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T 0601-2-5:2015  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

201.1 適用範囲,目的及び関連規格 ························································································ 1 

201.2 引用規格 ··················································································································· 3 

201.3 用語及び定義 ············································································································· 3 

201.4 一般要求事項 ············································································································· 6 

201.5 ME機器の試験に対する一般要求事項 ············································································· 6 

201.6 ME機器及びMEシステムの分類 ··················································································· 6 

201.7 *ME機器の標識,表示及び文書 ···················································································· 7 

201.8 *ME機器の電気的ハザードに関する保護········································································· 7 

201.9 ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 ·················································· 8 

201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 ·································································· 8 

201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 ····································································· 9 

201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 ························································ 11 

201.13 ME機器の危険状態及び故障状態 ················································································ 13 

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) ·································································· 13 

201.15 ME機器の構造 ········································································································ 13 

201.16 MEシステム ··········································································································· 14 

201.17 *ME機器及びMEシステムの電磁両立性 ······································································ 14 

202 電磁両立性(EMC)−要求事項及び試験 ·········································································· 14 

202.6 電磁両立性 ··············································································································· 14 

附属書 ······························································································································· 14 

附属書AA(参考)個別の細分箇条に対する指針及び根拠 ··························································· 15 

附属書BB(参考)体外部に装着するトランスデューサアセンブリの表面温度を 

  測定するための装置の例 ································································································· 19 

参考文献 ···························································································································· 22 

この個別規格で用いられている定義した用語の索引 ··································································· 23 

附属書JAA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ···································································· 24 

T 0601-2-5:2015  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,日本理学療法機器

工業会(JIPT)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。 

これによって,JIS T 0601-2-5:2005は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

T 0601-2-5:2015 

医用電気機器−第2-5部:超音波物理療法機器の 

基礎安全及び基本性能に関する個別要求事項 

Medical electrical equipment-Part 2-5: Particular requirements for the basic 

safety and essential performance of ultrasonic physiotherapy equipment 

序文 

この規格は,2009年に第3版として発行されたIEC 60601-2-5を基とし,技術的内容を変更して作成し

た日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,附属書JAAに示す。 

この規格は,通則規格であるJIS T 0601-1:2014(以下,通則という。)及び副通則規格(以下,副通則と

いう。)と併読する規格である。 

この規格でアスタリスク(*)印の付いた箇所について,その規定根拠を附属書AAに記載する。また,

本文中の太字で示した用語は,通則,関連する副通則及び201.3で定義している用語である。本文中の“置

換え”,“追加”及び“修正”の意味は,201.1.4を参照する。 

201.1 

適用範囲,目的及び関連規格 

次を除き,通則の箇条1を適用する。 

201.1.1 

適用範囲 

置換え 

この規格は,201.3.216で定義する,超音波物理療法機器(以下,ME機器ともいう。)の基礎安全及び

基本性能に関する要求事項について規定する。 

この規格は,治療ヘッドの面と垂直な静的ビームを作り出す,治療ヘッド当たり単一平面非集束円形ト

ランスデューサを使用している超音波物理療法機器にだけ適用する。 

この規格は,病気,傷害,又は障害の補償若しくは緩和のために使われる超音波物理療法機器にも適用

できる。複合機器(例えば,電気的な刺激のための機能又は装着部が更に設けられた機器)の場合には,

その補助機能についての安全要求事項を規定した個別規格にも適合する。 

箇条又は細分箇条が,特にME機器だけ又はMEシステムだけに適用することを意図している場合,そ

の箇条又は細分箇条のタイトルと内容には,そのように記載する。そうでない場合には,その箇条又は細

分箇条は,関連性に応じてME機器及びMEシステムの両方に適用する。 

この規格の範囲にあるME機器又はMEシステムの意図されている生理的機能において固有の危害は,

通則の7.2.13及び8.4.1の内容を除いて,この規格の特定の要求事項で扱われていない。 

注記1 通則の4.2を参照。 

注記2 平成30年3月31日までJIS T 0601-2-5:2005を適用することができる。 

T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記3 この個別規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

IEC 60601-2-5:2009,Medical electrical equipment−Part 2-5: Particular requirements for the basic 

safety and essential performance of ultrasonic physiotherapy equipment(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

この個別規格は,次には,適用しない。 

− 超音波で駆動する機構をもつ機器(例えば,外科手術又は歯科で用いる機器) 

− 腎臓又はぼうこう(膀胱)内の結石を破砕するための集中超音波パルス波を用いた機器(結石破砕器)

(IEC 60601-2-36を参照) 

− 集中超音波パルス波を用いる超音波物理療法機器 

201.1.2 

目的 

置換え 

この個別規格の目的は,201.3.216で定義する超音波物理療法機器の基礎安全及び基本性能に関する要求

事項を確立することである。 

201.1.3 

副通則 

追加 

この個別規格は,通則の箇条2及びこの規格の201.2に記載した該当する副通則を引用している。 

IEC 60601-1-2は,箇条202での変更を含めて適用する。 

その他の規格化されたJIS T 0601-1規格群の副通則も適用する。 

201.1.4 

個別規格 

置換え 

JIS T 0601規格群では,個別規格は,対象とするME機器に適する通則及び副通則に含まれる要求事項

を修正,置換え又は削除してもよく,他の基礎安全及び基本性能を追加してもよい。 

個別規格の要求事項は,通則よりも優先する。 

副通則は,規格番号を引用する。 

この個別規格の箇条及び細分箇条の番号は,通則の番号に接頭番号“201”を付与する(例えば,この個

別規格の201.1は,通則の箇条1の内容を扱う。)。また,副通則の場合には,接頭番号“20x”を付与する。

ここで,“x”は副通則の規格番号の最後の数字である(例えば,ある個別規格の203.4は,副通則JIS T 

0601-1-3の箇条4を示す。)。 

通則の文章を変更した部分は,次の用語で示す。 

“置換え”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に全て置き換える

ことを意味する。 

“追加”は,通則又は適用する副通則の該当する要求事項に,この個別規格の規定を追加することを意

味する。 

“修正”は,通則又は適用する副通則の箇条又は細分箇条を,この個別規格の規定に修正することを意

味する。 

通則に追加する細分箇条,図又は表は,201.101で始まる番号を付ける。しかし,通則は,3.1〜3.147の

細分箇条番号で定義している。この個別規格では,201.3.201から始まる細分箇条番号で定義する。 

追加する附属書は,附属書AA,附属書BBなどと記載し,追加項目はaa),bb)などと記載する。 

各副通則に追加する細分箇条,図又は表は,“20x”から始まる番号を付ける。ここで“x”は副通則の番

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

号である。例えば,202はIEC 60601-1-2,203はJIS T 0601-1-3を示す。 

“この規格”という用語は,“通則,適用する副通則及びこの個別規格を包含する。”いずれの場合にも

使用する。 

この個別規格に対応する箇条又は細分箇条がない場合,関連していない場合があっても,通則又は適用

可能な副通則の箇条若しくは細分箇条を変更せずに適用する。関連する可能性があっても,通則又は適用

可能な副通則のどの部分にも適用しないようになっている場合には,この個別規格にそれを適用しないこ

とを記載している。 

201.2 

引用規格 

次を除き,通則の箇条2を適用する。 

修正 

IEC 60601-1-2:2007,Medical electrical equipment−Part 1-2: General requirements for basic safety and 

essential performance−Collateral standard: Electromagnetic compatibility−Requirements and tests 

追加 

JIS T 0601-1:2014 医用電気機器−第1部:基礎安全及び基本性能に関する一般要求事項 

注記 対応国際規格:IEC 60601-1:2005,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for 

basic safety and essential performance及びAmendment 1:2012(MOD) 

IEC 61689:2007,Ultrasonics−Physiotherapy systems−Field specifications and methods of measurement in 

the frequency range 0,5 MHz to 5 MHz 

IEC 62127-1:2007,Ultrasonics−Hydrophones−Part 1: Measurement and characterization of medical 

ultrasonic fields up to 40 MHz 

IEC 62127-2:2007,Ultrasonics−Hydrophones−Part 2: Calibration for ultrasonic fields up to 40 MHz 

注記 参考文献は,巻末に記載している。 

201.3 

用語及び定義 

この個別規格で用いる主な用語及び定義は,通則及びIEC 61689(便宜上一部は,この規格で再度掲載

している。)によるほか,次による。 

注記1 定義した用語の索引を参考文献の後に記載している。 

注記2 この個別規格で用いられている記号の一覧を,表201.101に記載している。 

追加 

201.3.201 

音響作用周波数,fawf(ACOUSTIC WORKING FREQUENCY) 

音場に置いたハイドロホン出力の観測に基づいた音響信号の周波数。音響信号は,ゼロ・クロシング周

波数技術を使って解析する。 

(IEC 61689:2007の3.3を変更) 

注記 音響作用周波数は,ヘルツ(Hz)で表す。 

201.3.202 

アタッチメントヘッド(ATTACHMENT HEAD) 

超音波ビーム特性を変更する目的で,治療ヘッドに取り付けることを意図した附属品。 

201.3.203 

T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

ビーム不均等率,RBN(BEAM NON-UNIFORMITY RATIO) 

最大音圧実効値の二乗と音圧実効値の二乗の空間平均との比。空間平均は,有効放射面積から得られる。 

(IEC 61689:2007の3.9を変更) 

201.3.204 

ビームタイプ(BEAM TYPE) 

超音波ビームに関する記述的分類。超音波ビームの形には,平行(コリメーテッド形),集束(コンバー

ジェント形)又は発散(ダイバージェント形)の3種類がある。 

(IEC 61689:2007の3.11参照) 

201.3.205 

デューティファクタ(DUTY FACTOR) 

パルス幅とパルス繰返し周期との比。 

(IEC 61689:2007の3.16参照) 

201.3.206 

有効強度,Ie(EFFECTIVE INTENSITY) 

Ie=P/AERで表す強度。Pは,出力,AERは,有効放射面積である。 

注記 有効強度は,ワット/平方センチメートル(W/cm2)で表す。 

(IEC 61689:2007の3.17参照) 

201.3.207 

有効放射面積,AER(EFFECTIVE RADIATING AREA) 

治療ヘッドの正面から0.3 cmの距離で測定したビーム断面ABCS(0.3)に,無次元係数1.354を掛け合わせ

た値。 

(IEC 61689:2007の3.19を変更) 

注記1 ビーム断面は,平方センチメートル(cm2)で表す。 

注記2 これは,超音波出力の平均平方の和の100 %を含む治療ヘッド面の面積と同様に考えても差

し支えない。 

201.3.208 

出力,P(OUTPUT POWER) 

指定した媒体,望ましくは水中で指定した状況下にある近似的な自由空間で,超音波物理療法機器の治

療ヘッドから放射する時間平均超音波出力。 

(IEC 61689:2007の3.30参照) 

注記 出力は,ワット(W)で表す。 

201.3.209 

パルス幅(PULSE DURATION) 

圧力振幅が基準値を最初に超えたときから始まり,圧力振幅が基準値に戻るまでの時間間隔。基準値は,

最大圧力振幅と最小圧力振幅との差の10 %と,最小圧力振幅との和に等しい。 

(IEC 61689:2007の3.34参照) 

注記 パルス幅は,秒(s)で表す。 

201.3.210 

パルス繰返し周期,prp(PLUSE REPETITION PERIOD) 

連続したパルス又はトーンバーストの場合の,二つの等しい動作の時間間隔。 

T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記1 これは,単一エレメントの非自動かつ自動スキャン装置のために適用する。 

(IEC 60469-1:1987の5.3.2.1参照) 

注記2 パルス繰返し周期は,秒(s)で表す。 

(IEC 61689:2007の3.35参照) 

201.3.211 

定格出力(RATED OUTPUT POWER) 

定格電源電圧におけるME機器の最大出力。 

注記 定格出力は,ワット(W)で表す。 

(IEC 61689:2007の3.31参照) 

201.3.212 

瞬時最大強度,Im(TEMPORAL-MAXIMUM INTENSITY) 

振幅変調波の場合,瞬時最大出力と有効放射面積との比。 

(IEC 61689:2007の3.40を変更) 

201.3.213 

瞬時最大出力,Ptm(TEMPORAL-MAXIMUM OUTPUT POWER) 

振幅変調波の場合,実際の出力,瞬時ピーク音圧及び実効音圧の関数であり,IEC 61689によって求め

られた値(出力)。 

(IEC 61689:2007の3.33を変更) 

201.3.214 

*治療ヘッド(TREATMENT HEAD) 

超音波を患部に当てる超音波トランスデューサ及び付随する部品で構成する組立品。 

注記 アプリケータとも呼ばれる。 

201.3.215 

超音波(ULTRASOUND) 

可聴周波数の上限(およそ16 kHz)を超えた周波数での音響振動。 

(IEV 802-01-01を変更) 

201.3.216 

超音波物理療法機器(ULTRASONIC PHYSIOTHERAPY EQUIPMENT) 

患者に治療する目的で超音波を発生し,治療に用いる機器。 

注記 基本的には,ME機器は,高周波電力発生器及び超音波変換器を備える機器。 

201.3.217 

超音波トランスデューサ(ULTRASONIC TRANSDUCER) 

電気エネルギーを超音波周波数範囲内で機械エネルギーに変換,及び/又は機械エネルギーと電気エネ

ルギーとを相互に変換できる装置。 

(IEC 62127-1:2007の3.73参照) 

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表201.101−この個別規格で使用している記号の一覧 

記号 

用語 

参照 

ABCS(0.3) 

治療ヘッドの正面から0.3 cmの距離で評価したビーム断面 

IEC 61689の3.7 

AER 

有効放射面積 

201.3.207 

fawf 

音響作用周波数 

201.3.201 

Ie 

有効強度 

201.3.206 

Im 

瞬時最大強度 

201.3.212 

出力 

201.3.208 

Ptm 

瞬時最大出力 

201.3.213 

prp 

パルス繰返し周期 

201.3.210 

RBN 

ビーム不均等率 

201.3.203 

201.4 

一般要求事項 

次を除き,通則の箇条4を適用する。 

201.4.3 

基本性能 

追加 

201.4.3.101 追加の基本性能要求事項 

表201.102には,超音波物理療法機器の基本性能及び要求事項が記載されている細分箇条を特徴付ける

ために識別された受容できないリスクの潜在的発生源を記載した。 

表201.102−基本性能要求事項 

要求事項 

細分箇条 

治療に伴う不正確なa)数値の表示がない。 

201.12.1 

不要な超音波放射が生じない。 

201.10.102 

過度な超音波出力が生じない。 

201.12.4 

意図されない,又は過度なトランスデューサアセンブリの温度が生じない。 

201.11 

注a) “不正確な”とは,表示された値が,測定結果,又は意図された値と異なるという意味である。 

201.4.11 電源入力 

追加 

通則のこの細分箇条は,ME機器を最大出力で動作させて適用する。 

注記 電源入力要求事項への適合は,出力レベルに左右される場合がある。 

201.5 

ME機器の試験に対する一般要求事項 

次を除き,通則の箇条5を適用する。 

201.5.1 

*形式試験 

追加 

注記 附属書AAを参照。 

201.6 

ME機器及びMEシステムの分類 

通則の箇条6を適用する。 

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201.7 

*ME機器の標識,表示及び文書 

次を除き,通則の箇条7を適用する。 

201.7.2 

ME機器又はME機器の部分の外側の表示 

追加 

201.7.2.101 装置の種類別表示 

a) ME機器の発振器には,追加で次の項目を表示する。 

− 音響作用周波数[単位は,MHz(1 MHz未満は,kHz)] 

− 波形[連続,振幅変調(又はパルス変調)] 

− 振幅変調(又はパルス変調)の場合,各信号の変調設定に関するパルス幅,パルス繰返し周期及び

デューティファクタの出力波形についての説明又は図。 

b) 発振器には,個々に識別できるよう,容易に消えない製造番号の銘板を付ける。 

c) 治療ヘッドには,ワット(W)で表す定格出力,平方センチメートル(cm2)で表す有効放射面積,ビ

ーム不均等率,ビームタイプ,治療ヘッドを使用するME機器の発振器の名称(適用箇所は,201.7.9.2.1

の最後の項目を参照)及び製造番号を記載しなければならない。 

201.7.9.2 

取扱説明書 

201.7.9.2.1 

一般 

追加 

取扱説明書には,次の事項を追加記載しなければならない。 

− 音響作用周波数は,キロヘルツ(kHz)又はメガヘルツ(MHz)で示し,治療ヘッド又はアタッチメ

ントヘッドの有効放射面積を平方センチメートル(cm2)で示した情報 

− 定期的な保守に必要な使用者への注意事項。特に, 

− 使用者による定期性能試験期間及び校正期間 

− 伝導性流体が浸入してしまう治療ヘッドの割れの点検 

− 治療ヘッドのケーブル及びコネクタの点検 

− 安全操作上必要な手順の助言。B形装着部の場合,不適切な電気設備に起因する危害に注意を向けさ

せる助言 

− 等電位化導線の接続を含んで,ME機器を安全に接続する電気設備の形に関する助言 

− 治療ヘッドを乱暴に扱うと,治療ヘッドの特性に悪影響をもたらすことから,治療ヘッドを丁寧に取

り扱うように使用者の注意を向けさせる助言 

− 超音波治療の禁忌の一覧表 

− 使用目的の一覧 

− 治療ヘッドに関する有効な情報 

− 接続する発振器を特定することができない交換可能な治療ヘッドについては,その旨を述べ,更に交

換する方法を説明する。 

201.8 

*ME機器の電気的ハザードに関する保護 

次を除き,通則の箇条8を適用する。 

201.8.1 

電撃に対する保護の基本規則 

追加 

複合機器(例えば,追加機能又は電気刺激のための装着部をもつ機器)の場合には,その追加機能に関

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

する安全要求事項を規定する個別規格にも適合しなければならない。 

201.8.7.4.8 

患者測定電流の測定 

追加 

トランスデューサアセンブリを試験するため,装着部を0.9 %の食塩水に浸す。 

201.8.8.3 

耐電圧 

追加 

aa) トランスデューサアセンブリを試験するため,装着部を0.9 %の食塩水に浸す。 

201.9 

ME機器及びMEシステムの機械的ハザードに関する保護 

通則の箇条9を適用する。 

201.10 不要又は過度の放射のハザードに関する保護 

次を除き,通則の箇条10を適用する。 

追加 

201.10.101 *超音波エネルギー 

製造業者は,この規格で規定したリスクマネジメントプロセスにおいて,超音波エネルギーに関連する

リスクに含めなければならない。 

(試験) 

適合性は,リスクマネジメントファイルの調査によって確認する。 

201.10.102 *不要な超音波放射 

手持形の治療ヘッドの治療部以外から放射する超音波について,空間ピーク瞬時平均強度(IEC 62127-1

を参照)は,次に規定する方法で測定したとき,100 mW/cm2未満でなければならない。 

(試験) 

適合性は,次の試験によって確認する。 

治療ヘッドの前面を,22 ℃±3 ℃の温度で脱気水に浸す。ME機器を治療ヘッドに規定されている定格

出力で動作させる。不要な超音波放射は,ゲルで治療ヘッドの側壁と結合した校正済みのハイドロホンに

よって,側壁を手動で走査して測定する。 

IEC 62127-1における定義に反して,空間ピーク瞬時平均強度(Ispta)は,近似式を用いて計算する。 

c

ρ

P

I

2

max

spta=

 ··············································································· (1) 

ここに, Pmax: 最大実効値音圧(IEC 61689:2007を参照) 
 

ρ: 結合ゲルの密度。簡潔にするために,水の密度を使うことが

できる。 

c: 媒体内における音の速度。簡潔にするために,水中での音速

を使うことができる。 

注記1 空間ピーク瞬時平均強度は,1ワット/平方メートル(W/m2)で表す。 

使われるハイドロホンは,直径1 mm以下の能動素子をもつ。 

使われるハイドロホンは,IEC 62127-2に従って,校正する。 

注記2 この方法の原理と使用する測定条件のいずれも,強度の値の正確な測定を可能にするもので

はない。しかし,測定する値は,治療ヘッドの側面で得られるエネルギーの情報を示す。 

注記3 出力及び強度分布の要求事項については,201.12を参照。 

T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

201.11 過度の温度及び他のハザードに関する保護 

次を除き,通則の箇条11を適用する。 

201.11.1.2.2 *患者に熱を与えることを意図しない装着部 

追加 

患者に装着する治療ヘッドは,試験条件201.11.1.3.101.1の下で測定したときに通常状態において患者接

触面温度が43 ℃を超えてはならない。 

患者に装着する治療ヘッドは,試験条件201.11.1.3.101.2の下で測定したときに患者接触面温度が50 ℃

を超えてはならない。 

(試験) 

適合性は,超音波物理療法機器を動作させ,201.11.1.3.101に記載された温度試験によって確認する。 

注記 患者接触面は,放射面だけではなく装着部のどの部分も含まれる。 

201.11.1.3 *測定 

追加 

201.11.1.3.101 試験条件 

治療ヘッドは,次の条件で試験する。 

201.11.1.3.101.1 使用状態の模擬 

治療ヘッドの装着部は,トランスデューサアセンブリの有効面から放射された超音波が試験対象に入る

ようにその試験対象と音響学的に結合されて,初期の段階で試験対象と熱平衡にある。 

治療ヘッドの位置関係及び,加熱又は冷却は,その治療ヘッドの意図した使用に相当するものと類似し

ている。これは,意図した使用に適切な,典型的な量の超音波伝達媒質を使うことを含む。 

温度は,正常な使用中,及び最高温度の場合に患者に接触する治療ヘッドの場所で測定する。 

試験対象は,模擬している組織に対し適切な温度特性及び音響特性をもっている。治療ヘッドが体外部

での使用を意図されている場合,この試験対象は,表面薄層から成るものとする。 

軟組織については,試験対象の材料は,次の特性をもっていなければならない。 

− 比熱容量:3 500±500 J/(kg・K) 

− 熱伝導度:0.5±0.1 W/(m・K) 

− 減衰:0.5±0.1 dB/cm/MHz 

注記1 組織の適切な音響特性の一般指針は,ICRU報告61(参考文献[2])に記載している。 

注記2 熱が皮膚,骨,又は軟組織を含む組織表面などに展開するために,装着部の意図した使用に

関するモデルの選択に慎重に考慮する必要がある。追加の指針は,附属書AA及び参考文献

[3]に記載している。 

試験対象は,超音波の反射を最小化することによって治療ヘッドの表面の加熱が減るように設計する

(例えば,吸音材の使用)。 

201.11.1.3.101.1.1 試験方法 

試験方法は,次のa)又はb)を選択する。 

超音波物理療法機器が閉ループ温度監視システムを使う場合,試験方法b)の使用が不適当な結果を導く

可能性があるため,試験方法a)を用いる。 

a) 体温に近い試験対象に基づいた試験方法 対象とトランスデューサのインタフェースでの試験対象の

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表面の初期温度は,少なくとも33 ℃,周囲温度は,23 ℃±3 ℃とする。 

この試験の要求事項を満たすため,装着部の表面温度は,43 ℃を超えてはならない。 

b) 温度上昇測定に基づいた試験方法 周囲温度は,23 ℃±3 ℃とする。対象とトランスデューサの接触

部において試験対象の表面の初期温度は,20 ℃〜33 ℃の間とし,装着部の表面温度上昇は,10 ℃を

超えてはならない。 

試験条件201.11.1.3.101.1で測定された表面の温度は,33 ℃と測定された温度上昇の合計である。 

注記 この試験方法に従うときに,温度上昇は,201.11.1.3.101.1に従って測定した,試験直前の治

療ヘッドの温度と試験中の治療ヘッドの最高温度との差と定義した。 

201.11.1.3.101.2 静止した空気 

静止した空気中で治療ヘッドをつるすか,又は治療ヘッドの装着部にわたって最小の気流となる環境チ

ャンバの中でそれを固定位置に置く。出力面が清浄であるのを確実にする(結合ゲルが塗布されていない

状態)。 

試験方法は,温度上昇測定に基づき試験する。 

周囲温度は,23 ℃±3 ℃とし,治療ヘッドの装着部の最初の温度は,周囲温度とする。試験中,治療

ヘッドの装着部の温度上昇は,27 ℃を超えてはならない。 

50 ℃の表面温度を超えない要求事項を満たすため,これらの試験条件の下で得られた表面の温度上昇と

23 ℃との合計は,この細分箇条の試験条件の下で表面温度とする。 

201.11.1.3.101.3 動作設定 

治療ヘッドの装着部の表面温度が最も高くなる設定で,超音波物理療法機器を動作させる。

201.11.1.3.101.1及び201.11.1.3.101.2の要求事項は,同一の出力設定を使って行う。試験での出力設定は,

リスクマネジメントファイルに記録する。 

201.11.1.3.101.4 試験時間 

超音波物理療法機器は,試験時間の間,連続動作させる。 

201.11.1.3.101.1及び201.11.1.3.101.2による試験は,30分間実施する。 

注記 この細分箇条で規定した時間より早く超音波物理療法機器が自動的にその出力が“フリーズす

る”か,停止する場合,直ちに再び超音波物理療法機器の出力を開始する。 

201.11.1.3.101.5 温度測定 

治療ヘッドの温度は,放射温度測定又は熱電対法などの適切な手段によって測定することが望ましい。 

熱電対を使用する場合,熱電対の接合部近傍のリード線は,測定を行う表面と良好な熱的接触状態でし

っかりと固定することが望ましい。測定する部位の温度上昇への影響が無視できるような方法で熱電対を

配置し,固定することが望ましい。 

センサの温度測定部位のサイズは,平均的な影響でも最小化するようなものとする。 

温度は,治療ヘッドの装着部の表面上で,表面温度が最も高くなる部位において測定する。 

測定の不確かさをリスクマネジメントファイルに記録する。 

注記1 不確かさの評価のために,測定における不確かさの表現に関するTS Z 0033(参考文献[4])

がある。 

注記2 温度を測定する手段としては,直接的な超音波加熱に過度に敏感でないタイプ(例えば,薄

膜又は細線熱電対)がある。伝導性の損失,超音波加熱,及び空間的平均化の影響など追加

の要素を,測定における不確かさを評価するときに考慮することが望ましい。 

注記3 外部に装着された治療ヘッドの表面温度測定の方法事例が,この規格の附属書BBに記載し

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

てある。 

201.11.1.3.101.6 試験基準 

治療ヘッドは,201.11.1.3.101.3で規定するように,試験の間動作させる。試験中,最高温度又は最高温

度上昇は,規定された限度値を超えてはならない。 

表201.103−201.11.1.3で記載した試験の概要 

適用する試験 

トランスデューサのタイプ:体外部での使用 

201.11.1.3.101.1 
模擬使用試験 

a) 温度 

試験対象/トランスデューサ接触部での試験対象の最
初の表面温度は,少なくとも33 ℃とする。 
温度は,43 ℃を超えてはならない。 

b) 温度上昇 

試験対象/トランスデューサ接触部での最初の温度
は,20 ℃〜33 ℃の間とする。 
周囲温度は,(23±3) ℃とする。 
温度上昇は,10 ℃を超えてはならない。 

201.11.1.3.101.2 
静止空気試験 
(ゲルなし) 

温度上昇 

周囲温度は,(23±3) ℃とする。 
治療ヘッドの表面の最初の温度は,周囲温度になる。 
温度上昇は,27 ℃を超えてはならない。 

201.11.6.5 *ME機器及びMEシステムへの水の浸入又は微粒子状物質の侵入 

追加 

201.11.6.5.101 治療ヘッド内への液体の浸入からの保護 

治療ヘッドは,JIS C 0920に従って,IPX7の等級でなければならない。 

(試験) 

適合性は,JIS C 0920に従って,接続コードの引込み口を含めて治療ヘッドを確認しなければならない。 

201.11.6.5.102 加圧マッサージによる液体の浸入からの保護 

加圧水によるマッサージ器と組み合わせて使う治療ヘッドは,治療中に生じる最大圧力に耐えなければ

ならない。 

(試験) 

適合性は,201.11.6.5.101で規定した試験で確認するが,圧力は,正常な使用時に生じる最大圧力の1.3

倍を加える。 

注記 正常な使用の間に浸水することを意図していないトランスデューサアセンブリの部分は,試験

目的のために一時的に保護してもよい。 

201.12 制御及び計器の精度並びに危険な出力に対する保護 

次を除き,通則の箇条12を適用する。 

201.12.1 *制御及び計器の精度 

追加 

音響出力の制御の精度を指定する。 

注記 不確かさの評価のために,測定の不確かさの表現に関するTS Z 0033(参考文献[4])を使用す

る。 

追加 

201.12.1.101 数量表示器には,制御パネル上にメータ又は目盛が付いた出力調整つまみを備えなければな

らない。数量表示器には,次の表示をしなければならない。また,表示された値は,直接読み取ることが

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できなければならない。 

a) 連続波モードの場合,出力及び有効強度 

b) 振幅変調モードの場合,瞬時最大強度及び瞬時最大出力 

(試験) 

適合性は,IEC 61689の箇条7による測定に従って確認する。 

上記に関する測定項目を附属文書に規定した暖気運転後,直ちに測定しなければならない。 

201.12.1.102 201.12.1.101で規定した表示器で2種類以上の異なる測定レンジを使用した場合は,そのレ

ンジの表示は,明確で信頼のある示度でなければならない。 

(試験) 

適合性は,調査によって確認する。 

201.12.1.103 201.12.1.101で示した出力表示は,実際の値から±20 %を超えて変化してはならない。 

(試験) 

適合性は,調査並びに振幅変調モードでの瞬時最大出力及び/又は連続波モードでの出力の測定によっ

て確認する。 

測定器は,表示可能な最大値の10 %よりも高い表示が出なければならない。 

201.12.1.104 201.12.1.101で規定した有効強度及び瞬時最大強度の表示は,実際の値から±30 %を超えて

変化してはならない。 

(試験) 

適合性は,調査並びに振幅変調モードでの瞬時最大強度,瞬時最大出力及び有効放射面積,及び/又は

連続波モードでの出力及び有効放射面積の測定によって確認する。測定器は,表示可能な最大値の10 %よ

りも高い表示が出なければならない。 

201.12.1.105 201.7.2.101 c)において要求する有効放射面積は,実際の値から±20 %を超えて変化してはな

らない。 

(試験) 

適合性は,IEC 61689:2007の7.4及び測定によって確認する。附属文書で指定した暖気運転時間の直後,

上記の測定を行う。 

201.12.4 *危険な出力に対する保護 

201.12.4.4 *不正確な出力 

追加 

最大有効強度は,製造業者によって提供された治療ヘッド又はアタッチメントヘッドで3 W/cm2を超え

てはならない。この要求事項は,正常状態とし,更に,全ての単一故障状態に適用する。 

(試験) 

適合性は,201.12.1のように有効放射面積の測定及び定格出力の測定によって確認する。 

追加 

201.12.4.4.101 *出力制御 

ME機器は,出力を定格出力の5 %以下に下げられる手段(出力制御)を備えていなければならない。 

(試験) 

適合性は,201.12.1のように出力の測定によって確認する。 

201.12.4.4.102 *電源変動に伴う出力安定性 

電源電圧の±10 %の変動に対して出力は,±20 %を超えて変動してはならない。この要求事項への適合

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のために,手動による機器の再調整は,認められない。 

(試験) 

適合性は,電源電圧の定格値の90 %,100 %,及び110 %で,201.12.1のように出力測定によって確認す

る。 

201.12.4.4.103 *タイマ 

ME機器は,あらかじめ設定した時間が経過すると出力を停止する設定可能なタイマを設ける。タイマ

は,30分以内とし,設定時間の精度は,±10 %を超えてはならない。 

201.12.4.4.104 *放射領域の均一性 

製造業者が供給する治療ヘッド又はアタッチメントヘッドについてビーム不均等率は,8.0を超えては

ならない。 

(試験) 

適合性は,IEC 61689の7.4に従い,測定によって確認する。 

201.12.4.4.105 時間経過に伴う出力安定性 

22 ℃±3 ℃の水中において,最大出力及び定格電源電圧で30分間の連続運転中において,出力は,初

期値の±20 %以内を継続しなければならない。 

201.12.4.4.106 *音響作用周波数 

音響作用周波数は,IEC 61689に適合しなければならない。 

201.13 ME機器の危険状態及び故障状態 

次を除き,通則の箇条13を適用する。 

追加 

201.13.101 複合機器 

複合機器の場合(例えば,電気刺激のための機能又は装着部が追加で設けられた機器),そのようなME

機器は,その追加機能の安全要求事項を規定した個別規格に適合しなければならない。 

201.14 プログラマブル電気医用システム(PEMS) 

通則の箇条14を適用する。 

201.15 ME機器の構造 

次を除き,通則の箇条15を適用する。 

201.15.4 ME機器の部品及び組立一般 

201.15.4.1 *コネクタの構造 

追加 

aa) 治療ヘッドの接続コードは,治療ヘッド及びME機器の挿入口又は附属接続プラグの部分における極

端な曲がりに対して保護しなければならない。 

(試験) 

適合性は,通則の8.11.3.6に規定された電源コードの試験をこの接続コードの両端に行うことによって

確認する。 

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201.16 MEシステム 

通則の箇条16を適用する。 

201.17 *ME機器及びMEシステムの電磁両立性 

次を除き,通則の箇条17を適用する。 

追加 

超音波物理療法機器は,次の修正をしてIEC 60601-1-2の要求事項に適合しなければならない。 

202 

電磁両立性(EMC)−要求事項及び試験 

次を除き,IEC 60601-1-2:2007を適用する。 

202.6 

電磁両立性 

202.6.1 

エミッション 

202.6.1.1 

無線通信の保護 

202.6.1.1.2 

試験 

置換え 

CISPRの試験方法を使用する。試験中,次の動作条件を適用する。 

− 治療ヘッドを水に浸し,出力を最大及び半分にて設定する。 

202.6.2 

イミュニティ 

202.6.2.1 

一般 

202.6.2.1.10 適合性基準 

10番目及び11番目のダッシュを次の文に置き換える。 

− 意図しない,又は過大な出力が生じてはならない。 

− 意図しない,又は過度なトランスデューサアセンブリの表面温度が生じてはならない。 

附属書 

次を除き,通則の附属書を適用する。 

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附属書AA 

(参考) 

個別の細分箇条に対する指針及び根拠 

AA.1 

一般指針 

この附属書は,この個別規格の重要な要求事項に対して簡潔な解説を与えるものであり,この個別規格

を使う人で,かつ,この個別規格作成に参加しなかった人を対象としている。 

主な要求事項の根拠を理解することは,規格の正しい適用の基礎となる。さらに,この要求事項に対す

る理由は,医療及び技術的進歩によって規格の改正が必要になった場合に,それを容易にすることができ

る。 

AA.2 

個別箇条及び細分箇条の根拠 

次は,この個別規格の特定箇条についての根拠である。箇条及び細分箇条は,この個別規格の本体の箇

条及び細分箇条と一致している。 

注記 この附属書の箇条又は細分箇条番号に付した“†”印(ダガーマーク)は,対応する要求事項に

対する根拠であることを示し,かつ,要求事項の文章でないことを容易に識別できるようにし

たものである。 

201.3.214† 治療ヘッド 

治療ヘッドを構成する多素子トランスデューサは,診断装置及びハイパーサーミア装置で一般的に使わ

れているが,ME機器ではあまり知られていない。重要な超音波パラメータを決定する適切な試験方法を

適用するには,問題があるので,IEC 61689の適用範囲は,単一平面円形トランスデューサに限定された。

これに合わせてこの個別規格の改正版でも同様に限定した。 

201.5.1† 形式試験 

製造工程における試験は(通則の5.1の根拠を参照),201.12.1.101に規定されている試験方法に従い,

定格出力を検証することが望ましい。さらに,201.11.6.5に規定されているように治療ヘッドの水密性につ

いても検証することが望ましい。 

したがって,201.12.1.101の試験は,ホットスポットの検出には不適切であり,製造業者は,サンプル製

品についてIEC 61689の箇条8に規定されているように,広範囲に及ぶ試験をすることが望ましい。 

201.7† ME機器の標識,表示及び文書 

最も重要な出力特性,安全に使う上で重要な情報をME機器に表示しなければならない。他の出力パラ

メータは,附属文書に明示してもよい。次のような項目について,95 %の信頼度で不確実性を評価した結

果を含むことが望ましい。 

a) 201.7.2.101 c)において表示された有効放射面積 

b) 201.7.2.101 c)において表示された定格出力 

c) 音響作用周波数 

d) ビーム不均等率 

e) パルス幅 

f) 

パルス繰返し周期 

g) 201.12.1.101における出力の表示 

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h) 201.12.1.101における有効強度の数値表示 

実際には,製造業者がIEC 61689の箇条5に従って,パラメータの範囲における公称値を宣言すること

が望ましい。 

201.8† ME機器の電気的ハザードに関する保護 

複合機器において,この規格は,超音波部についてだけ適用できる。 

しかしながら,複合機器においては,例えば,治療ヘッドが電気刺激装置の電極になる場合は,治療ヘ

ッドの接地は,認めていない。 

201.10.101† 超音波エネルギー 

この規格は,リスク分析に基づき,超音波の安全な使用について使用者を指導する責任を製造業者に課

している。 

201.10.102† 不要な超音波放射 

試験条件に比べ,正常な使用での100 mW/cm2という数値は,操作者の手との低い結合効率のために妥

当な安全係数内である。操作者の指がぬれている,又はゲルが付着していると,温度が数度上昇すること

が起こり得る。実際には起こりそうもない状態であるが,操作者に対しては,重要な問題であることには

変わりない。 

いかなる方法を使用したとしても正確な出力強度の測定ができない。しかしながら,測定された値は,

治療ヘッドの周囲にはエネルギーが発生していることを示している。 

201.11.1.2.2† 

患者に熱を与えることを意図しない装着部 

トランスデューサアセンブリは,熱を与えることを意図しないが,トランスデューサアセンブリ内での

エネルギー損失と患者における超音波吸収のため,熱を与えている。 

注記 適切な組織の音響特性の一般指針は,参考文献[8]で見ることができる。 

超音波物理療法機器のリスク分析を実行するときに,この規格のユーザは,通則の43 ℃の温度限界が

成人の健康な皮膚との長期的(10分以上の)接触にだけ適用可能であることを考慮することが必要である。 

小児への適用については,特別な考慮が必要である。薬の影響と患者の条件は,リスク分析においても

考慮することが望ましい要素である。小児及び危険となり得る条件の患者に対して41 ℃を超える温度の

安全な使用については,臨床上の経験にも基づくべきであると考えられている。 

10分を超えて患者と接触する部分について許容される最高温度の43 ℃は,通則と一致する。 

これは,最も敏感な哺乳動物組織の一つである腎臓への熱によって引き起こされた慢性のダメージのし

きい(閾)値と関連して安全係数2を表す。 

正味の組織の温度上昇は,次のメカニズムに起因する。 

− トランスデューサからの熱伝導 

− 組織の中の超音波の吸収 

− 他の部分への熱伝導による組織の冷却 

− 血液かん(灌)流による熱輸送による冷却 

全ての治療ヘッドは,その装置が遭遇する独特な臨床の走査環境に適切な試験条件及び基準が必要であ

る。 

超音波物理療法機器は,一般的に温度管理された場所で用いられるため,トランスデューサの表面温度

測定の環境として23 ℃±3 ℃の周囲温度が選ばれている。 

正常な使用中に,組織によって囲まれた状態で,手持形プローブは,一般的に動作しない。患者に接触

17 

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することを意図するプローブの小さな部分だけが,患者の中心部の体温によって決定された周囲温度にさ

らされる一方で,プローブアセンブリの本体は,周囲の空気と接触している。 

201.11.1.3† 

測定(表面温度) 

治療ヘッドが患者から外れる場合があり,その場合,治療ヘッドの放射面温度が上昇するかもしれない

ので,30分間空中に放射する試験を規定している。試験方法は,超音波放射による温度測定装置の発熱に

よる測定誤差を最小にするように規定している。 

上記の温度上昇は,音響結合を検出することによって自動的に出力を切り換える最新装置では,発生し

ない。 

試験方法に関しては,12 Wの定格出力を発生する一般的な装置は,15分間連続稼働すると吸収体に12 kJ

のエネルギーを与えるので,吸収体の温度が上がる。その結果,吸収体を損傷する,又はトランスデュー

サを加熱するような対流が発生する2種類のケースが考えられる。それは,実際の治療状況においても起

こり得る事実である。通則の11.1.3の静止空気試験においては,基本的に空気中への超音波放射は(体の

中への放射と違って),非常に非効率なので,電気エネルギーの全てが治療ヘッドの中で熱に変換される。

結合ゲルの使用と治療ヘッドの表層の熱容量が通常低いため,自由大気の状況から通常使用状況へ変わる

間に表面温度が迅速に垂下するということは,予期することができる。静止空気試験において50 ℃の限

界を考慮する。201.11.1.3の変更は,通常使用条件において,温度が1分以内に43 ℃に下がることができ

ることを確実にするのに適切である(通則の11.1.2,表24を参照)。 

試験を受ける治療ヘッドの通常使用に最も適切な人体組織に類似する熱特性及び音響特性をもつ軟組織

模倣体材料(TMM)を使うべきである。TMMは,対流によって冷却を抑制し,特定の組織の音響特性を

モデル化することの両方を意図している。三つの異なる種類のモデルの使用を正当化することができる。 

− 表面近くに骨模倣体をもつモデル 

− 表面で皮膚模倣体をもつモデル 

− 軟組織模倣体から成るモデル 

サイズを増すことによって及ぼす治療ヘッドの表面温度への影響が無視できるように,試験対象を設計

することが必要である。 

治療ヘッドの表面が湾曲している場合,その表面全体がモデルと確実に接触するよう注意する。 

代替材料は,結果が同等であると証明できる場合に使用してもよい。しかし,最も重要なこととして,

使われる材料は,意図されたモデルに適切な超音波の吸収係数及び熱特性を示す必要がある。 

201.11.6.5† 

ME機器及びMEシステムへの水の浸入又は微粒子状物質の侵入 

治療ヘッドの水密性は,水中だけでなく水槽の外での治療の際に,超音波トランスデューサと患者の皮

膚との結合性を高めるために塗布した油又はクリームの浸入も防ぐことが必要である。試験中の浸水の深

度は,臨床業務で使われる方法をカバーしている。 

201.12.1† 

制御及び計器の精度 

出力及び有効強度は,安全な治療において最も重要な数値である。したがって,これらの直接的な表示

が必要である。患者を治療するとき,操作者が表示された値を信頼することが必要である。規定した正確

度は,適切な安全度を供給しており,また,超音波出力測定に固有な誤差も考慮しているとみなす。 

201.12.4† 

危険な出力に対する保護 

IEC 61689は,測定値に不確かさをプラス/マイナスした数値を引用するために,用語“絶対最大値/

最小値”を用いる。この規格は,具体性を設定し,測定値の不確かさについては,言及していない(開示

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T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

要求事項は,別にして)。要求された値に沿うことを証明できるということは,発行されたIECのガイド

ラインに一致して,そのような不確かさを考慮しているとみなす。 

201.12.4.4† 

不正確な出力 

規定された最大値3 W/cm2は,臨床業務及び安全性を考慮し確立した値である。しかし,臨床の応用次

第で,より低い値が特定の治療に必要かもしれない(参考文献[6]参照)。 

201.12.4.4.101† 出力制御 

全てのME機器は,低出力で適切に患者を治療することが望ましい。 

201.12.4.4.102† 電源変動に伴う出力安定性 

この適切な要求事項は,治療中に電源電圧変動があっても,過度の出力変動に対して保護することが望

ましい。 

201.12.4.4.103† タイマ 

タイマの精度に関する要求事項は,出力の精度に関する要求事項から見て適切である。 

201.12.4.4.104† 放射領域の均一性 

超音波強度における局部的な過剰ピークは,危害の一因であり,避けるべきである。IEC 61689:2007の

附属書Fも参照。制限値8は,次の理由によって,この個別規格の中で識別されている。 

− 超音波物理療法の中で,使われた用量(出力,持続時間,及び周波数)は,理論的な予測に従って,

正常に作用する超音波ビームに基づく。治療のための用量を評価することは,現時点では定義をする

ことは困難である。それによって,理想的なRBN値4の緩和が適切である。RBNの理論値に2を乗じ

ることは,極めて合理的と思われる。 

− 理学療法士は,現在,集束形トランスデューサに対する要求事項を全くもっていない。トランスデュ

ーサが集束形であれば,RBNは,容易に値8を超える場合がある。 

− 品質の観点から,理論を考慮して,8より大きいRBNをもつ正当性がない。 

− RBN値8.0(制限値)が1 MPa,48 W/cm2の空間ピーク瞬時ピーク強度(Isptp),及び24 W/cm2の空間

ピーク瞬時平均強度(Ispta)の範囲において最大許容出力設定(3 W/cm2)で最大圧力が生じると予想

できる。より高い値は,不要な生物学的影響が生じると予想することができる。 

201.12.4.4.106† 音響作用周波数 

この要求事項は,精度を治療の応用に十分と考えられる±10 %である。 

201.15.4.1† 

コネクタの構造 

治療ヘッドの接続コードは,実用上で絶えず曲げられるので,過度の屈曲に対して十分耐えることが不

可欠である。 

201.17† 

ME機器及びMEシステムの電磁両立性 

いかなる条件で使用しても,ME機器は,規定されたレベル以上の電磁干渉を発生することなく,また,

“通常の”電磁環境における安全性及び性能を低下させる必要がある。出力を半分にして作動させた場合

に,より高いレベルの電磁干渉が発生するかもしれないので,半分の出力での試験が不可欠である。 

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附属書BB 

(参考) 

体外部に装着するトランスデューサアセンブリの表面温度を 

測定するための装置の例 

BB.1 

総則 

次の試験装置は,参考文献[3]及び参考文献[7]において示された測定の結果である。少なくとも10個の

異なるトランスデューサに対して,人の脇の下に照射したときに測定したトランスデューサの表面温度を,

各試験装置と比較した。 

基本的に試験装置は,(薄膜)熱電対が置かれたシリコンゴムの平板で覆われた軟組織模倣体材料

(TMM)から構成されている(図BB.1参照)。TMMは,全音響エネルギーを吸収する材料の上に置かれ

る。 

試験対象の試験装置は,試験するトランスデューサに左右される。この試験対象の具体例において,ト

ランスデューサと接触する表面は,トランスデューサ正面より少なくとも2 cm広い。試験対象の深さは,

底部(5)の吸音材の超音波吸収によって生じた熱が表面温度に影響していないほどのものである。底部(5)

の吸音材の適正な深さは,通常表面から10 cmの所である。 

使われる材料の特性は,表BB.1に記載されたシリコンとTMMのものになる場合がある。 

表BB.1−組織と材料の音響特性及び熱特性 

組織/ 

材料 

速度 

m/s 

密度 

ρ 

kg/m3 

減衰係数 

α 

dB/cm-MHz 

音響インピ

ーダンス 

106 kg/m2-s 

比熱容量 

J/kg-K 

熱伝導性 

W/kg-K 

熱拡散率 

10−6 m2/s 

ソース 

皮膚 

1 615 

1090 

2.3〜4.7 

3.5[9] 

1.76 

3 430 

0.335 

0.09 

ICRU rep.61  
1998 [2] 
Chivers 1978 [9] 

軟組織 

1 575 

1055 

0.6〜2.24 a) 

1.66 

3 550 

0.525 

0.150 

ICRU rep.61 
1998 [2] 

軟組織 
(肥満) 

1 465 

985 

0.4 

1.44 

3 000 

0.350 

0.135 

ICRU rep.61 
1998 [2] 

皮質骨b) 

3 635 

1920 

14〜22 

6.98 

1 300 

0.3〜0.79 

0.32 

ICRU rep.61 
1998 [2] 

シリコン 

1 021 

1243 

1.8 c) 

1.3 

0.25 

TNO/Dow Corning 

TMM 

1 540 

1050 

0.5 c) 

1.6 

3 800 

0.58 

0.15 

TNO(軟組織モデ
ル) 

注a) 周波数依存:f1,2 

b) 骨の特性については不確かさが大きいと報告されている(参考文献[10]参照)。 

c) 3 MHzで測定。 

BB.2 

軟組織模倣体材料(TMM)の作製 

混合物は,表BB.2に記載された材料から作られる[純粋成分の質量分率(%)]。 

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表BB.2−純粋成分の質量分率(%) 

部品 

質量分率(%) 

グリセロール 

11.21 

水(Water) 

82.95 

塩化ベンザルコニウム 

0.47 

炭化けい素[SiC(−400mesh)] 

0.53 

酸化アルミニウム[Al2O3 (0.3 μm)] 

0.88 

酸化アルミニウム[Al2O3 (3 μm)] 

0.94 

寒天 

3.02 

合計 

100 

注記 (−400mesh)とは,400mesh(目開き37 μm)のふるいを通る粒子サイズ。 

a) 軟組織模倣体材料と試験装置を準備するための処方 

1) 表に記載された全ての成分を混ぜて,室温でガスを抜く。かくはん(攪拌)器は,磁気かくはん器

を用いるのがよい。 

2) かくはん(攪拌)しながら90 ℃まで加熱する。 

蒸発,及び蒸発による成分比率の変化を防ぐため,このプロセスの間,混合物は,カバーしてお

くことが望ましい。 

3) 粘性が許す限りかくはん(攪拌)しながら,およそ47 ℃まで混合物を冷却する。 

蒸発,及び蒸発による成分比率の変化を防ぐため,このプロセスの間,混合物は,カバーしてお

くことが望ましい。 

4) 混合物を迅速に型に注ぎ,型をカバーしながら,それを更に冷却させる。 

5) これでTMMは,使用することができる。全ての測定用装置を準備するため,TMMは,厚さ1.5 mm

のシリコンゴムでできた平板でカバーすることが望ましい。TMMとシリコンゴムとの間に空気が

入らないように注意する(これによって,脇の下を使って得られる結果と同様な測定結果となる。)。

図BB.1は,平らなトランスデューサの表面の装置を示すが,曲面は,TMMの屈曲部分をカットす

ることによって容易に得られる。 

6) (薄膜)熱電対は,シリコンゴム層の上に取り付ける。 

7) 最後に,試験するトランスデューサは,音響結合ゲルと組み合わせておくことが必要である。 

b) 保管 材料は,通常の実験室条件(18 ℃〜25 ℃)で閉じた容器の中に保管することが必要である。

保管する間,それが乾燥することを防ぎ,また,空気との接触を避けるために,水/グリセロールの

混合物の中に材料を保管する。この混合物は,88.1 %[質量分率(%)]の脱ミネラル水と11.9 %[質

量分率(%)]グリセロール(純度>99 %)とを含む。 

空気と接触せずに保管する場合,材料の貯蔵寿命は,少なくとも1年である。塩化ベンザルコニウ

ムの0.5 %[質量分率(%)]溶液の追加は,人体模型の寿命を延ばす抗かび剤として機能する。生産

されたサンプルによって,2年以上貯蔵できた。 

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T 0601-2-5:2015  

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構成部品 
① 音響結合ゲルを用いて試験対象と結合した

超音波トランスデューサ 

② 薄膜熱電対などの温度センサ 
③ 厚さ1.5 mmのシリコンゴム 
④ 軟組織模倣体材料(TMM) 
⑤ 吸音材 

図BB.1−体外部に装着するトランスデューサの表面温度を測定するための装置の例 

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T 0601-2-5:2015  

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参考文献 

[1] IEC 62462:2007,Ultrasonics−Output Test−Guide for the maintenance of ultrasound physiotherapy systems 

[2] International Commission on Radiation Units and Measurements (ICRU Report 61;1998, Tissue substitutes, 

phantoms and computational modeling in medical ultrasound ISBN 0-913394-60-2 

[3] HEKKENBERG, R.T. and BEZEMER, R.A. Aspects concerning the measurement of surface temperature of 

ultrasonic diagnostic transducers. TNO report: PG/TG/2001.246,Leiden, 2002, ISBN 90-5412-078-9. 

[4] TS Z 0033 測定における不確かさの表現のガイド 

注記 対応国際規格:ISO/IEC Guide 98-3:2008,Guide to the expression of uncertainty in measurement 

(GUM)(IDT) 

[5] DEWEY, WC. Arrhenius relationships from the molecule and cell to the clinic, Intl J Hyperthermia, 1994, 

10(4): p. 457-483 

[6] HILL, C.R. and TER HAAR, G. Ultrasound in non-ionizing radiation protection. In: WHO Regional 

Publications, European Series No.10 (Ed. M.J. Suess), WHO, Copenhagen, 1981 

[7] HEKKENBERG, RT and BEZEMER RA. Aspects concerning the measurement of surface temperature of 

ultrasonic diagnostic transducers, Part 2: on a human and artificial tissue. TNO report: PG/TG/2003.134, 

ISBN 90-5412-085-1, Leiden, 2003 

[8] National Council on Radiation Protection and Measurements (NCRP), Exposure criteria for medical diagnostic 

ultrasound: I. Criteria based on thermal mechanisms, NCRP Report No. 113, National Council on Radiation 

Protection and Measurements, Bethesda MD, 1992 

[9] CHIVERS, RC and PARRY, RJ. Ultrasonic velocity and attenuation in mammalian tissues, J. Acoust. Soc. Am. 

63, 1978, 940-953 

[10] DUCK, FA. Physical properties of tissue - a comprehensive reference book. Academic Press, London. ISBN 

0-12-222800-6, 1990 

[11] SEKINS, KM and EMERY, AF. “Thermal science for physical medicine”, chapter 3, in Therapeutic Heat and 

Cold, Lehmann JF editor, Williams & Wilkins, Baltimore MD, 1982, p. 70-132 

[12] IEC 60050-802,International Electrotechnical Vocabulary (IEV)−Part 802: Ultrasonics 

[13] IEC 60469-1:1987,Pulse techniques and apparatus−Part 1: Pulse terms and definitions 

[14] IEC 60601-2-36:1997,Medical electrical equipment−Part 2-36. Particular requirements for the safety of 

equipment for extracorporeally induced lithotripsy 

[15] IEC 61161:2006,Ultrasonics−Power measurement−Radiation force balances and performance requirements 

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T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この個別規格で用いられている定義した用語の索引 

定義した用語 

細分箇条 

あ アタッチメントヘッド(ATTACHMENT HEAD) 

201.3.202 

い 医用電気機器,ME機器(MEDICAL ELECTRICAL EQUIPMENT) 

医用電気システム,MEシステム(MEDICAL ELECTRICAL SYSTEM) 

JIS T 0601-1:2014,3.63 
JIS T 0601-1:2014,3.64 

お 音響作用周波数(ACOUSTIC WORKING FREQUENCY) 

201.3.201 

か 患者(PATIENT) 

患者測定電流(PATIENT AUXILIARY CURRENT) 

JIS T 0601-1:2014,3.76 
JIS T 0601-1:2014,3.77 

き 基礎安全(BASIC SAFETY) 

基本性能(ESSENTIAL PERFORMANCE) 

JIS T 0601-1:2014,3.10 
JIS T 0601-1:2014,3.27 

し 出力(OUTPUT POWER) 

瞬時最大強度(TEMPORAL-MAXIMUM INTENSITY) 
瞬時最大出力(TEMPORAL-MAXIMUM OUTPUT POWER) 

201.3.208 
201.3.212 
201.3.213 

せ 正常な使用(NORMAL USE) 

製造業者(MANUFACTURER) 

JIS T 0601-1:2014,3.71 
JIS T 0601-1:2014,3.55 

そ 操作者(OPERATOR) 

装着部(APPLIED PART) 

JIS T 0601-1:2014,3.73 
JIS T 0601-1:2014,3.8 

た 単一故障状態(SINGLE FAULT CONDITION) 

JIS T 0601-1:2014,3.116 

ち 治療ヘッド(TREATMENT HEAD) 

超音波(ULTRASOUND) 
超音波物理療法機器(ULTRASONIC PHYSIOTHERAPY EQUIPMENT) 
超音波トランスデューサ(ULTRASONIC TRANSDUCER) 

201.3.214 
201.3.215 
201.3.216 
201.3.217 

て 定格(RATED) 

定格出力(RATED OUTPUT POWER) 
手持形(HAND-HELD) 
デューティファクタ(DUTY FACTOR) 
電源コード(POWER SUPPLY CORD) 
電源電圧(MAINS VOLTAGE) 

JIS T 0601-1:2014,3.97 
201.3.211 
JIS T 0601-1:2014,3.37 
201.3.205 
JIS T 0601-1:2014,3.87 
JIS T 0601-1:2014,3.54 

は ハザード(HAZARD) 

パルス幅(PULSE DURATION) 
パルス繰返し周期(PULSE REPETITION PERIOD) 

JIS T 0601-1:2014,3.39 
201.3.209 
201.3.210 

ひ B形装着部(TYPE B APPLIED PART) 

ビーム不均等率(BEAM NON-UNIFORMITY RATIO) 
ビームタイプ(BEAM TYPE) 

JIS T 0601-1:2014,3.132 
201.3.203 
201.3.204 

ふ 附属品(ACCESSORY) 

附属文書(ACCOMPANYING DOCUMENT) 
プログラマブル電気医用システム,PEMS 
(PROGRAMMABLE ELECTRICAL MEDICAL SYSTEM) 
プロセス(PROCESS) 

JIS T 0601-1:2014,3.3 
JIS T 0601-1:2014,3.4 
JIS T 0601-1:2014,3.90 
 
JIS T 0601-1:2014,3.89 

ゆ 有効強度(EFFECTIVE INTENSITY) 

有効放射面積(EFFECTIVE RADIATING AREA) 

201.3.206 
201.3.207 

り リスク(RISK) 

リスク分析(RISK ANALYSIS) 
リスクマネジメント(RISK MANAGEMENT) 
リスクマネジメントファイル(RISK MANAGEMENT FILE) 

JIS T 0601-1:2014,3.102 
JIS T 0601-1:2014,3.103 
JIS T 0601-1:2014,3.107 
JIS T 0601-1:2014,3.108 

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24 

T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JAA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS T 0601-2-5:2015 医用電気機器−第2-5部:超音波物理療法機器の基礎安全
及び基本性能に関する個別要求事項 

IEC 60601-2-5:2009,Medical electrical equipment−Part 2-5: Particular requirements for 
the basic safety and essential performance of ultrasonic physiotherapy equipment 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的
差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容 

(V)JISと国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

201.3.213 

記号変更 

Ptm瞬時最大出力 

(TEMPORAL-MAXIMUM OUTPUT 
POWER) 

201.3.213 
 

Ptp瞬時最大出力 

(TEMPORAL-MAXIMUM 

OUTPUT POWER) 

一致 

なし 

国際規格の誤記と判断し,技
術的差異はないと判断する。 

表201.101 

参照項番及び記号変更 
有効放射面積201.3.207 

 
有効放射面積201.3.206 

一致 

なし 

国際規格の誤記と判断し,技
術的差異はないと判断する。 

201.12.1.104 

201.12.1.101で規定した有効強度及
び瞬時最大強度の表示は,実際の値
から±30 %を超えて変化してはなら
ない。 
(試験) 
適合性は,調査並びに振幅変調モー
ドでの瞬時最大強度,瞬時最大出力
及び有効放射面積,及び/又は連続
波モードでの出力及び有効放射面積
の測定によって確認する。測定器は,
表示可能な最大値の10 %よりも高
い表示が出なければならない。 

201.12.1. 
104 

201.12.1.101で規定した
有効強度表示は,実際の
値から±30 %を超えて変
化しない。 
(試験) 
適合性は,調査並びに連
続波モードでの出力と有
効放射面積の測定によっ
て確認する。 

追加 

振幅変調モードの
瞬時最大強度に関
する規定及び試験
方法を追記。 

理由:振幅変調モードの瞬時
最大強度に関する規定及び試
験方法が明確に記載されてい
ないため。 
次回のIEC提案時に検討す
る。 

附属書BB 
(参考) 
表BB.1 

皮膚の減衰係数欄は,“3.5 [9]” 

皮膚の減衰係数欄は,
“3.5 7)” 

一致 

なし 

国際規格の誤記と判断し,技
術的差異はないと判断する。 

2

T

 0

6

0

1

-2

-5

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

background image

25 

T 0601-2-5:2015  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:IEC 60601-2-5:2009,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 
 

− 一致 ················ 技術的差異がない。 

− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 
 

− MOD ··············· 国際規格を修正している。 

2

T

 0

6

0

1

-2

-5

2

0

1

5

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。