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R 3912 : 2000 (ISO 1890 : 1997)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,対応国際規格 ISO 1890 : 1997 を基礎として用いた。


日本工業規格

JIS

 R

3912

 : 2000

 (ISO

1890

 : 1997

)

補強用糸−より数の試験方法

Reinforcement yarns

−Determination of twist

序文  この規格は,1997 年に第 2 版として発行された ISO 1890, Reinforcement yarns−Determination of twist

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,ガラス繊維,炭素繊維及びアラミド繊維の長繊維からなる糸のより数の試験

方法を規定する。

この方法は,単糸(単一糸のより)

,もろより糸及びケーブル糸(二つ又はそれ以上のより合わせ糸)に

適用される。より合わせ糸においては,一般に最終段階のよりにだけ適用される。

この規格は,パッケージ巻きされた糸に適用される。織機又は織物から採取した糸で測定した場合は,

その結果は単に性質を表示する。

この方法は,ステープル繊維から作られた製品には適用されない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 1890

  Reinforcement yarns−Determination of twist (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(又は発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの

規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年(又は発行年)を付

記していない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

ISO 2 : 1973

  Textiles−Designation of the direction of twist in yarns and related products

JIS K 7100 : 1999

  プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

備考  ISO 291 : 1997  Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing からの引用事項は,

この規格の当該事項と同等である。

JIS R 3911

  補強用糸−線密度の試験方法

備考  ISO 1889  Reinforcement yarns−Determination of linear density からの引用事項は,この規格の

当該事項と同等である。

3.

定義  この規格で使用される用語の定義は,次による。

3.1

Z

より又は より  製品中のよりはその製品を垂直に置き,軸周りの繊維のまき(捲)回方向が Z

字型又は S 字型になることによる(ISO 2 : 1973,2

節参照)。


2

R 3912 : 2000 (ISO 1890 : 1997)

4.

原理  既知の長さの試験片のよりは,解ねん(撚)によって取り去られる。例えば,試験片の終端の

一方を回転させ,試験片を構成しているすべての糸やフィラメントが平行になるまで他端まで巻き戻され

る。

糸中のよりの方向は記録され,より数は 1m の糸のよりを取り除くのに必要なターン数として表される。

より数の試験方法は,巻き戻し方法が結果に影響を与えることを見込まなければならない。

糸が接線方向に巻き戻されるとき,ねん(撚)機によって加えられたよりは変わらない。一方,糸がオ

ーバーエンド(端部方向)に巻き戻しされるとその測定されたより数はボビンの円周に応じて変わる。そ

れは糸がパッケージのどちらから引き出されるかどうかに依存して増減する。

この規格に規定された方法は,接線方向への巻き戻し(引き出し)を基本としている。

必要があればそのオーバーエンドよりは測定するか又は次の式によって概算計算される。

D

T

T

π

1

±

=

オーバーエンド

ここで,

D

π

1

オーバーエンド巻き戻しによって生じたより数に相当する。

D

: 試験片が引き出されたボビンにおける直径

 (m)

5.

装置及び器具

5.1

検ねん器  一本の棒に装着した一端が水平方向に移動し,他端は回転できる二つのクランプをもつ

装置。

検ねん器は次を満たさなければならない。

最も整数に近いターンまでのターン数を測定できる。

クランプはスリップせずに糸をつかむことができ,また糸を傷つけない。

検ねん器は,クランプ間の糸の長さを±

1mm

の精度で測定できる装置である。

クランプ間の糸の張力を,糸の基準線密度によって計算される値に調節することができる。

実際にはこの張力は,単糸(より合わせ糸では最終のより)においては結果に影響を与えない。

定期的な検査及び解ねんに起因する糸の伸びの測定が必要ないときは,試験片が適切な張力で把持され

ていることを確認して,この張力調整は省略してもよい。

クランプ間の初期間隔は

500mm

±

1mm

とする。

よりなし又は

20

ターン/

m

以下の炭素繊維糸では,その糸の仕様又はその試験を指示する人が,

4m

L

5m

で与えられる試験片の長さ で試験できるように,組み込まれた固定クランプ付きスタンド

を使うことを規定してもよい。

5.2

分離用の針又は薄い刃物

5.3

拡大鏡  試験片の検査時に,糸の分離を容易にする。

6.

試験片  より数の試験方法は,基本単位(

1

)

又は実験用試料(

2

)

から連続的に採取された三つの試験片に

よって行う測定を基本とする。

糸の仕様において又は,試験発注者は,この試験を,基本単位又は実験用試料の近傍位置から採取した,

四つ以上の試験片で行うよう規定してもよい。

さらに,この形状とは限らない場合は,パッケージの所定円筒部分又は所定長さのどちらかで,基本単

位又は実験用試料の範囲と異なる位置で試験を繰り返すよう規定してもよい。


3

R 3912 : 2000 (ISO 1890 : 1997)

(

1

)

基本単位とは,対象製品の通常の商用最小取引単位

  (

ISO 1886

 : 1990, Reinforcement fibers

Sampling plans applicable to received batches)

(

2

)

実験用試料とは,基本単位の一部で,試験片はそこから得られる。実験用試料は,基本単位を

実験室に持ち込むことが現実的でない場合に適用する。

7.

試験場の状態調節  状態調節は必要としないが,規定する場合は,試験は JIS K 7100 に規定する標準

雰囲気で行うものとする。

8.

操作方法

8.1

単糸

8.1.1

必要ならば,糸の張力を

0.25cN/tex

±

0.1cN/tex

に調節する。

8.1.2

糸の線密度が未知の場合は,JIS R 3911 によって測定する。

8.1.3

試験する基本単位又は実験用試料は,表面に損傷のないことを確認する。必要な場合は,損傷のな

い糸を得るまで基本単位又は実験用試料から糸を除去する。

8.1.4

糸を接線方向に(ボビン軸に対して垂直に)取り出し,切断せず直接検ねん器に導き,始めに回転

クランプに固定する。その後スライドクランプに固定する。これらのクランプ操作中に,始めに基本単位

又は実験用試料と回転クランプとの間,次にクランプ間で糸が緊張していることを確認する。

8.1.5

検ねん器のカウンターを

0

にセットする。

8.1.6

よりをなくす方向に回転クランプを回す。スライドクランプから回転クランプまでのフィラメント

束間に分離用の針又は薄い刃物を入れることができるまで回す。必要な場合は,針の挿入を補助したり,

すべてのよりが除去できたことを確認するために拡大鏡を使用してもよい。

8.1.7

カウンターのターン数とそのより方向(ISO 2 による

Z

又は

S

)を記録する。

8.1.8

他の二つの試験片についても同様に測定する。

8.2

より合わせ糸  8.1 に規定された手順は,より合わせ糸の最終のよりにも適用される。

その最終のよりを測定後,より数の試験方法はまた前段階のよりに適用できるが,その場合は,次のよ

うに進める。

最終のよりの測定後,ただちに

試験片を構成している糸の一本を残し他のすべての糸を切断する。

カウンターを

0

にリセットし,試験片が真っすぐに保持するようにわずかな緊張下にあることを確認

する。

試験片の実際の長さを考慮に入れて,より数を試験する。

必要な場合は(ケーブル糸の場合)

,前段階での操作を繰り返す。

9.

計算及び結果の表示  各試験片に対してメートル当たりのより数 は,次の式によって計算する。

L

N

T

=

ここで,

N

試験片の解ねんに必要なターン数

L

解ねん前の標準張力下での長さ

 (m)

三つの試験片で行われた測定からメートル当たりのより数の平均値 を算出する。

この値をより数試験片の結果として報告する。


4

R 3912 : 2000 (ISO 1890 : 1997)

三つ以上の試験片でより数試験を行った場合(6.参照)

,各試験片によって得られた試験結果は参考規格

とするものとし,又は当事者規格として取り扱うものとする。

10.

精度  この試験方法の精度は,実験室間のデータが入手されていないため,現時点では不明である。

実験室間データ及び精度報告が得られたら次回改正時に追加される。

11.

報告書  試験の報告は,次の情報が含まれなければならない。

a)

この試験で用いた日本工業規格の規格番号

b)

試験した糸を特定するために必要な詳細情報

c)

適用したサンプリングの手順。さらに,試験片の長さが

0.5m

未満の場合は,試験片の長さ

d)

各試験の結果(より方向とより数)及び場合によっては,各試験片の結果

e)

この規格に規定されていない操作の詳細及び結果に影響を及ぼす可能性がある事項

f)

試験実施日

JIS

ISO

整合化委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学医用器材研究所

鹿  毛  紀久雄

財団法人高分子素材センター

奥  田  謙  介

奥田技研

山  内  啓  司

 NS

テクノサービス

大  嶋  清  治

通商産業省基礎産業局化学課

福  水  健  文

通商産業省生活産業局窯業建材課

柳  沢  正  良

東邦レーヨン株式会社

安  藤  正  人

東邦レーヨン株式会社

平  田      亮

東レ株式会社

ACM

技術部

伊  藤      正

株式会社ドナック技術部

三  谷  和  民

三菱レイヨン株式会社商品開発研究所

江  尻      宏

株式会社ペトカ

加  藤      攻

日本グラファイトファイバー株式会社

矢  作  雅  男

炭素繊維協会

児  玉  篤  樹

日東紡績株式会社

中  澤  光  雄

セントラル硝子株式会社

永  井      進

硝子繊維協会

菅  原  憲  明

富士重工株式会社

秦  野  主  計

合成樹脂工業協会

篠  原  典  男

昭和高分子株式会社

伊  東  達  郎

エポキシ樹脂技術協会

田  中  征  夫

強化プラスチック協会

(事務局)

吉  木      健

日本プラスチック工業連盟