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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義··················································································································· 1 

4 種類······························································································································· 3 

5 使用環境························································································································· 6 

6 品質······························································································································· 6 

6.1 外観 ···························································································································· 6 

6.2 性能 ···························································································································· 6 

7 試験方法························································································································· 9 

7.1 ろ過流量試験 ················································································································ 9 

7.2 浄水能力試験 ················································································································ 9 

7.3 最小動水圧試験 ············································································································· 9 

7.4 耐圧性能試験 ················································································································ 9 

7.5 水撃限界性能試験 ·········································································································· 9 

7.6 逆流防止性能試験 ·········································································································· 9 

7.7 操作性能試験 ················································································································ 9 

7.8 耐久性能試験 ··············································································································· 10 

7.9 耐寒性能試験 ··············································································································· 13 

7.10 浸出性能試験 ·············································································································· 13 

7.11 容量試験 ···················································································································· 14 

8 検査方法························································································································ 14 

9 こん(梱)包·················································································································· 15 

10 表示 ···························································································································· 15 

10.1 本体及び包装容器 ········································································································ 15 

10.2 取扱説明書 ················································································································· 15 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人浄水器協会(JWPA)及び一般

財団法人日本規格協会(JSA)から,団体規格[JWPAS B.100 (2011) 浄水器の製品に関する規格基準]

を基に作成した工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

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日本工業規格          JIS 

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家庭用浄水器 

Household water purifier 

序文 

家庭用浄水器は,1960年代日本経済が高度成長期にあった頃,水道水が臭うなど苦情が多発し,広く使

用するようになってきた。その後,生活環境の変化とともに水への志向も変化した。また,世界的な飲用

水の危機がけん(喧)伝されるようになって,浄水器への要求が多様になってきた。こうした市場背景に

対して家庭用浄水器の規格を制定した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,ろ材を用いて水道水中の溶存物質,濁りなどを減少させる機能をもつ水処理器具(以下,

浄水器という。)のうち,主に家庭用に使用する浄水器について規定する。ただし,ろ材として逆浸透膜(逆

浸透膜モジュール)を使用した浄水器及び水栓一体形浄水器は除く。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7505-1 アネロイド型圧力計−第1部:ブルドン管圧力計 

JIS S 3201 家庭用浄水器試験方法 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS S 3201によるほか,次による。 

3.1 

連続式浄水器(I形) 

給水栓などに接続して使用する浄水器で,得られた浄水がタンクなどに貯留されることなく浄水器から

連続的に供給されるもののうち,給水栓,その他の末端給水器具の一次側直近に取り付けて常時圧力が浄

水器に作用するもの。 

3.2 

連続式浄水器(II形) 

給水栓などに接続して使用する浄水器で,得られた浄水がタンクなどに貯留されることなく浄水器から

連続的に供給されるもののうち,給水栓,その他の末端給水器具の二次側に取り付けて常時圧力が浄水器

に作用しないもの。 

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3.3 

アンダーシンク形浄水器 

連続式浄水器で,浄水器本体を流し台などの下に取り付けるもの。 

3.4 

蛇口直結形浄水器 

連続式浄水器で,使用者が給水栓などの先端に浄水器本体を直接取り付けるもの。 

3.5 

据置形浄水器 

連続式浄水器で,使用者が給水栓などの先端と浄水器本体とをホースでつないで使用するもの。 

3.6 

水栓一体形浄水器 

連続式浄水器で,浄水カートリッジを給水栓に内蔵しているもの,又は給水栓と一体となっているもの。 

3.7 

ポット・ピッチャー形浄水器 

回分式浄水器のうち,給水栓に接続することなく,自然ろ過によってろ過水を得るもので,ろ過水受け

部をポット・ピッチャーとして使用するもの。 

3.8 

容量 

ポット・ピッチャー形浄水器において,1回に使用できるろ過水の容量[単位は,リットル(L)]。 

3.9 

一次側 

水の流れの中にある,浄水器などの対象とする器具に対し,流れの上流側。 

3.10 

二次側 

水の流れの中にある,浄水器などの対象とする器具に対し,流れの下流側。 

3.11 

流路切換機構 

原水及び浄水を切り換えて使うことができる浄水器において,その流路を切り換える機構(流路を切り

換えることによって,例えば,ストレート,シャワーなど流姿を切り換える機構を含む。)。 

3.12 

浄水流出設定 

流路切換機構をもつ浄水器のうち,原水及び浄水を切り換えるものにおいて,浄水を使用するための水

の流路の切換設定。 

3.13 

浄水カートリッジ 

浄水器を構成する部分のうち,ろ材・媒体を内蔵して主に浄水器の浄水性能を満足するための部分。通

常,定期的な交換を行う。浄水器の使用中に水圧がかかるため,耐圧性能,耐久性能を具備しなければな

らないものと,耐圧構造をもつ本体の中に収納されるために使用中に水圧がかからないため,耐圧性能,

耐久性能を具備する必要のないものがある。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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種類 

浄水器の種類は,表1による。それぞれの種類の浄水器の構造の例を,図1〜図6に示す。 

なお,図1〜図6の箱囲いの部分が,この規格の対象となる浄水器を示す。 

表1−浄水器の種類 

種類 

説明図 

連続式浄水器(I形) 

アンダーシンク形浄水器 

図1 

据置形浄水器 

図2 

連続式浄水器(II形) アンダーシンク形浄水器 

図3 

蛇口直結形浄水器 

図4 

据置形浄水器 

図5 

回分式浄水器 

ポット・ピッチャー形浄水器 

図6 

図1−連続式浄水器(I形)アンダーシンク形浄水器の例 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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図2−連続式浄水器(I形)据置形浄水器の例 

図3−連続式浄水器(II形)アンダーシンク形浄水器の例 

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図4−連続式浄水器(II形)蛇口直結形浄水器の例 

図5−連続式浄水器(II形)据置形浄水器の例 

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図6−ポット・ピッチャー形浄水器の例 

使用環境 

浄水器は,一般家庭における標準的な使用環境で使用することを意図しており,その標準的な使用環境

条件を,次に示す。 

a) 使用場所 屋内 

b) 使用水質 水道法(昭和32年法律第177号)に基づく水質基準に関する省令(平成15年厚生労働省

令第101号)に適合する水。通常は,最新の改正省令を参照することとする。 

c) 一般的仕様の場合の使用温度 0 ℃〜35 ℃とする。ただし,凍結してはならない。 

d) 寒冷地仕様の場合の使用温度に対する配慮 問題がないよう適切な凍結防止を行う。 

e) 水温 20 ℃±15 ℃とする。 

f) 

水圧 浄水器の最小動水圧から設定水圧までとする。 

品質 

6.1 

外観 

外観は,怪我をするようなばり,エッジなどがあってはならない。 

6.2 

性能 

この規格に規定した浄水器は,次の性能をもつものでなければならない。表1で示した浄水器の種類ご

とに満足しなければならない性能について,表2に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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表2−浄水器の種類ごとの性能項目 

連続式浄水器 

(I形)及び(II形) 

ポット・ピッチャー形 

浄水器 

適用試験箇条 

ろ過流量 

6.2.1.1 

6.2.1.1 

7.1 

浄水能力 

6.2.1.2 

6.2.1.2 

7.2 

除去性能 

6.2.1.2.1 

6.2.1.2.1 

7.2.1 

ろ過能力 

6.2.1.2.2 

6.2.1.2.2 

7.2.2 

最小動水圧 

6.2.2 

− 

7.3 

耐圧性能 

6.2.3 

7.4 

水撃限界性能 

6.2.4(7.5に規定しているものに限る。) 

7.5 

逆流防止性能 

6.2.5(7.6に規定しているものに限る。) 

7.6 

操作性能 

6.2.6 

7.7 

耐久性能 

6.2.7 

7.8 

耐寒性能 

6.2.8(耐寒性能をもつものに限る。) 

7.9 

浸出性能 

6.2.9 

6.2.9 

7.10 

容量 

− 

6.2.10 

7.11 

6.2.1 

ろ過性能 

6.2.1.1 

ろ過流量 

ろ過流量は,7.1によって試験したとき,測定した値が表示のろ過流量の−5 %以上でなければならない。 

6.2.1.2 

浄水能力 

浄水能力の表示をしている次のa)〜m) の物質については,6.2.1.2.1及び6.2.1.2.2の規定を満足しなけれ

ばならない。ただし,a) については必須とする。 

a) 遊離残留塩素 

b) 濁り 

c) クロロホルム 

d) ブロモジクロロメタン 

e) ジブロモクロロメタン 

f) 

ブロモホルム 

g) テトラクロロエチレン 

h) トリクロロエチレン 

i) 

1,1,1-トリクロロエタン 

j) 

総トリハロメタン 

k) 2-クロロ-4,6-ビスエチルアミノ-1,3,5-トリアジン(CAT) 

l) 

2-メチルイソボルネオール(2-MIB) 

m) 溶解性鉛 

6.2.1.2.1 

除去性能 

除去性能は,7.2.1によって試験したとき,除去率は80 %以上とする。 

6.2.1.2.2 

ろ過能力 

ろ過能力は,7.2.2によって試験したとき,濁りろ過能力を除き,除去率が80 %に低下するまでの総ろ

過水量を測定した値とする。ただし,濁りろ過能力は,ろ過流量が表示の値の1/2まで低下するまで又は

除去率が80 %に低下するまでのいずれか早い方の総ろ過水量を測定した値とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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6.2.2 

最小動水圧 

最小動水圧は,7.3によって試験したとき,一定のろ過流量を0.5 L/minとして圧力を測定した値が,表

示の使用可能な最小動水圧の+10 %以下となるものでなければならない。 

6.2.3 

耐圧性能 

耐圧性能は,7.4によって試験したとき,水漏れ,変形,破損,その他の異常があってはならない。また,

取付部の強度は,当該浄水器の使用方法に従った据付作業及び使用においても,水漏れ,脱落,破損,そ

の他の異常があってはならない。 

6.2.4 

水撃限界性能 

水撃限界性能は,7.5によって試験したとき,浄水カートリッジからのろ材の流出などの異常があっては

ならない。ただし,連続式浄水器(I形),及び一時止水機能のある浄水器に限る。 

6.2.5 

逆流防止性能 

逆流防止性能は,7.6によって試験したとき,流入側への水漏れ,変形,破損,その他の異常があっては

ならない。 

6.2.6 

操作性能 

操作性能は,7.7によって試験したとき,操作が円滑及び確実でなければならない。 

6.2.7 

耐久性能 

耐久性能は,7.8によって試験した後,表3に示す要求性能項目及び基準を満足しなければならない。 

なお,流路切換機構を備えるものについては,それが浄水器本体と一体であるかどうかを問わず,組み

合わせた状態で試験を行い評価しなければならない。ただし,耐圧性能をもたない浄水カートリッジ単体

については,耐久性能項目を満足しなくてもよい。 

また,一つの供試浄水器で耐久性能試験を行い,その後,表3に示す全ての要求性能項目及び基準を満

足しなければならない。 

表3−耐久性能項目及び基準 

浄水器の種類 

要求性能項目及び基準 

適用試験箇条 

連続式浄水器(I形) 

耐圧性能(6.2.3) 
水撃限界性能(6.2.4) 
逆流防止性能(6.2.5) 

7.8.1 

連続式
浄水器
(II形) 

アンダーシンク形浄水器 

耐圧性能(6.2.3) 
逆流防止性能(6.2.5) 
水撃限界性能(6.2.4)(ただし,一時止水
機能があるものに限る。) 

7.8.2 

蛇口直結形浄
水器 
据置形浄水器 

流路切換機構を備えたもの 

耐久性能試験を行った後,水漏れ,変形,
破損,その他の異常があってはならない。 
水撃限界性能(6.2.4)(ただし,一時止水
機能があるものに限る。) 

7.8.3 

耐圧性能をもつ浄水カート
リッジ単体,又は流路切換機
構を備えていないもの 

7.8.4 

6.2.8 

耐寒性能 

耐寒性能は,7.9によって試験したとき,水漏れ,変形,破損,その他の異常があってはならない。ただ

し,耐寒性能をもつものに限る。 

6.2.9 

浸出性能 

浸出性能は,7.10によって試験したとき,給水装置の構造及び材質の基準に関する省令(厚生省令第14

号)(以下,基準省令という。)の別表第一に示された浸出性能の基準表のうち,水栓その他給水装置の末

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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端に設置されている給水用具の浸出液に係る基準の項に示された各基準を満足しなければならない。ただ

し,使用材料の成分から明らかに浸出がないと判断できる浸出性能項目は,省略することができる。 

6.2.10 容量 

ポット・ピッチャー形浄水器の容量は,7.11によって試験したとき,表示された値を下回ってはならな

い。 

試験方法 

浄水器の試験方法は,次による。 

7.1 

ろ過流量試験 

JIS S 3201の6.1(ろ過流量試験)の規定によって,試験を行う。 

7.2 

浄水能力試験 

7.2.1 

除去性能試験 

JIS S 3201の6.4(除去性能試験)の規定によって,試験を行う。 

7.2.2 

ろ過能力試験 

JIS S 3201の6.5(ろ過能力試験)の規定によって,試験を行う。ただし,濁りろ過能力については,JIS 

S 3201の6.5.2(濁りろ過能力試験)の規定によって,試験を行う。 

7.3 

最小動水圧試験 

JIS S 3201の6.2(最小動水圧試験)の規定によって,試験を行う。 

7.4 

耐圧性能試験 

7.4.1 

連続式浄水器(I形)の場合 

基準省令に定める方法によって,試験を行う。 

7.4.2 

連続式浄水器(II形)の場合 

基準省令に定める方法によって,試験を行う。ただし,一次側の動水圧を0.35 MPaで保持しながら1

分間通水する。 

7.5 

水撃限界性能試験 

7.5.1 

連続式浄水器(I形)の場合 

基準省令に定める方法によって,試験を行う。ただし,水撃による上昇圧力は,1.5 MPa以下とする。 

7.5.2 

一時止水機能があるもの(使用中に一時的に止水する機能をもつもの)の場合 

基準省令に定める方法によって,その浄水器の表示のろ過流量で通水しながら,一時止水機能を急閉す

る。 

7.6 

逆流防止性能試験 

7.6.1 

連続式浄水器(I形)の場合 

基準省令に定める方法によって,3 kPa及び1.5 MPaの静水圧を各々1分間加える。 

7.6.2 

連続式浄水器(II形)のアンダーシンク形浄水器の場合 

基準省令に定める方法によって,3 kPa及び1.5 MPaの静水圧を各々1分間加える。 

7.6.3 

連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据置形浄水器(滞留水が500 mLを超えるもの)の

場合 

基準省令に定める方法によって,3 kPaの静水圧を1分間加える。 

7.7 

操作性能試験 

操作性能試験は,手動などの実使用に基づき,開閉・切換操作を行う。 

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7.8 

耐久性能試験 

耐久性能試験は,表4に従って行う。 

表4−浄水器の耐久性能試験の区分 

浄水器の種類 

対象部位 

適用試験箇条 

連続式浄水器(I形) 

本体 

7.8.1 

連続式浄水器(II形)のアンダーシンク形浄水器 本体(流路切換機構に給水栓を使

用しているものは給水栓を除く。) 

7.8.2 

連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据
置形浄水器 

本体に具備している流路切換機構 

7.8.3 

連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据
置形浄水器の浄水カートリッジ 
(流路切換機構を備えていない浄水器を含む。) 

耐圧性能をもつ浄水カートリッジ 

7.8.4 

7.8.1 

連続式浄水器(I形)の場合 

連続式浄水器(I形)の耐久性能試験は,次による。 

a) 試験装置 

1) 試験は,図7に示すような試験装置に,供試浄水器を通常の使用状態(垂直又は水平とする。)に取

り付けて行う。 

2) 圧力計は,JIS B 7505-1に規定するブルドン管圧力計(精度等級が1.6級以上の精度をもつもの。)

又は同等以上の精度のデジタル式の圧力計を用いる。 

  

圧力源

(水圧)

圧力計

供試浄水器

電磁弁

放流

図7−連続式浄水器(I形)の耐久性能試験装置の例 

b) 試験操作 

1) 圧力源の圧力条件を,供試浄水器の二次側の電磁弁を閉じたときの静水圧が,0.75 MPaとなるよう

に設定し,この圧力条件を維持しながら,供試浄水器に通水する。 

2) 供試浄水器への加圧及び減圧では,加圧時0.75 MPaの状態を2秒/回以上,15秒/回未満維持し,

減圧時は加圧の1/2以下の圧力まで下げる。この動作をもって1回とし,4回/分以上,30回/分

未満の頻度で,連続的に100 000回繰り返し負荷をかける。 

3) 100 000回の圧力負荷動作を行った後,当該浄水器に適用される耐圧性能試験,水撃限界性能試験及

び逆流防止性能試験を行う。 

4) 耐久性能に影響を及ぼさない,耐圧容器に内蔵した浄水カートリッジなどは,取り外して試験をし

てもよい。 

7.8.2 

連続式浄水器(II形)のアンダーシンク形浄水器の場合 

連続式浄水器(II形)のアンダーシンク形浄水器(流路切換機構に給水栓を使用しているものは給水栓

を除く。)の耐久性能試験は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試験装置 

1) 試験は,図8又は図9に示すような試験装置に,供試浄水器を通常の使用状態(垂直又は水平とす

る。)に取り付けて行う。 

2) 圧力計は,JIS B 7505-1に規定するブルドン管圧力計(精度等級が1.6級以上の精度をもつもの。)

又は同等以上の精度のデジタル式の圧力計を用いる。 

圧力源

(水圧)

圧力計

供試浄水器

切換操作

放流

図8−連続式浄水器(II形)のアンダーシンク形浄水器の耐久性能試験装置の例(1) 

圧力源

(水圧)

圧力計

供試浄水器

開閉弁

放流

図9−連続式浄水器(II形)のアンダーシンク形浄水器の耐久性能試験装置の例(2) 

b) 試験操作 

1) 供試浄水器の流路切換機構を浄水流出設定にし,供試浄水器の一次側の動水圧を0.35 MPaに設定

し,この圧力条件を維持しながら,供試浄水器に通水する。 

なお,0.35 MPaで表示のろ過流量の5.5倍を超える流量となるものについては,表示のろ過流量

の5.5倍の流量に調整した状態で試験を行う。 

2) 供試浄水器が具備している流路切換機構の浄水流出設定において0.35 MPaの状態とし,これを維持

して2秒/回以上,15秒/回未満の流路切換機構の切換えの操作を行う。この動作をもって1回と

して,4回/分以上,30回/分未満の頻度で,連続的に100 000回繰り返し負荷をかける(図8参

照)。 

なお,流路切換機構をもたない場合,この切換え操作は,供試浄水器の一次側に取り付けた開閉

弁によって行うものとする(図9参照)。 

3) 100 000回の圧力負荷動作を行った後,当該浄水器に適用される耐圧性能試験及び逆流防止性能試験

を行う。一時止水機能があるものは,水撃限界性能試験も行う。 

4) 耐久性能に影響を及ぼさない,耐圧容器に内蔵した浄水カートリッジなどは,取り外して試験をし

てもよい。 

7.8.3 

連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据置形浄水器の場合 

連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据置形浄水器に具備している流路切換機構に関する耐久

性能試験は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 試験装置 

1) 試験は,図10に示すような試験装置に,供試浄水器を通常の使用状態(垂直又は水平とする。)に

取り付けて行う。 

2) 圧力計は,JIS B 7505-1に規定するブルドン管圧力計(精度等級が1.6級以上の精度をもつもの。)

又は同等以上の精度のデジタル式の圧力計を用いる。 

圧力源

(水圧)

圧力計

供試浄水器

切換操作

放流

図10−連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据置形浄水器の耐久性能試験装置の例 

b) 試験操作 

1) 供試浄水器の流路切換機構を浄水流出設定にし,供試浄水器の一次側の動水圧を0.35 MPaに設定

し,この圧力条件を維持しながら,供試浄水器に通水する。 

なお,0.35 MPaで表示のろ過流量の5.5倍を超える流量となるものについては,表示のろ過流量

の5.5倍の流量に調整した状態で試験を行う。 

2) 供試浄水器が具備している流路切換機構の浄水流出設定において0.35 MPaの状態を維持して,2秒

/回以上,15秒/回未満の流路切換機構の切換えの操作を行う。この動作をもって1回として,4

回/分以上,30回/分未満の頻度で,連続的に30 000回繰り返し負荷をかける。また,ろ材及び浄

水器本体が一体の構造になっており,それ自体を交換するものについては,10 000回の操作とする。 

3) 所定回数の圧力負荷動作を行った後,一時止水機能があるものは,水撃限界性能試験も行う。 

4) 試験過程で浄水カートリッジの詰まりなどによる圧力上昇があり,試験条件の維持が困難な場合に

は,初期圧力損失レベルに合わせたダミーの浄水カートリッジを用いてもよい。 

7.8.4 

連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据置形浄水器の浄水カートリッジ(流路切換機構

を備えていない浄水器を含む)の場合 

連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据置形浄水器に具備している耐圧性能をもつ浄水カート

リッジに関する耐久性能試験は,次による。 

a) 試験装置 

1) 試験は,図11に示すような試験装置に,供試浄水器を通常の使用状態(垂直又は水平とする。)に

取り付けて行う。 

2) 圧力計は,JIS B 7505-1に規定するブルドン管圧力計(精度等級が1.6級以上の精度をもつもの。)

又は同等以上の精度のデジタル式の圧力計を用いる。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

圧力源

(水圧)

圧力計

供試浄水器

開閉弁

放流

図11−連続式浄水器(II形)の蛇口直結形浄水器及び据置形浄水器の浄水カートリッジ 

(流路切換機構をもたない浄水器を含む)の耐久性能試験装置の例 

b) 試験操作 

1) 供試浄水器の流路切換機構を浄水流出設定に固定し,供試浄水器の一次側の動水圧を0.35 MPaに設

定し,この圧力条件を維持しながら,供試浄水器に通水する。 

なお,0.35 MPaで表示のろ過流量の5.5倍を超える流量となるものについては,表示のろ過流量

の5.5倍の流量に調整した状態で試験を行う。 

2) 供試浄水器の一次側に取り付けた開閉弁について,0.35 MPaの状態維持して2秒/回以上,15秒/

回未満の開閉の操作を行う。この動作をもって1回として,4回/分以上,30回/分未満の頻度で,

ろ材取換え時期の目安の期間に1日当たり30回を乗じた回数について連続的に繰り返し負荷をかけ

る(図11参照)。 

3) 所定回数の圧力負荷動作を行った後,一時止水機能があるものは,水撃限界性能試験も行う。 

7.9 

耐寒性能試験 

製造業者が指定する凍結防止処置を行った後,基準省令に定める方法によって,試験を行う。 

7.10 浸出性能試験 

7.10.1 連続式浄水器の場合 

未使用のろ材が組み込まれた浄水器を,給水栓又は図12に示すような試験装置に接続し,当該浄水器の

使用方法によって初期通水後,基準省令に定める方法によって,ろ過水を採水し試料液とする。各操作時

の流量は,表示のろ過流量とする。 

なお,試料液の採水量は,浄水器内の滞水質量(Ma)とし,その滞水質量は水道水を満水にしたときの

供試浄水器の質量(Mf)から未使用時の供試浄水器の質量(Me)を差し引いて求める。 

e

f

a

M

M

M

=

ここに, 

Ma: 滞水質量(g) 

Mf: 満水時の質量(g) 

Me: 未使用時の質量(g) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図12−連続式浄水器の試験装置(例) 

7.10.2 ポット・ピッチャー形浄水器の場合 

未使用のろ材を組み込んだ浄水器を当該浄水器の使用方法によって初期通水後,基準省令に定める方法

に示された浸出液を通常の使用方法に従い,3回通水を繰り返す。再度,浸出液を通水し,水温を維持し

ながら16時間静置後にろ過水を採水し試料液とする。 

なお,試料液の採水量は,ろ過水全量とする。 

7.11 容量試験 

ポット・ピッチャー形浄水器の容量は,未使用のろ材を組み込んだ浄水器を当該浄水器の使用方法によ

って初期通水後,通常の使用方法の容量の水を給水タンクに注入し,ろ過水タンクに貯留したろ過水が給

水タンクの原水貯留部に接触しない水位において使用できるろ過水の容量を測定する。 

検査方法 

浄水器の検査は,形式検査1) と受渡検査2) とに区分し,検査の項目はそれぞれ次による。 

なお,形式検査及び受渡検査の抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。 

注1) 製品の品質が,設計で示した全ての特性を満足するかどうかを判定するための検査。 

2) 既に形式検査に合格したものと同じ設計・製造による製品の受渡しをする場合,必要と認める

特性が満足するものであるかどうかを判定するための検査。 

a) 形式検査項目 形式検査項目は,次による。 

なお,主要部材の仕様を変更した場合など,品質に変化がないと考えられる項目について省略する

ことができる。 

1) 外観(浄水器完成品及びそれを使用するための部材) 

2) ろ過流量 

3) ろ過能力 

4) 最小動水圧 

5) 耐圧性能 

6) 水撃限界性能 

7) 逆流防止性能 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8) 耐久性能 

9) 耐寒性能(耐寒性能をもつものに限る。) 

10) 浸出性能 

11) 容量(ポット・ピッチャー形浄水器に限る。) 

12) 表示 

b) 受渡検査項目 受渡検査項目は,次による。 

1) 外観(部材) 

2) 表示 

こん(梱)包 

浄水器の輸送・保管において,製品及びその品質が毀損しない包装及びこん(梱)包材でなければなら

ない。 

なお,輸送・保管の条件は,製造業者ごとに輸送ルート,輸送手段,保管環境及び保管期間を想定して

設定する。 

10 表示 

10.1 本体及び包装容器 

この規格の全ての要求事項に適合した浄水器には,本体又は包装容器の見やすい場所に容易に消えない

方法で次の事項を表示しなければならない。ただし,b) 及びj) は,浄水器本体にも表示しなければなら

ない。 

a) この規格の番号及び名称 

b) 製造業者名又はその略号及び住所又は電話番号 

c) 材料の種類 

d) ろ材の種類 

e) ろ過流量 

f) 

使用可能な最小動水圧 

g) 浄水能力 

h) ろ材の取換時期の目安 

i) 

容量(ポット・ピッチャー形浄水器に限る。) 

j) 

使用上の注意 

使用上の注意には,衛生のため,一定期間使用しない場合の適正な放流時間(水量)を適切な場所に表

示する。 

10.2 取扱説明書 

取扱説明書には,次の事項を含めなければならない。 

a) 使用方法に関する事項 

b) 使用上の注意に関する事項 

c) ろ過水の取扱に関する事項 

d) 製品の取付けがある場合は,取付けに関する事項 

e) 交換ろ材がある場合は,交換時期・交換方法に関する事項 

f) 

製品の日常の手入れに関する事項 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) 問題発生時の対応,アフターサービスに関する事項 

h) その他必要とする事項