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T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

第 章  一般 

1

1

  適用範囲及び目的

1

2

  用語及び定義 

2

3

  一般的要求事項 

5

4

  試験に関する一般的要求事項

6

5

  分類

6

6

  標識,表示及び文書

6

7

  電源入力

10

第 章  環境条件 

10

第 章  電撃の危険に対する保護

10

14

  分類に関する要求事項 

10

17

  分離

10

18

  保護接地,機能接地及び等電位化

11

19

  連続漏れ電流及び患者測定電流

11

20

  耐電圧

17

第 章  機械的危険に対する保護

17

第 章  不要又は過度の放射による危険に対する保護 

17

36

  電磁両立性 

17

第 章  可燃性麻酔剤の点火の危険に対する保護

18

39

  AP 類及び APG 類機器に関する共通要求事項

18

第 章  過度の温度及びその他の危害に関する保護 

18

42

  過度の温度 

18

44

  あふれ,こぼれ,漏れ,湿気,液体の浸入,清掃,滅菌,消毒及び適合性 

18

46

  誤操作

19

第 章  作動データの正確度及び危険な出力に対する保護 

20

50

  作動データの正確度

20

51

  危険な出力に対する保護 

22

第 章  異常作動及び故障状態,環境試験 

24

52

  異常作動及び故障状態 

24

第 10 章  構造上の要求事項 

24

56

  部品及び組立一般

24

59

  構造及び配置 

28

附属書 L(規定)引用規格

36

附属書 AA(参考)指針及び理論的根拠

37


T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)  目次

(2)

ページ

附属書 BB(参考)電気手術器に起因する電磁妨害 

56


T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人電子

情報技術産業協会(JEITA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これに

よって,JIS T 0601-2-2:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 T

0601-2-2

:2012

(IEC 60601-2-2

:2006

)

医用電気機器−第 2-2 部:電気手術器(電気メス)

の安全に関する個別要求事項

Medical electrical equipment-Part 2-2: Particular requirements

for the safety of high frequency surgical equipment

序文 

この規格は,2006 年に第 4 版として発行された IEC 60601-2-2 を基に,技術的内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格でアスタリスク(*)印がある箇所は,根拠についての説明を

附属書 AA に記載している。

また,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

注記 1  本文中の太字で示した用語は,JIS T 0601-1:1999 又はこの規格の箇条 で定義された用語で

ある。

注記 2  “置換え”,“追加”及び“修正”の意味は,1.3 を参照。

第 章  一般 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

適用範囲及び目的 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 1.を適用する。

* 1.1  適用範囲 

追加 

この規格は,2.2.101 で定義した

電気手術器及び 2.1.110 で定義した電気手術器の附属品の安全に関する

要求事項について規定する。

50 W 以下の定格出力電力をもつ電気手術器(例えば,マイクロ凝固用又は歯科用若しくは眼科用)には,

この規格の要求事項の一部を除いて適用する。適用しない項目は,該当する要求事項の中で個々に示して

いる。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

IEC 60601-2-2:2006

,Medical electrical equipment−Part 2-2: Particular requirements for the safety of

high frequency surgical equipment(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

なお,平成 27 年 6 月 30 日まで JIS T 0601-2-2:2005 は適用することができる。

1.2 

目的 

置換え 

この規格の目的は,

電気手術器の安全に関する個別要求事項を確立することである。


2

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

1.3 

個別規格 

追加 

この規格は,次の規格に関して

修正及び追加を行った。

JIS T 0601-1:1999

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項

JIS T 0601-1-1:2005

  医用電気機器−第 1 部:安全に関する一般的要求事項−第 1 節:副通則−医用

電気システムの安全要求事項

JIS T 0601-1-2:2012

,医用電気機器−第 1-2 部:安全に関する一般的要求事項−電磁両立性−要求事項

及び試験

IEC 60601-1-4:1996

,Medical electrical equipment−Part 1: General requirements for safety−4. Collateral

Standard: Programmable electrical medical systems 及び Amendment 1(1999)

簡潔にするために,

この規格の中では,JIS T 0601-1 を安全通則ということがある。また,

JIS T 0601-1-1

JIS T 0601-1-2

及び IEC 60601-1-4 をそれぞれ副通則という。

この規格の章,箇条などの番号は,JIS T 0601-1 と対応している。JIS T 0601-1 に対する変更は,次の表

現を用いた。

置換え”は,JIS T 0601-1 の該当する要求事項をこの規格と置き換えることを示す。

追加”は,この規格の規定を JIS T 0601-1 の該当する要求事項に追加することを示す。

修正”は,JIS T 0601-1 の該当する要求事項をこの規格の規定のように修正することを示す。

JIS T 0601-1

に追加する細分した箇条又は図は,101 から始め,追加の附属書は,AABB などで表し,

追加の細別は,aa)bb)などの見出しを付ける。

この規格において対応する章,箇条,細分箇条又は細別がない場合は,JIS T 0601-1 又は副通則の章,

箇条,細分箇条又は細別を変更することなく適用する。また,JIS T 0601-1 又は副通則の一部が,適用で

きない場合には,その旨記載する。

この規格は,JIS T 0601-1 に優先する。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次の変更を加えて JIS T 0601-1 の 2.を適用する。

追加 

2.1.101 

アクティブ附属品(ACTIVE ACCESSORY)

操作者が,意図する患者の部位を手術するために操作する電気手術器の附属品。一般的な構成は,アク

ティブハンドル,アクティブコード,アクティブコネクタ及びアクティブ電極である。

2.1.102 

アクティブコネクタ(ACTIVE CONNECTOR)

アクティブ出力端子へ接続するためのアクティブ附属品の一部。それは,手持ちスイッチをスイッチセ

ンサへ接続するための追加の端子も含む。

2.1.103 

アクティブ電極(ACTIVE ELECTRODE)

アクティブハンドルから手術部位まで及ぶアクティブ附属品の一部。

2.1.104 

アクティブハンドル(ACTIVE HANDLE)


3

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

操作者が保持するアクティブ附属品の一部。

* 2.1.105 

関連機器(ASSOCIATED EQUIPMENT)

患者回路に電気的に接続されている電気手術器以外の機器で,独立した使用を意図しない機器。

2.1.106 

バイポーラ電極(BIPOLAR ELECTRODE)

二つ以上の

アクティブ電極を同一支持部に組み付けたもので,エネルギーが与えられたときに,高周波

電流が主としてこれらの二つの電極間を流れる構造を備えた電極。

2.1.107 

対極板接触モニタ(CONTACT QUALITY MONITOR)

CQM 

電気手術器又は関連機器の中の回路で,患者と対極板との接触が不十分な場合に警報を出すモニタ形対

極板への接続を意図した回路。

注記  対極板接触モニタは,モニタ形対極板とともに使用するときだけ機能する。

2.1.108 

内視鏡用附属品(ENDOSCOPICALLY USED ACCESSORY)

内視鏡

機器ではない医用電気機器の装着部で,内視鏡と同じ体孔を通して患者に挿入する附属品。

JIS T 0601-2-18:2005

定義 2.1.102

2.1.109 

手持ちスイッチ(FINGER SWITCH)

アクティブ附属品に一般に含まれた開閉器で,操作者が操作したときに高周波を出力し,離したときに

高周波出力を停止するためのもの。

2.1.110 

電気手術器の附属品(HF SURGICAL ACCESSORY)

患者に電気手術器から与える高周波(HF)エネルギーを伝導,補足又は監視することを意図した附属品。

注記  電気手術器の附属品は電気手術用の電極を含み,これには電気手術器に取り付けるためのコー

ド及びコネクタ,並びに電気手術

患者回路への接続を意図するほかの関連機器を含む。

2.1.111 

モニタ形対極板(MONITORING NE)

対極板接触モニタとともに使用することを意図した対極板(NE)。

注記  対極板接触モニタは,モニタ形対極板とともに使用するときだけ機能する。

2.1.112 

対極板断線モニタ(NE CONTINUITY MONITOR)

モニタ形対極板を除く対極板に接続することを意図している電気手術器又は関連機器の中の回路で,対

極板コード又はその接続が電気的に不連続である場合に警報を出す。

注記  対極板断線モニタは,モニタ形対極板以外の対極板とともに使用することを意図している。

2.1.113 

対極板(NEUTRAL ELECTRODE)

NE 

患者の身体に接続する比較的広い面積をもつ電極で,高周波電流の帰還経路となることを意図し,生体


4

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

組織中の電流密度を低くして意図しない熱傷などの結果を回避する電極。

注記  対極板は,プレート,プレート電極,受動電極,帰還電極又は拡散電極ともいう。

2.1.114 

スイッチセンサ(SWITCH SENSOR)

電気手術器又は関連機器の一部で,接続している手持ちスイッチ又は足踏みスイッチの操作に応じて高

周波出力の発生を制御する部分。

* 2.2.101 

電気手術器(HF SURGICAL EQUIPMENT)

高周波電流によって生体組織を切開又は凝固を行うために外科手術に使用する医用電気機器。その関連

する

附属品も含む。電気手術器は,電気メスともいう。

2.3.101 

アクティブ電極絶縁(ACTIVE ELECTRODE INSULATION)

操作者又は隣接した患者への損傷を防ぐことを意図するアクティブ電極の一部に取り付けた電気的絶

縁材。

* 2.4.101 

最大出力電圧(MAXIMUM OUTPUT VOLTAGE)

個々の利用可能な

電気手術モードについて,患者回路接続間に現われる最大ピーク高周波出力電圧。

注記  患者回路接続間とは,モノポーラの場合は対極板とアクティブ附属品との間,バイポーラの場

合は異極間を指す。

2.4.102 

附属品の定格電圧(RATED ACCESSORY VOLTAGE)

患者に接続した対極板に対して,モノポーラの電気手術器の附属品に印加する最大出力電圧。バイポー

ラの電気手術器の附属品の場合は,異極間に掛かる最大出力電圧。

2.7.101 

アクティブ出力端子(ACTIVE OUTPUT TERMINAL)

アクティブ附属品を接続し,そこへ高周波電流を流すことを意図した電気手術器又は関連機器の一部。

* 2.12.101 

バイポーラ(BIPOLAR)

複数の極の

アクティブ電極を介して患者に高周波出力電流を流す方法。

* 2.12.102 

凝固(COAGULATION)

高周波電流を使用して生体組織の温度を上げて,例えば,不要な出血を減らすか,止めるなどのこと。

注記  凝固の形態には,接触凝固及び非接触凝固がある。

* 2.12.103 

切開(CUTTING)

高い電流密度の

高周波電流をアクティブ電極に流して行う生体組織の切除又ははく(

)離。

* 2.12.104 

高周波接地形患者回路(EARTH REFERENCED PATIENT CIRCUIT)

高周波電流を大地に流すために,低インピーダンス経路を形成するために設置したコンデンサなどの部

品を含む

患者回路。


5

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

* 2.12.105 

放電凝固(FULGURATION)

生体組織表面を表面的に加熱するために,長い(0.5 mm 以上)スパークを使用する

凝固の形式で,アク

ティブ電極と生体組織との間の機械的接触を意図しないもの。

2.12.106 

高周波非接地形患者回路(HF ISOLATED PATIENT CIRCUIT)

高周波電流を大地に流すために,低インピーダンス経路を形成するための部品が設置されていない患者

回路。

* 2.12.107 

電気手術モード(HF SURGICAL MODE)

接続している

アクティブ附属品において,切開,凝固などの特定の手術効果を意図した,操作者が選択

可能な複数の

高周波出力特性の内のいずれか。

注記  利用可能な電気手術モードにはそれぞれ,操作者が調整可能な出力制御を提供し,手術効果に

望ましい強度又は速度を設定する。

* 2.12.108 

高周波(HIGH FREQUENCY)

HF 

200 kHz を超える周波数。

* 2.12.109 

モノポーラ(MONOPOLAR)

高周波出力電流をアクティブ電極を介して患者に流し,別に接続する対極板を介して又は患者の人体容

量を介して大地に

高周波出力電流を帰還する方法。

2.12.110 

定格負荷(RATED LOAD)

患者回路を模擬するために接続した無誘導負荷抵抗の値。電気手術器の各電気手術モードにおいて最大

高周波出力電力を与える。

2.12.111 

定格出力電力(RATED OUTPUT POWER)

電気手術モードをその最大出力設定値に設定し,同時に作動できるアクティブ出力端子を全て定格負

荷に接続したときに発生するワット単位の電力。

* 2.12.112 

波高率(CREST FACTOR)

単位のない値で,

電気手術器を開放状態で出力し,測定したピーク最大出力電圧を実効値電圧で除した

商。

注記  この値の計算に必要な正確な測定方法についての特別な情報は,附属書 AA に記載している。

一般的要求事項 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 3.を適用する。

3.6 

追加の単一故障状態 


6

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

aa)

危害を生じる可能性がある対極板断線モニタ又は対極板接触モニタの故障(59.101 参照)

bb)

過度の低周波

患者漏れ電流が生じる可能性のある出力スイッチ回路の故障(56.11 参照)

cc)

患者回路に不正な出力を生じる全ての故障(59.102 参照)

dd)

出力設定に関連して出力の著しい増加を生じる全ての故障(51.5 参照)

試験に関する一般的要求事項 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 4.を適用する。

4.7 

電源電圧,試験電圧,電流の波形,電源の特性及び周波数 

追加 

i)  高周波出力の測定に当たっては,その精度及び安全性を保証するために,特に注意を払う。測定に関

わる指針は,

附属書 AA を参照。

分類 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 5.を適用する。

* 5.2  電撃に対する保護の程度による装着部の分類 

修正 

B

形装着部を削除する。

標識,表示及び文書 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 6.を適用する。

6.1 

機器又は機器の部分の外側の表示 

l)

分類

追加 

耐除細動形装着部に該当する図記号を電気手術器の前面パネルに表示する。ただし,装着部には表示し

ない。

注記  耐除細動形装着部に該当する図記号は,JIS T 0601-1 の表 D2 の 10 及び 11 を参照。

対極板コードと電気手術器及び関連機器との接続部には,次の図記号のいずれかを表示する。

図 101−高周波接地形患者回路に適用する記号 

図 102−高周波非接地形患者回路に適用する記号 

p) 出力

JIS T 0601-1

の 6.1 p)は,適用しない。


7

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

* 6.3  制御器及び計器の表示 

追加 

aa)

出力調整器は,

高周波出力単位を示す目盛及び/又は関連する表示器を備える。6.8.3 に規定した全て

の負荷抵抗値の範囲にわたって,表示した電力を±20 %の精度で出力しない限り,ワット単位で表示

してはならない。

“ゼロ”に設定した場合に,

アクティブ電極又はバイポーラ電極から 10 mW を超える高周波電力を

出力してはならない。10 mW を超える

高周波電力を出力する場合には,数字の“ゼロ”を使用しては

ならない。

(試験) 適合性は箇条 50 を適用する。

6.7 

表示光及び押しボタン 

a)  表示光の色

追加 

ある機能を光で表示する場合には,これらの表示光色は,次による。

緑:電源スイッチが“入”の状態

赤:故障状態,例えば,

患者回路内の故障状態

黄色:

切開モードが出力状態

青:

凝固モードが出力状態

混合出力の場合には黄色とし,青及び黄色の表示光を同時に発光してはならない。

b)

非発光押しボタンの色

追加 

非発光押しボタンの色は,

手持ちスイッチの押しボタン又は足踏みスイッチペダルのカラーコードと同

様の色を使用しなければならない。

注記  混合出力は,切開モードとみなす。

6.8 

附属文書 

6.8.2 

取扱説明書 

追加 

aa)  電気手術器と組み合わせて使用する電気手術器の附属品及び対極板の助言

電気手術器に対する,不適切な組合せ及び安全でない使用を防止するための電気手術器の附属品の

選択及び使用に関わる情報(56.103 参照)

附属品の定格電圧[6.8.2 ee)参照]以下となる出力設定値を,操作者に示すための助言。

操作者が使用する対極板接触モニタと適合しているモニタ形対極板を選択することの助言。

注記  読解の容易のために,追加した。

bb)  電気手術器の使用上の注意。これらの注意は,偶発的な熱傷の危険を減少させるために必要な特定

の予防措置について,

操作者の注意を喚起しなければならない。特に,該当する場合は,次の助言を

与える。

1)  対極板はできるだけ術野の近くで,患者の身体にその全面積を密着させる(注記 1及び注記 参照)。 
2)  接地した又は大地に対して大きな静電容量をもった金属部分(例えば,手術台の支持部など)に患

者を接触させない。この目的のために,帯電しないシーツを使うことを推奨する。

3)  皮膚と皮膚との接触(例えば,患者の腕と身体との間)は,乾いたガーゼの挿入などによって避け

る(

注記 及び注記 参照)。


8

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

4)  同一の患者に電気手術器と生体情報モニタとを同時に使用する場合,モニタ電極はできるだけ手術

用の電極(

アクティブ電極,バイポーラ電極及び対極板)から離して装着する。針状のモニタ電極

の使用は,推奨しない。

いかなる場合でも,

高周波電流制限装置を備えたモニタ装置を推奨する。

5)  手術用の電極コードは,患者又は他の機器のコードと接触しないように配置する。

一時的に使用しない

アクティブ電極は,患者から離しておく。

6)  高周波電流が,比較的狭い断面積で身体の部分を流れる外科的処置の場合は,不要な生体組織への

損傷を避けるため,

バイポーラを用いる手技を使用することが望ましい。

7)  出力電力の設定は,意図した目的を達成するために必要最小限にする。特定の装置又は附属品では,

低い電力設定で

危害を生じる可能性もある。例えば,アルゴンビーム凝固では,高周波電力が不足

した場合は,迅速に不透過性の焼か(痂)が標的の生体組織に生成されないと,ガスそく(塞)栓

症の危険性が上昇する。

注記  対応国際規格に記載はないが,この記載事項に対する解説を附属書 AA の 6.8.2 bb) 7)に記

載する。読解の容易のため,*を追記した。

8)  電気手術器が,正常な操作設定で正しく動作しているときに,明らかな出力低下又は異常が発生し

た場合には,

誤った

対極板の使用又は対極板の不完全な接続の可能性がある。このような場合には,

出力の設定を上げる前に,

対極板の使用とその対極板との接続を調査することが望ましい(注記 1

及び

注記 参照)。

9)

胸部又は頭部の手術において,例えば,可燃性の麻酔ガス又は亜酸化窒素(N

2

O)のような酸化ガ

ス及び酸素を使う場合は,これらのガスが吸引及び除去される場合を除いて,その使用を避けるこ

とが望ましい。

清掃及び消毒には,可能な限り不燃性薬剤を使用することが望ましい。

清掃若しくは消毒に用いる又は接着用の溶剤として用いる可燃性薬剤は,

電気手術器を使用する

前に蒸発させることが望ましい。

患者の身体の下又はへそ(臍)などの体の陥凹部及びちつ(膣)

などの体くう(腔)に可燃性溶液が蓄積するおそれがある。これらの部位に蓄積された溶液は,

気手術器を使用する前に,拭き取ることが望ましい。体内から生じるガスの引火の危険について注

意を促すことが望ましい。酸素濃度が高い雰囲気に,例えば,綿,ウール及びガーゼがある場合に

は,

正常な使用における電気手術器で生じるスパークによって引火する可能性がある。

10)

心臓ペースメーカ又は他の能動植え込み

機器をもった患者においては,これらの機器の動作に対す

る干渉の発生又はペースメーカへ損傷を与える危険性がある。そのような場合は,その分野の権威

者の助言を得ることが望ましい。

11)  46.103 b)

に規定した操作モードをもつ

電気手術器において,いずれかのアクティブ電極からの出力

が使用中に変化する可能性があるということを警告する。

注記 1  この要求事項は,バイポーラ出力だけをもつ電気手術器には適用しない。

注記 2  この要求事項は,対極板の使用を意図しない電気手術器には適用しない。

cc)

電気手術器の動作によって発生する干渉は,他の電子機器の操作に悪影響を与える可能性があるとい

う警告。

dd)

操作者に対する附属品の日常点検の助言。特に,電極コード及び内視鏡用附属品は,損傷がないこと

を確認することが望ましい。

ee)  関連機器及びアクティブ附属品には,別に供給するそれらの部品も含めて,附属品の定格電圧を指定


9

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

する。

ff) 電気手術器には,各電気手術モードに対する最大出力電圧及び附属品の定格電圧について次のように

指定する[

附属書 AA 6.8.2 ee)及び ff)並びに図 AA.102 参照]。

1)

最大出力電圧(U

max

)が 1 600 V 以下の

電気手術モードの場合は,附属品の定格電圧が,その電気

手術モードの最大出力電圧以上である関連機器及びアクティブ附属品を選択することを指定する。

2)

最大出力電圧(U

max

)が 1 600 V を超える

電気手術モードの場合は,次の式を用いて,変数(y)を

求める。

)

V

(

600

)

V

(

400

max

=

U

y

電気手術モードの波高率が,計算した変数(

y

)又は

6

のいずれか小さい方の数値以上の場合は,

附属品の定格電圧が,その電気手術モードの最大出力電圧以上である関連機器及びアクティブ附属

品を選択することを指定する。

3)

最大出力電圧(

U

max

)が

1 600 V

を超え,かつ,その

電気手術モードの波高率が,採用した変数(

y

未満である場合は,

附属品の定格電圧が,そのような電気手術モード及び設定で生じる,実際の電

圧と

波高率との組合せに耐える定格をもつ関連機器及びアクティブ附属品を使用するように警告す

る。

最大出力電圧が出力設定に応じて変化する場合には,その情報は出力設定の関数として図で示さ

なければならない。

*

gg)

電気手術器の故障は,意図しない出力の上昇を招く可能性があるという警告。

*

hh)

特定の

モニタ形対極板との適合性の記載。

対極板接触モニタと互換性のあるモニタ形対極板をともに使用しない場合は,対極板と患者との安

全な接触が得られない場合でも,聴覚アラームを発生しない可能性があるという警告。

なお,この要求事項は,

バイポーラ出力だけをもつ電気手術器及び対極板の使用を意図しない電気

手術器には適用しない。

ii)

対極板の最終使用包装

“単回使用”と表示する場合には,有効期限を表示する。

対極板をはり付けた部位での熱傷を防止するために必要な注意。例えば,出力設定及び/又は作動

持続時間の制限。

小さな

患者(例えば,小児)だけに使用することを意図した場合は,使用できる患者の最大体重を

kg

単位で表示する(59.104.5 参照)

jj)

モニタ形対極板の使用説明

モニタ形対極板については,これと適合する対極板接触モニタを記載する。

*

kk)

 50 %

を超える

デューティサイクルで少なくとも

2

分間に,

500 mA

を超える可能性のある使用を意

図した

電気手術器又は電気手術器の附属品は,対極板の適切な使用のための指示,警告及び注意を記

載しなければならない。

*

 6.8.3 

技術解説書 

追加 

*

aa)

モノポーラ出力のデータ(使用可能な全ての電気手術モード及び可変式混合出力はその最大出力設

定)

1)

少なくとも負荷抵抗が

100

2 000 Ω

の範囲で,最大及びその半分の設定の出力を示した図表。ただ


10

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

し,

定格負荷がその範囲にない場合には,定格負荷を含むために必要に応じて広げてもよい。

2)

上記の範囲で規定した負荷抵抗値における設定値と出力値との関係を示す図表。

*

bb)

バイポーラ出力のデータ[aa)で規定した全ての電気手術モード]

1)

少なくとも負荷抵抗が

10

1 000 Ω

の範囲で,最大及びその半分の設定の出力を示した図表。ただ

し,

定格負荷がその範囲にない場合には,定格負荷を含むために必要に応じて広げてもよい。

2)

上記の範囲で規定した負荷抵抗値における設定値と出力値との関係を示す図表。

cc)

モノポーラ及びバイポーラ出力の電圧データ(使用可能な全ての電気手術モードについて)

6.8.2 ee)

附属品の定格電圧と比較可能な最大出力電圧データ

*

dd)

19.3.101

によった

装着部の指示

対極板を使わないことを意図した電気手術器は,その旨を記載する。電気手術器又は関連機器が,

単一の固定した出力設定だけの場合は,

“半分の設定の出力”は無視する。

電源入力 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 7.を適用する。

7.1 

修正 

操作設定は,

電気手術器が同時に出力できる全ての出力について定格出力を供給する状態とする。

電気手術器は,50.1 によって動作させる。

第 章  環境条件 

この章は,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

第 章  電撃の危険に対する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

14 

分類に関する要求事項 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 14.を適用する。

14.6 B

形装着部,BF 形装着部及び CF 形装着部 

置換え 

電気手術器の装着部は,BF 形装着部又は CF 形装着部とする。

17 

分離 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 17.を適用する。

*

 17.h)

除細動器に対する保護 

修正 

電気手術器の患者回路は,17.h)では装着部とみなす。

(試験)

適合性は,JIS T 0601-1 の 17.h)及び JIS T 0601-1 

図 50 に従って,同相モードについてだけ

試験する。ただし,試験電圧は,

5 kV

の代わりに

2 kV

とする。

試験後,

電気手術器は,この規格の要求事項及び試験に適合し,かつ,附属文書に記載する意図した機

能を実行しなければならない。


11

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

18 

保護接地,機能接地及び等電位化 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 18.を適用する。

追加 

*

aa) 

通常,

保護接地線には機能電流を流してはならない。ただし,定格出力が

50 W

以下で

対極板を使

わないことを意図した

電気手術器の電源コードの保護接地線は,高周波機能電流の帰路として使用し

てもよい。

*

 19 

連続漏れ電流及び患者測定電流 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 19.を適用する。

19.1 

一般的要求事項 

b) 

追加 

高周波出力を出さずに,ただし,低周波漏れ電流に影響を与えない状態。

*

 g) 

修正 

これらの調査は,

電気手術器の電源は作動状態で,かつ,患者回路を作動させない状態で行う。

19.2 

単一故障状態 

a) 

追加 

患者漏れ電流の増加が生じる可能性のある出力切替え回路の故障の模擬(56.11 参照)

*

 19.3 

許容値 

a)

及び

表 

修正 

対極板接触モニタに適用する患者測定電流は,BF 形装着部に対する許容値を超えてはならない。

b) 

修正 

10 mA

漏れ電流の制限は,19.3.101 の高周波漏れ電流には適用しない(19.3.101 参照)。

19.3.101 

高周波漏れ電流の熱的影響 

意図しない熱傷を防止するために,

患者回路が作動している状態でのアクティブ電極及び対極板からの

高周波漏れ電流は,患者回路の設計に応じて次の事項に従う。

*

a)

高周波漏れ電流

1)

高周波的に接地した対極板

患者回路は,大地から絶縁され,BF 形装着部の要求事項を満たしているが,対極板が部品(例え

ば,コンデンサ)によって

高周波的に接地(図 103 参照)されている。次の試験をしたときに,対

極板から

200 Ω

の無誘導抵抗器を通して大地に流れる

高周波漏れ電流は,

150 mA

を超えてはならな

い。


12

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

アクティブ電極用コネクタ

対極板用コネクタ

③  モニタ

容量  C

1

 0.005

μF 以下

容量  C

2

=C

3

 0.025

μF 以下

リアクタンス  X

C2

及び X

C3

作動周波数においてそれぞれ 20 Ω 以下

インピーダンス Z

L

 50

Hz において 1 Ω 以下

図 103−作動周波数において対極板が接地されている患者回路の例[19.3.101 a) 1)及び 59.105 参照]

(試験)

適合性は,次の試験による。

試験

1

−試験は,

図 104 のように,電気手術器の出力の一つずつについて実施する。接地し

た金属板から

1 m

の高さの絶縁面上で,コードは各々

0.5 m

離す。


13

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

単位  m

電源(商用)

②  絶縁材料製の机

電気手術器

アクティブ電極

対極板  金属製又は同じ大きさの金属はく(箔)に接している。

⑥  負荷抵抗器  200 Ω 
⑦  測定抵抗器  200 Ω 

高周波電流計

⑨  接地した導電性平面

図 104−高周波的に接地した対極板をもつ電気手術器で電極間に負荷を接続した状態の 

高周波漏れ電流の測定[19.3.101 a) 1)の試験

1

参照]

出力に

200 Ω

を負荷し,

電気手術器は最大出力に設定して各々の電気手術モードで作動させ

る。

対極板から

200 Ω

の無誘導抵抗器を通して大地に流れる

高周波漏れ電流を測定する。

試験

2

電気手術器は,上記試験

1

のように接続するが,

図 105 のように,

200  Ω

の抵抗器

アクティブ電極と電気手術器の保護接地端子との間に接続する。対極板から流れる高周波漏

れ電流を測定する。


14

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

単位  m

電源(商用)

②  絶縁材料製の机 

電気手術器

アクティブ電極

対極板  金属又は同じ大きさの金属はく(箔)に接している。

⑥  負荷抵抗器  200 Ω 
⑦  測定抵抗器  200 Ω

高周波電流計

⑨  接地した導電性平面

図 105−高周波的に接地した対極板をもつ電気手術器でアクティブ電極と大地との間に 

負荷を接続した状態の高周波漏れ電流の測定[19.3.101 a) 1)の試験

2

を参照]

2)

高周波的に大地から絶縁した対極板

患者回路は,高周波及び低周波の両方で大地から絶縁し,かつ,その絶縁は,次の試験によって

各々の電極から

200  Ω

の無誘導抵抗器を通して大地に流れる

高周波漏れ電流が

150 mA

を超えては

ならない。

(試験)

適合性は,次の試験による。

電気手術器は,19.3.101 a) 1)の試験

1

と同様に配置し,接続する。

定格負荷を接続しない状

態及び接続した状態で試験する。

クラス II 機器及び内部電源機器の場合は,その金属外装は,接地する。絶縁した外装をもつ

場合は,試験中,少なくともその底面と同一面積の接地した金属板の上に置く(

図 106

参照)

最大出力に設定して各

電気手術モードで電気手術器を操作し,それぞれの電極から高周波漏

れ電流を交互に測定する。

注記  定格出力が

50 W

を超えず,

対極板を使わない電気手術器には,適用しない。


15

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

単位  m

電源(商用)

②  絶縁材料製の机 

電気手術器

アクティブ電極

対極板  金属又は同じ大きさの金属はく(箔)に接している。

⑦  測定抵抗器  200 Ω 

高周波電流計

⑨  接地した導電性平面

図 106−高周波的に大地から絶縁した対極板をもつ電気手術器での高周波漏れ電流の測定 

19.3.101 a) 2)参照]

*

3)

バイポーラ

バイポーラ用に設計した患者回路は,高周波及び低周波において大地及び他の装着部から絶縁す

る。

バイポーラ電極の任意の極から

200 Ω

の無誘導抵抗器を通して大地及び

対極板へ流れる高周波漏

れ電流を二乗して,無誘導負荷抵抗器の値を乗じて得た電力値は,定格出力の

1 %

を超えてはなら

ない。試験は,全て最大出力設定にして実施する。

(試験)

適合性は,次の試験による。

図 107 に示すように,電気手術器を配置し,接続する。製造業者が供給するか又は推奨する

バイポーラ電極及び対極板を使用する。定格負荷を接続しない状態及び接続した状態で試験す

る。電流値を二乗し,

200

を乗じた値(電力値)は,

定格出力の

1 %

を超えてはならない。試

験は,

バイポーラ電極の片側ずつ,それぞれについて実施する。

クラス II 機器及び内部電源機器の場合は,その金属外装を接地する。絶縁した外装をもつ場

合は,試験中,少なくともその底面と同一面積をもつ接地した金属板の上に置く。

高周波漏れ電流の全ての測定の間,電気手術器の電源コードは,その長さが

40 cm

以下とな

るように束ねておく。


16

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

単位  m

電源(商用)

②  絶縁材料製の机

電気手術器

対極板  金属又は同じ大きさの金属はく(箔)に接している。

⑦  測定抵抗器  200 Ω

高周波電流計

⑨  接地した導電性平面 
⑩  出力している

バイポーラ電極

⑪  負荷抵抗(負荷抵抗器を内蔵した専用の

高周波電力計を使ってもよい。)

図 107−バイポーラ電極からの高周波漏れ電流の測定[19.3.101 a) 3)を参照]

*

b)

電気手術器の出力端子で直接測定する高周波漏れ電流

上記の 19.3.101 a)の代わりに次を適用してもよい。

電気手術器の出力端子で直接高周波漏れ電流を測定する場合は,19.3.101 a) 1)及び 19.3.101 a) 2)

モノポーラにおいて,

100 mA

を超えてはならない。19.3.101 a) 3)

バイポーラにおいては,19.3.101 a) 

3)

と同様に

200  Ω

の無誘導負荷抵抗で換算した電力値は,

定格出力の

1 %

を超えてはならず,かつ,

100 mA

を超えてはならない。

(試験)

適合性は,19.3.101 a)で規定した方法と同様の測定で確認する。ただし,電極コードは用いな

いで,負荷抵抗器,測定用抵抗器及び電流計と

電気手術器の出力端子とに接続する導線は,で

きる限り短くする。

c)

異なる高周波患者回路の間の干渉

1)

出力していない

モノポーラ患者回路から,

200 Ω

の無誘導抵抗器を通し,大地及び

対極板へ

150 mA

を超える

高周波電流が流れてはならない。

2)

出力していない

バイポーラ患者回路の両極間に

200 Ω

の無誘導抵抗器を接続したとき,両極間に

50 mA

を超える電流が流れてはならない。また,作動していない

バイポーラ患者回路の両極を短絡

した場合は,そこから

200 Ω

の無誘導抵抗器を通して大地に流れる電流及び

200 Ω

の無誘導抵抗器

を通して

対極板に流れる電流の和は,

50 mA

を超えてはならない(

図 107 参照)。

この試験は,その他の

患者回路を最大出力設定で作動させ,かつ,全ての電気手術モードで行う。

(試験)

適合性は,19.3.101 b)に規定した方法で測定して確認する。

図 105(モノポーラ用)又は図 107


17

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

バイポーラ用)に示すように電気手術器を配置し,接続する。

*

 20 

耐電圧 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 20.を適用する。

置換え 

電気手術器の附属品の要求事項及び試験は,59.103 及び 59.104 で規定する。

内視鏡用附属品の要求事項及び試験は,JIS T 0601-2-18

:2005

で規定している。

*

 20.2 

装着部をもつ機器に関する要求事項 

置換え 

電気手術器及び関連機器において,

B-e

を試験する必要はない(57.10 参照)

B-e

以外の絶縁の試験は,

絶縁材料の特性に影響を与えないように

960 hPa

を超える気圧の中で行ってもよい。

20.3 

試験電圧の値 

置換え 

JIS T 0601-1

表 の備考 2.は,次のように修正する。

装着部の試験電圧において,基準電圧(

U

)はピーク

高周波電圧の測定によって決定する。同じピーク

電圧をもつ電源周波数の正弦波波形の実効値を計算し,この計算値を

表 の基準電圧(

U

)として使用す

る。しかし,基準電圧(

U

)は,

250 V

以上とする。

*

 20.4 

試験 

追加 

aa)

 B-a

の耐電圧試験において,57.10 で規定した

空間距離を超えて絶縁破壊又はフラッシュオーバが生じ

る場合には,これらを防ぐ絶縁隔壁を置いてもよい。

B-a

の耐電圧試験において,57.10 で規定した

沿面距離を超えて絶縁破壊又はフラッシュオーバが生

じる場合には,

B-a

の分離を構成する部品(例えば,変圧器,リレー,フォトカプラ又はプリント基

板上の

沿面距離)について試験を実施する。

第 章  機械的危険に対する保護 

JIS T 0601-1

第 章を適用する。

第 章  不要又は過度の放射による危険に対する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

36 

電磁両立性 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1-2 を適用する。

36.201 

エミッション 

*

 36.201.1 

無線通信の保護 

追加 

電気手術器は,全ての電極ケーブルを電気手術器に接続して,主電源スイッチを入れた状態で,かつ,

高周波出力は作動していないときに,36.201 の要求事項に適合する。これらの試験条件下では,電気手術

器は,CISPR 11 グループ

1

の制限に適合させる。

36.202 

イミュニティ 

36.202.1 

一般 


18

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

j)

適合性基準

末尾に次を追加する。

次の

性能の劣化は許容する。

高周波出力の停止又は待機状態へのリセット。ただし,これらが電気手術器の操作パネル上に明示

されている場合に限る。

50.2

で許容する出力電力の変化

第 章  可燃性麻酔剤の点火の危険に対する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

39 AP

類及び APG 類機器に関する共通要求事項 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 39.を適用する。

39.3 

静電荷の防止 

追加 

39.3.101 

足踏みスイッチ 

足踏みスイッチから導電性の床への導電経路の抵抗は,

10 MΩ

を超えてはならない。

第 章  過度の温度及びその他の危害に関する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

*

 42 

過度の温度 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 42.を適用する。

42.1

42.3 の適合性試験は,次の条件で

機器を作動させて実施する。

3)

デューティサイクル

置換え 

電極コードを用いて無誘導負荷抵抗器に

定格出力を供給するように電気手術器を配置,接続し,製造業

者が規定した

デューティサイクルで

1

時間作動させる。ただし,作動時間は少なくとも

10

秒とし,その

後に

30

秒以下の休止時間とする[JIS T 0601-1 の 6.1 m)参照]

44 

あふれ,こぼれ,漏れ,湿気,液体の浸入,清掃,滅菌,消毒及び適合性 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 44.を適用する。

*

 44.3 

こぼれ 

置換え 

電気手術器及び関連機器の外装は,正常な使用においてこぼれた液体が,電気的絶縁又は他の部品をぬ

(濡)らした場合でも,

電気手術器の安全性に悪影響を及ぼさない構造とする。

(試験)

適合性は,次の試験による。

1 L

の量の水を,

電気手術器及び関連機器の上部表面中央部に

15

秒かけて注ぐ。壁又はキャ

ビネットに組み込むことを意図した

電気手術器及び関連機器は,推奨どおりに設置し,制御パ

ネル上方から壁に沿って水を注いで試験する。この後,

電気手術器及び関連機器は,箇条 20

に規定した耐電圧試験に耐え,

外装内に浸入した水が,電気手術器及び関連機器の安全性に悪

影響を及ぼさないことを確認して適合性を判断する。特に,JIS T 0601-1 の 57.10 に規定した

沿面距離を確保した絶縁部分に水が流入したこん(痕)跡があってはならない。


19

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

44.6 

液体の浸入 

追加 

*

aa)

不用意に

装着部が出力状態となる液体の浸入の影響に対して,手術室での使用を意図した電気手術

器及び関連機器の足踏みスイッチの電気的切替え部分を保護する。

(試験)

適合性は,次の試験による。

足踏みスイッチを,

0.9 %

の生理食塩液に

150 mm

の深さで

30

分間,完全に浸す。その間に,

足踏みスイッチを

スイッチセンサに接続し,正常な使用で

50

回作動させる。

スイッチセンサ

は,足踏みスイッチを離すごとに

高周波出力を停止させる。

*

bb)

不用意に

装着部が出力状態となる液体の浸入の影響に対して,手持ちスイッチの電気的切替え部分

を保護する(59.103.2 も参照)

(試験)

適合性は,次の試験による。

アクティブコネクタの各接点端子の交流インピーダンスを,

1 kHz

以上の周波数で,かつ,

12 V

未満の電圧で測定する。

アクティブ電極ハンドルは,スイッチの作動部分を上にして,少

なくとも

50 mm

の高さで水平に保持する。

1 L

0.9 %

の生理食塩液を

アクティブ電極ハンド

ルの上方から,その全長にわたって

15

秒間かけてむらなく注ぐ。注いだ液体は自由に流れ去

らせてよい。接点端子の交流インピーダンスが,

2 000 Ω

を超えた状態を維持する。

この後直ちに,

手持ちスイッチを

10

回作動させる。接点端子の交流インピーダンスは,

持ちスイッチを離してから後,

0.5

秒以内に

2 000 Ω

を超えている。

*

 44.7 

清掃,消毒及び滅菌 

追加 

単回使用と表示しない限り,

工具を使わずにコードから着脱可能なアクティブコネクタを除く,アクテ

ィブ附属品及びその着脱部品全ては,JIS T 0601-1 の 44.7 に従って試験した後,この規格の要求事項に適

合する。

46 

誤操作 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 46.を適用する。

追加 

*

 46.101 

二連の足踏みスイッチを

切開又は凝固の出力選択に使用する場合は,操作者から見て切開ペダルを左側

及び

凝固ペダルを右側に配置する。

(試験)

適合性は,検査によって調べる。

* 46.102 

切開及び凝固の電気手術モードを選択的に作動させる独立した手持ちスイッチを組み込んだアクティ

ブハンドルは,アクティブ電極に近い方を切開スイッチとし,アクティブ電極から遠い方を凝固スイッチ

とする。

(試験)

適合性は,検査によって調べる。

*

 46.103 

次の場合を除いて,複数の

アクティブ出力端子を同時に作動させてはならない。

a)

各々の

アクティブ出力端子が,独立した制御系(電気手術モード,高周波出力設定及びスイッチセン

サ)をもっている,又は


20

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

b)

二つの

モノポーラアクティブ出力端子が,独立したスイッチセンサをもち,共通の放電凝固出力を分

配している。

同時作動中は,単一出力作動中とは異なる可聴音が出なければならない。59.102 も参照。どのよう

な場合でも,

操作者が患者回路の出力操作をしない限り,19.3.101 c)で規定した以上の漏れ電流が流

れてはならない。

(試験)

適合性は,検査及び機能確認によって調べる。

*

 46.104 

a)

電気手術器及び関連機器のアクティブ出力端子は,モノポーラアクティブ附属品,対極板及びバイポ

ーラアクティブ附属品を不適切に接続しないように,異なる構造とする。附属書 AA 参照。

b)

複数のピンをもつ

アクティブコネクタは,ピンの間隔を固定する。“フライングリード”は禁止する。

c)

ピンが一本だけの

アクティブコネクタは,調査する必要はない。

(試験)

適合性は,検査によって調べる。

*

 46.105 

一つの

スイッチセンサによって,複数の電気手術モードを作動させることができる場合は,出力する前

にいずれの

電気手術モードを選択したかを表示する。

(試験)

適合性は,検査及び機能試験によって調べる。

*

 46.106 

特定の

電気手術モードに関連した操作制御,出力端子,表示光の色[6.7 a)を参照],ペダル(46.101 

照)及び

手持ちスイッチの押ボタン(46.102 参照)の識別は,次による。

黄色:

切開

青  :

凝固

(試験)

適合性は,検査によって確認する。

第 章  作動データの正確度及び危険な出力に対する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

50 

作動データの正確度 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 50.を適用する。

50.1 

制御器及び計測器の表示 

置換え 

*

 50.1.101 

6.8.2 bb)

の 7)で規定したものを除き,

モノポーラ電気手術モードのそれぞれのモードに対して,電気手

術器は,定格出力の

5 %

以下又は

10 W

のいずれか小さい方に出力を減少させる手段(出力調整器)を組

み込む(6.3 参照)

。各抵抗値に対して出力電力は,出力調整器の減少に伴って増大してはならない[6.8.3 

aa)

及び

図 108 参照]。

(試験)

適合性は,次の試験による。

出力調整器の機能として,

100 Ω

200 Ω

500 Ω

1 000 Ω

,及び

2 000 Ω

を含む

5

種類の抵

抗器,並びに

定格負荷抵抗器を用いて出力を測定する。負荷抵抗器の接続には,電気手術器と

ともに供給される

アクティブ附属品及び対極板又は

3 m

の長さの絶縁導線を使用する。

注記

電気手術器を作動させるために必要であれば,手持ちスイッチの操作は,長さ

100 mm

以下の絶縁されたジャンパ線を使用して模擬してもよい。


21

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

単位  m

電源(商用)

②  絶縁材料製の机 

電気手術器

アクティブ電極

対極板  金属又は同じ大きさの金属はく(箔)に接している。

⑨  接地した導電性平面 
⑪  負荷抵抗器(負荷抵抗器を内蔵した専用の

高周波電力計を使ってもよい。)

図 108−定格出力電力の測定−モノポーラ出力[50.1.101 参照] 

50.1.102 

6.8.2 bb)

の 7)で規定したものを除き,

バイポーラ電気手術モードのそれぞれのモードに対して,電気手

術器は,定格出力の

5 %

以下又は

10 W

のいずれか小さい方に出力を減少させる手段(出力調整器)を組

み込む(6.3 も参照)

。各抵抗値に対して,出力電力は出力調整器の減少に伴って増大してはならない[6.8.3 

bb)

及び

図 109 参照]。

(試験)

適合性は,次の試験による。

出力調整器の機能として,

10 Ω

50 Ω

200 Ω

500 Ω

,及び

1 000 Ω

を含む

5

種類の抵抗器,

並びに

定格負荷抵抗器を用いて出力を測定する。負荷抵抗器の接続には,電気手術器とともに

供給される

バイポーラコード又は長さ

3 m

定格

600 V

以上の絶縁導線対を使用する。

注記

電気手術器を作動させるために必要な場合は,手持ちスイッチの操作は,長さ

100 mm

以下の絶縁ジャンパ線を使用して模擬してもよい。


22

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

単位  m

電源(商用)

②  絶縁材料製の机 

電気手術器

⑨  接地した導電性平面 

バイポーラ電極

⑪  負荷抵抗器(負荷抵抗器を内蔵した専用の

高周波電力計を使ってもよい。)

図 109−定格出力電力の測定−バイポーラ出力[50.1.102 を参照] 

*

 50.1.103 

電気手術器において利用可能なそれぞれの電気手術モードに対して,アクティブ出力端子に印加する最

大出力電圧は,6.8.3 cc)で規定した電圧を超えてはならない。

注記

対応国際規格では 6.8.2 ee)となっているが,文脈から判断して誤記と考えられるため,修正し

た。

(試験)

適合性は,オシロスコープを用いた波形観察によって確認する[JIS T 0601-1 の 4.7 h)参照]

測定は,各

電気手術モードに対して,最大ピーク出力電圧を出力する設定及び負荷条件で行う。

50.2 

制御器及び計測器の正確さ 

定格出力電力の

10 %

を超える出力電力では,負荷抵抗及び出力調整器の設定に対する実際の出力電力は,

6.8.3 aa)

及び 6.8.3 bb)で規定した図表に示す値に対して±

20 %

以内でなければならない。

(試験)

適合性は,適正な値の負荷抵抗を用いて,50.1 の試験によって確認する。

51 

危険な出力に対する保護 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 51.を適用する。

*

 51.2 

安全に関するパラメータの表示 

置換え 

独立した出力を同時に作動させた場合も含め,いかなる

電気手術モードでも定格負荷を接続した場合に,

総出力電力は

1

秒間の平均値で

400 W

を超えてはならない。

(試験)

適合性は,測定によって確認する。


23

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

*

 51.5 

誤った出力 

追加 

定格出力電力が

50 W

を超える

電気手術器及び全てのバイポーラ電気手術器は,出力設定に対して著し

い出力の増加を表示するアラーム及び/又は防止するインタロックシステムを備える。

単一故障状態における許容最大出力電力は,各々の患者回路及び作動モードに対して別々に求める。

単一故障状態における許容最大出力電力は,次のように規定する。

表 1−単一故障状態における許容最大出力電力 

設定値

定格出力電力に対する%範囲)

単一故障状態における許容最大出力電力

(ただし,400 W を超えてはならない。

設定値<10 %

定格出力電力の 20 %

10 %≦設定値≦25 %

設定値×2

25 %<設定値≦80 %

設定値+

定格出力電力の 25 %

80 %<設定値≦100 %

設定値+

定格出力電力の 30 %

(試験)

適合性は,技術文書の調査及び適切な

単一故障状態の模擬によって確認する。

追加 

51.101 

電気手術器の電源スイッチを切った後に再度入れた場合又は電源が遮断された後に復帰した場合は,次

による。

出力調整器の設定値に対して,実際の出力電力が

20 %

を超えてはならない。

以前に選択した

電気手術モードは,出力を発生しない待機状態を除き,変わらない。

(試験)

適合性は,次の操作を行った後に,

1

秒間の平均した電力の測定及び作動モードの観察によっ

て確認する。

a)

電気手術器の電源スイッチを繰り返し操作する。

b)

電気手術器の電源スイッチを入りの状態にして,電源を遮断した後に復帰する。

*

 51.102 

同時に二つ以上の

患者回路を作動する電気手術器については(46.103 を参照),同時に出力することが

できるあらゆる組合せの条件下で同時に出力を行った場合において,出力電力は,50.2 に規定する範囲を

20 %

超えてはならない。

一つの

患者回路だけを作動させた場合は,50.2 に適合する。

(試験)

適合性は,次の試験による(

図 110 を参照)。

46.103 a)

で規定した電気手術器の場合

試験する出力を

定格出力電力の

20 %

に設定し,その出力電流を読んで記録する。次に,他

のあらゆる出力を最大出力で作動させたとき,試験する出力の電流は,

10 %

を超えて増加し

てはならない。

46.103 b)

で規定した電気手術器の場合

試験する出力を

定格出力電力の

50 %

及び

100 %

に設定し,

その出力電流を読んで記録する。

さらに他の出力を作動させたとき,その試験する出力の電流は,

10 %

を超えて増加してはな

らない。

これらの試験は,同時に出力できる全ての組合せで確認する。


24

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

電気手術器

対極板用コネクタ

R1  アクティブ出力(AO1)の定格負荷 
R2  アクティブ出力(AO2)の定格負荷 
R3  アクティブ出力(AO3)の定格負荷 
AO1

モノポーラアクティブ出力

AO2

モノポーラアクティブ出力

AO3

バイポーラアクティブ出力

図 110−同時作動における,あるアクティブ出力から他への帰還を試験する方法(51.102 参照) 

第 章  異常作動及び故障状態,環境試験 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 章を適用する。

52 

異常作動及び故障状態 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 52.を適用する。

追加 

*

 52.101 

電極の短絡の影響に対する保護 

電気手術器は,最大出力設定で出力の短絡又は開放の影響によって,損傷することなく耐える。

(試験)

適合性は,次の試験による。

50.1.101

及び 50.1.102 に規定した導線を

患者回路に接続する。各電気手術モードに対して,

出力調整器を最大に設定する。その後,出力スイッチを入れて出力を発生させ,作動した一組

の導線対の遠位端を

5

秒間短絡し,その後

15

秒間開放する。その後,

1

分間出力を停止する。

この操作を

10

回繰返す。

この試験の後,

電気手術器は,この規格の全ての要求事項に適合する。

第 10 章  構造上の要求事項 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 

第 10 章を適用する。

56 

部品及び組立一般 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 56.を適用する。


25

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

56.3 

接続:一般 

*

 c) 

修正 

この要求事項は,

アクティブコネクタに適用しない。

対極板コネクタは,患者から離れた側のコネクタの導電接続部が,固定電源ソケット又は電源コネクタ

生きている導電部と接触できない構造とする。

固定電源ソケット又は電源コネクタに差し込むことができる場合には,少なくとも

1.0 mm

沿面距離

及び

1 500 V

の耐電圧をもつ絶縁手段によって,

電源電圧をもつ部分との接触から保護する。

(試験)

適合性は,検査及び上記で確認したコネクタの

導電接続に対する耐電圧試験の実施によって確

認する。

*

 56.11 

コード付き手持ち及び足踏み制御器 

a)

作動電圧の制限

修正 

JIS T 0601-1

の 56.11 a)は適用しない。56.101.1 を参照。

d)

液体の浸入

修正 

JIS T 0601-1

の 56.11 d)は適用しない。44.6 を参照。

e)

接続コード

修正 

JIS T 0601-1

の 56.11 e)は,

アクティブ附属品のコードには適用しない。適用可能な要求事項については,

56.102

を参照。

追加 

患者回路を作動させることを意図した制御器には,56.101.2 の場合を除いて,操作者による連続的な操

作を要求する。

*

 56.101 

スイッチセンサ 

*

 56.101.1 

一般 

56.101.2

を除いて,

電気手術器及び適用となる関連機器は,アクティブ出力端子から高周波電流を出力

するための

スイッチセンサを備える。スイッチセンサには,操作者による連続的な操作を要求する。

スイッチセンサは,電源部及び大地から絶縁した電源で,装着部に導電接続がある場合は,

12 V

以下の

電圧,その他の場合は,交流

24 V

又は直流

34 V

以下の電圧でなければならない。

注記

この要求事項は,

スイッチセンサ内に現われる電圧に適用する。同相高周波電圧に対しては,

注意を払わなくてもよい。

単一故障状態において,

スイッチセンサは,低周波患者漏れ電流の許容値を超えてはならない[19.3 a)

参照]

(試験)

適合性は,調査,機能検査,並びに電圧及び

漏れ電流の測定によって確認する。

外部スイッチの接点に接続することを意図する入力端子を備えた

スイッチセンサは,その入

力端子間に

1 000 Ω

以上の抵抗器を接続したときに,

電気手術器は,いかなる出力も発生させ

てはならない。

(試験)

適合性は,機能試験によって確認する。

スイッチセンサは,意図した単一のアクティブ出力端子だけを作動させ,複数の電気手術


26

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

モードを制御しない。

注記

この要求事項の目的のために,ロッカースイッチの二つのアームは,二つの独立したスイッチ

であるとみなす。

56.101.2 

非連続的な作動 

次の場合は,非連続作動モードの

スイッチセンサを使ってもよい。

a)

電気手術器の出力を,その機器の特定の用途に従って自動的に停止する。

b)

電気手術器が,その機器の特定の用途に設定されていることを操作者に示すための可視表示手段を備

えている。

c)

手動で出力を停止させることができる。

(試験)

適合性は,

附属文書の調査及び機能試験によって確認する。

56.101.3 

インピーダンス検知作動 

バイポーラアクティブ出力端子間に生じたインピーダンスに応じて高周波出力を作動させることを意

図した

スイッチセンサは,バイポーラ凝固に対してだけに使ってよい。

インピーダンス検知による

スイッチセンサが,接点開閉式のスイッチセンサの代わりとして又はそれに

追加して備えている場合は,次による。

a)

いかなる条件下においても,主電源の中断及び再投入によって

高周波出力が出ない。

b)

インピーダンス検知作動は,

操作者がその作動モードを選択した場合だけに作動する。

c)

その選択状態は,

操作者が識別できるように明瞭に可視表示する。

インピーダンス検知

スイッチセンサは,モノポーラ出力の作動に適用しない。この細分箇条の要求事項

は,特定の用途のために

高周波出力を自動的に終了させるためだけに用いるスイッチセンサには適用しな

い[56.101.2 a)参照]

(試験)

適合性は,

附属文書の調査及び機能試験によって確認する。

56.101.4 

足踏みスイッチ 

足踏みスイッチは,次の要求事項に適合する(44.6 及び 46.101 も参照)

スイッチを作動させるために必要な力は,足踏みスイッチの作動表面のいかなる場所においても面積

625 mm

2

に対して

10 N

以上でなければならない。

(試験)

適合性は,作動力の測定によって確認する。

56.102 

アクティブ附属品コードの固定 

アクティブ附属品のコードの固定は,コードのたわみ又は過度の伸張によって生じる導線又は絶縁の損

傷によって生じる

患者及び操作者に対する危険性を最小限にするように設計する。

(試験)

適合性は,調査及び次の試験による。

アクティブハンドル及びアクティブコネクタのそれぞれを固定して試験する。

試験中は,

アクティブハンドル又はアクティブコネクタを図 111 に示す装置に固定する。屈曲させる部

分が,移動する経路の中間点に来たときに,コードの軸が,垂直になり屈曲の中心を通るようにする。屈

曲の中心から

300 mm

の所にあるすき(隙)間にコードを通す。コードに張力をかけるために,

アクティ

ブ附属品のコードとコネクタの重さに等しいおもりを,このすき(隙)間の下側でコードに付ける。この

穴の最大直径は,コードの直径の

2

倍を超えてはならない。

試験中に,

アクティブハンドル又はアクティブコネクタの固定部に

2

本以上のコードを取り付けている

場合は,これらを一緒にして試験する。固定部に取り付けるおもりは,各コードに個々に加える必要のあ

るおもりを合計した重さとする。


27

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

アクティブ附属品のコードの固定は,角度

90

°(垂線に対して片側

45

°ずつ)の範囲で屈曲させる。

アクティブハンドルのコード固定部にかける屈曲の繰返し回数は,往復で

10 000

(単回使用と表示した

アクティブ附属品については

200

)回とし,その速度は,毎分約

30

回とする。

アクティブコネクタのコー

ドの固定部にかける屈曲の繰返し回数は,往復で

5 000

(単回使用と表示した

アクティブ附属品について

100

)回とし,その速度は,毎分約

30

回とする。

試験の後に,コードの緩み及び損傷があってはならない。多しん(芯)コードについては,個々の導線

間に短絡があってはならない。張力をかけるおもりを

1 kg

まで増加して,

1 A

以下の直流電流を個々の導

線に流して検査する。導線が断線していてはならない。

単位  mm

図 111−アクティブ附属品コードの固定部を試験する装置の例(56.102 参照) 

*

 56.103 

着脱可能なアクティブ電極を備えたアクティブ附属品 

56.103.1 

第三者が製造したアクティブ電極との互換性 

a)

着脱可能な

アクティブ電極を備えたアクティブ附属品の製造業者は,アクティブ附属品に取り付ける

ことを意図した

アクティブ電極の取付け部分の寸法及び付随する公差を,要求に応じて提供する。

(試験)

適合性は,

附属文書の調査によって確認する。

b)

着脱可能な

アクティブ電極を備えたアクティブ附属品の製造業者は,そのアクティブ附属品と互換性

のある

アクティブ電極を附属文書に規定する。

(試験)

適合性は,この規格の全ての関連要求事項との適合性を実証することによって調べる。

56.103.2 

着脱可能なアクティブ電極の保持 

着脱可能な

アクティブ電極の製造業者は,併用することを意図したアクティブ附属品を附属文書に記載


28

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

する。

a)

着脱可能な

アクティブ電極は,記載したアクティブ附属品と確実に着脱できる構造とする。

(試験)

適合性は,検査及び次の試験による。

着脱可能な

アクティブ電極を規定したアクティブ附属品に

10

回挿入する。その後,

アクテ

ィブ電極の

10

倍の張力を挿入部の軸方向に沿って

1

分間加えたときに,

アクティブ電極がア

クティブ附属品から抜けてはならない。

なお,引っ張る力は,最大

10 N

までとする。

b)

着脱可能な

アクティブ電極を規定したアクティブ附属品に挿入したときに,その組合せがこの規格の

他の全ての適用する要求事項に適合する。

57.10 

沿面距離及び空間距離 

*

 a) 

数値 

修正 

電気手術器及び電気手術器の附属品は,

B-d

及び

B-e

を試験する必要はない。

装着部と,信号入力部及び信号出力部を含む外装との間及び異なる患者回路間の沿面距離及び空間距離

は,少なくとも

3 mm/kV

又は

4 mm

のいずれか大きい方を満たす。基準電圧は最大ピーク電圧とする。

この要求事項は,例えば,部品製造業者の評価又は箇条 20 によって適切な評価を証明している部品には

適用しない。

59 

構造及び配置 

次の変更を加えて,JIS T 0601-1 の 59.を適用する。

追加 

*

 59.101 

対極板監視回路 

50 W

を超える

定格出力をもつ電気手術器は,対極板回路又はその接続に異常が発生したときに出力を停

止し,かつ,警報を発する

対極板断線モニタ及び/又は対極板接触モニタを備える。可聴音による警報は,

59.102

の音量の要求事項を満たし,かつ,外部から調整できてはならない。

監視回路の電源は,

電源部及び大地から絶縁した

12 V

以下の電源から供給する。

対極板接触モニタの監

視電流の制限は,19.3 に規定する。

赤の可視表示光による追加の警報を備えることが望ましい[6.7 a)参照]

a)

対極板断線モニタ

(試験)

対極板断線モニタの適合性は,図 112 に示す回路において,各作動モードで出力調整器を最大

にして

電気手術器を作動させて確認する。スイッチを

5

回開閉し,スイッチを開くごとに

高周

波出力を停止し,かつ,警報が鳴ることを確認する。

b)

対極板接触モニタ

(試験)

対極板接触モニタは,次の手順に従って調べる。

準備

電気手術器の電源スイッチを入れ,モノポーラで作動させるために電気手術器の制御器を設

定する。ただし,

高周波出力は作動させない。その後,6.8.2 hh)に従って選択した互換性のあ

モニタ形対極板を対極板接触モニタに接続する。

その後,取扱説明書の指示に従って,

対極板の全面を被験者又は適切な代替手段の表面に配

置し,

対極板接触モニタを作動させるための準備をする。


29

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

注記

対応国際規格では 6.8.2 gg)となっているが,文脈から判断して誤記と考えられるため,

修正した。

(試験)

電気手術器をモノポーラ電気手術モードで作動する。このとき,警報は鳴らず,かつ,高周

波を出力する。

電気手術器を作動させたまま,対極板と被験者又は適切な代替手段の表面との間の接触面積

を警報が生じるまで,徐々に狭くする。

59.104.5

に示す温度上昇試験のために,残りの接触面積(警報面積)

A

a

を記録し,かつ,こ

のときに

電気手術器を作動させても,高周波を出力しない。

この試験は,互換性のある

モニタ形対極板それぞれに対して,少なくとも三つの供試品を使

用し,

対極板をはり付けた方向のそれぞれの軸に沿って繰り返して行う。

注記 1

正常状態において,監視回路が生体情報モニタの作動に悪影響を及ぼすような干渉

電圧(例えば,電源周波数又はその高調波)を

対極板で生じさせないことに注意す

べきである。

注記 2

上記 a)及び b)の見出しは,対応国際規格にはないが,分かりやすくするために追加

した。

注記 3

対応国際規格中の図では,分割形

対極板の試験条件を記載しているが,対極板接触

モニタの適合性評価では,本回路図を使用しないため,削除した。

注記 4

二つ以上の部分に分割した

対極板は,上記に従って試験することが望ましい。

図 112−細分箇条 59.101 の適合性を試験する回路 

59.102 

出力指示器 

電気手術器は,スイッチセンサの作動又は単一故障状態によって出力回路が作動したとき,可聴音を発

生する手段を備える。音の出力は,主搬送周波数が

100

3 000 Hz

の間の周波数を使用する。音圧レベル

は製造業者が規定した一つの方向で,

電気手術器から

1 m

の距離において少なくとも

65 dBA

とする。

作者による音圧調整器を備えてもよいが,その音圧レベルは

40 dBA

未満に設定できてはならない。同時

作動については 46.103 も参照。


30

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

操作者が区別できるように,59.101 で要求した可聴アラーム音及び上記の出力音は,前者を断続音とす

るか又は二つの異なる周波数のいずれかを使用する。

(試験)

適合性は,機能検査と音圧レベルの測定によって確認する。

*

 59.103 

アクティブ附属品の絶縁 

アクティブ附属品及びアクティブ附属品のコードは,正常な使用状態において,患者及び操作者に対す

る意図しない熱傷を軽減するために,十分に絶縁する。

(試験)

適合性は,次の手順に従って確認する。

単回使用と表示されたもの以外の試験供試品は,44.7 の滅菌試験に耐える。

アクティブハンドル及びアクティブコネクタ以外の全てのアクティブ附属品の絶縁部分は,

0.9 %

の生理食塩液に

12

24

時間浸して前処理する。露出する可能性のある作動導体及び終端

から

100 mm

以内の

アクティブ附属品のコードの絶縁は,生理食塩液と接触しないように保護

する。前処理が完了した後,試験供試品についた余分な生理食塩液は,振る及び/又は乾燥し

た布で拭くことによって,試験供試品の表面及び空洞から取り除く。

生理食塩液による前処理後に,次の順序に従って電気的試験を実施する。

高周波漏れ電流(59.103.5

高周波耐電圧(59.103.6

電源周波数耐電圧(59.103.7

59.103.1

  取り扱わない。 

59.103.2

  取り扱わない。 

59.103.3

  取り扱わない。 

59.103.4

  取り扱わない。 

追加 

*

 59.103.5 

アクティブ附属品コードの絶縁部からの高周波漏れ電流 

モノポーラでの使用を意図したアクティブ附属品のコードに適用する絶縁は,絶縁の外部表面を通して

流れる

高周波漏れ電流(

I

leakage

)を,次の値未満に制限する。

注記

この見出しは,対応国際規格にはないが,分かりやすくするために追加した。

peak

test

-7

leakage

10

0

.

9

U

f

L

d

I

×

×

×

×

×

=

ここに,

I

leakage

絶縁の外部表面を通して流れる

高周波漏れ電流(mA)

d: 絶縁部の最小外形寸法(mm)

f

test

高周波試験電圧の周波数(kHz)

L: 高周波漏れ電流が流れる供試品の絶縁部の長さ(mm)

U

peak

ピーク

高周波試験電圧(V)

バイポーラの使用を意図したコードに対する制限値は,次による。

peak

test

-6

leakage

10

8

.

1

U

f

L

d

I

×

×

×

×

×

=

(試験) 適合性は,次のように確認する。

露出した導線の 10 mm の範囲を除く長さ 300 mm 未満の供試品の絶縁部分は,0.9 %の生理

食塩液を満たした水槽に浸すか又は生理食塩液に浸した多孔性の布で包む。内部の作動導体全

てをほぼ正弦波波形で,300∼1 000 kHz の周波数(f

test

)の

高周波電源の一つの極に接続する。

高周波電源の他方の極は,生理食塩液を満たした水槽中に浸した導電性電極又は生理食塩液で


31

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

ぬ(濡)らした多孔性の布の中央部のはく(箔)に接続する。

高周波漏れ電流(I

leakage

)は,

周波電源の出力に直列接続された適切な測定器によって測定する。高周波試験電圧 U

peak

は,

周波電源の出力端子の極間で監視する。

試験電圧のピーク電圧が,

附属品の定格電圧又は 400 V

peak

のいずれか低い方の値と等しくな

るまで,

高周波試験電圧(U

peak

)を上げる。測定した

高周波漏れ電流(I

leakage

)は,規定した値

を超えてはならない。

* 59.103.6  高周波耐電圧 

アクティブ附属品に使用する絶縁は,附属品の定格電圧の 120 %の高周波電圧に耐える。

(試験) 適合性は,次のように確認する。

電気手術器の附属品の製造業者が,取扱説明書で規定した[6.8.2 ee)参照]附属品の定格電

圧による試験電圧で,次の方法に従って試験をする。アクティブ附属品のコード及びアクティ

ブ電極は,生理食塩液で前処理した絶縁の部分に,絶縁部表面を変形させることなく,直径 0.4

mm±10 %の裸導線を,少なくとも 3 mm の線間ピッチ幅で最大 5 回巻く。偶発的なアーク放

電を防ぐために,ワイヤと

アクティブ電極の作動導電部間の沿面距離は,絶縁の適用によって

10 mm まで増加させてもよい。そのような追加絶縁は,厚さを 1 mm 以下とし,アクティブ電

極の絶縁は 2 mm を超えて覆う。試験用の高周波電源の一方の極を,裸の導電ワイヤに接続し,

他方の極を試験する供試品の全ての作動導線に同時に接続する。

互換性を規定している着脱可能なコード及び着脱可能な

アクティブ電極とともに,アクティ

ブ電極ハンドルを,0.9 %の生理食塩液を浸した多孔性の布で包む。この布は,ハンドルの外表

面全体,並びにコード表面の少なくとも 150 mm の長さ及び

アクティブ電極の絶縁の 5 mm の

部分まで覆う。必要に応じて,布と

アクティブ電極の露出した作動導体部との間の沿面距離を

上記のように絶縁してもよい。生理食塩液に浸した布の中央部を金属はく(箔)で包み,試験

用の

高周波電源の一方の極に接続する。同時に,アクティブ電極の作動導体を含む試験供試品

の作動内部導体全てを他方の極に接続する。

高周波試験電圧のピーク電圧値を高周波電源の出力端子間で監視する。その後,試験用高周

波電源の出力を附属品の定格電圧の 120 %と等しいピーク電圧まで増加させて,試験供試品の

絶縁にストレスを与えるように 30 秒間その状態を維持する。絶縁材の絶縁破壊が生じてはな

らない。この後,引き続き同じ絶縁に対して,59.103.7 に従って電源周波数で試験する。

注記  コロナ放電は正常とし,絶縁破壊とはみなさない。

正常な使用時に,絶縁していない試験供試品の部分は,前処理の間に生理食塩液との接触か

ら十分に保護していなければならず,かつ,この保護は試験の間維持する。

(試験)

周波数 400±100 kHz の連続的な正弦波又はその代わりに 10 kHz 以上の変調周波数を伴う変

調波形で,

電気手術器の附属品の製造業者が規定する附属品の定格電圧の 120 %と等しいピー

ク電圧で,かつ,次の定義による

波高率(cf

test

)を伴う電圧を供給する。

附属品の定格電圧が 1 600 V 以下の場合

2

test

cf

附属品の定格電圧が 1 600 V を超え,かつ,4 000 V 以下の場合

%

10

)

V

(

600

)

V

(

400

acc

test

±

=

U

cf


32

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

ここに,

  U

acc

附属品の定格電圧

V

  附属品の定格電圧

4 000 V

を超える場合

%

10

6

test

±

=

cf

特定の

電気手術モード

又は出力設定で使用することを意図した

アクティブ附属品

は,その

気手術モード

又は出力設定のピーク出力電圧の

120 %

の電圧に耐える。試験は上記と同じ条件

で行うが,その

電気手術モード

又は出力設定は,実際の

波高率

とする[

6.8.2 ff) iii)

参照]

* 59.103.7  電源周波数耐電圧 

59.103.6

に従って

高周波

電圧で試験した絶縁部分を含む

アクティブ附属品

に適用する絶縁は,

電気手術

器の附属品

の製造業者が規定した

附属品の定格電圧

より

1 000 V

高い直流又は電源周波数のピーク電圧に

耐える。

(試験)

適合性は,次の試験による。

試験用の電源は,直流又は電源周波数の電圧を発生させる。

アクティブハンドル

及び

アクテ

ィブコネクタ

に対して

30

秒間試験電圧を印加して試験する。

アクティブ附属品

のコードに対

しては,

5

分間試験電圧を印加して試験する。コロナ放電は生じてもよいが,絶縁破壊又はフ

ラッシュオーバが生じてはならない。

この耐電圧試験直後に,組み込んだ

手持ちスイッチ

の全てを

10

回操作する。

電気手術器

接続して

手持ちスイッチ

を離したときに,

高周波

出力を遮断することを確認するために,抵抗

計を使用してスイッチの接点機構が意図した作動をしているかどうかを試験する。

露出した作動導体からの

沿面距離

10 mm

を超える

アクティブコネクタ

の絶縁部分は,

0.9 %

の生理食塩液で浸した多孔性の布で包む。その後,布の中間部を金属はく(箔)で包む。金属

はく(箔)と,

アクティブコネクタ

の全ての作動接点との間に試験電圧を印加する。

59.103.6

に従って,

高周波

電圧で試験した部分を含み,両端から

100 mm

以内の部分を除い

アクティブ附属品

のコードの絶縁部全長を,

0.9 %

の生理食塩液を満たした水槽に浸す。試験

電圧は,この水槽に浸した導電性の電極とコード中の全ての導線との間に印加する。

着脱可能な電極を備えた

アクティブハンドル

を試験のために準備し,

59.103.6

と同じ手法で

試験用電源に接続する。前の試験で使用した生理食塩液に浸した布及び金属はく(箔)は,こ

の試験でもそのままの状態で使用してよいが,布が完全に生理食塩液につか(浸)っているこ

とを確認するように注意を払う。

59.104 

対極板 

* 59.104.1 

バイポーラ電極

だけを接続することを意図した

患者回路

を除いて,

50 W

を超える

定格

出力をもつ

電気手

術器

は,

対極板

を備える。

(試験)

適合性は,調査して確認する。

* 59.104.2 

対極板

を確実にコードに接続する。

モニタ形対極板

を除いて,電極コードと

対極板

との接続部の電気的

連続性を監視する電流は,

対極板

の一部を通過する。

(試験)

適合性は,次の試験による。

電気的連続性試験は,直流又は電源周波数の電流源から供給する,

6 V

以下の無負荷電圧で,

1

5 A

の電流で実施する。電気的連続性は

1 Ω

以下とする。


33

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

* 59.104.3 

着脱可能な

対極板

に取り付ける

対極板

コードの電気コネクタの接点全ては,不確実な接続がされている

場合に,その導電部が

患者

と接触しないように設計する。

(試験)

適合性は,次の試験による。

対極板

コードから

対極板

を切り離し,

JIS T 0601-1

図 7

に示す標準テストフィンガを使用

して,コードコネクタの導電部との接触が可能ではないことを確認する。

* 59.104.4 

対極板

コードの絶縁は,

患者

及び

操作者

に対する熱傷を防ぐのに十分な絶縁とする。

(試験)

適合性は,次の手順によって確認する。

400 V

peak

の試験電圧で

59.103.5

高周波

漏れ試験を行う。

高周波漏れ電流

I

leakage

)は,次の

値を超えてはならない。

peak

test

-6

leakage

10

8

.

1

U

f

L

d

I

×

×

×

×

×

=

500 V

peak

の試験電圧で,

59.103.6

高周波

耐電圧試験を行う。絶縁破壊が生じてはならない。

2 100 V

peak

の試験電圧で,

59.103.7

の電源周波数耐電圧試験を行う。絶縁破壊が生じてはなら

ない。

* 59.104.5 

取扱説明書に従って,

正常な使用

条件で

対極板

を使用したときに,

対極板

をはり付けた部位で熱傷を

に与えてはならない。

(試験)

適合性は,次の試験による。

次のように

患者

の体重を分類した場合に,

対極板

患者

に接触する部分の直下又は

1 cm

範囲内において,

1 cm

2

の面積当たりの最高温度上昇は,

表 2

に規定した試験電流(

I

test

)を

60

秒間流した直後に

6

℃を超えてはならない。

表 2

体重の範囲ごとの試験電流 

患者体重範囲

I

test

<5 kg

350 mA

5∼15 kg

500 mA

>15 kg 又は規定なし 700

mA

全ての

モニタ形対極板

の接触面積は,

59.101

の試験で評価した

A

a

,すなわち警報面積とする。

他の全ての

対極板

の接触面積は,取扱説明書に従って

対極板

を適用したときの面積とする。

小さな

患者

(例えば,小児)への使用を意図した

対極板

については,これらの試験を成人の

被験者で行ってもよい。試験する

対極板

をはり付ける試験表面は,被験者の皮膚又は電気的及

び熱的特性が同等な代替物若しくは試験器具とする。これらの試験は,それぞれの被験者又は

代替物に対して,最低

4

個の異なる

対極板

を使用して繰り返し実施する。一つの代替物又は試

験器具で試験する場合には,少なくとも

10

個の異なる

対極板

を試験する。

対極板

と代替物又は試験器具との接触表面温度は,

23

±

2

℃とし,

対極板

を試験表面に当て

る直前に試験表面の基準温度を記録する。接触面積が

A

a

であることを除いて,取扱説明書に

従って

対極板

を試験表面に接触させる。

対極板

は,試験電流を流す前に安定した温度環境で

30

分間試験表面に密着させる。熱的に同等な代替物又は試験器具を使用する場合には,熱平衡状


34

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

態に到達すれば,試験を開始してもよい。

電極に供給する試験電流(

I

test

)は,ほぼ正弦波状の波形とし,試験開始から

5

秒以内に(

I

test

100

110 %

の間に到達させ,

60

±

1

秒間維持する。

試験表面の

2

回目の温度測定は,試験電流の停止後

15

秒以内に完了させる。基準測定値と

の比較で,

1 cm

2

の面積の温度上昇が

6

℃を超えてはならない。

温度測定器は,

0.5

℃以上の精度をもち,

対極板

の接触面積全体,及びその面積の端から

1 cm

広がった部分の面積にわたって,単位平方センチメートル当たりで少なくとも

1

データ取得が

可能な空間分解能をもつ。基準測定値と

2

回目の温度測定との間の空間相関性は±

1.0 cm

以内

にあるものとする。

被験者を使用する場合は,形態学的に様々な皮膚をもつ人々(例えば,皮下脂肪の薄い人,

標準的な人,

厚い人を含む)

で少なくとも

5

人の男性及び

5

人の女性に対して試験を実施する。

全ての代替物又は試験器具は,これらを使用して得られた温度上昇試験結果が,少なくとも

20

人の被験者に対して実施した場合に得られる結果よりも低い結果とはならないことを証明

する文書を備える。

59.104.6 

対極板

をはり付けた部位表面と

対極板

コードとの接続間の電気的な接触インピーダンスは,

高周波

電流

の通過に伴う加熱(オーミックヒーティング)によって生じる

患者

の熱傷を防ぐために,十分に低くなる

ように設計する。

導電性の

対極板

については,接触インピーダンスは

50 Ω

を超えてはならない。容量性の

対極板

について

は,接触容量は

200

5 000 kHz

の周波数範囲で

4 nF

を下回ってはならない。

注記

この規格の目的のため,製造業者による特別な定めがない限り,導電性

対極板

は,

200 kHz

の接触インピーダンスに

45

°未満の位相角を示し,容量性

対極板

は,

45

°以上の位相角を示す

ものとする。

(試験)

適合性は,

無作為に抽出した少なくとも

10

個の

対極板

に対して次の試験を実施して確認する。

試験する

対極板

を,

20 cm

×

30 cm

の平らな金属板に密着させて配置する。

U

test

を測定するた

めに,

2 kΩ

以上の入力インピーダンスをもち,かつ,

200

5 000 kHz

の範囲で,

5 %

以内の精

度をもち,実効値を測定できる交流電圧計を金属板と

対極板

コードの導線との間に接続する。

200 mA

で,周波数(

f

test

)が

200

5 000 kHz

の範囲の正弦波状の試験電流(

I

test

)を

対極板

ードと金属板との間に流し,実効値を測定できる交流電流計を使用して監視する。

試験電流の周波数(

f

test

)を

200 kHz

500 kHz

1 000 kHz

2 000 kHz

及び

5 000 kHz

として

U

test

)及び(

I

test

)を記録する。それぞれの(

f

test

)に対して,接触インピーダンス(

Z

c

)を次

の式で求める。

test

test

c

I

U

Z

=

また,接触容量(

C

c

)を次の式で求める。

test

test

6

test

c

2

10

(nF)

U

f

I

C

×

×

×

=

π

ここに,

C

c

接触容量(

nF

I

test

高周波

試験電流の実効値(

A

U

test

高周波

試験電圧の実効値(

V


35

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

f

test

高周波

試験電圧の周波数(

kHz

* 59.104.7 

モニタ形対極板

及び体重

15 kg

未満の

患者

に使用することを表示した

対極板

を除いて,取扱説明書で

極板

患者

に粘着させるように指示している場合には,想定する使用条件下において,安全な接触状態を

確保するために,接着剤をはがす強度は適切でなければならない。

(試験)

適合性は,次の試験による。

小さな

患者

(例えば,小児)への使用を意図する

対極板

については,試験を成人の被験者で

行ってもよい。被験者と同等であるとみなすことができる代替物の表面を使用してもよい。

a)

引張り試験

  取扱説明書に従って,少なくとも二つの

対極板

を少なくとも

10

人の男性及び

10

人の女性の被験者にはり付ける。

対極板

をはり付けた後,

5

10

分間そのままの状態を維

持する。成人の

患者

への使用を意図した

対極板

については,

対極板

の短軸方向及び長軸方向

のそれぞれに沿って,

10 N

の力を

10

分間かける。試験結果の少なくとも

90 %

の割合で,皮

膚表面からはく(

)離する

対極板

の粘着面積が,粘着面積全体の

5 %

を超えてはならない。

b)

接着性試験(Conformability test

試験する

対極板

を,少なくとも

5

人の男性及び

5

人の女

性の被験者にほぼ円柱状の部位(例えば,四肢)にはり付ける。その部位の周囲長は,

対極

の長軸方向の長さの

1.0

1.25

倍とし,

対極板

の長軸がその部位を囲むようにする。電極を

はり付けてから

1

時間後において,皮膚表面からはく(

)離する

対極板

の接着部分の面積

が,

対極板

の接着部分の面積全体の

10 %

を超えてはならない。

注記 

取扱説明書ではり付けることを禁止している部位では,この試験は適用しない。

c)

液体に対する耐性試験

  少なくとも

5

人の男性及び

5

人の女性の被験者に

対極板

をはり付け

る。

対極板

が再使用可能なコードと使用することを意図している場合には,適切なコネクタ

対極板

に接続する。

1 L

0.9 %

の生理食塩液を

5

15

秒間かけて,高さ

300 mm

から直接

対極板

の上に注ぐ。生理食塩液を注いでから

15

分以内に,皮膚表面からはく(

)離する

極板

の接着部分の面積が,

対極板

の接着部分の面積全体の

10 %

を超えてはならない。

* 59.104.8 

単回使用と表示した

対極板

は,この規格の

6.8.2 ii)

の規定に従って表示した有効期限について,

59.104.5

59.104.7

の要求事項に適合する。試験供試品は,取扱説明書に従って貯蔵するか又は

対極板

を推奨保存

条件と少なくとも同等の条件で加速劣化させて作ってもよい。

(試験)

適合性は,有効期限又は加速劣化の完了日から

30

日以内に検証する。

注記

対応国際規格の誤記であり修正した。

* 59.104.9 

大電流及び/又は長時間作動を意図した

対極板

に対する要求事項は検討中である。

注記  6.8.2 kk)

参照。

* 59.105  神経

筋の刺激 

神経・筋の刺激を低減するために,

アクティブ電極

又は

バイポーラ電極

の片側の

患者回路

に,コンデン

サを効果的に直列に入れる。このコンデンサは,

モノポーラ

では

5 000 pF

バイポーラ

では

50 nF

を超え

てはならない。

アクティブ電極

対極板

との間又は

バイポーラ

出力回路の端子間の直流抵抗は,

2 MΩ

上とする。

図 103

のコンデンサ

C

1

参照。

(試験)

適合性は,回路図の調査,及び出力端子間の直流抵抗の測定による。


36

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

附属書 L

(規定) 
引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS T 0601-1:1999

  医用電気機器−第

1

部:安全に関する一般的要求事項

注記

対応国際規格:

IEC 60601-1:1988

Medical electrical equipment

Part 1: General requirements for

safety

並びに

Amendment 1:1991

及び

Amendment 2:1995

MOD

JIS T 0601-1-1:2005

  医用電気機器−第

1

部:安全に関する一般的要求事項−第

1

節:副通則−医用

電気システムの安全要求事項

注記

対応国際規格:

IEC 60601-1-1:2000

Medical electrical equipment

Part 1-1: General requirements

for safety

Collateral standard: Safety requirements for medical electrical systems

IDT

JIS T 0601-1-2:2012

  医用電気機器−第

1-2

部:安全に関する一般的要求事項−電磁両立性−要求事項

及び試験

注記

対応国際規格:

IEC 60601-1-2:2001

Medical electrical equipment

Part 1-2: General requirements

for safety

Collateral Standard: Electromagnetic compatibility

Requirements and tests

及 び

Amendment 1:2004

IDT

JIS T 0601-2-18:2005

  医用電気機器−第

2-18

部:内視鏡機器の安全に関する個別要求事項

注記

対応国際規格:

IEC 60601-2-18:1996

Medical electrical equipment

Part 2: Particular requirements

for the safety of endoscopic equipment

及び

Amendment1:2000

IDT

IEC 60601-1-4:1996

Medical electrical equipment

Part 1: General requirements for safety

4. Collateral

Standard: Programmable electrical medical systems

及び

Amendment 1:1999

CISPR 11:2003

Industrial, scientific and medical (ISM) radio-frequency equipment

Electromagnetic

disturbance characteristics

Limits and methods of measurement


37

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

附属書 AA

(参考)

指針及び理論的根拠

この附属書は,この規格の重要な要求事項に対して簡潔な解説を与えるものであり,この規格を使う人

で,かつ,この規格作成に参加しなかった人を対象としている。

主な要求事項の根拠を理解することは,規格の正しい適用の基礎となる。さらに,この要求事項に対す

る理由は,医療及び技術的進歩によってこの規格の改正が必要になった場合に,それを容易にすることが

できる。

注記

この附属書の箇条番号は,この規格の本文の箇条番号に対応している。

1.1 

適用範囲 

例えば,電気的に加熱した金属針又はループを用いた医療処置などの加熱治療用の

機器

は,この適用範

囲に含めない。この規格は,可能な限り,

電気手術器

及び

電気手術器の附属品

に対する個別の要求事項及

び試験を製造からは独立して提供する。

関連機器

は,

電気手術器の附属品

の定義に含まれる。

2.1.105 

関連機器 

関連機器

の例として,アルゴンビームアダプタ,附属の

漏れ電流

モニタ,

対極板接触モニタ

及びそれら

と同種のものがある。独立した使用とは,その装置が

電気手術器

とともに使用しない限り,その装置を使

用できないことを意味する。

2.2.101 

電気手術器 

可能な限り,この規格では

電気手術器の附属品

に対する要求事項を,

電気手術器

とは独立して設定する。

これによって,共通の臨床方法に従って,適合した

電気手術器の附属品

と適合した

電気手術器

を,安全か

つ効果的に使用できる。一般に,

電気手術器

の製造業者が供給する足踏みスイッチは,耐用年数の間,接

続し続けるので,その

機器

の一部として取り扱う。電気手術システムのこれらの様々な部分の例は,

AA.101

参照。

2.4.101 

最大出力電圧 

このパラメータは,安全を保証するために

操作者

附属品の定格電圧

と比較するために用いる。

2.12.101 

バイポーラ 

この用語は,

機器

附属品

とに等しく適用することを意図している。したがって,この用語は,

2.1.106

バイポーラ電極

)の用語定義とは区別する又は置き換えて使用することもある。

2.12.102 

凝固 

臨床応用及び

電気手術器

に表示している

電気手術モード

は,約

20

年前に比べて著しく発展した。現代

の用語に置き換える場合には,

公知の用語を使用することが適切である。

したがって新たに定義を加えた。


38

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

図 AA.101

電気手術システムの様々な部分の例

2.2.101

を参照)

2.12.103 

切開 

一般的に,電気手術の

切開

は,

アクティブ電極

と生体組織との間で短い電気放電が衝突することから得

られる細胞除去によって生じるとされている。

2.12.104 

高周波接地形患者回路 

この規格の目的のために,この経路のインピーダンスは,最も低い

高周波

作動周波数において

10 Ω

以下

である。

図 103

を参照。

注記

対応国際規格では

図 107

となっているが,誤記と考えられるため,修正した。


39

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

2.12.105 

放電凝固 

放電凝固

では,一般的に長いスパークを発生及び維持するために,少なくとも

2 kV

高周波

ピーク出力

電圧を必要とする。このモードは,スプレー又は非接触

凝固

として周知であり,アルゴンのような不活性

ガス流と組み合わせて使用することで増強できる。

2.12.107 

電気手術モード 

電気手術モード

という用語は,

機器

の作動

デューティサイクル

に関わる要求事項である

JIS T 0601-1

5.6

及び

6.1 m)

で使用している“作動モード”とは明確に区別した方がよい。

2.12.108 

高周波 

低周波電流によって神経及び筋に生じる意図しない刺激を避けるために,

200 kHz

を超える周波数を用

いることが望ましい。一般的に,

高周波漏れ電流

による問題を最小限にするために

5 MHz

以下の周波数を

用いる。しかし,

バイポーラ

技術では,更に高い周波数を用いる場合もある。一般的に,生体組織に対し

て熱的効果を与える下限しきい(閾)値は

10 mA

であることが知られている。

2.12.109 

モノポーラ 

この用語は,

機器

附属品

とに等しく適用するように意図されている。したがって,

2.1.103

アクティ

ブ電極

)の用語定義とは区別する。

2.12.112 

波高率 

波高率

の測定は,数学的には単純であるが,信頼性のある方法で測定することは難しい。特に実効値電

圧(二乗平均電圧)の測定が難しい。定義では,開放状態で出力して測定すると規定している。これは,

電気手術器

の出力では,標準的な負荷が存在しないことを意味している。これらの電圧を測定するために

使用する

高電圧

プローブの負荷(

10

100 MΩ

が一般的)は,本質的に開放回路であるとみなすことがで

きる。合理的な正確度を得る測定方法を,次に示す。

モノポーラ

出力の場合は,

対極板

に対する出力を測定し,

バイポーラ

出力の場合は,二極の出力端子間

で測定を行う。測定は,

1 000

1

又は

100

1

高電圧

プローブを使用し,自動測定機能をもつ高品質デ

ジタル蓄積形ストレージオシロスコープ(

DSO

)に接続して行う。

最初に,信号の正確な周期を測定する。連続的な正弦波(

cf

1.4

)の場合は,周期は波形の基本周波数

の逆数である。非連続的な波形の場合は,バーストの時間周期を測定する。例えば,

凝固

波形では,基本

周波数が

400 kHz

で,バースト繰返し率が

20 kHz

のことがある。このような場合は,

20 kHz

のバースト繰

返し率を正確に測定することが必要である。一度,この時間周期を測定したら,オシロスコープ画面に

5

10

の正確な周期が映し出されるように,

DSO

の時間軸を調整する。バースト繰返し周波数が

20 kHz

場合では,周期は

50  μs

になる。

DSO

の時間軸を

1

目盛当たり

50  μs

に設定することによって,画面上に

ちょうど

10

の波形バーストが映る。

その後,波形を観測して保存する。

最大出力電圧

(最大のピークの絶対値)を測定して記録する。その

後,実効値電圧(二乗平均電圧)を求める。最も信頼できる方法は,画面全体に映し出される波形の実効

値(二乗平均)を求めるように

DSO

を設定することである。時間軸は波形の正確な倍数を観測するために

調節しているので,実効値電圧(二乗平均電圧)の計算は正確である。

実効値(二乗平均電圧)を測定するほかの方法は,

高電圧

プローブの出力を熱感知形の実効値電圧計(二

乗平均電圧計)に接続することであり,この電圧計では,測定した波形の

波高率

も考慮した値が測定でき

る。

このようにして

波高率

を求める。


40

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

4.7 i) 

高周波

電圧計,電流計の組合せを含む,

高周波

電流を測定するために使用する計測器は,真の実効値(二

乗平均)を記録し,総合的な測定精度は,

10 kHz

から少なくとも試験する

電気手術モード

の基本搬送周波

数の

5

倍の周波数において,読取値の

5 %

よりも高い精度であるべきである。

高周波

出力計測器は,通電

開始から

3

秒以内に測定した変数値を規定した精度で記録できることが望ましい。

1

秒周期未満の過渡的

な測定値は無視してもよい。

高周波

試験に使用する抵抗器は,次の条件を満足していることが望ましい。

所定の試験時に予想される消費電力の

50 %

を超える

定格

をもつ。

インピーダンスの抵抗成分の誤差が,抵抗値の

3 %

以内で,

10 kHz

から試験する

電気手術モード

の基

本搬送周波数の

5

倍の周波数範囲で,インピーダンスの位相角が

8.5

°以下である。

高周波

電圧測定計測器は,予測するピーク出力電圧の

150 %

以上の

定格

で,

10 kHz

から試験する信号の

基本搬送周波数の

5

倍の周波数範囲で読取値の

5 %

以上の精度であることが望ましい。

電気手術モード

に対して,

“基本周波数”

の用語は,

最大出力設定として開放状態で作動させたときに,

測定した

高周波

出力電圧を,周波数分割した振幅スペクトル線が最大となる周波数を意味する。

この規格の改正の主な目的は,

電気手術器の附属品

の要求事項及び試験を規定の

電気手術器

から分離す

ることである。さらに,この規格では,特に受託した

高周波

試験方法に精通していない試験機関に対して,

結果の再現性を保証するために必要な試験計測器を明確に規定することが望ましい。低いリアクタンスの

要求を満足する低電力抵抗器は,入手が容易で,かつ,電力の適用も簡便にできるので,予測する電力の

50 %

定格

をもつ抵抗器が適切であるが,それより低くてはいけない。

5.2 

電撃に対する保護の程度による装着部の分類 

装着部

は,電源周波数において大地から分離しなければならないので,

B

形装着部

を削除する(箇条

19

参照)

6.1 p)

    出力 

これらのパラメータを

操作者

に認識させるための表示を以前は要求していたが,安全性を高めることに

寄与しないので適用を除外した。

6.3 

制御器及び計器の表示 

出力電力は,負荷抵抗器に依存して負荷に供給されるので,関係する単位の目盛を十分に考慮する。実

際の出力をワットで表示する場合には,負荷抵抗の全範囲にわたって実際の出力を表示する。

患者

に供給

する電力が,表示している設定値と異なる可能性があるので,

危害

を及ぼす可能性がある。

0

”を表示し

ている場合には,

操作者

は,出力しないと考える。

6.7 a)

    表示光の色

表示光の色の規格化は,安全上重要である。規定した色及びその意味は,

JIS T 0601-1

と一致している。

黄色表示灯は,

切開

モードの選択又はそのモードを出力している場合に使用していた。手術中に“混合”

モードが使われているが,このモードは

切開

が主で,それに

凝固

が加わったモードである。

“混合”モー

ドの主機能は

切開

であり,

“混合”モードでは黄色の表示光が最適である。

6.8.2 aa) 

一部の

操作者

は,

CQM

は,

対極板接触モニタ

又は

モニタ形対極板

のいずれか一方に固有の事項である

と誤って理解している。全ての

操作者

が,

CQM

の機能を達成するために必要な全ての物理的要求事項を

理解することが重要である。


41

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

6.8.2 bb) 

熱傷の回避に関わる助言は,経験に基づいている。特に,

1)

手術領域と

対極板

との距離を最小限にすることは,負荷抵抗を低減することになり,かつ,

アクティ

ブ電極

に供給する手術器からの出力及び

患者

に掛かる

高周波

電圧を減少させる。したがって,意図し

ない熱傷の

危険

は減少する。

2)

生体が,狭い面積で

高周波

的に大地に低インピーダンスをもった対象物に接触した場合に,電流密度

が高くなり,意図しない熱傷が生じる可能性がある。

3)

患者

の体の異なった部分間に電位差が生じ,望ましくない電流が流れる可能性がある。

4)

生体情報モニタの導線間に流れる電流が,モニタ用電極を装着した部分での熱傷の原因となる可能性

がある。

5)

電極コードと

患者

との間の静電容量によって,局部的に電流密度が高くなる可能性がある。

6)

特に,骨組織と骨の連結部は,相対的に高い抵抗をもつが,これらは

バイポーラ

技術を用いることに

よって,望ましくない生体組織への損傷を回避できる。

7)

一部の装置又は

附属品

では,低い出力設定時に

危害

が生じる可能性がある。例えば,アルゴンビーム

凝固

の場合には,

高周波

電力が不十分であると,標的の生体組織に対して迅速な不透過性の焼か(痂)

が生じないで,ガスそく(塞)栓症の危険性が増大する。

注記

対応国際規格では

11)

の解説として記載されているが,

6.8.2 bb) 7)

に対する解説であると判断

できるため,この規格では上記のとおり修正した。

8)

電気手術器

が,正常な操作設定で正しく動作しているときに,明らかな出力低下又は異常が発生した

場合には,高い出力設定に変更する前に,

対極板

の使用とその接続を検査することが望ましい。

バイ

ポーラ

出力だけ,又は

定格出力電力

50 W

以下で

対極板

を使用しない

電気手術器

については,全て

の助言が必要とは限らない。

6.8.2 ee)

及び

ff) 

この情報によって,

操作者

が特定の附属品に対する絶縁の質について,

電気手術器

又はその出力が適切

かどうかを判断できることが望ましい。

JIS T 0601-2-18:2005

には,

内視鏡用附属品

の製造業者は,その最大許容

高周波

ピーク電圧を規定して,

附属文書

に記載しなければならないという要求事項を含んでいる。

JIS T 0601-2-18:2005

は,意図する使用モードとともに,

定格

繰返しピーク電圧を要求している。一方で,

スプレー

凝固

のように,意図する使用モードが,技術的に明確に定義されておらず,

電気手術器

のブラン

ド及びモデルごとに大きく異なっているので,この情報は不十分であると考えられていた。他方で,必要

以上に複雑な情報を

機器

使用者

に与えることは実用的ではないと考えられる。

したがって,

電気手術器の附属品

及び

関連機器

は,

電気手術器

のどのような設定値とともに使用すると

安全に使用できるかを

使用者

が判断できるようにするために,

附属品の定格電圧

及び

最大出力電圧

だけを

提示するほうが実用的である。

高周波

では,絶縁の安定性は誘電加熱の影響を受けるので,

最大出力電圧

波高率

との関係は重要であ

る。

さらに,現在では周知である全てのブランド及びモデルの

電気手術器

では,高い出力電圧を発生させる

モード及び設定値において,

波高率

は電圧とともに常に増加する。したがって,出力電圧と

波高率

との一

般的な関係を

図 AA.102

に示すように作成した。


42

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

図 AA.102

波高率対ピーク電圧 

附属品の定格電圧

が,

図 AA.102

の線上又は線の上側の

波高率

をもつ

電気手術器

の出力電圧に一致する

場合は常に安全である。

電気手術器の附属品

又は

関連機器

は,

波高率

を考慮した

59.103.6

の要求事項に適

合しなければならないため,

附属品の定格電圧

最大出力電圧

未満であってはならない。

ある特定の設定値とした

電気手術器

が,

図 AA.102

の線の下側領域内の

波高率

による

最大出力電圧

をも

っている場合には,注意が必要である。この場合は,安全を保証するために,

附属品の定格電圧

は,その

特定の設定値及び特定の

電気手術モード

で使用する場合に,

電気手術器の附属品

又は

関連機器

の絶縁故障

が生じないことを保証できるように,十分に高くする。この予防措置は,誘電加熱が

波高率

の低い波形に

よって生じることを考慮する上で必要である。

附属品の定格電圧

の安全な値は,

電気手術器の附属品

又は

関連機器

の試験を

電気手術器

とともに行うことで見出すことができる。

6.8.2 gg) 

操作者

は,どの

モニタ形対極板

CQM

とともに使用することで安全を維持し,かつ,機能を発揮でき

るかを知らなければならない。多くの

操作者

が,

CQM

の出現によって,

対極板

の接触状態を術中監視す

ることはもはや必要でないと誤解している。

6.8.2 hh) 

単回使用の

対極板

の導電性及び接着性は,一般的には時間とともに低下する。幼児用の

対極板

は,熱的

要求事項がそれほど厳しくないので,一層注意して使用する。

操作者

は,

CQM

が所定の

対極板

とともに

使用することで作動することを知る必要がある。適合性宣言は,

使用者

が理解できる限り,その形式を問

わない(例えば,インピーダンスに基づいた

CQM

システムでは,警報音は次の条件…に基づいて作動す

る,次のリストにある

機器

CQM

システム…,次の製造業者…による供給される

CQM

システムは…,

その他の形式がある。

6.8.2 kk) 

これらの条件下で使用する

電気手術器

のシステムにおいて,

対極板

の使用部位での熱傷に対する懸念が

増加している。

6.8.3 

技術解説書 

一部の専門分野に特化した特殊な

電気手術器

では,

操作者

が出力設定を調整できない。


43

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

6.8.3 aa)

及び

bb) 

これらの図表は,手術器が特定の目的のために適切であるかどうかを

操作者

が判断できるようにするこ

とが望ましい。

電気手術器

が混合モードの選択(例えば,混合

1

,混合

2

など)をもつならば,個々の混

合モードに対して図表を作成すべきである。

電気手術器

が可変混合比率制御をもち,設定を連続的に調節

できる場合は,最大の止血効果を提供する混合設定に制御を設定することが望ましい。

6.8.3 dd) 

装着部

が,

高周波

的に完全に浮いているか又は大地に接地しているかを

操作者

に対して明確にすること

が望ましい。

17 h)

    除細動器に対する保護 

通常の医療現場では,

5 kV

の除細動パルスが,

対極板

及び

アクティブ電極

において

1 kV

以下になるこ

とが,測定によって示されている。したがって,

2 kV

の試験パルスは安全な幅をもっている。インダクタ

ンス値(

JIS T 0601-1

図 50

)は,通常の立ち上り時間より速い試験パルスが生じるように規定している。

これは試験の目的で,絶縁に対するストレスを増加させるための要求である。

18 aa) 

対極板

を使用しない低出力の

モノポーラ電気手術器

にとって,これは共通の慣習であり,安全に関わる

問題は発生しないと考える。

19 

連続漏れ電流及び患者測定電流 

JIS T 0601-1

で規定している

漏れ電流

の要求事項は,電撃の危険に対する保護を意図している。

この規格では,

意図しない熱傷の危険を減らすため,

高周波漏れ電流

に対する要求事項も規定している。

19.1 g) 

この細分箇条は,電撃の原因となる

漏れ電流

を対象としたものであり,

電気手術器

から発生する機能電

流(

高周波

電流)を対象としていない。複数の

患者回路

を備えた

電気手術器

高周波漏れ電流

に対する適

切な試験は,

19.3.101 c)

と異なる

高周波患者回路

の間の干渉で規定している。

19.3 a)

    許容値 

分割形の

対極板

の部分間だけを流れる検知電流は,

決して心臓へは流れないとみなすことができるので,

CF

形装着部

の規定は必要なく,電撃に対する保護の程度(

BF

形装着部

又は

CF

形装着部

)からは独立し

ていると考える。

19.3.101 a)

    高周波漏れ電流 

対極板

を使用しないことを意図して設計した

電気手術器

は,機能電流と

高周波漏れ電流

との区別が不可

能なため,対象外とする。機能電流及び

高周波漏れ電流

の測定は意味をなさない。

JIS T 0601-1

漏れ電流

測定と区別して,

200 Ω

の測定抵抗は,実際の状況で最大の漏れ電力を与える負

荷抵抗を模擬するために規定した。規定した抵抗値では,結果として

4.5 W

の電力を消費するが,この値

は妥当な上限値であるとみなしている。

大地に接地した場合の試験

2

は,

高周波

的な大地へのインピーダンスが十分に低いことを検証するため

に規定した。

絶縁した机の下の接地した金属板を用いて,

電源コード

を巻かずに束ねることで,測定の再現性を改善

できる。

19.3.101 a) 3)

    バイポーラ 

バイポーラ電気手術器

を試験した経験から,この制限値が妥当であること及び試験が現実的であること


44

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

を示している。

19.3.101 b)

    電気手術器の出力端子で直接測定する高周波漏れ電流 

電気手術器

高周波

での絶縁の試験は,負荷抵抗と測定器を出力端子に直接接続することで簡単に実行

できる。この場合は,導線の影響を含まないので,

100 mA

の上限値を規定した。しかし,導線及び

附属

(例えば,

手持ちスイッチ

付き

アクティブ電極

)に起因する複合インピーダンスを全て考慮したことを

確認するために,

19.3.101 a)

の試験も含めた。

20 

耐電圧 

電気手術器の附属品

に対して,個別の要求事項及び試験を適応させるために,箇条

59

の構成を見直し

た。

20.2 

装着部をもつ機器に関する要求事項 

20.

で“安全機能に関係しない絶縁は,試験する必要がない。

”と規定している。

患者

に危険な電圧を発

生させる外部の故障は,結果として手術器を経由して大地へ流れる過度の

患者漏れ電流

を発生する可能性

がある。

F

形装着部

の要求事項は,これを防ぐために規定している。このまれ(稀)で一時的な外部の故

障に対する要求事項は,

20.3

に規定した基準電圧を適用した

B-d

基礎絶縁

の試験によって適切に保護で

きる。

B-d

の要求事項について試験を行った既存の

電気手術器

が,不十分又は安全でないと証明する根拠はな

い。

装着部

外装

との間の

高周波

的な絶縁破壊という望ましくない状況でも

患者

への

危害

が生じる可能性

は低いと考えられる。

空気の絶縁特性は,大気圧とともに変化する。絶縁を構成する固体絶縁物の試験が終了する前に,空気

の絶縁破壊が生じる可能性があるので,試験を完了させることが困難な場合がある。

20.4

では,固体絶縁

物の耐電圧試験中に,空気の絶縁破壊を防止するために追加の絶縁隔壁の使用を認めている。

試験条件として規定した大気圧の下限値は,試験の実施に一層の自由度をもたせ,更に異なる場所での

試験の再現性を向上させる。大気圧の下限値を規定しない場合は,海抜が高いところでの試験においてこ

の細分箇条の規定を満足させることは,難しくなる可能性がある。

20.4 

試験 

この細分箇条の目的は,構成部品及び装置内の固体絶縁の安全性を試験することである。試験は,保護

の絶縁材に構成部品及び装置に通常加わる電圧よりも大きな電圧を加えて行う。

沿面距離

及び

空間距離

絶縁破壊によって,固体絶縁物の十分な試験ができない場合は,絶縁隔壁の使用を許容する。

57.10

は,空

気中での絶縁破壊又は絶縁物の表面に沿った非絶縁導体間の絶縁破壊を防ぐために必要な

沿面距離

及び

空間距離

を規定した。

36.201.1 

無線通信の保護 

電気手術は,長年にわたり確立した様式であるが,作動中に固有の妨害を与えることも周知である。

気手術器

の臨床上の利点が,電磁干渉妨害の危険性を上回り,かつ,

電気手術器

は,通常短時間だけ作動

するので,この種の

機器

は,作動時については

36.201.1

の要求事項を適用しない。

電気手術器

は,無線周波数エネルギーを使って

切開

及び

凝固

機能を行い,

CISPR 11

の限度を超える

高周

放射をしばしば発生する。

電気手術器

の電力レベル及び出力の高調波成分は,

電気手術器

の臨床機能を

効果的に実現するために必要である。

放射は,

アクティブ電極

及び

対極板

コードの配置と長さ,作動モード(放電するか否か)及び多くの他


45

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

の適用状態に強く依存する。さらに,多くの診断,監視,麻酔及び輸液

機器

は,直接

患者

に接続する

装着

又は

患者回路

をもっている。

そのような

機器

のために,

電気手術器

患者回路

への直接接続を模擬した特定の試験配置は,

イミュニ

ティ

試験を行うために必要である(

JIS T 0601-2-34

36.202.7

図 109

図 110

及び

図 111

参照)

。これは,

電気手術器

と近接して使用する他の

医用電気機器

EMC

を保証する最善の方法とみなされた。

そのような試験に用いる標準化した電磁干渉源のために,次の条件を

JIS T 0601-2-34

に規定している。

電気手術器

は,この規格に適合し,最小

300 W

切開

モード,最小

100 W

凝固

モード及び

400

±

50 kHz

の作動周波数をもつ。

しかし,

電気手術器

は,長時間待機状態にある可能性があるので,待機中は,

EMC

要求事項への適合

が必要と考える。

JIS C 61000-4-3

及び

JIS C 61000-4-6

のイミュニティ試験では,製造業者がどのように規格の適合性を検

証するかを規定する必要がある。これには,

電気手術器

の作動

デューティサイクル

以下であることを保証

するために必要な注意とともに,出力電力の変動をどのようにして検知するかということを含んでいる。

電気手術器

が発生する電磁放射に関わる追加情報は,

附属書 BB

に記載している。

42 

過度の温度 

ここに規定した作動状態は,実際の使用において起きる可能性がある最も厳しい状態と考えた。

44.3 

こぼれ 

1 L

の試験量は,手術室にある液体で満たされた瓶(例えば,点滴液)を表す。

44.6 aa) 

足踏みスイッチは,手術の間,また清掃[例えば,全体浸せき(漬)

]のときに,かなりの量の水又は他

の液体にさらされることがある。したがって,防浸を要求した。

44.6 bb) 

導電性液体の浸入によって意図しない出力の発生を防ぐために,

手持ちスイッチ

にはある程度の防水性

を要求した。この試験は,特定の

電気手術器

から独立している。

1 kHz

での交流インピーダンス測定は,

生理食塩液の分極効果によって生じる可能性のあるスイッチ接点の短絡による測定誤差を避けることがで

きる。また,

SELV

電圧は

56.101.1

と一致している。インピーダンス限度値は,

56.101.1

に規定した最大

しきい値の

2

倍とした。

44.7 

清掃

消毒及び滅菌 

この改正で追加した特定の要求事項は,全ての

附属品

に対して適用し,

JIS T 0601-2-2:2005

59.103.2

の既存の

手持ちスイッチ

の滅菌要求事項に取って代わるものである。規定した部分は,使用中に無菌の手

術野に置かれることが予想でき,使用後はその都度再滅菌される。この要求事項から合理的に除外できる

要求事項又は試験はない。

単回使用と表示された

アクティブ附属品

は,再滅菌に適さないので,この要求事項から除外する。

46.101

及び

46.102 

出力スイッチの位置の規格化は,誤操作を減らすために要求した。

切開

及び

凝固

動作以外の機能のため

の制御器類も

アクティブハンドル

に配置する場合がある。

46.103 

臨床の場において,一つの出力スイッチ及び制御系で同時に複数の

アクティブ出力端子

を作動させるこ

とは,受容できない危険を引き起こす可能性があるとみなした。


46

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

46.104 

バイポーラアクティブ附属品

を追加して,

機器

への不正確な接続を避けることを特に重視した。フライ

ングリードは,誤接続を防ぐ適切な手段ではない。単一のピン(コネクタ)をもつ

附属品

の誤接続による

危険性はない。

この要求に適合する

バイポーラアクティブコネクタ

の配置例は,検討中である。

46.105 

同一の出力スイッチによって作動する出力及び/又は機能(例えば,

切開

又は

凝固

)の事前表示は,極

めて重要な安全機能である。

46.106 

混乱を避けるために,表示光として規定したものと同じ色分けを,他の場所でも使用することが望まし

い。

50.1.101 

実際に使用する一般の負荷抵抗範囲において,出力の設定を下げることによって,出力電力は増加しな

い。

50.1.103 

最大ピーク出力電圧が,最大出力設定値以外で及び開放出力以外の負荷が接続された状態で生じること

がある。

51.2 

安全に関するパラメータの表示 

熱傷の危険は,電力の増加に伴って増大する。規定した最大電力は,最も大きな電力を要求する処置に

対しても十分であるとみなす。

二つ以上の

モノポーラ

出力回路については,

対極板

表面の電流密度を安全なレベルに維持するために,

合計出力電力を

400 W

に制限した。

51.5 

誤った出力 

50 W

以下の

定格

出力をもつ

モノポーラ

手術器に対しては要求していないが,この細分箇条に適合するこ

とを推奨する。この要求事項は,

バイポーラ

単独の

電気手術器

だけではなく,

バイポーラ

出力を備える全

ての

電気手術器

に適用する。

51.102 

独立した出力は,危険を防止するために意図した出力電力を供給しなければならない。一つの出力を他

の出力よりかなり低いレベルに設定して両方同時に出力できる場合は,特に重要である。

複数の出力が単一モード(例えば,同時

凝固

)の電力を分配する場合には,単一の出力が,意図した電

力より大きいか又は同時に出力した全ての電力の総計が意図した電力以上であれば,危険である。

52.101 

電極の短絡の影響に対する保護 

幾つかの

附属品

(例えば,レゼクトスコープ又は

バイポーラ電極

)は,

正常な使用

状態で,出力が短絡

すること及び開放状態で出力することがある。短絡の繰返し及び短時間の出力の開放で損傷しない

電気手

術器

を設計することが,現実的であると考える。改正の意図は,どの

バイポーラ

出力端子が

対極板

に該当

するか及びこの要求事項を

バイポーラ

出力に適用するかどうかという疑問を除くことである。

56.3 c) 

JIS T 0601-1

56.3 c)

は,

患者

と大地又は危険な電圧との間の接続を防止するために規定している。そ

の接続は,いつでも発生する可能性があり,

患者

との接触は連続的であるか又は監視できないと仮定した。


47

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

電気手術に使う

装着部

の使用状況は,全く異なる。理由は,この種の

機器

は,医師又は訓練を受けた医

療スタッフの管理下だけで使用することを意図しているからである。

対極板

コネクタを

電源コネクタ

(例

えば,電源コンセント又は

着脱電源コード

のソケット)に挿入することによって危険な状況が発生する可

能性があり,この細分箇条によって保護される。

電気的な危険について訓練を受けていない

操作者

による利用が考えられる心電計のモニタ電極と違って,

電気手術器

及びその

附属品

は,高度な訓練を受けて資格を得た

操作者

だけが限定された場所で使用できる。

アクティブ電極

及び

バイポーラ電極

は,予期しない

患者

の反応に応じて,

患者

への使用を中断できる医

師の管理下だけで使われる。

56.11 

コード付き手持ち及び足踏み制御器 

出力スイッチは,出力の意図しない作動を防止するためにモメンタリ方式であることを要求する。絶縁

した低電圧の要求は,足踏みスイッチ,

手持ちスイッチ

及びそれらのコードを厳しい環境条件で使用する

ことを考慮している。液体の浸入の影響に対する要求事項は,

44.6

で既に規定した。

56.101 

スイッチセンサ 

この細分箇条は,

機器

の電源スイッチが入っていることを想定している。

56.101.1 

一般 

複数の機能(例えば,

切開

又は

凝固

)の選択に,一つの

手持ちスイッチ

を使用することは,そのシステ

ムに不慣れな医師が使用すると,混乱及び潜在的な危険を生じさせると考える。スイッチを軽く押すと

が作動し,強く押すと

切開

が作動するものが,この例の一つである。

56.103 

着脱可能なアクティブ電極を備えたアクティブ附属品 

アクティブ附属品

及びそれらのコードは,使用中に相当なストレスを受け,一般的な故障モードによっ

てスタッフ及び/又は

患者

に対して

危害

を引き起こすので,

56.103

IEC 60601-2-4

から導いた)の要求事

項を規定した。一旦コードが使用中に疲労すると,過熱してコード自体又は付近の物を発火させ,スタッ

フ及び

患者

を危険にさらすことが多い。これらの要求事項は,そのようなコードの耐久性の基準レベルを

確立する。

56.103.1

及び

56.103.2

の要求事項は,

アクティブ附属品

の着脱部分の適合性に関連している。この要求

は第三者の

附属品

製造業者にとって重要であり,臨床現場での操作が困難になり,手技を遅延させたり中

断させたりする可能性がある。

様々な処置に特化していて,

操作者

が選択可能な着脱

アクティブ電極

をどれでも使用できるようにする

ために,多くの

アクティブハンドル

を供給している。異なる製造業者が供給する

アクティブハンドル

にお

いて,電極の接合部分を標準化していない。

操作者

は,ある製造業者が供給している

アクティブ電極

が,

他の製造業者が供給する

アクティブハンドル

に適合する可能性があるということを分かっているが,次の

例に示すような非適合性によって,

患者

の傷害が生じている。

  アクティブハンドル

アクティブ電極

の接合部分の導電部と

患者

との間の不十分な分離

意図した電気的接続(かみ合わせ)部分にアークが生じ,その結果絶縁部分がと(熔)ける及び/又

は発火する。

機械的な保持力が不十分で,その結果

アクティブ電極

がかなり熱くなり,

患者

の体くう(腔)内に脱

落する。

57.10 a) 

“絶縁に電圧が加わる場合…”

JIS T 0601-1

20.2 B-e

参照)とは,この規格では

高周波

電圧が加わる

場合と考える。そのため,

JIS T 0601-1

で規定した

B-e

の距離による絶縁が不良になった場合は,低周波


48

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

の場合と比較すると,その

危害

は非常に小さなものであるという事実を考慮した結果,これらの要求事項

を緩和した。

59.101 

対極板監視回路 

電気手術器

対極板

コードの検出できない断線又は

対極板

患者

の不十分な接触が,重大な熱傷を引き

起こす可能性がある。そのため,

定格

出力が

50 W

を超える

電気手術器

に対して,

対極板

回路又はその接

続の不良を監視することを,最小限の要求事項として規定した。

改正した細分箇条の見出しは,

電気手術器

に搭載している様々な他の監視回路,例えば,出力電力の異

常検出などと区別することを意図している。

対極板接触モニタ

は,適合品として記載した

モニタ形対極板

とともに使用したときに,効果的に機能す

ることを示すべきである。

対極板

の熱的性能に対する新しい要求事項と組み合わせると,

対極板

部位の熱

傷の危険性を効果的に緩和する。既存の

CQM

に関わる理論については,技術的な多様性及び財産的な特

質もあるので,

附属品

から完全に独立させて要求を課すことは,実施不可能であると判断する。

完全な接触とは,

対極板

を取扱説明書に従って適用し,

対極板

内の導電部分を被験者(又は適切な代替

物表面)にできる限りすき(隙)間又は間隔なく,密着させた状態を意味する。

適切な代替物表面を評価する指針として,次の文献を推奨する。

  NESSLER N., REISCHER W., SALCHNER M. Measurement Science Review, Volume 3, Section 2, 2003.

  NESSLER N., Current Density distribution in Human skin under the Grounding electrode of Electrosurgery,

BEMS 17th Annual Meeting, Boston, MA., 1995.

  NESSLER N., HUTER H., WANG L. Sicherheitstester für HF-Chirurgie-Neutralelektroden. Biomedizinische

Technik, 1993, Vol. 38, p 5-9.

  NESSLER N., REISCHER W., SALCHNER M. Electronic Skin

Test Device For Electrosurgical Electrodes.

12

th

 IMEKO TC4 International Symposium, Zagreb 2002.

59.103 

アクティブ附属品の絶縁 

電気手術器

は,

電気手術器の附属品

の絶縁した導電部にも生じるような

高電圧

を発生することがある。

これらの

附属品

の絶縁は,

患者

及び

操作者

に対する意図しない熱傷の危険を緩和するために,この電圧の

ストレスに耐え,かつ,露出した表面に生じる

高周波漏れ電流

密度を制限しなければならない。この絶縁

は実用上においても,相当なストレスを受ける。したがって,要求事項には余裕代を含んでいる。

アクテ

ィブ附属品

のいかなる部分に対しても適用する絶縁は,導電性の流体に長時間さらした後でも,十分な絶

縁強度を維持し,かつ,単回使用を意図する

附属品

以外は,反復滅菌に耐えなければならない。

注記

この細分箇条は,特定の

電気手術器

から独立して,

アクティブ附属品

の様々な部分の絶縁に対

する 耐電圧強 度だけを 対象と するため に,全面 的に修 正してい る。した がって ,

JIS T 

0601-2-2:2005

59.103.1

59.103.4

は“使用しない”と示した。

アクティブ附属品

の絶縁に対

して改正した要求及び試験は,

59.103.5

59.103.7

に示した。改正した要求及び適合性試験は,

統合させて行くことを目標としている現行版の

ANSI/AAMI HF18

及び

JIS T 0601-2-18:2005

利用して制定した。

対極板

に対する要求は,

59.104

によることとした。

59.103.5 

アクティブ附属品コードの絶縁部からの高周波漏れ電流 

高周波

漏れに関わる要求は,

ANSI/AAMI HF18:2001

4.2.5.2

High frequency leakage current

)に基づい

ている。これらの要求に対する根拠を次に抜粋する。一般的に普及している

SI

単位系を使用するために,

標準的な言語及び根拠の両方に対する文字及び公式は,オリジナルから変更した。


49

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

1 000 kHz

の最大動作周波数及び

附属品の定格電圧

は,試験限度値と現在のコードの性能とを考慮して,

適切な余裕代を加味している。さらに,それらは試験限度値及び

100 mA/cm

2

の電流密度が生じた場合を想

定しても相当な余裕をもつ。

組み合わせて選択した全ての値は,

11.46 mA/cm

2

の電流密度と等しくすることが可能である。それは熱

傷の

公称

しきい値である

100 mA/cm

2

/10

秒間を下回っている。したがって,極端な臨床条件下では,一つ

以上の要因のレベルが,これより高い可能性があるという主張はあるが,要求に示す安全の余裕代は,十

分であると判断する。

対極板

コードは,コードの導線と

患者

の皮膚との間に生じる電圧レベルが一般的に非常に低いので,

クティブ附属品

のコードの

2

倍の漏れを許容する。

バイポーラ附属品

は,一般的に使用する電圧が,

モノ

ポーラ

モードよりも十分に低いので,

モノポーラ

コードの

2

倍の漏れを許容する。

試験電圧を発生させるために通常の

電気手術器

の使用を可能とするために,この規格では,次の許容事

項を考慮した。

モノポーラ附属品

に対する許容試験電圧範囲は,コロナ放電の発生を可能とするために,パッシェンの

最小電圧である約

280 V

peak

を超えていなければならないが,一般的な

切開

出力電圧である約

1 000 V

peak

超える必要はない。また,ピーク試験電圧も

附属品の定格電圧

以下であることが望ましい。

これらの許容事項は,次に示すように,

高周波漏れ電流

の適合限度値を調整することによって,

ANSI/AAMI HF18

と統合した。

peak

test

-7

leakage

10

0

.

9

U

f

L

d

I

×

×

×

×

×

=

バイポーラ

コード及び

対極板

コードについては,

高周波漏れ電流

は上記の

2

倍になる。すなわち,

peak

test

-6

leakage

10

8

.

1

U

f

L

d

I

×

×

×

×

×

=

アクティブ電極絶縁

及び

対極板

コードの絶縁を通じて流れる

高周波漏れ電流

の危険性は,

アクティブ附

属品

のコードの危険性と少なくとも同等の重大さであるとみなす。したがって,それらの部分は,これら

の要求事項に含まれている。

注記

容量測定だけに基づいた代替要求事項及び適合性試験は,検討中であり,

MT17

エキスパート

が,同等性を実験で証明する予定である。

なお,現在検討中の高周波漏れ試験の代替法は,次による。

ANSI/AAMI HF18

高周波

漏れ

試験経路の等価容量は,次によって導く。

( )

)

(

V

(A)

leakage

test

leakage

Ω

=

X

U

I

及び

(F)]

(Hz)

π

2

[

1

)

(Ω

test

leakage

C

f

X

×

×

=

したがって,

( )

( )

12

-

3

test

test

-3

leakage

10

pF

π

2

10

(kHz)

V

10

(mA)

×

×

×

×

×

=

×

C

f

U

I

]

(kHz)

(V)

π

2

[

10

(mA)

(pF)

test

test

6

leakage

f

U

I

C

×

×

×

=

(AA.1)

正弦波試験電圧の実効値は,次の式で求める。


50

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

p

-

p

p

-

p

×

6

0.353

=

2

2

V

V

V

=

ここに,

  V

p-p

 = 800

V

U

test

 = 282.8

V

f

test

 = 1 000

kHz

I

leakage

 = 3.6 d × L

mA

容量制限値は,式

(AA.1)

によって,次のようになる。

(pF)

×

2.026

=

L

d

C

これは,

バイポーラアクティブ附属品

及び

対極板

コードを除く全てに対して適用する。

バイ

ポーラアクティブ附属品

及び

対極板

コードは,

400 V

p-p

の電圧で試験し,

結果は次のようになる。

(pF)

×

4.052

=

L

d

C

この規格の目的のために,これらの結果は端数を切り捨てて,それぞれ

2d

×

L

及び

4d

×

L

pF

とする。

59.103.6 

高周波耐電圧 

高周波

においては,誘電性のストレスが実際に存在するので,

高周波

での追加試験が必要である。生理

食塩液に浸した試験電極は,手術部位内又はその近くの

患者

及び

操作者

のぬ(濡)れた生体組織を適切に

模擬している。細いワイヤを絶縁に巻きつけて使用すると,コロナ放電による損傷を引き起こし,これは

その後の電源周波数による耐電圧試験によって検出可能であることを示した。

これらの要求及び試験は,可能な限り

JIS T 0601-2-18:2005

と整合させている。

59.103.7 

電源周波数耐電圧 

周知のように,

電気手術器

から出力可能な電圧の

120 %

を超える

高周波

試験電圧を達成するのは困難で

ある。昇圧変圧器は,

高周波

波形をひずませる傾向がある。また,試験を実施する誘電体の容量は,

高周

試験用電源に対して負荷となる。受容できる高い余裕代で,絶縁にストレスを加えるためには,直流又

は電源周波数での試験が必要である。この試験は,コロナ放電によって絶縁がぜい(脆)弱となったこと

を検出するために,

高周波

耐電圧試験の後に続いて実施する。

誘電性のストレスによって生じる温度の上昇は,

アクティブ附属品

の内部構造を変形させることがある。

内蔵の

手持ちスイッチ

が確実に機能し,全ての耐電圧試験の後に意図しない出力を作動させてはならない。

注記

適合性試験では,導電性の高い金属はく(箔)を使用する。

59.104.1 

例えば,歯科用などの低電力を供給する

電気手術器

の場合には,出力回路の中性端を大地に接続する配

置が好ましいことが経験的に分かっている。

患者

からの

高周波

電流帰路は,例えば,歯科用のいすのよう

に,接地した金属フレームに対して容量的に形成している。したがって,このような

電気手術器

では,

極板

に関わる要求事項を適用しない。

59.104.2 

モニタ形対極板

を除き,

患者

と接触している

対極板

の部分と

対極板

コードとの電気的接続は,

対極板断

線モニタ

がその接続の断線を検知できるような接続とする。

モニタ形対極板

の場合には,そのような断線

は,

患者

との接触面積の減少によって生じるので,適用しない。

JIS T 0601-1

18. f)

の試験方法は,

正常な使用

時に,溶断して開路となるような接続の検知に適してい

る。しかし,その使用においては,

1 A

を超えることはない。


51

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

59.104.3 

対極板

コードから対極板を切り離す場合において,

対極板断線モニタ

又は

対極板接触モニタ

から流れる

監視電流が,

患者

を通じて流れてはならない。

対極板

を適切に使用しているような誤解を与えてはならな

い。

59.104.4 

患者

対極板

をはり付けた部位と,

対極板

コードの導線との間の電位差は小さいかもしれないが,特に

高い

高周波

電流を加える場合に,著しい電圧勾配が,手術部位に近接している

患者

の身体に沿って発生す

る場合がある。したがって,

対極板

コードが,

患者

のより近い部位に接触すると,熱傷の危険がある。

59.103.5

高周波漏れ電流

の要求事項を適用すれば,この危険を緩和できる。相対的に低い電圧が存在す

ると予想されるので,

漏れ電流

の制限は,相対的に高いレベルに設定することが適切であると考える。

対極板

コードの絶縁部分の絶縁破壊は,

患者

及び

操作者

の両者に対して,同様の危険が存在する。した

がって,

高周波

及び電源周波数の耐電圧要求が必要であると考える。試験電圧の大きさは,この規格の旧

版と変わっていない。

対極板

コードの導線と

患者

の皮膚との間に生じる電圧は,一般的に非常に低いので,

対極板

コードは,

アクティブ附属品

コードの

2

倍の漏れを許容している。

59.104.5 

適切な代替物の表面を評価する指針として,次の文献を推奨する。

 NESSLER

N.

REISCHER W.

SALCHNER M

Measurement Science Review

Volume 3

Section 2

2003

 NESSLER

N.

Current Density distribution in Human skin under the Grounding electrode of Electrosurgery

BEMS 17th Annual Meeting

Boston

MA.

1995

 NESSLER

N.

HUTER H.

WANG L

Sicherheitstester für HF-Chirurgie-Neutralelektroden

Biomedizinische

Technik

1993

Vol. 38

p 5-9

 NESSLER

N.

REISCHER W.

SALCHNER M

Electronic Skin

Test Device For Electrosurgical Electrodes

12th IMEKO TC4 International Symposium

Zagreb 2002

この要求事項は,

ANSI/AAMI HF18:2001

4.2.3.1

Maximum safe temperature rise

)から採用した。要求

事項に対する根拠も採用した。ただし,この規格のために,文章及び参照項目に若干の変更を次のように

加えた。

モノポーラ

電気手術で

対極板(NE

を使用する目的は,皮膚の温度上昇を最小限度に抑えながら,必要

高周波

の機能電流を確実に流すことである。

加熱金属ブロックを使用した測定(

Moritz & Henriques

1947

年)及び小さな円形電極に

高周波

の機能電

流を流して(

Pearce

ら,

1983

年)行った測定では,

危害

を伴わずに皮膚をさら(晒)すことのできる安全

最高温度は,

時間の長短を問わず

45

℃であった。

通常安静時の皮膚温度は,

29

33

℃で変動しており,

これは室温及び湿度に依存する。したがって,温度上昇が,約

12

℃となるような

対極板

は,安全である

とは考えられない。余裕をもって安全係数を

2

とすると,

対極板

に対して許容し得る最大温度上昇を

6

とした。

対極板

は,要求した電流を流して持続試験を行ったときに,

6

℃を超える温度上昇があってはな

らない。

この規格の要求事項に対する

対極板

の適合性評価を被験者で実施することは,多くの研究施設において

煩わしいことであり又は禁止される可能性もある。しかし,規定した適合性試験は,被験者による試験か

ら得られた多くの実験的データに基づいている。

1980

年以来,

10  μm

の赤外線画像装置を実験に使用し,

多くの製造業者及び試験所が,そのデータ収集及び妥当性の確認を行ってきた。同等の結果が得られる媒


52

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

体及び装置を使用してもよいが,その場合には同等性を確実に文書化する。様々な被験者に対して,

対極

をはり付ける部位の電気的及び熱的性質が最悪となる場合を考えた上で,代替の媒体及び他の代替の温

度上昇試験装置の精度が適当であることを示すように要求している。

対極板

をはり付ける部位の熱傷は,非常に狭い面積に限局されるので,

対極板

を確実に常時検出するた

めに,

適正な測定は,

適切な空間分解能で実行する。

1 cm

2

当たり一つのデータサンプルという要求事項は,

最低限度の要求事項である。現在の技術では,

1 cm

2

当たり,多くのデータサンプルを取得することができ

る。しかし,熱検出器のノイズによって,個々のピクセルが過熱したように見えるので,

1 cm

2

の面積内の

温度上昇を決定するためには,統計的平均法を用いるのがよい。

人間の皮膚にはり付けた

対極板

の初期温度は,全ての結果を比較検討できるようにするために,全ての

試験で同じ温度とする。

高周波

電流を

60

秒間流した後,

対極板

を試験表面から取り除き,最終温度を測定する。

高周波

の機能電流の伝送は,通常,振幅,及び持続時間の異なる短バーストを繰り返して行う。最大電

流及び作動持続時間は,使用する個々の技法及び手術方法に依存する。適合性試験電流は,単一作動の最

悪ケースを十分な

安全率

を考慮して模擬するように設定している。二つの情報源を使用して,可能性のあ

る電流及び持続時間の最大値を推定した。

 Health

Device

誌の

1973

年の記事が,平均電流,電圧,インピーダンス及び短時間の負荷サイクルを研

究対象の全ての手順について示した(

ECRI

1973

年)

 Milligan

らの未発表データが,最大,最小及び平均電流,並びに持続時間を研究対象の各手順につい

て示した。

これらのデータを使用して,母集団の偏差を評価できる。両方の研究から,出力電流,出力持続時間は,

経尿道的処置(

TUR

)時に最大となることが分かった。

ECRI

Emergency Care Research Institute

)の研究に

よると,

TUR

では

切開

電流の平均値は

680 mA

凝固

電流では

480 mA

,負荷サイクルは平均

15 %

,最大

45 %

であった。

Milligan

は,小規模な研究として

25

件の

TUR

に対する調査を実行した。詳細な手法とし

て,

13

人の外科医が

5

台の電気メスを使用して

8

か所の病院にて調査した。

全ての

TUR

で報告されたデータを

表 AA.1

に要約する。平均及び標準偏差

σ

25

件の症例について計

算した。これらのデータは,測定した電流及び持続時間の平均及び分散の推定に有益である。

表 AA.1

25

件の TUR における測定電流及び持続時間の要約 

平均

標準偏差

手術の長さ(時間) 0.86

0.49

作動の回数(回/時) 225

105

切開電流

最大電流(mA) 407

297

平均電流(mA) 297

200

最長持続時間(秒) 3.8 2.3

平均持続時間(秒) 2.1 0.7

凝固電流

最大電流(mA) 339

130

平均電流(mA) 258 88

最長持続時間(秒) 5.7 7.6

平均持続時間(秒) 2.0 0.7


53

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

対極板

をはり付けた部位で消費される全エネルギーは,次の式で求める。

E

(I

rms

)

2

×

R

×

t

ここに,

E

消費エネルギー(

J

I

対極板

電流(

A

t

電流の持続時間(秒)

R

対極板

をはり付けた部位のインピーダンスの実数部(

インピーダンス(

R

)は,

対極板

の設計及び電極をはり付ける生体組織の解剖学的構造によって異なる

ので,一般的には定義できない。

“加熱係数”

Θ

は,

対極板

を配置した部分にかかる“ストレス”を記述す

るために定義しており,次の式で表す。

Θ

I

2

t(A

2

s)

この加熱係数は,インピーダンス

1 Ω

当たりで消費するエネルギーという意味をもつ。

対極板

は,代表

的な手技の

Θ

値を扱えるようにするべきである。

700 mA

の電流を

60

秒間流すと

Θ

30

A

2

s

)となる。

この値は,

TUR

において可能性のある最大の電流及び持続時間をはるかに上回る。生じ得る可能性のある

最大

Θ

値は,生じ得る最大電流,すなわち

ECRI

1973

)のデータ(平均値)から得た

680 mA

に,

Milligan

から得た標準偏差,すなわち

200 mA

を足した値を二乗した値と,生じ得る可能性のある最大持続時間,

すなわち

5.0

秒(平均)に

Milligan

のデータから得た標準偏差,すなわち

7.6

秒を加えた値を乗じ合わせる

ことによって,次のようにして導出できる。

Θ

9.8(A

2

s)

したがって,

30

A

2

s

)は控え目な試験基準である。

注記

対応国際規格では,上記加熱係数値は

8.7

と記載しているが,誤記のため,変更した。次版で

修正される。

同様に,控え目な試験基準を“小児用”と表示した

対極板

に対しても適用できる。小児には

TUR

は行わ

れないので,合理的アプローチとしては,一般外科手技で利用している電流及び持続時間のデータを使用

することである。これらのデータは,

Pearce

1981

)が報告している。その要訳を

表 AA.2

に示す。

表 AA.2

一般外科手技における測定電流及び持続時間の要約 

平均

標準偏差

手術の長さ(時間) 1.56

0.84

作動の回数(回/時) 63

84

切開電流

最大電流(mA) 340

101

平均電流(mA) 281

147

最長持続時間(秒) 7.6

11

平均持続時間(秒) 2.2

1.8

凝固電流

最大電流(mA) 267

157

平均電流(mA) 198

114

最長持続時間(秒) 11

7.5

平均持続時間(秒) 6.5

5.2

一般外科手術のデータを使用し,生じ得る最大電流に標準偏差を加えた値を二乗して得られる値を生じ

得る最大持続時間に標準偏差を加えた値と乗じ合わせて得ることができる。

Θ

3.6(A

2

s)


54

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

注記

対応国際規格では,上記加熱係数値は

4.7

と記載しているが,誤記のため,変更した。次版で

修正される。

したがって,次の式は控えめな試験基準であり,

500 mA

の電流を

60

秒間流すことで容易に得られる。

Θ

15(A

2

s)

これらの

Θ

値に特有の余裕代は,

対極板

患者

の皮膚との接触面積が,意図せずに一部減少することに

対して,合理的な余裕代をもつことを意図している。

モニタ形対極板

以外の

対極板

が使用されている場合

では,接触面積の低下に伴う危険を防止するために,

6.8.2 gg)

に規定した

操作者

への助言が効果的である。

しかし,

対極板接触モニタ

及び

モニタ形対極板

を使用する場合では,危険な状態になり得るような接触面

積の低下が生じる前に

,

モニタが

操作者

に対して警報を発するため,

操作者

は,

対極板

の接触状態を監視す

る負担が緩和することを期待して,完全に

対極板接触モニタ

に依存する。したがって,

モニタ形対極板

試験は,

対極板接触モニタ

が警報音を発する面積と同じ程度に接触面積を減らして実施する。

参考文献

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Non-Implantable Medical Devices (Contract No. FDA-74-230). Plymouth Meeting

PA: ECRI

July 1978.

  EMERGENCY CARE RESEARCH INSTITUTE. Development of Environmental Test Methods for

Non-Implantable Medical Devices

Final Report (Contract No. 223-77-5035). Plymouth Meeting

PA: ECRI,

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current. Med Instrum

1983

vol. 17

no. 3

p. 225-231.

59.104.6 

この要求事項は,

ANSI/AAMI HF18:2001

4.2.3.2

Electrode contact impedance

)から採用した。導電性

又は容量性

対極板

を区別するために,

200 kHz

の信号における位相差を判断基準としている。ただし,こ

の基準は,推測的なものであり,公表している明確な定義はない。

根拠についても

ANSI/AAMI HF18:2001

A.4.2.3.2

Electrode contance impedance

)から採用した。ただ

し,この規格のために,文章及び細分箇条に次のような小変更を加えた。

接触インピーダンスは,十分に低くして,電流経路に

対極板(NE

を確実に包含するようにする。

高周

接地形の

患者回路

を備える

電気手術器

の場合には,これによって

対極板

経由以外の代わりの帰還電流経

路を最小限にする。

ANSI/AAMI HF18:2001

に従って,被験者で測定する場合では,導電性

対極板

に対す

る受容可能な最大接触インピーダンスは,

75 Ω

と判断する。しかし,この規格では,被験者の代わりに金

属板を使用したときに

50 Ω

の制限を課しており,

この減少は皮下組織の深い部分でのインピーダンス寄与

分を補う。この寄与分は測定する

対極板

接触インピーダンスの一部になる。

容量形

対極板

のインピーダンスは,

周波数の逆数に比例して変化するので,

そのインピーダンス特性は,

容量の観点から記載することが適切である。長年にわたり市販を続け,臨床的にも受容できる大多数の容


55

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

量性

対極板

の特性と一致しているので,受容可能な最小容量は

4 nF

と規定した。

200 mA

の試験電流は,上記の二つの研究から得た平均電流の下限値を示している。生体組織と

対極板

の接触インピーダンスは,一般的に電流が減ると増加するので,低い制限とすることが望ましい。

200

5 000 kHz

の周波数範囲は,

モノポーラ

手術器が,十分に高いエネルギーを発生させる範囲を包含すると考

える。

試験に用いる板の寸法は,小柄な

患者

と手術台のクッション表面との間の接触面積を推定して得た結果

に相当している。容量性

対極板

は,放熱しないので,より高いインピーダンスを許容する。

59.104.7 

この要求事項は

ANSI/AAMI HF18:2001

4.2.3.3

Electrode adherence

)から採用した。

モニタ形対極板

以外の

対極板

は,はり付けた後にストレスを受けた部分に維持させておくことが望まし

い。ストレスは,配置のために選択した部位,不意な引張り又は予備の溶液若しくは生理食塩液と偶然に

接触することの結果として,慣習的な使用で起きる。ぜい(脆)弱な幼児の皮膚に使用することを意図し

対極板

は,成人に使用することを意図した

対極板

と同等の接着強度を期待する必要がないため,規定し

た引張力は,相対的に低くしている。

モニタ形対極板

については,接着不良による接触面積の減少によって,

対極板接触モニタ

が警報を発す

ることが当然予期でき,

患者

に対する危険を防止できることから,この要求事項を適用しない。

59.104.8 

単回使用の

対極板

に使用する接着剤及び導電性ゲルは,取扱説明書に従って保存した場合でも,時間と

ともに劣化する。したがって,これらの装置は,保存してからも表示した使用期限までは,適合している

ことを判定する必要がある。

59.104.9 

先端技術の電気手術手技,例えば,前立せん(腺)及び子宮内膜のローラーボール切除術は,

59.104.5

の試験電流

700 mA

をはるかに上回る

高周波

電流を使用することが周知である。適合している

対極板

を,

100 %

接触させて使用した場合でさえ,これらの手技では

患者

が熱傷を受けたことがある。

59.105 

神経

筋の刺激 

アクティブ電極

と生体組織との間の放電による整流効果によって,直流及び低周波成分が神経・筋を刺

激する可能性がある。直列に挿入する容量及び並列に挿入する抵抗に適切な値を設定することで,この望

ましくない刺激を効果的に取り除くことができる。


56

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

附属書 BB

(参考)

電気手術器に起因する電磁妨害

BB.1 

適用範囲及び目的 

手術で用いる医療

機器

は,電磁妨害(

EMD

)を引き起こす可能性のある多数,多種の放射発生源にさら

されている。最も多い発生源は,生体組織の

切開

及び

凝固

で用いる

電気手術器

である。多種の

EMD

基準

があるが,

電気手術器

に起因する電磁放射に関わる有用な情報はほとんどない。

この附属書の目的は,医療

機器

の製造業者に

電気手術器

から発生する特殊な種類及びレベルの放射に関

わる情報を提供することである。さらに,これらの放射に対して自社の設計が耐性をもつかどうかを判定

するために,製造業者の行う試験も含む。

BB.2 

用語及び定義 

この附属書に記載した用語の定義は,この規格及び

1.3

に記載した規格から引用している。

注記

電磁妨害及び放射の定義は,副通則

JIS T 0601-1-2

にある。

BB.2.1 

電界 

電気手術器

が出力する高周波電流によって引き起こされる

電界

BB.2.2 

磁界 

電気手術器

が出力する高周波電流によって引き起こされる

磁界

BB.3 

技術情報 

BB.3.1 

電気手術器に関する一般的情報 

手術中において,

高周波

エネルギーは,生体組織の

切開

又は止血(

凝固

)をするために使用する。この

エネルギーは,

電気手術器

で生成し,滅菌済みの様々な

附属品

を使用して,手術部位に伝達する。

高周波

エネルギーの基本周波数は,一般的には

200

1 000 kHz

の間である。これらの周波数は十分に高いので,

生体組織はその周波数に応答できない。ゆえに,神経又は筋の刺激が生じることはない。全ての手術効果

は,

高周波

エネルギーの電流密度による。

高周波

エネルギーは,二つの方法によって術部に伝達される。第一の方法は,

モノポーラ

又はユニポー

ラである。この方法では,手術効果は医師が操作する単一の極で生じることを意味する。

電気手術器

で生

成したエネルギーは,コードを通じて医師が保持する

附属品

に達し,

患者

を通り,広い表面積をもつ

患者

帰還電極(

対極板

)によって回収した後に

電気手術器

に戻る。

局所的な手術効果は,

アクティブ電極

の先端チップにおける電流密度によって生じる。

高周波

電流は,

患者

の体内に流入した後に,拡散して限局的な領域に手術効果をもたらす。電流密度を低く抑えて,加熱

などの効果を防止するために,

患者

帰還電極(

対極板

)の表面積は,広くなるように設計されている。

帰還電極は,回路における第二の極となる。最も一般的な

モノポーラ附属品

は電気手術ペンシルである。

この名称は,外科医が太い鉛筆を保持しているように見えることから名付けられている。

エネルギー伝達の第二の方法は,

バイポーラ

である。医師が使用する手術用

附属品

には二つの電極があ


57

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

り,各々が狭い表面積をもつ。

高周波

エネルギーは,

電気手術器

から第一電極に到達し,生体組織を通り

第二電極に到達した後,

電気手術器

に戻る経路をたどる。電極及び電極間の生体組織との接触面積が狭い

ので,電流密度は高い。したがって,手術効果は電極で挟まれた生体組織の部分だけで生じる。

患者

帰還

電極は必要ない。最も一般的な

バイポーラ附属品

は,電気手術ピンセットである。

ほとんどの

電気手術器

は,手術効果の深さ及び速度を制御する手段として,

使用者

が出力電力を制御す

ることを可能としている。出力電圧及び電流は,電力設定値及び

電気手術器

に接続される負荷に依存して

変化する。

一般的に

切開

効果は,

200

1 200 V

の間の電圧をもつ正弦波を使用して達成できる。電極先端部の電流

密度によって,電極に近接した細胞を加熱する。細胞は蒸発して,細胞壁は破裂する。電極はこの蒸気層

を通って移動し,非常に小さなアークが電極先端から生体組織に飛ぶ。純粋な正弦波による

切開

では,止

血効果はほとんどない。正弦波を中断すると,

切開

作用に加えて様々なレベルの止血が可能となる。負荷

デューティサイクル

が低いほど,止血効果は大きい。しかし,負荷

デューティサイクル

を低下させると,

同一出力電力を達成するために,ピーク電圧を増加させる必要がある。

切開

モードで使用する電力レベル

の範囲は,

10

300 W

である。

注記

対応国際規格では,実効値を増加させると記載しているが,文脈から判断してピーク電圧が正

しいため,修正した。

凝固

の手術効果は,幾つかの異なった方法によって達成できる。

200 V

未満の純粋な正弦波は,生体組

織を

切開

することはないが,生体組織を乾燥させて

凝固

させることができる。この波形は,アークを発生

させない。

モノポーラ

及び

バイポーラ

の両方の出力方式において,接触

凝固

で使用される。電極を組織に

接触させずに出血している部分を

凝固

する必要がある場合は,一般的に断続的な

高電圧

を使用する。この

波形では,

1 200

4 600 V

の間の電圧が使用される。

モノポーラ凝固

モードで使用する電力レベルは,

10

120 W

の範囲である。

バイポーラ凝固

モードで使用する電力レベルは,

1

100 W

の範囲である。

電気手術器

に起因する最悪の放射ノイズが生じるのは,

凝固

モードを最大電力設定で作動させ,生体組

織又は金属へスパークが生じている場合である。

BB.3.2 

電気手術器に起因する放射の種類 

BB.3.2.1 

放射ノイズ 

手術中に,機能電流は

電気手術器

から

附属品

コード及び

患者

を経由して,再度

附属品

コードを通じて流

れて

電気手術器

に戻る。この回路には,様々な形式,大きさ及び配置がある。電流は,

電界

放射ノイズ及

磁界

放射ノイズの両方を発生させる。これらの電磁界は,他の

機器

とともに使用する

附属品

又は

電源コ

ード

と結合する可能性がある。

電界

結合が最悪となる状況は,

電気手術器の附属品

コードが他の

附属品

ードに隣接し,それと平行して配置されている状態である。

電界

結合は,アークが生じるような臨床使用

中において更に悪化する。

磁界

結合が最悪となる状況は,

電気手術器

附属品

コード及び

患者

などからなる電気手術回路が,大き

な円となって広がるように配置されていて,その中にいる

患者

に他の

附属品

コードを接続する状態である。

一般的には,

電界

結合は最悪の放射ノイズを発生させ,その周波数(数十∼数百

MHz

)は,

磁界

結合の周

波数(数十∼数百

kHz

)より高い。

BB.3.2.2 

電源コードによる伝導ノイズ 

電源コード

を通じて伝導される伝導ノイズは,

高周波

出力を発生させている間だけ作動する

高周波

出力

部と高圧電源の結合部分を介して伝導するので,

電気手術器

の作動中に増加する。


58

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

BB.3.2.3 

患者による伝導 

切開

及び

凝固

を達成するために

患者

に供給する機能電流は,他の

機器

と結合している可能性がある

患者

に電圧を誘起する。この結合は,直接的又は容量的である可能性がある。直接結合は,生体信号を測定す

機器

(例えば,

ECG

EEG

EMG

及び誘発電位モニタ)の入力で生じる。容量結合は,

機器

のコード又

はセンサが,

患者

に近接するときに生じる(例えば,パルスオキシメーターのプローブ,観血式血圧計,

体温計プローブ及びカメラシステム)

。これらの機序は,組み合わせる場合もある。

患者

に印加される電

圧の値は,使用する

電気手術モード

に強く依存する。

バイポーラ

モードでは,数十∼数百

V

の最大振幅電

圧を利用しており,ほとんどスパークを発生しない。

切開

モードでは,数百∼数千

V

の最大振幅電圧を利

用しており,微小なスパークを形成する。

凝固

モードでは,数千∼

14 000 V

の最大振幅電圧を利用してお

り,大きなスパークが頻繁に生じることが要求される。一般的に,

高周波

電圧の一部分が他の

機器

と結合

するが,ミリボルト又はマイクロボルトの範囲を計測する計器では,それが問題になる。

BB.3.3 

測定方法 

BB.1

に記載した目的のために,測定は,手術中に

医用電気機器

が受ける最悪状態での値を生じさせるこ

とを意図した方法で行った。

BB.3.3.1

BB.3.3.3

に報告した測定は,利用可能な全ての出力モード及び設定可能な装置の最大出力電力

を使用して複数回行った。また,測定では,次の四つの異なる臨床状況を模擬している。

a)

開放状態での作動

b)

電気手術器

定格負荷

(最大出力電力を生じる負荷)を接続した状態での作動

c)

金属へのスパーク

d)

生体組織にスパークさせた状態を模擬するために,生理食塩液を浸したスポンジにスパークを発生さ

せた状態

これらの測定は,様々な製造業者から提供されている

電気手術器

を使用して何度も繰り返して行った。

その結果から得られたデータを使用して,

BB.3.4.4

の最悪値を求めた。

BB.3.3.1 

電界測定 

非導電性の机を接地面から

1 m

上方に置き,試験する

電気手術器

に接続する

附属品

コードを支持した。

この配置を

図 BB.1

に示す。測定値は

30

1 000 MHz

の間に生じるせん(尖)頭値又は準せん(尖)頭値

として記録した。


59

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

アクティブ附属品

②  負荷 

対極板又は生理食塩液を浸したスポンジ

④  足踏みスイッチ 

電気手術器  例えば,附属品コードを支持した非導電性の机とは別の非導電性机
の上などに配置する。

⑥  非導電性の机 
⑦  アンテナ  測定距離は,10 m。垂直偏波。

図 BB.1

電界放射試験の設定 

BB.3.3.2 

磁界測定 

非導電性の机を接地面から

1 m

上方に置き,試験する

電気手術器

に接続する

附属品

コードを支持した。

この配置を

図 BB.2

に示す。

測定値は,

10

30 000 kHz

の間に生じるせん(尖)頭値又は準せん(尖)頭値として記録した。


60

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

アクティブ附属品

②  負荷 

対極板又は生理食塩液を浸したスポンジ

④  足踏みスイッチ

電気手術器  例えば,附属品コードを支持した非導電性の机とは別の非導電性机
の上などに配置する。

⑥  非導電性の机

⑦  アンテナ 
⑧  測定器へのコード

図 BB.2

磁界放射試験の設定 

BB.3.3.3 

電源伝導ノイズ測定 

非導電性の机を接地面から

1 m

上方に置き,試験する

電気手術器

に接続する

附属品

コードを支持した。

この配置を

図 BB.3

に示す。

測定値は,

150

30 000 kHz

の間に生じるせん(尖)頭値又は準せん(尖)頭値として記録した。


61

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

アクティブ附属品

②  負荷 

対極板又は生理食塩液を浸したスポンジ

④  足踏みスイッチ

電気手術器  例えば,附属品コードを支持した非導電性の机とは別の非導電性机の上などに配
置する。

⑥  非導電性の机

⑦  試験装置 
⑧  解析装置

図 BB.3

導電放射試験の設定 

BB.3.4 

データの要約 

BB.3.4.1 

電界放射ノイズ 

最大値は,一般的には

50 MHz

未満の周波数帯域に存在し,周波数が高いほどエネルギーが低い。スパ

ークは全ての周波数においてエネルギーを増加させ,金属へのスパークは,臨床状況で想定できる最悪の

状態である。

BB.3.4.2 

磁界放射ノイズ 

最大値は,一般的には

電気手術器

の基本搬送周波数において生じており,基本周波数の倍数(高調波)

において,付随的なせん(尖)頭値が生じる。スパークは全ての周波数においてエネルギーを増加させ,

金属へのスパークは,臨床状況で想定できる最悪の状態である。

BB.3.4.3 

電源伝導ノイズ 

最大値は,一般的には

電気手術器

の基本搬送周波数において生じており,基本周波数の倍数(高調波)

において,付随的なせん(尖)頭値が生じる。スパークは全ての周波数においてエネルギーを増加させ,

金属へのスパークは臨床状況で想定される最悪の状態である。

BB.3.4.4 

電気手術器の最大放射ノイズレベル 

最大放射レベルは,スパークギャップ方式の装置で発生した。この種の

電気手術器

は,現在販売されて


62

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

いないが,多くの病院でまだ残存している。この種の装置は,出力電圧が非常に高く,スパークギャップ

を使用して

凝固

波形を生成するため,

EMD

環境としては最悪の状態を引き起こす。スパークギャップを使

用すると,周波数が高いほど非常に高いレベルの放射を発生する傾向がある。最悪状態における放射ノイ

ズの値を

表 BB.1

及び

表 BB.2

に示す。

表 BB.1

スパークギャップ方式の電気手術器の最悪状態での放射ノイズレベル 

放射の種類

スパークなし

生理食塩液へのスパーク

金属へのスパーク

電界 

92 dBμV/m(40 mV/m) 80

dBμV/m(10 mV/m) 95

dBμV/m(56 mV/m)

磁界 

96.47 dBμA/m(67 mA/m)

99.47 dBμA/m(94 mA/m)

96.47 dBμA/m(67 mA/m)

電源伝導 117

dBμV(708 mV)

測定せず

測定せず

注記  磁界の単位を修正した。

表 BB.2

スパークギャップ方式以外の電気手術器の最悪状態での放射ノイズレベル 

放射の種類

スパークなし

生理食塩液へのスパーク

金属へのスパーク

電界 

78 dBμV/m(8 mV/m) 77

dBμV/m(7 mV/m) 83

dBμV/m(14 mV/m)

磁界 

61.47 dBμA/m(1.1 mA/m)

63.47 dBμA/m(1.5 mA/m)

62.47 dBμAm(1.3 mA/m)

電源伝導 97

dBμV(71 mV)

測定せず 100

dBμV(100 mV)

BB.4 

試験の提案 

BB.4.1

BB.4.5

での情報は,対象とする製品が,

電気手術器

の発生する放射ノイズに耐え得るか否かを

判定するために,

製造業者が使用する幾つかの特別な試験について記載したものである。

これらの試験は,

指針として役立つように意図したものであり,

電気手術器

に対して,対象とする製品をどのように配置し

ているかに応じて修正が必要なことがある。次の試験は,

2

種類の

機器

が近接している状況を模擬するこ

とを考慮して策定した(

外装

及びコードの両方)

JIS T 0601-1-2

で規定しているように,対象とする

機器

の製造業者は,試験を実施する前に試験で生じた対象とする

機器

の受容可能な動作は何かを定義すること

が望ましい。

BB.4.1 

試験する

機器

を配置する。

図 BB.4

に示すように,

モノポーラ

電気手術器の附属品

のコードを

機器

回りに少なくとも

2

回巻きつける。

電気手術器

②  試験する装置 
③  金属板

図 BB.4

対象機器に対する特別な試験(電気手術器に対する耐性試験) 


63

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

コードの一端を

電気手術器

対極板

コネクタに接続し,他端を金属板に接続する。

モノポーラ

電気手

術器の附属品

を使用して,出力可能な出力モードで

電気手術器

を作動させて,

附属品

から金属板にスパー

クを飛ばす。各モードに対して,

電気手術器

を調節して最高ピーク出力電圧を出力するように設定する。

この試験では,可能な限り広い周波数範囲で高い電磁界を発生させる。

BB.4.2 

モノポーラ

電気手術器の附属品

と金属板を短絡(接触)させて,

BB.4.1

の試験を繰り返す。各出力モ

ードに対して最大出力が得られるように,

電気手術器

を調節することが望ましい。

この試験では最大出力電流が生成されるので,最大磁界が生じる。さらに,基本搬送出力周波数で高い

電界

を生成する。

BB.4.3 

図 BB.5

に示すように,

モノポーラ

電気手術器の附属品

コードを試験する装置の

電源コード

の回りに

巻きつけて,

BB.4.1

及び

BB.4.2

の試験を繰り返す。

この試験では,

電源コード

を通じて対象

機器

に結合するノイズを模擬している。

電気手術器

②  試験する装置

③  金属板 
④  試験する装置の電源コード

図 BB.5

対象機器の電源コードを介して結合する電気手術器ノイズに対する特別な試験 

BB.4.4 

滅菌された部分内及びその近傍で使用するコードとともに使用する

機器

では,それらのコードと

モノポ

ーラ

電気手術器の附属品

コードとの間にも結合が生じることがある。この可能性を試験するために,

BB.6

に示すように,

モノポーラ

電気手術器の附属品

コードを,試験する装置に接続する

附属品

コードの

回りに巻きつけて,

BB.4.1

及び

BB.4.2

の試験を繰り返す。


64

T 0601-2-2

:2012 (IEC 60601-2-2:2006)

   

電気手術器

②  試験する装置

③  金属板 
④  試験する装置の

モノポーラの電気手術器の附属品

図 BB.6

対象機器に接続する附属品コードを介して結合する電気手術器ノイズに対する特別な試験 

BB.4.5 

患者

を通して伝導される放射の影響を決定するための試験は,対象

機器

がどの程度

患者

と結合している

かに基づいて大きく変わることがある。読者は該当する個別規格を参照し,対象とする

機器

に関わる追加

情報を得ることが望ましい。これらの個別規格の多くは,既にこの種の試験を含んでいる。

参考文献 

JIS C 61000-4-3:2012

  電磁両立性−第

4-3

部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ

試験

注記

対応国際規格:

IEC 61000-4-3:2006

Electromagnetic compatibility (EMC)

Part 4-3: Testing and

measurement techniques

Radiated, radio-frequency, electromagnetic field immunity test

IDT

JIS C 61000-4-6:2006

  電磁両立性−第

4-6

部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する

伝導妨害に対するイミュニティ

注記

対応国際規格:

IEC 61000-4-6:2003

Electromagnetic compatibility (EMC)

Part 4-6: Testing and

measurement techniques

Immunity to conducted disturbances, induced by radio-frequency fields

Amendment 1:2004

MOD

JIS T 0601-2-34:2005

  医用電気機器−第

2-34

部:観血式血圧監視用機器の安全と基本性能に関する個

別要求事項

注記

対 応 国 際 規 格 :

IEC 60601-2-34:2000

Medical electrical equipment

Part 2-34: Particular

requirements for the safety, including essential performance, of invasive blood pressure monitoring

equipment

IDT

IEC 60601-2-4:2005

Medical electrical equipment

Part 2-4: Particular requirements for the safety of cardiac

defibrillators

CISPR 16-2-1:2003

Specification for radio disturbance and immunity measuring apparatus and methods

Part

2-1: Methods of measurement of disturbances and immunity

Conducted disturbance measurements

ANSI/AAMI HF18:2001

Electrosurgical devices