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R 3258

:2010

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  一般事項

1

4

  原理

1

5

  水,試薬及び検量線用溶液 

2

5.1

  水 

2

5.2

  試薬

2

5.3

  検量線用溶液 

2

6

  分析装置及び器具

2

6.1

  分析装置 

2

6.2

  器具

2

7

  試料

3

7.1

  試料の調製 

3

7.2

  試料の採り方及び取扱い方 

3

7.3

  試料溶液の調製

3

8

  定量分析

4

8.1

  一般的事項 

4

8.2

  検量線法 

4

8.3

  標準添加法 

5

9

  分析結果に記載すべき事項 

6

附属書 A(規定)密閉容器を用いる場合の試料の前処理及び試料溶液の調製方法 

7


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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)

及びガラス産業連合会(GIC)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

3258

:2010

ガラス中の微量のカドミウム,クロム及び

鉛の定量方法

Methods for determination of cadmium, chromium and lead in glasses

適用範囲 

この規格は,ガラス(二酸化けい素,酸化ほう素,酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化ナトリウ

ムなどの無機酸化物を主成分としたもの)中の微量のカドミウム,クロム及び鉛の定量方法について規定

する。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こるすべての安全上の問題を取り扱おうとするものではな

い。この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなけれ

ばならない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 0133

  高周波プラズマ質量分析通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS Z 8401

  数値の丸め方

ISO 3696:1987

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

一般事項 

化学分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050JIS K 0116JIS K 0121 及び JIS K 0133 による。

原理 

この規格で用いる定量方法は,粉末状としたガラス分析試料をふっ化水素酸,過塩素酸などの混酸を用

いて加熱して溶液化し,また,分解が困難な場合は,必要に応じて炭酸ナトリウム及びほう酸を添加し,

高温で融解して残さを完全に分解した後,溶液化する。その後,誘導結合プラズマ発光分光分析装置,原

子吸光分析装置又は誘導結合プラズマ質量分析装置によって微量金属元素を定量する。


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水,試薬及び検量線用溶液 

5.1 

 

JIS K 0557

に規定する A2 若しくは A3 又は ISO 3696:1987 に規定する Grade 1 若しくは Grade 2。

5.2 

試薬 

試薬は,次による。

a) 

ふっ化水素酸 

b) 

硫酸(11 

c) 

過塩素酸 

d) 

硝酸(11 

e) 

硝酸(150 

f) 

炭酸ナトリウム 

g) 

ほう酸 

h) 

硝酸 

i) 

塩酸 

5.3 

検量線用溶液 

検量線用溶液は,国際計量標準にトレーサブルな標準液で,酸濃度,共存元素,安定剤の有無などが使

用目的に一致した場合に,適切な方法で希釈して調製する。標準液の一例を,次に示す。

a) 

カドミウム標準液  100

μg/ml 又は 1 000 μg/ml

b) 

クロム標準液  100

μg/ml 又は 1 000 μg/ml

c) 

鉛標準液  100

μg/ml 又は 1 000 μg/ml

分析装置及び器具 

6.1 

分析装置 

分析装置は,誘導結合プラズマ発光分光分析装置,原子吸光分析装置又は誘導結合プラズマ質量分析装

置を用いる。各分析装置の定量範囲は,試料中の濃度に換算して

表 による。

表 1−定量範囲 

単位

μg/g

使用分析装置

カドミウム

クロム

誘導結合プラズマ発光分光分析装置

2

以上

b)

2

以上

b)

 10

以上

原子吸光分析装置

a)

− 10 以上

誘導結合プラズマ質量分析装置 0.1 以上 0.1 以上 0.1 以上

a)

原子吸光分析装置は,カドミウム及びクロムの分析には用いない。

b)

附属書 に基づく試料溶液の調製を行った場合,定量範囲は,カドミウム及びクロムは 10
以上とする。

6.2 

器具 

器具は,次による。

a) 

化学はかり 

b) 

白金皿  白金皿は,75 番∼100 番とする。

c) 

白金るつぼ  白金るつぼは,20 番∼40 番とする。


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試料 

7.1 

試料の調製 

試料の調製は,7.3 の方法又は

附属書 による方法を用いる。

なお,有機物がコーティングされたガラス繊維のうち,有機物の成分にカドミウム,クロム又は鉛が含

有されている場合は,

附属書 による方法を用いる。また,附属書 による方法を用いる場合,ふっ化水

素酸に対応した誘導結合プラズマ発光分光分析装置又は誘導結合プラズマ質量分析装置を用いなければな

らない。

注記  この項の規定による加熱によって分析対象元素を揮発させる物質が存在する場合及び附属書 A

による方法を用いた方が溶解しやすい場合は,

附属書 を用いた方がよい。

7.2 

試料の採り方及び取扱い方 

試料の採り方及び取扱い方は,次による。

a)

試料は,めのう乳鉢などを用いて 250

μm 以下の粒度としたガラスを,105  ℃∼110  ℃の空気浴中で 2

時間程度乾燥したものとし,デシケーター中で放冷後直ちにはかりとる。

なお,分析するガラスが有機物をコーティングしたガラス繊維の場合,粉砕前に 600  ℃で 1 時間程

度焼成して有機物を取り除く。

b)

試料をはかりとるときは,よくかき混ぜて組成が平均化するように注意し,また,異物が混入しない

ようにも留意する。器具から汚染しないように留意しながら粉砕する。

c)

試料のはかりとりには,化学はかりを用い,0.1 mg まで正しくはかる。

注記  一般的には,めのう乳鉢を用いて粉砕し,よく混ぜる。ガラスの量,形状など,めのう乳鉢

が使用できない場合は,不純物が入らないように留意して振動ミルなどの粉砕器具を用いる

ことができる。

7.3 

試料溶液の調製 

7.3.1 

酸による分解 

酸による分解は,次による。

a)

試料約 1.0 g をはかりとって白金皿に入れる。

なお,白金皿の代わりにふっ素樹脂製の容器を用いる場合は,耐熱温度に留意しなければならない。

b)

試料を約 0.5 ml の水で湿らす。

c)

b)

の試料を入れた白金皿又はふっ素樹脂製の容器に分析対象のガラス組成に応じて,過塩素酸 10 ml,

硫酸(1+1)5 ml 又は硝酸(1+1)10 ml のいずれかを加える。過塩素酸又は硫酸(1+1)を使用す

る場合は,必要に応じて,更に硝酸を 1 ml 加える。白金線などガラス組成に変化を及ぼさないもので

かき混ぜながら,ふっ化水素酸 10 ml をゆっくり添加する。その後,砂浴上又は 200  ℃∼250  ℃のホ

ットプレート上で加熱分解する。過塩素酸又は硫酸(1+1)を使用した場合は,過塩素酸又は硫酸の

白煙が出るまで加熱分解する。

警告  過塩素酸は,有機物が存在する場合には,爆発の危険性があるため用いてはならない。

注記  クロムの正確な分析値を得るためには,硫酸又は硝酸を用いるとよい。また,硫酸は,ガラ

ス組成中に鉛又はバリウムが共存すると沈殿を生じる可能性がある。

d)

放冷後,

少量の水で内壁を洗い,

ふっ化水素酸 5 ml を加え,

よくかき混ぜて砂浴上又は 200  ℃∼250  ℃

のホットプレート上で加熱する。過塩素酸又は硫酸(1+1)を使用した場合は,過塩素酸又は硫酸の

白煙が出るまで加熱し,更に 5 分間白煙を出す。

e)

放冷後,少量の水で内壁を洗い,再び砂浴上又はホットプレート上で加熱して蒸発乾固する。


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なお,過塩素酸を用いた場合は,乾固させるとクロムが揮発するため,シロップ状になったら加熱

をやめる。

f)

放冷後,硝酸(1+1)10 ml 及び 10 ml の水を加えて,時計皿でふたをして水浴又はホットプレートを

用いて加熱して可溶性塩類を溶解する。

g)

放冷後,白金皿中の溶液を 100 ml 全量フラスコに移すとともに,少量の水で時計皿を洗浄する。

h)  g)

の溶液を目視して残さがない場合,g)  の 100 ml 全量フラスコに洗液を加えて,水を標線まで加え

る。これを試料溶液とする。

i)

残さがある場合は,g)  の溶液及び残さを捨て,c)  で加える酸の種類を変えて,再度,a)  の試料のは

かりとりから g)  までの手順を行って完全に分解させる。

j)

i)

の手順によっても残さが完全に分解できない場合は,7.3.2 のアルカリ融解を行う。

7.3.2 

アルカリ融解 

アルカリ融解は,次による。

a)  7.3.1 j)

の残さを含む溶液をろ紙(5 種 C)を用いてろ過し,ろ紙を硝酸(1+50)で十分洗浄する。

b) 100

ml

全量フラスコに a)  のろ液及び洗液を加えて,硝酸(1+50)を標線まで加える。これを試料溶

液 A とする。過塩素酸が残留しないように水を用いて十分ろ紙を洗浄する。また,洗液は,pH 試験

紙などを用いて pH 5 以上になるまで洗浄を繰り返し,中和などの適切な処理をして廃棄する。

c)

残さをろ紙とともに白金るつぼに入れ,ろ紙が急激に燃えて飛散しないようにゆっくりと加熱して灰

化させる。

d)

放冷後,炭酸ナトリウム 1.5 g 及びほう酸 0.3 g を入れ,気泡が急激に発生して飛散しないように低温

からゆっくりと加熱して融解させる。

注記  分析対象元素が揮散する可能性があるので,高温で加熱しすぎないように注意が必要である。

また,加熱に閉鎖系の電気炉を使用すると e)  で溶解しない不溶性物を生じることがあるので,

バーナーでの加熱がよい。

e)

白金るつぼのふたで覆いながら放冷した後,硝酸(1+1)10 ml を加えて水浴上で加熱溶解する。

f)

冷却後,ふたを少量の水で洗浄する。

g) 100

ml

全量フラスコに e)  の溶解液及び f)  の洗液を加えて,水を標線まで加える。これを試料溶液 B

とする。

7.3.3 

空試験溶液の調製 

空試験溶液は,試料を用いずに 7.3.1 及び 7.3.2 を行い,調製する。

定量分析 

8.1 

一般的事項 

定量分析は,検量線法を用いる。

なお,ガラスマトリックス組成元素からの干渉効果があると考えられる場合は,その元素を等量添加す

ることによって分析を行うこととするが,ガラスマトリックス組成が不明な場合は標準添加法を用いて分

析を行う。

8.2 

検量線法 

8.2.1 

検量線の作成 

カドミウム標準液,クロム標準液及び鉛標準液を,7.3.1 及び 7.3.2 を用いた場合は 100 ml,A.2.1 及び

A.2.2

を用いた場合は 50 ml の全量フラスコに段階的にとり,試料溶液と同等の濃度となるように硝酸を加


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え,発光強度,吸光度又はカウント数と分析対象元素の濃度との関係線を作成し,検量線とする。カドミ

ウム標準液,クロム標準液及び鉛標準液を混合することで干渉などの問題が生じる場合には,各標準液を

それぞれ全量フラスコにとり,同じ操作をそれぞれ行い,各元素ごとの検量線を作製する。

ガラスマトリックス組成などからの干渉効果を補正する必要がある場合,ガラス組成の成分元素が試料

溶液と同じ濃度になるように成分元素を添加する。また,アルカリ融解を行った場合は,融剤の成分元素

が試料溶液と同じ濃度になるように成分元素を添加する。

8.2.2 

発光強度,吸光度又はカウント数の測定 

発光強度,吸光度又はカウント数の測定は,誘導結合プラズマ発光分光分析装置,原子吸光分析装置又

は誘導結合プラズマ質量分析装置を用いる。

7.3.1 h)

又は A.2.1 e)  の試料溶液の発光強度,吸光度又はカウント数の測定を行う。7.3.2 又は A.2.2 

行った場合は,試料溶液 A 及び試料溶液 B についてそれぞれ測定する。

注記  誘導結合プラズマ発光分光分析装置又は原子吸光分析装置を用いる場合は,分析対象元素に応

じて,干渉の影響がない分析線を用いるとよい。一例を,

表 に示す。

表 2−対象元素に用いる分析線の例 

単位  mm

分析装置

対象元素

分析線

鉛 216.999

220.353

261.417

283.305

カドミウム 214.438

226.502

228.802

361.051

誘 導 結 合 プ ラ ズ マ 発
光分光分析装置

クロム 205.552

206.149

267.716

283.563

原子吸光分析装置

217.0 261.4 283.3

8.2.3 

空試験 

空試験は,空試験溶液を 8.2.2 で用いる分析装置を用いて測定する。

8.2.4 

計算 

試料溶液中の分析対象元素濃度は,8.2.1 及び 8.2.2 によって得られた値から求め,空試験溶液中の分析

対象元素濃度は,8.2.1 及び 8.2.3 によって得られた値から求める。目的元素含有量は,次の式によって小

数点以下 2 けたまで算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下 1 けたに丸める。

(

)

m

V

B

A

C

×

=

ここに,

C

目的元素含有量(

μg/g)

A

試料溶液中の分析対象元素濃度(

μg/ml)

B

空試験溶液中の分析対象元素濃度(

μg/ml)

m

試料はかりとり量(g)

V

定容量(ml)

なお,7.3.2 又は A.2.2 を行った場合は,試料溶液 A 及び試料溶液 B の目的元素含有量を計算し,それら

を合算したものを,試料溶液中の目的元素含有量とする。

8.3 

標準添加法 

8.3.1 

試料溶液の測定 

試料溶液から等量に 4 個以上の溶液を採取し,分析対象元素を添加しないもの 1 種類及び分析対象元素

をそれぞれ異なる濃度で添加したもの 3 種類以上を調製する。8.2.2 で規定する分析装置を用いてそれぞれ


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の溶液の発光強度,吸光度又はカウント数と濃度との関係線を作成し,横軸(標準溶液濃度)の切片から

試料溶液中の分析対象元素濃度を求める。

8.3.2 

空試験溶液の測定 

空試験溶液から等量に 4 個以上の溶液を採取し,分析対象元素を添加しないもの 1 種類及び分析対象元

素をそれぞれ異なる濃度で添加したもの 3 種類以上を調製する。8.2.2 で規定する分析装置を用いてそれぞ

れの溶液の発光強度,吸光度又はカウント数と濃度との関係線を作成し,横軸(標準溶液濃度)の切片か

ら試料溶液中の分析対象元素濃度を求める。

8.3.3 

計算 

目的元素含有量は,次の式によって小数点以下 2 けたまで算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下 1 け

たに丸める。

m

V

B

A

C

×

=

ここに,

C

目的元素含有量(

μg/g)

A

試料溶液中の分析対象元素濃度(

μg/ml)

B

空試験溶液中の分析対象元素濃度(

μg/ml)

m

試料はかりとり量(g)

V

定容量(ml)

なお,7.3.2 又は A.2.2 を行った場合は,試料溶液 A 及び試料溶液 B の目的元素含有量を計算し,それら

を合算したものを,試料溶液中の目的元素含有量とする。

分析結果に記載すべき事項 

分析結果には,次の事項を記載する。

a)

規格番号

b)

分析を行った日付

c)

試料はかりとり量

d)

分解方法(用いた酸の種類,量及び方法)

e)

分析装置の種類(誘導結合プラズマ発光分光分析装置,原子吸光分析装置又は誘導結合プラズマ質量

分析装置の別)

f)

定量分析の方法(検量線法又は標準添加法の別,ガラスマトリックス組成元素からの干渉効果補正の

有無)

g)

目的元素含有量


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附属書 A

(規定)

密閉容器を用いる場合の試料の前処理及び試料溶液の調製方法

A.1

  試料の採り方及び取扱い方 

試料の採り方及び取扱い方は,次による。

a)

試料は,めのう乳鉢などを用いて 250

μm 以下の粒度としたガラスを,105  ℃∼110  ℃の空気浴中で 2

時間程度乾燥したものとし,デシケーター中で放冷後直ちにはかりとる。

b)

試料をはかりとるときは,よくかき混ぜて組成が平均化するように注意し,また,異物が混入しない

ようにも留意する。器具から汚染しないように留意しながら粉砕する。

c)

試料のはかりとりには,化学はかりを用い,0.1 mg まで正しくはかる。

注記  一般的には,めのう乳鉢を用いて粉砕し,よく混ぜる。ガラスの量,形状など,めのう乳鉢

が使用できない場合は,不純物が入らないように留意して振動ミルなどの粉砕器具を用いる

ことができる。不純物の混入を避けるため,ふるいは用いず,粒度は目視で確認する。

A.2

  試料溶液の調製 

A.2.1

  酸による分解 

酸による分解は,次による。

a)  A.1

ではかりとった試料約 0.1 g をふっ素樹脂製の密閉容器に入れる。

注記  耐熱温度に留意してふっ素樹脂製の容器を用いる。

b) 

密閉容器上で,試料に分析対象のガラス組成に応じて,ふっ化水素酸 1 ml∼3 ml に硝酸又は塩酸のい

ずれかを 2 ml∼4 ml 加える。

c)

b)

の容器を耐圧容器に入れて密閉し,マイクロウェーブ又は恒温槽(180  ℃∼230  ℃程度)で加熱し

て,内容物を溶解する。

d)

放冷後,密閉容器中の溶液を 50 ml の樹脂製全量フラスコに移すとともに,少量の硝酸(1+50)で密

閉容器を洗浄し,フラスコに移す。

e)

d)

の溶液を目視で確認し,残さがない場合,d)  の 50 ml の樹脂製全量フラスコに洗液を加えて,硝

酸(1+50)を標線まで加える。これを試料溶液とする。

f)

残さがある場合は,d)  の溶液及び残さを捨て,b)  で加える酸の種類を変えて,再度,a)  の試料のは

かりとりから d)  までの手順を行って完全に分解させる。

g)  f)

の手順によっても残さが完全に分解できない場合は,A.2.2 のアルカリ融解を行う。

A.2.2

  アルカリ融解 

アルカリ融解は,次による。

a)

残さを含む A.2.1 g)  の溶液をろ紙(5 種 C)を用いてろ過し,ろ紙を硝酸(1+50)で十分洗浄する。

b) 50

ml

の樹脂製全量フラスコに a)  のろ液及び洗液を加えて,硝酸(1+50)を標線まで加える。これ

を試料溶液 A とする。ふっ化水素酸などが残留しないように水を用いて十分ろ紙を洗浄する。また,

洗液は,pH 試験紙などを用いて pH 5 以上になるまで洗浄を繰り返し,中和などの適切な処理をして

廃棄する。

c)

残さをろ紙とともに白金るつぼに入れ,ろ紙が急激に燃えて飛散しないようにゆっくりと加熱して灰


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化させる。

d)

放冷後,炭酸ナトリウム 1.5 g 及びほう酸 0.3 g を入れ,気泡が急激に発生して飛散しないように低温

からゆっくりと加熱して融解させる。

注記  分析対象元素が揮散する可能性があるので,高温で加熱しすぎないように注意が必要である。

また,加熱に閉鎖系の電気炉を使用すると e)  で溶解しない不溶性物を生じることがあるので,

バーナーでの加熱がよい。

e)

白金るつぼのふたで覆いながら放冷した後,硝酸(1+1)10 ml を加えて水浴上で加熱溶解する。

f)

冷却後,ふたを少量の水で洗浄する。

g) 100

ml

の樹脂製全量フラスコに e)  の溶解液及び f)  の洗液を加えて,水を標線まで加える。これを試

料溶液 B とする。

A.2.3

  空試験溶液の調製 

空試験溶液は,試料を用いずに A.2.1 及び A.2.2 を行い,調製する。