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日本工業規格

JIS

 R

7222

-1997

黒鉛素材の物理特性測定方法

Test methods for physical properties of graphite materials

1.

適用範囲  この規格は,黒鉛素材(以下,素材という。)の物理特性測定方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 7512

  鋼製巻尺

JIS B 7516

  金属製直尺

JIS B 7721

  引張試験機

JIS B 7733

  圧縮試験機

JIS K 8810

  1-ブタノール(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8801

  試験用ふるい

2.

試験項目  この規格で規定する物理特性測定の項目は,次のとおりとする。

(1)

真比重

(2)

かさ比重

(3)

曲げ強さ

(4)

圧縮強さ

(5)

引張強さ

(6)

ヤング率

(7)

固有抵抗

3.

共通な装置

3.1

はかり  使用するはかりの感量は,ひょう量 1kg 以上についてはひょう量の 1/2 000 以下とし,ひょ

う量 1kg 未満については,ひょう量の 1/20 000 以下とする。

3.2

長さ計  寸法測定範囲が 0∼50mm の寸法測定には,原則として JIS B 7502 に規定する最小目盛

0.01mm

のマイクロメータを用いること。寸法測定範囲が 50∼1 000mm の寸法測定には,原則として JIS B 

7507

に規定する最小目盛 0.05mm のノギスを用いること。寸法測定範囲が 1 000∼3 000mm の寸法測定に

は,JIS B 7512 に規定する最小目盛 1mm の鋼製の巻尺又は JIS B 7516 に規定する最小目盛 1mm の金属製

直尺を用いること。

3.3

温度計  0∼150℃の範囲をもつ棒状水銀温度計を用いること。ただし,真比重の測定に使用する温

度計は,精度 1/100℃のものを用いること。


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R 7222-1997

3.4

乾燥装置  温度 105∼110℃に保つことのできる自動温度調節器付電気恒温器を用いること。

4.

試験結果の数値の丸め方  試験結果の数値の丸め方は,JIS Z 8401 の規定による。

5.

試料  試験片の採取方法,形状及び寸法並びに試料の作り方は,表 のとおりとする。

表 1  試験片の採取方法,形状及び寸法並びに試料の作り方

試験項目

採取位置,方向及び数量

形状及び寸法

曲げ強さ

ヤング率

固有抵抗

直径 20mm,長さ 100mm の丸棒,又は,幅

20mm

,厚さ 20mm,長さ 100mm の角棒

引張強さ

図 のとおりとする。

圧縮強さ

試験片は供試素材の一端から,その周辺部を
避け,試験片の長さ方向を供試素材の長さ方
向と一致させてとる。

試験片の数は,

各試験項目ごとに 2 個とする。

直径 30mm,長さ 30mm の円柱

真比重

真比重の試料は原則として,曲げ強さの試験が終わった試験片の全量を粗砕した後,十分に混

合した試料を縮分して約 30g とし,

めのう乳鉢で全量が JIS Z 8801 に規定する網ふるい 150

µm

を通過するまで砕いて用いること。

かさ比重

曲げ強さの試験を行う前の試験片を用いること。

備考1.  人造黒鉛丸形電極のかさ比重,ヤング率及び固有抵抗の測定は,原則として電極本体について行

う。

2.

素材の大きさ,素材の構成粒度などによって上表の寸法で試料を採取できない場合には,試験片
の形状及び寸法を変更することができる。この場合,試験片の形状及び寸法を試験報告に明記し
なければならない。

図 1  引張強さの試験片の形状及び寸法

6.

真比重の測定方法  真比重の測定方法は,次のとおり行う。

(1)

試料  5.によって採取する。

(2)

操作  あらかじめ十分に乾燥した内容積約 40ml の側管付比重瓶(図 参照)の質量を正確にはかる。

次に,その底部に試料(105∼110℃の空気浴中で約 2 時間乾燥し,デシケーター中で室温まで冷却し

たもの)を約 10mm の厚さ (7∼12g)  になるように平らに入れた後,その質量を正確にはかる。

これに,あらかじめ 20 分間以上 2.0∼2.7kPa の減圧下に保ってある JIS K 8810 に規定する特級 1-

ブタノール液を静かに加えて,底から 20mm 程度の深さにする。次に,比重瓶に軽い振動を与えて大

きな気泡の発生がなくなったのを確かめた後,真空デシケーター中に入れ,徐々に排気して 2.0∼


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2.7kPa

とする。その圧力に 20 分間以上保ち,気泡の発生が止まった後取り出して,さらに 1-ブタノ

ールを満たし,栓をして恒温水槽(30±0.13℃に調節してあるもの)に 15 分間以上浸し,1-ブタノー

ル液面を標線に合わせる。次に,これを取り出して外部をよくぬぐって室温まで冷却した後質量を正

確にはかり,さらにこれを再び恒温水槽に入れ,同様に操作を繰り返して 4 回の平均値をとる。

次に,同じ比重瓶に 1-ブタノールだけを満たし,前記と同じようにして恒温水槽に浸し,標線を合

わせた後質量をはかり,さらに操作を繰り返して 4 回の平均値をとる。

また,使用直前に沸騰させて溶解した気体を除いた蒸留水を比重瓶にとり,前と同様に恒温水槽に

浸し,標線を合わせた後質量をはかり,さらにこの操作を繰り返して 4 回の平均値をとる。

図 2  比重瓶

備考1.  側管付比重瓶は,質量約40,標線までの容量約40ml とし,

その肉厚は,なるべく薄いことが望ましい。

2.

本体に取り付けるふたのすり合わせば,気密でなけれはな
らない。

(3)

計算  試料の真比重は,次の式によって計算し,小数点以下 3 けたに丸める。

(

)

d

m

m

m

m

m

m

m

m

m

m

d

t

1

5

1

3

3

4

1

2

1

2

×

ここに,

d

t

:  真比重

m

1

:  比重瓶の質量 (g)

m

2

:  比重瓶に試料を入れたときの質量 (g)

m

3

:  比重瓶に 1-ブタノールだけを標線まで入れたときの質量 (g)

m

4

:  比重瓶に試料を入れ,さらに 1-ブタノールを標線まで入れたと

きの質量 (g)

m

5

:  比重瓶に蒸留水だけを標線まで入れたときの質量 (g)

d

:  水の比重 (0.994 6,30℃)

(4)

報告  試料の真比重は,3 回の測定値の平均値を小数点以下 2 けたに丸めて示す。

7.

かさ比重の測定方法  かさ比重の測定は,次のとおり行う。

(1)

試験片  5.によって採取する。


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(2)

操作  試験片を 105∼110℃の空気浴中で 2 時間保ち,これをデシケーター中で冷却して室温に達した

後直ちに質量をはかり,再び空気浴中に移し,1 時間ごとに冷却して質量をはかる。これを恒量に達

するまで繰り返す。

次に,試験片の各辺の長さ(丸棒の場合は長さ及び直径)を 4 か所ずつ測り,それぞれ各辺の平均

寸法から体積を求める。

(3)

計算  試験片のかさ比重は,次の式によって計算し,小数点以下 3 けたに丸める。

v

m

d

b

ここに,  d

b

:  かさ比重

m

:  乾燥試験片の質量 (g)

v

:  体積 (cm

2

)

(4)

報告  試験片のかさ比重は,2 個の試験片の測定値の平均値を小数点以下 2 けたに丸めて示す。

8.

曲げ強さの測定方法  曲げ強さの測定は,次のとおり行う。

(1)

試験片  5.によって採取する。

(2)

装置  試験機は,JIS B 7733 に規定する曲げ試験機を用いること。この場合,その支点間の距離を 80mm,

支点のりょう(稜)の曲率半径を 1.5mm,加圧くさびの角度を 60°,その先端の曲率半径を 3mm と

する。

(3)

操作  試験片を支台上に水平に置き,試験片の中央に毎秒 40∼60N の範囲内から選んだ一定荷重速度

で鉛直に,荷重を加え,試験片が破壊したときの最大荷重を目盛板で読む。

(4)

計算  試験片の曲げ強さは,次の式によって計算し,小数点以下 1 けたに丸める。

(a)

丸棒の場合

3

8

d

Wl

S

b

π

(b)

角棒の場合

2

2

3

bt

Wl

S

b

ここに,  S

b

:  曲げ強さ (N/cm

2

)

l

:  支点間の距離 (cm)

W

:  最大荷重 (N)

d

:  試験片の直径 (cm)

b

:  試験片の幅 (cm)

t

:  試験片の厚さ (cm)

(5)

報告  曲げ強さは,2 個の試験片の測定値の平均値を整数に丸めて示す。荷重速度を明記する。

9.

圧縮強さの測定方法  圧縮強さの測定は,次のとおり行う。

(1)

試験片  5.によって採取する。

(2)

装置  試験機は,JIS B 7733 に規定する圧縮試験機を用いること。

(3)

操作  試験片の直径 30mm の面を加圧面として,必要に応じて厚紙片などを加圧面に当てて均一に加

圧するように注意し,毎秒 40∼60N の範囲内から選んだ一定荷重速度で加圧し,試験片が破壊したと

きの最大荷重を目盛板で読む。

(4)

計算  試験片の圧縮強さは,次の式によって計算し,小数点以下 1 けたに丸める。


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S

W

S

c

ここに,

S

c

:  圧縮強さ (N/cm

2

)

W

:  最大荷重 (N)

S

:  試験片の加圧面の面積 (cm

2

)

(5)

報告  圧縮強さは,2 個の試験片の測定値の平均値を整数に丸めて示す。

10.

引張強さの測定方法  引張強さの測定は,次のとおり行う。

(1)

試験片  5.によって採取する。

(2)

装置  試験機は,JIS B 7721 に規定する引張試験機を用いること。

(3)

操作  試験片の両端を引張金具でつかみ,毎秒 20∼40N の範囲内から選んだ一定荷重速度で引張り荷

重を加え,試験片を

図 に示す平行部から切断したときの最大荷重を目盛板で読む。

(4)

計算  試験片の引張強さは,次の式によって計算し,小数点以下 1 けたに丸める。

S

W

S

t

ここに,

S

t

:  引張強さ (N/cm

2

)

W

:  最大荷重 (N)

S

:  試験片の中央断面積 (cm

2

)

(5)

報告  試験片の引張強さは,2 個の試験片の測定値の平均値を整数に丸めて示す。

11.

ヤング率の測定方法  ヤング率の測定は,次のとおり行う。

(1)

試験片  5.によって採取する。

(2)

装置  図 の装置を用いること。

図 3  ヤング率測定装置

(3)

操作  供試体を両端が自由な縦振動ができるように支持台の上に置き,駆動力を供試体の端面に直角

に加え,ピックアップを供試体の振動方向に作動するように接触させる。発振器の振動数を変え,こ

れに応じて供試体が振動するように駆動力を加えながら増幅されたピックアップの出力電圧を観測す

る。指示器に明確な最大の振れを生じ,かつ,振動の節を測定した結果,一次共鳴縦振動であること

を確かめたとき,その場合の振動数を縦振動の一次共鳴振動数とする。

(4)

計算  ヤング率は,次の式によって計算し,整数第 2 位に丸める。

gS

lWf

E

2

1

4


6

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ここに,

E

:  ヤング率 (N/mm

2

)

l

:  供試体の長さ (mm)

W

:  供試体の重量 (N)

f

1

:  縦振動の一次共鳴振動数 (Hz)

g

:  動力の加速度 (9 807mm/s

2

)

S

:  供試体の断面積 (mm

2

)

(5)

報告  試験片のヤング率は,2 個の試験片の測定値の平均値を整数第 3 位に丸めて示す。

12.

固有抵抗の測定方法  固有抵抗は,ケルビンダブルブリッジ法又は電圧降下法によって,室温で測定

する。

(1)

試験片  5.によって採取する。

(2)

ケルビンダブルブリッジ法

(a)

装置  図 の装置を用いること。

図 4  ケルビンダブルブリッジ法による測定装置

(b)

操作  図 のような装置で,電流分布がなるべく均一になるように適当な金属端子で供試体両端を

挟み,これを電流端子とし,供試体中央部をその全長の約

3

2

に相当する所の 2 個の金属端子を電圧

端子として,ダブルブリッジ法によって電圧端子間の抵抗を測定する。

(c)

計算  固有抵抗は,次の式によって計算し,小数点以下 5 けたに丸める。

l

RS

ρ

ここに,

ρ

:  固有抵抗  (

Ωcm)

R

:  電圧端子間の抵抗  (

Ω)

S

:  供試体の断面積 (cm

2

)

l

:  電圧端子間の距離 (cm)

(3)

電圧降下法

(a)

装置  図 の装置を用いること。


7

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図 5  電圧降下法による装置 

(b)

操作  図 のような装置で,電流分布がなるべく均一になるように適当な金属端子で供試体両端を

挟み,電流を通じ 2 個の金属端子を電圧端子として,供試体の中央部をその全長の約

3

2

に相当する 2

点間の電圧降下を電圧計又は電位差計で測定する。

(c)

計算  固有抵抗は,次の式によって計算し,小数点以下 5 けたに丸める。

il

eS

ρ

ここに,

ρ

:  固有抵抗  (

Ωcm)

e

:  2 点間の電圧降下 (V)

S

:  供試体の断面積 (cm

2

)

i

:  電流 (A)

l

:  電圧端子間の距離 (cm)

(4)

報告  試験片の固有抵抗は,2 個の試験片の測定値の平均値を小数点以下 4 けたに丸めて示す。

窯業部会  炭素・黒鉛製品専門委員会

氏名

所属

(委員会長)

稲  垣  道  夫

北海道大学

宮  川  義  正

大同特殊鋼株式会社

本  庄  昭  郎

合同製鉄株式会社船橋製造所

山  地      厳

東京製鉄株式会社高松工場

篠  原  泰  明

新日本製鐵株式会社

宮  原      忍

日本鋼管株式会社

野  竹      毅

日本カーボン株式会社

富  安      稔

東海カーボン株式会社

岡  村  政  彦

昭和電工株式会社

藤  本  博  明

株式会社エスイーシー

相  沢  淳  一

日立化成工業株式会社

馬  場  清  治

炭素協会

富  田  育  男

通商産業省生活産業局

岡  林  哲  夫

工業技術院標準部

(関係者)

羽  鳥  暢  淑

炭素協会

宮  内  正  行

昭和電工株式会社

檪  原  龍  也

東海カーボン株式会社

(事務局)

池  川  澄  夫

工業技術院標準部繊維化学規格課