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R 9200 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって,JIS R 9200 : 1986 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 R

9200

 : 1999

せっこう及び石灰に関する用語

Glossary of terms related to gypsum and lime

序文  この規格は,1986 年に制定されて以来改正,確認が行われてきたが,マグネシアセメントの日本工

業規格は廃止され,又せっこう及び石灰工業の技術革新に伴い関連する日本工業規格にもかなりの改正・

廃止・統合されたものがある。これに伴い,せっこう及び石灰に関する用語並びに定義を全体的に見直し,

実状に即した内容に改正を行った。

1.

適用範囲  この規格は,せっこう及び石灰に関連する工業において用いられる主な用語について規定

する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS A 5008

  舗装用石灰石粉

JIS A 6301

  吸音材料

JIS A 6711

  せっこう複合金属サイディング

JIS A 6901

  せっこうボード製品

JIS A 6902

  左官用消石灰

JIS A 6903

  ドロマイトプラスター

JIS A 6904

  せっこうプラスター

JIS K 8617

  炭酸カルシウム(試薬)

JIS K 8963

  硫酸カルシウム二水和物(試薬)

JIS R 0305

  石灰焼成用窯炉の熱勘定方式

JIS R 5201

  セメントの物理試験方法

JIS R 9001

  工業用石灰

JIS R 9101

  セッコウの化学分析方法

JIS R 9111

  陶磁器型材用せっこう

JIS R 9112

  陶磁器型材用せっこうの物理試験方法

JIS R 9151

  セメント用天然せっこう

JIS S 6009

  白墨

JIS T 6604

  歯科用焼せっこう

JIS T 6605

  歯科用硬質せっこう

3.

用語及び定義  用語及び定義は,次による。参考のために対応英語を示す。


2

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

001 

アラゴナイト CaCO

3

。斜方晶系。密度 2.93g/cm

3

。炭酸カルシウムの同質

多形の一つ。あられ石ともいう。

aragonite

002 

アラバスター

雪花せっこうを参照。

alabaster

003 

亜硫酸カルシウム

天然には産出しない。四水和物 (CaSO

3

・4H

2

O)

,半水和物

(CaSO

3

・1/2H

2

O)

,無水和物 (CaSO

3

)

の 3 種類が存在する。

四水和物は 5℃以下で安定である。半水和物:斜方晶系。

密度 2.50g/cm

3

。室温では安定で,窒素中 330∼360℃で無

水和物に脱水する。無水和物は水と練ると半水和物に水和,

硬化する。

calcium sulfite

004 

α

型半水せっこう

α

-CaSO

4

・1/2H

2

O

。三方晶系。密度 2.76g/cm

3

。二水せっこ

うを加圧下で脱水し,約 0.5 モルの化合水を保有した水和

硬化性のある硫酸カルシウム半水和物。主に水蒸気法,水

溶液法などで得られる。

α型せっこうともいう。

α

-hemihydrate gypsum

005 

安定性試験

左官用消石灰,ドロマイトプラスターなどの左官施工後の

安定性を調べる試験(JIS A 6902JIS A 6903 参照)

soundness test

006 

医療用せっこう

整形外科,美容整形などに用いられる半水せっこう。

medical (gypsum) plaster

007 

加圧消化

オートクレーブを用いて,加圧下で生石灰及び軽焼ドロマ

イトを消化させる方法。圧力消化ともいう。短時間で消化

できる。

pressure hydration

008 

開孔率

吸音用あな(孔)あきせっこうボードの面積とそれに開け

たあな(孔)の合計面積との割合。百分率で表す(JIS A 6301

参照)

rate of hole area

009 

貝灰 
(かいばい)

貝殻をか焼した石灰。我が国では消石灰として,しっくい

塗りに用いられる。

shell lime

010 

加温圧縮強さ

歯科用硬質せっこうの硬化体を温水中に 2 時間浸せきした

後の圧縮強さ(JIS T 6605 参照)

011 

加温試験

歯科用焼せっこうの硬化体が温水中で崩れるかどうかを調

べる試験(JIS T 6604 参照)

012 

化学せっこう

天然せっこうの対語。各種工業で,中和又は複分解の化学

反応によって生成するせっこう。

chemical gypsum

013 

化合水[せっこう]

二水せっこう及び半水せっこうに結合しているそれぞれ 2

モル,1/2 モルの結晶水。

combined water

014 

か焼

炭酸塩,水酸化物,水和物などを二酸化炭素又は水の一部,

若しくは全部が消失するまで焼く操作。

calcination,

calcining

015 

型材用せっこう

陶磁器その他各種成形型に用いられる半水せっこう。

molding (gypsum) plaster

016 

硬焼生石灰

(かたやききせっかい)

石灰石を通常より高温で焼成した生石灰で,酸化カルシウ

ムの結晶が発達するため気孔率が少なく,活性度が低い。

硬焼(こうしょう)石灰ともいう。

hard-burned lime

017 

可溶性無水せっこう

半水せっこうを加熱したときに初めに生成する無水せっこ

うで,水和硬化性がある。組成式は III-CaSO

4

又は

γ-CaSO

4

soluble anhydrous gypsum

018 

カルサイト CaCO

3

。 三 方 晶 系 。 密 度 2.71g/cm

3

。 分 解 温 度 890 ℃

(101.3kPa)

。炭酸カルシウムの同質多形の一つ。方解石とも

いう。高い複屈折及び晶相の変化が極めて著しい特徴があ

る。

calcite

019 

乾燥時曲げ試験

恒量まで乾燥したせっこうボードの曲げ破壊荷重を測定す

る試験(JIS A 6901 参照)

dry breaking load test

020 

含水率[せっこうボー
ド]

せっこうボードに残存している水分量で,40±2℃で蒸発す

る水分質量と乾燥質量との割合。百分率で表す(JIS A 6901

参照)

moisture content


3

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

021 

含水率[白墨]

白墨の成形乾燥製品に残存している水分で,約 45℃で蒸発

する量。百分率で表す(JIS S 6009 参照)

moisture content

022 

気硬性セメント

水で練ると空気中で硬化するが,水中では硬化しないセメ

ント。焼せっこう及びマグネシアセメントなど。

air hardening cement

023 

生石灰 
(きせっかい)

石灰石をか焼したもので,主成分は酸化カルシウム。水を

加えると水和して消石灰となる。生(せい)石灰ともいう。

quicklime

024 

既調合プラスター

あらかじめ骨材,混和材料が混入されており,建築現場に

おいて水を加えるだけで使用できるせっこうプラスター

JIS A 6904 参照)

025 

吸音用あな(孔)あき
せっこうボード

吸音を目的として所定のあな(孔)を表面から裏面まで貫

通させたせっこうボード。紙,不燃紙,ガラス繊維などで

裏打ちしたものもある(JIS A 6301 参照)

perforated gypsum board

for acoustic use

026 

吸水試験

シージングせっこうボードの吸水性を調べる試験で,全吸

水試験と表面吸水試験がある(JIS A 6901 参照)

water absorption test

027 

吸油量

ゴム用炭酸カルシウムの品質試験の一つで,流動パラフィ

ンの最大吸収量。

oil absorption

028 

強化せっこうボード

火災時の火炎に相当時間接したとき,せっこうボードのひ

び割れ,脱落を防止するため,せっこうしんに無機質繊維

材料を分散混入した防火性能の高いせっこうボード(JIS A 

6901

参照)

fire-resistant gypsum board

029 

凝結時間

焼せっこう,せっこうプラスターなどの水和硬化性をもつ

硫酸カルシウムが水和の過程で固化する時間で,混水開始

時から凝結固化するまでの時間(JIS A 6904

JIS R 9112

JIS T 6604

参照)

setting time

030 

凝結促進剤

焼せっこう及び無水ぜっこうなどの水和反応を速め,凝結

を促進するために用いられる添加剤。

setting accelerator

031 

凝結遅延剤

凝結遅緩剤ともいう。せっこうプラスターの水和反応を遅

らせ,凝結に要する時間を長くするために用いられる添加

剤。例えば,たんぱく質の加水分解物その他。

setting retarder

032 

凝結調整剤

凝結時間の調整又は混練後のせっこうスラリーの性状の調

整などのために用いる添加剤の総称。

setting modifier

033 

凝結膨張

焼せっこう,硬質せっこうなどが凝結するときに現れる膨

張。

setting expansion

034 

キ−ンスセメント

二水せっこうを低温か焼して低水和物にし,これに硬化促

進剤液を加えて水和含浸させ,約 500℃以上の高温で再か

焼して得られる。II 型無水せっこうを主成分とした水和硬

化性のプラスター。又は建築用の無水せっこう系プラスタ

ーの総称にも使われる。

Keene's cement

035 

苦灰石 
(くかいせき)

ドロマイトを参照。

dolomite

036 

軽質炭酸カルシウム

軽質炭カルともいう。沈降炭酸カルシウムと同義語。又は

沈降炭酸カルシウムのうち,コロイド性炭酸カルシウムに

対して,比較的粒径の大きい(1∼3

µm)ものをいう場合も

ある。

precipitated calcium

carbonate light

037 

軽焼生石灰

(けいしょうきせっか
い)

石灰石を分解温度(約 900℃)よりあまり高くない温度で

か焼した生石灰。多孔質で活性度が高い。軟焼(なんしょ

う)石灰ともいう。

soft-burned lime


4

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

038 

軽焼ドロマイト 
(けいしょうどろまい

と)

ドロマイトを分解温度(約 900℃)よりあまり高くない温

度で,ペリクレース (MgO) 結晶があまり成長しない程度

にか焼したもの。活性度が高く,製鋼用その他に用いられ

る。

soft-burned dolomite,

dolomitic quicklime

039 

軽焼マグネシア 
(けいしょうまぐねし
あ)

軽焼苦土ともいう。マグネサイト又は水酸化マグネシウム

を 600∼800℃にか焼して得られる活性のある酸化マグネ

シウム。

soft-burned magnesia

040 

化粧せっこうボード

せっこうボードの表面に印刷,オーバレイ,塗装又は型押

しなどで化粧加工し,そのまま仕上げ材料として建築物の

内装に用いられるせっこうボード(JIS A 6901 参照)

decorated gypsum board

041 

結合水[消石灰]

消石灰において,酸化カルシウムと結合している水分。付

着水分と区別する。

combined water

042 

結晶せっこう

二水せっこうを参照。

crystal gypsum

043 

現場調合プラスター

建築現場において骨材を調合の上,水と練り合わせて使用

するせっこうプラスター(JIS A 6904 参照)

044 

工業用石灰

鉄鋼,化学工業などの工業に用いる生石灰及び消石灰

JIS R 9001 参照)

industrial lime

045 

工業用せっこう

型材用,医療用など建材用以外の用途に用いられる半水せ

っこう。

industrial (gypsum) plaster

046 

硬質せっこう

α

型半水せっこうを多量に含むせっこうで,通常の焼せっ

こうに比べ混水量が低く強度が高い。

hard (gypsum) plaster

047 

合成ドロマイトクリン
カー

天然ドロマイトでつくるクリンカーに対して,耐火物に適

切かつ安定な品質になるように合成したマグネシア・カル

シアクリンカー。

synthetic dolomite clinker

048 

硬せっこう

天然に産出する鉱物で,主成分は II-CaSO

4

である。無水せ

っこうを主成分とする鉱物。

anhydrite

049 

硬度試験

a)

プラスター類の硬化した表面の硬さを測定する試験

JIS A 6902

JIS A 6903JIS A 6904 参照)。

b)

せっこう複合金属サイディングに用いた鋼板の塗膜の

硬さを測定する試験(JIS A 6711 参照)

hardnesstest,

pencil hardness test

050 

ご粉

日本画の絵の具の体質顔料その他に用いられる炭酸カルシ

ウムを主成分とする貝殻の微粉末。

whiting

051 

ゴム用炭酸カルシウム  ゴムのフィラーとして用いられる炭酸カルシウムで,軽質

と重質とがある。

calcium carbonate for

rubber

052 

コロイド性炭酸カルシ
ウム

沈降炭酸カルシウムのうち,粒径が約 0.1

µm 以下の微細な

もの。

precipitated calcium

carbonate colloidal

053 

混水量

半水せっこうを適当なスラリー状とするに要する水の量

JIS R 9112

JIS T 6604JIS T 6605 参照)。

mixing water amount

054 

混和材料

せっこうボードの性能を向上させるために用いられるガラ

ス繊維,ロックウール,パルプ,パーライト,ひる石など

の補助材料の総称。

admixture

055 

再生石灰

化学工業その他で使用した石灰を再利用するため,回収し

て再か焼したもの。

reclaimed lime

056 

左官用消石灰

しっくい塗りその他,

建築物の左官工事に用いる消石灰で,

上塗り用と下塗り用とがある(JIS A 6902 参照)

plastering lime

057 

酸化カルシウム CaO。立方晶系。融点 2 572℃。密度 3.40g/cm

3

。生石灰の

主成分。

calcium oxide

058 

酸化マグネシウム MgO。立方晶系。融点 2 800℃。密度 3.00∼3.05g/cm

3

(軽

焼)

,約 3.6g/cm

3

(硬焼)

。マグネシアともいう。

magnesium oxide


5

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

059 

残留 CO

2

石灰石をか焼したとき,生石灰中に残留する炭酸カルシウ

ムに含まれる二酸化炭素。百分率で表す(JIS R 0305 参照)

rest carbon dioxide

060 

塩焼石灰 
(しおやきせっかい)

石灰石に対して約 1%以内の食塩などを添加してか焼した

生石灰。消化しやすいなどの特徴がある。

quicklime calcined with

salt addition

061 

歯科用硬質せっこう

歯科医療で用いる硬質せっこう(JIS T 6605 参照)

dental stone

062 

歯科用焼せっこう

歯科医療で模型,印象などに用いる焼せっこう(JIS T 6604

参照)

dental plaster

063 

シージングせっこうボ
ード

ボードの水,湿分による強度劣化を防ぐため,防水処理し

たせっこうをしんとし,防水加工した原紙で被覆成形した

せっこうボード。主として台所,浴室などの屋内多湿箇所,

外壁の下地などに用いる(JIS A 6901 参照)

gypsum sheathing board

064 

自然消化

生石灰が空気中の水分を吸収して自然に消化する現象。自

己消化又は空気消化ともいう。

air slaking

065 

しっくい

消石灰(貝灰を含む)に,すさ,砂,のり材などを混ぜ,

練ったもの。しっくい塗りは,我が国の伝統的な左官工法

である。

Japanese lime plaster

066 

湿潤時曲げ試験

シージングせっこうボードを温度 40±2℃,相対湿度 85∼

90%

に 96 時間静置した状態の曲げ破壊荷重を測定する試

験(JIS A 6901 参照)

wet breaking load test

067 

始発時間[せっこうプ
ラスター]

せっこうプラスターの凝結過程の一つで,スラリーを測定

容器に入れ,規定するビカー針装置の針の先端が容器の底

から約 3mm のところで止まるまでの時間(JIS A 6904 

照)

initial setting time

068 

始発時間[焼せっこう]  陶磁器型材用せっこうの凝結過程の一つで,流し込み開始

時間に達したスラリーを金属円筒型に流し込み,ビカー針

装置の標準針が容器の底から 1mm の高さに止まるように

なるまでの時間(JIS R 9112 参照)

initial setting time

069 

重質炭酸カルシウム

重質炭カルともいう。石灰石を乾式又は湿式粉砕,分級し

てつくった炭酸カルシウム。

calcium carbonate heavy

070 

熟成

a)

製造直後の消石灰を貯蔵して,残っている生石灰の水

和を完結させる操作。

“ねかし”ともいう。

b)

か焼したせっこう中の III 型無水せっこうをより安定

な形の半水せっこうにさせる操作。

ag (e) ing

071 

消化

生石灰又は軽焼ドロマイトに水を反応(水和)させる操作。

工業的には乾式及び湿式消化がある。

hydration,

slaking

072 

衝撃試験

せっこう複合金属サイディングに所定のおもりを落下させ

たときのボードの脱落及びジョイントの外れなどを調べる

試験(JIS A 6711 参照)

impact test

073 

衝撃変形試験

せっこう複合金属サイディングに用いられている表面処理

鋼板に所定のおもりを落下させたときの表面塗膜の割れ,

はがれなどの有無を調べる試験(JIS A 6711 参照)

074 

消石灰

生石灰に水を反応させて得たもので,主成分は水酸化カル

シウム。

hydrated lime,

slaked lime

075 

蒸気試験

左官用消石灰,ドロマイトプラスターなどの安定性試験の

一つ(JIS A 6902JIS A 6903 参照)

steaming test

076 

終結時間[せっこうプ
ラスター]

せっこうプラスターの凝結過程の一つで,スラリーを測定

容器に入れ,規定するビカー針装置の針の先端が供試体の

表面から約 3mm のところで止まるまでの時間(JIS A 6904

参照)

final setting time


6

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

077 

終結時間[焼せっこう]  陶磁器型材用せっこうの凝結過程の一つで,流し込み開始

時間に達したスラリーを金属円筒型に流し込み,最高温度

を示すようになるまでの時間(JIS R 9112 参照)

final setting time

078 

水酸化カルシウム Ca

(OH)

2

。六方晶系。密度約 2.34g/cm

3

。450∼550℃で脱水

し酸化カルシウムとなる。消石灰の主成分。

calcium hydroxide

079 

水分[せっこう]

せっこうに付着している水で,約 45℃で蒸発する量(JIS R 

9101

参照)

free water

080 

水溶性りん酸[せっこ
う]

一定量の水に溶出するりん酸分。五酸化りん (P

2

O

5

)

換算

値を含有率で表す(JIS R 9101 参照)

water soluble phosphoric

acid

081 

生石 
(せいせっかい)

生(き)石灰を参照。

quicklime

082 

製錬せっこう

銅,亜鉛,鉛などの製錬工場で副生するせっこう。

scouring gypsum

083 

石灰

生石灰,消石灰の総称。石灰石も含める場合もある。

lime

084 

石灰焼成用窯炉 
(せっかいしょうせい
ようようろ)

石灰石を焼成して生石灰をつくる窯炉の総称。石灰焼成炉,

石灰炉,石灰窯などともいう。立窯,回転窯などがある(JIS 

R 0305

参照)

lime kiln

085 

石灰石

石灰岩の工業用語。方解石,あられ石などを主な構成鉱物

とするたい(堆)積岩。主成分は炭酸カルシウムである。

窯業,製鉄業,各種化学工業などの主要な石灰原料として

用いられる。

limestone

086 

石灰乳

生石灰を多量の水で消化し,又は消石灰を水に分散させて,

乳状の懸濁液としたもの。

milk of lime

087 

雪花せっこう 
(せっかせっこう)

CaSO

4

・2H

2

O

。アラバスターともいう。細かい結晶の集合し

た天然せっこうで,外観は大理石に類似する。主に,陶磁

器型材用,模型用などの焼せっこう製品の原料である。

alabaster

088 

せっこう

硫酸カルシウムの総称で,通常は二水せっこうをいう。硫

酸カルシウムを見よ。

gypsum

089 

せっこう複合金属 
サイディング

鋼板とせっこうボードを密着又は接着させた複合材料で,

住宅その他の外装に用いる(JIS A 6711 参照)

steelsidings-backing by

gypsum board

090 

せっこうプラスター

焼せっこうの硬化性を利用したプラスター。現場調合プラ

スターと既調合プラスターがある(JIS A 6904 参照)

gypsum plaster

091 

せっこうボード

半水せっこう,混和材料などに適量の水を加えてよく練り

混ぜたものをしんとし,その両面をせっこうボード用原紙

で被覆成形した板で,建築物の内装その他に広く用いられ

る(JIS A 6301JIS A 6901 参照)

gypsum board,

gypsum plaster board,

gypsum

board-non-combustible

type

092 

せっこうボード用原紙  せっこうボードの製造に用いる板紙で,表紙と裏紙がある。

いずれも古紙及びパルプを主原料とし 4∼6 層に抄紙され

る。表紙にはせっこうボード用原紙,化粧せっこうボード

用原紙及びシージングせっこうボード用原紙などがある。

lining paper for gypsum

board

093 

せっこうラスボード

せっこうプラスターの塗り下地に用いるせっこうボード。

せっこうボードとせっこうプラスターの付着性を向上させ

る目的で表面に小さなくぼみを多数設けたせっこうボード

JIS A 6901 参照)

gypsum lath board

094 

折損強度[白墨] 
(せっそんきょうど)

白墨の折曲げ荷重に対する抵抗の程度を測定した強度

JIS S 6009 参照)

bending strength

095 

接着増強剤

せっこうボードのしんとせっこうボード用原紙との接着性

を増すために用いる添加剤。スターチ及び合成樹脂系接着

剤などがある。


7

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

096 

セメント用せっこう

ポルトランドセメント及び混合ポルトランドセメントの凝

結時間を調節する目的で用いるせっこう(JIS R 9151 

照)

gypsum for Portland

cement retarder

097 

セレナイト

透(とう)せっこうを参照。

selenite

098 

繊維せっこう CaSO

4

・2H

2

O

。絹糸状せっこうともいう。繊維状に細長く結

晶が発達し,破面が絹糸状を示す天然せっこう。

satinspar

099 

全吸水率

シージングせっこうボードを水中に 2 時間浸したときの吸

水量と乾燥質量との割合。百分率で表す(JIS A 6901 参照)

water absorption content

100 

層間はく離

せっこうボード用原紙の層間がはがれる現象。

splitting

101 

増粘剤

せっこうプラスターのこて塗り作業性及び保水性を向上さ

せるのに用いる添加剤。メチルセルロースその他がある。

viscosity improver

102 

粗粒滴定法

生石灰,軽焼ドロマイトの活性度を測定する代表的方法。

一定粒度の生石灰,軽焼ドロマイトを水に投入し,かくは

んしながら塩酸で連続滴定する。

coarse grain titration

103 

耐火炎性試験

強化せっこうボードの耐火性,特に火炎に対する抵抗性を

調べる試験。試験片を 2 台のガスバーナーの炎の中間位置

につるし,所定の時間加熱して試験片が破断するかどうか

を観察する(JIS A 6901 参照)

flame resistance test

104 

耐衝撃試験

化粧せっこうボード,強化せっこうボード及び不燃積層せ

っこうボードに所定のおもりを落下させたときのくぼみ,

き裂などを調べる試験(JIS A 6901 参照)

impact resistance test

105 

耐はく離性試験

所定の荷重を加え,各種せっこうボードのせっこうしんと

表紙又は裏紙とがはく離するかどうかを調べる試験。乾燥

時と吸水時(シージングせっこうボードだけ)の区別があ

る(JIS A 6901 参照)

peeling test

106 

耐変退色性試験

化粧せっこうボード及び不燃積層せっこうボード表面の退

色性を調べる試験。試験片の表面を紫外線カーボンフェー

ドメータで所定時間露光した後,グレースケールと比較す

る(JIS A 6901 参照)

107 

大理石

りょう(菱)面体晶方解石型のよく発達した炭酸カルシウ

ム結晶が集合した鉱物。白色又は美しい色彩,はん紋のあ

るものが多い。研磨すると光沢を示し,建築及び彫刻など

の装飾用石材に用いる。

marble

108 

立窯 
(たてがま)

代表的な石灰焼成炉で,上部から原料を入れ,下部から焼

成物を取り出す立形の窯である。

shaft kiln,

vertical kiln

109 

炭カル

炭酸カルシウム粉末製品の総称。重質炭酸カルシウムと沈

降炭酸カルシウムとがある。

calcium carbonate powder

110 

炭酸カルシウム CaCO

3

。密度 2.71g/cm

3

(カルサイト型)

,2.93g/cm

3

(アラ

ゴナイト型)

,2.64g/cm

3

(バテライト型)

。約 900℃で分解

して酸化カルシウムとなる(JIS K 8617 参照)

calcium carbonate

111 

チタンせっこう

硫酸法による酸化チタンの製造過程から副生する化学せっ

こう。

titanogypsum

112 

沈降炭酸カルシウム

石灰乳に炭酸ガスを作用させるなど,カルシウムイオンに

炭酸イオンを反応させて,沈殿反応によって製造した炭酸

カルシウム。沈降炭カルともいう。

precipitated calcium

carbonate

113 

天然せっこう

天然に産出するせっこう。二水せっこうの形のものが多い。

無水せっこうの形で産出する場合もあり,この鉱物は硬せ

っこうともいう。

natural gypsum


8

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

114 

陶磁器型材用せっこう  陶磁器の製造に使用する型材用せっこう。型材用せっこう

を参照(JIS R 9111 参照)

gypsum casting and

molding plaster for

pottery

115 

透せっこう

(とうせっこう)

CaSO

4

・2H

2

O

。セレナイトともいう。純白結晶性のほとんど

透明な天然せっこうで,板状に大きく成長したものはマリ

ンガラス,マリアガラスとも呼ばれる。

selenite

116 

土中窯

(どちゅうがま)

山などの傾斜面に石積みで炉を形成し,周囲を土で埋めて

つくる石灰立窯。自立窯の対語。

117 

ドロマイト CaMg

(CO

3

)

2

。三方晶系。密度 287g/cm

3

。1 次分解温度約

800

℃,2 次分解温度約 900℃。CaMg (CO

3

)

2

の複塩を主成

分とする岩石で,苦灰石,白雲石ともいう。

dolomite

118 

ドロマイトクリンカー  天然ドロマイトを硬焼したもの。

dolomite clinker,

dead-burned dolomite

119 

ドロマイト質石灰

ドロマイトをやや多く含む石灰。

dolomitic lime

120 

ドロマイトプラスター  ドロマイトを軽焼し,消化し,粉砕してつくる左官材料で,

上塗り用と下塗り用とがある(JIS A 6903 参照)

dolomite plaster,

dolomitic lime plaster

121 

流し込み開始時間

焼せっこうを水に投入し始めてから流し込み成形ができる

適度な粘性のスラリーになるまでの時間(JIS R 9112 

照)

122 

二水せっこう CaSO

4

・2H

2

O

。単斜晶系。密度 2.31∼2.33g/cm

3

。硫酸カル

シウム二水和物の物質名で,結晶せっこうともいう。

dihydrate gypsum

123 

ぬれ圧縮強さ

焼せっこうを水に投入し始めてから 1 時間後の供試体の圧

縮強さ(硬質せつこうの場合は 3 時間後の強さ)(JIS T 

6604

JIS T 6605 参照)。

wet compressive strength

124 

ぬれ引張強さ

焼せっこうを水に投入し始めてから 2 時間後の試験片の引

張強さ(JIS R 9112 参照)

wet tensile strength

125 

粘度係数

左官用消石灰,ドロマイトプラスターなどの塗りやすさを

示す係数(JIS A 6902JIS A 6903 参照)

viscosity coefficient

126 

排煙脱硫せっこう

硫黄酸化物公害を防止するため発電所,工場などに設けた

排脱装置から副生するせっこう。排脱せっこう又は脱硫せ

っこうともいう。

flue-gas gypsum,

desulfogypsum

127 

白墨

焼せっこう又は炭酸カルシウムを主材として成形し,黒板

その他に使用する用品。チョークともいう(JIS S 6009 

照)

chalk

128 

半水せっこう CaSO

4

・1/2H

2

O

。三方晶系。硫酸カルシウム半水和物の物質

名。結晶状態の差異によって

α型(密度 2.76g/cm

3

)と

β型(密

度 2.64g/cm

3

)とがある。

hemihydrate gypsum

129 

ビカー針装置

焼せっこうその他の凝結時間を測定する装置  (JIS A 

6902

JIS A 6903JIS A 6904JIS R 5201JIS R 9112 

照)

Vicat (needle) apparatus

130 

標準混水比

プラスター類を標準軟度とするに要する水とプラスターと

の質量割合。標準混水量ともいう(JIS A 6902JIS A 6903

参照)

mixing water amount for

normal consistency

131 

標準軟度

左官用消石灰,ドロマイトプラスター,せっこうプラスタ

ーの凝結,安定性,粘度,強さなどの試験を行う場合のペ

ースト及びモルタルの標準の軟らかさ(JIS A 6902JIS A 

6903

JIS A 6904 参照)

normal consistency

132 

表面吸水量

シージングせっこうボードの表面吸水試験において表面か

ら 3 時間給水させた水の質量。g で表す(JIS A 6901 参照)

surface water absorption


9

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

133 

副産石灰

アセチレン製造の際に副生するカーバイド石灰その他各種

工業から副生する石灰の総称。

by-product lime

134 

副産せっこう

各種工業の中和又は複分解の過程から副生するせっこう。

by-product gypsum

135 

ふけ

左官用消石灰,ドロマイトプラスターなどの左官施工後,

未消化のまま残った生石灰粒が消化して噴出するもの。蒸

気試験によって調べる(JIS A 6902JIS A 6903 参照)

popping and pitting

136 

ふっ酸せっこう

ホタル石と濃硫酸を用いてふっ化水素を発生させる過程か

ら副生する化学せっこう。

fluorogypsum

137 

不燃積層せっこうボー

せっこうボードの表紙に不燃性の厚紙を用い製造したせっ

こうボード。壁及び天井の下地材に用いる。また,仕上げ

材用として不燃性表紙に化粧を施したものもある(JIS A 

6901

参照)

138 

ふるがたせっこう

陶磁器成形のせっこう型で摩耗又は欠損などによって型と

して使用不可能になったもの。せっこう原料として再利用

されることもある。

waste mold gypsum

139 

β

型半水せっこう

β

-CaSO

4

・1/2H

2

O

。三方晶系。密度 2.64g/cm

3

。二水せっこう

をか焼し,約 0.5 モルの化合水を保有した水和硬化性のあ

る硫酸カルシウム半水和物。

β

型せっこうともいい,焼せ

っこうの主成分。

β

-hemihydrate gypsum

140 

方解石

カルサイトを参照。

calcite

141 

防水剤

せっこうボードの水,湿分による強度劣化に抵抗性をもた

せるために用いる防水性又ははっ水性を与える添加剤。ア

スファルト・ワックスエマルジョンその他がある。

waterproofing agent

142 

ぼう硝せっこう

塩化カルシウムにぼう硝を反応させる過程から副生する化

学せっこう。

sodagypsum

143 

膨張性き裂

左官用消石灰,ドロマイトプラスターなどの左官施工後,

未消化物の消化膨張によって生じるき裂。安定性試験によ

って調べる(JIS A 6902JIS A 6903 参照)

expansion crack

144 

舗装用石灰石粉

アスファルト舗装,タール舗装など歴青舗装に用いられる

石灰石粉(JIS A 5008 参照)

limestone filler for

bituminous paving

mixtures

145 

マグネシア

酸化マグネシウムを参照。

magnesia

146 

曲げ破壊荷重

せっこうボードの上部から集中荷重をスパン中央の全幅に

徐々に加え,試験片が破壊したときの荷重。ニュートン (N)

で表す。乾燥と湿潤時(シージングせっこうボードだけ)

の区別がある(JIS A 6901 参照)

breaking load

147 

マルテンス型引っかき

硬度計

プラスター類の硬化した表面の硬度を調べる試験装置(JIS 

A 6902

JIS A 6903 参照)

scratch tester of Martens

type

148 

見掛けの終結時間

陶磁器型材用せっこうの凝結過程の一つで,流し込み開始

時間に達したスラリーを金属円筒型に流し込み,ビカー針

装置の標準針の先端が供試体の表面から 1mm の深さに止

まるようになるまでの時間(JIS R 9112 参照)

apparent final setting time

149 

水せっこう比

ペースト又はスラリー状態にするに要する水とせっこうと

の割合を質量比で表したもの。

water/plaster ratio

150 

未分解物

石灰石又はドロマイトをか焼したとき,生石灰の中に未分

解のまま残ったもの(JIS R 0305 参照)

undecomposed residue


10

R 9200 : 1999

番号

用語

定義

対応英語 
(参考)

151 

無水せっこう CaSO

4

。硫酸カルシウム無水和物。III-CaSO

4

又は

γ

-CaSO

4

六方晶系,密度 III

α

2.59g/cm

3

,III

β

2.48g/cm

3

。II-CaSO

4

又は

β

-CaSO

4

:斜方晶系,密度 2.96g/cm

3

。I-CaSO

4

又は

α

-CaSO

4

立方晶系の 3 種類がある。

anhydrous gypsum

152 

焼せっこう

二水せっこうを 120∼200℃程度の温度でか焼して得られ

る水和硬化性粉状物で,半水せっこうを主成分とする物質

名。

calcined gypsum,

plaster of Paris,

stucco

153 

焼出量 
(やきだしりょう)

炉から出てくる生石灰及び軽焼ドロマイトなどの量。t/日

の単位で表すことが多い。

out-put

154 

有効石灰

石灰中に含まれる有効な酸化カルシウムの含有量。使用目

的によって各種の試験方法がある。

available lime

155 

遊離酸[せっこう]

一定量の水に溶出する酸分。硫酸 (H

2

SO

4

)

換算値を含有率

で表す(JIS R 9101 参照)

free acid,

acidity

156 

硫安せっこう

硫安に消石灰を反応させてアンモニアを回収する過程から

副生する化学せっこう。

reammonogypsum

157 

硫酸カルシウム CaSO

4

の総称。水和形式では CaSO

4

・2H

2

O

(二水せっこう)

CaSO

4

・1/2H

2

O

(半水せっこう)

,CaSO

4

(無水せっこう)の

3

種 類 が あ る 。 試 薬   (JIS K 8963)  で は そ の 二 水 和 物

(CaSO

4

・2H

2

O)

だけを指す。

calcium sulfate

158 

硫酸カルシウム二水和

CaSO

4

・2H

2

O

。二水せっこうを参照。

calcium sulfate dihydrate

159 

流動ばい焼炉

流動層で焼成する石灰焼成炉。流動焼成炉,流動炉などと

もいう。

fluidized bed kiln

160 

りん酸せっこう

湿式りん酸の製造過程から副生する化学せっこう。

phosphogypsum


11

R 9200 : 1999

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

守  吉  佑  介

法政大学工学部

(幹事)

安  江      任

日本大学理工学部

(委員)

瀬戸山  克  己

工学院大学工学部(名誉教授)

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

黒  木  勝  也

財団法人日本企画協会技術部

石  井      覚

菱化吉野石膏株式会社

羽根田      寛

吉澤石灰工業株式会社

石  原  正  浩

財団法人セメント協会研究所

(事務局)

小  嶋  芳  行

日本大学理工学部