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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

S 6023-1992 

事務用のり 

Glues 

1. 適用範囲 この規格は,主に事務用として紙などをはり合わせる事務用のり(以下,のりという。)に

ついて規定する。ただし,エマルジョン系のものは除く。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS K 0050 化学分析方法通則 

JIS K 6833 接着剤の一般試験方法 

JIS K 6900 プラスチック用語 

JIS P 3201 筆記用紙 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

ISO 194:1981 Plastics−List of equivalent terms−Trilingual edition 

2. 種類 種類は,次のとおりとする。 

(1) でんぷんのり でんぷんを主成分としたペースト状のもの。 

(2) 液状のり アラビアガム,ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物を主成分とした液状のも

の。 

(3) 固形のり ポリビニルピロリドン,ポリビニルアルコールなどの水溶性高分子化合物を主成分とした

固形状のもの。 

3. 品質 

3.1 

一般事項 のりは,性状が均質であって異物の混入がなく,使用に適した粘度又は硬さをもち,保

存中に腐敗,かびの発生など,使用上支障のある異常が生じてはならない。 

3.2 

有害物質 のりは,毒物及び劇物取締法(昭和25年法律第303号)に規定する毒物及び劇物を原料

として使用してはならない。ただし,塩化水素,硝酸,水酸化ナトリウム及びホルムアルデヒドは除く。 

3.3 

保存性 のりは,5.3によって試験し,3.4の規定を満足しなければならない。 

3.4 

性能 のりは,5.によって試験し,表1の規定に適合しなければならない。 

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S 6023-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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表1 のりの性能 

項目 

性能 

試験方法 

でんぷんのり 

液状のり 

固形のり 

容器の気密性 

1.0以下 

5.4 

遊離ホルムアルデヒド量(1) % 

0.5以下 

0.1以下 

5.5 

接着力 

紙が破断すること。 

5.6 

塗布性 

100cm2以上 

容易に塗布できること。 

5.7 

耐寒性 

接着力及び塗布性の性能に適合すること。 

5.8 

蒸発残分 

20以上 

10以上 

30以上 

5.9 

pH 

4〜8 

− 

5.10 

注(1) ホルムアルデヒドを使用している場合についてだけ適用する。 

4. 容量の許容差 容量(2)は,表示された容量に対して,でんぷんのり及び液状のりは表2の許容差の範

囲でなければならない。 

また,固形のりの許容差は,103

+−%とする 

注(2) 製造後30日以内ののりの質量 (g) 又は体積 (ml) をいう。 

また,固形のりの容量は,ホルダー内の部分も含めたものをいう。 

表2 容量の許容差 

表示容量g又はml 

許容差% 

100以下 

±7 

100を超え 

300以下 

±6 

300を超え 

500以下 

±5 

500を超え 

1 000以下 

±4 

1 000を超え 

2 000以下 

±3 

5. 試験方法 

5.1 

試験条件 試験条件は,温度20±5℃,相対湿度 (65±20) %とする。 

また,化学分析に共通する一般事項,JIS K 0050による。 

5.2 

数値の丸め方 試験結果は,規定の数値より1けた下の位まで求めて,JIS Z 8401によって丸める。 

5.3 

保存性試験 製造後未使用のまま,でんぷんのりは6か月間,液状のり及び固形のりは12か月間,

常温 (20±15℃) ,常湿 [ (65±20) %] で保存した後,5.4〜5.10の試験を行う。 

5.4 

容器の気密性試験 のりが入っている容器を開封しない状態のまま質量を量り,これを50±3℃の乾

燥器中で20時間乾燥してから取り出し,再び質量を量り,その間の減量を求め,次の式によって乾燥減量

率を算出する。ただし,試験に用いるはかりの感量は,試験するのりの表示容量の0.5%以下とする。 

100

2

1

×

M

m

m

d

ここに, 

d: 乾燥減量率 (%)  

m1: 乾燥前の質量 (g)  

m2: 乾燥後の質量 (g)  

M: 表示容量 (g) (3) 

注(3) ml表示のものについては,比重をかけてgに換算する。 

5.5 

遊儀ホルムアルデヒド量試験 遊離ホルムアルデヒド量試験は,次のとおり行う。 

(1) 共栓付円筒はかり瓶に,のり約2gを10mgまで正しく量り取り,水100mlを少しずつ加え,均一にな

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S 6023-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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るようによくかき混ぜた後,0.1mol/l塩酸又は0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液でpHを4.0±0.1に調

整する。 

(2) 10%塩酸ヒドロキシルアミン水溶液3mlを加え,10分間以上放置してから0.1mol/l水酸化ナトリウム

水溶液で滴定を行う。終点は,(1)で調整したpH値を示す点とする。 

(3) 同様の手順で空試験を行い,次の式によって遊離ホルムアルデヒド量を算出する。 

(

)

100

003

.0

0

×

m

f

V

V

H

ここに, 

H: 遊離ホルムアルデヒド量 (%)  

V: のりによる0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液の消費量 (ml)  

V0: 空試験による0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液の消費量 (ml) 

f:  0.1mol/l水酸化ナトリウム水溶液の力価 

m: のりの質量 (g)  

5.6 

接着力試験 JIS P 3201に規定する筆記用紙A(坪量75〜80g/m2)の紙 (60×30mm) の30×30mm

の部分にのりを薄く均等に塗布し,図1のようにはり合わせ,そのままつるして約5分間放置し,両端か

らほぼ均一に力が加わるようにして,静かに引っ張る。 

図1 接着力試験 

5.7 

塗布性試験 塗布性試験は,次による。 

(1) でんぷんのり 幅24〜25mm,長さ90〜100mm及び厚さ0.4〜0.5mmの弾力性のある平らなへらの先

端にのりを1.0g採取し,大きさ150×150mmの板ガラス上に,このへらの平滑面を利用して塗布面の

粘着性が失われないように速やかに薄く塗布し,これを方眼紙上に載せ(板ガラス上に刻線を入れた

ものでもよい。),塗布面積を1cm2の単位まで測定する。 

(2) 液状のり及び固形のり 試料を清浄なガラス板上にガラス棒又は附属の塗布具などで均一に薄く塗布

し,その塗布性を調べる。 

5.8 

耐寒性試験 耐寒性試験は,次による。 

(1) でんぷんのり及び液状のり 50g以下ののりを適当なふた付容器(例えば,ポリエチレン製の瓶)に

採り,−15±3℃で16時間保った後,常温 (20±15℃) でのりが融解するまで放置し,ガラス棒など

で均一になるまでかき混ぜた後,5.6の接着力試験及び5.7の塗布性試験を行う。 

(2) 固形のり 容器に入れたまま,−15±3℃で16時間保った後,常温 (20±15℃) でのりが融解するま

で放置し,5.6の接着力試験及び5.7の塗布性試験を行う。 

5.9 

蒸発残分試験 蒸発残分試験は,次のとおり行う。 

(1) のり約1gを,質量が分かっている共栓付平形はかり瓶(約50×30mm)の底面に均等に広げながら手

早く採り,その質量を1mgまで正確に量る。 

(2) これを105〜110℃に保った乾燥器に入れ,5時間乾燥してから取り出し,デシケータ中で放冷した後

再び質量を量り,はかり瓶中の残量を求める。 

S 6023-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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(3) 蒸発残分は,次の式によって算出する。 

100

×

m

A

R=

ここに, R: 蒸発残分 (%)  
 

A: はかり瓶中の残量 (g)  

m: のりの質量 (g)  

5.10 pHの測定 pHの測定は,JIS K 6833の6.2 (pH) によって行う。 

6. 容器 容器は,ガラス製,プラスチック製又は使用に当たって支障がないものを用い,形状が均整で

なければならない。 

また,ふたには適切な材料を用い,本体とふたとのはめ合いは,使用上及び保存上支障がないものでな

ければならない。 

7. 検査方法 のりは,3.及び4.の規定に適合するかどうかを検査する。この場合,検査は,合理的な抜

取方法によって行ってもよい。 

8. 表示 のりは,容器ごとに次の事項を表示しなければならない。ただし,(4)については,商業包装単

位(4)ごとに表示してもよい。 

(1) 種類及び主成分(5) 

例 でんぷんのり(でんぷん) 

液状のり(ポリビニルアルコール又はPVAL) 

固形のり(ポリビニルピロリドン又はPVP) 

(2) 容量[質量 (g) 又は体積 (ml) ] 

(3) 製造業者名又はその略号 

(4) 製造年月又はその略号 

注(4) 10本,20本,30本入りなど又はセット物は2セット,4セット,6セット入りなど,一般に小売を

主とする商取引に,商品の一部として又は商品をまとめて取り扱うために施す包装をいう。 

(5) 主成分の表示は,JIS K 6900又はISO 194に規定する略号表示をしてもよい。 

なお,でんぷんのりについては,主成分の表示を省略してもよい。 

S 6023-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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事務用のり専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

斉 藤 一 朗 

工業技術院製品科学研究所 

植 野 秀 昭 

財団法人日本文具検査協会 

中 村 晃 忠 

厚生省国立衛生試験所 

松 岡 寿 人 

財団法人日本文化用品安全試験所 

太 田   勇 

コニシ株式会社 

国 司 喬 伸 

不易糊工業株式会社 

小 松   隆 

ヤマト株式会社 

内 山 博 義 

積水樹脂株式会社 

松 野   豊 

ぺんてる株式会社草加工場 

若 井 武 司 

株式会社トンボ鉛筆 

太 田 美津子 

国民生活センター 

岡 本   巌 

社団法人用度需要者協会 

甲 斐 麗 子 

主婦連合会 

田 村 悠紀子 

消費科学連合会 

飛 田 恵理子 

全国地域婦人団体連絡協議会 

渡 辺   厚 

財団法人日本消費者協会 

斎 藤 有 常 

日本百貨店協会 

染 谷   昇 

日本チェーンストアー協会 

(事務局) 

工 藤 英 武 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

平 塚 智 章 

工業技術院標準部繊維化学規格課