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R 3913 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,対応国際規格 ISO 3344 : 1997 を基礎として用いた。


日本工業規格

JIS

 R

3913

: 2000

強化繊維製品の水分の試験方法

Reinforcement products

−Determination of moisture content

序文  この規格は,1997 年に第 2 版として発行された ISO 3344, Reinforcement products−Determination of

moisture content

を元に,対応する部分については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく

作成した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定されていない規定項目を日本工業規格として追加し

ている。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,ガラス繊維,炭素繊維及びアラミド繊維から作られた強化繊維製品−例えば,

フィラメントヤーン,ステープルヤーン,ロービング,チョップドストランド,マット,織物,その他の

形態の強化繊維−の水分含量の試験方法を規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 3344

  Reinforcement products−Determination of moisture content (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・

追補には適用しない。

JIS K 7100 : 1999

  プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

備考  ISO 291 : 1997  Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing からの引用事項は,

この規格の当該事項と同等である。

3.

定義  この規格で使用される用語の定義は,次による。

3.1

水分  製品中の水分質量を規定された試験方法で試験し,その結果を水分含有質量の百分率 (%) で

表したもの。

3.2

絶乾基準水分  製品中の水分質量を規定された方法で試験し,その結果を絶乾質量の百分率 (%) で

表したもの。

4.

原理  試験片を規定の温度 (105℃)  で乾燥し,その前後でひょう(秤)量する。


2

R 3913 : 2000

5.

装置及び器具

5.1

強制循環熱風乾燥機  110℃±3℃又は規定温度±3℃で制御ができ,換気回数が毎時 20 回から 50 回

の能力をもつ強制循環熱風乾燥機。

5.2

デシケータ  シリカゲル,塩化カルシウム,五酸化リンなど適切な乾燥剤の入ったデシケータ。

5.3

試験片ホルダ  耐熱性及び通気性をもち,質量ロスのない試料台。

例  磁性るつぼ,耐酸化性金属網容器など。

5.4

ステンレス製ピンセット  試料片及び試料台の操作に用いる。

5.5

はかり  精度  0.1mg

5.6

研磨金属板及び切断用具  例えば,はさみ,ナイフ,回転ディスクなどで織物及びマットに用いる

(型抜き器に代えてもよい。

5.7

ふた付きひょう量瓶  アラミド繊維及び水分が 0.2%以上(例えば,パッケージの中心部から採取し

た試験片又は湿ったチョップドストランド)と考えられる試験片に用いる。

備考  一つのホルダを複数の試験片に使用してもよいが,その場合は,材料ロスなしに試料をホルダ

から乾燥機へ移動できること。

6.

試験片の数及び選択

6.1

試験片の選択  製品仕様書又は試験請求者の指示がない場合は,試験片の採取は次による。

6.1.1

連続フィラメント糸,紡績糸及びロービング  試験片採取は,試験対象の糸巻玉の外層の水分含量

を測定するものとする。

外層を巻き戻して捨て,その後各試験片の少なくとも 5g,望ましくは 15g から 30g になる長さを採取す

る。

糸巻きの水分が中心部に多いと思われる場合は,製品仕様書又は試験請求者は,パッケージ内の複数の

位置から複数の試験片を採取するよう規定してもよい。

パッケージの中心部を切断しようとしてけがをしないように注意すること。

採取サンプルはできるだけ早くひょう量する。このため,あらかじめひょう量したひょう量瓶中に試験

片を入れてもよい。

6.1.2

チョップドストランド及びミルドファイバー  各試験片は少なくとも質量で 5g,望ましくは 15g

から 30g をとるものとする。

6.1.3

織物  100cm

2

の試料が採取できる織物を用いる。質量が 5g に満たないときはより大きな試料をと

るか,数個の 100cm

2

試料を用いるものとする。

試料は単位面積当たり質量(面密度)試験に用いたものと同じものを用いてもよい。

織物の耳又は端部から 10mm 以内の試料は採取しない。試料が巻かれていてもすべての試料に風が回る

ようにするものとする。

試料の散逸を回避できれば,切断用具(5.6)で裁断することが望ましい。

6.1.4

マット  推奨する試料の形は,単位面積当たりの質量試験に規定されているものとする。

例  型板を用いた 316±1mm の四角形。

その他の形状を,製品仕様書又は試験請求者によって規定してもよい。

6.2

試料数  特に指示がない限り,基本単位(

1

)

又は実験用試料(

2

)

から採取する試料数は,

表 による。


3

R 3913 : 2000

表 1

強化材

試料数

連続又は不連続のフィラメン

ト,ロービング

1

チョップドストランド,ミルド

ファイバー

1

織物,マット

1

メートル幅当たり 3 個を幅方

向に採取

(

1

)

基本単位とは,対象製品の通常の商用最小取引単位  (ISO 1886 : 1990, Reinforcement fibers−

Sampling plans applicable to received batches)

(

2

)

実験用試料とは,基本単位の一部で,試験片はそこから得られる。実験用試料は,基本単位を

実験室に持ち込むことが現実的でない場合に適用する。

7.

試験場所の状態調節  水分が 0.2%以下と予想される製品は,基本単位又は実験用試料を JIS K 7100

に規定する標準雰囲気で,平衡に達するまでの十分な時間(通常,最低 6 時間)調整する。

0.2%

を超える水分の製品は,サンプリング後速やかに試験し,基本単位又は実験用試料を防湿容器に保

存する。

材料は,試験に先立ち標準温度に移してもよいが,水分ロスのないように密封しなければならない。

なお,できれば試料を試験前に容器内で再混合し,材料内の水分偏在による誤差を避けることが望まし

い。

8.

操作方法  次に記載する手順は,試験片をホルダとともにひょう量した場合である。

試験片だけでひょう量の場合は,試験片をひょう量のためにピンセットでホルダから取り外し,ひょう

量してからホルダに戻したものとして,8.2 に進むものとする。

試験片はホルダ上に操作の間識別ができるように配置し,互いに接しないように置くものとする。

8.1

試料ホルダのひょう量  ホルダ(5.3)を 105℃±3℃の乾燥機(5.1)に入れ質量を一定にする。又は強化

材が 105℃で蒸発する水分以外の蒸発成分をもつことが分かっている場合は,より低温を選択するが,50℃

以下にはしないほうがよい。

ホルダの取扱いはピンセットで行うものとする。

デシケータ(5.2)中で,ホルダを JIS K 7100 で規定した,おおよその標準温度まで冷却し,0.1mg 近傍ま

でひょう量し,その質量を m

0

 (g)

とする。

8.2

試料の初期質量  試料を採取したらすばやくホルダに入れる。

試料及びホルダを一緒に 0.1mg 近傍までひょう量し,その質量を m

1

 (g)

とする。

8.3

最終乾燥質量  105℃±3℃又は設定温度±3℃の熱風乾燥機中に試料とホルダを置き(8.1),試験片の

質量が一定になるまで少なくとも 1 時間加熱する。試験片及びホルダが乾燥機の壁に触れていないことを

確認する。

熱風乾燥機から試料片とホルダをデシケータに移し,30 分間室温で放置する。

デシケータは標準温度  (JIS K 7100)  の室内に置く。

その後,0.1mg の精度で試料片とホルダをひょう量し,その質量を m

2

 (g)

とする。


4

R 3913 : 2000

9.

計算及び結果の表示  試料片の水分含有量 は,次の 9.1 又は 9.2 によって質量%として計算する。

使用した式を記録する。

9.1

含水法

100

0

1

2

1

×

m

m

m

m

H

 (1)

9.2

絶乾法

100

0

2

2

1

×

m

m

m

m

H

 (2)

ここで

m

0

は, ホルダの質量 (g) (試験片がホルダなしで測定の場合は 0 に

なる。

m

1

は, 乾燥前の試料片の初期質量 (g) (ホルダあり又はなし)

m

2

は, 乾燥後の試料片の質量 (g) (ホルダあり又はなし)

試験結果は,1 個の試料から得た結果又は各試料の平均値で表すものとする。

10.

報告書

  試験報告には,次の情報が含まれなければならない。

a)

この試験で用いた日本工業規格の規格番号

b)

試験した強化材を特定するために必要な詳細情報

c)

各試験片の寸法及び質量

d)

試験した試験片数

e)

各試験結果及び場合によっては各試験片の結果

f)

この規格に規定されていない操作の詳細及び結果に影響を及ぼす可能性がある事項

g)

試験実施日


5

R 3913 : 2000

JIS/ISO

整合化委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学医用器材研究所

鹿  毛  紀久雄

財団法人高分子素材センター

奥  田  謙  介

奥田技研

山  内  啓  司 NS テクノサービス

大  嶋  清  治

通商産業省基礎産業局化学課

福  水  健  文

通商産業省生活産業局窯業建材課

柳  沢  正  良

東邦レーヨン株式会社

安  藤  正  人

東邦レーヨン株式会社

平  田      亮

東レ株式会社 ACM 技術部

伊  藤      正

株式会社ドナック技術部

三  谷  和  民

三菱レイヨン株式会社商品開発研究所

江  尻      宏

株式会社ペトカ

加  藤      攻

日本グラファイトファイバー株式会社

矢  作  雅  男

炭素繊維協会

児  玉  篤  樹

日東紡績株式会社

中  澤  光  雄

セントラル硝子株式会社

永  井      進

硝子繊維協会

菅  原  憲  明

富士重工株式会社

秦  野  主  計

合成樹脂工業協会

篠  原  典  男

昭和高分子株式会社

伊  東  達  郎

エポキシ樹脂技術協会

田  中  征  夫

強化プラスチック協会

(事務局)

吉  木      健

日本プラスチック工業連盟