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まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS R 4301 : 1978 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,従来,品質基準規格として制定されていたものを,試験方法規格に変更するとともに,

対応国際規格との整合を図った。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

4301

 : 1999

ほうろう製品の品質試験方法

Vitreous and porcelain enamels

Quality test methods of enamelled products

序文  この規格は,次に掲げる国際規格を元に,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格で

あるが,国際規格に規定されていない規定項目(外観試験,ひび割れ試験,室温アルカリ試験,塩化ナト

リウム試験,耐熱衝撃試験,耐熱水性試験,密着試験,耐磨耗試験)も加えて日本工業規格とした。

ISO 2178 : 1982

  Non-magnetic coatings on magnetic substrates−Measurement of coating thickness

−Magnetic method

ISO 2722 : 1997

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of resistance to citric acid at room

temperature

ISO 2723 : 1995

  Vitreous and porcelain enamels for sheet steel−Produetion of specimens for testing

ISO 2724 : 1973

  Vitreous and porcelain enamels for cast iron−Production of specimens for testing

ISO 2733 : 1997

  Vitreous and porcelain enamels−Apparatus for testing with acid and neutral liquids

and their vapours

ISO 2734 : 1997

  Vitreous and porcelain enamels−Apparatus for testing with alkaline liquids

ISO 2742 : 1998

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of resistance to boiling citric acid

ISO 2743 : 1986

  Vitreous and porcelain enamels− Determination of resistance to condensing

hydrochloric acid vapour

ISO 2744 : 1998

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of resistance to boiling water and

water vapour

ISO 2745 : 1998

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of resistance to hot sodium

hydroxide

ISO 2746 : 1998

  Vitreous and porcelain enamels−Enamelled articles for service under highly

corrosive conditions

−High voltage test

ISO 2747 : 1998

  Vitreous and porcelain enamels−Enamelled cooking utensils−Determination of

resistance to thermal shock

ISO 4530 : 1983

  Vitreous and porcelain enamelled manufactured articles − Determination of

resistance to heat

ISO 4532 : 1991

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of the resistance of enamelled

articles to impact

−Pistol test

ISO 6370-1 : 1991

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of the resistance to abrasion−Part

1 : Abrasion testing apparatus


2

R 4301 : 1999

ISO 6370-2 : 1991

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of the resistance to abrasion−Part

2 : Loss in mass after sub-surface abrasion

ISO 8289 : 1986

  Vitreous and porcelain enamels−Low voltage test for detecting and locating defects

ISO 8290 : 1998

  Vitreous and porcelain enamels−Determination of resistance to sulfuric acid at room

temperature

ISO 8291 : 1986

  Vitreous and porcelain enamels−Method of test of self-cleaning properties

ISO DIS 13806 : 1998

  Vitreous and porcelain enamels−Corrosion tests in closed systems

1.

適用範囲  この規格は,素地材料が鋼板又は鋳鉄のほうろう製品及びほうろう部品の有効面(

1

)

の品質

試験方法について規定する。

(

1

)

有効面とは,用途上で必要な面をいう。

備考  この規格は,試験方法を規定するものであって,この規格に規定していない性能要求値などに

ついては,それらを規定した日本工業規格によるか又は受渡当事者間の協定による。

2.

引用規格  この規格の引用規格を付表 に示す。付表 に示す規格は,この規格に引用されることに

よって,この規格の規定の一部を構成する。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

3.

試験項目  この規格の試験項目を,表 に示す。

表 1  試験項目

参考

性能

試験項目

試験で判定する品質

試験適用

箇条

ISO

番号

試験を適用する主な製品

目視試験

目視によるほうろうの外観の良
好さ

5.1

すべてのほうろう製品

外観

インキ試験

ほうろう層の着色の有無による
ひび割れ

5.2

化学工業用グラスライニング機器を除く
すべてのほうろう製品

室温くえん酸  くえん酸腐食によるほうろう面

の光沢の変化

5.3

2722

家庭用器物,燃焼機器用部品,浴槽,流
し台,洗面化粧台,建材パネル,洗濯機
部品,食洗機部品,排気筒,看板標識,
サイロ,理化学機器,貯湯タンク,白板,
醸造用タンク

室温硫酸試験  硫酸腐食によるほうろう面の光

沢の変化

5.4

8290

浴槽,排気筒,サイロ,白版

室温炭酸ナト
リウム

炭酸ナトリウム腐食によるほう
ろう面の光沢の変化

5.5

理化学器具,醸造用タンク,浴槽,流し
台,洗面化粧台

沸騰くえん酸
試験

沸騰くえん酸によるほうろう層
の質量減

5.6

2742

調理器具内面,流し台シンク,食洗機内
面,建材外装パネル,食品加工又は貯蔵
容器,サイロ

凝縮塩酸蒸気
試験

沸騰塩酸蒸気によるほうろう層
の質量減

5.7

2743

化学工業用グラスライニング機器

密閉系高温耐
食試験

高温の溶液による質量減

5.8

DIS 13806

化学工業用グラスライニング機器

沸騰水及び水
蒸気試験

沸騰水及び水蒸気によるほうろ
う層の質量減

5.9

2744

調理器具内面,流し台シンク,洗濯機ド
ラム,食洗機内面,化学工業用グラスラ
イニング機器,食品加工又は貯蔵容器,
サイロ

化学 
侵食 
耐久性

加熱水酸化ナ
トリウム試験

加熱水酸化ナトリウムによるほ
うろう層の質量減

5.10

2745

食洗機内面,化学工業用グラスライニン
グ機器,サイロ


3

R 4301 : 1999

参考

性能

試験項目

試験で判定する品質

試験適用

箇条

ISO

番号

試験を適用する主な製品

高電圧試

2kV

以上の電圧によるほうろう

層のピンホールの検出

5.11

2746

建材外装パネル,化学工業用グラスライ
ニング機器

圧試験

低電圧試

24V

の電圧によるほうろう層の

欠点の検出

5.12

8289

洗濯機ドラム,食洗機内面,温水タンク,
看板標識,パネル,熱交換器,排気筒,

サイロ

内部 
欠点の

有無

塩化ナトリウ

ム試験

塩化ナトリウム溶液によるほう

ろう層のさびの検出

5.13

建材外装パネル

加熱急冷試験

(1)

加熱急冷による調理器具の耐熱
衝撃性

5.14

2747

調理器具

加熱急冷試験

(2)

加熱急冷による化学工業用グラ
スライニング機器の耐熱衝撃性

5.15

化学工業用グラスライニング機器

加熱試験

加熱による外観の変化

5.16

4530

燃焼機器用部品,排気筒

耐熱性

耐熱水性試験  熱水による調理器具のさびの発

生及び光沢の変化

5.17

調理器具

落球試験

落球によるほうろう層のひび割

5.18

化学工業用グラスライニング機器を除く
すべてのほうろう製品

ほうろ
う層の

強度

ピストル形試

ピストル形試験器によるほうろ
う層の耐衝撃性

5.19

4532

すべてのほうろう製品

摩耗試験

ほたる石粉の摩擦による耐摩耗

5.20

すべてのほうろう製品

耐摩耗

研削材摩耗試

研削材によるほうろう層の質量

5.21

6370

化学工業用グラスライニング機器,食品
加工用又は貯蔵用容器

厚さ

膜厚試験

ほうろう層の厚さ測定

5.22

2178

すべてのほうろう製品

自浄性  セルフクリー

ニング試験

付着させた油の加熱によるほう
ろう面の光沢比較(ほうろうの

自浄性試験)

5.23

8291

加熱調理用ロースト,グリル

参考

衛生性

食品衛生法に基づく器具の衛生
性試験

4531-1

食品に直接接触する製品

※  ISO 番号に相対する欄に掲げる製品名は、ISO DIS 4528 による。

4.

試験体及び試験器具

4.1

試験体

4.1.1

試験体は,製品又は部品とする。

4.1.2

製品又は部品で試験できないものは,同一の材料を用い,同一の条件によって作られた 105×

105mm

(許容差±5mm)の平板又は直径 105mm(許容差±2mm)の平板とする。ただし,鋼板製の試験体

の質量は,200g 以下とする。

4.1.3

5.6

又は 5.8 の試験に用いる試験体の素地は,JIS G 4304 に規定する SUS304 のステンレス鋼板を使

用してもよい。

4.1.4

5.8

の試験に用いる試験体は,当該箇条で規定する。

4.2

器具  器具は,次のとおりとする。

a)

はかり  ひょう量範囲が 200g のもので,精度が 0.2mg までのもの。ただし,5.8 の試験に用いるはか

りの精度は,0.1mg までのもの。

b)

温度計  JIS B 7411 に規定する 150 度温度計。

c)

恒温器  室温∼150 度の範囲内で設定温度を±1℃に保持できる自動温度調節器付電気恒温器。


4

R 4301 : 1999

d)

乾燥器  130±5℃に保持できるもの。

e)

ガラス器具  特に規定のない限り,JIS R 3503 に適合するもの。

5.

試験方法

5.1

外観試験  自然光又は,JIS C 7501 に規定するつや消し電球 (LF,100V,100W)  の照明のもとで,

試験体から 25cm 離して外観の良好度合いを目視によって調べる。ただし,25cm 離れて観察できない試験

体にあっては,観察方法は,受渡当事者間の協定による。

5.2

ひび割れ試験  試験体の表面(つや消し部分及び絵柄部分は除く。)を赤又は製品の反対色(

2

)

のイン

(

3

)

を浸した布で摩擦し,2∼3 分放置した後布でふき取り,着色の有無によってひび割れ(

4

)

を調べる。ま

た,つや消し部分及び絵柄部分は,5.1 の外観試験に準じてひび割れの有無を調べる。

(

2

)  JIS Z 8721

による。

(

3

)

インキは,アニリン染料の 1%水溶液とする。

(

4

)

表面に現れたき裂。

5.3

室温くえん酸試験  室温くえん酸試験は,次のとおりとする。

a)

試験体をエタノール(

5

)

で洗い,次いで温水ですすぎ洗いしてよく乾燥させる。

b)

試験体の表面に 2∼3 滴のくえん酸(

6

)

溶液を滴下し,その面を時計皿で覆う。試験体が曲面の場合は,

厚さ 0.18mm 以下で直径約 30mm のふっ素を含まないろ紙の上に厚さ 0.38mm 以上で直径約 25mm の

ふっ素を含まないろ紙を重ねて置き,くえん酸(

6

)

を滴下して十分湿らせる。そしてろ紙面を時計皿で

覆う。

c) 23

±3℃で 15 分±30 秒放置した後,

ろ紙を使用した場合はろ紙を取り去り,

純水(

7

)

でよく水洗いして,

ろ紙で軽くたたき乾燥させる。

d)

試験体を 5.1 の外観試験に準じて角度を変えて,酸によって侵食された度合いについて,処理面と非

処理面との差を調べる。

e)

差のあるときは,HB の鉛筆(

8

)

で試験体面に数本のほぼ平行な線(マーク)を引く。試験体の色が黒

又は暗色の場合は,酸化チタン顔料を試験体にこすりつける。その後試験体の表面を乾いた清潔な布

でこすり,試験体に付けたマークが消去されたかその有無を調べる。

f)

e)

でマークが消去されないときは,同様な方法で再度マークを付け,その面を水に浸して硬く絞った

清潔な布でこする。

g)

以上の操作後 2 時間以内に耐酸性の度合いを,

表 によって判定する。

(

5

)  JIS K 8102

(

6

)  JIS K 8283

に規定するもの 10g を 100ml の蒸留水に溶解する。調整した試験液は,24 時間以内

に使用しなければならない。

(

7

)

純水は,蒸留水又はイオン交換水。

(

8

)  JIS S 6006

に規定する HB の鉛筆


5

R 4301 : 1999

表 2  試験結果の分類

クラス

試験のタイプと試験結果

光沢面

つや消し面

目視検査で差が見えない 1

1

摩擦試験(乾式)で差が見えない 2

摩擦試験(湿式)で差が見えない 3

2

摩擦試験(湿式)で差が見える。 4

4

参考

耐酸性試験判定フロー図

5.4

室温硫酸試験  室温硫酸試験は,次のとおりとする。

a)

試験体をエタノール(

5

)

で洗い,次いで温水ですすぎ洗いしてよく乾燥させる。

b)

試験体の表面に 2∼3 滴の硫酸(

9

)

を滴下し,その面を時計皿で覆う。試験体が曲面の場合は,厚さ

0.18mm

以下で直径約 30mm のふっ素を含まないろ紙の上に厚さ 0.38mm 以上で直径約 25mm のふっ素

を含まないろ紙を重ねて置き,硫酸(

9

)

を滴下して十分湿めらせる。そしてろ紙面を時計皿で覆う。

c) 23

±3℃で 15 分±30 秒放置した後,

ろ紙を使用した場合はろ紙を取り去り,

純水(

7

)

でよく水洗いして,

ろ紙で軽くたたき乾燥させる。

d)

試験体を 5.1 の外観試験に準じて角度を変えて,硫酸によって侵食された度合いについて,処理面と

非処理面との差を調べる。

c)

鉛筆(

8

)

によって試験体面に数本のほぼ平行な線(マーク)を引く。試験体の色が黒又は暗色の場合は,

酸化チタン顔料を試験体にこすりつける。その後試験体の表面を乾いた清潔な布でこすり,試験体に

付けたマークが消去されたかその有無を調べる。

f)

e)

でマークが消去されないときは,同様な方法で再度マークを付け,その面を水に浸して硬く絞った

清潔な布でこする。


6

R 4301 : 1999

g)

以上の操作後 2 時間以内に耐硫酸性の度合いを

表 によって判定する。

(

9

)  JIS K 1321

に規定する硫酸の2%溶液。

5.5

室温炭酸ナトリウム試験  室温炭酸ナトリウム試験は,次のとおりとする。

a)

試験体をエタノール(

5

)

で洗い,次いで温水ですすぎ洗いしてよく乾燥させる。

b)

試験体の表面に 2∼3 滴の炭酸ナトリウム(

10

)

を滴下し,その面を時計皿で覆う。試験体が曲面の湯合

は,厚さ 0.18mm 以下で直径約 30mm のふっ素を含まないろ紙の上に厚さ 0.38mm 以上で直径約 25mm

のふっ素を含まないろ紙を重ねて置き,炭酸ナトリウム(

10

)

を滴下して十分湿めらせる。そしてろ紙面

を時計皿で覆う。

c) 23

±3℃で 15 分±30 秒放置した後,

ろ紙を使用した場合はろ紙を取り去り,

純水(

7

)

でよく水洗いして,

ろ紙で軽くたたき乾燥させる。

d)

試験体を 5.1 の外観試験に準じて角度を変えて,

炭酸ナトリウムによって侵食された度合いについて,

処理面と非処理面との差を調べる。

e)

鉛筆(

8

)

によって試験体面に数本のほぼ平行な線(マーク)を引く。試験体の色が黒又は暗色の揚合は,

酸化チタン顔料を試験体にこすりつける。その後試験体の表面を乾いた清潔な布でこすり,試験体に

付けたマークが消去されたかその有無を調べる。

f)

e)

でマークが消去されないときは,同様な方法で再度マークを付け,その面を水に浸して硬く絞った

清潔な布でこする。

g)

以上の繰作後 2 時間以内に耐炭酸ナトリウム性の度合いを

表 によって判定する。

(

10

)  JIS K 8625

に規定する特級無水炭酸ナトリウム10g を100ml の蒸留水に溶解する。

なお,調整した試験液は,24 時間以内に使用しなければならない。

5.6

沸騰くえん酸試験  沸騰くえん酸試験は,次のとおりとする。

a)

試薬  試薬は次による。

くえん酸  くえん酸(

6

)33g

を 500ml の純水に溶解した溶液。

なお,試験ごとに 24 時間以内に調整したものを用いる。

溶剤  エタノール(

5

)

b)

試験装置及び試験器具  試験には図 に示す装置を用いる。装置は次の部品で構成される。

1)

ほうけい酸ガラス製のシリンダ及び還流コンデンサ並びに静かに沸騰状態を保つオリフィス(温度

計に変えて取付け。

2)

シリンダの下部からヒータの上端までが 95mm の断熱材でカバーされた熱伝導合金製の 500W 電熱

ヒータ(可変トランス電気制御装置付)

3) 140

℃の塩酸に耐えるプラスチックでカバーされた外形 100mm,内径 79±1mm,厚さ 2mm の合成

樹脂製のワッシヤ

4)

装置の上端はほうけい酸ガラス製の板


7

R 4301 : 1999

図 1  沸騰くえん酸試験装置

c)

試験体  4.1.2 又は 4.1.3 によって作る円形の平板 2 枚。

d)

試験の手順

1)

試験体を純水(

7

)

で洗い,次いでエタノール(

5

)

で洗浄する。その後試験体を 110±5℃の乾燥器内で約

2

時間乾燥し,デシケータ内で少なくとも 2 時間放冷する。次いで少なくとも 0.2mg までひょう量

する。得られたひょう量値を試験前の質量  (m

1

)

とする。

2)

試験体をほうろう面を内側にして,

図 の試験装置の下面に取り付ける。

3)

試験装置内に試薬 450ml を注入し,ヒータのスイッチを入れて試薬を沸騰させる。

4)

試薬が沸騰し始めたら,加熱制御装置によって,凝縮液が 1 分間に 30∼50 滴の速さでコンデンサか

ら排出するように沸騰状態を調節する。

5)

沸騰時間は 2.5 時間とするが,6 時間,24 時間又はそれ以上の時間でもよい。

6)

所定時間経過後シリンダ内の試薬を捨て,水でよくすすいで試験体を装置から取り外し,水洗いし

ながらソフトスポンジで 3 回こする。このとき試験体にガスケット跡が残っていれば注意深く取り

除く。

7)

試験体を 110±5℃の乾燥器内で約 2 時間乾燥し,次いでデシケータ内で約 2 時間放冷し,少なくと

も 0.2mg までひょう量する。得られたひょう量値を試験後の質量  (m

2

)

とする。

8)

沸騰くえん酸試験によるほうろうの耐食性は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって小数点


8

R 4301 : 1999

以下 2 けたに丸める。

B

m

m

A

2

1

ここに,

A

:  耐食性 (g m

2

)

B

:  試験体がくえん酸に接触した面積 (m

2

)

m

1

:  試験体の試験前の質量 (g)

m

2

:  試験体の試験後の質量 (g)

9)

くえん酸によって侵食された試験体 2 個の測定値のうち,

数値の大きい方を耐食性とする。ただし,

試験体 2 個の平均値と個別測定値とに 30%以上の開きがあるときは,新しい試験体を用いて再試験

を行う。

5.7

凝縮塩酸蒸気試験  凝縮塩酸蒸気試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,4.1.2 又は 4.1.3 によって作る円形の平板 4 枚とする。

b)

試薬  試薬は,JIS K 8180 塩酸(試薬)の 20%溶液とする。

c)

試験装置  試験装置は,図 のとおりとする。ただし,シリンダ上面のガラス板を除く。

d)

試験の手順

1)

試験体を純水(

7

)

で洗い,次いでエタノール(

5

)

で洗浄する。その試験体を 110±5℃の乾燥器内で約 2

時間乾燥し,デシケータ内で少なくとも 2 時間放冷する。次いで少なくとも 0.2mg までひょう量す

る。得られたひょう量値を試験前の質量  (m

1

)

とする。

2)

試験体をほうろう面を内側にして,

図 の試験装置の上下に取り付ける。

3)

試験装置内に試薬 450ml を注入し,ヒータのスイッチを入れて試薬を沸騰させる。

4)

試薬が沸騰し始めたら,加熱制御装置によって,凝縮液が 1 分間に 30∼50 滴の速さで排出するよう

に沸騰状態を調節する。

5) 168

時間経過後シリンダ内の試薬を捨て,水でよくすすいで試験体を装置から取り外し,水洗いし

ながらソフトスポンジで 3 回こする。このとき試験体にガスケット跡が残っていれば注意深く取り

除く。

6)

試験体を 110±5℃の乾燥器内で約 2 時間乾燥し,次いでデシケータ内で約 2 時間放冷し,少なくと

も 0.2mg までひょう量する。得られたひょう量値を試験後の質量  (m

2

)

とする。

7)

残りの試験体 2 枚についても,同様に 1)6)の試験を行う。

8)

沸騰塩酸蒸気試験によるほうろうの耐食性は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって小数点

以下 2 けたに丸める。

B

m

m

A

2

1

ここに,

A

:  耐食性 (g m

2

)

B

:  試験体が塩酸に接触した面積 (m

2

)

m

1

:  試験体の試験前の質量 (g)

m

2

:  試験体の試験後の質量 (g)

9)

気相及び液相によって侵食された試験体それぞれ 2 個の測定値は別々に平均し,数値の大きい方を

耐食性とする。ただし,試験体 2 個の測定値に 30%以上の開きがあるときは,新しい試験体を用い

て再試験を行う。

10) 168

時間沸騰による耐食性の数値が 5mg 以下の場合は,336 時間沸騰による同様の試験を行い,耐

食性を測定する。


9

R 4301 : 1999

5.8

密閉系高温耐食試験  密閉系高温耐食試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,その素地金属がうわぐすりによって完全に被覆されており,ピンホール(

11

)

がない

ものとする。

(

11

)

表面から鉄素地に達した小さな穴。

b)

試験体の面積など  試験体の試験液に接する面積  (S : m

2

)

は,試験液の容量  (V : ml)  の比  (V S)  が 20

±1 とし,試験体の質量は 160g 以下とする。

c)

試験体の数  試験体の数は,2 個とする。

d)

試験装置  試験装置は,試験液に耐えて装置からうわぐすりの侵食に影響を及ぼす物質が溶出しない

材質(例えば,タンタル)製のものとする。

e)

加熱装置  加熱装置は,1 時間以内に試験溶液を試験温度に昇温できて,±1℃で試験温度を維持でき

るものとする。

f)

試験装置の容積  試験装置の容積は,試験体の面積  (S)  と試験液の容量  (V)  との比が 20 となる容積

より 20%以上多い容積とする。

なお,

複数の試験体を同時に同一の装置内で試験をする場合は,その試験体に適合する容積とする。

g)

試験液  試験液は,化学工業で沸点以上の温度で用いられる酸性液又は中性液並びに他の侵食液とし,

これらの試験液は,受渡当事者間の協定による。ただし,試験液には不純物として二酸化けい素が 1l

当たり 0.1mg 以上含んではならないものとする。

h)

試験温度  試験温度は,試験液の沸点以上とし,その温度は受渡当事者間の協定による。

i)

試験の手順

1)

試験体を純水(

7

)

で洗い,次いでエタノール(

5

)

で洗浄する。その後試験体を 110±5℃の乾燥器内で約

2

時間乾燥し,デシケータ内で少なくとも 2 時間放冷する。次いで少なくとも 0.2mg までひょう量

する。得られたひょう量値を試験前の質量 (m

1

)

とする。

2)

試験体を試験装置に入れ,試験体の表面が試験液に完全につかるように試験装置に試験液を注入す

る。

3)

加熱装置によって試験温度まで加熱し,24 時間±5 分間その温度を保持する。

4)

加熱時間終了後加熱を止め,室温に達するまでそのまま放冷する。

5)

次いで試験体を試験装置から取り出し,純水(

7

)

で洗浄する。付着物のある場合は中性洗剤を用いて

注意深く取り除く。

6)

その後試験体を 110±5℃の乾燥器内で約 2 時間乾燥した後,デシケータ内で少なくとも 2 時間放冷

する。次いで少なくとも 0.2mg までひょう量する。得られたひょう量値を試験後の質量  (m

2

)

とす

る。

7)

密閉系高温耐食試験によるほうろうの耐食性は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって小数

点以下 2 けたに丸める。

3

2

1

10

365

×

×

t

G

S

m

m

V

ここに,

V

:  高温耐食性  (mm 365 d)

S

:  試験体の試験液に接した面積 (m

2

)

m

1

:  試験体の試験前の質量 (g)

m

2

:  試験体の試験後の質量 (g)

t

:  試験時間 (d)

G

:  うわぐすりの密度 (g cm

3

)


10

R 4301 : 1999

8)

試験体 2 個間の測定値に 30%以上の開きがあるときは,新しい試験体を用いて再試験を行う。

5.9

沸騰水及び水蒸気試験  沸騰水及び水蒸気試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,5.1.2 によって作る円形の平板 4 枚とする。

b)

試薬  試薬は,純水(

7

)

とする。

c)

試験装置  試験装置は,図 のとおりとする。ただし,シリンダ上面のガラス板を除く。

d)

試験の手順

1)

試験体を純水(

7

)

で洗い,次いでエタノール(

8

)

で洗浄する。その後試験体を 110±5℃の乾燥器内で約

2

時間乾燥し,デシケータ内で少なくとも 2 時間放冷する。次いで少なくとも 0.2mg までひょう量

する。得られたひょう量値を試験前の質量  (m

1

)

とする。

2)

試験体をほうろう面を内側にして,

図 の試験装置の上下に取り付ける。

3)

試験装置内に試薬 450mを注入し,ヒータのスイッチを入れて試薬を沸騰させる。

4)

試薬が沸騰し始めたら,加熱制御装置によって沸騰液が 1 分間に 30∼50 滴の速さでコンデンサから

排出するように沸騰状態を調節する。

5)

 48

時間経過後シリンダ内の試薬を捨て,水でよくすすいで試験体を装置から取り外し,水洗いしな

がらソフトスポンジで 3 回こする。このとき試験体にガスケット跡が残っていれば注意深く取り除

く。

6)

試験体を 110±5℃の乾燥器内で約 2 時間乾燥し,次いでデシケータ内で約 2 時間放冷し,少なくと

も 0.2mg までひょう量する。得られたひょう量値を試験後の質量  (m

2

)

とする。

7)

残りの試験体 2 枚についても,同様に 1)6)の試験を行う。

8)

沸騰水及び水蒸気試験によるほうろうの耐食性は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって小

数点以下 2 けたに丸める。

B

m

m

A

2

1

ここに,

A

:  耐食性 (g m

2

)

B

:  試験体が沸騰水及び水蒸気に接触した面積 (m

2

)

m

1

:  試験体の試験前の質量 (g)

m

2

:  試験体の試験後の質量 (g)

9)

気相及び液相によって侵食された試験体それぞれ 2 個の測定値は別々に平均し,数値の大きい方を

耐食性とする。ただし,試験体 2 個の測定値に 30%以上の開きがあるときは,新しい試験体を用い

て再試験を行う。

10)

 48

時間沸騰による耐食性の数値が 5mg 以下の湯合は,336 時間沸騰による同様の試験を行い,耐食

性を測定する。

5.10

加熱水酸化ナトリウム試験  加熱水酸化ナトリウム試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,5.1.2 又は 5.1.3 によって作る円形の平板 2 枚とする。

b)

試薬  試薬は,JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウムの 4%溶液とする。

c)

試験装置  試験装置は,図 のとおりとする。


 

11

R

 4301 :

 19
99

図 2  水酸化ナトリウム試験装置


 

12

R

 4301 :

 19
99

図 2  水酸化ナトリウム試験装置の寸法


13

R 4301 : 1999

d)

試験の手順

1)

試験体を純水(

7

)

で洗い,次いでエタノール(

5

)

で洗浄する。その後試験体を 110±5℃の乾燥器内で約

2

時間乾燥し,デシケータ内で少なくとも 2 時間放冷する。次いで少なくとも 0.2mg までひょう量

する。得られたひょう量値を試験前の質量  (m

1

)

とする。

2)

試験体をほうろう面を内側にして 100℃のアルカリに耐えるガスケットに挟んで,

図 の試験装置

に取り付ける。

3)

試薬を 80±1℃で予備加熱する。

4)

予備加熱した試薬を試験装置内に注入し,満杯とする。次にゴム栓でふたをし,これを 80±1℃に

保たれた恒温器内に 24 時間保持する。この場合の恒温器は,水浴又は油浴のものとし,かくはん器

又は旋回装置付で 80±1℃までの一定温度を保持できるものとする。

5)

 24

時間経過後装置内の試薬を捨て,純水(

7

)

でよくすすいで試験体を装置から取り外す。その後試験

体を JIS K 8355 に規定する酢酸の 5%溶液をしみこませたソフトスポンジで 3 回こする。そして純

(

7

)

ですすぐ。このとき試験体にガスケット跡が残っていれば注意深く取り除く。

6)

試験体を 110±5℃の乾燥器内で約 2 時間乾燥し,次いでデシケータ内で約 2 時間放冷し,少なくと

も 0.2mg までひょう量する。得られたひょう量値を試験後の質量  (m

2

)

とする。

7)

残りの試験体についても,同様に 1)6)の試験を行う。

8)

加熱水酸化ナトリウムによるほうろうの耐食性は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって小

数点以下 2 けたに丸める。

B

m

m

A

2

1

ここに,

A

:  耐食性 (g m

2

)

B

:  試験体が加熱水酸化ナトリウムに接触した面積 (m

2

)

m

1

:  試験体の試験前の質量 (g)

m

2

:  試験体の試験後の質量 (g)

9)

試験体 2 個の測定値の平均値を求め,耐水酸化ナトリウム耐食性とする。ただし,試験体 2 個の測

定値の最大値と最小値に 30%以上の開きがあるときは,新しい試験体を用いて再試験を行う。

5.11

高電圧試験  高電圧試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,高腐食条件下で使用するほうろう層の厚みが 0.66mm 以上の製品とし,試験体の

数及びその採取は,受渡当事者間の協定による。

b)

試験装置  試験装置は,2kV 以上の直流電圧が供給されるもので,±5%以内で調節及び測定できるも

のとする。

c)

試験電極  試験電極は,外部にアースされている金属カバー付の絶縁取っ手,金属ワイヤー製のブラ

シ,取っ手と金属ブラシとの間に置かれる保護抵抗及び光学的又は音響的信号の出る器具からなるも

のとする。

d)

手順  b)及び c)を用いて室温において金属ブラシをほうろう面に軽く接しながら最大 1 秒間に 40cm

の速さでほうろう面上をできる限り大きくカバーするよう移動させる。

e)

スパークの発生をもってピンホール(

11

)

とする。

5.12

低電圧試験  低電圧試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,製品又はその部分品とする。

b)

試験液  試験液は,JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム 2g を 100ml の水に溶かした液に,中性食


14

R 4301 : 1999

器洗剤液 2 滴を入れ,これに JIS K 8799 フェノールフタレイン(試薬)に規定するフェノールフタレ

イン 1g をエタノール(

5

)

100ml

に溶解した液約 0.1ml を添加して調整する。

c)

試験手順

1)

 24V

の直流電源を素地金属につなぎ,これを陰極とする。

2)

試験体の表面に,500cm

2

以上の紙を試験液で湿らせてはり付け,これを陽極とする。

3)

電源にスイッチを入れて 2 分間電気を流す。そしてスイッチを切って 1 分以内に発色した点の数を

カウントする。

4)

発色をもって鉄素地に至るほうろうの欠点とする。

5.13

塩化ナトリウム試験  塩化ナトリウム試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,ほうろう建材パネルとする。

b)

試験手順  試験体を,JIS K 8150 に規定された塩化ナトリウムの 5%水溶液(34±3℃に加熱したもの。)

に約 48 時間浸し,その後液から取り出して流水で静かに洗う。試験体を室内に立てかけ,約 2 時間置

いてからほうろう面のさびの有無を 5.1 によって調べる。

5.14

加熱急冷試験(1)  調理器具の加熱急冷試験  調理器具の加熱急冷試験は,次のとおりとする。

a)

試験器具及び装置は,次のとおりとする。

1)

試験体の大きさに応じた,

表 に示す電熱板。

なお,試験体が平らでない場合には,電熱板を直径 0.1∼0.125mm の銅粒を敷き詰めたリングで

囲む。

表 3  電熱板の種類

試験体

電熱板

試料の内径 (mm)

径 (mm)

最大出力 (W)

180

未満 145

1

000

±100

180

以上 220 未満 180  1

500

±150

220

以上 220

2

000

±200

2)

迅速に精度 2℃までの温度を示すことのできる温度測定器。

3)

水温測定用の温度計。

4)

試験体の水分をふき取る紙タオル,実験室用ティシュペーパー又はセーム皮。

5)

ストップウオッチ。

b)

試験体は調理用の製品とし,合理的な抜取方法によって少なくとも 3 個を試験する。

c)

試験の手順は,次のとおりとする。

1)

あらかじめ最高出力で余熱した電熱板上に試験体を載せ,少なくとも 5 分以内に 200±5℃になるま

で加熱する。

2)

温度の測定は,試験体の内底面で,試験体の側面から内径の 4 分の 1 の距離の所で行う。

3)

所定温度に達したとき,20±1℃の水を試験体の 30mm の深さまで一気に注ぎ入れる。

4)

5

±1 秒後,試験体を電熱板から他の台上に移し,直ちに 20±1℃の水を試験体一杯になるまで注ぎ

入れ,さらに試験体全体を 20±1℃の水中に浸す。

5)

試験体の温度が室温に達した後試験体を水中から取り出し,水をあけて紙タオル,ティシュペーパ

ー又はセーム皮でふき,ひび割れ(

4

)

又ははく離(

12

)

の有無を 5.1 及び 5.2 によって調べる。

(

12

)

うわ薬が部分的にはげ落ちているもの。

6)

損傷のない場合は,さらに 20℃ずつ温度を上げて,損傷の生じるまで 1)5)の試験を繰り返して行


15

R 4301 : 1999

う。

5.15

加熱急冷試験(2)  化学工業用グラスライニング機器の加熱急冷試験  化学工業用グラスライニング

機器の加熱急冷試験は,次のとおりとする。

a)

試験体は,4.1.2 によって作成したもの 2 枚とする。

b)

あらかじめ湿度が 20℃以下の水を 4以上用意する。

c)

試験体を,用意した水の温度より 100±1℃高く恒温器内で約 20 分間加熱した後取り出し,直ちに用

意した水中に投入する。

d)

その後試験体を水中から取り出し,その表面にひび割れ(

4

)

又ははく離(

12

)

の有無を目視によって調べる。

e)

異常がなければ,恒温器の温度を更に 10±1℃ずつ上げ,ひび割れ(

4

)

又ははく離(

12

)

の生じるまで c)

d)

を繰り返して行う。

f)

他の 1 枚についても,b)e)の試験を行う。

g)

試験体 2 枚ともひび割れ(

4

)

又ははく離(

12

)

の生じないとき,その加熱温度から水温を差し引いた温度を

耐熱温度とする。

5.16

加熱試験  加熱試験は,次のとおりとする。

a)

試験体は,製品を代表するものとし,その選定は,受渡当事者間の協定による。

b)

試験の手順は,次のとおりとする。

1)

試験温度は,製品が実用に際して熱せられる温度に 50℃加えた温度とする。

2)

加熱方法は,製品が実用の際に熱せられる直接加熱又は輻射加熱による。

3)

加熱速度は,ほうろう面が 1 分間に 30∼40℃上昇するように加熱する。

4)

温度測定は,表面接触形高温度計による。

5)

試験温度に達した後,直ちに試験体を熱源から取り除き,そのまま室温に達するまで放冷する。

6)

室温に達した後,試験体の外観の異常の有無を 5.1 によって調べる。

5.17

耐熱水性試験  耐熱水性試験は,次のとおりとする。

a)

試験体は,調理用の製品とする。

b)

試験の手順は,次のとおりとする。

1)

試験体にその満水容量の約 70%の純水(

7

)

を満たし,ふたをして沸騰させる。

2)

沸騰し始めたら直ちに加熱温度を調節し,静かに沸騰を保ちながら 5 時間±5 分間連続して加熱す

る。ただし,水量が半分になるごとに元の水量まで純水を追加する。

3)

5

時間経過後に熱湯を空けて空気中で室温になるまで放冷する。

4)

室温に達した後,内面を布でふき,乾燥させてさびの有無を 5.1 によって調べ,また,水位線の上

下面での光沢の変化を

表 によって調べる。

5.18

落球試験  落球試験は,次のとおりとする。

a)

試験体は,製品とする。ただし,製品で試験できない場合の試験体は,受渡当事者間の協定による。

b)

試験の手順は,次のとおりとする。

1)

図 に示す堅木の枠を台上に置き,その上に試験体を通常の使用状態に固定する。ただし,堅木の

枠は,試験体が製品の場合は裏面を,製品以外の場合は表面を使用する。

2)

試験体内面中心部に,JIS B 1501 に規定する径 36.51mm の鋼球(質量約 200g)を所定の高さから自

然落下させ,衝撃面のはく離(

12

)

の状態を調べる。

3)

所定の高さは,受渡当事者間の協定による。


16

R 4301 : 1999

図 3  ほうろう落球試験用の堅木の枠

5.19

ピストル形衝撃試験  ピストル形衝撃試験は,次のとおりとする。

a)

試験体は,製品とし,その選定は受渡当事者間の協定による。

b)

ピストル形衝撃試験器は,

図 に示す試験器を用いる。

c)

試験の手順  試験の手順は,次のとおりとする。

1)

衝撃の測定位置は,各試験体につき 2cm 間隔の 5 か所以上とし,その位置は,受渡当事者間の協定

による。

2)

試験器が試験面に対して垂直になるようにして,衝撃を加える。

3)

衝撃は,最初に 10N の荷重を加え,衝撃点すべてに損傷がなければ,2N 刻みで荷重を増し,損傷

の生じたときの荷重の直前の荷重を耐衝撃荷重とする。

4)

耐衝撃荷重は,最終の衝撃後約 24 時間経過した後 25cm 離れて,衝撃箇所の各点で大きさが 2mm

以上のはく離(

12

)

などの損傷の有無を目視で調べる。

図 4  ピストル形衝撃試験器

5.20

摩耗試験  摩耗試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,製品とする。


17

R 4301 : 1999

b)

摩擦用具  摩擦用具は,底面を平らにしてセーム皮で被覆した直径約 30mm,質量約 1kg の金属性の

円柱部分と,内径 35∼40mm のスライドする円筒から成るものとする(

図 参照)。

c)

ほたる石粉  ほたる石粉は,天然のほたる石粉を 177∼250

µm の粉末にしたもので,ほたる石(モー

ス硬度 4)より硬度の高い不純物を含まないものとする。

d)

試験の手順  試験の手順は,次のとおりとする。

1)

試験体の平滑な面にほたる石粉約 1g を直径約 10mm の円形状に振りかける。

2)

その上に摩擦用具を載せ,円筒をもち,ほたる石粉を中心に左右に約 2cm 間を 10 往復した後,ほ

たる石粉を除く。

3)

ほたる石粉による摩擦面の傷の有無を,拡大鏡(倍率 5 倍)によって調べる。ただし,試験体面が

つや消しの部分は対象としない。

図 5  摩擦用器具

5.21

研削材摩耗試験  研削材摩耗試験は,次のとおりとする。

a)

試験体  試験体は,4.1.2 によって作成された円形の平板 3 枚及び JIS R 3202 に規定する厚さ 3mm の

100

×100mm の A 級フロート板ガラス 3 枚とする。

b)

試験装置  試験装置は,図 に示す毎分 300±3 回回転し,その回転数を示す回転計付の偏心駆動回転

摩耗試験装置を用いる。

c)

試験用材  試験用材は,次のとおりとする。

焼き入れステンレス鋼製の玉軸受用球

径 4mm のもの

80

±1g

径 3mm のもの

60

±1g

径 2mm のもの

35

±1g

JIS R 6111

に規定するアルミナ質研削材 (WA) の 80 番の粒 3±0.1g

純水(

6

)

20

±0.2ml

d)

手順

1)

各試験体を純水(

6

)

で洗い,それをエタノール(

5

)

で十分にふく。次にそれを 120±5℃の乾燥器内で約

2

時間乾燥し,デシケータ内で少なくとも 2 時間放冷する。

2)

試験体及びガラス板を少なくとも 0.2mg までひょう量する。

3)

試験体を試験装置に取り付ける。

4)

試験装置に試験用材を入れて,開孔部をゴム栓でふたをする。

5)

試験装置の振動回転台を,300±3 回毎分回転で 30±1 分間回転させる。


18

R 4301 : 1999

その後試験体を取り外し,試験装置の止めリングとともに流水で十分洗う。それを十分乾燥させ

た後,新しい研磨材とともに試験装置の元の位置に戻す。

6)

5)

の操作を合計 3 回行った後試験体とガラス板とを試験装置から取り外し,水道水及び純水(

6

)

で十

分に洗浄する。試験体とガラス板とを 120±5℃の乾燥器の中で約 2 時間乾燥させ,その後最低 2 時

間デシケータの中で放冷する。そして少なくとも 0.2mg までひょう量する。

7)

相対摩耗量 は,次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下 2 けたに丸める。

3

2

1

3

2

1

mr

mr

mr

ms

ms

ms

W

ここに,

W

相対摩耗量

ms

1

,

ms

2

,

ms

3

試験した

3

枚の試験体の質量減の数値

 (mg)

mr

1

,

mr

2

,

mr

3

試験した

3

枚の参照ガラス板の質量減の数値

(mg)


19

R 4301 : 1999

図 6  研削材摩耗試験装置


20

R 4301 : 1999

5.22

膜厚測定

  膜厚測定は,次による。

a)

測定器具

  ほうろう厚さの

0.1

3mm

の範囲内で測定できる電磁式膜厚計(精度が最大目盛の

0.5%

上)のものとする。

b)

測定箇所は,受渡当事者間の協定による。ただし,試験体の不連続点,端部,穴あき部又は内面コー

ナーから

20mm

以上離れた箇所とする。

c)

手順

1)

膜厚計のプローブ(探査子)及び試験体の測定箇所に異物の付着のないことを確認する。

2)

測定前に補正板を用いて,膜厚計目盛のゼロ点及びフルスケールが正しいことを確認する。この補

正は,測定

1

回ごとに行う。

3)

膜厚計のプローブは,試験体面測定箇所に垂直に押し付ける。

5.23

セルフクリーニング試験

  セルフクリーニング試験は,次による。

5.23.1

装置及び器具

a)

マッフル炉

  排気孔付で,

250

±

10

℃に保持できるものとする。

b)

グリル

  約

30mm

の高さでマッフル炉内に置くものとする。

c)

型板

  脚付きで

105

×

105

±

5mm

の板で,径

15mm

の穴及び一つのマーク付きのものとする(

図 7

照)

図 7  型板

5.23.2

試験体

  試験体は,セルフクリーニングほうろう掛けロースター又はグリルから切り取った

105

×

105

±

5mm

の板とする。ただし,その数は,受渡当事者間の協定による。

5.23.3

参照試験体

  参照試験体は,

105

×

105

±

5mm

の鋼板にセルフクリーニングほうろう掛けしたもの

とする。

5.23.4

膜厚

  試験体及び参照試験体のセルフクリーニングほうろうの膜厚は,

150

µ

m

以上とする。また,

その相互の膜厚の違いは,

20

µ

m

以下とする。

5.23.5

手順

a)

型板によって,試験体及び参照試験体の表面に,型板のマーク及び穴あき部の印を付ける。

b)

  a)

による試験体のマーク部及び印部に精製家庭用大豆油を

20

25mg

を滴下し,また,同様に参照試

験体面にも滴下する。

c)

試験体及び参照試験体を平行にしてグリル上に置き,これをマッフル炉内に入れて

250

±

10

℃で

1


21

R 4301 : 1999

間保持する。その後炉から取り出し,室温で放冷する。これを

1

サイクルとする。ただし,参照試験

体は

1

回限りの使用とし,

2

回以降はその都度新しく作成する。

d)

試験体及び参照試験体の表面に光沢が見られるまで,

a)

c)

までの操作を繰り返し行う。

e)

試験体と参照試験体ごとに,実施した試験のサイクル数を記録する。

参考  衛生性

  製品の食品に直接接触する部分は,食品衛生法(昭和

22

年法律第

233

号)に基づく昭

34

年厚生省告示第

370

号第

3

器具及び容器包装の基準が定められている。

付表 1  引用規格

JIS B 1501

  玉軸受用鋼球

JIS B 7411

  一般用ガラス製棒状温度計

JIS C 7501

  一般照明用電球

JIS C 4304

  熱間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS K 1321

  硫酸

JIS K 8102

  エタノール

 (95)

(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)

JIS K 8283

  くえん酸一水和物(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8799

  フエノールフタレイン(試薬)

JIS R 3202

  フロート板ガラス及び磨き板ガラス

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 6111

  人造研削材

JIS S 6006

  鉛筆及び色鉛筆

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8721

  色の表示方法−三属性による表示


22

R 4301 : 1999

JIS R 4301

  ほうろう製品の品質試験方法

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

委員長

小見山      亨

近畿大学理工学部

八  田      勲

工業技術院標準部

成  宮      治

通商産業省生活産業局

松  岡  寿  人

財団法人日本文化用品安全試験所

入  江  稔  員

社団法人日本ガス石油機器工業会

湯  川  信  孝

キッチンバス工業会

(タカラスタンダード株式会社研究室)

堀  内      昭

社団法人日本化学工業協会

(武田薬品工業株式会社工務技術部)

金  井  明  一

財団法人日本消費者協会商品テスト部

大  山  高  志

社団法人日本琺瑯工業会

竹  下  博  久

神鋼パンテック株式会社化工機事業部技術部

大  宮  哲  夫

株式会社大宮ホーロー製作所

佐  藤  文  昭

日本フェロー株式会社無機事業部技術開発部

事務局

大  野  登美蔵

社団法人日本琺瑯工業会

オブザーバー

飯  沢  吉  弘

池袋琺瑯工業株式会社製造部

沢  田  雅  光

神鋼パンテック株式会社化工機事業部技術部

文責  大野  登美蔵