデンとを比較して,バッチ平均のいずれかが全平均バ

イオバーデンの 2 倍以上であるかを調べる。

9.2.4

第 段階:VD

max

25

の取得

次のいずれかを適用して,

表 から VD

max

25

を求める。

a)

一つ以上のバッチ平均バイオバーデンが,全平均バイオバーデンの 2 倍以上の場合には,バッチ平均


25

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

バイオバーデンの最大値

b)

それぞれのバッチ平均バイオバーデンが,全平均バイオバーデンの 2 倍未満の場合には,全平均バイ

オバーデン

SIP

が 1.0 で平均バイオバーデンが

表 に記載されていない場合には,計算した平均バイオバーデンより

大きく,表にある最も近い平均バイオバーデンを用いる。

SIP

が 1.0 未満の場合には,SIP 平均バイオバーデンを SIP 値で除して製品試料全体に対する平均バイオ

バーデンを計算する。計算した平均バイオバーデンが

表 に記載されていない場合には,SIP=1.0 VD

max

25

を設定するために,計算した平均バイオバーデンより大きく,表にある最も近い平均バイオバーデンを用

い,かつ,対応する SIP 線量減少係数を用いる。

注記  平均バイオバーデンが 0.9 以下の製品には,1.0 未満の SIP を使用してはならない(9.2.1.2 参照)。

SIP VD

max

25

は,式

(10)

を用いて求める(Kowalski and Tallentire

 [15]

参照)

SIP VD

max

25

線量=(SIP=1.0 VD

 max

25

)

+(SIP 線量減少係数×logSIP) (10)

9.2.5

第 段階:検定線量試験の実施

9.2.5.1

  単一製造バッチの製品から 10 個の製品試料を選ぶ。第 4 段階で実施するための 10 個の製品試料

は,第 2 段階のバイオバーデンの決定に使用したバッチの一つから選んでもよい,又は通常の生産を代表

する条件で製造された第 4 のバッチから選んでもよい。使用するバッチを選ぶ場合には,製品試料が微生

物の生育を支持する能力があるかどうかを考慮することが望ましい。

9.2.5.2

表 から得られた VD

max

25

又は式(10)で求めた VD

max

25

のうち,適切な方で 10 個の製品試料を照射

し,線量を測定する。製品試料に照射した最大線量は,VD

max

からその 10

%を超えないようにする。最大

線量及び最小線量の算術平均が,VD

max

25

の 90

%未満の場合には,検定線量試験を繰り返してもよい。こ

の平均線量が,VD

max

25

の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合格の結果が得られた場合(9.2.6 参照)

は,検定線量試験を繰り返す必要はない。

注記 VD

max

25

が 0.0 kGy の場合には,製品試料は照射しない。


26

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 9−平均バイオバーデンが 1 000 以下の場合の VD

max

25

及び SIP 線量減少係数の値

平均

バイオバーデン

SIP

=1.0

VD

max

25

kGy

SIP

線量減少係数

kGy

平均

バイオバーデン

SIP

=1.0

VD

max

25

kGy

SIP

線量減少係数

kGy

≦0.1 0.0

a) 

40 8.6 3.29

0.15 0.9

a) 

45 8.7 3.27

0.20 1.4

a) 

50 8.8 3.25

0.25 1.8

a) 

55 8.9 3.23

0.30 2.2

a) 

60 8.9 3.21

0.35 2.5

a) 

65 9.0 3.20

0.40 2.7

a) 

70 9.1 3.19

0.45 2.9

a) 

75 9.1 3.17

0.50 3.1

a) 

80 9.2 3.15

0.60 3.4

a) 

85 9.1 3.11

0.70 3.6

a) 

90 9.1 3.08

0.80 3.8

a) 

95 9.1 3.05

0.90 4.0

a) 

100 9.0 3.01

1.0 4.2  4.17

110  9.0 2.96

1.5 4.8  4.05

120  9.0 2.91

2.0 5.2  3.97

130  8.9 2.86

2.5 5.5  3.91

140  8.9 2.83

3.0 5.7  3.86

150  8.9 2.79

3.5 5.9  3.82

160  8.8 2.76

4.0 6.1  3.79

170  8.8 2.72

4.5 6.2  3.76

180  8.8 2.69

5.0 6.3  3.73

190  8.7 2.67

5.5 6.5  3.71

200  8.7 2.64

6.0 6.6  3.69

220  8.7 2.60

6.5 6.7  3.67

240  8.6 2.56

7.0 6.7  3.65

260  8.6 2.52

7.5 6.8  3.64

280  8.6 2.49

8.0 6.9  3.62

300  8.6 2.46

8.5 7.0  3.61

325  8.5 2.43

9.0 7.0  3.59

350  8.5 2.40

9.5 7.1  3.58

375  8.5 2.37

10 7.1

3.57  400

8.4

2.34

11 7.2

3.55  425

8.4

2.32

12 7.3

3.53  450

8.4

2.30

13 7.4

3.51  475

8.4

2.28

14 7.5

3.50  500

8.4

2.26

15 7.6

3.48  525

8.3

2.24

16 7.6

3.47  550

8.3

2.22

17 7.7

3.46  575

8.3

2.21

18 7.8

3.45  600

8.3

2.19

19 7.8

3.43  650

8.3

2.16

20 7.9

3.42  700

8.2

2.14

22 8.0

3.40  750

8.2

2.12

24 8.1

3.39  800

8.2

2.09

26 8.1

3.37  850

8.2

2.07

28 8.2

3.36  900

8.1

2.05

30 8.3

3.34  950

8.1

2.04

35 8.4

3.31 1

000

8.1

2.02

注記 VD

max

25

=0.0 kGy の場合には,製品試料は照射しない。

a)

適用せず。平均バイオバーデンが 0.9 以下では,製品全体を用いるので SIP 減少係数はない。


27

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

9.2.5.3

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料(9.2.5.2 参照)の無菌性の試験を行

い,無菌性の試験の陽性数を記録する。

9.2.6

第 段階:結果の判定

9.2.6.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 1 以下の場合には,検定線量試験を合格とし滅菌

線量として 25 kGy が実証されたものとする。

9.2.6.2

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 の場合には,確認検定線量試験(9.2.7 参照)を

実施する。

9.2.6.3

  無菌性の試験の陽性数が 3 以上の場合には,検定線量試験は不合格となる。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照

射に原因がある場合には,是正処置を行った後に検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この線量設定法は無効であり,滅菌線量として

の 25 kGy の実証をするために他の方法を適用しなければならない(箇条 参照)

9.2.7

確認検定線量試験

9.2.7.1

一般

確認検定線量試験(9.2.6.2 参照)を実施する場合には,次の 3 段階の手順(9.2.7.29.2.7.3 及び 9.2.7.4

参照)を実施しなければならない。

9.2.7.2

第 段階:製品試料の入手

単一の製造バッチの製品から少なくとも 10 個の製品試料を選ぶ。確認検定線量試験を行うための 10 個

の製品試料は,第 2 段階(9.2.3 参照)においてバイオバーデンの決定に使用したバッチの一つから選んで

もよい,又は第 4 段階(9.2.5 参照)で用いた第 4 のバッチ又は通常の生産を代表する条件で製造されたバ

ッチから選んでもよい。使用するバッチを選ぶ場合には,製品試料が微生物の生育を支持する能力がある

かどうかを考慮することが望ましい。

9.2.7.3

第 段階:確認検定線量試験の実施

9.2.7.3.1

  9.2.4 で求めた VD

max

25

で 10 個の製品試料を照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大

線量が VD

max

25

からその 10

%を超えた場合には,確認検定線量試験を繰り返さなければならない。製品試

料に照射した最大線量及び最小線量の算術平均が,VD

max

25

の 90

%未満の場合には,確認検定線量試験を

繰り返してもよい。この平均線量が VD

max

25

の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合格の結果が得られ

た場合(9.2.7.4 参照)は,確認検定線量試験を繰り返す必要はない。

9.2.7.3.2

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の

試験の陽性数を記録する。

9.2.7.4

第 段階:結果の判定

9.2.7.4.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性がなく,元の検定線量試験と確認検定線量試験で得

られた無菌性の試験の陽性数が合わせて 2 となる場合には,元の検定線量試験は合格とし,25 kGy の滅菌

線量は実証されたものとする。

9.2.7.4.2

  無菌性の試験の陽性数が 1 以上の場合には,元の検定線量試験は不合格になる。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照

射に原因がある場合には,是正処置を行った後に確認検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この方法による滅菌線量としての 25 kGy の実証

は無効であり,滅菌線量としての 25 kGy を実証するために他の方法を適用しなければならない(箇条 6

参照)


28

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

9.3

単一製造バッチに VD

max

25

法を適用する手順

9.3.1

理論的根拠

この方法は VD

max

25

法の変法であり,単一製造バッチの滅菌線量としての 25 kGy を実証するためだけに

適用することを目的とする。

9.3.2

一般

9.3.2.1

  この方法は,製品の平均バイオバーデンが,1 000 以下の場合だけに適用する。

9.3.2.2

  平均バイオバーデンが 0.9 以下の製品に VD

max

25

法を適用する場合には,

表 によって製品試料全

体を用いなければならないが,平均バイオバーデンが 0.9 を超える製品については SIP を使用してもよい。

9.3.2.3

  この VD

max

25

法の変法を適用する場合には,次の 5 段階の手順を実施しなければならない。

9.3.3

第 段階:製品試料の入手

5.1

5.2 及び 5.3 によって,単一製造バッチから少なくとも 10 個の製品試料を選ぶ。

9.3.4

第 段階:平均バイオバーデンの決定

9.3.4.1

  バイオバーデンの決定には,補正係数(ISO 11737-1 参照)を用いる。

9.3.4.2

  選んだ製品試料のバイオバーデンを決定し,平均バイオバーデンを計算する。

注記  通常,バイオバーデンは,個別の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場合

(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデンの決定のため 10 個の製品試料をまとめてよ

い。この方法は SIP には適用してはならない。SIP はまとめてはならず,むしろより大きな SIP

を選ぶことが望ましい。

9.3.5

第 段階:VD

max

25

の取得

VD

max

25

表 から読み取る。

a) SIP

が 1.0 で平均バイオバーデンが

表 に記載されていない場合には,計算したバイオバーデンより大

きく,表にある最も近い平均バイオバーデンを用いる。

b) SIP

が 1.0 未満の場合には,SIP 平均バイオバーデンを SIP 値で除して,製品試料全体に対する平均バ

イオバーデンを計算する。計算した平均バイオバーデンが

表 に記載されていない場合には,SIP=1.0

VD

max

25

を設定するために計算したバイオバーデンより大きく,表にある最も近い平均バイオバーデン

を用い,かつ,対応する SIP 線量減少係数を用いる。

注記  平均バイオバーデンが 0.9 以下の製品の場合には,1.0 未満の SIP を使用してはならない

9.3.2.2 参照)

SIP VD

max

25

は,式(10)を用いて求める(9.2.4 参照)

9.3.6

第 段階:検定線量試験の実施

9.3.6.1

  単一製造バッチの製品から 10 個の製品試料を選ぶ。

9.3.6.2

表 から得た VD

max

25

又は式

(10)

で求めた VD

max

25

のうち適切な方で 10 個の製品試料又は必要な場

合にはその一部分を照射し,線量を測定する。最大線量が検定線量からその 10

%を超え,かつ,滅菌線

量を VD

max

25

法で実証する場合には,検定線量試験を再度実施しなければならない。製品試料に照射した

最大線量及び最小線量の算術平均値が,VD

max

25

の 90

%未満の場合には,検定線量試験を繰り返してもよ

い。この平均線量が,VD

max

25

の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合格の結果が得られた場合(9.3.7.1

参照)は,検定線量試験を繰り返す必要はない。

注記 VD

max

25

が 0.0 kGy の場合には,製品試料は照射しない。

9.3.6.3

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料(9.3.6.2 参照)の無菌性の試験を行

い,無菌性の試験の陽性数を記録する。


29

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

9.3.7

第 段階:結果の判定

9.3.7.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 1 以下の場合には,検定線量試験を合格とし,滅

菌線量として 25 kGy が実証されたものとする。

9.3.7.2

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 の場合には,確認検定線量試験(9.2.7 参照)を

実施する。

9.3.7.3

  無菌性の試験の陽性数が 3 以上の場合には,検定線量試験は不合格となる。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照

射に原因がある場合には,是正処置を行った後に検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この方法による滅菌線量としての 25 kGy の実証

は無効であり,滅菌線量としての 25 kGy を実証するために他の方法を適用しなければならない(箇条 6

参照)

9.4

複数製造バッチに VD

max

15

法を適用する手順

9.4.1

一般

9.4.1.1

  この方法は,製品の平均バイオバーデンが 1.5 以下の場合だけに適用する。

9.4.1.2

  VD

max

15

法を適用する場合には,

表 によって製品試料全体を使用しなければならない。

9.4.1.3

  VD

max

15

法を適用する場合には,次の 5 段階の手順を実施しなければならない。

注記  実施例は,11.3 を参照。

9.4.2

第 段階:製品試料の入手

5.1

5.2 及び 5.3 によって,それぞれ独立した三つの製造バッチから少なくとも 10 個の製品試料を選ぶ。

9.4.3

第 段階:平均バイオバーデンの決定

9.4.3.1

  バイオバーデンの決定には,補正係数(ISO 11737-1 参照)を用いる。

9.4.3.2

  選んだ製品試料のバイオバーデンを決定し,次の計算を行う。

a)

三つの製造バッチのそれぞれについての製品試料ごとの平均バイオバーデン(バッチ平均バイオバー

デン)

b)

すべての製品試料ごとの平均バイオバーデン(全平均バイオバーデン)

注記  通常,バイオバーデンは,個別の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場

合(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデン決定のため 10 個の製品試料をまとめ

てもよい。この方法は,SIP には適用してはならない。SIP をまとめてはならず,むしろより

大きな SIP を選ぶことが望ましい。

9.4.3.3

  三つの製造バッチ平均値と全平均バイオバーデンとを比較して,バッチ平均のいずれかが全平均

バイオバーデンの 2 倍以上であるかを調べる。

9.4.4

第 段階:VD

max

15

の取得

次のいずれかを適用して,

表 10 から VD

max

15

を求める。

a)

一つ以上のバッチ平均バイオバーデンが,全平均バイオバーデンの 2 倍以上の場合には,バッチ平均

バイオバーデンの最大値

b)

それぞれのバッチ平均バイオバーデンが,全平均バイオバーデンの 2 倍未満の場合には,全平均バイ

オバーデン

平均バイオバーデンが

表 10 にない場合には,計算した平均バイオバーデンより大きく,表にある最も近

い平均バイオバーデンを用いる。

9.4.5

第 段階:検定線量試験の実施


30

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

9.4.5.1

  単一製造バッチの製品から 10 個の製品試料を選ぶ。

表 10−平均バイオバーデンが 1.5 以下の場合の VD

max

15

の値

平均バイオバーデン

SIP

=1.0  VD

max

15

kGy

平均バイオバーデン

SIP

=1.0  VD

max

15

kGy

≦0.1 0.0 0.50 1.8

0.15 0.5  0.60  2.0

0.20 0.9  0.70  2.2

0.25 1.1  0.80  2.3

0.30 1.3  0.90  2.2

0.35 1.5  1.0  2.1

0.40 1.6  1.5  1.7

0.45 1.7

注記 VD

max

15

=0.0 kGy の場合には,製品試料は照射しない。

第 4 段階で実施するための 10 個の製品試料は,第 2 段階のバイオバーデンの決定に使用したバッチの一

つから選んでもよいし,通常の生産を代表する条件で製造された第 4 のバッチから選んでもよい。使用す

るバッチを選ぶ場合には,製品試料が微生物の生育を支持する能力があるかどうかを考慮することが望ま

しい。

9.4.5.2

表 10 から得た VD

max

15

で 10 個の製品試料を照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大線

量が VD

max

15

からその+0.1 kGy 又は+10

%のいずれか大きい方を超え,かつ,滅菌線量を VD

max

15

で実証

する場合には,検定線量試験を再度実施しなければならない。製品試料に照射した最大線量及び最小線量

の算術平均が,VD

max

15

の 90

%未満の場合には,検定線量試験を繰り返してもよい。この平均線量が,

VD

max

15

の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合格の結果が得られた場合(9.4.6 参照)は,検定線量試

験を繰り返す必要はない。

注記 VD

max

15

が 0.0 kGy の場合には,製品試料は照射しない。

9.4.5.3

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料(9.4.5.2 参照)の無菌性の試験を行

い,無菌性の試験の陽性数を記録する。

9.4.6

第 段階:結果の判定

9.4.6.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 1 以下の場合には,検定線量試験を合格とし,滅

菌線量として 15 kGy が実証されたものとする。

9.4.6.2

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 の場合には,確認検定線量試験(9.4.7 参照)を

実施する。

9.4.6.3

  無菌性の試験の陽性数が 3 以上の場合には,検定線量試験は不合格となる。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照

射に原因がある場合には,是正処置を行った後に検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この方法による滅菌線量としての 15 kGy の実証

は無効であり,滅菌線量としての 15 kGy を実証するために他の方法を適用しなければならない(箇条 6

参照)

9.4.7

確認検定線量試験

9.4.7.1

一般

確認検定線量試験(9.4.6.2 参照)を実施する場合には,次の 3 段階の手順(9.4.7.29.4.7.3 及び 9.4.7.4


31

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

参照)を実施しなければならない。

9.4.7.2

第 段階:製品試料の入手

単一の製造バッチの製品から少なくとも 10 個の製品試料を選ぶ。確認検定線量試験を行うための 10 個

の製品試料は,第 2 段階(9.4.3 参照)においてバイオバーデンの決定に使用したバッチの一つから選んで

もよい,又は第 4 段階(9.4.5 参照)で用いた第 4 のバッチ又は通常の生産を代表する条件で製造したバッ

チから選んでもよい。使用するバッチを選ぶ場合には,製品試料が微生物の生育を支持する能力があるか

どうかを考慮することが望ましい。

9.4.7.3

第 段階:確認検定線量試験の実施

9.4.7.3.1

  9.4.4 で求めた VD

max

15

で 10 個の製品試料を照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大

線量が VD

max

15

からその 10

%を超え,かつ,滅菌線量を VD

max

15

で実証する場合には,確認検定線量試験

を繰り返さなければならない。製品試料に照射した最大線量及び最小線量の算術平均が,VD

max

15

の 90

未満の場合には,確認検定線量試験を繰り返してもよい。この平均線量が VD

max

15

の 90

%未満で,無菌性

の試験を実施して合格の結果が得られた場合(9.4.7.4 参照)は,確認検定線量試験を繰り返す必要はない。

9.4.7.3.2

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料の無菌性の試験を行い,無菌性の

試験の陽性数を記録する。

9.4.7.4

第 段階:結果の判定

9.4.7.4.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性がなく,元の検定線量試験及び確認検定線量試験で

得られた無菌性の試験の陽性数が合わせて 2 となる場合には,元の検定線量試験は合格とし 15 kGy の滅菌

線量は実証されたものとする。

9.4.7.4.2

  無菌性の試験の陽性数が 1 以上の場合には,元の検定線量試験を不合格とする。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照

射に原因がある場合には,是正処置を行った後に確認検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この方法による滅菌線量としての 15 kGy の実証

は無効であり,滅菌線量としての 15 kGy を実証するために他の方法を適用しなければならない(箇条 6

参照)

9.5

単一製造バッチに VD

max

15

法を適用する手順

9.5.1

理論的根拠

この方法は VD

max

15

法の変法であり,単一製造バッチの滅菌線量としての 15 kGy を実証するためにだけ

に適用する。

9.5.2

一般

9.5.2.1

  この方法は製品の平均バイオバーデンが 1.5 以下の場合だけに適用する。

9.5.2.2

VD

max

15

法を適用する場合には,

表 によって製品試料全体を用いなければならない。

9.5.2.3

  この VD

max

15

法の変法を適用する場合には,次の 5 段階の手順(9.5.39.5.7 参照)を実施しなけ

ればならない。

9.5.3

第 段階:製品試料の入手

5.1

5.2 及び 5.3 によって,単一製造バッチから少なくとも 10 個の製品試料を選ぶ。

9.5.4

第 段階:平均バイオバーデンの決定

9.5.4.1

  バイオバーデンの決定には,補正係数(ISO 11737-1 参照)を用いる。

9.5.4.2

  選んだ製品試料のバイオバーデンを決定し,平均バイオバーデンを計算する。

注記  通常,バイオバーデンは,個別の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場合


32

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデンの決定のため 10 個の製品試料をまとめても

よい。この方法は,SIP には適用してはならない。SIP をまとめてはならず,むしろより大きな

SIP

を選ぶことが望ましい。

9.5.5

第 段階:VD

max

15

の取得

VD

max

15

表 10 から読み取る。平均バイオバーデンが表 10 に記載されていない場合には,計算したバイ

オバーデンより大きく,表にある最も近いバイオバーデンを用いる。

9.5.6

第 段階:検定線量試験の実施

9.5.6.1

  単一製造バッチの製品から 10 個の製品試料を選ぶ。

9.5.6.2

表 10 から得た VD

max

15

で製品試料を照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大線量が検

定線量からその±0.1 kGy 又は±10

%のいずれか大きい方を超え,かつ,滅菌線量を VD

max

15

法で実証す

る場合には,検定線量試験を再度実施しなければならない。製品試料に照射した最大線量及び最小線量の

算術平均が,VD

max

15

の 90

%未満の場合には,検定線量試験を繰り返してもよい。

注記 VD

max

15

が 0.0 kGy の場合には,製品試料は照射しない。

9.5.6.3

  ISO 11737-25.4.1 参照)の規定に従って,照射した製品試料(9.5.6.2 参照)の無菌性の試験を行

い,無菌性の試験の陽性数を記録する。

9.5.7

第 段階:結果の判定

9.5.7.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 1 以下の場合には,検定線量試験を合格とし,滅

菌線量として 15 kGy が実証されたものとする。

9.5.7.2

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 の場合には,確認検定線量試験(9.4.7 参照)を

実施する。

9.5.7.3

  無菌性の試験の陽性数が 3 以上の場合には,検定線量試験は不合格となる。

この結果が,不適正なバイオバーデンの決定,不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照

射に原因がある場合には,是正処置を行った後に検定線量試験を繰り返してもよい。

この結果が,是正処置によって対処できない場合には,この方法による滅菌線量としての 15 kGy の実証

は無効であり,滅菌線量としての 15 kGy の実証をするために他の方法を適用しなければならない(箇条 6

参照)

10

滅菌線量監査

10.1

目的及び頻度

滅菌線量が確立した後は,滅菌線量の継続した妥当性を確認するため定期的に監査を実施しなければな

らない。監査の実施頻度は,JIS T 0806-1 の 12.1 による。製品を製造していない期間の滅菌線量監査は,

必要ではない。また,滅菌線量監査と同時に,バイオバーデンの決定及び環境並びに製造管理のレビュー

を実施するのが望ましい。このレビューで管理が不十分であると認められた場合には,適切な処置を講じ

るのが望ましい。

10.2

方法 又は方法 を用いて確立した滅菌線量監査の手順

10.2.1

一般

10.2.1.1

  方法 1 又は方法 2 によって確立した滅菌線量監査を実施する場合には,元の滅菌線量を確立する

ときに用いたのと同一の SIP を使用する。

注記  実施例は,11.4 及び 11.5 を参照。

10.2.1.2

  滅菌線量監査を行う場合には,次の 4 段階の手順(10.2.210.2.5)を実施しなければならない。


33

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

注記  実施例は,11.4 及び 11.5 を参照。

10.2.2

第 段階:製品試料の入手

5.1

5.2 及び 5.3 によって,単一製造バッチ製品から少なくとも 110 個の製品試料を選ぶ。

10.2.3

第 段階:平均バイオバーデンの決定

少なくとも 10 個の製品試料のバイオバーデンを決定し,平均バイオバーデンを計算する。元の滅菌線量

の確立に補正係数(ISO 11737-1 参照)を適用した場合には,滅菌線量監査でも同じ補正係数を適用する。

注記 1  通常,バイオバーデンは,個別の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場

合(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデン決定のため 10 個の試料をまとめても

よい。この方法は,SIP には適用してはならない。SIP はまとめてはならず,むしろより大き

な SIP を選ぶことが望ましい。

注記 2  バイオバーデンのデータは,滅菌線量監査のための検定線量を得るために用いるものではな

く,プロセスの監視及び管理のために用いる(例えば,トレンド分析,滅菌線量監査で不合

格となった場合の調査又は滅菌線量監査の頻度の削減)

10.2.4

第 段階:検定線量試験の実施

10.2.4.1

  100 個の製品試料を検定線量又は最初若しくはその後の線量設定試験で得られた D**のいずれか

適切な方で照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大線量が検定線量又は D**からその 10

%を

超えた場合には,検定線量試験を再度実施しなければならない。製品試料に照射した最大線量及び最小線

量の算術平均が,検定線量又は D**の 90

%未満の場合には,検定線量試験を繰り返してもよい。この平

均線量が,検定線量の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合格となった場合(10.2.5 参照)は,検定

線量試験を繰り返す必要はない。

10.2.4.2

  最初の線量設定試験で使用した培地及び培養条件を用いて照射した製品試料(10.2.4.1 参照)の

無菌性の試験を行い,無菌性の試験の陽性数を記録する。

10.2.5

第 段階:結果の判定

10.2.5.1

  100 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 以下の場合には,滅菌線量監査は合格である。

10.2.5.2

  100 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 3 又は 4 であり,この結果の原因が不適正な無

菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照射でない場合には,その滅菌線量を直ちに増加する(10.2.6

参照)

。さらに,100 個の製品試料及び最初の滅菌線量監査で用いたのと同じ検定線量又は D**を用いて滅

菌線量監査をやり直す。10.2.5.5 によって,やり直した滅菌線量監査の結果を判定する。

10.2.5.3

  100 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 5 から 15 であった場合には,その滅菌線量は

不適切であり,滅菌線量を直ちに増加しなければならない(10.2.6 参照)

無菌性の試験の陽性数が 5 以上で,不適正な無菌性の試験の実施又は検定線量の不正確な照射に原因が

ある場合には,是正処置を行った後に滅菌線量監査を再度実施する。その結果は,10.2.5.5 によって判定

する。

無菌性の試験の陽性数が 5 以上で,バイオバーデンに関連した原因による場合には,是正処置を実施し

た後に滅菌線量監査を再び実施する。その結果は 10.2.5.5 によって判定する。

無菌性の試験の陽性数が 5 以上で,上記のいずれの原因でもない場合には,滅菌線量監査は不合格であ

り,先に確立した滅菌線量は無効である。滅菌線量を他の方法(箇条 参照)で再確立し,滅菌線量の再

確立が完了するまで滅菌線量を増加する。

10.2.5.4

  無菌性の試験の陽性数が 16 以上の場合には,滅菌線量の増加をしてはならない。この結果の原

因が不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照射に帰すことができない場合には,既に確立


34

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

している滅菌線量での滅菌を中止し,他の方法(箇条 参照)によって滅菌線量が再確立するまで滅菌を

再開してはならない。

10.2.5.5

  10.2.5.2 又は 10.2.5.3 によって実施した滅菌線量の再監査の結果は,次のように判定する。

a) 100

個について実施した無菌性の試験のうち,陽性数が 2 以下で,環境及び製造状態の管理又はバイ

オバーデンの決定の再検証で,既に確定している仕様をはずれる数値がない場合には,元の滅菌線量

の使用を再開してもよい。

b) 100

個について実施した無菌性の試験で陽性数が 3 又は 4 の場合には,直ちに滅菌線量の再確立を行

い,滅菌線量の再確立が完了するまで増加滅菌線量を継続して使用する。

c) 100

個について実施した無菌性の試験で陽性数が 5 から 15 の場合には,滅菌線量を他の方法(箇条 6

参照)で再確立し,滅菌線量の再確立が完了するまで増加した滅菌線量を継続して使用する。

d) 100

個について実施した無菌性の試験で陽性数が 16 以上の場合には,滅菌線量の増加をしてはならな

い。以前に確立した滅菌線量による滅菌を中止し,他の方法(箇条 参照)によって滅菌線量を再確

立するまで滅菌を再開してはならない。

10.2.6

方法 1,方法 2A 又は方法 2B を用いて確立した滅菌線量の増加

10.2.6.1

  一般

方法 1,方法 2A 又は方法 2B を用いて確立した滅菌線量を増加する方法は,Herring

 [11]

によって提唱さ

れた。この方法は,不合格となった滅菌線量監査から得られる情報及び方法 2 の基礎となっている原理と

製品に存在する最も高い放射線抵抗性をもつ微生物群の抵抗性を安全側に見積もった推定値を併用するも

のである。

10.2.6.2

  第 段階:不合格となった滅菌線量監査から得られたデータの解析

a)

滅菌線量監査を実施し測定された最大線量を見つけ,この値を“最大監査線量”とする。

b)

滅菌線量監査で検出された無菌性の試験の陽性数を記録し(10.2.5.2 及び 10.2.5.3 参照)

,この数を“監

査陽性数”とする。

10.2.6.3

  第 段階:外挿係数の決定

a)

監査陽性数に応じて,式

(11)

又は式

(12)

を適用して の値を決定する。

監査陽性数が 3 以上,9 以下の場合には,式

(11)

を用いる。

E

=“最大監査線量”+2 (kGy)  (11)

監査陽性数が 10 以上,15 以下の場合には,式

(12)

を用いる。

E

=“最大監査線量”+4 (kGy)  (12)

b) (E

−1)  の値に応じて,式

(13)

又は式

(14)

を用い外挿係数を計算する。

(E

−1)  ≦9 の場合には,式

(13)

を用いる。

外挿係数=2+0.2×(E−1)  (13)

9

<  (E−1)  ≦15 の場合には,式

(14)

を用いる。

外挿係数=0.4×(E−1)  (14)

(13)

又は式

(14)

を用いて計算した値が 4.2 kGy を超える場合には,外挿係数を 4.2 kGy とする。

10.2.6.4

  第 段階:調整線量(SAL 10

2

を達成する線量)の計算

(15)

を用いて,調整線量を計算する。

調整線量=“最大監査線量”+

[log(監査陽性数)]

×

(外挿係数) (15)

10.2.6.5

  第 段階:増加滅菌線量の計算

方法 1 及び方法 2A の場合には,式

(16)

を用いて増加滅菌線量を求める。


35

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

増加滅菌線量=調整線量+

[−log (SAL)−log (SIP)−2]

×(外挿係数)···· (16)

方法 2B の場合には,式

(17)

を用いて増加滅菌線量を求める。

増加滅菌線量=調整線量+

[−log (SAL)−2]

×

(外挿係数) (17)

10.3  VD

max

法を用いて実証した滅菌線量監査の手順

10.3.1

一般

10.3.1.1

  VD

max

法で確立された滅菌線量監査を実施する場合には,元の滅菌線量の実証に用いたものと同

一の SIP を用いる。

10.3.1.2

  滅菌線量監査は,次の 4 段階の手順(10.3.210.3.5)を実施しなければならない。

注記  実施例は,11.6 を参照。

10.3.2

第 段階:製品試料の入手

5.1

5.2 及び 5.3 によって,単一製造バッチの製品から少なくとも 20 個の製品試料を選ぶ。

10.3.3

第 段階:平均バイオバーデンの決定

10.3.3.1

  バイオバーデンを決定する場合には,元の滅菌線量を実証するときに用いたのと同じ補正係数

ISO 11737-1 参照)を用いる。

10.3.3.2

  少なくとも 10 個の製品試料のバイオバーデンを決定し,平均バイオバーデンを計算する。

注記 1  通常,バイオバーデンは,個別の製品試料について決定するが,バイオバーデンが小さい場

合(例えば,10 未満)は,バッチ平均バイオバーデンの決定のため 10 個の製品試料をまと

めてもよい。この方法は,SIP には適用してはならない。SIP をまとめてはならず,むしろよ

り大きい SIP を選ぶことが望ましい。

注記 2  バイオバーデンデータは,滅菌線量監査のための検定線量を得るために用いるものではなく,

プロセスの監視及び管理のために用いる(例えば,トレンド分析,滅菌線量監査で不合格と

なった場合の調査又は滅菌線量監査の頻度の削減)

10.3.4

第 段階:検定線量試験の実施

10.3.4.1

  10 個の製品試料又は分割試料を用いる場合には,該当する分割試料に最初の実証試験で適用し

た VD

max

25

又は VD

max

15

の該当する方で照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大線量が VD

max

らその+0.1 kGy 又は+10

%のうち大きい方を超えてはならない。製品試料に照射した最大線量及び最小

線量の算術平均が,VD

max

の 90

%未満の場合には,更に 10 個の製品試料を用いて検定線量試験を繰り返

し実施してもよい。この平均線量が,VD

max

の 90

%未満で,無菌性の試験を実施して合格の結果が得られ

た場合(10.3.5 参照)は,検定線量試験を繰り返す必要はない。最大線量が VD

max

からその 10

%を超えた

場合には,是正処置を行った後に検定線量試験を繰り返してもよい。

10.3.4.2

  照射した製品試料又はその分割試料のそれぞれに,最初の線量実証試験を行ったときに用いたの

と同じ培地及び培養条件で無菌性の試験を実施し,無菌性の試験の陽性数を記録する。

10.3.5

第 段階:結果の判定

10.3.5.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 1 以下の場合には,滅菌線量監査は合格である。

10.3.5.2

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 2 の場合には,確認滅菌線量監査(10.3.6 参照)

を実施する。

10.3.5.3

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性数が 3 以上で,この結果の原因が不適正な無菌性の

試験の実施又は不正確な検定線量の照射でない場合には,この滅菌線量は不適切である。

a) 10

個について実施した無菌性の試験で陽性数が 3∼6 であり,この結果の原因が不適正な無菌性の試

験の実施又は不正確な検定線量の照射でない場合には,直ちに線量を増加する(10.3.7 参照)

。以前に


36

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

確立した滅菌線量での滅菌を中止し,別の方法で滅菌線量を再確立する(箇条 参照)まで滅菌線量

を増加しなければならない。

b) 10

個について実施した無菌性の試験で陽性数が 7 以上あり,この結果の原因が不適正な無菌性の試験

の実施又は不正確な検定線量の照射でない場合には,既に確立している線量での滅菌を中止する。滅

菌線量の増加はしてはならない。別の方法(箇条 参照)によって滅菌線量を再確立するまで滅菌を

再開してはならない。

無菌性の試験の陽性数が 3 以上で,この結果の原因が不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線

量の照射の場合には,是正処置を実施した後に滅菌線量監査をやり直す。その結果は 10.3.5 によって判定

する。

不合格の原因が,製造プロセス,環境又は部品の変化に伴うものである場合には,その変化の発生した

時期を確定し,それによって影響を受けた製造バッチの特定が可能となる場合がある。

既に出荷されたバッチについては,SAL にかかわるすべての影響について評価を行い,継続使用に伴う

リスクについて判断を下すことが望ましい。SAL にかかわる影響の評価は,滅菌線量の再確立まで見出さ

れない場合もある。

10.3.6

確認滅菌線量監査

10.3.6.1

  一般

10.3.6.1.1

  VD

max

法を用いて確立された確認滅菌線量監査を実施する場合には,元の滅菌線量を実証する

ときに用いたのと同一の SIP を使用する。

10.3.6.1.2

  確認滅菌線量監査を実施する場合には,次の 3 段階の手順を実施しなければならない。

10.3.6.2

  第 段階:製品試料の入手

5.1

5.2 及び 5.3 によって,単一製造バッチの製品から少なくとも 10 個の製品試料を選ぶ。確認滅菌線

量監査に使用する 10 個の製品試料は,元の滅菌線量監査(10.3.2 参照)で実施した検定線量試験(10.3.2

参照)で使用したバッチ又は通常の生産を代表する条件で製造された二つ目のバッチのいずれから選んで

もよい。バッチを選ぶ場合には,製品試料が微生物の生育を支持する能力があるかどうか考慮することが

望ましい。

10.3.6.3

  第 段階:確認検定線量試験の実施

10.3.6.3.1

  10 個の製品試料を最初に得た VD

max

25

又は VD

max

15

のうち適切な方(それぞれ 9.2 及び 9.3,又

は 9.4 及び 9.5 参照)で照射し,線量を測定する。製品試料に照射した最大線量は,VD

max

からその+0.1 kGy

又は+10

%のいずれか大きい方を超えてはならない。製品試料に照射した最大線量及び最小線量の算術平

均が,VD

max

の 90

%未満である場合には,確認検定線量試験を繰り返し実施してもよい。この平均線量が

VD

max

の 90

%未満であり,無菌性の試験を実施して合格の結果が得られた場合(10.3.6.4 参照)は,確認

検定線量試験を繰り返す必要はない。最大線量が VD

max

からその 10

%を超えた場合には,是正処置を行

った後に確認検定線量試験を繰り返し実施してもよい。

10.3.6.3.2

  照射した製品試料のそれぞれに,元の線量実証試験を行ったときに用いたのと同じ培地及び培

養条件で無菌性の試験を実施し,無菌性の試験の陽性数を記録する。

10.3.6.4

  第 段階:結果の判定

10.3.6.4.1

  10 個について実施した無菌性の試験で陽性のない場合には,元の検定線量試験及び確認検定線

量試験での無菌性の試験の陽性数が合わせて 2 となるときには,滅菌線量監査は合格であり,滅菌線量が

実証される。

10.3.6.4.2

  確認検定線量試験で実施した 10 個の無菌性の試験で陽性数が 1 以上あり,この結果の原因が


37

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照射でない場合には,この滅菌線量は不適切である。

a)

確認検定線量試験で実施した 10 個の無菌性の試験で陽性数が 1 から 4 であり,この結果の原因が不適

正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照射でない場合には,直ちにその滅菌線量を増加す

る(10.3.7 参照)

。以前に確立した滅菌線量での滅菌を中止し,別の方法(箇条 参照)で滅菌線量を

再確立するまで滅菌線量を増加しなければならない。

b)

確認検定線量試験で実施した 10 個の無菌性の試験で陽性数が 5 以上であり,この結果の原因が不適正

な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照射でない場合には,既に確立している滅菌線量での

滅菌を中止する。滅菌線量の増加はしてはならない。別の方法(箇条 参照)によって滅菌線量を再

確立するまで滅菌を再開してはならない。

無菌性の試験で陽性数が 1 以上で,その原因を不適正な無菌性の試験の実施又は不正確な検定線量の照

射の場合には,是正処置を実施した後に確認滅菌線量監査をやり直す。その結果は 10.3.5 によって判定す

る。

不合格の原因が製造プロセス,環境又は部品の変化に伴うものである場合には,その変化の発生した時

期を確定し,それによって影響を受けた製造バッチの特定が可能となる場合がある。既に出荷されたバッ

チについては,SAL にかかわるすべての影響について評価を行い,継続使用に伴うリスクについて判断を

下すことが望ましい。SAL にかかわる影響の評価は,滅菌線量の再確立まで見出されない場合もある。

10.3.7  VD

max

25

法又は VD

max

15

法を用いて実証した滅菌線量の増加

10.3.7.1

  VD

max

25

10.3.7.1.1

表 11 から,10.3.3 で計算された平均バイオバーデンに対応する線量増加値を求める。表 11 

平均バイオバーデンの記載がない場合には,計算した平均バイオバーデンより大きく,表にある最も近い

平均バイオバーデンを用いて,線量増加値を求める。式

(18)

にこの線量増加値を使用して,25 kGy に対す

る増加滅菌線量を計算する。

増加滅菌線量 (kGy)=25 kGy+線量増加値 (kGy) (18)

10.3.7.1.2

  滅菌線量監査が不合格となる原因が特定できないことがしばしばある。このような場合には,

以前に滅菌されたバッチの SAL がどの程度影響を受けたかを評価するのは不可能である。線量の増加は次

に滅菌するバッチから適用するのが望ましく,既に出荷されたバッチはそのままとし何もしない方がよい。


38

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 11−平均バイオバーデンが 1 000 以下の VD

max

25

法の増加値

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

≦0.1 5.0 6.5 3.7  40 3.3 240

3.3

0.15 4.8  7.0 3.7  45  3.3  260 3.3

0.20 4.7  7.5 3.6  50  3.2  280 3.3

0.25 4.6  8.0 3.6  55  3.2  300 3.3

0.30 4.6  8.5 3.6  60  3.2  325 3.3

0.35 4.5  9.0 3.6  65  3.2  350 3.3

0.40 4.5  9.5 3.6  70  3.2  375 3.3

0.45 4.4 10  3.6  75  3.2  400 3.3

0.50 4.4 11  3.6  80  3.2  425 3.3

0.60 4.3 12  3.5  85  3.2  450 3.3

0.70 4.3 13  3.5  90  3.2  475 3.3

0.80 4.2 14  3.5  95  3.2  500 3.3

0.90 4.2 15  3.5 100  3.2  525 3.3

1.0 4.2 16  3.5 110 3.2 550

3.3

1.5 4.0 17  3.5 120 3.2 575

3.3

2.0 4.0 18  3.4 130 3.2 600

3.3

2.5 3.9 19  3.4 140 3.2 650

3.4

3.0 3.9 20  3.4 150 3.2 700

3.4

3.5 3.8 22  3.4 160 3.2 750

3.4

4.0 3.8 24  3.4 170 3.2 800

3.4

4.5 3.8 26  3.4 180 3.2 850

3.4

5.0 3.7 28  3.4 190 3.3 900

3.4

5.5 3.7 30  3.3 200 3.3 950

3.4

6.0 3.7 35  3.3 220 3.3

1

000

3.4

10.3.7.2

  VD

max

15

表 12 から,10.3.3 で計算された平均バイオバーデンに対応する線量増加値を求める。表 11 に平均バイ

オバーデンの記載がない場合には,計算した平均バイオバーデンより大きく,表にある最も近い平均バイ

オバーデンを用いて,線量増加値を求める。式

(19)

にこの線量増加値を使用して,15 kGy に対する増加滅

菌線量を計算する。

増加滅菌線量 (kGy)=15 kGy+線量増加値 (kGy) (19)

表 12−平均バイオバーデンが 1.5 以下の VD

max

15

法の増加値

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

平均

バイオ

バーデン

線量増加値

kGy

≦0.1  3.0 0.30 2.7 0.50 2.6 0.90 2.6

0.15 2.9 0.35 2.7 0.60 2.6 1.0  2.6

0.20 2.8 0.40 2.7 0.70 2.6 1.5  2.7

0.25 2.8 0.45 2.7 0.80 2.6


39

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11

実施例

11.1

方法 の実施例

方法 1 については,三つの例を示している。最初の例は,製品試料全体が検定線量試験で使用でき,最

終使用時に SAL 10

3

が必要な製品である(

表 13 参照)。2 例目は,製品試料が大きすぎるためその一部分

を用い,SAL 10

6

を要求される製品(

表 14 参照),3 例目は,製品試料全体が検定線量試験に使用でき,

最終使用時に必要な SAL 10

6

を必要とするバイオバーデンが 1.0 未満の製品である(

表 15 参照)。

表 13−滅菌線量の決定(方法 1SIP は 1.0

用語

数値

説明

第 1 段階

SAL 10

3

この例では,最終使用時に要求される SAL は 10

3

である。

SIP 1.0

バイオバーデン決定及び検定線量試験では,製品試料全体を使用した。

第 2 段階

全平均バイオ

バーデン

382

試験を行った三つの製造バッチのバッチ平均バイオバーデンが 360,402,384

となったので,全平均バイオバーデンは 382 となった。いずれのバッチ平均バ
イオバーデンも全平均バイオバーデン 382 の 2 倍にはならないので,382 を用
いて検定線量を求めた。

第 3 段階

検定線量 9.7

kGy

表 には平均バイオバーデン 382 の記載がないので,表中にある次に大きな値
であるバイオバーデン 400 を用いて検定線量を得た。

第 4 段階

検定線量試験 10.4

kGy

製品試料に吸収された最大線量は,規定範囲内(すなわち,10.7 kGy 以下)で
あった。

第 5 段階

結果の判定

陽性数

1

検定線量は,規定範囲内(すなわち,10.7 kGy 以下)で,無菌性の試験の結果

が合格(すなわち,陽性数は 2 以下)となり,検定線量試験は合格であった。

第 6 段階

SAL 10

3

の滅菌線量 12.9

kGy

表 

a)

で平均バイオバーデンが 382 の場合,

SAL 10

3

に対する滅菌線量は,

12.9

kGy

となった。

a)

計算した平均バイオバーデン 382 は表に記載がないので,表中で次に大きな値であるバイオバーデン 400 を
用いた。


40

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 14−滅菌線量の決定(方法 1SIP は 1.0 未満)

用語

数値

説明

第 1 段階

SAL 10

6

例では,最終使用時に要求される SAL は 10

6

である。

SIP 0.05

無菌性の試験の実施には,製品試料が大きすぎるため線量設定には,1/20 の部

分を使用した。

第 2 段階

全 SIP 平均バイオ

バーデン

59

試験を行った三つの製造バッチの SIP のバッチ平均バイオバーデンが 50,62,

65

となったので,全 SIP 平均バイオバーデンは 59 となった。製品試料の 85

で,SIP 当たりの菌数は 2 cfu 以上となり SIP の妥当性が証明された。いずれの
バッチの平均 SIP バイオバーデンも,全 SIP 平均バイオバーデンの 2 倍を超え
ないため,59 を用いて検定線量を求めた。

第 3 段階

検定線量 7.3

kGy

表 には平均バイオバーデン 59 の記載がないので,表中にある次に大きな値
であるバイオバーデン 60 を用いて検定線量を得た。

第 4 段階

検定線量試験 7.7

kGy

製品試料に吸収された最大線量は,規定範囲内(すなわち,8.0 kGy 以下)で
あった。

第 5 段階

結果の判定

陽性数

2

検定線量は規定範囲内(すなわち,8.0 kGy 以下)で,無菌性の試験の結果が

合格(すなわち,陽性数は 2 以下)となり,検定線量試験は合格であった。

第 6 段階

製品試料全体の平均

バイオバーデン

1 180

製品試料全体のバイオバーデンは,次のように計算した。 
  59

/

0.05

=1 180

SAL 10

6

滅菌線量

25.2 kGy

表 

a) 

から製品試料全体の平均バイオバーデンが 1 180 の場合,SAL 10

6

に対

する滅菌線量は 25.2 kGy となった。

a)

計算された平均バイオバーデン 1 180 は表に記載がないので,

表中で次の大きな値であるバイオバーデン 1 200

を用いた。


41

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 15−滅菌線量の決定(方法 1SIP は 1.0,バイオバーデンは 1.0 未満)

用語

数値

説明

第 1 段階

SAL 10

6

例では,最終使用時に要求される SAL は 10

6

である。

SIP 1.0

バイオバーデン<1.0 の場合には,バイオバーデン決定及び検定線量試験には,

製品試料全体を使用する必要がある。

第 2 段階

全体平均バイオ

バーデン

0.63

試験を行った三つの製造バッチのバッチ平均バイオバーデンが 0.6,0.6,0.7
であったので全平均バイオバーデンは 0.63 となった。いずれのバッチ平均バイ

オバーデンも全平均バイオバーデンの 2 倍にはならないので,0.63 を用いて検
定線量を求めた。

第 3 段階

検定線量 2.7

kGy

表 には平均バイオバーデン 0.63 の記載がないので,表中の次の大きな値であ
るバイオバーデン 0.7 を用いて検定線量を得た。

第 4 段階

検定線量試験 2.6

kGy

製品試料に吸収された最大線量は,規定線量の範囲内(すなわち,3.0 kGy 以
下)であった。

第 5 段階

結果の判定

陽性数

2

検定線量は規定範囲内(すなわち,3 kGy 以下)で,無菌性の試験の結果が合
格(すなわち,陽性数は 2 以下)となり,検定線量試験は合格であった。

第 6 段階

SAL 10

6

の滅菌線量 13.7

kGy

表 6

a)

で平均バイオバーデンが 0.63 の場合,SAL 10

6

に対する滅菌線量は,

13.7 kGy

となった。

a)

計算された平均バイオバーデン 0.63 は表に記載がないので,表中で次に大きな値である平均バイオバーデン

0.70

を用いた。

11.2

方法 の実施例

11.2.1

一般

方法 2A に対して 1 例目として,

表 16∼表 20 を使用して製品試料全体を用いて試験する製品,及び 2

例目として

表 21∼表 25 を使用して製品試料の一部分で試験する 2 例を示した。方法 2B では,製品試料全

体だけを使用することが条件の一つであるため

表 26∼表 30 に記載する 1 例だけを示している。

次の実施例では,単一製造バッチの製品から得られた結果を示す場合には,小文字の表記を,三つの製

造バッチの製品から得られた結果を示す場合には,大文字の表記を採用している。

11.2.2

方法 2A の実施例(SIP は 1.0

11.2.2.1

  第 段階:SAL の選定及び製品試料の入手

11.2.2.1.1

  製品の最終使用時に SAL 10

6

が必要である。無菌性の試験には製品試料全体を使用することが

でき,三つの製造バッチから 280 個ずつ製品試料を無作為に選ぶ。

11.2.2.1.2

  累加線量試験に使用する製品試料の配分を

表 16 に示す。

表 16−累加線量ごとの照射に必要な製品試料数

目標の線量

kGy

バッチ

No.

2  4  6  8  10 12 14 16 18

第 3 段階試験用

の製品試料数

必要な製品

試料総数

1

20 20 20 20 20 20 20 20 20

100

280

2

20 20 20 20 20 20 20 20 20

100

280

3

20 20 20 20 20 20 20 20 20

100

280


42

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.2.2.2

  第 段階:累加線量試験の実施

表 17 に一連の累加線量試験で得られたデータの例を,表 18 にはその試験で得られた値を示す。

表 17−累加線量試験から得られた代表的なデータ

20

個の製品試料から得られた無菌性の試験の陽性数)

目標の線量

kGy

バッチ No.

2 4 6 8 10

12

14

16

18

吸収線量 kGy

2.2 5.0 5.3 9.0 9.2 11.6

15.0

16.2

19.3

1

陽性数  20 5 2 0 0 0 0 0 0

吸収線量 kGy

2.6 3.2 6.6 8.0 9.7 13.0

13.8

15.8

17.9

2

陽性数  11 7 0 0 1 0 0 0 0

吸収線量 kGy

2.3 4.2 5.9 7.5 10.7

11.4

13.7

17.5

17.1

3

陽性数  18 7 2 2 0 0 0 0 0

注記  照射は独立で実施し,目標の線量の±0.1 kGy 又は±10  %のいずれか大きい方の範囲内であった。

表 18−第 段階の計算

用語

数値

説明

バッチ 1 ffp 
バッチ 2 ffp

バッチ 3 ffp

5.0 kGy

2.6 kGy

2.3 kGy

バッチ ffp は,20 個の無菌性の試験のうち少なくとも一つが陰性となる最初
の累加線量である。

0.65 kGy

ffp

中央値における無菌性の試験の陽性数を求め,

表 から を決定する。

例では,ffp 中央値 (2.6 kGy) における陽性数は,11 なので は 0.65 kGy と
なる。

FFP 1.95

kGy

FFP

は,三つの製造バッチ ffp 中央値から を引いたものである。

例では, 
  FFP=2.6 kGy−0.65 kGy=1.95 kGy

バッチ 1 d
バッチ 2 d*

バッチ 3 d*

9.0 kGy

6.6 kGy

10.7 kGy

バッチの d*は a)

又は b)

の線量。ここで,

a) 2

回連続して陽性がなく,それ以降に 2 以上の陽性数がない累加線量のう

ち小さい方の線量。

b)

陽性数が 1 であり,その直前の線量の無菌性の試験では陽性がなく,か
つ,それ以降は,すべて陰性となる最初の累加線量。

D* 9.0

kGy

D*

は三つの製造バッチ d*の中央値である。ただし,いずれかのバッチの d*

が d*の中央値より 5.0 kGy 以上の場合を除く。この場合には,D*はバッチ d*
の最大値を用いる。

CD*

バッチ

バッチ 1

CD*

バッチは,D*に等しくなる d*をもつバッチである。複数の d*が D*に等

しくなる場合には,どれか一つを無作為に選び CD*バッチとする。

11.2.2.3

  第 段階:検定線量試験の実施

表 19 に第 3 段階で得られた数値を示す。


43

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 19−第 段階の計算

用語

数値

説明

D* 9.0

kGy

第 2 段階の試験から

DD* 8.0

kGy

DD*

は,第 3 段階の試験で吸収された線量である。DD*は,D*の+1.0 kGy 又

は+10  %の大きい方の値より少なければ合格である。

CD* 2

CD*

は,第 3 段階の試験で得られた無菌性の試験の陽性数

FNP 8.0

kGy

CD*

が 2 以下の場合には,FNP=DD*

  3≦CD*≦9 の場合には,FNP=DD*+2.0 kGy

 10

CD*≦15 の場合には,FNP=DD*+4.0 kGy

 16

CD*の場合には,D*を再決定する必要がある。

11.2.2.4

  第 段階及び第 段階:結果の考察及び滅菌線量の確立

表 20 に滅菌線量を確立するための計算を示す。

表 20−第 段階  滅菌線量を確立するための計算

用語

数値

説明

CD* 2

第 3 段階の試験から

DD* 8.0

kGy

第 3 段階の試験から

FNP 8.0

kGy

第 3 段階の試験から

FFP 1.95

kGy

第 2 段階の試験から

FNP

−FFP 6.05

kGy

例では,

(FNP

−FFP)=8.0 kGy−1.95 kGy=6.05 kGy

注記 (FNP−FFP)  <0 の場合には,(FNP−FFP)=0 とする。

DS 

3.21 kGy

(FNP

−FFP)  <10 の場合には,DS=2+0.2×(FNP−FFP)

[式

(3)

(FNP

−FFP)  ≧10 の場合には,DS=0.4×(FNP−FFP)

[式

(4)

例では,

DS

=2 kGy+0.2×(6.05) kGy=3.21 kGy

D** 9.0

kGy

D**

DD*+[log (CD*)]×(DS)

[式

(5)

注記  CD*=0 の場合には,log (CD*)=0 とする。 
例では,

D**

=8.0 kGy+[log (2)]×(3.21) kGy

=8.0 kGy+(0.301 0)×(3.21) kGy

=8.97 kGy

=9.0 kGy

SAL 10

6

第 1 段階での決定

SIP 1.0

第 1 段階での決定

SAL 10

6

の滅菌線量 21.8

kGy

滅菌線量 =D**+[−log (SAL)−log (SIP)−2]×(DS)

[式

(6)

例では,

滅菌線量 =9.0 kGy+(6−0−2)×(3.21) kGy

=9.0 kGy+(4)×(3.21) kGy

=21.8 kGy

11.2.3

方法 2A の実施例(SIP は 1.0 未満)

11.2.3.1

  第 段階:SAL の選定及び製品試料の入手

11.2.3.1.1

  製品の最終使用時に SAL 10

3

が必要である。製品試料は大きすぎて簡単に試験ができないので

製品試料の一部分を使用し,各 3 バッチから 300 個ずつの製品試料を無作為に選ぶ。

11.2.3.1.2

  累加線量試験に使用する製品試料の配分を

表 21 に示す。


44

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 21−累加線量ごとの照射に必要な製品試料数

目標の線量

kGy

バッチ

No.

0 2 4 6 8 10

12

14

16

18

第 3 段階試験用

の製品試料数

必要な

製品試料総数

1

20 20 20 20 20 20 20 20 20 20

100

300

2

20 20 20 20 20 20 20 20 20 20

100

300

3

20 20 20 20 20 20 20 20 20 20

100

300

11.2.3.2

  第 段階:累加線量試験の実施

表 22 に一連の累加線量試験で得られたデータの例を,表 23 には,その試験で得られた値を示す。

表 22−累加線量試験から得られた典型的なデータ

20

個の SIP 試料から得られた無菌性の試験の陽性数)

目標の線量

kGy

バッチ

No.

0 2 4 6 8 10

12

14

16

18

吸収線量 kGy  0.0 1.8 3.7 6.3 7.8 10.9

12.8

14.2

15.2

18.0

1

陽性数

20

17 1 0 0 0 0 0 0 0

吸収線量 kGy  0.0 1.5 3.9 5.7 8.5 9.9 11.3 14.5 17.3

18.4

2

陽性数

20

20 3 0 0 0 0 0 0 0

吸収線量 kGy  0.0 2.5 3.5 6.1 7.3 10.2

12.4

12.7

14.8

17.7

3

陽性数

20 9 0 1 0 0 0 0 0 0

注記 1  照射は独立に実施し,目標の線量の±0.1 kGy 又は±10

%のいずれか大きい方の範囲内であった。

注記 2  未照射の SIP 試料を個別に無菌性の試験を実施し,各バッチで少なくとも 17 の陽性があった。

表 23−第 段階の計算

用語

数値

説明

バッチ 1 ffp 
バッチ 2 ffp 
バッチ 3 ffp

1.8 kGy

3.9 kGy

2.5 kGy

バッチ ffp は,20 個の無菌性の試験のうち少なくとも一つが陰性となる最初の
累加線量である。

0.79 kGy

ffp

中央値における無菌性の試験の陽性数を求め,

表 から を決定する。

例では,ffp 中央値

(2.5 kGy)

における陽性数は 9 なので は 0.79 kGy となる。

FFP 1.71

kGy

FFP

は三つの製造バッチ ffp 中央値から を引いたものである。

例では, 
  FFP=2.5 kGy−0.79 kGy=1.71 kGy

バッチ 1 d
バッチ 2 d*

バッチ 3 d*

6.3 kGy

5.7 kGy

6.1 kGy

バッチの d*は a)

又は b)

の線量。ここで,

a) 2

回連続して陽性がなく,それ以降に 2 以上の陽性数がない累加線量のう

ち小さい方の線量。

b)

陽性数が 1 であり,その直前の線量の無菌性の試験では陽性がなく,かつ,
それ以降は,すべて陰性となる最初の累加線量。

D* 6.1

kGy

D*

は三つの製造バッチ d*の中央値である。ただし,いずれかのバッチの d*が

d*

の中央値より 5.0 kGy 以上の場合を除く。この場合には,D*はバッチ d*の最

大値を用いた。

CD*

バッチ

バッチ 3

CD*

バッチは D*に等しくなる d*をもつバッチである。複数の d*が D*に等しく

なる場合には,どれか一つを無作為に選び CD*バッチとする。


45

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.2.3.3

  第 段階:検定線量試験の実施

表 24 に第 3 段階の試験で得られた数値を示す。

表 24−第 段階の計算

用語

数値

説明

D* 6.1

kGy

第 2 段階の試験から

DD* 5.5

kGy

DD*

は,第 3 段階の試験で吸収された線量である。DD*は,D*の+1.0 kGy 又

は+10  %のいずれか大きい方の値よりも少なければ合格である。

CD* 2

CD*

は,第 3 段階の試験で得られた無菌性の試験の陽性数

FNP 5.5

kGy

CD*

が 2 以下の場合には,FNP=DD*

  3

CD*≦9 の場合には,FNP=DD*+2.0 kGy

10

CD*≦15 の場合には,FNP=DD*+4.0 kGy

16

CD*の場合には,D*を再度決定する必要がある。

11.2.3.4

  第 段階及び第 段階:結果の考察及び滅菌線量の確立

表 25 に滅菌線量を確立するための計算を示す。

表 25−第 段階  滅菌線量を確立するための計算

用語

数値

説明

CD* 2

第 3 段階の試験から

DD* 5.5

kGy

第 3 段階の試験から

FNP 5.5

kGy

第 3 段階の試験から

FFP 1.71

kGy

第 2 段階の試験から

FNP

−FFP 3.79

kGy

例では,

(FNP

−FFP) =5.5 kGy−1.71 kGy

=3.79 kGy

注記 (FNP−FFP)<0 の場合には,(FNP−FFP)=0 とする。

DS 

2.76 kGy

(FNP

−FFP)<10 の場合には,DS=2+0.2×(FNP−FFP)

[式

(3)

(FNP

−FFP)≧10 の場合には,DS=0.4×(FNP−FFP)

[式

(4)

例では,

DS

=2 kGy+0.2×(3.79) kGy

=2.76 kGy

D** 6.3

kGy

D**

DD*+[log (CD*)]×(DS)

[式

(5)

注記  CD*=0 の場合には,log (CD*)=0 とする。 
例では,

D**

=5.5 kGy+[log (2)]×(2.76) kGy

=5.5 kGy+(0.301 0)×(2.76) kGy

=6.33 kGy

=6.3 kGy

SAL 10

3

第 1 段階での決定

SIP 0.05

第 1 段階での決定

SAL 10

3

の滅菌線量 12.7

kGy

滅菌線量  =D**+[−log (SAL)−log (SIP)−2]×DS

[式

(6)

例では, 
滅菌線量  =6.3 kGy+(3+1.301−2)×(2.76) kGy

=6.3 kGy+(2.301)×(2.76) kGy

=12.65 kGy

=12.7 kGy


46

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.2.4

方法 2B の実施例

11.2.4.1

  第 段階:SAL の選定及び製品試料の入手

11.2.4.1.1

  製品の最終使用時に SAL 10

6

が必要である。製品試料全体を線量設定に使用する。第 1 段階で

は,各 3 バッチから 260 個ずつの製品試料を無作為に選ぶ。

11.2.4.1.2

  累加線量試験に使用する製品試料の配分を

表 26 に示す。

表 26−累加線量ごとの照射に必要な製品試料数

目標の累加線量

kGy

バッチ No.

1 2 3 4 5 6 7 8

第 3 段階試験用の

製品試料数

必要な

製品試料総数

1

20 20 20 20 20 20 20 20

100

260

2

20 20 20 20 20 20 20 20

100

260

3

20 20 20 20 20 20 20 20

100

260

11.2.4.2

  第 段階:累加線量試験の実施

表 27 に一連の累加線量試験で得られたデータの例を,表 28 に計算例を示す。

表 27−累加線量のデータ

目標の線量

kGy

バッチ No.

1 2 3 4 5 6 7 8

吸収線量 kGy  1.2 2.4 3.3 4.4 4.6 6.4 6.3 7.8

1

陽性数

13 2 0 0 0 0 0 0

吸収線量 kGy  1.1 1.5 2.6 3.8 5.2 5.9 7.2 8.3

2

陽性数

8 7 1 0 0 0 0 0

吸収線量 kGy  1.0 2.2 2.6 3.7 5.2 6.1 7.7 8.8

3

陽性数

12 4 0 1 0 0 0 0

表 28−第 段階の計算

用語

数値

説明

バッチ 1 ffp

バッチ 2 ffp 
バッチ 3 ffp

1.2 kGy

1.1 kGy

1.0 kGy

バッチ ffp は,20 個の無菌性の試験のうち少なくとも一つが陰性となる最初

の累加線量

0.44 kGy

ffp

中央値における無菌性の試験の陽性数を求め,

表 から を決定する。

例では,ffp 中央値 (1.1 kGy) における陽性数は,8 なので は 0.44 kGy とな
る。

FFP 0.66

kGy

FFP

は三つの製造バッチ ffp 中央値から を引いたものである。

例では, 
  FFP=1.10 kGy−0.44 kGy=0.66 kGy

バッチ 1 d
バッチ 2 d*

バッチ 3 d*

3.3 kGy

3.8 kGy

3.7 kGy

バッチの d*は,a)

又は b)

の線量。ここで,

a) 2

回連続して陽性がなく,それ以降に 2 以上の陽性数がない累加線量のう

ち小さい方の線量。

b)

陽性数が 1 であり,その直前の線量の無菌性の試験では陽性がなく,か
つ,それ以降は,すべて陰性となる最初の累加線量。

D* 3.7

kGy

D*

は三つの製造バッチ d*の中央値

CD*

バッチ

バッチ 3

CD*

バッチは,D*に等しくなる d*をもつバッチである。複数の d*が D*に等し

くなる場合には,いずれか一つを選び CD*バッチとする。


47

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.2.4.3

  第 段階:検定線量試験の実施

表 29 に第 3 段階の試験で得られた値を示す。

表 29−第 段階の計算

用語

数値

説明

D* 3.7

kGy

第 2 段階の試験から

DD* 3.4

kGy

DD*

は,第 3 段階の試験で吸収された線量である。DD*は,D*の+1.0 kGy 又

は+10  %のいずれか大きい方の値よりも小さければ合格である。

CD* 3

CD*

は,第 3 段階の試験で得られた無菌性の試験の陽性数

FNP 5.4

kGy

CD*

が 2 以下の場合には,FNP=DD*

  3

CD*≦9 の場合には,FNP=DD*+2.0 kGy

10

CD*≦15 の場合には,FNP=DD*+4.0 kGy

16

CD*の場合には,D*を再度決定する必要がある。

例では,

FNP

DD*+2 kGy

=3.4 kGy+2 kGy

=5.4 kGy

注記 FNP は,5.5 kGy を超えないようにする。

11.2.4.4

  第 段階及び第 段階:結果の考察及び滅菌線量の確立

表 30 に滅菌線量を確立するための計算を示す。

表 30−第 段階  滅菌線量を確立するための計算

用語

数値

説明

CD* 3

第 3 段階の試験から

DD* 3.4

kGy

第 3 段階の試験から

FNP 5.4

kGy

第 3 段階の試験から

FFP 0.66

kGy

第 2 段階の試験から

FNP

−FFP 4.74

kGy

例では,

(FNP

−FFP)  =5.4 kGy−0.66 kGy

=4.74 kGy

注記 (FNP−FFP)<0 の場合には,(FNP−FFP)=0 とする

DS 

2.55 kGy

DS

=1.6 kGy+0.2×[FNP−FFP]

[式

(8)

例では,

DS

=1.6 kGy+0.2×(4.74) kGy

=2.55 kGy

D** 4.6

kGy

D**

DD*+[log (CD*)]×(DS)

[式

(5)

注記  CD*=0 の場合には,[log (CD*)]=0 とする。 
例では,

D**

=3.4 kGy+[log (3)]×(2.55) kGy

=3.4 kGy+(0.477 1)×(2.55) kGy

=4.62 kGy

=4.6 kGy

SAL 10

6

第 1 段階で決定

SIP 1.0

第 1 段階の要求事項

SAL 10

6

滅菌線量

14.8 kGy

滅菌線量 =D**+[−log (SAL)−2]×(DS)

[式

(9)

例では, 
滅菌線量 =4.6 kGy+(6−2)×(2.55) kGy

=4.6 kGy+(4)×(2.55) kGy

=14.8 kGy


48

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.3  VD

max

法の実施例

表 31 に VD

max

25

法の実施例を示す。実施例では,線量実証試験において製品試料が長すぎるので製品試

料の一部分を使用した。また,

表 32 に製品試料全体を使用する必要がある VD

max

15

法の実施例を示す。

表 31VD

max

25

の実証(SIP は 1.0 未満)

用語

数値

説明

第 1 段階

SAL 10

6

この方法は,最大 SAL 10

6

を達成するための滅菌線量としての 25 kGy を実

証する。

SIP 0.5

この製品試料は,大きくて無菌性の試験の実施が容易でないため,試験には

製品試料の 1/2 の部分を使用した。

製品試料数 40

バイオバーデンの決定に三つの製造バッチからそれぞれ 10 個と検定線量試

験に 10 個。

第 2 段階

全 SIP 平均

バイオバーデン

59

三つの製造バッチでそれぞれ 50,62,65 の SIP バイオバーデンが得られ全

SIP

平均バイオバーデンは 59 となった。

全平均

バイオバーデン

118

各バッチの製品試料全体のバイオバーデンは,次のように計算した。

50/0.5

=100

62/0.5

=124

65/0.5

=130

全平均バイオバーデンは 118 となり,各バッチ平均バイオバーデンのいずれ
も全平均バイオバーデン 118 の 2 倍以上となるものがないため,全平均バイ

オバーデンを検定線量の計算に適用した。

第 3 段階

検定線量 8.1

kGy

表 から検定線量を求める。バイオバーデンの値 118 が表に記載がないので,
表中にある次に大きな値であるバイオバーデン 120 を用いた。SIP が 0.5 の

VD

max

25

は,次の式を用いて算出した。

  SIP VD

max

25

=(SIP=1.0 VD

max

25

)

+(SIP 線量減少係数×log SIP)

[式(10)]

  SIP VD

max

25

=9.0 kGy+(2.91×log 0.5)

=8.1 kGy

第 4 段階

無菌性の試験の

結果

陽性数

0

製品試料の最大線量は 8.7 kGy であり,算術平均は 7.9 kGy であった。線量は
すべて規定範囲内であった。

滅菌線量 25

kGy

無菌性の試験の許容陽性数は 1 なので,無菌性の試験の結果は合格である。
よって 25 kGy は実証された。


49

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

表 32VD

max

15

の実証(SIP は 1.0

用語

数値

説明

第 1 段階

SAL 10

6

この方法は,最大 SAL 10

6

を達成するための滅菌線量としての 15 kGy を実

証する。

SIP 1.0

試験のため製品試料全体を使用。

製品試料数 40

バイオバーデンの決定に三つの製造バッチそれぞれから 10 個と検定線量試

験に 10 個

第 2 段階

全平均

バイオバーデン

0.73

試験を行った三つの製造バッチでそれぞれ 0.8,0.7,0.7 のバイオバーデンが
得られ全平均バイオバーデンは 0.73 となった。バッチ平均バイオバーデンの
いずれもが全平均バイオバーデン 0.73 の 2 倍以上となるものがないため,全

平均バイオバーデンを検定線量の計算に適用した。

第 3 段階

検定線量 2.3

kGy

表 10 から検定線量を求める。平均バイオバーデンの値 0.73 が表に記載され
ていないので,表中にある次に大きな値である 0.8 のバイオバーデンを用い

た。

第 4 段階

無菌性の試験の結果

陽性数

0

製品試料の最大線量は 2.5 kGy であり,算術平均は 2.3 kGy であった。線量は
すべて規定範囲内であった。

滅菌線量 15

kGy

無菌性の試験の陽性許容数は 1 なので,無菌性の試験の結果は合格である。
よって 15 kGy は実証された。


50

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.4

方法 を用いて確立した滅菌線量監査で滅菌線量の増加が必要となる場合の実施例

方法 1 における滅菌線量監査の手順は,SIP が 1.0 又は SIP が 1.0 未満にかかわらず同じである。次の例

は,

表 13 に示した例の続きであり,そこでは最終使用時に要求される SAL は 10

3

,元のバリデーション

の第 2 段階で得られた平均バイオバーデンは 382,第 3 段階で確定した検定線量は 9.7 kGy,第 5 段階で確

立した滅菌線量は 12.9 kGy であった。

表 33 は,滅菌線量確立後の最初の滅菌線量監査の例である。

表 33−線量増加が必要となる滅菌線量監査

用語

数値

説明

第 1 段階

監査での陽性数

陽性数

4

滅菌線量監査で得られた無菌性の試験の陽性数。3 以上の陽性数が得られた

ので直ちに滅菌線量を増加する必要がある。

最大監査線量 9.5

kGy

“最大監査線量”は,元の検定線量の 10  %を超えていない。

第 2 段階

11.5 kGy

E

を式

(11)

で求める。

E

=“最大監査線量”+2.0 kGy

[式(11)]

E

=9.5 kGy+2.0 kGy=11.5 kGy

(E

−1)

10.5 kGy

11.5 kGy

−1.0 kGy=10.5 kGy

(E

−1)>9

外挿係数 4.2

kGy

9

<(E−1)<16 の場合には,式

(14)

で外挿係数を求める。

外挿係数 =0.4×(E−1)

[式(14)]

外挿係数 =0.4×(10.5) kGy

=4.2 kGy

第 3 段階

調整線量 12.0

kGy

調整線量を式

(15)

で求める。

調整線量  =“最大監査線量”+[log(監査陽性数)]×(外挿係数)  [式(15)]

調整線量  =9.5 kGy+(log 4)×(4.2) kGy

=12.0 kGy

SAL 10

3

例では,製品の最終使用時に SAL 10

3

が要求されている。

SIP 1.0

元の検定線量試験に製品試料全体を使用しており,滅菌線量監査でもそれを
引き続き使用する。

第 4 段階

増加滅菌線量 16.2

kGy

増加滅菌線量を式

(16)

で求める。

増加滅菌線量  =調整線量+[−log (SAL)−log (SIP)−2]×(外挿係数)[式(16)]
増加滅菌線量  =12.0 kGy+[−log (10−3)−log (1)−2]×(4.2) kGy

=16.2 kGy


51

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.5

方法 2A を用いて確立した滅菌線量監査で滅菌線量の増加が必要となる場合の実施例

方法 2A(SIP は 1.0)

,方法 2A(SIP は 1.0 未満)及び方法 2B では,滅菌線量監査の手順は同じである。

表 34 に示すのは方法 2A を用いて当初滅菌線量が 21.8 kGy と決定された例である。元のバリデーション

では製品試料全体を使用し,第 1 段階で SAL 10

6

が選定されている。また第 4 段階で 9.0 kGy の D**が得

られている。

表 34−線量増加が必要となる滅菌線量監査

用語

数値

説明

第 1 段階

監査での陽性数

陽性数

7

滅菌線量監査で得られた無菌性の試験の陽性数。陽性数が 3 以上であったの
で直ちに滅菌線量を増加する必要がある。

最大監査線量 6.5

kGy

“最大監査線量”は,元の検定線量の 10

%を超えていない。

第 2 段階

8.5 kGy

E

を式

(11)

で求める。

E

=“最大監査線量”+2.0 kGy

[式(11)]

E

=6.5 kGy+2.0 kGy

=8.5 kGy

(E

−1)

7.5 kGy

8.5 kGy

−1.0 kGy=7.5 kGy

(E

−1)<10

外挿係数 3.5

kGy

(E

−1)<10 の場合には,式

(13)

によって外挿係数を求める。

外挿係数 =2+0.2×(E−1)

[式(13)]

外挿係数 =2+0.2×(7.5) kGy

=3.5 kGy

第 3 段階

調整線量 9.5

kGy

調整線量を式

(15)

で求める。

調整線量 =“最大監査線量”+[log(監査での陽性数)]×(外挿係数)[式(15)]
調整線量 =6.5 kGy+(log 7)×(3.5) kGy

=9.5 kGy

SAL 10

6

例では,製品の最終使用時に SAL 10

6

が要求されている。

SIP 1.0

元の検定線量試験では,製品試料全体が使用され,滅菌線量監査でもそれを
引き続き使用する。

第 4 段階

増加滅菌線量 23.5

kGy

増加滅菌線量を式

(16)

で求める。

増加滅菌線量 =調整線量+[−log (SAL)−log (SIP)−2]×(外挿係数)[式(16)]
増加滅菌線量 =9.5 kGy+[−log (10−6)−log (1)−2]×(3.5) kGy

=23.5 kGy


52

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

11.6  VD

max

25

法で実証した滅菌線量監査の実施例

VD

max

25

法の滅菌線量監査の手順は,SIP が 1.0 又は SIP が 1.0 未満を使用する場合にかかわらず同じで

ある。

表 35 に 25 kGy の滅菌線量が実証された後で実施される最初の滅菌線量監査の例を示す。

表 35VD

max

25

の滅菌線量監査(監査不合格で線量増加の場合)

用語

数値

説明

滅菌線量監査

第 1 段階

製品試料数 20

単一の製造バッチから 20 個の製品試料を選択。

第 2 段階

SIP 0.5

元の 25 kGy の実証では,SIP は 0.5 を使用。

全 SIP 平均バイオ

バーデン

354

試験した 10 個の SIP の平均バイオバーデンは 354 であった。

全平均バイオ

バーデン

708

製品試料全体の全平均バイオバーデンは次のように計算した。 
  354/0.5=708

第 3 段階

監査検定線量 8.1

kGy

当初の 25 kGy の実証は,検定線量 8.1 kGy で実施され,10 個の SIP はこの

線量で照射した。

第 4 段階

無菌性の試験の結果

陽性数

2

SIP

への最大線量は 8.7 kGy で,算術平均は 8.3 kGy であった。SIP への吸収

線量は規定範囲内であった。無菌性の試験で二つの陽性が発生したため確
認滅菌線量監査の実施が必要となった。

確認滅菌線量監査

第 1 段階

製品試料数 10

単一製造バッチから追加で 10 個の製品試料を選択。

第 2 段階

監査検定線量 8.1

kGy

確認滅菌線量監査の線量は,最初の検定線量と同じである。10 個の SIP を

この線量で照射した。

第 3 段階

無菌性の試験の結果

陽性数

1

SIP

への最大線量は 8.9 kGy で,算術平均は 7.9 kGy であった。SIP への吸収

線量は,規定範囲内であったが,確認滅菌線量監査の無菌性の試験で一つ
の陽性を生じ,2 回の検定線量試験における無菌性の試験の陽性数の合計が

3

となり,確認滅菌線量監査は不合格となった。25 kGy の滅菌線量を直ちに

増加し,別の方法(例えば,方法 2)で滅菌線量を再確立する。

線量増加

全平均バイオ

バーデン

708

滅菌線量監査のために決定した製品試料全体の全平均バイオバーデンを用

いて増加滅菌線量を決定する。

増加線量値 3.4

kGy

全平均バイオバーデン及び

表 11 から線量増加値を決定する。708 が表に記

載されていないので,表中にある次に大きな値である平均バイオバーデン

750

を用いた。

増加滅菌線量 28.4

kGy

増加滅菌線量は,次の式で計算する。

増加滅菌線量 (kGy)=25 kGy+増加線量値 (kGy)

[式(18)]

増加滅菌線量 (kGy)=25 kGy+3.4 kGy=28.4 kGy


53

T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

参考文献

[1]  ISO 11137:1995

,Sterilization of health care products−Requirements for validation and routine control−

Radiation sterilization

[2]  JIS T 0806-3:2010

  ヘルスケア製品の滅菌−放射線−第 3 部:線量測定にかかわる指針

注記  対応国際規格:ISO 11137-3:2006,Sterilization of health care products−Radiation−Part 3:

Guidance on dosimetric aspects (IDT)

[3]  ISO/TS 11139:2006

,Sterilization of health care products−Vocabulary

[4]  AAMI

,Recommended Practice, RS:1984, Process control guidelines for gamma radiation sterilization of

medical devices. Arlington VA, AAMI, 1984

[5]  AAMI TIR27:2001

,Sterilization of Health Care Products−Radiation Sterilization−Substantiation of 25 kGy

as a Sterilization Dose

−Method VD

max

, Arlington VA, AAMI, 2001

[6]  ANSI/AAMI ST32:1991

,second edition of AAMI RS Guideline for Gamma Radiation Sterilization, Arlington

VA, AAMI, 1991

[7]  NHB 5340.1A

,October 1968, The Microbiological Examination of Space Hardware, National Aeronautics and

Space Administration, Washington, DC 20546

[8]  DAVIS, K.W., STRAWDERMAN, W.E., MASEFIELD, J. and WHITBY, J.L. DS gamma radiation dose setting

and auditing strategies for sterilizing medical devices. in: Gaughran. E.R.L., and Morrissey, R.F., (eds.),

Sterilization of medical products, Vol. 2. Montreal: Multiscience Publications Ltd., 1981; pp. 34-102

[9]  DAVIS, K.W., STRAWDERMAN, W.E. and WHITBY, J.L. The rationale and computer evaluation of a gamma

sterilization dose determination method for medical devices using a substerilization incremental dose sterility

test protocol, J. Appl. Bact. 1984; 57; pp. 31-50

[10] FAVERO, M. Microbiologic Assay of Space Hardware, Environmental Biology and Medicine. 1971; 1:27-36

[11]  HERRING, C. Dose audit failures and dose augmentation, Radiat. Phys. Chem. 1999; 54; pp. 77-81

[12] HERRING, C., BRANDSBERG, J., OXBORROW, G. and PULEO, J. Comparison of media for detection of

fungi on spacecraft, Applied Microbiology, 1974; 27(3); pp. 566-569

[13] KOWALSKI, J., AOSHUANG, Y. and TALLENTIRE, A. Radiation sterilization

−Evaluation of a new method

for substantiation of 25 kGy, Radiat. Phys. Chem. 2000; 58; pp. 77-86

[14] KOWALSKI, J. and TALLENTIRE, A. Substantiation of 25 kGy as a sterilization dose: A rational approach to

establishing verification dose, Radiat. Phys. Chem. 1999; 54; pp. 55-64

[15] KOWALSKI, J. and TALLENTIRE, A. Aspects of putting into practice VD

max

, Radiat. Phys. Chem. 2003; 67;

pp. 137-141

[16] KOWALSKI, J. et al. Field evaluations of the VD

max

 approach for substantiation of a 25 kGy sterilization dose

and its application to other preselected doses, Radiat. Phys. Chem. 2002; 64; pp. 411-416

[17] TALLENTIRE, A. Aspects of microbiological control of radiation sterilization, J. Rad. Ster. 1973; 1; pp. 85-103

[18] TALLENTIRE, A., DWYER, J. and LEY, F.J. Microbiological control of sterilized products. Evaluation of

model relating frequency of contaminated items with increasing radiation treatment, J. Appl. Bact. 1971; 34; pp.

521-34

[19] TALLENTIRE, A. and KHAN, A.A. The sub-process dose in defining the degree of sterility assurance. In:


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T 0806-2

:2010 (ISO 11137-2:2006)

Gaughran. E.R.L.; Goudie, A.J. (eds.), Sterilization by ionizing radiation, Vol. 2, Montreal: Multiscience

Publications Ltd., 1978; pp. 65-80

[20] WHITBY, J.L. and GELDA, A.K. Use of incremental doses of cobalt 60 radiation as a means to determine

radiation sterilization dose, J. Parent. Drug Assoc. 1979; 33; pp. 144-55

[21] JIS T 14971:2003

  医療機器−リスクマネジメントの医療機器への適用

注記  対応国際規格:ISO 14971,Medical devices−Application of risk management to medical devices

(IDT)

[22] JIS Q 13485:2005

  医療機器−品質マネジメントシステム−規制目的のための要求事項