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R 2016-1:2008

(1)

目  次

ページ

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義 

2

4  一般事項

2

5  試料

2

5.1  試料採取及び調製

2

5.2  試料のはかり方

3

6  定量値のまとめ方

3

6.1  分析回数 

3

6.2  空試験

3

6.3  定量値の表示 

3

6.4  定量値の検討・採択

3

7  硫黄の定量方法 

3

7.1  定量方法の区分

3

7.2  アルカリ融解−硫酸バリウム重量法 

3

7.3  すず(Ⅱ)・強りん酸分解−よう素・チオ硫酸逆滴定法

5

8  試験報告

7

 


 
R 2016-1:2008

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,耐火物技術協会(TARJ)及び財団法人日本規格

協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 R

2016-1

:2008

耐火物製品及び耐火物原料中の硫黄の定量方法−

第 1 部:重量法及び滴定法

Methods for determination of sulfur in refractory products and raw materials

Part 1: Gravimetric and titrimetric methods

適用範囲 

この規格は,耐火物製品及び耐火物原料中の 5  %(質量分率)以下の硫黄の定量方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 6201  化学分析用白金るつぼ

JIS H 6202  化学分析用白金皿

JIS K 0050  化学分析方法通則

JIS K 0557  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 1107  窒素

JIS K 8001  試薬試験方法通則

JIS K 8102  エタノール(95)(試薬)

JIS K 8136  塩化すず(Ⅱ)二水和物(試薬)

JIS K 8155  塩化バリウム二水和物(試薬)

JIS K 8180  塩酸(試薬)

JIS K 8355  酢酸(試薬)

JIS K 8356  酢酸亜鉛二水和物(試薬)

JIS K 8548  硝酸カリウム(試薬)

JIS K 8550  硝酸銀(試薬)

JIS K 8625  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8913  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8920  よう素(試薬)

JIS K 8987  硫酸ナトリウム(試薬)

JIS K 9005  りん酸(試薬)

JIS M 8100  粉塊混合物−サンプリング方法通則

JIS P 3801  ろ紙(化学分析用)

JIS R 1301  化学分析用磁器るつぼ

JIS R 2001  耐火物用語



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JIS R 3503  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8401  数値の丸め方

JIS Z 8801-1  試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 2001 によるほか,次による。

3.1 

硫黄 

耐火物製品及び耐火物原料中において,単体硫黄,硫化物,硫酸塩,亜硫酸塩などの形態で存在する硫

黄の総称。

3.2 

乾状不定形耐火物 

JIS R 2001 に規定する不定形耐火物のうち,粒,粉末などの乾状物質だけで構成されるもの。

3.3 

湿状不定形耐火物 

JIS R 2001 に規定する不定形耐火物のうち,粒,粉末などに液状物質を加えて構成されるもの。

一般事項 

分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050 の規定による。

試料 

5.1 

試料採取及び調製 

試料採取及び調製は,次による。

a)  耐火れんがは,ロットから受渡当事者間の協定に基づく数量の試料をランダムに採取する。採取した

試料は,全量を粉砕して JIS Z 8801-1 に規定する目開き 6.7 mm の網ふるいを通過させ,二分器を用い

るか,又は四分法によって約 100 g になるまで縮分する。次に,この縮分した全量が JIS Z 8801-1 

規定する目開き 300 µm の網ふるいを通過するまで粉砕する。

b)  不定形耐火物の場合は,その性状によって乾状と湿状とに区分し,次によって試料約 100 g を調製す

る。

1)  乾状不定形耐火物の場合は,ロットからランダムに 1 袋又は約 50 kg を採取し,二分器を用いるか,

又は四分法によって約 100 g になるまで縮分する。次に,この縮分した全量が JIS Z 8801-1 に規定

する目開き 300 µm の網ふるいを通過するまで粉砕する。

2)  湿状不定形耐火物の場合は,ロット内のランダムな 10 か所から各々約 40 g を採取し,250  ℃での

加熱減量を測定後,試料の全量を粉砕して JIS Z 8801-1 に規定する目開き 6.7 mm の網ふるいを通過

させ,二分器を用いるか,又は四分法によって約 100 g になるまで縮分する。次に,この縮分した

全量が JIS Z 8801-1 に規定する目開き 300 µm の網ふるいを通過するまで粉砕する。

c)  耐火物原料の場合は,JIS M 8100 によるか,又は受渡当事者間の協定に基づいて試料を採取し,a)  に

よって試料を粉砕する。

d)  a)b)  又は c)  によって調製した試験室試料を,四分法によって縮分して約 10 g とする。これを JIS Z 

8801-1 に規定する目開き 106 µm の網ふるいを通過する程度まで微粉砕し,JIS R 3503 に規定する平


3

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形はかり瓶 50 mm×30 mm に薄く広げ,110±5  ℃の空気浴中で 2 時間以上加熱した後,デシケータ

ー中で放冷し,保存する。これを,分析用試料とする。

5.2 

試料のはかり方 

分析試料は,化学はかりを用いて 0.1 mg のけたまではかる。

定量値のまとめ方 

6.1 

分析回数 

分析は,同一分析所において併行して 2 回繰り返す。

6.2 

空試験 

分析に当たっては,空試験を行い,測定値を補正する。

6.3 

定量値の表示 

定量値は,乾燥ベースの質量百分率で表し,JIS Z 8401 によって小数点以下 2 けたに丸める。

6.4 

定量値の検討・採択 

定量値の検討・採択は,次による。

a)  併行して 2 回実施して得られた 2 個の定量値の差が,表 の値を超えないときは,その平均を報告値

とする。

b)  併行して 2 回実施して得られた 2 個の定量値の差が表 の値を超えるときは,更に併行して 2 回の定

量を繰り返し,その差が

表 の許容差を超えないときは,その平均を報告値とする。これも許容差を

超えるときは,4 個の定量値のメジアンを報告値とする。

表 1−定量値の許容差 

単位  %(質量分率)

含有率の範囲

定量値の差

0.1 未満 0.02

0.1 以上  0.5 未満 0.04 
0.5 以上  2.0 未満 0.10

2.0 以上 0.20

硫黄の定量方法 

7.1 

定量方法の区分 

硫黄の定量方法は,次のいずれかによる。

a)  アルカリ融解−硫酸バリウム重量法  硫黄含有率が 0.01  %(質量分率)以上 5  %(質量分率)以下

の試料に適用する。

b)  すず(Ⅱ)・強りん酸分解−よう素・チオ硫酸逆滴定法  硫黄含有率が 0.07  %(質量分率)以下の試

料に適用する。

7.2 

アルカリ融解−硫酸バリウム重量法 

7.2.1 

要旨 

試料に炭酸ナトリウムと硝酸カリウムとを加え,電気炉で加熱・融解して,硫黄をアルカリ硫酸塩とし

て固定する。融成物を水で溶解した後,ろ過して不溶物を分離する。これにエタノール及び塩酸を加え,

加熱してクロム(Ⅵ)酸化物を還元するとともに,炭酸ナトリウムの分解によって生成した二酸化炭素を



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除去した後,塩化バリウム溶液を加え,硫黄を硫酸バリウムとして沈殿させる。沈殿をろ過し,焼成した

後,その質量をはかる。

7.2.2 

試薬 

試薬は,次による。

a)  水  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 の水。 
b)  塩酸(11)  JIS K 8180 に規定する塩酸を用いて調製する。 
c)  硝酸銀溶液(10 g/L)  JIS K 8550 に規定する硝酸銀 1 g を水に溶かして 100 mL とする。着色瓶に保

存する。

d)  炭酸ナトリウム  JIS K 8625 に規定するもの。 
e)  炭酸ナトリウム溶液(5 g/L)  b)  を用いて調製する。 
f)  硝酸カリウム  JIS K 8548 に規定するもの。 
g)  塩化バリウム溶液(85 g/L) JIS K 8155 に規定する塩化バリウム二水和物 10 g を水 100 mL に溶かす。 
h)  エタノール(95)  JIS K 8102 に規定するもの。 
i)

メチルオレンジ溶液(1 g/L)  調製方法及び保存方法は,JIS K 8001 の 4.4(指示薬)表 による。

j)  硫酸塩標準液(S: 0.1 mg/mL)  JIS K 8987 に規定する硫酸ナトリウム 0.443 g を水に溶かし,全量フ

ラスコ 1 000 mL に移し入れ,水を標線まで加える。

7.2.3 

試料のはかりとり量 

試料のはかりとり量は,試料中の硫黄の含有率に応じて

表 による。

表 2−試料のはかりとり量 

硫黄の含有率

%(質量分率)

試料のはかりとり量

g

0.01 以上 0.5 未満 1.0

0.5 以上 5.0 未満 0.5

7.2.4 

定量操作 

定量操作は,次による。

a)  試料を JIS H 6202 に規定する化学分析用白金皿(例えば,75 番)にはかりとり,炭酸ナトリウム[7.2.2 

d)]10 g 及び硝酸カリウム[7.2.2 f)]0.2 g を加えて混合する。白金製のふたをして電気炉に入れ,徐々

に 1 000±25  ℃まで昇温し,この温度に 30 分間保った後,放冷する。

b)  白金皿及びふたをビーカー300 mL に入れ,水 100 mL を加え,時計皿で覆い,水浴上で加熱して融成

物を溶かす。白金皿及びふたを取り出し,ゴム付きガラス棒で不溶解物をこすり落とし,熱水で洗浄

する。不溶解物を JIS P 3801 に規定するろ紙(5 種 B)でろ過し,熱炭酸ナトリウム溶液[7.2.2 e)

で洗浄し,ろ液及び洗液をビーカー500 mL に受ける。

c)  この溶液に硫酸塩標準液[7.2.2 j)]を正しく 10 mL,メチルオレンジ溶液[7.2.2 i)]2 滴及びエタノー

ル(95)

7.2.2 h)]5 mL を加え,かき混ぜながら塩酸(1+1)

7.2.2 b)]を滴加して行き,中和後,

過剰に 5 mL を加える。水で約 200 mL に薄めた後,時計皿で覆い,発泡しなくなるまで煮沸する。

d)  溶液をよくかき混ぜながら熱塩化バリウム溶液[7.2.2 g)]10 mL を滴加し,ビーカーを沸騰水浴に移

し,2 時間加熱した後,一夜間放置する。JIS P 3801 に規定するろ紙(5 種 C)でろ過し,沈殿及びろ

紙を熱水で十分に洗浄する。


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なお,沈殿及びろ紙の洗浄は,漏斗の脚部から洗液の一部を取って硝酸銀溶液[7.2.2 c)]を加えた

とき白濁が生じなくなるまで行う。

e)  沈殿及びろ紙を質量既知の JIS H 6201 に規定する化学分析用白金るつぼ(例えば,30 番)に移し入れ,

燃えないようにろ紙を灰化し,825±25  ℃で 30 分間加熱し,デシケーター中で常温まで放冷した後,

質量をはかる。

なお,白金るつぼに替えて JIS R 1301 に規定する化学分析用磁器るつぼ(例えば,B 形 15 mL)を用い

てもよい。

7.2.5 

空試験 

試料を用いないで 7.2.4 の操作を行う。ただし,融解操作は行わない。

7.2.6 

計算 

試料中の硫黄の含有率は,次の式によって算出する。

(

)

100

4

137

.

0

2

1

×

×

=

m

m

m

S

ここに,

S

硫黄の含有率[%(質量分率)

m

1

7.2.4 e)

  の沈殿の質量(g)

m

2

7.2.5

の沈殿の質量(g)

0.137 4: 沈殿(BaSO

4

)に占める硫黄(S)の質量比

m

試料のはかりとり量(g)

7.3 

すず(Ⅱ)

強りん酸分解−よう素

チオ硫酸逆滴定法 

7.3.1 

要旨 

試料をすず(Ⅱ)−強りん酸とともに加熱して硫黄を硫化水素として分解し,窒素を通じながら発生し

た硫化水素を酢酸亜鉛溶液中に送り,吸収させる。この溶液によう素溶液を過剰に加えて硫化物を酸化し

た後,でんぷんを指示薬としてチオ硫酸ナトリウム標準溶液で逆滴定する。

7.3.2 

試薬 

試薬は,次による。

a)

JIS K 0557

に規定する A2 又は A3 の水。

b)

窒素[99.99  %(体積分率)以上]

JIS K 1107

に規定する窒素 2 級。

c)

すず(Ⅱ)

強りん酸

JIS K 9005

に規定するりん酸 500 g を

図 1

の石英フラスコに入れ,水流ポンプ

で吸引しながら 1 時間以内に 250  ℃に達するように加熱して脱水した後,冷却する。

JIS K 8136

に規

定する塩化すず(Ⅱ)二水和物 80 g を加え,窒素を通じながら 300  ℃まで加熱した後,引き続き窒素

を通じながら室温まで冷却し,デシケーター中に保存する。



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図 1

強りん酸調製装置の例 

d)

酢酸亜鉛溶液

JIS K 8356

に規定する酢酸亜鉛二水和物 40 g を水約 300 mL に溶かし,

JIS K 8355

規定する酢酸 30 mL を加え,水で 1 000 mL に薄め,プラスチック瓶に保存する。

e)

0.01 mol/L よう素溶液

JIS K 8920

に規定するよう素 1.27 g と

JIS K 8913

に規定するよう化カリウム

10 g とを水約 50 mL に溶かし,水で 1 000 mL に薄め,褐色瓶に保存する。

f)

0.01 mol/L チオ硫酸ナトリウム標準液

  調製方法,標定方法及び保存方法は,

JIS K 8001

4.5

(滴定

用溶液)(

21.3

)による。

g)

でんぷん溶液

  調製方法は,

JIS K 8001

4.4

(指示薬)

表 8

による。

7.3.3 

装置 

装置は,分解用試験管,吸収用試験管,温度計,ヒーター,石英管などで構成される試料分解・ガス吸

収装置を用いる。試料分解・ガス吸収装置の例を,

図 2

に示す。

図 2

試料分解

ガス吸収装置の例 


7

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7.3.4 

試料のはかりとり量 

試料のはかりとり量は,1 g とする。

7.3.5 

定量操作 

定量操作は,次による。

a)

  試料をはかりとって乾いた分解用試験管に入れ,すず(Ⅱ)・強りん酸[

7.3.2 c)

]15 mL を加え,振動

させるなどして試料を液中に分散させる。

b)

  吸収用試験管に酢酸亜鉛溶液[

7.3.2 d)

]50 mL を入れ,試料分解・ガス吸収装置を組み立てる。

c)

  窒素[

7.3.2 b)

]を通じながら分解用試験管を加熱し,280∼290  ℃に約 45 分間保つ。

d)

  加熱を止め,引き続き窒素を約 5 分間通じた後,吸収用試験管を取り外し,導管を水で洗浄し,洗液

を溶液に合わせる。

e)

  溶液を三角フラスコ 200 mL に洗い移し,0.01 mol/L よう素溶液[

7.3.2 e)

5 mL を加え,直ちに 0.01 mol/L

チオ硫酸ナトリウム標準液[

7.3.2 f)

]で滴定し,溶液がわずかに黄色になったら指示薬としてでんぷ

ん溶液[

7.3.2 g)

]4,5 滴を加え,滴定を続け,溶液の青色が消えた点を終点とする。

7.3.6 

空試験 

試料を用いないで

7.3.5

の操作を行う。ただし,0.01 mol/L よう素溶液[

7.3.2 e)

]は,試料と同じ量を加

える。

7.3.7 

計算 

試料中の硫黄の含有率を次の式によって算出する。

(

)

100

3

160

000

.

0

2

1

×

×

×

=

m

f

v

v

S

ここに,

S

硫黄の含有率[%(質量分率)

v

1

7.3.6

での 0.01 mol/L チオ硫酸ナトリウム標準液の使用

量(mL)

v

2

7.3.5 e)

での 0.01 mol/L チオ硫酸ナトリウム標準液の使

用量(mL)

f

0.01 mol/L チオ硫酸ナトリウム標準液のファクター

0.000 160 3: 0.01 mol/L チオ硫酸ナトリウム標準液 1 mL の硫黄相当

m

試料のはかりとり量(g)

試験報告 

試験報告には,次の事項を記録する。

a)

  分析所名

b)

  試験年月日

c)

  規格番号(

JIS R 2016-1

)及び定量方法

d)

  試料名及び試料に関する情報

e)

  定量成分名及び定量値(報告値)

f) 

その他特記事項