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日本工業規格

JIS

 R

7602

-1995

炭素繊維織物試験方法

Testing methods for carbon fibre woven fabrics

1.  適用範囲  この規格は,炭素繊維織物の試験方法について規定する。

備考1.  炭素織維とは,実質的に炭素元素だけからなる繊維状の炭素材料をいい,例えば,有機繊維

を焼成して炭素化したもの。

炭素繊維織物とは,炭素繊維のフィラメント糸又はステープル糸をたて糸,よこ糸にして

製織した織物をいい,織り方(組織)には平織,朱子織,あや織などがある。

2.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7503  ダイヤルゲージ

JIS B 7512  鋼製巻尺

JIS B 7516  金属製直尺

JIS L 0204  繊維用語(原料部門)

JIS L 0205  繊維用語(糸部門)

JIS L 0208  繊維用語−試験部門

JIS L 1096  一般織物試験方法

JIS R 7601  炭素繊維試験方法

JIS Z 8401  数値の丸め方

JIS Z 8703  試験場所の標準状態

3.  この規格の中で{  }を付けて示してある単位は,従来単位によるものであって,参考とし

て併記したものである。

2.  用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 0204JIS L 0205 及び JIS L 0208 によるほか,

次のとおりとする。

(1)  織り密度  たて糸方向及びよこ糸方向それぞれの幅 10mm 当たりの糸の本数。 
(2)  耳  一般に繊維の縁部にあり,ほつれを防止する目的で組織及び織り密度を変えた部分。

3.  試験項目  試験項目は,次のとおりとする。 
(1)  外観 
(2)  幅 
(3)  長さ 
(4)  織り密度 
(5)  単位面積当たりの質量 
(6)  厚さ



R 7602-1995

(7)  引張破断荷重

4.  試験の一般的条件 
4.1

試験場所の標準状態  試験場所の標準状態は,原則として JIS Z 8703 に規定されている次の温度及

び湿度の状態とする。標準状態の温度は 23℃,その級別は温度 5 級(±5℃)

,標準状態の湿度は 50%,そ

の級別は湿度 20 級(±20%)とする。

4.2

試験片の状態調節  試験片は,温度及び湿度が影響する試験項目については,原則として試験を行

う前に 4.1 の試験場所の標準状態において,48 時間以上状態調節を行うものとする。

4.3

試験結果の数値の表し方

(1)  数値の丸め方  試験の結果は,規定の数値より 1 けた下の位まで求め,JIS Z 8401 によって丸める。 
(2)  平均値,標準偏差及び変動係数  平均値は,次の式(1)によって求める。標準偏差及び変動係数は,次

の式(2)及び式(3)によって求める。

n

x

x

n

i

i

å

=

=

1

 (1)

1

)

(

1

2

=

å

=

n

x

x

s

n

i

i

 (2)

100

×

=

x

s

CV

 (3)

ここに,

x

平均値

s: 標準偏差

CV: 変動係数

 (%)

x

i

個々の測定値

n: 測定数

5.

試験方法

5.1

外観  外観の試験は,次のとおりとする。

(1)

毛羽,汚れ,糸抜け,織りむらなどの外観を目視によって観察し記録する。

(2)

組織及び布目曲がりの試験は,JIS L 1096 の 6.1(組織)及び 6.11(布目曲がり)による。

5.2

幅  織り物の幅の試験は,次のとおりとする。

(1)

器具  器具は,JIS B 7516 に規定するものを用いる。

(2)

操作  操作は,次のとおりとする。

(a)

織物のたて糸方向に約

300mm

以上の間をおいた

5

か所について,試料に張力を加えない状態でた

て糸方向と直角に耳と耳の間の長さ(耳を含まない。

)を

1mm

の精度で測定する。

(b)

  5

か所の測定値の平均値を求め,ミリメートル

 (mm)

で表す。

5.3

長さ  織物の長さの試験は,次のとおりとする。

(1)

器具  器具は,次のものを用いる。

(a)

測長機  最小目盛

10cm

以下のもの。

(b)

巻尺  JIS B 7512 に規定のもの。

(2)

操作  操作は,織機上又は検反機に取り付けた測長機を用いて長さ

10cm

の精度で測定する。ただし,


3

R 7602-1995

長さが

10m

程度の場合には,織物を平滑な台の上に置き,不自然なしわや張力を除いて巻尺を用いて

長さ

1cm

の精度で測定する。

5.4

織り密度  織り密度の試験は,次のとおりとする。

(1)

器具  器具は,次のものを用いる。

(a)

拡大鏡  糸本数の計数に支障のない倍率をもつもの。

(b)

金属製直尺  JIS B 7516 に規定のもの。

(2)

操作  操作は,次のとおりとする。

(a)

試験は,試料の耳以外の場所で

300mm

の間をおいた

5

か所について行う。

100mm

間にあるたて糸

及びよこ糸の本数を数える。ただし,たて糸及びよこ糸が約

10mm

間に

4

本以上の場合は,

25mm

間のたて糸及びよこ糸の本数を数えてもよい。織り密度は,各々

10mm

間の数値に換算する。

(b)

各々の平均値を 4.3 によって小数点以下

1

けたに丸め,これをたて糸及びよこ糸の織り密度とし,

単位は本/

10mm

を用いる。

5.5

単位面積当たりの質量  単位面積当たりの質量(

1

)の試験は,次のとおりとする。

(1)

器具  器具は,次のものを用いる。

(a)

金属製直尺  JIS B 7516 に規定のもの。

(b)

打抜き型  一辺

100

±

0.5mm

の正方形の試験片を採取できる打抜き型。ただし,打抜き型を用いず

に同等の寸法と許容差をもつ試験片を切り出してもよい。

(c)

はかり  感量

0.001g

のもの。

(2)

操作  操作は,次のとおりとする。

(a)

試料の両端から耳を含む部分の約

30mm

を除いて,織物の幅方向に連続して一辺

100

±

0.5mm

の正

方形の試験片を

5

個以上採取し,その質量を

0.001g

まで量る。

なお,必要に応じてたて糸の方向にも試験片を採取するものとする。

(b)

通常は,炭素繊維のサイジング剤が除去された状態で規定するが,サイジング剤付着率が

0.5%

を超

えないときは,無視してよい。

なお,サイジング剤付着率は,JIS R 7601 の 6.8(サイジング剤付着率)によって測定する。

(c)

単位面積当たりの質量は,次の式(4)によって算出する。

6

10

100

1

×

÷

ø

ö

ç

è

æ −

=

S

A

m

A

ρ

 (4)

ここに,

ρ

A

単位面積当たりの質量

 (g/cm

2

)

m

試験片の質量

 (g)

A

試験片の面積

 (mm

2

)

S

サイジング剤付着率

 (%)

(d)

平均値を有効数字

3

けたまで求める。

(

1

)

一般に炭素繊維の吸着水分は,無視できる程度に小さいので,その補正は行う必要はないが,

特に水分が高い場合には,JIS R 76016.4(水分)によって水分を測定して補正する。

5.6

厚さ  厚さの試験は,次のとおりとする。

(1)

厚さ測定器  厚さの測定器は,JIS B 7503 に規定するダイヤルゲージ,加圧板及び荷重の組合せから

なるものを用いる。ただし,加圧板の面積は

1cm

2

とし,円板が望ましい。

(2)

操作  操作は,次のとおりとする。

(a)

5.4 の単位面積当たり質量を測定するのに用いたのと同じ試験片

5

個以上について,厚さ測定器によ



R 7602-1995

50kPa {510kgf/cm

2

}

の圧力を

20

秒間かけたときの厚さを測定する。

(b)

測定値の平均値を小数点以下

2

けたまで求める。

5.7

引張破断荷重  引張破断荷重の試験は,次のとおりとする。

(1)

引張試験機  引張試験機は,試験中にクロスヘッド移動速度を一定に保てるもので,荷重と伸びの関

係を自動的に記録できるものとする。

(2)

操作  操作は,次のとおりとする。

(a)

幅約

40mm

,長さ約

250mm

の試験片をたて糸方向及びよこ糸方向から各々

5

個以上を採取する。

(b)

つかみ間隔を約

150mm

とし,幅方向の両側から糸を除き幅を約

25mm

にして引張試験機を用い,

200mm/min

の速さで引っ張り,切断時の荷重

N {kgf}

を測定し,

25mm

幅に換算する。

図 1  試験片の寸法

(c)

たて糸方向及びよこ糸方向の測定値の平均値を,有効数字

2

けたまで求める。

備考

つかみのところで切れたもの及びスリップしたものは,試験片から除き別の試験片を追加する。

6.

報告  報告には,必要に応じて次の事項を記入する。

(1)

試験した材料の種類

(2)

試験片の作製方法

(3)

試験片の形状・寸法

(4)

試験した試験片の数又は試験回数

(5)

試験装置,試験条件及び測定方法

(6)

試験場所の標準状態

(7)

外観,幅,長さ,織り密度,単位面積当たりの質量,厚さ及び引張破断荷重の平均値。必要に応じて

引張破断荷重の標準偏差及び変動係数。

(8)

試験年月日

(9)

その他,特記すべき事項

関連規格

JIS R 3420  ガラス繊維一般試験方法


5

R 7602-1995

炭素織維織物試験方法原案委員会及び分科会  構成表

氏名

所属

(委員長)

福  多  健  二

工業技術院繊維高分子材料研究所

和  田  正  武

通商産業省生活産業局

桜  井  俊  彦

工業技術院標準部

野  口  義  男

科学技術庁航空宇宙技術研究所機体一部

剣  持      潔

工業技術院製品化学研究所応用性能部

犬  竹  紀  弘

石川島播磨重工業株式会社技術研究所

三  好  一  雄

三菱電機株式会社相模製作所

星      郁  夫

日立化成工業株式会社下館研究所

棚  橋  良  次

日本楽器製造株式会社西山工場スポーツ事業部

高  田  信  洋

ダイワ精工株式会社ロッド製造部

井  出      正

富士重工業株式会社スバル技術本部

則  竹  佑  治

防衛庁技術研究本部第三研究所

松  井  醇  一

東レ株式会社

ACM

技術部

奥  田  謙  介

呉羽化学工業株式会社機能材事業部

山  内  啓  司

東邦レーヨン株式会社ベスロン工務部

児  玉      斎

三菱レイヨン株式会社商品開発研究所

平  居  亜  夫

日本カーボン株式会社新炭素事業部

小  山  一  紀

旭日本カーボンファイバー株式会社技術サービス部

山  蔦  浩  治

住友化学工業株式会社高槻研究所

大  出      譲

財団法人高分子素材センター試験・検査事業部

○印は,分科会と兼務委員