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S 2043 : 2001

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本硝子

製品工業会  (GMAJ)  から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって JIS S 2043 : 1994

は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,前回改正後の口部強化技術の進展を考慮し,種類の追加などを行った。


日本工業規格

JIS

 S

2043

: 2001

ガラスコップ

Glass tumblers

1.

適用範囲  この規格は,ソーダ石灰ガラス製コップ(以下,ガラスコップという。)について規定する。

ただし,柄付き及び台付きのものを除く。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 1501

  玉軸受用鋼球

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

3.

種類  ガラスコップの種類は,次の 3 種類とする。

a)

普通  強化加工が施されていないもの。

b)

熱処理による口部強化  ガラスコップ開口部先端から底部に向かって,10mm 以上の熱処理による強

化加工が施されているもの。

c)

イオン交換処理による口部強化  ガラスコップ開口部先端から底部に向かって,10mm 以上のイオン

交換処理による強化加工が施されているもの。

4.

品質

4.1

外観  ガラスコップは,実用上差し支えるようなきず,脈理,泡,偏肉,異物,はみだしなどの欠

点が目立たず,すわりが良好でなければならない。また,窯業用絵の具による焼付加工は,ガラスコップ

の内面の全面及び外面の口部から 10mm 未満のところに施してはならない。ただし,鉛又はカドミウムを

添加していない金,銀,白金及びパラジウムを使用する焼付加工の場合は,この限りではない。

4.2

ひずみ  ひずみは,5.1 によって試験したとき,次の規定に適合しなければならない。

a)

普通  著しい干渉じまが認められてはならない。

b)

熱処理による口部強化  底部には著しい干渉じまが認められてはならない。また,開口部先端から底

部に向かって 10mm 以上の干渉じまが確認され,干渉じまは,開口部先端から底部に向かって徐々に

減少していなければならない。

c)

イオン交換処理による口部強化  底部には,著しい干渉じまが認められてはならない。また,開口部

先端から底部に向かって 10mm 以上の干渉じまが確認されなければならない。ただし,この干渉じま

の確認は,置換された成分の存在の確認によって代用してもよい。

4.3

衛生性  衛生性は,食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)に基づく食品,添加物の規格基準に適合

しなければならない。


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S 2043 : 2001

4.4

熱衝撃強さ  熱衝撃強さは,5.2 によって試験したとき,割れてはならない。

4.5

衝撃強さ  衝撃強さは,5.3 によって試験したとき,割れてはならない。

4.6

焼付加工  窯業用絵の具によって焼付加工を施したものは,5.4 によって試験したとき,次の規定に

適合しなければならない。

a)

外観(プリント面)に顕著な変色などの変化が生じてはならない。

b)

製品 1 個につき,溶出量が鉛 5mg 以下及びカドミウム 1mg 以下でなければならない。

4.7

容量  容量は,満量 (ml) で表し,5.5 によって試験したとき,許容差は表示値の±10%とする。

5.

試験方法

5.1

ひずみ  ひずみの試験は,次によって行う。

a)

普通  光学的方法による。

b)

熱処理による口部強化  光学的方法による。

c)

イオン交換処理による口部強化  光学的方法による。ただし,4.2c)のただし書きによる置換された成

分の存在の確認は,電子プローブマイクロアナライザなどによる。

参考  光学的方法には,光源を偏光板又は適切な反射板によって偏光させ,試験を行うガラスを透か

した後,偏光板又はこれに代わる装置を用いて観察することによってひずみを検査するひずみ

検査器又は偏光顕微鏡を用いる方法がある。

5.2

熱衝撃強さ  熱衝撃強さの試験は,次によって行う。

a)

低温側の水槽に水道水を入れ,温度を測定する。また,高温側の水槽中の水は,低温側の水の温度よ

り 35±2℃高く調整する。

b)

ガラスコップを高温側の水槽に 5 分間浸した後,取り出してガラスコップ中の水を取り除き,10 秒以

内に低温側の水槽に浸し,直ちに取り出して割れの有無を調べる。

5.3

衝撃強さ  衝撃強さの試験は,次によって行う。この場合,試験室の温度は,JIS K 0050 の 10.2(5)

に規定する室温とする。

a)

ガラスコップを

図 に示すように鋳物の台に固定した厚さ 30mm 以上,90°の角度をもつ V 字形のか

しの木又はこれと同等以上の堅さをもつものの上に置き,鋼球が落下する側面が水平になるように調

節する。

図 1  衝撃強さの試験におけるガラスコップの置き方

b)

ガラスコップの開口部先端から 5mm の位置に,それぞれ

表 に示す鋼球を 100mm の高さ(

1

)

から自然

落下させ,目視によってガラスコップの割れの有無を調べる。

(

1

)

高さとは,鋼球の下部からガラスコップ上の落下点までをいう。


3

S 2043 : 2001

表 1  衝撃強さの試験に使用する鋼球

種類

鋼球の大きさ

鋼球の質量

g

普通

JIS B 1501

に規定する呼び 3/4

(呼び直径 19.050 00mm)のもの

28

熱処理による口部強化

JIS B 1501

に規定する呼び 11/8

(呼び直径 28.575 00mm)のもの

95

イオン交換処理による

口部強化

JIS B 1501

に規定する呼び 11/8

(呼び直径 28.575 00mm)のもの

95

5.4

焼付加工  焼付加工の試験は,次によって行う。

a)

試験溶液の調製  試料(

2

)

を JIS K 0050 の 7.3(水)に規定する水でよく洗った後,適宜の大きさのビ

ーカーに入れ,試料の窯業用絵の具で装飾されている部分が完全に浸される量の 20±2℃の 4%酢酸を

加え,JIS K 0050 の 10.2(5)に規定する室温で 30 分間静置した後,試料を取り出したものを試験溶液

とする。

(

2

)

試料の形状,装飾の状態などによって試料をそのままで4%酢酸に浸すことが困難なときは,適

切な方法によって装飾の施されていない部分を除去することは差し支えない。

b)

鉛及びカドミウムの定量  試料溶液中の鉛及びカドミウムの定量は,JIS K 0121 による。

5.5

容量  容量の測定方法は,次のいずれかによる。

a)

ビュレットを用いる方法  図 に示すような試験器具を用い,試料を水平に設置し,ビュレットを用

い,満量容量板にむらなく接するまで水を入れ,コップに入った水の量を測定する。

b)

質量から容量を求める方法  図 に示すような試験器具を用い,試料を水平に設置し,ビュレットな

どを用い,満量容量板にむらなく接するまで水を入れ,コップ,水及び満量容量板の合計質量を量る。

この合計質量から水を入れないときのコップと満量容量板の質量を差し引いた水の質量の値 1g を 1ml

とみなし,容量に換算する。

図 2  容量測定器具


4

S 2043 : 2001

6.

検査方法  ガラスコップは,4.について検査を行う。この場合,検査は,全数検査又は合理的な抜取

検査方式によって行う。

7.

表示  製品には,本体又は最小包装単位ごとに,次の事項を表示しなければならない。

a)

普通の場合

1)

製造業者名又はその略号

2)

容量 (ml)

b)

熱処理による口部強化及びイオン交換処理による口部強化の場合

1)

製造業者名又はその略号

2)

容量 (ml)

3)

家庭用品品質表示法に基づく表示

JIS S 2043

  改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

辰  濃      隆

社団法人日本食品衛生協会

(委員)

萩  平  博  文

通商産業省生活産業局生活用品課

西  川  泰  蔵

工業技術院標準部標準業務課

塚  田  裕  久

通商産業省製品評価技術センター

井  上  博  之

東京大学工学部

岸  野  忠  信

財団法人日本規格協会

奥      利  江

主婦連合会

菱  木  純  子

全国地域婦人団体連絡協議会

佐  藤  政  司

国民生活センター

伊  藤  健  一

財団法人日本消費者協会

杉  浦  一  男

石塚硝子株式会社

柳  生  忠  義

佐々木硝子株式会社

吉  田  光  男

東洋ガラス株式会社

山  田  守  之

日本硝子食器工業会

(事務局)

小  川  晋  永

社団法人日本硝子製品工業会

吉  田  晃  雄

社団法人日本硝子製品工業会

備考  ○印は分科会委員