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日本工業規格

JIS

 R

4302

-1993

ほうろう用鋼板の酸洗減量測定方法

Testing method for determining pickling weight loss of sheet steel

for vitreous and porcelain enamelling

1.

適用範囲  この規格は,ほうろう加工に用いる鋼板の酸洗減量測定方法について規定する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 7411

  ガラス製棒状温度計(全浸没)

JIS B 7502

  外側マイクロメータ

JIS G 4309

  ステンレス鋼線

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。

酸洗減量  鋼板を硫酸浸せきしたとき,次の式で算出される値。

1

2

1

)

(

925

3

m

d

m

m

m

=

ここに, 3

925

酸洗減量定数

m

酸洗減量 (g/m

2

)

m

1

酸洗前質量 (g)

m

2

酸洗後質量 (g)

d

板厚 (mm)

3.

装置及び器具

  装置及び器具は,次のとおりとする。

(1)

はかり

  ひょう量範囲が 200g のもので,0.000 2g まで読み取れるもの。

(2)

マイクロメータ

JIS B 7502

に規定する外側マイクロメータ。

(3)

温度計

JIS B 7411

に規定する 100℃温度計,又はこれと同等以上の性能をもつもの。

(4)

恒温水槽

  室温から 100℃の範囲で,設定温度を±1℃に保持できる自動温度調節器付電気恒温水槽。

(5)

加熱器

  室温から 100℃の範囲に加熱できる装置。

(6)

乾燥器具

  熱風を吹き出す装置。

(7)

酸洗槽

JIS R 3503

に規定する 1

l

以上のガラスビーカー。

(8)

脱脂槽

  耐食性及び 100℃以上の耐熱性のある 1

l

以上の容器。

(9)

水洗槽

  耐食性のある 1

l

以上の容器。

(10)

つり具

図 1

に示すものとし,材質は,

JIS G 4309

に規定する SUS 304 などの耐食性のあるステンレ

ス鋼線。


2

R 4302-1993

図 1  酸洗の一例

4.

試料

  試料は,50×100mm(許容差 1mm)の平板とし,同一ロットから 2 枚採取する。

5.

試料の調製

  試料は,平滑で,汚れ及びきずがあってはならない。

試料の調製は,次のとおりとする。

(1)

試料は,つり下げのため 6mm(許容差 0.2mm)の孔をあける。

このとき試料の加工部は,平滑であることとする。

(2)

試料に付着した汚れは,十分にふき取る。

6.

測定用溶液

  測定用溶液は,次のとおりとする。

測定用溶液は,測定ごとに新液を使用する。ただし,脱脂能力がある間は,脱脂液を使用してもよい。

(1)

酸洗液

JIS K 8951

に規定する硫酸試薬を電導率 1

µ

S/cm

以下の脱イオン水に溶かした (10±0.5)  質

量%の溶液。

(2)

脱脂液

  (5±0.5)  質量%オルソけい酸ナトリウムと (0.5±0.05)  質量%界面活性剤を含む水溶液。

7.

酸洗条件

  酸洗条件は,次のとおりとする。

(1)

酸洗液は,1

l

以上とする。

(2)

酸洗液の温度は,70±2℃とする。

(3)

酸洗時間は,10 分±5 秒とする。

(4)

同一ロットから採取した 2 枚の試料を同時に酸洗する。

(5)

酸洗の間は,液を強制かくはんしないこととする。


3

R 4302-1993

8.

測定

8.1

試料の測定

  試料の測定は,次のとおりとする。

(1)

試料の酸洗前質量  (

m

1

)

をはかりで 0.001g まで測定する。

(2)

試料の板厚  (

d

)

をマイクロメータで 0.01mm まで測定する。

8.2

脱脂

  脱脂は,1

l

以上の脱脂液に試料を 70℃以上で 10 分間以上浸す。

8.3

脱脂後の流水洗

  脱脂後の流水洗は,水道水で試料を 3 分間以上洗浄する。このとき試料の表面を

目視で判定し,試料の全面がぬれていなければ,繰り返し脱脂を行う。

8.4

試料のつり下げ方

  試料は,

図 1

に示すように,酸洗液面から 10mm 以上,ビーカー底面から 10mm

以上,試料間は 30mm 以上の距離をとるようにして,垂直につり下げる。

8.5

酸洗

  酸洗は,恒温水槽を用い,次のように行う(

図 1

参照)

(1)

酸洗液の温度は,試料 2 枚の中間相当位置において測定する。

(2)

酸洗中の恒温水槽の水面は,ビーカー内の液面より下がらないこととする。

(3)

酸洗条件は,

7.

による。

8.6

酸洗後の流水洗

  流水洗は,水道水で試料を 1 分間以上洗浄する。

8.7

乾燥

  乾燥は,水洗後乾燥器具で速やかに乾燥する。

8.8

質量測定

  乾燥後の試料が,室温に冷えてから直ちに酸洗後質量  (

m

2

)

をはかりで 0.001g まで測定

する。

9.

酸洗減量の求め方

9.1

酸洗減量の算出

  酸洗減量は,試料ごとに式によって算出し,

JIS Z 8401

によって,小数点以下 1

けたに丸める。

9.2

測定値の判定

  2 個の測定値から

R

/

x

を計算し,

R

/

x

が 0.05 以下であれば,

9.3

に従って,酸洗減量

として表示する。ただし,

R

/

x

が 0.05 を超える場合は

4.

に戻って再び測定を行う。

ここに,

R

:  範囲(測定値の差)

x

:  平均値

酸洗減量測定値 (g/m

2

)

を 56.3, 58.4 とする。

測定値の判定

R

=58.4−56.3=2.1,

x

= (58.4+56.3) /2=57.35

R

/

x

=2.1/57.35=0.036 6<0.05

9.3

酸洗減量の表示

  酸洗減量は,2 個の試料の平均値で表示するか,又はその平均値と個々の値を併記

して表示する。

1.

酸洗減量 (g/m

2

)

:57.4

2.

酸洗減量 (g/m

2

)

:57.4 (58.4, 56.3)


4

R 4302-1993

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

田  中  廣  吉

元科学技術庁無機材質研究所

(幹事)

祖  川      理

日本フエロー株式会社

柴  田  政  明

新日本製鐵株式会社八幡技術研究部

奥  山      健

日本鋼管株式会社薄板商品技術室

八  内  昭  博

住友金属工業株式会社薄板研究部

三尾谷  一  夫

株式会社神戸製鋼所薄板技術部

今  中      誠

川崎製鉄株式会社薄板研究室

伊  藤  健  治

川鉄金属工業株式会社研究開発室

大  山  武  男

富士琺瑯工業株式会社

宇  井      誠

名古屋ホーロー株式会社

加  藤      健

関西琺瑯株式会社

新  海  藤  雄

日本フリット株式会社

大  野  登美蔵

社団法人日本琺瑯工業会

地  崎      修

工業技術院標準部

田  中  映  男

通商産業省

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会