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S 0024

:2004

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS S 0024

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(参考)身体能力のレベル分けリスト


S 0024

:2004

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  一般原則

2

4.1

  インターフェイス

2

4.2

  空間構成と寸法

2

4.3

  環境配慮 

2

4.4

  安全設計 

2

4.5

  アレルギー 

2

4.6

  維持管理 

2

4.7

  事故・災害対応

3

4.8

  操作方法 

3

5.

  住戸内の住宅設備の要求事項

3

5.1

  サッシ・建具 

3

5.2

  照明器具 

4

5.3

  照明などのスイッチ

4

5.4

  手すり

4

5.5

  給湯設備 

5

5.6

  通報装置 

5

5.7

  緊急通報装置 

5

5.8

  アプローチ(道路から玄関までの通路)の設備機器。

6

5.9

  駐車スペースの設備機器 

6

5.10

  玄関の設備機器

6

5.11

  階段(住戸内)の設備機器 

6

5.12

  浴室の設備機器

6

5.13

  シャワーユニット

7

5.14

  トイレの設備機器

7

5.15

  洗面・脱衣室の設備機器 

8

5.16

  キッチン設備 

9

5.17

  集合住宅の共用部分の設備機器の要求事項

10

附属書 1(参考)身体能力のレベル分けリスト

12


日本工業規格

JIS

 S

0024

:2004

高齢者・障害者配慮設計指針−住宅設備機器

Guidelines for older persons and persons with disables -

Housing equipments

序文  人は,一般的に高齢化に伴い動作能力はじめ身体各機能が低下する。身体機能の低下によって住宅

内床段差でのつまずきや転倒,住宅設備機器の操作に伴う事故などに遭遇する機会が増えてくる。また,

視聴覚及び筋力の低下によって住宅設備機器が使いにくくなりやすい。この規格は,高齢化に伴う日常生

活において,安全で快適な生活を送るための住宅設備機器を設計する際の指針として作成されたものであ

る。

この規格は主として高齢者を対象に規定しているが,軽度の障害のある人々にも有用である。ただし,

重度の障害及び複合障害への配慮は規定していない。これは ISO/IEC Guide 71 を翻訳して作成された JIS 

Z 8071

と同様である。

この規格で対象とする住宅設備機器とは,住宅に固定される設備機器であり,通常の建築請負契約に含

まれる工業製品である。したがって住宅自体(構造体及び仕上材)は対象としていない。また,別途購入

し移動可能な状態で使用される家庭電気製品及び置き家具についても対象としていない。

この規格は,住宅設備機器としての“グループ規格(セクターガイド)

”であるため,住宅設備機器に関

する共通する要求事項を規定するにとどめ,性能などは規定していない。要求事項の性能など詳細につい

ては,

“製品・サービス等個別規格”のJISの制定に委ねるものである。また,この規格では,高齢者特

有の要求事項だけを規定する。それ以外の要求事項及び性能は,関連する既存の JIS による。

1. 

適用範囲  この規格は,加齢及び加齢に伴う疾病,事故などで身体能力が低下した高齢者が快適に生

活できるように,戸建て及び集合住宅に設置する住宅設備機器(以下、設備機器という。

)の設計をする際

の指針として留意すべき事項について規定する。

なお,住宅に固定して使用される設備機器で,この規格に規定されていないものも,4.に従うことが望

ましい。

備考1.  住宅の設備機器のうち,配管・配線には適用しない。家庭電器製品のうちテレビ,冷蔵庫,

電話及び扇風機には適用しないが,インターホン及びエアコンには適用する。

2.

設備機器(例えば、手すり)の設置の要否,どの位置に設置するかなどは建築計画の分野で

あり,この規格では規定しない。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS S 0012

  高齢者・障害者配慮設計指針―消費生活製品の操作性


2

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3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a) 

住宅  建築物に限定せず,戸建てでは敷地内の外構も含んだもの。

b) 

住宅設備機器  住宅に固定される設備機器であって,床,壁,天井などの建材を除くもの。

c) 

インタフェース  設備機器を使用するための操作部及び仲介装置全般。

d) 

操作  使用者が目的を達成するために,設備機器に対して行う行為。

e) 

操作性  使用者が設備機器を使用するための,操作の分かりやすさ及び操作のしやすさ。

f) 

操作部  使用者が設備機器を操作するために直接力を加える部分,若しくは操作方法(操作方向,操

作手順)

,製品の状態などを示す部分,又はこれらの集合体。

4. 

一般原則  設備機器の一般原則は,次による。

a) 

インタフェース  インタフェースは,個々の使用者の身体能力及び動作能力の変化に配慮したもので

なければならない。特に,後期高齢者に見られる身体特性に対応して次の事項に配慮する。

1) 

身長,体形及び(手の動きの)自由さ,操作,動作,筋力,持久力,発声,上肢の動く範囲の違い

への配慮。

2) 

視覚,聴覚,触覚,嗅覚,平衡,温熱感覚などの違いへの配慮。

備考  操作の情報伝達部においては一つの感覚機能に頼るだけでなく,補完・代替機能を設けるこ

とが有効である。

3) 

知的能力/記憶力,言語/読み書きなどの認知能力の違いへの配慮。

4) 

車いす,つえなどの福祉用具を使用した状態で使用することへの配慮。

b) 

空間構成及び寸法  空間構成及び寸法は,使用しやすさに配慮し,次による。

1) 

設備機器及び設備機器附属の操作部に近づく動作又は設備内を移動する動作が自然にできることへ

の配慮。

2) 

設備機器の使用に当たり,無駄な動作又は不安定,無理な姿勢を強要しないことへの配慮。

c) 

環境配慮  使用される環境への配慮は,次による。

1) 

使用される空間の広さ及び設置される位置・高さへの配慮。

2) 

使用される環境の明るさへの配慮。

3) 

その他,住宅における様々な環境条件への配慮。

d) 

安全設計  安全設計は,次による。

1) 

操作が覚えやすく間違えにくい,また,一連の操作を必要とするものにあっては操作手順が分かり

やすいことへの配慮。

2) 

操作を誤っても使用者の身体,住宅及び設備機器に損傷を与えないことへの配慮。

3)

設備機能の異常発生,及び異常発生時の対応方法がすぐに分かることへの配慮。

e) 

アレルギー  設備機器は,接触アレルギーを引き起こす物質の使用は避けることが望ましい。

f) 

維持管理  維持管理は,次による。

1) 

部品交換,清掃などの日常的な維持管理が容易であることへの配慮。

2) 

維持管理上の注意事項が分かりやすく伝達されることへの配慮。

3) 

障害の程度に合わせ,適切な部材の交換・付加が容易にできることへの配慮。

g) 

事故・災害対応  住環境で発生した転倒,墜落などの事故への対応及び火災,地震などの災害発生時

に安全に避難・救出できるように配慮しなければならない。

h) 

操作方法  操作方法は,次による。


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1) 

設備機器の操作部は,既存の類似設備機器及び一般的に知られている機器の操作方法によることへ

の配慮。

2) 

設備機器の操作部については,a)g)のほか,JIS S 0012 の 4.(一般原則)

,及び JIS S 0012 の 5.(留

意事項)に合致すること。

5. 

住戸内の設備機器の要求事項

備考  部屋及び空間に共通する項目(5.1 から 5.7 まで)と,スペース別(5.8 以降)とに分けて規定

する。集合住宅の共用部分は 5.16 に規定する。

5.1 

サッシ・建具

5.1.1 

テラスサッシ・玄関ドア  テラスサッシ・玄関ドア(外壁に設置され,人が通過するサッシ。)の

要求事項は,次による。

a)

寸法  寸法は,次による。

1)

有効通過幅  車いすで通過できる有効通過幅をもつ。

2)

操作部の高さ  操作部(ハンドル,鍵など)は,操作するときに無理な姿勢にならない位置とする。

3)

引き残し,クリアランスなど  ハンドルなどを操作するときに手を挟みにくい寸法とする(引き戸

においては引き残しを設ける。

b) 

下枠の形状  段差は,あってはならない。ただし,やむを得ない場合は,車いすが通過できる高さ以

下とする。

c)

開閉機構  開閉機構は,次による。

1)

開閉に要する力  車いすに乗車したまま開閉できることへの配慮。

2)

操作部の形状  操作しやすく,力をかけやすいことへの配慮。

3)

開閉時の安全性  障子と枠との間に手を挟みにくい構造とすることへの配慮。

d)

その他  a)∼c)以外は,特に次の事項に配慮する。

1) 

面材  衝突時に破損しにくく,平滑でけがをしにくいものとする。

2)

金具及び障子の形状  鋭利な突起がないこと。

3)

操作部などの突起  袖などの引っ掛かりを誘発する突起がないこと。

4)

安全装置  風圧によって急に閉まらない機構を設ける。

5.1.2 

屋内建具  屋内建具(間仕切りに設置され,人が通過する建具)の要求事項は,次による。

a)

寸法  寸法は,次による。

1)

有効通過幅  車いすで通過できる有効通過幅をもつこと。

2) 

操作部

の高さ  操作部(ハンドル,鍵など)は操作するときに,無理な姿勢にならない位置とする。

3)

引き残し,クリアランスなど  ハンドルなどを操作するときに,手を挟みにくい寸法とする(引き

戸においては引き残しを設ける)

b) 

敷居高さ  段差は,あってはならない。ただし,やむを得ず段差を設ける場合は,車いすで通過でき

る高さ以下とする。

c)

開閉機構  開閉機構は,次による。

1)

開閉に要する力  車いすに乗車したまま開閉できることへの配慮。

2)

操作部の形状  操作しやすく,力をかけやすいことへの配慮。

3)

開閉時の安全性  障子と枠との間に手を挟みにくい構造とすることへの配慮。

d)

その他  a)c)以外は,特に次の事項に配慮する。


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1)

面材  衝突時に破損しにくいものとする。

2)

金具及び障子の形状  鋭利な突起がないこと。

3)

操作部などの突起  袖などの引っ掛かりを誘発する突起がないこと。

4)

障子と枠との取り付け強度  人体のもたれかかりによって外れないこと。

5)

外からの解錠機構  内部から施錠できるドアの鍵は,外から解錠できる構造とする。

5.1.3 

人が通過しない開口サッシ  人が通過しない開口サッシの要求事項は,次による。

a)

寸法  寸法は,次による。

1)

操作部の高さ  操作部(ハンドル,鍵など)は操作するときに,無理な姿勢にならないよう配慮す

る。

2)

引き残し,クリアランスなど  ハンドルなどを操作するときに,手を挟みにくい寸法とする(引き

戸においては引き残しを設ける)

b)

開閉機構  開閉機構は,次による。

1)

開閉に要する力  高齢者が無理なく開閉できるよう配慮する。

2)

操作部の形状  操作しやすく,力をかけやすいものとする。

3)

開閉時の安全性  障子と枠との間に手を挟みにくい構造とする。

c)

その他  a)及び b)以外は,特に次による。

1)

面材  衝突時に破損しにくいものとする。

2)

金具及び障子の形状  鋭利な突起がないこと。

3)

操作部等の突起  袖などの引っ掛かりを誘発する突起がないこと。

4)

安全装置  風圧によって,急に閉まらない機構を設ける  。

5.2 

照明器具  照明器具の要求事項は,次による。

a) 

操作

1)

点滅が容易にできる。リモコン式又は人感式自動点滅のものが望ましい。

2)

掃除,電球交換などが,安全,かつ,容易にできる。天井付きの器具は,上下可動式が望ましい。

5.3

スイッチ  照明などのスイッチの要求事項は,次による。

a) 

操作部  操作部は,次による。

1)

形状  操作方法が,認識しやすい形状とする。

2)

構造  操作しやすい,又は操作の必要がない構造とする。

例  ワイドスイッチ,大きめのつまみ,人感式自動点滅機能付き,タイマー機能付き

3) 

分かりやすい用語及びサインを,操作部付近に記載する。

4)

操作後に入−切状態が,確認できることが望ましい。

例  確認ランプ,音声通知

5)

操作時に,位置を確認しやすい形式であることが望ましい。

例  ランプ付き

5.4 

手すり

備考  手すりには,高齢者,障害者など身体機能が低下した人の生活動作を補助及び転倒を防止する

補助手すりと高所からの転落を防ぐための転落防止手すりとの 2 種があるが,この規格では補

助手すりだけを対象とする。

a) 

補助手すり共通  浴室,便所,玄関などで使われる動作補助手すり,階段廊下などで使われる歩行補


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助手すりなどの,補助手すりの要求事項は次による。

1) 

形状は,次による。

1.1)

手すりの握り部の太さ,形状及び材質は,握りやすさに配慮する。

1.2)

水平手すりの端部は,袖口などが引っ掛かりにくい形状とする。

1.3)

人体に触れる部分は,とがり,突起などのない形状が望ましい。

1.4)

壁に沿って取り付ける手すりは,握り部と壁との間に手すりを握る空きを設けられる構造とする。

1.5)

車いすを使用する場合の手すりは,車いす使用者の使いやすさに配慮する。

2)

用途  手すりは,用途に応じた形状・型式(L 型,I 型など)が求められる。手すりの設計に際しては

用途を考慮する必要がある。手すりの用途は次による。

2.1)

アプローチ  歩行補助用,階段昇降用。

屋外に設置される握り部は,冬場の冷たさ,夏場の日射しによる熱さに配慮した材質とすること

が望ましい。

2.2)

玄関  上がりかまち(框)の昇降用,履物脱着時のバランス保持用。

2.3)

廊下  歩行補助用の水平手すり。

2.4)

階段  昇降用。

2.5)

浴室  浴槽出入り用,洗い場立座り用,浴室内移動用,出入口用,及び浴槽内の姿勢保持兼身体の

引き起こし用。

2.6)

シャワーユニット  姿勢保持及び立座り用。

2.7)

トイレ  便座の立座り用

5.5 

給湯設備  給湯設備本体の要求事項は,次による。

給湯対象としては床暖房など循環式の機器もあるが,この規格ではお湯を使用する機器(キッチン,浴

室など)に限定する。

a)

操作部  操作方法が認識しやすい表示及び形状とする。

b)

表示部  文字が識別しやすいものとする。

5.6

通報装置  通報装置は,インターホンなどの日常使用する機器で,要求事項は,次による

a)

通報音  高齢者に聞き取りやすい周波数とする。

5.7 

緊急報知装置  緊急報知装置は,次による。

a) 

警報機(ガス漏れ警報機,火災警報機)  ガス漏れ,火災など災害の発生を通報する固定式の機器で。

警報機の要求事項は,次による。

1) 

音による報知のほか,光による報知を付加することが望ましい。

2) 

音は音声などで災害の種類を報知できるものが望ましい。

3) 

警報ランプは,警報を発したことが容易に確認できるものとする。

4) 

警報の種類が複数ある場合には,警報の種類を判別できるものとする。

b) 

固定式緊急通報装置  高齢者の発作を家族などに知らせる機器で,浴室,トイレなど発作が起きやす

い室に設置し,要求事項は,次による。

備考  固定式のものとペンダント型操作部の携帯式のものとがある。

1) 

操作部  操作部は,次による。

1.1) 

緊急時に操作部を確実に認識し操作できる形状及び大きさとする。

1.2) 

スイッチは,どの部分を押しても,確実に操作できるものとする。

1.3) 

操作時の感覚として,操作感・クリック感をもたせる。


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1.4) 

入−切状態が,表示部の表示,確認ランプ,スイッチ自体の点灯・消灯,報知音などで,操作後

に確認できることが望ましい。

1.5) 

軽量で携帯時の負荷が小さいものとする。

5.8 

アプローチ(道路から玄関までの通路)の設備機器

5.8.1 

門柱・門扉  門柱・門扉の要求事項は,次による。

a)

操作

1)

扉は,開閉が容易で,施錠が簡便なものとする。

2)

郵便受けは,郵便物などの取り出しが容易で,開閉部が安全な納まり・形状とする。

3)

インターホンは,応対の声が聞き取りやすいものとする。

5.8.2 

照明  照明の要求事項は,次による。

a) 

点滅方式  自動点滅方式が望ましい。

5.9 

駐車スペースの設備機器  駐車スペースの設備機器の要求事項は,次による。

a) 

操作

1) 

車両の出入り口の門扉は,開閉が容易であり,安全なものとする。

2) 

リモコン操作で開閉ができることが望ましい。

b) 

照明  自動点滅方式又はリモコン方式が望ましい。

5.10 

玄関の設備機器

a) 

玄関ポーチ  玄関ポーチの要求事項は,次による。

1)

機器の仕様   

1.1)

インターホンは,TV モニター付きが望ましい。

1.2)

−照明は,自動点滅方式が望ましい。

5.11 

階段(住戸内)の設備機器

5.11.1 

滑り止め材  段板の端部に設ける滑り止めの要求事項は,次による。

a)

転倒しても衝撃を和らげる材質及び形状が望ましい。

b)

段板と同一面になる埋込み式が望ましい。

5.11.2

照明  要求事項は,5.2 によるほかは,次による。

a)

人感式自動点滅方式が望ましい。

5.11.3 

ホームエレベーター  ホームエレベーターを設置する場合は,車いすでの使用が容易なものが望ま

しい。要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

車いすと介助者とが乗れる広さがあることが望ましい。

2)

車いすが,通過できる有効通過幅をもつこと。

3)

押しボタンなどの操作部は,車いすから操作しやすい位置とする。

5.12 

浴室の設備機器

備考  ルームタイプの浴室ユニットは,洗い場も対象とする。個々の設備は,浴室ユニットを使用し

ない場合と,共通とする。

a) 

浴室ユニット  浴室ユニットの要求事項は,次による。

1)

洗い場   

1.1) 

面積  洗い場の広さは,浴槽の横に腰掛け台を設置したり,入浴・洗体行為の介助に支障のない

広さとする。


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1.2)

床   

1.2.1) 

洗い場床材料は,水に濡れても滑りにくい材料を使用するか又は滑りにくい形状加工を施す。

1.2.2) 

乾きやすい形状,又は加工を施すことが望ましい。

2) 

出入口建具  出入口建具の要求事項は,次による。

2.1) 

寸法  出入口の開口幅は,シャワーチェアなどの入浴補助具を,浴室内に持ち込むのに十分な幅

とする。

2.2) 

下枠の形状  段差は,あってはならない。ただし,やむを得ない場合は,車いすが通過できる高

さ以下とする。

2.3)

形式   

2.3.1) 

緊急時に,外部から救助可能な構造とする。ガラスを使う場合は安全ガラスを用いる。

2.3.2) 

扉の錠は,外からでも施・解錠可能な形式とする。

3) 

浴槽  浴槽の要求事項は,次による。

3.1) 

寸法・形状   

3.1.1) 

浴槽は,姿勢保持が容易な形状とする。

3.1.2) 

浴槽の縁の高さは,洗い場からまたぎやすい高さとする。

3.1.3) 

浴槽の縁は,腰を下ろして,浴槽に出入りできる形状が望ましい。

3.1.4) 

浴槽の底は,滑りにくい形状や加工が望ましい。

3.1.5) 

浴槽内手すりは,姿勢保持兼身体の引き起こしに適した形状とする。

4) 

水栓金具  水栓金具の要求事項は,次による。

4.1) 

機器の仕様

4.1.1) 

水栓金具は,操作しやすい形状で,湯温調整が安全に行え,やけど防止手段を備えたものとする。

4.1.2) 

シャワーは,ヘッド部分がレールなどで上下可動し,かつ,取り外し可能なものとする。

4.1.3) 

ヘッド部は,出止水調節機能形式が望ましい。

5) 

洗面器台

5.1) 

洗面器台高さ  洗面器台は,いすに腰かけて,使用しやすい高さに設置する。

6) 

排水溝

6.1) 

機器の仕様  排水溝のふたは,滑りにくく,取り外しが容易で,溝を清掃しやすいものとする。

5.13 

シャワーユニット  ルームタイプのシャワーユニットは,浴槽と洗い場に関する部分を除き,浴室

設備と同様とする。要求事項は次による。

a) 

出入口建具

1) 

寸法  出入口の開口幅は,シャワーチェアなどの入浴補助具を,浴室内に持ち込むのに十分な幅と

する。

2) 

形式

2.1) 

緊急時に,外部から救助可能な構造とする。ガラスを使う場合は,安全ガラスを用いる。

2.2) 

扉の錠は,外から施・解錠可能な形式とする。

b) 

水栓金具

1) 

機器の仕様

1.1) 

水栓金具は,操作しやすい形状で,湯温調整が安全に行え,やけど防止手段を備えたものとする。

1.2) 

シャワーは,ヘッド部分が,レールなどで上下可動・取り外し可能なものとする。

5.14 

トイレの設備機器


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5.14.1 

出入口建具  出入口建具の要求事項は,次による。

a) 

開閉形式  人が通過する開口によるほか,次による。

1)

引き戸,外開き戸などとし,非常時に救出が容易な形式とする。

2)

扉の錠は,外からでも解錠可能な形式とする。

5.14.2 

便器  便器の要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

腰掛便器を標準とする。

2)

立ち上がりのために,足が大きく引き込める便器が望ましい。

3)

便座・便ふたは,男子小用の際などに,立てかけたとき,手前に倒れない形式又は自立する形式と

する。

4)

暖房機能付便座とし,温水洗浄便座が望ましい。

5)

暖房機能付便座又は温水洗浄便座においては,暖房又は洗浄温水によるやけどをしない構造とする。

6)

温水洗浄便座は,リモコン方式とし,押しボタンは用途が分かりやすく,操作しやすいものとする。

5.14.3 

洗浄タンク  洗浄タンクの要求事項は,次による。

a) 

機器の仕様

1)

便器洗浄は,楽な姿勢で操作できる,リモコン操作式又は自動洗浄式が望ましい。

2)

リモコンの操作ボタンは,操作性を考慮し,手の甲で操作可能な,大形ボタンとする。

5.14.4 

紙巻器  紙巻器の要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

容易に,紙が取り付けられるものとする。

2)

片手で,紙が切れる形式が望ましい。

3)

紙切板の紙切部は,触れても身体を損傷することなく,安全なものとする。

5.14.5

手洗器  独立した手洗器で,要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

通行及び立ち座り動作の,妨げにならないよう,壁からの突出寸法の,小さい手洗器とする。

2)

物を落としても,簡単に流れて行かないものとする。排水口に,ストレーナーが付いていることが

望ましい。

5.14.6 

手洗器の水栓金具  手洗器の水栓金具の要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

水洗金具は,操作しやすい形状とする。

2)

吐水口は,吐水の飛散を防止する方式とする。

3)

自閉式水栓又は自動水栓が望ましい。

5.14.7 

収納キャビネット  収納キャビネットの要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

扉の開閉が,容易に行える形式とする。

2)

物を出し入れしやすい位置及び大きさとする。

5.14.8 

照明器具  照明器具の要求事項は,次による。

a) 

機器の仕様  人感式など,自動点滅方式のものが望ましい。

5.14.9 

換気設備  換気(排気)は,照明と連動し,消灯後も一定時間運転する形式とする。

5.14.10 

暖房  暖房は,スイッチを入れてから,短時間で室内が暖まる方式が望ましい。


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5.15 

洗面・脱衣室の設備機器

備考  洗面器,鏡,キャビネットなどが組み込まれた洗面化粧ユニットの方式と,それらが単体で取

付けられる方式とがあるが,洗面化粧ユニットの要求事項は共通である。

5.15.1 

洗面化粧ユニット  洗面化粧ユニットの要求事項は,次による。

a) 

寸法  幅が広く,使いやすいものが望ましい。

5.15.2 

洗面器,カウンター部  洗面器,カウンター部の要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

いすに座って,化粧,洗面しやすい仕様とする。

膝が洗面器下に入ることが望ましい。

2)

身体が寄りかかっても,ぐらつかない強度をもつものとする。

3)

洗面器の排水口は,不意に落とし物をしても,拾えるよう,ヘアキャッチャー付きとする。

4)

使用時に,深い前かがみの姿勢とならない,使いやすい高さとする。

5.15.3 

水栓金具  水栓金具の要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

吐水口空間が十分であり,手洗い,洗面をしやすいものとする。

2)

お湯が提供できる混合水栓とする。

3)

吐水栓操作部は,レバー式,又は指が容易に引っ掛かり,操作しやすい形式とする。

4)

温度調節仕様の場合,温度調節ハンドルに指が容易に引っ掛かり,操作しやすい形式とする。また,

やけど防止手段を備える。

5.15.4 

鏡  鏡の要求事項は,次による。

a)

寸法・設置位置

1)

鏡の大きさ,位置は,身体の上部,顔が十分に映るものとする。

2)

いすに座って使用する場合にも,顔が映る大きさが望ましい。

5.15.5 

化粧キャビネット  洗面器の上部に設置する鏡付きの収納で,要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

上部の棚には,収納物が簡単に落下しないように,防止策(バーなど)を備える。

2)

清掃のしやすい形状とする。

b)

キャビネット扉  開閉が,容易に行える形式とする。

c)

スイッチ

1)

照明,防曇ヒーターなどの,スイッチは手の届く位置とする。また,いすに座った姿勢で,スイッ

チに手が届くことが望ましい。

2)

クリック感の十分あるもので,大きなものが望ましい。

3)

表示は,見やすい大きさとする。

5.16 

キッチン設備

5.16.1 

天板(ワークトップ)  天板の要求事項は,次による。

a) 

寸法  足腰に負担をかけずに,作業ができる間口・奥行き・高さとする。

b)

材質・形状

1)

調理作業や,天板清掃のしやすい材質・形状とする。

2)

もたれバー付きの形式が望ましい。

5.16.2 

シンク  シンクの要求事項は,次による。


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a) 

寸法  シンク内作業がしやすい幅・奥行き・深さ・形状とする。

b) 

材質・形状  食器の洗浄作業や,シンク内の清掃のしやすい材質・形状であることが望ましい。

5.16.3 

シンク排水口・配管周り  シンク排水口・配管周りの要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

清掃・点検が,容易な材質,形状とする。

2)

生ごみなどの処理が,容易な形状・構造とする。

5.16.4 

フロアキャビネット  フロアキャビネットの要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

モノの出し入れが,容易な幅・奥行き・高さとする。

2)

楽な姿勢で,モノの出し入れなどの作業ができることが望ましい。

3)

扉の開閉は,容易に行えるものとする。

5.16.5 

ウォールキャビネット(つり戸棚)  ウォールキャビネットの要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

モノの出し入れが,容易な幅・奥行き・高さとする。

2)

楽な姿勢で,モノの出し入れなどの作業ができることが望ましい。

3)

アイレベルには,位置的優位性を活かす配慮をすることが望ましい。

4)

扉の開閉は,容易に行える。

5.16.6 

トールキャビネット(収納庫)  トールキャビネットの要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

モノの出し入れが,容易な幅・奥行き・高さとする。

2)

楽な姿勢で,モノの出し入れなどの作業ができることが望ましい。

3)

扉の開閉は,容易に行えるものとする。

5.16.7 

換気扇・レンジフード  換気扇・レンジフードの要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

清掃が,容易に行えるものとする。

2)

スイッチ類の操作には,身体に負担の掛からない配慮をし,確実に操作ができるものとする。

5.16.8 

ビルトイン機器(調理・加熱)  ビルトイン機器の要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

使用上,誤操作をしにくい形状,構造,表示などの配慮をし,使用者の万一の場合への対応が,敏

速にとれる設計配慮をするものとする。

2)

大きな力を必要とせず,容易に操作できるものとする。

3)

清掃が,容易に行えるものとする。

4)

異常温度上昇防止や,切り忘れ防止などに対する安全装置を設置するものとする。

5.16.9 

食器洗浄機  食器洗浄機の要求事項は,次による。

a)

機器の仕様

1)

使用者に負担をかけない,能率のよい作業ができる配慮をするものとする。

2)

清掃が,容易に行えるものとする。

5.16.10 

水栓金具  水栓金具の要求事項は,次による。

a)

形状

1)

片手でも使いやすい寸法・形状で,ハンドルは手指での操作・調整が,しやすい形状,構造とする。


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2)

操作しやすい形状で,湯温調整が完全に行えるものとする。

5.17 

集合住宅の共用部分の設備機器の要求事項

備考  住戸内は 5.1 から 5.16 と共通である。また,集会室などの住戸以外の居室と,外構は対象外で

ある。

5.17.1 

エントランスロビーの住宅設備

a) 

メールボックス  メールボックスの要求事項は,次による。

1) 

大きさ  車いす使用者の利用でも取出しやすい高さ(段数)とする。

5.17.2 

エレベーター  エレベーターは,中高層住宅だけでなく低層住宅にも必要な設備で,車いす対応と

する。操作パネルの操作性,十分な照度の照明,緊急通報装置の設置などに配慮する。

a) 

操作パネル  乗り場ボタン及びかご内の操作パネルは,車いすを配慮した高さとする。また,緊急通

報装置の設置位置にも配慮する。

関連規格  JIS Z 8071  高齢者及び障害のある人々のニーズに対応した規格作成配慮指針


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附属書 1(参考)身体能力のレベル分けリスト

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1. 

適用範囲  この附属書は,高齢者及び身体に障害のある人々に対応する住宅設備機器を設計するに際

し,対象者のイメージを明確にするためのものである。

2. 

定義

a)

レベル  0 が健常者で,4 はその能力を全く欠く状態である。身体能力全般のイメージは附属書表 1

に示す。

表 216 は能力項目別のリストである。

b)

レベル 0  一般成人をイメージしている。年齢的には、64 歳以下相当。

c)

レベル 1  日常生活に支障はないものの,筋力や視聴覚が低下している。年齢的には、65∼74 歳相当。

(前期高齢者)

d)

レベル 2  特定の疾病やけがなどによる重大な身体能力の低下はなく,日常生活では自立しているが,

レベル 1 よりは身体能力は明らかに低下している。年齢的には、75 歳以上相当。

(後期高齢者)

e)

レベル 3  自立した日常生活は不可能で介護が必要である。レベル 2 と 4 との中間。視覚であれば弱

視。

f)

レベル 4  各能力が全く欠如した状態。移動能力であれば完全な寝たきりであり,視覚であれば全盲。

g)

(+)は症状が進んだ状態を,

(++)は更に進んだ状態を示す。

3. 

能力項目の選定  JIS Z 8071 を参照し,以下の 4 分類 13 項目を定めた。JIS Z 8071 は食品を含む日常

生活用品を対象としているので,感覚,身体,認知,アレルギーの 4 分類である。この規格では基本的に

は高齢者を対象としているので,

アレルギーには触れる必要はないと考える

(高齢者特有の問題ではない)

a)

感覚  視覚,聴覚,触覚・温熱感覚,嗅覚及び平衡感覚

備考  温熱感覚は JIS Z 8071 から追加

b)

身体  巧ち(緻)性,上肢の動き,移動,筋力,発声

備考  (手の動きの)自由さ,と操作とを合わせて巧ち性とし,上肢の動きを追加した。

JIS Z 8071

では,

“Movement”は“動作”と訳されているが,住宅では移動能力が大きく

影響するのでこの附属書では“移動”とした。

c)

認知  知的能力/記憶,言語/読み書き

d)

その他  JIS Z 8071 では取り上げられていないが,住宅の設計や設備機器の選定に必要な項目である。


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附属書   1  身体能力分類

小分類

環境特性

関連法規

人間特性

生活特性

ケア特性

移動特性

レベル

生活イメージ

大分類

中分類

日 常 移 動 時

特性

非 日 常 緊 急 特

介護保険

国民年金・厚生

年 金 障 害 認 定

基準・一般状態

区分

レベル 0

健康。大した病気や障害もなく

普通に生活している。

トイレでの失敗など全くなく,

生活身辺作業はすべて自立し

てこなす。

自立可

介助な

健康標準人

65

歳以下標準人

特性

健康生活。

普 通 日 常 生 活

可能

特別ケアなし

成人

独立避難可

無 症 状 で 社 会

活動ができ

制 限 を 受 け る

ことなく,

発 病 前 と 同 等

に振る舞える。

レベル 1

視聴覚や瞬発力は若いときよ

り落ちているが,日常生活に大

きな支障はない。

新しい機器の操作を覚えるの

に苦労する。

交通期間を利用して独力で外

出するが,長距離の歩行,重い

荷物を持っての歩行

階段の昇り降りがきつい。

筋力は中学生程度。

介助な

または

見守り

健康高齢者

前期高 齢老 化特

65

―74 歳標準人

特性

自 立 日 常 生 活

可能

セルフケアレベル

生活一般

( 情 報 ・ 相

談)

歩行注意

つえ使用

軽 度 の 症 状 が

あり,肉体

労 働 は 制 限 を

受けるが,

歩行,軽労働,

座 業 は , で き

る。

例:軽い家事,

事務など

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附属書   1  身体能力分類(続き)

レベル 2

屋内生活はおおむね支障なく,

日中ほとんどベッドから離れ

て生活。つえなどの使用者も含

むが,基本的に自立歩行可能。

宅内では,つたい歩き屋外は介

助車いす(95%カバーの原則)

出の頻度は少ないが,介助,見

守りがあれば外出できる。長距

離の歩行,階段の昇り降り

は困難。視力聴力は明らかに低

下,その他の能力も低下してい

る。

部分介

歩 行 困 難 の あ る

高齢者

後 期 高 齢 老 化 特

75

―85 歳標準人

特性

部 分 介 助 に よ

る自立

日常生活可能

レジデンシャル

ケアレベル

家事

(

調理・掃除

・洗濯)

歩行困難

車いす利用

部 分 介 助 に よ

る避難可

例:階段は介助

者 が 手 を 貸 し

て降りる。

要支援

歩 行 や 身 の 回

りのことは

できるが,とき

に 少 し 介 助 の

い る こ と も あ

る。

軽 労 働 は で き

ないが,日

中の 50%以上

は起居し

ている。

レベル 3

日常生活全般に何らかの介助

を必要とする。

日常もベッドの上での生活が

主体であるが,座位は保つこと

ができる。

食事はベッドから離れて行う。

排せつはトイレを利用するこ

とができるが,間接的介助が必

要。

独力での歩行,外出はできず,

屋内移動も車いすが必要。

要介護

部分介

助+

自 立 歩 行 不 可 の

高齢者

85

歳以上標準人

特性

介 助 に よ る 日

常生活可

パーソナルケアレベ

身の回り

(排せつ・入

浴)

歩行不可

車いす常用

全 面 介 助 に よ

る避難可

例:階段は介助

者 が 背 負 っ て

降りる

要介護 1-3

*

介護保険は痴

ほ う 特 性 が 含

ま れ る の で 運

動 能 力 だ け で

判 断 さ れ て い

ないので,実際

の ラ ン ク は 上

が る こ と が 多

い。

身 の 回 り の あ

る 程 度 の こ と

はできるが,

し ば し ば 介 助

がいり,日中の

50

% 以 上 は 起

床している。

レベル 4

一日中,ベッドの上で生活し,

食事,排せつ及び着替えにおい

て介助を必要とする。

食事,排せつ及び着替えはベッ

ド上で行う。

自立不

全介助

歩 行 不 可 の 高 齢

車 い す に 移 乗 不

寝たきりなど

自 立 日 常 生 活

不可能

ナーシング&メデ

ィカル

ケアレベル

医療・看護

歩行不可

ベッド常用

独立避難不可

要介護 4-5

身 の 回 り の こ

ともできず,

常 に 介 助 が い

り,終日

就 床 を 必 要 と

している。

備考  各レベルは,対応する住宅設備レベルを定めるための特性レベルである。 

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附属書   2  感覚  1  視覚

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

・近視 
・乱視

・老眼

・眼鏡及びコンタクトレンズを使用すれば日常生活に支障
なし。

(老眼は 40 代から始まるが,50 代中ごろから老眼鏡を手

放せなくなる)

・説明文章を読み理解する

レベル 1

・老眼(+) 
・白内障

・眼鏡なしでは新聞を見るのに苦労する。遠近両用を使用
するか,読書用の眼鏡を携帯している。

・水晶体の白濁及び黄変は始まっている。コントラストの
少ない表示は見にくく,白―黄,青―黒を判別しにくい。
・暗い所ではものが見えにくくなり,明るい所ではグレア

感の増加を自覚する。

・機器を操作する。 
使用する

・スイッチ判別 
・握る,つかむ,押す,ま
わす,引く

・目盛合せ 
・段差の視認

レベル 2

・老眼(++)

・白内障(+)

・緑内障 
・弱視

・老眼がかなり進んだ状態。近点距離はほぼ無限大である。

・読書に眼鏡は欠かせない。中間距離(60cm∼5m)の読み

取りは困難である。 
・水晶体の白濁及び黄変が進み,照度の低い場所では視力

が更に落ちる。 
・階段の段差認識が困難となる。

(同上)

レベル 3

・弱視

・眼鏡又はコンタクトレンズでは視力を矯正しきれず,天
眼鏡などを使用しないと文字を読めない。 
・緑内障などによる視野狭さくもある。

・色の識別が正確でなくなる。

・文字に頼らないスイッチ
類の識別

レベル 4

・全盲

・強度の弱視(明るさは識別するが対話する人の顔及びも

のの判別が出来ない)から視力がない(明暗感知不能)の
レベルまでを含む。

・文字に頼らない代替伝達

手段での識別 
(触知,音声報知)

備考  :障害の視力は矯正視力を示す。


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附属書   3  感覚  2  聴覚

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

耳が遠くなったと自覚するが日常生活で支障はない。

レベル 1

・耳が遠い

・聴力は落ちるが生活に支障をきたすほどではない。ただ
し,高音域(4 000Hz 以上)の聴力は低下している。

・会話を聞き取りにくい場合がある。 
・耳が遠いことを自覚し,他人も認識している。

・音声情報を聞く 
・電話,インターフォンの

使用。

レベル 2

・難聴

・聴力は明らかに低下し,テレビの音が大きくなる。会話
も大きな声でないと聞き取れない。高音域の聴力低下は更
に進み 2 000Hz 以上は聞き取りにくくなる。低音の騒音が

耳障りになる。

・後から声をかけられても判りにくい。

(補聴器を使用する

人もいるが,常時装着しているとは限らない)

(同上)

レベル 3

・難聴(+)  ・耳介に接しなければ言葉を理解しない。

(補聴器を使用す

る場合が多いが,補正後のレベルは様々)

・緊急時対応(報知を受け

る)

レベル 4

・両耳全ろう

(聾)

・音は感じるものの,意味のある情報として聞くことがで

きない。 
・意思の疎通手段として手話があるが,高齢者の場合,手
話を学習していない場合がほとんど。

(同上)


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:2004

附属書   4  感覚  3  触覚・温熱感覚

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活支障なし

・機器を持つ,触れる。 
・機器及び操作スイッチを

握る,つかむ,押す,まわ
す,引く

レベル 1

・加齢による
触覚の衰え

・感覚が鈍り,突起又はノッチを識別しにくくなる。 
・皮膚の温熱受容器の減少・機能低下・神経伝達機能低下

などによって,温度に鈍感になり,温度への適応に時間が
かかる。温度を知覚する前に生理反応を示し風邪などをひ
きやすくなる。

・また,凍傷,やけどをしやすい。

(同上)

レベル 2

・軽度の触覚

障害

・スイッチ類の操作時に入/切を感知しにくくなり,無用

の力を加えてしまうおそれがある。 
・温度への適応が遅くなり,暑い鍋や着衣への引火に気付
くのが遅れる。

・低温でも低温やけどのおそれがある。 
・発汗機能の低下が著しい。

(同上)

レベル 3

・難聴(+)

・ほとんど圧感なし 
・ほとんど熱冷感なし

(同上)

レベル 4

・触覚障害(+

+)

・圧感なし 
・熱冷感なし

・スイッチ類の感知力なし 
(脳疾患の後遺症でこの状態になることもある)


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:2004

附属書   5  感覚  4  嗅覚

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活に支障なし

レベル 1

・加齢による
嗅覚の衰え

・調理作業 
火災などのアクシデント認

知 
・避難

レベル 2

・軽度の嗅覚
障害

・臭いが感知しにくくなる。 
・鍋の焦げ付き,ガス漏れ,火災時の煙の臭いなどの感知
が遅くなる。

(同上)

レベル 3

・ 嗅 覚 障 害

(+)

・ほとんど嗅覚なし

(同上)

レベル 4

・嗅覚障害(+

+)

・味覚なし,臭覚なし 
・味,臭いを感じることが出来ない,又は臭い,味覚を識

別できない。

(同上)

附属書   6  感覚  5  平衡感覚

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活に支障なし

レベル 1

・加齢による
平衡感覚の衰

・平衡感覚が低下,転倒しやすくなる。

“手すりは不要”としながらも,姿勢保持を助けるものが

欲しくなる。例えば,履物を履くとき,壁に手をつく,な

ど。

・玄関,トイレ,脱衣など
での立ち座り 
・入浴(洗い場,湯船での

立ち座り) 
・階段上り下り

レベル 2

・軽度の平衡
感覚機能障害

・衣類や靴の着脱時に補助器具が必要。 
・浴槽内での姿勢保持に手すりを必要とする。 
・階段の昇降や転倒防止に手すりが必要となる。

(同上) 
・段差による空踏み

レベル 3

・平衡感覚機

能障害(+)

・座位でもバランスが不安定で転倒しやすい。

・歩行では歩行器が必要,又は伝い歩き,介助を必要とす
る。

・座る,立つ

・廊下などの歩行 
・歩行器を使用しての歩行

レベル 4

・平衡感覚機
能障害(++)

・姿勢制御不能 
・座位においても身体バランスを保持できない。


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:2004

附属書   7  身体  1  巧ち性

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活に支障なし

レベル 1

加齢に伴う巧
ち作業能力の

低下

ポジショニング及び微調整が難しくなる。

・建具の開閉 
・施・解錠

・機器を操作する,使用す
る 
・スイッチ判別

・握る,つかむ,押す,ま
わす,引く

レベル 2

脳 血 管 性 疾
病,関節リウ
マチなど,老

人性疾患によ
る巧ち能力の
低下

ポジショニング及び微調整が難しくなる。

・マウスのドラッグ 
・機器のダイアルを回す 
・押し切り(テレビのボリ

ューム) 
・マウスのダブルクリック
(敏しょう性)水洗金具の

操作

レベル 3

・同上(+)

・巧ち性に著しい障害あり。

・機器のつまみを持つ,目盛を合わせる,正確な位置への
移動,などが困難。

・座る,立つ

・廊下などの歩行 
・歩行器を使用しての歩行

レベル 4

・同上(++)

・巧ち動作不可。

(同上)


20

S 0024

:2004

附属書   8  身体  2  上肢の動き

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活に支障なし 
五十肩など,一時的に制限されることもある。

レベル 1

・加齢による全般

的身体機能の低下
に伴う上肢の動き
の衰え。

・脳血管性疾病,
関 節 リ ウ マ チ な
ど,老人性疾患に

よる軽度の身体機
能低下。

・日常生活において,特別の不自由を感じないものの,

ものを取る,運ぶ,操作するなどの日常生活において,
動作が緩慢になる。 
・緊急時の対応,とっさの作業に十分な対応が出来な

い。 
・ながら動作がうまくできなくなる。

・ものを取る。運ぶ,操作

する 
・棚のものを取る,収納す

・ドアを開閉する 
・手すりをつかむ 
・機器の操作

レベル 2

・加齢による全般
的身体機能の低下
に伴う上肢機能の

衰え。

(+)

・脳血管性疾病,
関 節 リ ウ マ チ な

ど,老人性疾患に
よる身体機能の低
下。

(+)

・ものを取る,運ぶ,操作をするなどの日常生活行為
において,作業はできるが不自由を感じ,敏しょう性
もなくなる。

・緊急時対応,とっさの作業が出来なくなる。 
・可動域が少なくなる。

(上下共)

・ながら動作が出来なくなる。

(同上)

レベル 3

(同上)及び,せ

き髄損傷,脳性ま
ひなど神経疾患に
よる身体まひ。

・身体(上肢)の
損傷・車いす使用
による制限

・上肢機能に著しい障害がある,又は上肢の指を欠き,

巧ち動作はじめ,日常生活全般に渡り著しい障害があ
る。 
・身辺作業全般に渡り部分的介助が必要。

(同上)

・自助具などの使用

レベル 4

・同上(++)

・左右上肢の機能を全廃,又は上肢を欠く。日常生活
全般に渡り,全面的介助を必要とする。

(同上) 
・代替手段の操作


21

S 0024

:2004

附属書   9  身体  3  移動

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活に支障なし

レベル 1

・加齢による身体
機能の衰え

・脳血管性疾病な
ど,老人性疾患に
よる身体まひ。

・関節リュウマチ
など。

・つえなどを使用すれば自力歩行できる。

・歩行(伝い歩き,つえ,
使用)

・段差乗り越え 
・階段昇降 
・立ち座り

・手すりを握る

レベル 2

・加齢による身体
機能の衰え

・脳血管性疾病等,

老人性疾患による
身体まひ。 
・関節リウマチな

ど(+)

・つえなどを使用すれば自力歩行できるが,長距離の
歩行,階段の上り下りがきつくなる。 
・段差乗り越え,立ち座り,階段上り下りなどの際,

体を支えるものがないと転倒しやすい。 
・車いすを使う場合もある。

・歩行(伝い歩き,つえ,
歩行器使用) 
・段差乗り越え

・階段昇降 
・立ち座り 
・手すりを握る

レベル 3

・同上(++)及
び 
・せき髄損傷,脳

性まひなど神経性
疾患による身体ま
ひ。

・身体(下肢)の
損傷

・立位の維持,座る,立ち上がるなどの動作はできる
が歩行は困難,介助を得て車いすで移動する。

・居室内車いす移動 
・ベッド,便器などへの移

・入浴する(洗い場移動,
浴槽への移乗,立ち座り)
・物を取る,収納する

レベル 4

・同上(+)

・立位を保持できない。車いすを使用しても自力では
全く移動できない。

・車いす移動 
・ベッド,便器などへの移


22

S 0024

:2004

附属書  10  身体  4  筋力

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活に支障なし

・歩行 
・挙手,握る,つかむ,つ

まむ

・機器操作(握る,つかむ,

つまむ,引く)

・ものの横移動,上下移動

レベル 1

・加齢による筋力
の衰え

(同上)

レベル 2

・加齢による筋力
の衰え(+)

・脳血管障害など,

老人性疾患による
筋力の衰え。

・関節リウマチな
どによる筋力の衰
え。

(同上)

レベル 3

・同上(+)及び

筋ジストロフィー
他による筋力の衰
え。

・筋い縮症,せき
髄損傷など神経疾
患による筋力の低

下。

・筋力がコントロールできない。

・下肢筋力の低下によって歩行ができない。

(同上)

レベル 4

・同上(+)

・筋力ゼロ,又はほぼゼロ

・歩行,立位保持ができず,座位を保つことも出来な
い。

・機器操作なし

・代替手段例  呼気


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S 0024

:2004

附属書  11  身体  5  発声

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

日常生活に支障なし

・会話,状況伝達 
・機器操作(音声入力)

・インターフォンに出る

レベル 1

・発声に難があり聞き取りにくいものの語句を発音

できる。会話も理解できる。

レベル 2

・脳血管障害,脳こ

う そ く な ど の 後 遺
症,及び口くうの疾
病 に よ る 発 声 障

害。

・歯の欠損による

発声障害。ほか

聞き取りにくい

(同上)

レベル 3

・脳性まひ,脳血管
障害,脳こうそく,
アルツハイマーなど

の 脳 疾 患 に よ る 発
声,構語障害,ほか

・脳性まひ,脳こうそく他による発声能力の低下で

発声に障害がある。家族とは直接コミュニケーショ
ンが取れるが,一般的には慣れた人が通訳する必要

がある。 
・痴ほうの場合,発生,発音できるものの,意味の
ある言葉を話すことができない。

(同上)

レベル 4

・同上(+)及び・

いん頭摘出など

・発声できない。意味の分かる形で発音できない。


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S 0024

:2004

附属書  12  認知  1  知的能力/記憶

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

・健常

・日常生活に支障なし。

・固有名詞が出てこないなどの“ど忘れ”

“物忘れ”

を時々するなどの良性記憶障害(50 歳くらいから始
まる)

・機器操作 
・操作方法を覚える

レベル 1

・軽度の良性記憶障
害(物忘れ)

・良性記憶障害でも 60 歳代になると固有名詞だけ
でなく一般名詞も出てこなくなる傾向。記憶とは記

銘→保持→再生の手順で機能するが,良性記憶障害
では記憶の再生能力が衰える。 
・新しいものへの適応性が低下。

(同上)

レベル 2

・良性記憶障害(+)

・良性記憶障害でも記銘,保持,再生の全体機能が

衰える。特に,短期記憶障害が顕著となる。(直前

や前日の記憶が薄れる)

・機器に関しても操作方法の取得が困難であり,か

つ,いったん覚えても忘れてしまう傾向。

・機器操作 
・操作方法を覚える

・調理をする

レベル 3

・痴ほう症

・短期記憶障害(食事したことを忘れるなど)のほ

か,ときとして失語,失行(はしを使えなくなる)

失認,せん妄,見当識障害などが現れる。 
・機器誤操作が多くなる。

・食事したことを忘れる。 
・ADL の低下が見られる。

・機器操作

・機器誤操作 
・外出する

レベル 4

・痴ほう症(+)

・重度の痴ほうなど。

・記憶障害のほか,失語,失行,失認,見当識障害,

せん妄などが現れ,日常生活に大きな支障をきた

す。 
・自分の名前,家族の顔,も分からない。 
・はいかい,暴力,暴言,昼夜逆転など問題行動が

現れる。 
・運動障害,いん(嚥)下,摂食障害が伴う。

・設備機器操作は不可


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S 0024

:2004

附属書  13  認知  2  言語/読み書き

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

※1

・日常生活に支障なし。

・機器操作方法を読む。 
・機器操作表示を読む。

・目盛を読む。 
・機器に情報入力する。

レベル 1

(同上)

レベル 2

(同上)

レベル 3

・脳疾患による失語
症など

・文字を読んで意味をくみ取ることや,意味のある

文字・文章を書くことが困難。 
  コミュニケーションが取りにくくなる。

(介護サ

ービスなどを受ける際に問題を生じる)

(同上)

レベル 4

附属書  14  その他

症状例

状    況(解説)

行    動

レベル 0

レベル 1

・夜間の頻尿

・トイレへの移動

レベル 2

・軽い尿失禁 
・脳・心臓発作

(洗濯)

・浴槽につかる 
・洗体

・排便 
・異常の通知

レベル 3

・尿失禁

(清掃)

(洗濯)

レベル 4

・脳血管性痴呆 
・アルツハイマー形

痴呆

・はいかい,ろう(弄)便など問題行為

(清掃)

・はいかい

                                                                        ()内は本人以外の行動