>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 S

1018

-1995

家具の振動試験方法

Test methods of vibration and earthquake tumbling for furniture

1.

適用範囲  この規格は,家具(

1

)

の耐振動性及び耐震転倒性を評価するための試験方法について規定す

る。

(

1

)

ここでいう家具とは,洋服だんす・整理だんす・本箱・食器戸棚・ロッカーなどの収納家具で,

主要構造部分が剛性をもつ箱型のものとする。

備考1.  この規格の引用規格を次に示す。

JIS S 1017

  家具の性能試験方法通則

2.

この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。

2.

用語の定義  この規格で使用する主な用語の定義は,次のとおりとする。

(1)

耐振動性  振動に耐え得る程度。

(2) 

耐震転倒性  地震時の転倒に耐え得る程度。

(3) 

重心高  無収納時及び 4.3(2)(a)の状態での家具の重心の高さ。

(4)

水平振動台  正弦波,地震波などの水平一方向の振動を発生することができる強固かつ平滑な台。

(5)

掃引試験  加速度が一定で,周波数が変化する試験。

3.

試験の一般条件  試験の一般条件は,JIS S 1017 による。

4.

試験

4.1

試験体  試験体には製品を用いる。試験体の重心高を計算又は測定によって求めておく。試験体は,

直ちに使用できる状態に設定し,試験に供するものとする。

4.2

耐振動性試験  耐振動性試験は,次によって行う。

なお,試験体転倒時の危険を避けるため,試験体の上部をあらかじめ,つりベルトなどでゆとりをもっ

て保持しておく。その他試験の安全性には,十分配慮すること。

(1)

水平振動台による試験

(a)

試験装置  試験装置は,加振機,水平振動台及び測定装置からなる。振動台の大きさは,試験時に

支障のないように十分な広さとする。振動台の性能は,1∼8m/s

2

 {0.10

∼0.81G},周波数 1∼6Hz ま

で加振が可能なものとする。振動台の床は,建物の床の条件を想定して,畳,カーペット,ビニル

床タイル又は合板の中から目的に応じて選ぶ。

備考1.  畳は,剛性のある床に直接敷くが,じゅうたん,ビニル床タイルは,厚さ15mm のラワン合

板の上に張る。


2

S 1018-1995

また,合板の場合は,15mm の厚さのものを用いる。

2.

床,壁及び天井に取り付けることを想定した家具は,下枠などを用いて,実情に即した方法

で取り付ける。

(b) 

試験方法  4.1 で定められた試験体を,水平振動台の上に,加振方向と直角にがたつきがないように

設置する。

なお,床材は,(a)の床材から選ぶ。設置した試験体の重心位置と頂部及び必要と思われる箇所に

加速度計を取り付ける。

また,試験体の棚板には

表 に規定するおもりを載せ,引出し内には引出しの収納容量 1につき

質量 0.3kg(引出し 1 個当たりのおもりの上限は 7.5kg)のおもりをほぼ等分布に入れる。ただし,

最大積載荷重が表示してあるものは,その荷重と同等のおもりとする。

次に,

表 に示す加振条件(正弦波)によって,掃引試験の場合は 60 秒間,一定周波数加振試験

の場合はそれぞれ 20 秒間ずつ,試験を行う。そのときの試験体の溶接外れ,ほぞなどの抜け,扉の

開放,引出しの抜け,その他著しい損傷の有無を観察する。

表 1  棚板の載荷

棚板の奥行き  棚板間口 100mm 当たりのおもりの質量

mm kg

200

未満 2

200

以上 3

表 2  加振条件

加振条件(正弦波)

耐震区分

加速度

m/s

2

{Gal}

周波数

Hz

a 2

{203.9}

b 4

{407.9}

c 6

{611.8}

2

∼6

(2

,4,6) (

2

)

(

2

)

掃引試験における加振条件
を表す。ただし,括弧内の数

値は,一定周波数による加振
試験の条件を表す。

(2)

自然落下式による振動試験

(a)

試験の準備  水平で剛性のある床の上に,試験の目的に応じて,畳,じゅうたん,ビニル床タイル

又は合板を敷き,その上に試験体を載せる。このとき,上下・左右の連結金具があるものはこれを

留める。

(b)

載荷荷重  (1)(b)の荷重による。

(c) 

転倒角度  (

α)    転倒角度  (α)  を,次の式によって求める。

重心高

又は

転倒角度

)

(

tan

)

(

3

2

1

1

d

d

=

α

(

3

)

  d

1

d

2

は,

1の短い寸法の方をとる。

(d)

浮上がり角度  (

θ

)

  試験体の床からの浮上がり角度  (

θ

)

は,(c)で求めた転倒角度(

α)の

2

1

とする。

(e)

試験方法  図 のように,試験体の最上部の奥行き方向中央部をロープなどで引っ張り,試験体を


3

S 1018-1995

(d)

の浮上がり角度  (

θ

)

に保持した後,自然に落下して振動を加える。振動は,前後に合計 10 往復

繰り返して行う。

そのときの試験体の溶接外れ,ほぞなどの抜け,扉の開放,その他著しい損傷の有無を観察する。

図 1

4.3

耐震転倒性試験  耐震転倒性試験は,次によって行う。ただし,試験体転倒時の危険を避けるため,

試験体の上部をあらかじめ,つりベルトなどでゆとりをもって保持しておく。

(1)

水平振動台による試験

(a)

試験装置  4.2(1)(a)による。

(b)

試験方法  4.1 で定められた試験体を水平振動台の上に加振方向に直角にがたつきがないように設

置する。

なお,床材は,4.2(1)(a)の床材から選ぶ。設置した試験体の重心位置と,頂部及び必要と思われ

る箇所に加速度計を取り付ける。

また,試験体の棚板には,

表 に規定するおもりを,引出し内には,引出しの収納容量 1につき

質量 0.3kg(引出し 1 個当たりのおもりの上限は 7.5kg)のおもりをほぼ等分布に入れる。ただし,

最大積載荷重が表示してあるものは,その荷重と同等のおもりとする。

次に,

表 に示す加振条件(三角波)によって加振する。同一条件で 3 同ずつ行い,そのときの

家具の転倒の有無をみる。

表 3  加振条件

加振条件(三角波)

耐震区分

加振速度

cm/s

加振変位振幅

cm

a 20

以上  40 未満

b 40

以上  60 未満

c 60

以上

20

±2

(2) 

静的加力による試験

(a)

試験の準備  試験体の重量及び重心高を計算又は測定によって求めておく。次に,水平で剛性のあ

る床の上に,試験の目的に応じて,畳,じゅうたん,ビニル床タイル又は合板を敷き,その上に試


4

S 1018-1995

験体を載せる。

(b)

無負荷試験  図 のように,家具の前面方向及び後面方向へ重心高位置で試験体を水平に引っ張り,

又は押しの荷重を加え,転倒までの最大荷重を測定する。このとき,試験体が滑る場合には,滑り

止めを設置する。

また,重心高の位置で試験体を引っ張るとき,ロープなどが引出しや扉などの開きに支障がない

ように考慮する。

(c)

負荷試験  棚板には表 に規定するおもりを載せ,引出し内には引出しの収納容量 1につき質量

0.3kg

(引出し 1 個当たりの上限は 7.5kg)のおもりをほぼ等分布に入れる。ただし,試験体の最大

積載荷重が表示してあるものは,その荷重と同等のおもりとする。この後,載荷後の試験体の総重

量及び重心高を計算又は測定によって求める。(b)と同様の方法で転倒までの最大荷重を測定する。

(d)

耐震区分  上記のように,無負荷時の前面方向・後面方向及び負荷時の前面方向・後面方向の 4 通

りの試験を行い,転倒までに要する最大荷重を求める。

次に,次の式によってそれぞれの 値を求め,

表 に規定する耐震区分を求める。

}

kgf

{

)

(

}

kgf

{

)

(

N

N

k

試験体の重量又は総重

荷重

転倒までに要する最大

=

図 2

表 4  耐震区分

k

耐震区分

0.2

以上  0.4 未満

1

0.4

以上  0.6 未満

2

0.6

以上 3

5.

報告  報告書には,次の事項を図などによって記入する。

(1) 

試験体


5

S 1018-1995

(2) 

形状

(3)

寸法

(4)

質量

(5)

総質量(収納物を含む。

(6)

重心高及び d

1

d

2

(7)

試験方法(加振方向を含む。

(8)

試験結果

区分及び家具の試験後の状態

(9) 

その他の必要事項