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R 2251-3

:2007

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,耐火物技術協会 (TARJ)/財団法人日本規格

協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会

の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。

JIS R 2251

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS R 2251-1

  第 1 部:熱線法(直交法)

JIS R 2251-2

  第 2 部:熱線法(平行法)

JIS R 2251-3

  第 3 部:熱流法


R 2251-3

:2007

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  用語の定義

1

4.

  原理

1

5.

  耐火物の種類及び適用温度範囲

1

6.

  装置及び器具

2

6.1

  乾燥装置

2

6.2

  マイクロメータ及びノギス

2

6.3

  はかり

2

6.4

  熱伝導率試験装置

2

6.5

  水カロリメータ

3

6.6

  熱電対

3

7.

  測定用試料

3

8.

  操作

4

9.

  計算方法

5

10.

  報告

5

 


日本工業規格

JIS

 R

2251-3

:2007

耐火物の熱伝導率の試験方法−

第 3 部:熱流法

Test methods for thermal conductivity of refractory materials

Part 3 : Stationary heat flow method

序文  この規格は,高熱伝導性及び電気伝導性をもつ耐火物の熱伝導率試験方法を目的に制定された日本

工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,耐火物の室温から 750  ℃までの定常熱流法による熱伝導率の試験方法につい

て規定する。この規格は,10∼60 W/(m・K)  の熱伝導率の測定に適用する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS C 1602

  熱電対

JIS R 2001

  耐火物用語

JIS R 2251-1

  耐火物の熱伝導率の試験方法−第 1 部:熱線法(直交法)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

用語の定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 2001 及び JIS R 2251-1 によるほか,次によ

る。

a)

水カロリメータ  一定流水量の定温水の温度上昇から通過熱量を測定する装置。

b)

シース熱電対  電気絶縁性粉末とともに金属製細管に封入された熱電対。

c)

測定温度  近接する 2 測定点の温度の平均温度  (℃)。

4.

原理  棒状試料の上下方向に一次元定常熱流状態を形成し,試料を通過した熱量と試料内の 2 点間の

温度こう(勾)配から熱伝導率を算出する。

5.

耐火物の種類及び適用温度範囲  この規格は,微細組織や測定装置の構造上適用できない耐火物もあ

るので,その可能性のある耐火物の種類及び適用温度範囲を

表 に示す。


2

R 2251-3

:2007

  1  耐火物の種類及び適用温度範囲

耐火物の種類

温度範囲

ジルコニア以外の酸化物系

耐火物

ジルコニア耐火物

炭素及び炭化けい素含

有耐火物

室温∼750

750

以上

×

×

×

備考  ○:適用可能,△:微粉構成製品に適用可能,×:適用できない

6.

装置及び器具

6.1

乾燥装置  温度 110±5  ℃に保つことのできる,自動温度調節器付き電気恒温器を用いる。

6.2

マイクロメータ及びノギス  JIS B 7502 に規定する最小読取値が,0.01 mm のマイクロメータ及び

JIS B 7507

に規定する最小読取値が 0.05 mm の M 形ノギス又は CH 形ノギスを用いる。

6.3

はかり  最小読取値が 0.1 g のはかりを用いる。

6.4

熱伝導率試験装置  図 に示すように一定温度(

1

)

の水で冷却された真空ベルジャ内に設置された熱

伝導率測定系が,減圧状態に保持できる構造のものを用いる。

注(

1

)

例えば,恒温水槽を用いて水温を調節する。

※:恒温水槽内に戻る

  1  熱伝導率測定装置の概要図

熱伝導率測定系は,

図 に示すように試料加熱用ヒータ①と水カロリメータ⑥の間に設置した棒状試料

②内に,同心円形ガードリング③とガードヒータ④とによって一次元熱流状態を形成し,試料への投入熱

量がすべて水カロリメータ⑥で吸収できるように設計された構造のものとする。


3

R 2251-3

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①  試料加熱用ヒータ 
②  試料

③  ガードリング 
④  ガードヒータ(1, 2, 3・・・・段) 
⑤  試料温度測定用熱電対 (1, 2, 3・・・・n)

⑥  水カロリメータ 
⑦  補償用ヒータ 
⑧  熱量測定用水入口

⑨  熱量測定用水出口 
⑩  示差熱電対

  2  熱伝導率測定系の詳細図

6.5

水カロリメータ  図 に例示するように定流量弁(図 参照)によって調節された一定量の循環水

の熱量測定用水入口⑧の水温と,熱量測定用水出口⑨を水温の差を示差熱電対⑩によって検出でき,試料

を通過した熱量を算出するための補償用ヒータ⑦が組み込まれた構造のものとする。

なお,試料と接する水カロリメータ表面の黒度は,0.8(

2

)

以上とする。

注(

2

)

黒体を 1 としたときの黒さの割合

6.6

熱電対  JIS C 1602 に規定する K 熱電対を用いる。電気伝導性をもつ耐火物製品の場合は,シース

熱電対を使用する。

7.

測定用試料  供試耐火物から旋盤などの精密加工機を用いて,図 に示すような棒状の試料を作製す

る。試料の直径,及び測温用孔の各間隔の加工精度は 0.05 mm 以内とし,試料上下面が平行となるように

加工する。

 


4

R 2251-3

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単位  mm

  3  測定用試料の形状及び寸法

8.

操作  操作は,次による。

a)

試料を 110  ℃で恒量(

3

)

になるまで乾燥し,冷却後試料の寸法及び質量を正確に計測し,記録する。

注(

3

)

測定した質量に 0.3 g 以上の差がなければ恒量とする。

b)

試料の中心軸が試料加熱用ヒータ①と水カロリメータ⑥の中心軸と一致するように設置し,試料の各

測温用孔に熱電対を装着する。

c)

水カロリメータ⑥に一定量(

4

)

の熱量測定用水(

5

)

を流す。

注(

4

)

例えば,流速 400 ml/min の場合,その変動を±1 ml/min 以下とする。

(

5

)

ガスによる気泡が流水経路に発生しないようにする。必要なら,脱気処理した水を用いる。熱

量測定用水の温度変動は,±0.1  ℃以内とする。

d)

試料加熱用ヒータに電流を流し,試料の上下面の温度が所定の温度に達し定常状態にあること(

6

)

及び

試料の各測温用孔内の温度と各ガードヒータの温度とが一致していることを確認する。

注(

6

)

試料の上下面の温度が 30 分以上一定となることが必要である。

e)

d) 

に示した熱伝導率測定系の熱平衡状態が達成されたことが確認されれば,試料の測温用孔内に挿入

した熱電対で試料の各箇所の温度  (

θ

n

)

を測定する。

f)

微小電位差計(

7

)

の数値を読み取り,水カロリメータ⑥の熱量測定用水入口⑧と熱量測定用水出口⑨と

の温度差を求める。

注(

7

)

感度 1×10

6

 V

程度のものを用いる。

g)

補償用ヒータ⑦に一定電力 (W) (

8

)

を加え,微小電位差計が安定していることを確認してから,その

数値を読み取り,熱量測定用水入口⑧と熱量測定用水出口⑨との温度差を求める。

注(

8

)

例えば,3 V-1.8 A の電力を印加し,電圧−電流の値を小数点以下 2 けたまで読み取る。


5

R 2251-3

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9.

計算方法  8. f)  で測定した温度差及び 8. g)  で測定した温度差から,熱伝導率を次の式によって算出

し,JIS Z 8401 によって小数点以下 2 けたに丸める。

)

)(

(

1

1

2

1

1

i

i

i

t

t

T

T

T

A

PL

×

=

θ

λ

ここに,

θ

i

−1

高温側から

i

1

番目の測定温度(

t

i

−1

t

i

との平均温度)

(

)

λ

θ i−1

試料の高温側から

i

1

番目の測定温度における熱伝導率

[W/(m

K)]

t

i

−1

試料の高温側から

i

1

番目の測温孔内の温度

  (

)

t

i

試料の高温側から

i

番目の測温孔内の温度

  (

)

P

補償用ヒータへの供給電力

 (W)

L

試料の各測温孔間の距離

 (m)

A

試料の断面積

 (m

2

)

T

1

8. f

)

によって得られた温度差

  (

)

T

2

8. g

)

によって得られた温度差

  (

)

備考

定常法では,二つの測定点間に流れる熱量から熱伝導率が求められる。そのため,測定温度は,

二つの測定点間の平均温度をとり,求められる熱伝導率は,その測定温度におけるものとする。

各測温孔内の温度を高温側から

t

1

t

2

t

3

・・・・・

t

n

とすると,測定温度

θ

は,

n

1

個得られる。

例えば,五つの熱電対によって

5

点の温度が得られた場合,四つの測定温度に対応する熱伝導

率が得られる。

特定温度の熱伝導率は,測定温度ごとの熱伝導率と,その測定温度との関係線から求める

(

9

)

(

9

)

測定温度が切れ目のよい特定の温度となることはほとんど期待できない。そのため,関係線を

用いて特定の温度の熱伝導率を求めて使用するとよい。コンピュータを用いて関係式(

1

次式

を推奨する。

)を求めて計算すると便利である。

10.

報告  試験報告書には,次の項目を明記する。

a

)

測定を行った場所

b

)

測定日時

c

)

この規格に準拠したこと

d

)

測定試料(製造業者名,品種,形式,バッチ番号など)

e

)

試料の前処理条件

f

)

炉内雰囲気

g

)

測定温度及び熱伝導率の測定値,又は受渡当事者間の協定によって定めた 9.  で求めた特定温度及びそ

の温度における熱伝導率の計算値。