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T 0601-1

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附属書 H 

参考)

PEMS

構造,PEMS 開発ライフサイクル及び文書化

H.1

PEMS

及び PESS 構造の例

PEMS

は,

非常に単純な ME

機器又は複雑な ME システム又はその中間のいずれにもなることができる。

図 H.1 に,PEMS の幾つかの可能性がある例を示す。

図 H.1 a)に,複雑システムを示す。この PEMS は,幾つかの主なサブシステムに分割され,それはいい

換えると PESS を含むサブシステムから構成されている。

図 H.1 b)に,より単純な実施例を示す。この場合は,中間の主なサブシステムレベルはなくなっている。

そして PESS は,それ自体 PEMS のサブシステムである。

図 H.1 c)に,PEMS の最も単純な実施例を図示する。この場合,PEMS と PESS とは,同じである。

PEMS

の構造は,安全の要求事項に適合させるためには非常に重要である。PEMS の構造,及び各 PESS

と PEMS 全体との関係を記載するアーキテクチャを文書化することが望ましい。アーキテクチャには,次

の事項を示すことが望ましい。

−  特に各 PESS によって実施されるソフトウェアコンポーネントを含む PEMS のコンポーネントへの分

割。

−  各 PESS 及びそのコンポーネントによって行われる機能(該当する安全関連の機能を含む)

−  ソフトウェアコンポーネント間のインタフェース。

−  ソフトウェアコンポーネントとソフトウェアとの外部のコンポーネントとの間のインタフェース。

H.2

PEMS

開発ライフサイクルモデル

この規格の PEMS(箇条 14)への適合性は,PEMS

開発ライフサイクルを指定して従うことを要求して

いるが,特定の PEMS

開発ライフサイクルの使用を要求してはいない。しかし,それは,PEMS 開発ライ

フサイクルがある属性をもつことを要求している。これらの要求事項は,14.4 で規定している。

PEMS

開発ライフサイクルは,全体的な製品ライフサイクルの一部である。

図 H.2 は,二つの主要なプロセスにグループ分けしたアクティビティを示す PEMS 開発ライフサイクル

の見方である。左側は分解

プロセスであり,右側は結合プロセスである。

図 H.2 に次の事項を示した。

−  階層化された設計アクティビティ

−  設計の各層に対する結合及び

検証の対応する層

−  検証された部分は,次の上位層を組み立てるために結合

−  問題解決

プロセスの相互作用


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a)

  複雑なシステムの例 

b)

  比較的単純な実装例 

c)

  最も単純な実装例 

図 H.1PEMSPESS 構造の例

PEMS

PESS 

(システム又はデバイス)

電子的

ソフトウェア

電気機械的

+機械的

PEMS 

(システム又はデバイス)

電気的

電子的

PESS 

電子的

ソフトウェア

電気機械的

+機械的

PEMS 

(システム又はデバイス)

サブシステム又は

コンポーネント

電気的

電子的

PESS 

電子的

ソフトウェア

電気機械的

+機械的


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H.2

PEMS

開発ライフ

サイクル

モデ


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要求事項から設計を分解するときに,機能的な構成単位,アーキテクチャ及び技術を決定する。設計情

報によって PEMS のコンポーネントを構築できる時期(そのような設計情報の例は,回路図及びソフトウ

ェアコードである。

)を分解

プロセスによって決定する。単体コンポーネントは,一緒に結合する。実装が

要求事項を満たすかどうかを確認するためにコンポーネントを結合し,

検証を行う。結合プロセスの終わ

りに,PEMS が意図するように機能するかどうかを判断するために PEMS

妥当性確認を行う。

H.3

ソフトウェアプロセス

H.3.1  PEMS

開発ライフサイクル

PEMS

開発ライフサイクルは,図 H.2 に示すように,特定の目標を達成するためのアクティビティ要素

からなる多くの

プロセスで構成されている。リスクマネジメントを適用するためには,リスクマネジメン

トを基礎にして,設計開発アクティビティを信頼できるものとすることが必要である。特に,これはソフ

トウェア・ライフサイクルに対する要求事項である。

IEC 62304 [26]

は,安全な医療機器ソフトウェアを開発するためのソフトウェア開発ライフサイクルに含

められるプロセスについて規定している。

H.3.2

要求仕様

どの機能が受容できない

リスクを発生させるか,又はどの機能がリスクを低減させるかを決めるために,

PEMS

及び PESS の要求事項を完全に特定することが必要である。完全な要求仕様,及びその仕様を満た

すアーキテクチャ設計がない場合は,適切な

リスクアセスメントを行うことはできない。要求事項は,

PEMS

ソフトウェアに適切なように,次を含んでいることが望ましい。

−  機能的及び能力の要求事項,例えば,

基本性能,物理的特性及びソフトウェアが動作する環境条件

−  ソフトウェアの外部とのインタフェース

−  ハードウェアの故障及び潜在的なソフトウェア欠陥に対する

リスクコントロールの手段を含む安全要

求事項,作動及び保守の方法に関連する仕様,環境の影響,並びに

リスクコントロール

−  ソフトウェアで作動するアラーム信号,警告及び

操作者へのメッセージ

−  セキュリティが欠如して安全性が損なわれる場合は,セキュリティに対する要求事項

−  人間と機器との相互作用,要員の制約,ヒューマンエラーを起こしやすい人間の集中した注意が必要

な部分で,手動操作の支援に関係するものを含んだ PEMS の使用に関係した人間工学要求事項及び訓

−  データの定義及びデータベースに対する要求事項

−  PEMS ソフトウェアのインストール及び受諾の要求事項

−  作成が必要な文書

−  操作及び実行の要求事項

−  保守の要求事項

リスクを低減させるために使用可能なアーキテクチャの設計の範囲を決定するためにリスクアセスメン

トを行うことが望ましい。

H.3.3

第三者及び既製(OTS)ソフトウェア

既知又は予見可能な

ハザードを特定する能力をもつために,PEMS で使用されるあらゆる第三者又は既

製ソフトウェアの特性を明らかにすることが必要である。開発者は,第三者又は既製ソフトウェアのため

のソフトウェアの要求事項を確立することが望ましい。これらの要求事項は,次を含んでいることが望ま


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しい。

−  タイトル及び製造業者名,版管理番号,発行日付,パッチ番号及びアップグレード識別子

−  適切な動作支援に必要なシステムのハードウェア及びソフトウェア(例えば,プロセッサのタイプ及

び速度,メモリのタイプ及び容量,並びにシステム,通信及びディスプレイのソフトウェア)

−  ソフトウェアコンポーネントとのインタフェース

−  安全に関して重要な機能及び

リスクコントロール手段の機能が依存するソフトウェアコンポーネント

H.3.4

結合

開発者は,各 PESS のコンポーネント及び PEMS のコンポーネントを結合する結合計画を確立すること

が望ましい。計画は,アプローチ,責任及びシーケンスを含み,全てのソフトウェアコンポーネントを含

んでいることが望ましい。漸増的結合方法(繰返し結合方法)を使用して,PESS ソフトウェアを構築す

る場合は,前の

検証が依然十分であることを確実にするために十分なレグレションテスト(回帰試験)を

行うことが望ましい。結合テストは,正常な場合だけでなく,例外条件,ストレス状態又は最悪状態に対

してもソフトウェアの動作を試験することが望ましい。

H.3.5

構成管理

リスク分析は,ソフトウェアの要求事項に依存するので,開発期間中にリスクマネジメントプロセスを

考慮しないでソフトウェア機能を追加することがないように,構成管理及び変更管理を行うことが必要で

ある。次のことを記載する構成管理計画を確立することが望ましい。

−  管理対象アイテム

−  構成管理のアクティビティ

−  これらのアクティビティを行うための

手順及びスケジュール

−  これらのアクティビティを行うことに対する責任

−  各ソフトウェアコンポーネントの受取り,インストール及び受諾を管理する

手順

ソフトウェア構成アイテム及び版管理の固有な識別のための仕組みを確立することが望ましい。この仕

組みは,あらゆる第三者及び既製ソフトウェアコンポーネントを含んでいることが望ましい。

H.3.6

修正・変更管理

修正・変更管理については,次を行うことが望ましい。

−  修正・変更要求の特定及び記録

−  修正・変更の分析及び評価

−  修正・変更要求の承認又は否認

−  ソフトウェアの修正・変更の実装,

検証及びリリース

修正・変更の追跡ができて,その結果,各修正,修正理由及び修正の承認をそれぞれ追跡できることが

望ましい。管理対象アイテムの履歴

記録は,検索できることが望ましい。

H.4

設計及び実装

PEMS

開発ライフサイクルモデルの適用,設計及び実装には,次の選択を含めることが望ましい。

a)

設計環境,例えば,

−  ソフトウェアの開発方法

−  コンピュータ支援ソフトウェア開発(CASE)ツール

−  プログラム言語


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−  ハードウェア及びソフトウェア開発のプラットフォーム

−  シミュレーションツール

−  設計及びコーディング規約

b)

電子部品

c)

冗長ハードウェア

d)

人間と PEMS とのインタフェース

e)

エネルギー源

f)

環境条件

g)

第三者ソフトウェア

h)

ネットワーク構築の選択肢

設計環境のこれらの要素は,概要で特徴づけることができ,かつ,設計及び実装の

プロセスにおけるそ

れらの使用環境での個別の方法で特徴づけることができる。

H.5

文書化

図 H.3 は,箇条 14 及び JIS T 14971 によって要求される文書化を全て含んでいる。それは,構造の例だ

けを示すことを意図している。特定の参照文書はまとめられているか,又は幾つかの文書中に分けて記載

できる。

“#”が付いている(細分)箇条番号は,JIS T 14971:2003 の箇条番号である。他の番号は,この

規格の細分箇条を指す。


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図 H.3−箇条 14 及び JIS T 14971:2003 からの PEMS 文書化要求事項


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T 0601-1

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H.6

ネットワーク・データ結合

H.6.1

一般

この規格の文脈では,

ネットワーク・データ結合の一部として転送される情報は,製造業者が伝達可能

として意図する情報である(つまり無許可の人の違法又は不正な行為によるものではない)

この規格の中で使用されるほとんどの

ネットワーク・データ結合は,ユーザー・インターフェースを経

由して転送される情報を含んでいない。

製造業者は,可能な情報の種類及びそれらの転送プロトコルを技

術説明に明記することが必要である(14.13 参照)

H.6.2

システム結合責任

ME

機器及び ME システムは,システムを構築する上でともに使用されることがある。これは,コンピ

ュータを使用して臨床データの解析及び治療の管理をすることが増えることに伴って,頻繁に使用される

と思われる。

製造業者は,ME 機器を他の ME 機器と組み合わせて作動するように設計することがあるが,多くの場

合は,個々の ME

機器は互いに組み合わせて作動するように設計されていない。別々の ME 機器が結合シ

ステムとして一緒に満足するように稼動することを確実にするために誰か責任を負うことが必要である。

つまり,システム結合責任者が特定の規制の要求に従うということは,一般的に認識されている。

システム結合責任者は,その機能を果たすために次のことを知る必要がある。

−  結合システムがどのように使用されることを意図しているか

−  結合システムに要求される性能

−  システムの意図する構成

−  システム拡張性に対する制約

−  結合される ME

機器及び他の機器全ての仕様

−  各々の ME

機器及び他の機器の性能

−  システム内及びそのまわりの情報の流れ

このような情報は,個々の

製造業者では入手できない。また,この理由から,個々の製造業者は,シス

テム結合責任者の役割を実行することができない。どのような場合でも,システム結合責任者は,総合的

責任をもつ一個人又は一組織であり,この総合的責任は複数の異なる

製造業者に分担させることができな

い。各

製造業者の責任は,自社の機器の必要情報を提供することに限定されている(14.13 参照)。

責任部門は,ある製造業者を使ってシステムを結合することができるということは明らかである。この

場合は,システム全体が一つの ME

システムとみなすことができ,正しく結合されたシステムを提供する

ことがその

製造業者の責任になる。この場合には,システムは,個別に規制される可能性がある。

システム結合責任者は,

システムの結合から発生する

危険状態を見極め解決する能力,及び個々の PEMS

残留リスクを確実に受容できる範囲に維持する能力をもつことが望ましい。

一般的には,システム結合責任者は,次のことを行うだろう。

−  あらゆる ME

機器又は ME システム及び医療機器でない機器を,それぞれの製造業者が提供する説明

(書)に従って結合することを計画する。

−  結合システムに対する

リスクマネジメントを行う。

−  説明(書)が結合システムの安全な稼動に必要な場合は,

製造業者の説明(書)を責任部門に渡す。

これらの説明(書)は,構成のあらゆる変更で発生する

危険状態に対する警告を含んでいることが望


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T 0601-1

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ましい。

H.7

ネットワーク・データ結合に対する設計考慮事項

H.7.1

一般

PEMS

製造業者の観点からすると,どのような種類のネットワーク・データ結合も危険状態の新たな一

因となる。原則として,どのような

ネットワーク・データ結合でも PEMS 製造業者の管理外にある場合は,

100 %信頼できるとみなさない方がよい。

H.7.2

ネットワーク・データ結合に関連した危険状態の原因

ネットワーク・データ結合系では,危険状態になりそうな原因は,次のとおりである。

−  データの喪失

−  不適切なデータ交換

−  破損したデータ

−  データの不適切なタイミング

−  データの予期しない受取

−  データへの無許可のアクセス。

JIS T 14971:2003

附属書 を補足すると,ネットワーク・データ結合に関連した危険状態の原因を識

別する場合は,少なくとも次を考慮することが望ましい。

−  遠隔のサービス(ネットワークへの外部アクセス)

−  オペレーティング・システム(オペレーティング・システムの互換性)

−  ソフトウェア(オペレーティング・システム,アプリケーションなど)の修正・アップグレード

−  インタフェース互換性(データ衝突,データ形式)

−  接続(ハードウェア,ネットワーク・コネクタの修正)

−  ネットワーク・インタフェース基板(互換性)

−  ネットワーク・プロトコル(DICOM,HL7 など)

−  パケット・アドレス構造又はタイミング

−  正常なネットワーク負荷・帯域幅

−  ピーク・ネットワーク負荷

−  データ媒体(寿命及び検索可能性)

−  セキュリティ(ウイルス,ワーム,無許可のソフトウェアアップデート又はアップグレード)

−  最大受容応答時間

−  ネットワークの受容できる通信の失敗率

−  ネットワーク(計画的及び臨時の保守)の有効性

−  情報の送受信中に忠実度の損失を生じるインタフェース・フォーマットの不整合

−  異機種接続におけるネットワーク・トポロジー

JIS T 14971:2003

附属書 を補足すると,ハザード及び上記の危険状態の潜在的な原因を考慮する場

合は,次の質問を考慮に入れることが望ましい。

a)

合理的に予見できる誤使用

ネットワークへ接続することは,個々が構成する PEMS 

意図する使用と矛盾しないか。


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T 0601-1

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b)

個々の構成する PEMS を行き来する正しくないデータ

ネットワークによって送受信されたデータは何に使用されるか。どのタスクが関係するのか。

ネッ

トワーク・データ結合が壊れるとその結果どうなるか。

c)

システムを構成しているあらゆる PEMS が指定した操作仕様からの逸脱

PEMS

の操作仕様は,何か。その仕様は,

ネットワーク・データ結合によってどの程度影響を受け

るか。

d)

ネットワーク・データ結合パラメータの不完全な特性

ネットワークのトポロジー,構成及びパラメータ(開放系又は閉鎖系か,帯域幅,送信プロトコル

など)は,完全に特徴付けられているか。ブレークダウン特性・概念があるか,それらは何か。

e)

ネットワークのノード(端末,ハブなど)による

ネットワーク・データ結合の過度の使用・負荷

計画したネットワークノード数は,幾つか,それらを想定した使用頻度はどのくらいか。リソース

(資源)は,

ネットワーク・データ結合自体及びそれに接続された装置の両方の要求を満たすのに十

分か。

f)

誤使用

システムを有効に作動させるために,

操作者は,どんな技能を要求されるのか。

g)

不適切な構成管理

定期サービス業務によってネットワークの特性は変化するか(例えば,リモートアクセス,アップ

デート又はアップグレードの後に)

責任部門は,個々の構成する PEMS への修正が見直され承認さ

れることを確実にしているか。

h)

不適切な場所における情報

データは,使いやすく,かつ,予測できる場所に到達するか。無関係のデータが付随して,

操作者

を混乱させ,必要なデータが不明瞭にならないか。到達するとき,その送信元が明瞭に示されている

か。

H.7.3

患者へ与える影響に基づいたネットワークの分類

H.7.3.1

患者へ与える影響(結果)

H.7.2

の原因が

患者へ与える影響と関連づけるために,ネットワーク・データ結合の分類を,患者へ与

える影響及び反応時間の両方によって行うことは有用である。ここで反応時間とは,

ネットワーク・デー

タ結合の故障がおきてから患者への危害が現れるまでの時間である。

表 H.1 は,これらの考察に基づいたネットワーク・データ結合分類の例である。

H.7.3.2

クラス のネットワーク・データ結合(患者生命に関わるデータ,時間的緊急度)

これは,

時間的緊急度のアプリケーション又は

プロセス全てのためのネットワーク・データ結合である。

リンクによって,制御不能な

リスクをもたらすことになるので,それを他のネットワークにリンクさせて

はいけない。リソースは,全てこのネットワークのノードだけに利用可能である。利用性は,ほぼ 100 %

である必要がある。中断はあってはならないが,あったとしても 1 年当たり数分程度に収めるようにする

ことが必要である。責任は,単独の PEMS

製造業者又はシステム請負者だけが負う。ネットワークのノー

ドは,その

製造業者又は請負者によって確立された要求に従う。このクラスの例は,患者モニタのネット

ワークである。


304

T 0601-1

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表 H.1−ネットワーク・データ結合の分類

影響

反応時間

クラス

死亡又は重傷

秒 C

輸液(閉ループ)で,手術ロボットの誤った制御

分 C

アラーム送信の途切れ

時間

C 又は B

人工呼吸器への誤った治療データ

中程度の負傷

秒 C

誤アラーム送信で,手術ロボットの誤った制御

C 又は B

誤アラーム送信で,手術ロボットの誤った制御

時間

C 又は B

変造された画像で,治療報告の消失

軽傷

秒 B

分 B

画像の消失

時間

B 又は A

無視できる

秒 A

分 A

時間 A

H.7.3.3

クラス ネットワーク・データ結合(患者生命に関わるデータ,時間的緊急度なし)

これは,

患者の治療又は診断データを扱う時間的緊急度がないアプリケーション又はプロセスのための

ネットワーク・データ結合である。このネットワーク・データ結合は,限定され,かつ,管理可能で安全

なインタフェースによって他の

ネットワーク・データ結合に接続してもよい。利用性は,非常に高いこと

が必要であり,他の利用手段がないので,中断は短時間であることが望ましい。

責任部門又はシステム結合者に責任を割り当てる。PEMS が複数の場合は,データ競合の優先順位を

定義する必要がある。

−  ネットワークノードは,選択された基準(パラメータの最小セット)に従うことが望ましい。放射線

科のネットワークは,その例である。

H.7.3.4

クラス ネットワーク・データ結合

これは,正当であると確認された

患者データだけを操作するあらゆるアプリケーション(患者管理上の

又は人口統計学的なデータを含んで)のための

ネットワーク・データ結合で,クラス“C”又は“B”ネッ

トワークに割り当てられないものである。さらに,代替手段があるので,これらのアプリケーションは,

長い時間利用が不可能であっても受け入れることができる。次の状況における総合的な病院管理ネットワ

ークは,その例である。

責任部門に責任を割り当てる

−  多くの種類のネットワークノードがある。

H.7.4

ネットワーク・データ結合パラメータ

PEMS

相互間又は PEMS と他の情報技術装置との間でデータを交換するために

ネットワーク・データ結

合を使用するには,ネットワーク・データ結合の構造及びそれらの内部で働くプロセス・機能の両方に対

する知識が必要である。これは,PEMS 又は

ネットワーク・データ結合の製造業者が製品の構成を次のよ

うにして選択することが望ましいので重要である。

−  それらは,国際的に公認されたネットワーク規格(イーサネット,高速イーサネット,ギガビットイ

ーサネット,FDDI など)に適合し,

意図する使用に従って利用可能な帯域幅を適切に使える。

−  それらは,アプリケーションのための最適な性能を達成するものである。

異なる

ネットワーク・データ結合の構成設定(パラメータ設定)の混在は,ネットワーク・データ結合


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T 0601-1

:2012

のノードが妥当な国際規格に適合している事実があっても,異なる

ネットワーク・データ結合のノードと

常に互換性があるとは限らない。

混乱が生じる可能性を回避するか少なくとも最小限にするために,適切な規格から派生した

ネットワー

ク・データ結合パラメータを最少限の設定に合致させることが必要である。

ネットワーク・データ結合された PEMS の信頼できる設置を確実にし,患者へのリスクを最小限にする

ために,PEMS

製造業者,責任部門及びシステム結合者は,関連する技術的なパラメータを全て互いに連

絡し合う必要がある。受容できない

リスクを生じる不適切な想定を回避するためには,このような詳細な

基準が必要である。

図 H.4 は,潜在的に指定される必要のあるパラメータの一覧である。ネットワーク・データ結合技術は

急速な発展をしているので,この表は出発点とみなすことが望ましい。表を維持するかどうか,誰が表の

維持に責任を負うのかを明確にすることが望ましい。


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T 0601-1

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オブジェクト

説明

値又はコメント

アプリケーション及びオペレーティング・システム

オペレーティング・システム・バージョン

ネットワーク・プロトコル

特定のアプリケーション・トランスポート・プロトコル(使用する場合)の詳細なデータ 
HL7 HL7 バージョン

使用するメッセージ・タイプのフォーマット

(使用する)フリー・フィールド

ポート

HL7 プロトコル(TCP/IP の低い階層)

DICOM サービスクラス A)

テスト

確認

B)  転送

保存

問合せ・取得

C)  文書化

プリント管理

D)  構成

モダリティワークリスト管理

実施済み手続きステップ

E)  情報

検査内容通知

患者管理

保管委託

検査構成要素管理

結果管理

F)  外部保存

媒体記憶装置

DICOM オブジェクト

例えば,デジタル X 線撮像画像

他のモダリティオブジェクト

DICOM ホスト名

DICOMAET 着呼側応用エ
ンティティ名称

DICOMAET 発呼側応用エ
ンティティ名称

DICOM 着呼側ポート

DICOM 発呼側ポート

低いプロトコル階層に関しての詳細なパラメータ

ネットワーク・データ

物理的な接続

ネットワーク・インタフェース・

カード・パラメータ

 

ネットワーク管理

接続しているスイッチ・HUB・ルーターのポート番号

IP アドレス

サブネット・マスク

ホスト名

IT ドメイン

アクティブ・ディレクトリ・LDAP サーバ

デフォルト・ゲートウエイ(ルーター経由のアクセス)

遠隔制御

遠隔監視

モデム接続

遠隔サービス IP アドレス

他のパラメータ

図 H.4−ネットワーク・データ結合に指定する必要がある潜在的なパラメータの例


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T 0601-1

:2012

附属書 I

参考)

ME

システム概要

I.1

ME

機器と非 ME 機器との組合せ

I.1.1

一般

この附属書は,様々な医療環境下で異なる機器を組み合わせて使用する場合に生じる可能性がある状況

の概要を示す。この概要を分かりやすくするために,それぞれの状況について二つの機器(A 及び B)で

説明する。

I.1.2

医療環境における場所

次の場所を想定している(

表 I.1 参照)

−  診療用に使う部屋の一部である

患者環境

患者環境を除く診療用に使う部屋

−  診療用以外に使う部屋(診療用に設計していない部屋,例えば,事務室又は保管室。

上記の三つの場所は,それぞれ専用に保護接地を設けている。

注記  異なった場所における保護接地間に電位差(V)が存在することがある。患者環境内の機器の

保護接地の一つが中断(故障状態)したとき,

操作者が機器及び患者に同時に触れている場合

は,

操作者又は患者に”,又は“その ME 機器が 形装着部の場合は,患者に”危険状態を生

じるような電位差が機器の

外装に現われる可能性がある。

I.1.3

基本的な考え方

基本的な考え方を,次に示す。

患者は,この規格に適合する ME 機器の装着部だけに接続することが望ましい。他の機器は,該当す

る IEC 規格又は ISO 規格に適合するか,又は該当する JIS の安全規格,電気用品安全法の技術基準に

適合するか若しくはそれらと同等の安全性をもつことが望ましい。

−  故障状態における許容

接触電流は,500 μA である。

−  非医療用に適用する安全規格(ここでは,IEC XXXXX と表現した)に適合し,かつ,

患者環境に置

かれる全ての機器は,16.6.1 で規定した値を超える場合は,

接触電流を制限する手段が必要である。

I.1.4

ME

システムの例

患者環境に二つの機器を置いた場合(表 I.1 の状況 No. 1 参照)について記載する。

この状況では,次に示す 1a∼1f の幾つかの組合せがある。

1a

:機器 A 及び機器 B は,両方とも IEC 60601IEC 60601 シリーズ)に適合している。16.6 に適合して

いる。

1b

:機器 A 及び機器 B は,IEC 60601-1 に適合し,

マルチタップを経由して給電されている。マルチタッ

プの接地導線が中断した場合は,漏れ電流は,大き過ぎる可能性がある。

1c

: 機器 A は,IEC 60601 に適合し,機器 B は,IEC XXXXX に適合している。機器の 1 本の

保護接地線

又は同等の導線が中断した場合の対策として,必要な場合,機器 B に追加の保護接地又は分離変圧器

を適用することによって機器 B の

接触電流だけを制限する必要がある。

1d

:1c と同じであるが,二つの機器は,

マルチタップを経由して給電されている。漏れ電流は,1b 及び

1c で説明したように増加し過ぎる可能性がある。


308

T 0601-1

:2012

1e

: 機器 A は,機器 B から給電され,IEC 60601-1 に適合した機器 A は,IEC XXXXX に適合した機器 B

に組み込まれている。機器 B には,

製造業者が指定した電源に対する対策が必要であり,かつ,16.3

に適合する必要がある。必要な場合は,追加保護接地又は分離変圧器を機器 B に適用する。

1f

: 1e と同じであるが,機器 A は,機器 B に組み込まれていない(1e 参照)

表 I.1 の状況 2 及び状況 3 は,状況 1 から派生したものである。

注記  表 I.1 の中で示した適合させるための手段は,全てを網羅したものではない。

表 I.1ME システムの図解の例

状況 No.

診療用に使う部屋

診療室以外

の部屋

漏れ電流の許容値
を超える可能性が

ある原因の例

適合させるための

手段

患者環境 

患者環境外

1 1a

A 及び B は,
ME

機 器 で あ

同一形の複数の

着部によって合計
患者漏れ電流の許
容値を超える 
 
注記 参照

−  合 計

患者漏れ

電流が許容値
を 超 え な い こ

とを検証する

1b 
A 及び B は ME
機器で,ともに
マ ル チ タ ッ プ
を 介 し て 給 電
される

マルチタップの接
地導線の断線 
 
1a 参照

−  A 又は B:追加

保護接地接

続, 
又は

−  分離変圧器

1c 
A は ME 機器,
B は非 ME 機器
である

B の大きい接触電

−  B:追加の

保護

接地接続, 
又は

−  B:分離変圧器

1d 
A は ME 機器,
B は非 ME 機器
で,同じ

マルチ

タ ッ プ を 介 し
て給電される

マルチタップの接
地線の断線,

又は, 
B の大きい接触電

−  A 又は B:追加

保護接地接

続, 
又は

−  分離変圧器

1e 
A は ME 機器
で,非 ME 機器
B の中の指 定
し た 電 源 か ら

給電される

B の大きい接触電
流によって

−  B:追加の

保護

接地接続,又

−  B:分離変圧器

1f 
A は ME 機器
で,B の非 ME
機 器 の 電 源 か
ら給電される

電源

プラグ

A

IEC 60601

B

IEC XXXXX

DC/AC

 
 

B

IEC XXXXX 

A

IEC 60601

電源

プラグ

A

IEC 60601 

B

IEC XXXXX

マルチタップ 

電源プラグ

電源プラグ

A

IEC 60601 

B

IEC XXXXX

A

IEC 60601 

B

IEC 60601 

マルチタップ 

電源プラグ

電源プラグ

A

IEC 60601 

B

IEC 60601 


309

T 0601-1

:2012

表 I.1ME システムの図解の例(続き)

状況 No.

診療用に使う部屋

診療室以外

の部屋

漏れ電流の許容値
を超える可能性が

ある原因の例

適合させるための

手段

患者環境 

患者環境外

2 2a

A 及び B は,ME
機器である

許容

漏れ電流を超

える原因はない

−  こ れ 以 上 の 手

段は不要

2b 
A 及び B は ME
機器で,同じマ
ルチタップを介
して給電される

マルチタップの接
地導線の断線

−  A 又は B:追加

保護接地接

続, 
又は

−  分離変圧器

2c 
A は ME 機器,B
は非 ME

機器で

ある

B の大きい接触電
流 
 
附属書 の 16.5 

−  金 属 ケ ー ス の

コ ネ ク タ を 使

用しない,

又は

分離装置

2d 
A は ME 機器,B
は 非 ME

機 器

で,同じ

マルチ

タップを介して
給電される

マルチタップの接
地線の断線

−  A 又は B:追加

保護接地接

続, 
又は

−  分離変圧器

3 3a

A 及び B は ME
機器である 
 

許容

漏れ電流を超

える原因はない。

−  こ れ 以 上 の 手

段は不要

3b 
A は ME 機器,B
は非 ME

機器で

ある

B の大きい接触電
流 
 
附属書 の 16.5 

−  金 属 ケ ー ス の

コ ネ ク タ を 使

用 し な い , 又

分離装置

3c 
A は ME 機器,B
は ME

機器か又

は非 ME

機器で

ある

a) A 及び B の保

護接地接続間
の電位差

b) B の大きい接

触電流によっ

 
附属書 の 16.5 

−  A:追加の

保護

接地接続,

分離装置, 
又は

患者環境で金
属 ケ ー ス の コ

ネ ク タ を 使 用
しない。

注記 1  許容値を超える接触電流又は接地漏れ電流の原因は,存在しない。 
注記 2  IEC 60601:  IEC 60601 規格群又は JIS T 0601 規格群に適合する ME 機器。 
注記 3  IEC XXXXX:  該当する IEC の安全規格に適合する非医用電気機器。該当する非医用電気機器の JIS の安全

規格,電気用品安全法の技術基準か若しくはそれらと同等の安全性をもつ非

医用電気機器も含める。

注記 4  分離変圧器:  16.9.2.1 参照。 
注記 5  例えば,機器 B は患者環境外にあり,かつ,機器 A はクラス II の機器であり,その接触可能導電性部分が機

器 B の

保護接地接続手段に接続されている場合は,追加の安全手段として,例えば,機器 B に追加の保護接

地か,分離変圧器か又は

分離装置が必要な場合がある。

A

IEC 60601

B

IEC 60601

マルチタップ 

電源プラグ

A

IEC 60601 

B

IEC 60601

電源プラグ

電源プラグ

A

IEC 60601 

B

IEC XXXXX

電源プラグ

A

IEC 60601

B

IEC XXXXX

マルチタップ 

電源プラグ

A

IEC 60601 

B

IEC 60601

電源プラグ

共通保護接地線 

A

IEC 60601 

B

IEC XXXXX

共通保護接地線 

電源プラグ

A

IEC 60601 

B

IEC 60601

又は

IEC XXXXX

電源プラグ

電位差をもつ

保護接地 

共通保護接地線 


310

T 0601-1

:2012

I.2

マルチタップ(MSO)とその使用例

図 I.1 は,マルチタップの構造の例を示す。図 I.2 は,マルチタップの幾つかの使用例を示す。

Male plug for

ME EQUIPMENT

A

A

Cover

Spacers

Plate fixed on

MSO

MSO

View from A-A (male plug connected)

図 I.1−マルチタップ(MSO)の構造の例

工具を使わなければ,機器の電源プラグが着脱できない。)

マルチタップ

マルチタップの固定板

スペーサ

カバー

ME

機器の電源プラグ

AA 矢視図

(電源プラグを接続した状態)


311

T 0601-1

:2012

MULTIPLE SOCKET-OUTLET

MULTIPLE SOCKET-OUTLET

Transformer assembly 
with special socket-outlet

Transformer assembly 
with permanently 
connected

MULTIPLE

SOCKET-OUTLET

Outlets

Circuit diagram of an integral

MSO

and transformer assembly

Transformer assembly incorporating

MULTIPLE SOCKET-OUTLET

1:1

図 I.2−マルチタップ(MSO)の使用例

マルチタップ

マルチタップ

特別なソケットをもつ

分離変圧器装置

永久接続した

マルチタップをもつ

分離変圧器装置

マルチタップを組み込んだ

分離変圧器装置

出力

回路図