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S 0102 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS S 0102

には,次に示す附属書がある。

附属書(規定)  理解度及び視認性試験


日本工業規格

JIS

 S

0102

 : 2000

消費者用警告図記号−試験の手順

Testing procedure for graphical warning symbols for consumers

1.

適用範囲  この規格は,注意,指示事項等の伝達事項を視覚的に表示する目的で用いる消費者用警告

図記号(以下,

“図記号”という。

)の理解度及び視認性を評価するための試験の手順について規定する。

備考  図記号の制作作業の初期段階において,図記号の提案に責任をもつ機関(以下,“提案責任機関”

という。

)は,国際規格及び日本工業規格に類似の図記号が既に標準化されているかどうかを調

査する。意図する伝達事項を示す図記号が標準化されている場合,原則としてそれを優先使用

する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS S 0101

  消費者用警告図記号

3.

定義  この規格に用いる主な用語の定義は,次による。

a)

理解度試験 (comprehension test)    提案された図記号単体について,消費者の理解の程度を評価する

試験。

b)

視認性試験 (visibility test)    提案された図記号単体を消費者の目で見て,縮小図形で確認のしやすさ

の程度を評価する試験。

c)

候補デザイン (variant)    伝達事項の理解度及び視認性を測るために収集制作した図記号。

d)

最適デザイン (promoted design)    候補デザインから選定された最も理解しやすいデザイン。

4.

手順

4.1

一般  図記号の試験の手順における各段階は,次のとおりとする。

a)

伝達事項に対する候補デザインの収集,制作及び絞込み(4.2 参照)

b)

候補デザインの理解度及び視認性試験の実施(4.3 参照)

c)

最適デザインの決定(4.3.7 参照)

4.2

候補デザイン案の収集,制作及び候補デザインの絞込み  候補デザイン案の収集,制作及び候補デ

ザインの絞込みは,次による。

a)

伝達事項に対する候補デザインを収集し,必要に応じ制作する。

b)

適切な試験結果を得るために,候補デザインを 4 個以内に絞り込む。

備考  収集したものの中の 2 個以上が,微細な差異を除いて非常に似ている場合には,被試験者の混

乱を防ぐためにその中の一つを候補デザインとする。

4.3

試験


2

S 0102 : 2000

4.3.1

回答者  一つの候補デザインに対する回答者は,最小 60 人以上で構成する。回答者の年齢層別は

15

∼30 歳,31∼50 歳,51 歳以上とし各年齢層の男性・女性別にほぼ同数の回答者がいることが望ましい。

回答者に対し理解度試験及び視認性試験を行う。候補デザインが 2 個以上の場合には,その各々に対し

て試験を行う。その場合の回答者は,重複してはならない。

4.3.2

試験用具の準備(附属書参照)

a)

試験方法を指示する説明シート。

b)

年齢等を記入する確認シート。

c)

図記号が複製された A6 又は適切な大きさの試験シート。

候補デザインは,理解度試験用に 1 辺 30mm の基本正方形に合わせたもの及び視認性試験用に 1 辺

8mm

の基本正方形に合わせたものの 2 種類を同一シート上に複製する。

4.3.3

理解度試験  理解度試験は,次によって行う。

a)

回答の設定  一つの候補デザインの意図する意味に対し,三つの誤回答を作成して四者択一の試験と

し,必ず一つは答えを選択する強制選択方式とする。回答の設定は,

表 のとおりとする。ただし,

誤回答の文言の選定については,回答者以外の集団にインタビューして参考にするのがよい。

試験シートには,図記号が実際に使われると想定される環境を示し,回答者のイメージが拡散しな

いようにする。

例:この図記号はテレビなどの家庭用電気製品に表示されます。)

表 1  回答の設定

段階

分類

回答用語の設定基準

1

正解

図記号の意味を伝える用語

例:  火気禁止(

1

)

(火を近づけると危険であるという図記号の意味が伝わっている。

(1)  例は消費者用警告図記号  (JIS S 0101 : 2000) に規定されている図記

号“火気禁止,番号6.1.1”による。

2

誤回答 1

図記号の意味は正しく理解されていないが,少なくとも重大な危険は回避でき
るといえる用語

例:  着火禁止

(少なくとも火が近づけられなければ重大な危険は回避できる。

3

誤回答 2

伝達事項に関する警告であるということは伝わっていても,図記号の意味が理

解されていないために危険を回避できない可能性があると考えられる用語

例:  禁煙

(火が近づけられると危険な状況を引き起こす可能性がある。

4

誤回答 3

伝達事項に関する警告であるということを含め,図記号の意味が極端に誤って
理解されているために危険な状況の発生を回避できないと考えられる用語

例:  火への投げ込み禁止

(製品の通常使用に関する注意・指示事項とは捉えられていないため

図記号が全く機能しない。

b)

回答の集計  理解度の評価について,回答者の各回答を表 に示す 4 段階評価の一つに当てはめ集計

する。

表 2  理解度試験の段階評価

段階

分類

評価

1

正解 100 点

2

誤回答 1

60

3

誤回答 2

30

4

誤回答 3

0


3

S 0102 : 2000

回答者が,回答をしなかった場合には,集計から外す。また回答者が疑問符,横線,ばつ印,又は

他の何らかの印で示し選択の意志が不明確な場合にも,集計から外す。

c)

回答結果の集計  理解度の評価は,一つの候補デザインについて,次の式によって各段階の回答者数

に点数を乗じ,加算し,その候補デザインに与えた全回答者数で除し,平均点を算出する。

a

= (100×n

a1

+60×n

a2

+30×n

a3

) /n

ai

ここに,

a

:  理解度の評価点

n

a1

表 の段階 1 の回答者数(人)

n

a2

表 の段階 2 の回答者数(人)

n

a3

表 の段階 3 の回答者数(人)

n

ai

:  全回答者数(人)

4.3.4

視認性試験  視認性試験は,次によって行う。

a)

見やすさの段階設定  視認性の程度について,表 に示す見やすさの段階設定とし,必ず一つの項目

を選択する。

表 3  見やすさの段階設定

段階

見やすさの評価

1

よく見える

2

見える

3

どちらでもない

4

やや見にくい

5

見にくい

b) 

回答の集計  視認性の評価について,回答者の各回答を表 に示す見やすさの段階評価の一つに当て

はめて集計する。

表 4  見やすさの段階評価

段階

見やすさの評価

評価

1

よく見える 100 点

2

見える

75

3

どちらでもない

50

4

やや見にくい

25

5

見にくい

  0

回答者が,回答をしなかった場合には,集計から外す。また回答者が疑問符,横線,ばつ印,又は

他の何らかの印で示し選択の意志が不明確な場合にも,集計から外す。

c)

回答結果の集計  視認性の評価は,一つの候補デザインについて,次の式によって各段階の回答数に

点数を乗じ,加算し,その候補デザインに与えた全回答数で除し,平均点を算出する。

b

= (100×n

b1

+75×n

b2

+50×n

b3

+25×n

b4

) /n

bi

ここに,

b

:  視認性の評価点

n

b1

表 の段階 1 の回答者数(人)

n

b2

表 の段階 2 の回答者数(人)

n

b3

表 の段階 3 の回答者数(人)

n

b4

表 の段階 4 の回答者数(人)

n

bi

:  全回答者数(人)

4.3.5

結果の記録  次の事項を記録する。

a) 

試験の年月(又は実施期間)


4

S 0102 : 2000

b)

図記号の意味

c)

図記号の機能(伝達事項の詳細)

d)

使用分野

e)

回答者の各年齢層別人数及び総数

f)

試験された候補デザインのコピー

g)

候補デザインの責任機関

h)

回答結果

備考  同時に試験した伝達事項及び一つの伝達事項に対する候補デザインが複数の場合は,全回答の

総括表を作成する。

4.3.6

集計結果の評価  候補デザインの理解度及び視認性の評価点に基づき,表 5,表 の評価区分に分

類し,候補デザインの使用可,使用不可等の決定をする。

表 5  理解度試験結果の評価区分

評価点

評価区分

85

点以上

使用可

伝達事項の意味が正確に理解されており,図記号は問題
なく使用してもよい。

66

∼84 点

使用可

図記号の使用に支障はないが,文字・文章による正確な
伝達補助表示を必要とする。

31

∼65 点

使用不可

伝達事項の意味が誤って伝わり,このままの図記号の使

用には支障があり,図記号を修正したうえ,再試験を必
要とする。

30

点以下

使用不可

伝達事項の主旨が全く伝わらず,危害等の発生が予測さ
れるので,この図記号の使用は止める。

誤回答 3 の回答率が

5%

以上のもの

使用不可

伝達事項の主旨が全く伝わらず,危害等の発生が予測さ

れるので,この図記号の使用は止める。

表 6  視認性試験結果の評価区分

評価点

評価区分

75

点以上

使用可

見やすさについては全く問題ないが,理解度の評価点が

66

点以上でなければならない。

50

点以上 74 点以下

使用可

見やすさについて若干の問題があるので,このまま使用
する場合は理解度の評価点が 85 点以上でなければなら

ない。

25

点以上 49 点以下

使用不可

修正のうえ,再試験を行う。

24

点以下

使用不可

見やすさについて問題があり,使用は止める。

4.3.7

最適デザインの決定  評価区分で使用可となった候補デザインが複数ある場合は,最も高い評価点

のものを最適デザインとする。最適デザインは,理解度試験の評価点が 85 点以上かつ視認性試験の評価点

が 75 点以上のものとする。

関連規格  ISO 9186  Procedures for the development and testing of public information symbols

ISO/TR 7239

  Development and principles for application of public information symbols

ANSI Z 535.3

  Criteria for Safety Symbols


5

S 0102 : 2000

附属書(規定)  理解度及び視認性試験

A.1

理解度及び視認性試験のための試験用具の例

記入しやすい適切な用紙サイズを選択する。

例示  試験シートの大きさは A6 として,図記号の複写の記載と設問とを同一シートに記載する。

1.

説明シート

識別記号欄には番号など責任団体が管理に必要な記号を記入する。


6

S 0102 : 2000

2.

回答者の確認

3.

試験シート


7

S 0102 : 2000

試験シートの例 

A.2

試験の結果の記載の表

1.

試験の年月(又は実施期間)

2.

図記号の意味

3.

図記号の機能(伝達事項の詳細)

4.

使用分野

5.

回答者の各年齢層別人数及び総数

6.

試験された候補デザインのコピー

7.

候補デザインの責任機関

8.

回答結果

1)

理解度試験

回答者数

段階

分類

候補デザイン 1

候補デザイン 2

候補デザイン 3

1

正解

n

a1

n

a5

n

a9

2

誤答レベル 1

n

a2

n

a6

n

a10

3

誤答レベル 2

n

a3

n

a7

n

a11

4

誤答レベル 3

n

a4

n

a8

n

a12

回答者総数

n

ai

n

ai

n

ai

      評価点

a

1

a

2

a

3


8

S 0102 : 2000

2)

視認性試験

回答者数

段階

レベル

候補デザイン

1

候補デザイン 2

候補デザイン 3

1

よく見える

n

b1

n

b6

n

b11

2

見える

n

b2

n

b7

n

b12

3

どちらでもない

n

b3

n

b8

n

b13

4

やや見にくい

n

b4

n

b9

n

b14

5

見にくい

n

b5

n

b10

n

b15

    回答者総数

n

bi

n

bi

n

bi

    評価点

b

1

b

2

b

3


9

S 0102 : 2000

“消費者警告図記号−試験の手順”JIS 原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

加  藤  久  明

日本デザイン学会

天  野  洋  右

社団法人日本電子機械工業会(アイワ株式

会社)

井  村  五  郎

千葉工業大学工業デザイン学科

加  藤      茂

社団法人日本電機工業会

児  山  啓  一

社団法人日本インダストリアルデザイナ

ー協会(株式会社アイ・デ
ザイン)

斎  田  真  也

工業技術院生命工学工業技術研究所

佐  野  真理子

主婦連合会

田  辺      仁

財団法人家電製品協会(ソニー株式会社)

中  田      誠

社団法人日本玩具協会

平  瀬  隆  治

通商産業省製品評価技術センター技術部

広  橋  桂  子

社団法人日本パッケージデザイン協会(ヒ

ロハシデザイン)

古  川  哲  夫

財団法人日本消費者協会

堀  江  右  吉

キヤノン株式会社総合デザインセンター

ビジュアルデザイン部

松  本  秀  男

社団法人日本冷凍空調工業会企画部

丸  山  昭  巳

社団法人日本ガス石油機器工業会

三  村  光  代

社団法人日本消費生活アドバイザーコン

サルタント協会

山  元  敏  晴

社団法人日本電子機械工業会(日本ビクタ

ー株式会社)

西  川  泰  蔵

工業技術院標準部

渡  邊  武  夫

工業技術院標準部

(事務局)

橋  本      進

財団法人日本規格協会技術部

石  垣  正  夫

社団法人日本規格協会技術部

“消費者用警告図記号−試験の手順”JIS 原案作成ワーキンググループ  構成表

氏名

所属

(委員長)

加  藤  久  明

日本デザイン学会

井  村  五  郎

千葉工業大学工業デザイン学科

小  野      清

株式会社東芝デザインセンター

川  野  和  宏

通商産業省製品評価技術センター技術部

児  山  啓  一

社団法人日本インダストリアルデザイナ

ー協会(株式会社アイ・デ
ザイン)

田  辺      仁

財団法人家電製品協会(ソニー株式会社)

中  田      誠

社団法人日本玩具協会

古  川  哲  夫

財団法人日本消費者協会

堀  江  右  吉

キヤノン株式会社総合デザインセンター

ビジュアルデザイン部

渡  邊  武  夫

工業技術院標準部

(事務局)

橋  本      進

財団法人日本規格協会技術部

石  垣  正  夫

社団法人日本規格協会技術部

(文責  加藤  久明)