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日本工業規格

JIS

 S

2006

-1994

まほうびん

Vacuum bottles

1.

適用範囲  この規格は,一般に保温,保冷を目的としてガラス製真空二重びん(以下,中びんという。)

を用いた携帯用及び卓上用まほうびん並びに弁当用ジャー

(以下,

まほうびんという。

について規定する。

備考1.  中びんは,附属書による。

2.

この規格の引用規格を,次に示す。

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 3303

  ぶりき及びぶりき原板

JIS G 4305

  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS H 3100

  銅及び銅合金の板及び条

JIS H 4000

  アルミニウム及びアルミニウム合金の板及び条

JIS H 8617

  ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき

JIS K 6717

  メタクリル樹脂成形材料

JIS K 6744

  ポリ塩化ビニル被覆金属板

JIS L 0803

  染色堅ろう度試験用添付白布

JIS L 0848

  汗に対する染色堅ろう度試験方法

JIS R 3502

  化学分析用ガラス器具の試験方法

JIS S 2010

  アルミニウム板製品器物

JIS S 2029

  プラスチック製食器

JIS Z 1522

  セロハン粘着テープ

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

外装  本体,ふたを含む器具全体の外郭。

(2)

本体  中びんが装置された部分。

(3)

ふた(上ぶた)  本体に附属し,外装の一部を開閉する機能をもつ部分。

(4)

中栓  中びんの開口部を閉止する機能をもつ部分。

(5)

コップ  本体に附属して,まほうびんの内容物を入れる容器。

(6)

ジャー  中びんの内口径が胴径の

3

2

以上のもの。

(7)

自動栓  中びん又は口金に装置された中栓で,傾けることによって注水できる中栓。

(8)

注水機構  本体を持ち上げずに中びんの中の湯や水を注ぐことができる機能をもつ部分。


2

S 2006-1994

3.

種類  まほうびんの種類は,機種及び呼び容量(

1

)

によって区分し,

表 のとおりとする。

表 1  種類

種類

機種

呼び容量  l

主な使用目的

参考

0.31

0.48

0.75

携帯用まほうびん

0.88

主として屋外で使用されるもので,外装に

コップをもち,通常携帯用の下げひもなど
を付けたもの。

図 及び 
表 参照

1.0

1.3

1.6

一般式(

2

)

1.9

2.2

2.5

卓上用まほ
うびん

空気圧利用式(

3

)

3.0

主として屋内で使用されるもので,通常外
装にふた及びハンドル(取っ手)又はつり
手を付けたもの。

図 及び 
図 並びに
表 参照

0.9

1.1

1.4

1.5

弁当用ジャー

1.8

主として屋外で使用されるもので,中びん
に保護器(安全器)を付けて弁当用の米飯

などを保温するもの。

図 及び 
表 参照

(

1

)

呼び容量は,中びんの満水容量をいう。ただし,保護器(安全器)を使用したものは,使用した
ままの状態における容量を呼び容量という。

(

2

)

傾けて注水するもの。

(

3

)

空気圧を利用した注水機構をもつもので,プッシュ又はレバーを手で押すことによってベローズ
内の圧縮空気が水面を押して注水するもの。

4.

主要部の名称  まほうびんの主要部の名称は,図 1及び表 のとおりとする。

表 2  主要部の名称

番号

名称

コップ(外コップ)

コップ(内コップ)

ふた(上ぶた)

上ぶたロック

ヒンジ(丁番)

プッシュ又はレバー

ベローズ(じゃばら)

吸気口

排気口

中栓

中栓ゴム

揚水パイプ

揚水パイプ保護具(保護カバー)

給水パイプ

菜入れ

内容器(飯器,汁器)

保護器(安全器)

下げひも

ハンドル(取っ手)

つり手


3

S 2006-1994

番号

名称

21

かん

22

口金(プラスチック製の場合があ

る)

23

24

口ゴム

25

中びん

26

中びんカバー

27

28

29

締上げねじ

図 1  携帯用まほうびん(一例)


4

S 2006-1994

図 2  卓上用まほうびん一般式(一例)


5

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図 3  卓上用まほうびん空気圧利用式(一例)

図 4  弁当用ジャー(一例)


6

S 2006-1994

5.

性能

5.1

使用性能  まほうびんは,次の項目に適合しなければならない。

(1)

ねじ部のあるコップ,中栓及び開閉機構をもつ上ぶたは,その機能が確実に保持され,かつ,作動が

円滑であること。

(2)

注水時に,水が外装の内部に入ることなく,かつ,水切りは良好であること。

(3)

回転式の底をもつものは,その作動が円滑であること。

(4)

卓上用まほうびん空気圧利用式の注水機構は,その機能が確実に保持され,かつ,作動が円滑である

こと。

(5)

下げひものあるまほうびんは,下げひも及びその附属品は堅ろうで,使用中に容易に外れないこと。

(6)

弁当用ジャーのはし,スプーンなどは仕上げが良好で,ばり,かえりなどがないこと。

5.2

品質性能  まほうびんは,9.によって試験したとき,表 に適合しなければならない。

表 3  品質性能

項目

性能

試験方法

中栓の臭気及び内容湯の味  中栓に臭気がなく,かつ,内容湯に味がないこと。た

だし,臭気は,わずかに感知できるものは差し支えな
い。

9.3

保温効力

表 に適合すること。

9.4

携帯用まほうびん

9.5.1

卓上用まほうびん

9.5.2

耐衝撃性

弁当用ジャー

中びんに異常がないこと。

9.5.3

印刷塗装の密着性

碁盤目が 90 個以上残留すること。

9.6

鉄鋼素地上

ニッケル−クロムめっきを施した場合,めっきは光沢

が良好で,はん点数は 5 点/cm

2

未満であること。

9.7

めっき

プラスチック上

ニッケル−クロムめっきを施した場合,めっきは光沢

が良好で,碁盤目が 97 個以上残留すること。 
  また,めっき面に膨れを生じてはならない。

9.8.1 

及び

9.8.2

口ゴム及びその他のゴム製

品の耐熱水性(

4

)

粘りつき及び外観上の著しい変化がないこと。

9.9

容量

呼び容量の±5%であること。

9.10

転倒角度(

5

)

転倒しないこと。

9.11

ハンドル(取っ手)及びつり

手の取付け強度

異常がないこと。

9.12.1

強度

異常がないこと。

9.12.2

下げひも

染色堅ろう度

添付白布の汚染が 3 級以上であること。

9.13

転倒流水(

6

)

上ぶたロックが外れず,かつ,流水量が 40ml 以下で
あること。

9.14

自然吐出(

7

)

吐出しないこと。

9.15

注水機構の耐久性

注水機構の作動に著しい異常がなく,かつ,自然吐出

がないこと。

9.15

及び

9.16

携帯用まほうびん  湯の漏れがないこと。

9.17.1

湯漏れ

卓上用まほうびん  胴内部への湯の漏れがないこと。

9.17.2

(

4

)

口ゴム及びその他のゴム製品の耐熱水性は,内容物に触れる部分のゴム製品だけに適用す

る。

(

5

)

転倒角度は,卓上用まほうびんだけに適用する。

(

6

)

転倒流水は,携帯用まほうびん,自動栓をもつ卓上用まほうびん及び弁当用ジャーは除く。

(

7

)

自然吐出は,卓上用まほうびん空気圧利用式だけに適用する。 


7

S 2006-1994

表 4  保温効力

携帯用まほうびん

卓上用まほうびん

弁当用ジャー

保温効力℃

保温効力℃

呼び容量

中びんの

内口径 28mm

中びんの

内口径 31mm

中びんの

内口径 40mm

中びんの

内口径 45mm

中びんの

内口径 55mm

呼び容量

保温効力

0.31 40

以上

0.48 47

以上

0.75 55

以上

0.88 57

以上

0.9 55

以上

1.0 51

以上 50 以上 44 以上 1.1 60 以上

1.3 56

以上 55 以上 1.4

1.6 59

以上 58 以上 1.5

64

以上

1.9 61

以上

1.8 68

以上

2.2 63

以上 62 以上

2.5

3.0

64

以上 63 以上

6.

構造

6.1

一般構造  まほうびんの一般構造は,次の項目に適合しなければならない。

(1)

構造は,安全上欠点がないこと。

(2)

外装の形状は均整で,接合,組合せ,はめ合い状態が良好であること。

(3)

外装に使用するハンドル(取っ手)

,つり手,下げひも,びょうなどは堅ろうで,容易に外れないこと。

(4)

外装に耐食処理を必要とする材料を用いた場合は,表面に樹脂加工,印刷塗装,めっきなどの耐食処

理を施し,また,鉄鋼素地のものは,内面にさび止めを施してあること。

(5)

中びんは,正常に固定され,安定していること。

(6)

製品のすわりは,良好であること。

6.2

機種別構造

6.2.1

携帯用まほうびん  携帯用まほうびんの構造は,次のとおりとする。

(1)

底の取付けは,堅ろうであること。

(2)

下げひもの付いたものは,

図 5(1)のようにひもの長さを測定し,40cm 以上で,かつ,長短を調節でき

ること。

6.2.2

卓上用まほうびん  卓上用まほうびんの構造は,次のとおりとする。

(1)

一般式

(a)

中栓の注ぎ口表示は見やすく,容易に消えないこと。

(b)

底の緩みを防止する緩み止めねじが付いていること。

(2)

空気圧利用式

(a)

底の緩みを防止する緩み止めねじが付いていること。

(b)

プッシュ又はレバーの誤使用を防止するロック装置が付いていること。

(c)

金属製の揚水パイプには,揚水パイプ保護具(保護カバー)が付いていること。

6.2.3

弁当用ジャー  弁当用ジャーの構造は,次のとおりとする。

(1)

保護器(安全器)は,容易に外れない構造であること。

(2)

上ぶたの着脱が容易で,振動などによって容易に外れない構造であること。


8

S 2006-1994

(3)

下げひもの付いたものは,

図 5(2)のようにひもの長さを測定し,40cm 以上で,かつ,長短を調節でき

ること。

(4)

内容器(飯器,汁器)は,本体からの着脱が容易であり,汁器は,内容物が漏れにくい構造であるこ

と。

図 5  下げひもの長さの測定方法

7.

外観及び附属品

7.1

外観  塗装,めっき,ほうろう及びその他の表面処理の仕上げは良好で,使用上支障がある欠点や,

きず,むらなどの醜い欠点があってはならない。

7.2

附属品  弁当用ジャーには,菜入れ,はし又はスプーンなどが付いていなければならない。

8.

材料  まほうびんに使用する材料は,次の項目に適合しなければならない。

なお,通常の使用状態において,食品に接する部分に用いる材料は,食品衛生法(昭和 22 年法律第 233

号)に基づく食品,添加物等の規格基準の規定に適合するものでなければならない。

(1)

外装  胴,肩,底,上ぶた及び口金に使用する材料並びにその厚さは,原則として表 による。ただ

し,これ以外の材料を使用する場合は,

表 に規定する材料又はこれらと同等以上の強さのあるもの

を使用しなければならない。


9

S 2006-1994

表 5  使用材料及びその厚さ

呼び厚さ  mm

携帯用及び卓上用まほうびん

使用材料

1.3

λ以下

のもの

1.6

λ以上

のもの

弁当用ジャー

JIS G 3303

に規定する電気めっき 2.8/2.8 以上

のぶりき又はぶりき原板

0.25

以上 0.3 以上 0.3 以上

JIS G 3141

に規定する鋼板又は鋼帯 0.25 以上 0.3 以上 0.3 以上

JIS G 4305

に規定する鋼板又は鋼帯 0.25 以上 0.3 以上 0.3 以上

JIS K 6744

に規定するポリ塩化ビニル被覆金

属板(

8

)

0.25

以上 0.28 以上 0.25 以上

JIS H 3100

に規定する板又は条 0.3 以上 0.3 以上 0.3 以上

JIS H 4000

に規定する板又は条 0.3 以上 0.3 以上 0.4 以上

JIS K 6717

に規定する材料を使用した成形品

0.5

以上 1.0 以上 1.0 以上

(

8

)

ポリ塩化ビニル被覆金属板は,下地金属の厚さをいう。

(2)

中栓,口金,コップ,菜入れ,はし,スプーン,内容器(飯器,汁器),保護器(安全器)  これら

に使用する材料は,次の項目に適合するもの又はこれらと同等以上の品質をもつものとする。

(a)

プラスチック製のもの  JIS S 2029 に規定するもの。

(b)

アルミニウム製のもの  JIS S 2010 に規定するもの。

(c)

ステンレス鋼製のもの  JIS G 4305 に規定するもの。

(3)

口ゴム及び中栓ゴム  これらに使用する材料は,耐熱水性をもつ合成ゴムとする。

9.

試験方法

9.1

試験の一般条件  試験の一般条件は,特に規定しない限り,JIS Z 8703 に規定する常温,常湿[温

度 20±15℃,相対湿度 (65±20) %]で行う。

9.2

数値の丸め方  試験結果は,規定の数値より 1 けた下の位まで求めて,JIS Z 8401 によって丸める。

9.3

中栓の臭気及び内容湯の味  中栓の臭気及び内容湯の味の試験は,まほうびんに 95±1℃の熱湯を満

たし,十分に洗浄した中栓を施して約 30 分間放置した後,開栓して,中栓の臭気の程度及び内容湯の味の

有無を調べる。ただし,臭気は,わずかに感知できるものは“臭気がない”とする。

なお,判定は,5 名中 3 名以上が臭気及び味を感じないとき“中栓に臭気がなく,かつ,内容湯に味が

ない”とする。

9.4

保温効力  保温効力の試験は,次のとおり行う。

(1)

室温が 20±2℃で無風に近い状態の部屋に 2 時間以上開栓をして放置したまほうびんの中びん[保護

器(安全器)を持つものは,保護器(安全器)

]に,中栓を施したときの中栓の最下端部まで沸騰水を

入れ,湯の温度が 95±1℃になったときに中栓をする。

(2)

通常使用される状態(

9

)

で 24 時間放置したときの内容湯の温度を測定する。ただし,弁当用ジャーの放

置時間は 6 時間とする。

(

9

)

通常使用される状態とは,中栓,コップ,ふた,附属品などを取り付けた状態で鉛直に置いた

状態をいい,ねじ締めによって固定される中栓をもつものは,中栓を100N・cm で締め付けるこ

ととする。

なお,締め付ける器具は,当分の間,締め付ける力が従来単位によって表示されたものを使

用してもよい。この場合,締め付ける力は,10kgf・cm とする。


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S 2006-1994

9.5

耐衝撃性

9.5.1

携帯用まほうびん  携帯用まほうびんの耐衝撃性の試験は,常温において携帯用まほうびんに満水

容量の水を入れ,通常使用される状態(

9

)

から

図 6(1)のように,下げひもを 40cm にして 30°の位置に持ち

上げ,鉛直に固定した厚さ 3cm 以上の硬質の木板に衝突させて中びんの異常の有無を調べる。

9.5.2

卓上用まほうびん  卓上用まほうびんの耐衝撃性試験は,常温において卓上用まほうびんに満水容

量の水を入れ,通常使用される状態(

9

)

にして

図 6(2)のように,10cm の高さから垂直状態で水平に固定した

厚さ 3cm 以上の硬質の木板上に落下させ,中びんの異常の有無を調べる。

9.5.3

弁当用ジャー  弁当用ジャーの耐衝撃性試験は,常温において,弁当用ジャーに通常使用される状

(

9

)

にして内容物を入れ,

図 6(3)のように,下げひもの長さを 40cm にして 30°の位置に持ち上げ,鉛直

に固定した厚さ 3cm 以上の硬質の木板に衝突させて,中びんの異常の有無を調べる。

図 6  耐衝撃性試験


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S 2006-1994

図 6  (続き)

9.6

印刷塗装の密着性  印刷塗装の密着性の試験は,試験片の印刷塗装面に,鋭利な刃物で角度約 30°

で素地に達する 1mm

2

の碁盤目 100 個 (10×10)  をつくり,その上に JIS Z 1522 に規定するセロハン粘着

テープをはり付け,表面に直角に一気に引き離して,はく離しないで残留する碁盤目の個数を求める。た

だし,文字及び装飾を目的とした部分は除く。

9.7

鉄鋼素地上のめっき  鉄鋼素地上のめっきの試験は,JIS H 8617 の 7.4(3)(フェロキシル試験)によ

って行う。

9.8

プラスチック上のめっき

9.8.1

密着性  密着性の試験は,試験片のめっき面に,鋭利な刃物で角度約 30°で,素地に達する 1mm

2

の碁盤目 100 個 (10×10)  をつくり,その上に JIS Z 1522 に規定するセロハン粘着テープをはり付け,表

面に直角に一気に引き離して,はく離しないで残留する碁盤目の個数を求める。

9.8.2

ヒートサイクル  ヒートサイクルの試験は,試料を約 70℃で 1 時間放置し,その後,常温で 30 分

間放置する。次に,0℃で 1 時間放置し,再び常温で 30 分間放置する。以上の操作を 1 サイクルとして 3

サイクル行った後,めっき面の状態を目視によって調べる。

9.9

口ゴム及びその他のゴム製品の耐熱水性  口ゴム及びその他のゴム製品の耐熱水性の試験は,試料

図 に示すような,還流冷却器を取り付けた容器に入れ,4 時間煮沸した後取り出し,粘りつきの有無

を調べる。さらに,常温で 2 時間放置した後,外観上の変化を目視で調べる。


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S 2006-1994

図 7  口ゴム及びその他のゴム製品の耐熱水性試験

9.10

容量  容量の試験は,まほうびんの中びんの口頭部まで水を入れたときの製品の質量から,水を入

れない製品の質量を差し引いた値を容量換算(1g を 1ml とみなす。

)して,その製品の容量を求め,表示

された容量との差の百分率を求める。この場合,保護器(安全器)の外せないものは,保護器を付けたま

ま行うものとする。

9.11

転倒角度  転倒角度の試験は,すべり止めを施した平らな木板を,水平から 15°に傾け,その上に

水を満水容量入れ,通常使用する状態にしたまほうびんを静かに置き,転倒の有無を調べる。

9.12

ハンドル(取っ手)及びつり手の取付け強度並びに下げひも強度

9.12.1

ハンドル(取っ手)及びつり手の取付け強度  ハンドル(取っ手)及びつり手の取付け強度の試験

は,まほうびんに水を満たして,中栓及び附属品を取り付けたときの質量をはかり,おもりをかけるとき

は,その質量の約 6 倍のおもりを,引張試験機を用いるときは,その質量の約 6 倍に相当する荷重を本体

に 5 分間,静かにかけ,異常の有無を調べる。

備考  引張試験機は,当分の間,荷重が従来単位によって表示されたものを使用してもよい。

9.12.2

下げひも強度  下げひも強度の試験は,まほうびんに水を満たして,中栓及び附属品を取り付けた

ときの質量をはかり,その約 10 倍のおもりを,引張試験機を用いるときは,その質量の約 10 倍に相当す

る荷重を本体に 5 分間,

図 のように静かにかけ,異常の有無を調べる。ただし,下げひもの長さを調節

できるものは,その長さを最大にして試験するものとする。

備考  引張試験機は,当分の間,荷重が従来単位によって表示されたものを使用してもよい。


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S 2006-1994

図 8  下げひも強度試験

9.13

下げひもの染色堅ろう度  下げひもの染色堅ろう度の試験は,JIS L 0848 の A 法によって行う。た

だし,この場合の試験は,JIS L 0803 に規定するナイロンを第 1 添付白布とし,綿を第 2 添付白布として

行うものとする。

9.14

転倒流水  転倒流水の試験は,90℃以上の湯を満水にしたまほうびんを水平な木板上に置き,注ぎ

口を斜め下に向け,その口が板上から約 10cm の高さになるまで傾け,手を放して倒した後 10 秒間に流出

した湯の量を測定する。

9.15

自然吐出  自然吐出の試験は,卓上用まほうびん(空気圧利用式)に 90℃以上の湯を半量入れ,底

を支点として左右方向に全振幅 10cm,毎分 100 回の速度で 10 秒間円弧動に揺すり,給水パイプから湯が

吐出するかどうか調べる。

9.16

注水機構の耐久性  注水機構の耐久性の試験は,空気圧利用式の卓上用まほうびんから揚水パイプ

を取り除き,

図 に示すように空気圧利用式の卓上用まほうびんと容器(水槽,メスシリンダーなど)を

置く。

次に,毎分 6 回の速度で押す操作(レバー式のものはレバー操作)ができる試験機を用いて,10 000 回

押す操作(又はレバー操作)を繰り返した後,注水機構の異常及び 9.15 の自然吐出の有無を調べる。


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図 9  注水機構の耐久性試験

9.17

湯漏れ

9.17.1

携帯用まほうびんの湯漏れ  携帯用まほうびんの湯漏れの試験は,携帯用まほうびんに 90℃以上

の湯を容量の約 50%入れ,通常使用される状態(

9

)

にし,口を上にして上下に大きく 10 回振った後,内外

コップを取り去り,湯漏れの有無を調べる。

9.17.2

卓上用まほうびんの湯漏れ  卓上用まほうびんの湯漏れの試験は,卓上用まほうびんの口ゴム上部

まで 90℃以上の湯を満たし,約 30 分間放置した後,湯を捨て,底及び中びんを取り外して胴内部への湯

漏れの有無を調べる。

10.

検査方法

10.1

形式検査  まほうびんは,新しく設計,改造又は生産技術条件が変更されたときに,次の検査を行

わなければならない。

(1)

試料のとり方及び大きさは,最初の製造ロットからランダムに 2 個以上の試料をとる。

(2)

検査項目は,5.及び 6.とする。

(3)

試験方法は,9.による。

(4)

合否の判定基準は,試料のすべてが 5.及び 6.に適合したとき合格とする。

10.2

製品検査  まほうびんは,次の項目について検査を行う。この場合,検査は,全数検査又は合理的

な抜取検査方式によって行う。

(1)

外観

(2)

保温効力

(3)

使用性能

10.3

記録  検査を行ったときには,次の記録を保管しなければならない。

(1)

形式検査の場合

(a)

検査機関名


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(b)

検査担当者名

(c)

検査年月日

(d)

検査条件

(e)

検査結果

(f)

表示事項及び取扱説明書の確認結果

(2)

製品検査の場合

(a)

検査年月日

(b)

検査担当者名

(c)

検査方式(ロットの大きさ,試料の大きさ,合否の判定基準)

(d)

検査条件

(e)

検査結果

11.

表示  まほうびんには,次の事項を表示しなければならない。

なお,(1)は,(3)によって表示される場合に限り省略してもよい。

(1)

製造業者名又はその略号

(2)

製造年月又はその略号

(3)

家庭用品品質表示法に基づく表示

参考  家庭用品品質表示法による表示項目は,次のとおりである。

(1)

品名

(2)

容量

(3)

保温効力

(4)

附属容器の耐熱温度及び耐冷温度(合成樹脂製の附属容器を有する弁当用のジャーに限る。

(5)

材料の種類

(6)

使用上の注意

(7)

表示した者の氏名若しくは名称又は承認番号

12.

取扱上の注意事項  まほうびんには,取扱説明書などに次の事項を記載しなければならない。ただし,

該当しない事項は,これを省略してもよい。

なお,記載事項の主旨を変えない範囲であれば,その表現は自由とする。

(1)

熱湯を注入した場合,特に転倒させないこと

(2)

洗浄に際しての注意事項(磨き粉などガラスにきずのつきやすいもので洗わないなどの洗浄上の注意

及びその要領)

(3)

フレークスが発生した場合の注意事項

(4)

中栓の取り替えについての注意事項

(5)

製造業者名及びその所在地又は連絡先

(6)

その他,必要とする事項


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S 2006-1994

附属書  中びん

1.

適用範囲  この附属書は,まほうびんに使用する中びん(以下,中びんという。)について規定する。

2.

種類  中びんの種類は,中びんの呼び容量(

1

)

及び形状(

2

)

によって

附属書表 のとおりとする。

(

1

)

中びんの呼び容量は,満水容量をいう。

なお,容量の許容差は±5%とし,測定方法は質量法(本体 9.10 参照)とする。

(

2

)

中びんの形状は,内口径が胴径の

3

.

2

以上のものを弁当用ジャーの中びんとし,その他は内口径

の寸法 (mm) による。

なお,内口径の許容差は,弁当用ジャーの中びんでは±1.5mm,その他では±1mm とする。

附属書表 1  種類

携帯用まほうびんの中びん

卓上用まほうびんの中びん

弁当用ジャーの中びん

中びんの内口径

mm

中びんの内口径

mm

中びんの内口径

mm

中びんの

呼び容量

l

28 31 40 45 55

中びんの

呼び容量

l

104

112 117 123

0.31

0.48

0.75

0.88

1.0

○ 1.0

1.3

○ 1.2

1.6

○ 1.6

1.9

1.7

2.2

○ 2.0

2.5

3.0

3.

主要部の名称  中びんの主要部の名称は,附属書図 及び附属書図 並びに附属書表 による。


17

S 2006-1994

附属書図 1  携帯用まほうびん及び 

卓上用まほうびんの中びん 

附属書図 2  弁当用ジャーの中びん

附属書表 2  主要部の名称

番号

名称

外びん

内びん

チップ

マット

内口径

胴径

4.

品質

4.1

外観  中びんの外観は,次のとおりとする。

(1)

形状が均整で,肉周りが平均しており,めっきは,良好でなければならない。

(2)

ひずみは,ひずみ検査器によって干渉色が著しく現れないこと。

(3)

内びん,外びんとも不溶解物がなく,あわ,すじが目立たないこと。

4.2

食品衛生法(昭和 22 年法律第 233 号)に基づく食品,添加物等の規格基準の規定に適合するもので

あること。

4.3

耐熱性  中びんは,7.1 の試験をしたとき,き裂を生じてはならない。

4.4

保温効力  中びんは,7.1 の試験をしたとき,附属書表 の規定に適合しなければならない。


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S 2006-1994

附属書表 3  保温効力

携帯用まほうびんの中びん

卓上用まほうびんの中びん

弁当用ジャーの中びん

保温効力  ℃

保温効力  ℃

中びんの

呼び容量

l

中びんの

内口径

28mm

中びんの

内口径

31mm

中びんの

内口径

40mm

中びんの

内口径

45mm

中びんの

内口径

55mm

中びんの

呼び容量

保温効力  ℃

0.31 43

以上

0.48 50

以上

0.75 58

以上

0.88 60

以上

1.0 54

以上 53 以上 49 以上 1.0 64 以上

1.3 59

以上 58 以上 1.2

70

以上

1.6 62

以上 61 以上 1.6

1.9 64

以上

1.7

73

以上

2.2 66

以上 65 以上 2.0 75 以上

2.5

3.0

67

以上 66 以上

5.

構造  中びんの構造は,次の項目に適合しなければならない。

(1)

中びんの構造は,真空面にめっきしたガラス製真空二重びんとする。

(2)

中びんの質量は,

附属書表 のとおりとする。

附属書表 4  質量

携帯用まほうびんの中びん

卓上用まほうびんの中びん

弁当用ジャーの中びん

質量 g

質量 g

中びんの 
呼び容量

l

中びんの

内口径

28mm

中びんの

内口径

31mm

中びんの

内口径

40mm

中びんの

内口径

45mm

中びんの

内口径

55mm

中びんの 
呼び容量

l

質量 g

0.31 130

以上

0.48 170

以上

0.75 250

以上

0.88 260

以上

1.0 270

以上 270 以上 270 以上 1.0 300 以上

1.3 350

以上 350 以上 1.2

350

以上

1.6 400

以上 400 以上 1.6

430

以上

1.9 450

以上

1.7 450

以上

2.2 500

以上 500 以上 2.0 480 以上

2.5 550

以上 550 以上

3.0

600

以上 600 以上

6.

材料  中びんの内びん及び外びん(内びんと外びんが分離した状態のもの)は,次の規定に適合しな

ければならない。

(1)  7.2

のアルカリ溶出試験をしたとき,アルカリ溶出量が一酸化ナトリウム (Na

2

O)

として 0.1mg 以下で

あること。

(2)

平均熱膨張係数は,60×10

-7

/

℃以下のものであること。

(3)

原料としてほうけい酸ガラスを用いていること。


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S 2006-1994

7.

試験方法

7.1

耐熱・保温試験  耐熱・保温試験は,室温 20±2℃に 2 時間以上放置した中びんに沸騰水を満水容量

まで注入し,その衝撃によるき裂の有無を調べ,次に,湯の温度が 95±1℃になったとき密栓(

3

)

をして,

無風に近い状態で 24 時間放置し,内容湯の温度を測定する。ただし,弁当用ジャーの中びんの放置時間は

6

時間とする。

(

3

)

密栓は,

附属書図3に示す栓とする。

附属書図 3  密栓

7.2

アルカリ溶出試験  アルカリ溶出試験は,ガラス生地を JIS R 3502 の 3.1(アルカリ溶出試験)に規

定する方法によって行う。

8.

検査方法  中びんは,4.及び 5.について検査を行う。この場合,検査は,全数検査又は合理的な抜取

検査方式によって行う。

9.

表示  中びんには,その表面に次の事項を表示しなければならない。

(1)

呼び容量又はその略号

(2)

製造年月日又はその略号

(3)

製造業者名又はその略号


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S 2006-1994

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

山  下  博  志

工業技術院大阪工業技術試験所

(委員)

高  松      明

通商産業省生活産業局

地  崎      修

工業技術院標準部

村  上  義  則

通商産業省通商産業検査所大阪支所

四  方  光  市

財団法人日本文化用品安全試験所大阪事業所

田  中  信  守

全国魔法瓶工業組合

曽  谷  明  和

象印マホービン株式会社

松  下  義  平

タイガー魔法瓶株式会社

岩  本  吉  弘

オルゴ株式会社

田  辺      秀

ダイヤモンド魔法瓶工業株式会社

桜  井  啓  吉

兵庫県立生活科学研究所

八  木  繁  子

吉  村  幸  子

大阪府地域婦人団体協議会

松  本  房  子

大阪市地域婦人団体協議会

荻  野  正  一

財団法人関西消費者協会

西  野  正  美

近畿百貨店協会

遠  藤  英  機

日本チェーンストア協会関西支部

(事務局)

藤  田  志  郎

全国魔法瓶工業組合