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S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定は,対応国際規格である ISO 7173 に整合を図り,国際一致規格にすることを目的として行わ

れた。

JIS S 1203

には,次に示す附属書がある。

附属書  座面及び背もたれの負荷位置の求め


日本工業規格

JIS

 S

1203

: 1998

 (I

7173

: 1989

)

家具−いす及びスツール−

強度と耐久性の試験方法

Furniture

−Chairs and stools−

Determination of strength and durability

序文 

この規格は,

1989

年第 1 版として発行された ISO 7173 (Furniture−Chairs and stools−Determination of strength

and durability)

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲

この規格は,あらゆる種類のいす及びスツールの強度及び耐久性を評価するための試験方法について規

定する。特殊ないす及び特定分野で使用するいすについては,ここに規定する以外の試験を追加しなけれ

ばならないこともある。それらの試験方法については,将来の規格で規定することになる。

備考  この規格では,プーフ(円形のクッションのようなスツール)はスツールとみなす。

この規格は,経時変化及び劣化の評価については規定しない。また,ここに規定する試験は,詰物,い

す張り材料のクッション材の耐久性を評価するためのものではない。

この規格は,リクライニングチェア又は可傾いすを傾斜させた状態の試験については規定しない。

ここに規定する試験は,完全に組み立てられ,使用可能な状態にあるいす及びスツールについて実施す

るように計画されている。

試験で用いる力及び寸法は,成人用のいす及びスツールに適用するものである。

ここに規定する試験は,通常起こり得る誤用を含む標準的な使用を想定し,それらの状況に相当する荷

重又は力を,試験対象部位の様々な部分に加えるものである。

これらの試験は,材料,設計,構造又は製造工程には関係なく,特性を評価できるように計画されてい

る。

試験結果は,試験された製品についてだけ有効とする。試験結果を他の類似製品にも適用することを目

的とする場合には,試験体は類似製品を代表するものが望ましい。

製品の設計がこの規格で規定する試験手順に適していない場合でも,試験は可能な範囲でこの規格の規

定どおりに実施することが望ましいが,この規格と異なる手順で試験を行った場合には,その内容を試験

報告書にまとめて記述しなければならない。

この規格の試験は,試験対象部位が意図された環境において満足のいく使用ができるものであるかどう

かを実証するものであって,常習的に誤用,一般的な使用期間を超えた長期にわたって使用,又は体重が

100kg

を超える人が頻繁に使用することによって構造上の故障が生じないことを保証するものではない。


2

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

2.

引用規格

ISO 48

  Vulcanized rubbers−Determination of hardness (Hardness between 30 and 85 IRHD)

ISO 554

  Standard atmospheres for conditioning and/or testing−Specifications

ISO 2439

  Polymeric materials, cellular flexible−Determination of hardness (indentation technique)

3.

定義

この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

3.1

強度試験(7.17.4 及び 7.77.13 を参照。)

3.1.1

静的試験

いす及びスツールが,通常加わり得る最大の力のもとで,いす及びスツールとしての機能を発揮できる

十分な強度を備えていることを確認するために,重負荷を数回加える試験。

3.1.2

衝撃試験

ときどき加わる急激な力のもとで,いす及びスツールの強度を評価する試験。

3.2

耐久性試験

長期間にわたる使用中に反復的に起こるすべての部位の動きを模擬的に作り,その状況のもとでのいす

及びスツールの強度を評価する試験(7.5 及び 7.6 を参照)

4.

試験方法

試験方法は,次の二とおりとする。

4.1

強度及び耐久性の性能を求めるために,破損が生じるまで種々の試験値を順に変化させて行う試験

方法

4.2

一定の要求性能に適合することを確認するために,要求性能に応じた試験値で行う試験方法

備考  試験の要約を,表に示す。

5.

一般試験条件

5.1

準備

いずれの試験においても試験体は,製造してから必要十分な期間を経て,本来の製品としての性能に達

したものでなければならない。木材を接着している場合は,製造から試験までの間に,通常の室内条件の

もとで少なくとも 4 週間は経過していなければならない。また,既存の欠陥は試験前に記録するが,その

内容については,8.を参照する。

状態調節のために標準環境を用いる場合には,ISO 554 に従い,温度 23±2℃,相対湿度(50±5)%でなけ

ればならない。

いす及びスツールは,引き渡された状態のままで試験を行う。組立て式のものは,説明書に従って組み

立てた状態で試験を行う。いす及びスツールを何とおりかに組み立て又は組み合わせることが可能な場合

には,その最も不利な状態で各試験を行う。組立用結合金具は,試験前にすべて締め付けておかなければ

ならない。

5.2

力の加え方

強度試験においては,試験体に動的な荷重を発生させないように,力を十分にゆっくりと加えなければ

ならない。耐久性試験においては,試験による発熱が起こらないように,力を十分にゆっくりと加えなけ

ればならない。試験は,毎分最高 6 サイクルの速さで実施することが望ましい。


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S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

5.3

負荷

負荷は,力を加える回数又は加える力の大きさによって変化させる。参考のために製品本来の最終用途

に基づく 5 段階の試験区分を

表 に示す。

5.4

試験条件

試験結果は,試験装置に依存しないから,別に規定がない限り,試験は,それぞれの試験に適したもの

であればいかなる装置を用いてもよい。ただし,衝撃試験については,6.8 及び 6.9 に規定する装置を用い

なければならない。座面に力を加える装置は,いすが転倒するのを妨げたり,背荷重を加えたときにいす

が水平に移動するのを妨げないものが望ましい。

別に規定がない限り,力の許容差はすべて±5%,質量の許容差はすべて±0.5%,寸法の許容差はすべて

±0.5mm とする。

5.5

試験の順序

すべての試験は同一試験体に対して,この規格に規定する順序で行わなければならない。

6.

試験環境及び試験装置

6.1

床面

床面は,水平で平たん(担)な面とする。落下試験(7.13)では,ISO 48 による硬さ 97IRHD で,厚さが

2mm

のゴムマットをコンクリート面上に敷く。

6.2

ストッパ

ストッパは,試験体が移動しないようにするためのもので,転倒するのを防止するものであってはなら

ない。ストッパの高さは 12mm 以下とするが,試験体の構造によって 12mm より高いストッパを必要とす

る場合には,試験体が滑るのを防止するために必要な最小限の高さでなければならない。

6.3

座面当て板

表面が硬く,滑らかな自然な形をした剛性のもの(

図 13 参照)。

備考  形状の細部は,この規格では規定せず,国内標準化機関によって規定するものとする。

6.4

小形座面当て板

直径が 200mm の剛性の円盤で,表面が半径 300mm の球状で,縁を半径 12mm に丸める(

図 14 参照)。

6.5

背もたれ当て板

高さが 200mm で幅が 250mm の剛性矩形物体で,表面が当て板の幅方向に半径 450mm の円筒状で,縁

を半径 12mm に丸める(

図 15 参照)。

6.6

局部当て板(ひじ部及び脚部の強度試験用当て板)

直径 100mm の剛性の円盤で,表面が平らで縁を 12mm に丸める。

備考  当て板は,すべて力方向に対して回転を妨げないのが望ましい。

6.7

当て板の上張り用発泡体

ISO 2439

の方法 A によって測定した硬さ指数が 135/660N で,密度が 27∼30kg/m

3

である厚さ 25mm の

ポリエーテル発泡体。この表面をもつ当て板を用いる代わりに,これと同じ発泡体を当て板と試験体との

間に置いてもよい。

6.8

座面衝撃体(図 16 参照)

6.8.1

円筒部

円筒部は,直径約 200mm で,圧縮コイルばねによって打撃面とは分離されているため,打撃面の中央

部の平面に垂直な線に沿って,自由に動くことができるようになっている。


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ばねを除いたこの円筒部とその関連部品の質量は,17±0.1kg,ばね及び打撃面を含む装置全体の質量を,

25

±0.1kg とする。

6.8.2

ばね

組み合わせたばね系の呼びばね定数は 0.69±0.1kg/mm,可動部分の総摩擦抵抗は 0.025kg∼0.045kg の範

囲とする。

ばね系は 104±0.5kg(静的に測定)の初期荷重を加えて圧縮し,その位置からばねが完全密着状態にな

るまでの距離を 60mm 以上としなければならない。

6.8.3

打撃面 

内部に乾燥した細かな砂が入っている,ほぼ平らな革製の当て具。

6.9

衝撃ハンマ

ハンマ頭部は質量 6.5kg の円筒物体であり,直径が 38mm で肉厚が 1.6mm の鋼管を振り子の腕として,

回転軸で支持する。回転軸とハンマ頭部との重心間の距離は 1m とする。振り子は,低摩擦軸受によって

回転する(

図 17 参照)。

6.10

負荷位置決めジグ

附属書に規定するもの。

7.

試験手順

7.1

座面の静的強度試験

負荷位置決めジグ(

図 1820)によって決まる座面負荷位置及び座の前縁から 100mm 後方の位置のそ

れぞれに対して,座面当て板(6.3)を用い,表から選ぶ下向きの力(

図 参照)を 10 回加える。力は各回ご

とに少なくとも 10 秒間維持する。

試験結果は,8.に従って評価する。

例えば支柱をもついす又は片持ちいすを試験する場合のように,当て板をどの位置に置けば最も破損し

やすいかが明確でない場合には,

破損発生の考えられる箇所のすべてに上述に規定する力を 10 回ずつ加え

なければならない。

スツールの場合,必要ならば小形座面当て板(6.4)を用いて,負荷位置決めジグによって決まるスツール

の座面負荷位置に力を加える。

必要ならば,いすの横桟又は足載せ台についても,適切な試験区分によって上述の試験を繰り返す。


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図 1  座面の強度試験

7.2

背もたれの静的強度試験

負荷位置決めジグで決まる背もたれ負荷位置(

図 20 参照)又はその背もたれの最上部から 100mm 下の

位置のどちらか低い方の位置に背もたれ当て板(6.5)の中心を置く。後方の脚又はキャスタの後ろをストッ

パに当てて,いすが後方に移動しないようにする。

試験は,表から選ぶ力を,座面に力がかかった状態で背もたれに垂直になるように加えて行う。

表から選ぶ釣り合わせのために座面に加える力を座面負荷位置(

附属書参照)に加えた状態で,力を 10

回加える。各回ごとに力は少なくとも 10 秒間維持する。

背もたれに加える力は,少なくとも 410 N でなければならない。この力でいすが転倒する場合には,座

面に加える力を増大させる。

この試験を,張力調整が可能なばね式揺り子が付いたいすに対して実施する場合は,試験中揺り動作が

できるだけ起こらないように張力を増大させなければならない。

備考1.  いすの構造上,背もたれ負荷位置に力を加えることができない場合には,例えば,背もたれ

負荷位置の上側若しくは下側又はその両側に位置する横中桟で作られている場合には,背も

たれ横中桟に力を加える適切な板材を用いてもよい。ただし,この板材が両脇の縦材に重な

ってはならない。

2.

いすに可傾機構が付いている場台には,いすの背当てが垂直位置に対し後方に 15±5 度傾い

た位置に調整することが望ましい。

力を 1 回目及び 10 回目に加えたとき,背もたれの相対的たわみを測定し,

図 に示すように d/を計算

する。ここで,は座面から背もたれの最上部までの距離,は背もたれ最上部でのたわみである。

この試験を背もたれがない又は非常に低いスツールに対して行う場合には,後方への力は,座面の前縁

に水平に加える。骨組みが矩形のスツールの場合は,座面の形状に関係なく,力を 2 つの隣接辺のそれぞ

れに加え,力を加える回数は,それぞれの辺に半分ずつ割り当てる。骨組みが三角形状のスツールの場合


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S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

には,任意の 2 つの中線に沿って順に力を加える。

備考  座面の強度試験における座面当て板を置く位置の 1 つは,背もたれの強度試験と同じであるか

ら,通常これらの 2 つの試験は,座面及び背もたれの組合せ強度試験として一緒に実施すると

便利である。この場合,最初に座面に力を加え,次にその状態で背もたれに力を加えることが

望ましい。

図 2  背もたれの強度試験

7.3

ひじ部及び頭もたせの静的水平力試験

表から選ぶ一定の外向きの力を,いすの両側のひじ部の内側から,ひじ部上の最も破壊しやすい位置に

加える(

図 参照)。この力は,局部当て板(6.6)を用いて 10 回加える。各回ごとに力は少なくとも 10 秒間

維持する。いすの最上部に頭もたせが備えられている場合には,表から選ぶ力を用いて両方の頭もたせに

対し,上記の試験を繰り返す。


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S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 3  ひじ部及び頭もたせの水平力試験

7.4

ひじ部の静的垂直力試験

表から選ぶ垂直力を,ひじ部の最も破壊しやすい位置に 10 回加える(

図 参照)。

力は小形座面当て板(6.4)を介して加え,各回ごとに力は少なくとも 10 秒間維持する。

いすが転倒しそうであれば,力を完全に加えたときにいすが転倒しないように十分な大きさの釣り合わ

せのためのおもりを,力を加える側とは反対側に加える。

備考  水平力と垂直力を試験区分ごとに組み合わせて,それらの二つの力の合力を加えることによっ

て,ひじ部の水平力試験はひじ部垂直力試験と組み合わせることができる。

図 4  ひじ部の垂直力試験

7.5

座面の耐久性試験

附属書に従って決めた座面負荷位置に,座面当て板(6.3)の中心を置いて 950N の力を加える。力は,毎

分 40 サイクルを超えない速さで,表から選ぶ回数だけ加える。

試験の初回及び最終回に当て板の最も低い位置を測定する。これらの 2 つの値の差を,試験中の座面の


8

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

たわみとして記録する。

必要ならば,いすの足掛け用の横木又は足載せ台についても,適切な試験区分によって上述の試験を繰

り返す。

図 5  座面の耐久性試験

7.6

背もたれの耐久性試験

附属書に従って決めた背もたれ負荷位置又は背もたれの最上部から 100mm 下の位置のどちらか低い方

の位置に,背もたれ当て板の(6.5)の中心を置く。後方の脚又はキャスタの後ろをストッパに当てて,いす

が後方に移動しないようにする。330N の力,又はいすが転倒しそうであれば,いすが後方へ転倒しないよ

うな 330N より小さい力を繰り返し加えることによって試験を行う。試験は,毎分 40 サイクルを超えない

速さで,表から選ぶ回数を行う。各サイクル中,950N の力を座面に加える(

図 参照)。

この試験を,張力調整が可能なばね式揺り子が付いたいすに対して行う場合には,張力は,調整範囲の

中央に調整する。

この試験を背もたれがない又は背もたれが非常に低いスツールに対して行う場合には,後方への力は,

座面の前縁に水平に加える。脚が 4 本のスツールで座面の横方向の寸法と前後方向の寸法が異なる場合に

は,力を加える回数は,2 つの方向のそれぞれに半分ずつ割り当てる。脚が 3 本のスツールの試験は,3

本の脚の主要軸の 2 つに沿って実施する。

備考  サイクル数及び座面に加える力は,座面及び背もたれの両方の耐久性試験に共通であるため,

通常,これら 2 つの試験は,座面及び背もたれの組合せ耐久性試験として一緒に行うと便利で

ある。この場合,最初に座面に力を加え,そのままの状態で背もたれに力を加えることが望ま

しい。


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図 6  背もたれの耐久性

7.7

脚部の静的前方強度試験

試験体の前脚が移動しないようにストッパを当て,局部当て板(6.6)を用いて,座面と同じ高さでいすの

後部中央に前向きの水平力を加える。脚が 3 本のスツールの場合には,前後方向中心線上にある 1 つの脚

とその他のもう 1 つの脚にストッパを設置する。試験は,表から選ぶ力の値で行う。

負荷位置決めジグ(

図 20 参照)によって決まる座面負荷位置に,表から選ぶ釣り合わせのための力を加

える。試験体が転倒しそうであれば,前方へ転倒しなくなるまで水平力を小さくし,実際に用いた水平力

を記録する[

図 7a)参照]。前向きの水平力は 10 回加え,各回ごとに力は少なくとも 10 秒間維持する。


10

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 7  脚部の強度試験

7.8

脚部の静的側方強度試験

この試験は,脚部の静的前方強度試験と同じように行う。ただし,一対の前脚と後脚とが移動しないよ

うにストッパに当て,座面と同じ高さでいすの横部中央に水平力を加える点が,脚部の静的前方強度試験

と異なる。座面の水平力を加えない側の縁から 150mm 以内の位置に表から選ぶ釣り合わせのための力を

加える。水平力は 10 回加え,各回ごとに力は少なくとも 10 秒間維持する。試験は,表から選ぶ力の値で

行う[

図 7b)参照]。

水平力を加えない側の縁から最も遠い位置に釣り合わせのための力を加えた状態でも試験体が転倒しそ

うになる場合には,転倒しなくなるまで水平力を小さくし,実際に用いた力を記録する。

備考  脚部の試験は,脚又は支柱があるいす及びスツールに適用する。いす及びスツールの脚部の後

方強度は,背当ての強度試験(7.2)によって確認されるため,脚部の後方強度試験を行う必要は

ない。

同様に,背当てがないスツール及び明確な前後の区別がないスツールの脚部の強度も,背当

ての強度試験(7.2)で確認されてしまうため,これらのスツールに,脚部の試験を適用する必要

はない。

背当てがあるスツール及び座の形状によって前後の区別が明確であるスツールの場合には,

脚部の試験は,いすと同じように行うことが望ましい。脚が 3 本のスツールの静的側方強度試

験を行う場合には,前後方向中心線上にある 1 つの脚とその他もう 1 つの脚をストッパに当て

なければならない。

脚も支柱もないいすについては,底部の対角強度試験(7.9 参照)を行う。

7.9

底部の対角強度試験

底部の対角強度試験は,支柱も脚もないいす又はスツールに適用する。支柱又は脚があるいすについて


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S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

は,脚部の静的強度試験(7.7 及び 7.8 を参照)を行わなければならない。

試験体の対角に向かい合う一対のかどに,表から選ぶ 2 つの対抗力を同時に加える。この力は,最下点

にできるだけ近い位置に 10 回加え,各回ごとに力は少なくとも 10 秒間維持する(

図 参照)。

図 8  底部の対角強∼度試験−力の方向

7.10

座面の耐衝撃性試験

座面の上に発泡体(6.7 参照)を置く。

次に,負荷位置決めジグ(

附属書及び図 参照)で決まる座面負荷位置に,表から選ぶ高さから座面衝

撃体(6.8 及び

図 16 参照)を自由落下させる。この試験を 10 回繰り返す。破壊しやすいと思われる他の位

置についても,この試験を繰り返す。

軟らかいいす張り材料の場合には,小形座当て板(6.4 参照)を介して質量 2kg のおもりを座面に加えた

位置を基準として,落下の高さを決める。


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図 9  座面の耐衝撃性試験

7.11

背もたれの耐衝撃性試験

この試験は,衝撃ハンマ(6.9)を用いて行う。

試験体を設置し,その前脚が前方に移動しないようにストッパに当てる。

背もたれ最上部の外側の中央又は背当てがない場台には座面の後縁の中央を,表から選ぶ高さ又は角度

から落下する衝撃ハンマによって,水平に打撃する。この手順を 10 回繰り返す。

前後が判別できないスツールの場合には,スツールが最も転倒しやすい方向に試験を行う。

いすに頭もたせがある場合には,いすの向きを変え,1 つの頭もたせの最上部の外側を,その表面に対

し直角に打撃し,次に最も故障しやすい位置を打撃する。反対側の脚は移動しないようにストッパに当て

る。


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図 10  背もたれの耐衝撃性試験

7.12

ひじ部の耐衝撃性試験

この試験は,背もたれの耐衝撃性試験(7.11 参照)と同じように行う。ただし,衝撃は一つのひじ部の

外側面の最も故障しやすい位置に,内側に向けて加える(

図 11 参照)。


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図 11  ひじ部の耐衝撃性試験

7.13

落下試験

1

つの脚に対して,その脚と対角線上反対側にある脚を結ぶ直線が水平に対し 10 度傾き,残りの両脚を

結ぶ直線が水平となるように,試験体を支える。脚が 3 本のスツールの場合には,2 つの脚を結ぶ直線が

水平で,

3

番目の脚すなわち衝撃を加える脚からこの直線の中点に至る直線が水平に対し 10 度傾くように,

スツールを支える(

図 12 参照)。

試験体の脚又は支柱の形式ごとに,表の参考値又は受渡当事者間の協定などによって定めた高さまで,

試験体をつり上げる。試験体を前脚の 1 つから 10 回,後脚の 1 つから 10 回,脚が 3 本の場合には,2 本

の脚についてそれぞれの脚から順に,標準の床面上(6.1 参照)に落下させる。

備考1.  この試験は,水平に対し10度傾斜した平面に対して,試験体が正しい向きになるように長さ

を調整した3本のひもを用いて,試験体をつり上げる方法によって行ってもよい。

2.

積み重ねることが可能ないす及びスツールは,他の形式のいすよりも落とされることが多い。

適切な高さによって,落下試験を行うことが望ましい。


15

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 12  落下試験

8.

試験結果の評価

試験を開始する直前に,試験対象部位を十分に調べる。部材,接合部又は付属部の欠陥を記録し,それ

らが試験の結果によるものでないことを明確にしておく。試験の結果,変形する可能性がある場台には,

試験体の寸法を測定する。

試験終了直後,試験対象部位を再び十分に調べる。明らかな欠陥を記録し,下記の事項を含め,試験中

及び試験後に生じた変化を記録する。

a)

座懸架,キャスタ及びシェル構造物を含め,部材,部品及び接合部の破損又は割れ

b)

剛性を維持すべき部材又は接合部に発生した,手で力を加えることによって永久的であることが明ら

かに分かるゆるみ

c)

骨組又は底部に手で力を加えることによって永久的なものであることが分かるシェル構造物に鋳込ま

れている骨組み又は底部インサートのシェル表面に対するゆるみ

d)

試験体の背,ひじ,脚又は他の部品の自由移動量の,初期検査時との比較値

e)

外見に影響するほどの部品の変形及び割れ

f)

機械的に動く部品の,操作上の機能低下

g)

試験中に発生するはっきりと聞こえる異音

合否判定基準は,受渡当事者間の協定などによって明らかにしておかなければならない。

9.

試験報告書

試験報告書には,少なくとも下記の情報を記載しなければならない。

a)

規格番号

b)

試験したいす及びスツール(関係データ)及び試験前に調べる欠陥の詳細,また,必要な場合は含水


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率の値

c)

7.

及び 8.による試験結果(使用した試験区分を含む。

d)

当該規格と異なる方法で試験を行った場合には,その詳細

e)

試験実施機関の名称及び所在地

f)

試験年月日

図 13  自然な形をした座面当て板の詳細


17

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 14  小形座当て板の詳細

図 15  背もたれ当て板の詳細


18

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 16  座面衝撃体の詳細


19

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

備考  図中の振り子頭部は,本来の位置から 90 度回転した状態で図示されている。

図 17  振子式衝撃ハンマ


20

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

表 A  試験及び試験区分の要約

1)

単位

試験区分

試験

期間 1

2

3

4

5

7.1

座面の強度試験

力,N

1 100

1 300

1 600

2 000

10

7.2

背もたれの強度試験

組合せ

可能

力,N

− 410

560 760

760

釣り合わせのため座面に加える力

力,N

1 100

1 300

1 600

2 000

10

7.3

ひじ部の静的水平力試験

力,N 200

300

400

600

900

頭もたせの静的水平力試験

力,N

− 200

300 400

500

10

7.4

ひじ部の静的垂直力試験

力,N 300

700

800

900

1

000

10

7.5

座面の耐久性試験

サイクル

12 500

25 000

50 000

100 000

200 000

座面に加える力      950 N

7.6

背もたれの耐久性試験

組合せ

可能

サイクル

12 500

25 000

50 000

100 000

200 000

釣り合わせのため座面に加える力

背もたれに加える力  330 N

座面に加える力      950 N

7.7

脚部の静的前方強度試験

力,N 300

375

500

620

760

釣り合わせのために座面に加える力 10 回

780

780

1 000

1 250

18 00

7.8

脚部の静的側方強度試験

力,N 250

300

390

490

760

釣り合わせのために座面に加える力 10 回

780

780

1 000

1 250

1 800

7.9

底部の対角強度試験

力,N 125

250

375

500

620

10

7.10

座面の耐衝撃性試験

落下高さ mm

− 140

180 240

300

10

7.11

背もたれの耐衝撃性試験

高さ mm

70

120

210

330

620

7.12

ひじ部の耐衝撃性試験

角度度 20

28

38

48

68

10

7.13

落下試験

− 200mm より長い脚又は支柱をもついす

及びスツールで積重ね可能なもの又は

特殊設計のもの

落下高さ mm

10

度にて

10

150

300 450  600

900

− 200mm より長い脚又は支柱をもちキャ

スタ又は旋回台があるいすで積重ね式

ではないもの

落下高さ mm

10

度にて

10

− 150

200 300

450

− 200mm より短い脚又は支柱をもついす

及びスツール

落下高さ mm

10

度にて

10

− 75

100

150

250

                                                        

1)

どのような使用目的のいすであっても,表に示した値を選択して用いることが望ましい。


21

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

附属書  座面及び背もたれの負荷位置の求め方

(この附属書は,規格の一部である。)

A.1

序文

この附属書は,規格本体に規定する座面及び背もたれの負荷位置を,座面と背当ての交差点から測定さ

れた距離として求めるものである。座面の前縁又は背当ての最上部から測定して負荷位置を求める代替方

法も,通常の方法として実施される。

A.2

装置

使用する装置は,2 つの曲面部材の一端をピン接合した負荷位置決めジグ(

図 18 及び図 19)である。曲

面の輪郭は,軽い荷重によっていす張り材料中に,ある距離だけ沈むようになっている。この目的のため

に装置の総質量は 20kg であり,この質量は座面の負荷点にかかるようになっていなければならない。

装置は,位置決めジグの 2 つの部材を 90 度開いた状態で容易に設置できるように,

図 18 に示すように

印を付ける。

負荷点 A 及び B は,いすの座面上で座面と背当ての交差点から前方 175mm の位置及び背当て上で座面

と背当ての交差点から 300mm 上方の位置に対応する。

備考  場合によっては,負荷位置を位置決めジグによって求めることが不可能なこともある。そのよ

うな場合は,負荷位置をどのようにして求めたかを報告書に記載しなければならない。

A.3

方法

A.3.1

いす

位置決めジグの荷重が,いすの中心線上のできるだけ後方寄りの座面負荷位置に加わるようにジグを設

置する。背当てジグ部材を背当てに押し込んでジグの位置を調節し,ジグの曲面がいすの曲面と合致する

までジグの座面ジグ部材を前方にてこの原理で押し出す。ジグに基づいて必要な負荷位置に印を付ける。

A.3.2

スツール

装置を

図 18 に示すように印に合わせて 90 度開いた状態にする。それを図 20 に示すようにスツールに設

置する。ジグに基づいて必要な負荷位置に印を付ける。


22

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 18  負荷位置決めジグ


23

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 19  負荷位置決めジグの組立て部品の荷重加え曲面の輪郭


24

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

図 20  負荷位置決めジグのいす及びスツール上の位置


25

S 1203 : 1998 (ISO 7173 : 1989)

JIS S 1203

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

坂  田  種  男

坂田研究室

(小委員長)

岩  井  一  幸

東京家政学院大学

高  橋  牧  人

通商産業省生活産業局

西  出  徹  雄

工業技術院標準部消費生活規格課

上  野  義  雪

千葉工業大学

古  澤  富志雄

職業能力開発大学校

田  山  茂  夫

千葉大学

山  村  修  蔵

財団法人日本規格協会

小  杉  健一郎

株式会社イトーキ

金  井      博

株式会社内田洋行

小  熊  誠  次

株式会社岡村製作所

石  原  俊  彦

コクヨ株式会社

加  藤      博

株式会社ホウトク

青  木  恒太郎

株式会社コスガ

桜  井  久  喜

株式会社天童木工

森          章

社団法人全国家具工業連合会

松  岡  寿  人

財団法人日本文化用品安全試験所

藤  村  盛  造 F&F デザインオフィス

吉  沢  晴  行

文部省文教施設部

池  浜  静  夫

製品安全協会

村  井      敬

株式会社日建設計

佐  分  正  雄

社団法人用度需要者協会

篠  崎  輝  紀

社団法人ニューオフィス推進協議会

武  井  孝  純

住友海上火災保険株式会社

(事務局)

辻  村  照  哉

社団法人日本オフィス家具協会

西  山  栄  一

社団法人日本オフィス家具協会

備考  ○印は,小委員会委員も兼ねる。