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R 3911 : 2000 (ISO 1889 : 1997)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

今回の制定では,対応国際規格 ISO 1889 : 1997 を基礎として用いた。


日本工業規格

JIS

 R

3911

 : 2000

 (ISO

1889

 : 1997

)

補強用糸−線密度の試験方法

Reinforcement yarns

−Determination of linear density

序文  この規格は,1997 年に第 3 版として発行された ISO 1889, Reinforcement yarns−Determination of linear

density

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,ガラス繊維糸,炭素繊維糸及びアラミド繊維糸の線密度の試験方法について

規定する。

この規格は,単糸,双糸,ケーブル,織り糸,ロービング,紡績糸など,あらゆるタイプの糸に適用さ

れる。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 1889

  Reinforcement yarns−Determination of linear density (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成するものであって,その後の改正版・

追補には適用しない。

JIS K 7100 : 1999

  プラスチック−状態調節及び試験のための標準雰囲気

備考  ISO 291 : 1997  Plastics−Standard atmospheres for conditioning and testing からの引用事項は,

この規格の当該事項と同等である。

ISO 1887 : 1995

  Textile glass−Determinations of combustible-matter content

JIS R 3913 : 2000

  強化繊維製品の水分の試験方法

備考  ISO 3344 : 1997  Reinforcement products−Determination of moisture content からの引用事項は,

この規格の当該事項と同等である。

JIS R 7604 : 1999

  炭素繊維−サイジング剤付着率の試験方法

備考  ISO 10548 : 1994  Carbon fibre−Determination of size content からの引用事項は,この規格の

当該事項と同等である。

3.

定義  この規格で使用される用語の定義は,次による。

3.1

線密度(一本の糸の)

:サイズの有無にかかわらず,糸の単位長さ当たり質量。使われる単位は一般

にはテックス(1g/km 相当)である。


2

R 3911 : 2000 (ISO 1889 : 1997)

4.

原理  サイズの有無にかかわらず,既知の長さの糸試験片の質量をはかり,単位長さ当たりの質量を

計算する。糸を脱サイズしなければならない場合は,試験は,アラミド繊維は抽出と乾燥,ガラス繊維は

計算,炭素繊維は抽出と熱分解によってなされる。炭素繊維糸の場合,脱サイズした糸の綿密度は,JIS R 

7604

によって決めたサイズした糸の密度とサイジング剤含有率から計算してもよい。ただし,こうして得

た結果はサイズ含有率を決定する際に起こる固有の誤差のため,小さい誤差を含む。

5.

装置

5.1

サイズした糸用の試験装置

5.1.1

好ましくは円周 1m ある糸巻き。

糸巻きは一般には薄い層に糸を巻くため回転するように作られる。

また,それは試料片を作るとき,糸に張力をかけられるようにもできている。

糸巻きはすべての試料の長さに対し,得られた実長は,±0.3%以内の正確さをもつべく補正する。この

補正は糸にある張力をかけて行うこと。作業者はこの張力に注意すること。糸巻きの補正には,必要な試

料長さ,糸のタイプ及び材料のタイプを考慮すること。

(炭素繊維糸やアラミド糸及び 2 000 テックス程度のガラスロービングのような)長さ 5m 以内の試料

に対しては,必要精度で必要長さに試料を切り出すことのできる装置を,糸巻き装置に換えること。

図 1  長さ 5 m 以内の試験片を切り出す装置

5.1.2

ひょう(秤)量前に試料を保持し,必要とあればオーブンやマッフル炉の中でも保持する試料片保

持器

5.1.3

1

時間当たり空気置換回数が 20∼50 回で,温度を 105℃±3℃に保つことのできる強制循環オーブ

5.1.4 0.1mg

まで精度のある分析用はかり

5.1.5

はさみ,ナイフなどの道具

5.1.6

アラミド糸をはかるためのふた付きひょう量瓶

5.1.7

適当な乾燥剤(

例  シリカゲル)を入れたデシケーター

5.1.8

試料を扱うためのステンレスピンセット

5.2

脱サイズ糸試験用の追加装置

5.2.1

ガラス繊維用  ISO 1887 を参照のこと。ただし,基本は 625℃±20℃の温度に維持できるマッフル

5.2.2

炭素繊維用  JIS R 7604 を参照のこと。ただし,基本はソックスレー抽出機(A 法)か,窒素が入

れられる熱分解装置(C 法)

5.2.3

アラミド繊維用  ソックスレー抽出機と溶剤(例  ジクロロメタン)


3

R 3911 : 2000 (ISO 1889 : 1997)

6.

試験片  原理的には,この試験は,基本単位(

1

)

又は試験用試料(

2

)

当たりの 1 試料の線密度を測定する

方法に基づいている。

表 に公称の線密度を測定するための,糸の長さを示す。

表 1

糸の種類

公称線密度(テックス)

試験片長さ (m)

 

Tt

<25 500

      25

≦ Tt<45 200

      45

≦ Tt<280 100

  280

≦ Tt<650

50

  650

≦ Tt<2 000

  10

ガラス

2 000

≦ Tt

  5

 

Tt

<50 0.25

g

以上の長さ

      50

≦ Tt<125

  5

  125

≦ Tt<250

  2

炭素

  250

≦ Tt

  1

アラミド

3

∼10 g 間の長さ

製品仕様書又はこの試験を要請する者は,

この試験が,基本単位又は実験用試料の隣り合った場所から,

より多くの試験片数で試験されることを規定してもよい。

さらには,この試験は,基本単位又は実験用試料内の,異なる場所で繰り返すように規定してもよい。

(

1

)

基本単位とは,ISO 1886 : 1990, Reinforcement fibers−Sampling plans applicable to received batches

に定義したように,通常商業上入手し得る製品の最小単位である。

(

2

)

実験用試料とは,そこから試験片が試験用に選ばれる,基本単位の一部分である。実験用試料

は,実験室では基本単位が扱えないときに用いられる試料である。

7.

試験場の状態調節  試験を脱サイズした試料で行う場合,調節は必要ない。その他の場合は,試験す

る基本単位又は実験用試料が,試験を始める前に JIS K 7100 に定義した温度に確実になっているようにす

ること。

測定は,JIS K 7100 に規定した標準雰囲気で行うこと。

アラミド糸に対しては,20℃±2℃,相対湿度 (65±5) %の雰囲気で測定すること。

8.

手順

注意

糸においては,線密度は一般には,乾燥し脱サイズした糸の線密度である。

しかし,線密度にはサイズの有無が関与する場合もある。そこで,糸の仕様書にはどちらな

のか,試験を行う作業員へ明確に分かるように示しておくことが重要である。

一方,ガラス繊維や炭素繊維はごく少量の水分を含んでいる。もしも,その量が JIS R 3913

に基づき測定して 0.2%を超えないなら,試験は未乾燥のサイズした糸を使用してもよい。

8.1

前操作  糸巻き又は,5.1.1 に規定した代替装置を用い,目に見える損傷のない糸から,6.の規定に

従い試験片を取る。1 パックから糸を取る場合,部分的に損傷を受けている可能性のある外側の層は,ま

ず除去することが望ましい。

糸巻きから試験片を取り,無理なくひょう量皿又はひょう量瓶に入れられるように試験片をたたむ。

8.2

脱サイズした試験片での試験  試験片をはかるときに試験片保持器  (5.1.2)  又はひょう量瓶を用い

る場合は,試験片を乾燥するときに使われる温度まで昇温してその質量を安定にし,デシケーター内で室

温になるまで放冷する。


4

R 3911 : 2000 (ISO 1889 : 1997)

次に試験すべき糸の種類に応じて,8.2.18.2.2 又は 8.2.3 によって試験すること。

8.2.1

ガラス糸又はロービング  保持台上へ試験片を平らに置く。次に保持台をマッフル炉(5.2.1)に入れ,

625

℃±20℃にセットする。試験片がマッフル炉に触らないように注意して

( )

10

0

20

+

分間焼成する。

デシケーター中で放冷する。

試験片を 1 mg 付近まではかる。

8.2.2

炭素繊維

8.2.2.1

抽出法(JIS R 7604 : 1999, A 法)  ソックスレー抽出機と溶剤(メチルエチルケトン,テトラヒ

ドロフラン,ジクロロメタン,ジクロロエタンなど)で 2 時間抽出する。

105

℃±3  ℃で

( )

10

0

90

+

分間乾燥する。

デシケーター中で放冷する。

1 mg

付近まではかる。

8.2.2.2

熱分解法(JIS R 7604 : 1999, C 法)  窒素ガス流下

( )

10

0

15

+

分間 450℃±5℃で,オーブン中で熱

分解する。

デシケーター中で放冷する。

試験片を 1 mg 付近まではかる。

8.2.3

アラミド糸  ソックスレー抽出機とジクロロメタンのような溶剤を使って 4 時間抽出する。

105

℃±3  ℃で

( )

30

0

30

+

分間乾燥する。

デシケーター中で放冷する。

試験片を 1mg 付近まではかる。

試験片を扱うときは常に材料の損失を避けるよう注意すること。

8.3

サイズされた試験片での試験  次の手順は,製品仕様書が乾燥を必要とする場合の,ガラス繊維又

は炭素繊維試験片の乾燥を規定する(8.

注意を参照)。アラミド糸は乾燥の必要がない。

試験片を取る場所の水分含有率が 0.2%以下の場合は,直接 8.1 によって採取した試験片をはかる手順に

進む。

試験のためには試験片を乾燥する必要があり,試験片を 105℃±3℃,

( )

10

0

60

+

分間オーブンに入れ,次

に室温になるまでデシケーター中で放冷する。

試験片を 1mg 付近まではかる。

試験片を扱うときは常に材料の損失を避けるよう注意すること。

試験片の質量をはかるために試験片保持器又はひょう量瓶を用いる場合は,その質量をオーブン温度で

安定させ,次に雰囲気温度になるまで,デシケーター中で放冷する。

9.

結果の表示

9.1

ひょう量が試験片保持台又はひょう量瓶でなされるなら,その質量を差し引き,試験片の質量を得

る。

9.2

線密度  T

t

をキロメートル当たりのグラム数で次の式を使って計算する。

L

m

T

t

000

1

=

ここで,

m

試験片の質量グラム

L

試験片の長さメートル

もし,

1

個以上の試験片が試験に採用されるなら(6.参照)

,各々の試験片で得られた結果は,仕様書に


5

R 3911 : 2000 (ISO 1889 : 1997)

基づき,又は試験を要請した者によって,規定された方法で取り扱う。

10.

精度  この試験方法の精度は,実験室間のデータが入手されていないため,現時点では不明である。

実験室間データ及び精度報告が得られたら次回改正時に追加される。

11.

報告書  試験報告には,次の情報が含まれなければならない。

a)

この試験で用いた日本工業規格の規格番号

b)

試験した糸を特定するために必要な詳細情報

c)

基本単位当たり試験した試験片の長さと数,その部分についての詳細

d)

試験の詳細

例えば,

1)

  脱サイズした試験片

2)

  乾燥しサイズした試験片

3)

  入手したままの試験片

e)

各試験の結果及び場合によっては,各試験片の結果

f)

この規格に規定されていない操作の詳細及び結果に影響を及ぼす可能性がある事項

g)

試験実施日

JIS/ISO

整合化委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学医用器材研究所

鹿  毛  紀久雄

財団法人高分子素材センター

奥  田  謙  介

奥田技研

山  内  啓  司

 NS

テクノサービス

大  嶋  清  治

通商産業省基礎産業局化学課

福  水  健  文

通商産業省生活産業局窯業建材課

柳  沢  正  良

東邦レーヨン株式会社

安  藤  正  人

東邦レーヨン株式会社

平  田      亮

東レ株式会社

ACM

技術部

伊  藤      正

株式会社ドナック技術部

三  谷  和  民

三菱レイヨン株式会社商品開発研究所

江  尻      宏

株式会社ペトカ

加  藤      攻

日本グラファイトファイバー株式会社

矢  作  雅  男

炭素繊維協会

児  玉  篤  樹

日東紡績株式会社

中  澤  光  雄

セントラル硝子株式会社

永  井      進

硝子繊維協会

菅  原  憲  明

富士重工株式会社

秦  野  主  計

合成樹脂工業協会

篠  原  典  男

昭和高分子株式会社

伊  東  達  郎

エポキシ樹脂技術協会

田  中  征  夫

強化プラスチック協会

(事務局)

吉  木      健

日本プラスチック工業連盟