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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

R 2001-1985 

耐火物用語 

Glossary of Terms Used in Refractory 

1. 適用範囲 この規格は,耐火物に関して用いられる主な用語について規定する。 

引用規格:16ページに示す。 

2. 分類 耐火物用語は,次の6分類とする。 

(1) 一般 

(2) 原料及び鉱物 

(3) 製造 

(4) 耐火物の種類 

(5) 窯炉及び耐火物の形状 

(6) 特性及び試験方法 

3. 用語,読み方及び意味 用語,読み方及び意味は,次のとおりとする。 

(1) 一般 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

102 

仮焼 
(かしょう) 

生原料を物理的又は化学的に変化させるために予
備的に行う熱処理。 

calcination 

103 

可塑性 
(かそせい) 

形を作りうる性質,特に粘土に著しい性質で,この
可塑性によってき裂を生じさせることなく成形し,
新しい形状を保たせることができる。 

plasticity 

104 

角欠け 
(かどかけ) 

れんがの角及びりょうの一部が破壊,はく離等によ
って損失した状態。 

edge defect,  
corner defect 

105 

塑性変形 
(そせいへんけい) 

外力に対して破壊することなく変形し,外力を取り
去ってもそのままの形を保つような変形。 

plastic deformation 

106 

き裂 

表面き裂と断わらない限り,製品の表面から内部に
広がつた裂け目。 

crack 

107 

きず 

焼成によって,れんがに生じた甚だしい汚染,はん
点及び溶融孔等。 

flaw 

108 

クリンカー 

マグネシア,ドロマイト等が強固に焼け固まったも
の。 

clinker 

109 

鉱化剤 

焼成によってある種の化合物の生成及びその結晶
化を促進助成させるために,少量添加する物質(原
料中に存在することもある。)。 

mineralizer 

112 

シェリング, 
ピーリング, 
フレーキング 

加熱面の背後のき裂によって耐火物の加熱表面部
分がはく離消失すること。 

shelling,  
peeling,  
flaking 

113 

焼結(焼固) 

焼成によって粒子間に結合を起こさせる現象。 

sinter (vitrification)  

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R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

114 

素地 
(しらじ) 

成形品の乾燥前又は成形,乾燥を終わり焼成する前
の中間製品。 

green,  
green body 

115 

浸食 

耐火物が熱間でガス,スラグ溶融物等と接触したと
きに,これらと反応して低融点の物質を作ったり,
組織を弱めたり,又は溶融物の摩擦その他の外力に
よって劣化消耗していくこと。 

corrosion,  
erosion 

116 

失透 
(しっとう) 

ガラス物質がその中に結晶を晶出し,不透明になる
こと。 

devitrification 

117 

スラグ 

金属の融解精錬時に原料中の不要成分が酸化カル
シウム等のフラックス成分と結合して生成される
もの。 

slag 

119 

セラミックボンド 

焼成によって窯業品の粗粒子成分間に生成し,それ
を結合しているガラス質又は結晶物質。焼成品に機
械的強度を与える。 

ceramic bond 

120 

組織 

耐火物製品中の種々の形や大きさの気孔や粒子の
間の関係。 

texture 

121 

反り 
(そり) 

曲がり,ねじれ又はゆがみ。 

warpage 

122 

耐火物 

1 500℃以上の定形耐火物及び最高使用温度が
800℃以上の不定形耐火物,耐火モルタル並びに耐
火断熱れんが。 

refractory,  
refractory product,  
refractory material 

123 

耐火れんが 

窯炉その他高温で使用する構造物の構築に適する
種々の形を持った耐火物。 

refractory brick 

124 

ダスチング 

物理化学的な変態転移によって自然に粉化するこ
と。 

dusting 

126 

転移 

一般に温度の変化によって物質の結晶形が変化す
ること。 

inversion,  
conversion,  
transition 

127 

鉄はん点 

れんがの中に鉄又はその化合物粒からできた黒色
のはん点。 

iron spot 

128 

熱衝撃 
(ねつしょうげき) 

スポーリングの原因となりやすい温度の急激な変
化。 

thermal shock 

129 

バッチ 

製造工程において一括して扱われる一群の単位。例
えば,適当な割合で混合される各原料の量又はその
ように混合された混合物。 

batch 

130 

バースティング 

容積の永久膨脹による崩壊であって,特にクロム・
マグネシア質耐火物が酸化鉄を吸収した場合生じ
る現象。 

bursting 

131 

風化 
(ふうか) 

大気にさらされることによって,酸化されたり,特
定の不純物が溶解したり,その一部が消失したりす
る変質現象。 

weathering 

132 

ボンド 

混合物の個々の粒子を相互に結び付けているもの。 bond 

133 

モノリシック 

目地なしの大形の一体物。 

monolithic 

134 

溶固,磁器化 
(ようこ,じきか) 

熱処理によって製品中にガラス相が相当量生成し
て,見掛気孔率がほとんどなくなるように変化する
こと。 

vitrification 

135 

ラミネーション 

組織の方向性欠陥であって,耐火物の成形時に生成
することがある。 

lamination 

136 

消化 
(しょうか) 

カルシア,マグネシア及びドロマイトの仮焼物等が
水分を吸収反応して水酸化物となる現象。 

slaking 

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R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

138 

凝結 
(ぎょうけつ) 

形を保持しうるような状態。セメント類に水を加
え,固まる過程で次第に流動性を失い一定の形を保
持する状態をいう。 

setting 

139 

結合剤 

耐火物の主原料を結合して一体とさせるために使
用する材料で,粘土,けい酸ソーダ,石灰乳その他
種々の材料が使用される。 

binder 

140 

セグリゲーション 

混合された材料の粒度,粒形の均質度が低下する現
象。 

segregation 

141 

密閉気孔率 

水又はガスが容易に浸入しえない気孔。 

closed pore 

142 

養生 
(ようじょう) 

材料の温度や乾燥の保護又は積極的に加熱して硬
化を促進させたり,冷却して発熱を制限したりする
こと。 

ageing 

(2) 原料及び鉱物 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

201 

アルミナ 

酸化アルミニウム (Al2O3) 

alumina 

202 

ウォラストナイト 

天然又は人工のメタけい酸カルシウム (CaSiO3) 

wollastonite 

203 

カイヤナイト 

アンダルサイト,シリマナイトと同じAl2O3・SiO2
の化学組成を持った同質多形鉱物の中の一つ。ま
た,この鉱物を主成分とする岩石にも,この用語が
使用される。 

kyanite 

204 

カオリン 

比較的大きなカオリナイトの結晶からできている
一次又は二次の粘土。可塑性は大きく,白く焼き上
がる。 

kaolin 

205 

カオリナイト 

カオリナイト族の代表的な粘土鉱物で,カオリンの
主要構成鉱物である。 

kaolinite 

206 

かんらん石 

一般式R2SiO4(RにMg, Fe又はCa)で表される鉱
物の族名。天然には鉄かんらん石を固溶するフォル
ステライトとして産する。 

olivine 

207 

海水マグネシアクリンカー 海水から製造したマグネシアクリンカー。 

sea-water magnesia  

clinker,  

sea-water magnesite  

clinker 

208 

玉髄 
(ぎょくずい) 

潜晶質繊維状の石英 

chalcedony 

209 

ギブサイト 

アルミナの3水和物 (Al2O3・3H2O) の一つ。また,
これを主成分とする鉱石にもこの用語が使用され
る。 

gibbsite 

210 

クロム鉄鉱 

端成分は,鉄・クロムのスピネル。 (FeO・Cr2O3)。
一般に産出するものは (Fe, Mg) ・O・ (Fe, Al, Cr) 2・
O3の固溶体の形。 

chromite 

211 

クリストバライト 

結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。 

cristobalite 

212 

クロムスピネル 

三二酸化物 (R2O3) が酸化クロム (Cr2O3) である
スピネル。クロムを主成分の一つとして含有するス
ピネル。 

chrome spinel 

213 

けい藻土 

珪藻(けいそう)の遺体が水底に堆積した多孔質の
シリカを主成分とするもの。 

diatomaceous earth 

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R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

214 

コージライト 

天然又は人工のマグネシウムのアルミノシリケー
ト,コージライトにはマンガン又は鉄を含有するも
のもある。また,これを主成分とする岩石にもこの
用語が使用される。 

cordierite 

215 

コランダム 

α−アルミナ。1 000℃以上で安定なアルミナの形で

ある。 

corundum 

216 

黒鉛 

炭素の同質多形鉱物。(鉱物名は石墨[せきぼく],
原料名は黒鉛)。 

graphite,  
plumbago 

217 

蛇紋岩 
(じゃもんがん) 

含水けい酸マグネシウムの一つ (3MgO・2SiO2・
2H2O) で鉱物的グループの名称。また,これを主
成分とする岩石にもこの用語が使用される。 

serpentine 

218 

シリカ 

二酸化けい素 (SiO2) 

silica 

219 

シリマナイト 

アンダルサイト,カイヤナイトと同じAl2O3・SiO2
の化学組成を持った同質多形鉱物の中の一つ。ま
た,この鉱物を主成分とする岩石にもこの用語が使
用される。 

sillimanite 

220 

ジルコン 

ジルコニウムオルトけい酸塩 (ZrSiO4)。また,これ
を主成分とする岩石にもこの用語が使用される。 

zircon 

221 

ジルコニア 

二酸化ジルコニウム (ZrO2) 

zirconia 

222 

シャモット 

粘土を焼いたもので,非可塑性原料として用いるも
のの総称。 

chamotte,  
grog 

223 

スピネル 

一般式R"O・R2"'O3(R"及びR"'は,各々二価及び三
価の金属)を持つ等軸晶系の鉱物。また狭義ではア
ルミン酸マグネシウム (MgO・Al2O3) をいう。 

spinel 

224 

石こう 

硫酸カルシウムの2水和物 (CaSO4・2H2O) 

gypsum 

225 

石英 

結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。 

quartz 

226 

炭化けい素 

SiCの化学組成を持つ人造鉱物。工業製品は不純な
ことがある。 

silicon carbide 

227 

ダイアスポア 

アルミナの1水和物の一つ。また,これを主成分と
する鉱石にもこの用語が使用される。 

diaspore 

228 

耐火粘土 

主としてカオリン質鉱物と遊離石英と,他の微量の
成分を含む高温に耐える粘土。 

fire clay 

229 

チタニア 

二酸化チタニウム (TiO2) 

titania 

230 

鉄かんらん石 

かんらん石族の一つ。化学成分はオルトけい酸鉄 
(Fe2SiO4)。 

fayalite 

231 

天然黒鉛 

天然に産する黒鉛で,りん状及び土壌黒鉛とがあ
る。 

plumbago,  
 (graphite)  

232 

トリジマイト 

結晶性シリカの同質多形鉱物の一つ。 

tridymite 

233 

ドロマイト 

カルシウム,マグネシウムの複炭酸塩鉱物。また,
これを主成分とする岩石にもこの用語が使用され
る。 

dolomite 

234 

粘土 

粘土鉱物を主体とする岩石,土壌で微粉末にすると
可塑性を持つもの。 

clay 

235 

ハロイサイト 

カオリナイト族の粘土鉱物の一つ。 

halloysite 

236 

パーライト 

天然ガラスの一種で,加熱すると著しく膨張する。 pearlite 

237 

パイロフィライト 

含水けい酸アルミニウムの一つ (Al2O3・4SiO2・
H2O)。また,これを主成分とする岩石にもこの用
語が使用される。 

pyrophyllite 

238 

ひる石 

加熱すると非可逆的に膨張する雲母(うんも)鉱物
の一つ。 

vermiculite 

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R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

239 

フリントクレー 

比較的硬く,質はち密で,貝がら状の破砕面を持つ
一種の粘土であって,可塑性はほとんどない。 

flint clay 

240 

フォルステライト 

かんらん石族の一つ。化学成分は,オルトけい酸マ
グネシウム (Mg2SiO4)。 

forsterite 

241 

ベントナイト 

非常に可塑性に富んだモンモリロナイト質粘土。本
質的には火山灰の変質物。 

bentonite 

242 

ベーマイト 

アルミナの1水和物の一つ (Al2O3・H2O)。 

boehmite 

243 

ヘルシナイト 

酸化第一鉄とアルミナのスピネル (FeO・Al2O3)。 

hercynite 

244 

ペリクレース 

マグネシア (MgO) の結晶。 

periclase 

245 

ボールクレー 

非常に可塑性に富んだカオリナイト質の二次粘土。 ball clay 

246 

ボーキサイト 

アルミナの水和物(ダイアスポアー,ギプサイト及
びベーマイト)の一つ又はこれらの混合物を主成分
とした水成岩。粘土鉱物や鉄水酸化物をも含有して
いる。 

bauxite 

247 

マグネサイト 

炭酸マグネシウム鉱物。英米では,その焼成物及び
それから製造した耐火物については正確にはマグ
ネシアというべきであるが,この用語が使用されて
いる。 

magnesite 

248 

マグネシアクリンカー 

天然のマグネサイト又は海水などから分離した水
酸化マグネシウムを高温で焼成して作り,ベリクレ
ースを主成分としている。 

magnesite clinker 

249 

ムライト 

3Al2O3・2SiO2の基本的な化学式を持ったアルミナ
のけい酸塩。 

mullite 

250 

モンチセライト 

かんらん石族の一つ。カルシウムとマグネシウムの
オルトけい酸塩 (CaO・MgO・SiO2)。 

monticellite 

251 

モンモリロナイト 

アルミニウムの含水けい酸塩を主体とする粘土鉱
物の一つ。ベントナイトの主な鉱物である。 

montmorillonite 

252 

合成ドロマイトクリンカー 天然ドロマイトで作るクリンカーに比して,耐火物

に適切かつ安定な品質になるように合成した,マグ
ネシア・カルシア系クリンカー。 

synthetic dolomite  

clinker 

253 

合成ムライト 

カオリンに高アルミナ質原料を配合し焼成するな
どの方法で合成したムライト質原料。 

synthetic mullite 

254 

焼結アルミナ 

高アルミナ質原料を窯炉で焼結したもの。 

sintered alumina 

255 

電融アルミナ 

高アルミナ質原料を電気炉で溶融したもの。 

fused alumina 

256 

電融マグネシア 

マグネシア原料を電気炉で溶融したもの。 

fused magnesia 

257 

ドロマイトクリンカー 

天然ドロマイトを硬焼したもの。 

dolomite clinker 

(3) 製造 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

301 

鋳込み 
(いこみ) 

流動性をもたせた原料を型に流し込んでそのまま
固まらせて形を作ること。 

casting 

302 

エッジランナーミル 

材料を粉砕,混合又は混練する機械の一つ。1ない
し多数の大きなロール又はランナーが一つの台又
は盤の上に置かれて回転し,その重みによって固体
を押しつぶしたり,粉砕したり又は混練したりす
る。 
円盤が固定してロールが回転するものと,盤が回転
してロールがそれに伴って回転するものや,盤の底
に多数の小孔のあいたものもある。 

edge-runner mill 

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R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

303 

オーガー 

口型から柱状のもの(普通は可塑性の粘土)を押し
出すための機械。推進作用はスクリューによって行
われる。 

auger 

304 

クラッシングロール 

相互に逆方向に回転するようなロールを利用した
粉砕機。ロールの回転速度は異なる場合もある。 

crushing rolls 

305 

コーンクラッシャー 

コーンが同様な形のケースの中にあって,同心的に
回転して破砕又は粉砕する機械。 

cone crusher 

306 

硬焼 
(こうしょう) 

原料をできるだけ不活性にかつ安定するように高
温で焼成すること。死焼ともいう。 

dead burning 

307 

ディスインテグレーター 

ケースの中で回転子が回転する種々の形式の粉砕
機。ケース及び回転子には個々に分かれている固定
ハンマーが付いている。 

disintegrator 

308 

ジョウクラッシャー 

二つのあごが相互に往復運動することによって大
きい塊状のものを破砕する機械。 

jaw crusher 

309 

ジャイレトリークラッシャ
ー 

コーンが同様な形のケースの中にあって,ケースに
対して偏心的に回転することによって破砕又は粉
砕する機械。 

gyratory crusher 

310 

焼成 

成形品に機械的強度やその他必要な性質をもたせ
るための熱処理。 

firing,  
burning 

311 

粗砕 
(そさい) 

大きい塊を小さくすること。 

crushing 

312 

パックミル 

混合機の一つ。水平又は垂直な密閉したたるの中に
一本,又は2本のシャフトにらせん状に羽が付いて
いるもので,可塑性のものを均質に混合する機械。 

pug mill 

313 

半乾式成形, 
乾式成形 

非可塑性の原料を含み,水分の少ない配合原料を高
圧で成形する方法。 

semi-dry pressing,  
semi-dry molding,  
dry pressing,  
dry molding 

314 

フレット 

(エッジランナーミルの項参照) 

edge runner mill 

315 

ボールミル 

水平又はわずかに傾斜した軸で回転する円筒状又
は円すい形の殻と,その中に入れたペブル(玉石)
又は金属製又は窯業製品の球状又は円柱状のボー
ルとからできている微粉砕機。 

ball mill 

316 

ミキサー 

湿式又は乾式で混合する機械。種々の形式のものが
ある。 

mixer 

317 

溶融鋳込み 

溶融した耐火原料を鋳型に鋳込んで製造する方法。 fusion casting 

318 

ラミング 

ランマーで成形すること。 

ramming 

319 

ランマー 

耐火材料を成形するときに使われる可搬式のつち。
人力,圧縮空気又はモーターによって操作される。 

rammer 

320 

シャトルキルン 

炉の構造の一部が稼動する単独窯。 

shuttle kiln 

321 

振動成形 

振動を与えることによって粒子間摩擦を減じ密に
充てんさせるようにした成形方法。 

vibration molding 

322 

静水圧プレス成形 

ゴム型など,変形可能な型に原料調合物を充てん
し,その外側から静水圧で加圧して成形体を作る方
法。ラバープレスともいう。 

isostatic pressing,  
isostatic molding 

323 

単独窯 

バッチ単位で焼成処理する窯の総称。 

periodic kiln 

324 

トンネル窯 

予熱,焼成,冷却の3帯から構築されている連続式
のトンネル型の窯。 

tunnel kiln 

325 

プレス成形 

トッグル式,フリクション式,油圧式及びアイソス
タック式等の加圧による成形方法。 

press molding 

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R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(4) 耐火物の種類 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

401 

安定化ドロマイトれんが 

ドロマイトと鉱物質安定剤とから作った安定化ド
ロマイトクリンカーを原料としたれんが。 

stabilized dolomite  

brick 

402 

アルミナシリカ質耐火物 

主としてアルミナ及びシリカ両成分からできてい
る耐火物の総称。この耐火物には半けい石質,ろう
石質などの粘土質耐火物から,高アルミナ質耐火物
に至るAl2O3 : SiO2比のほとんど連続した一群の耐
火物を含んでいる。 

alumina-silica 

refractory 

403 

気硬性耐火モルタル 

化学結合剤を添加したモルタルで,それ自体が室温
で硬化し強度を発揮するモルタル。 

air setting refractory  

cement,  

air-setting refractory  

mortar 

404 

キャスタブル耐火物 

耐火性骨材と硬化剤を混合した粉体の耐火物で,水
和性又は化学結合を有し,鋳込み,振動,突き固め,
ラミング等種々の形式で施工される。 

castable refractory 

405 

クロムれんが 

クロム鉄鉱を主原料とした中性耐火れんが[JIS R 
2301(クロムれんが)]。 

chrome brick 

406 

クロムマグネシア質れんが クロム鉄鉱とマグネシアクリンカーを主原料とし

た塩基性耐火れんが。マグネシアの含有量によって
クロ・マグ,又はマグ・クロれんがといわれる[JIS 
R 2306(クロム・マグネシア質れんが)]。 

brick of combination of 

chrome ore and 
magnesite, 

chrome-magnesite 

brick 

407 

クロ・マグれんが 

化学成分がマグネシア50%未満のクロム・マグネ
シア質れんが。 

chrome-magnesite 

brick 

408 

けい石れんが 

けい石を主原料とする耐火れんが[JIS R 2303(け
い石れんが)]。 

silica brick 

409 

軽量キャスタブル耐火物 

多孔質の軽量骨材と水硬性セメントなどを混合し
た耐火物。水を混ぜて鋳込みによって施工すればそ
のまま断熱性構造物として使用できる。 

lightweight castable 

refractory 

410 

コーティング耐火物 

常温又は高温の耐火物表面に塗布しやすいような
配合に調整されている耐火物。 

coating refractory 

411 

黒鉛質耐火物 

黒鉛又は黒鉛と粘土とを主原料とした耐火物。 

graphite refractory 

412 

高アルミナ質耐火物 

アルミナ・シリカ質耐火物でアルミナの量が約45%
以上で,耐火度がSK35以上の耐火物[JIS R 2305
(高アルミナ質耐火れんが)]。 

high-alumina brick 

413 

シリマナイト質耐火物 

シリマナイト族鉱物を主原料とした耐火物。 

sillimanite refractory 

414 

ジルコン質れんが 

ジルコンを主原料とした耐火れんが。 

zircon brick 

415 

水硬性耐火モルタル 

アルミナセメントが入れてあって,水を加えれば室
温で硬化する耐火モルタル。 

hydraulic refractory  

cement,  

hydraulic setting  

refractory mortar 

416 

焼成れんが 

耐火原料を成形した後,必要な性質を持たせるため
所定の温度で焼成したれんが。 

burned brick 

417 

炭素れんが 

天然黒鉛,人造黒鉛,コークス,無煙炭などのよう
な炭素質材料を主原料とし,それにタール,ピッチ
などの結合材を使用して製造したれんが[JIS R 
7211(カーボンブロック)]と粘土質原料に黒鉛を
配合して製造したれんががある。 

carbon brick, 
carbon block 

418 

炭化けい素質れんが 

炭化けい素を主原料とした耐火れんが。 

sillicon carbide brick 

background image

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

419 

耐火モルタル 

耐火れんがを積むときの目地材料。その硬化の状態
から,熱硬性,気硬性及び水硬性の3種類の耐火モ
ルタルに分類される[JIS R 2501(耐火モルタル)]。 

refractory mortar, 
refractory cement 

420 

耐火断熱れんが 

熱伝導率の低い耐火れんが[JIS R 2611(耐火断熱
れんが)]。 

insulating firebrick 

421 

電鋳れんが 

耐火原料を電気溶融した後,所要の形状に鋳込み成
形したれんが。 

electrocast brick 

422 

ドロマイトれんが 

ドロマイトを主原料とした耐火れんが。 

dolomite brick 

423 

熱硬性耐火モルタル 

高温でセラミックボンドによって硬化する耐火モ
ルタル。 

heat-setting refractory  

mortar 

424 

粘土質耐火れんが 

耐火粘土又はろう石など,これと類似の化学成分を
もつ耐火原料を主原料とした耐火れんが[JIS R 
2304(粘土質耐火れんが)]。 

fireclay brick 

425 

タールドロマイトれんが 

組成鉱物として相当量の酸化カルシウムを含み,こ
のため消化性はあるが,れんが又はれんがを構成す
る粒子をタールで被覆することによって,物理的に
消化速度を遅くしたドロマイトれんが。 

tar dolomite brick 

426 

半けい石れんが 

けい酸を約70〜90%含むアルミナ・シリカ質の耐
火れんが。 

semi-silica brick 

427 

フォルステライトれんが 

フォルステライトを主体の構成鉱物とした塩基性
れんが。 

forsterite brick 

428 

プラスチック耐火物 

耐火性骨材に可塑性のある材料を加え,更に適当な
水を混ぜてねり土状にした耐火物。比較的低温で硬
化させるように化学薬品を添加したものもある。 

plastic refractory, 
moldable refractory 

429 

不焼成れんが 

耐火原料に化学結合剤を添加して成形し,焼成せず
に必要な性質を出すようにした耐火れんが。 

unburned brick 

430 

マグ・クロれんが 

化学成分がマグネシア50%以上のクロム・マグネ
シア質れんが (JIS R 2306)。 

magnesite-chrome 

brick 

431 

マグネシアれんが 

マグネシアクリンカーを主原料とした耐火れんが。 magnesite-brick 

432 

ムライト質耐火物 

ムライトを主成分とした高アルミナ質耐火物。 

mullite refractory 

433 

メタルケースれんが 

鉄板で包み,焼成しないで使用する耐火れんが。 

metal cased brick 

434 

ラミング耐火物 

熱の影響によってセラミックボンドができ強度を
だす粒状耐火物。 

ramming refractory 

435 

ろう石れんが 

ろう石(主成分は,パイロフィライト)を主原料と
したアルミナ・シリカ系耐火れんが。 

Roseki firebrick 

436 

塩基性耐火物 

一般式ROで示される耐火物で,マグネシア,カル
シア等を主成分とする耐火物。 

basic refractory 

437 

ケミカルボンド耐火物 

構成耐火物粒子が互いに化学薬品で結合された耐
火物の総称。 

chemical bonded  

refractory 

438 

酸性耐火物 

一般式RO2で示される耐火物で,シリカ等の酸性
酸化物を主成分とする耐火物。 

acid refractory 

439 

シリケートボンド耐火物 

構成耐火物粒子が互いにけい酸化塩によって焼結
された組織を持つ耐火物。 

silicate bonded  

refractory 

440 

すいわボンド耐火物 

構成耐火物粒子間を水和物で結合した耐火物の総
称。 

hydraulic bonded  

refractory 

441 

セラミックボンド耐火物 

構成耐火物粒子間をセラミックで結合した耐火物
の総称。 

ceramic bonded  

refractory 

442 

ダイレントボンド耐火物 

高耐火性粒子が互いに直接結合した組織をもつ耐
火物。特にマグネシア・クロム質耐火物でペリクレ
ーズ,スピネル等が相互に結合した耐火物。 

direct bonded  

refractory 

background image

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

443 

中性耐火物 

一般式R2O3で示される耐火物で,酸性又は塩基性
耐火物とあまり反応を起こさない耐火物。 

neutral refractory 

444 

定形耐火物 

耐火れんが及び耐火断熱れんがの総称。 

shaped refractory, 
shaped brick 

445 

不定形耐火物 

粒状又はねり土状の耐火物。 
キャスタブル耐火物,プラスチック耐火物,ラミン
グ耐火物,吹き付け耐火物,スリング耐火物,耐火
モルタル等を総称するが,耐火モルタルは,それ単
体では構造体にならないので除かれる場合がある。 

monolithic refractory, 
unshaped refractory 

446 

有機ボンド耐火物 

構成耐火物粒子間を有機結合剤で結合した耐火物。 organic bonded  

refractory 

(5) 窯炉及び耐火物の形状 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

501 

異形耐火れんが 

標準形れんがを除く他のすべての形状の耐火れん
が[JIS R 2101(耐火れんがの形状及び寸法)]。 

firebrick of  

miscellaneous shapes 

502 

内張りれんが 

直接高温に接触する窯炉の内側又は容器の内側に
張る耐火れんが。 

lining brick 

503 

裏張りれんが 

内張りれんがの外側に溶融物や高温ガスの浸透を
防ぐため,又は断熱のために張る耐火れんが若しく
は耐火断熱れんが。 

back-up lining brick,  
permanent lining 

504 

煙道 

耐火物などで構築された燃焼廃ガスを煙突又は廃
熱利用場所に導く通路。 

flue 

505 

扇形れんが 

両こば面が円心円柱面の一部を構成している形の
れんが(付図1)。 

circle brick 

506 

キュポラブロック 

キュポラの円筒状部分に適したように設計された
ブロック状の耐火物。 

cupola block 

507 

く形れんが 

並形れんが,半枚れんがなど直六面体の形状を持つ
れんが。 

rectangular firebrick,  
rectangular refractory  

shapes straight brick 

508 

スリーブれんが 

取鍋(又はとりべ)の開閉装置のロッドを保護する
円筒形のれんが(付図7)。 

sleeve brick 

509 

ストッパーヘッド 

取鍋(又はとりべ)の開閉装置のストッパーロッド
の端に用い,ノズルから出る溶融金属の流れを調節
する異形耐火れんが。 

stopper head,  
stopper,  
stopper end 

510 

せり受けれんが 

窯炉の構造においてせりアーチの両端にあって,そ
の荷重を直接受けるれんが。 

skew brick 

511 

せりアーチ 

せりだけで支持したアーチ。 

sprung arch 

512 

攻めれんが 

円筒の内張り又はアーチ形れんが積みの最後にれ
んが積みを締める目的で挿入するくさび形のれん
が。 

brick for wedge use 

513 

ゼブラ天井 

2種類の品質の耐火物。例えば,けい石れんがとク
ロム・マグネシア質れんがとを交互にしま状に張り
合わせた炉天井。 

zebra roof 

background image

10 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

514 

造塊用れんが 

製鋼において溶鋼を鋼塊にするまでの工程で使用
されるれんが。このれんがは大別して溶鋼を受けて
注入するまでに使用される取鍋(又はとりべ)関係
のれんがと,鋼塊を鋳込むために使用される定盤関
係のれんがに分類できる。取鍋関係のれんがには内
張りれんが,スリーブれんが,ストッパーヘッド,
ノズルれんがなどがあり,定盤関係のれんがには漏
斗れんが,注入管れんが,中心れんが,湯道れんが,
押湯枠れんが等がある。 

casting pit brick,  
pouring pit brick 

515 

縦ぜりれんが 

アーチ形の構築に使用する異形れんがで,最大の二
面が長さ方向に二面とも等分の角度で傾斜し,狭ま
っている形状のれんが(付図2)。 

wedge,  
end arch 

516 

タンクブロック 

タンクがまの下部の構築に使用される大形異形れ
んが。 

tank block 

517 

チェッカーれんが 

蓄熱室の格子積みに使用される長方形れんが及び
異形れんが又は熱風炉の蓄熱用に使用される穴あ
きれんが。 

checker brick,  
chequer brick 

518 

中心れんが 

注入管から溶鋼を各湯道れんがに分けるところに
使用される中空のれんが(付図8)。 

center brick,  
crown brick,  
distributor brick 

519 

注入管れんが 

漏斗れんがと定盤れんがとの間で溶鋼を通す円筒
形のれんが(付図8)。 

guide tube brick 

520 

つり壁 

いろいろの高さに外部から垂直又は斜めに懸垂し
た耐火物の壁。 

suspended wall 

521 

つりアーチ 

アーチを組んでいるれんがの一部又は全部を枠組
からつったアーチ。 

suspended arch 

522 

つりれんが 

つり金物でつれる形を持つれんが。つり壁,つりア
ーチ,つり天井などに使用される。 

hanger brick 

523 

デビル炉 

耐火度測定に使用される試験炉の一種。 

Deville furnace 

524 

取鍋(又はとりベ)れんが 溶解炉で精錬された溶解金属を受けて鋳型に鋳込

むために用いる取鍋(又はとりべ)に内張りするれ
んが(とりべれんがともいう。)(付図7)。 

ladle brick 

525 

ドームれんが 

ドーム天井のれんが積みができるように最大面及
びこば面が傾斜しているれんが(付図3)。 

dome brick 

526 

並形れんが 

標準形く形れんがの一種。寸法は国によって異なる
が,我が国では長さ230mm,幅114mm,厚さ65mm
のく形耐火れんが (JIS R 2101)。 

standard brick,  
standard shap brick 

527 

ノズル受けれんが 

取鍋(又はとりべ)の底に張るれんがで,ノズルを
その中にセットするように穴のあいた特殊な形状
をしているれんが(付図7)。 

nozzle seating block,  
well brick 

528 

ノズルれんが 

取鍋(又はとりべ)又はタンディッシュの底部に取
り付けられ,ストッパーと組み合わせて溶鋼の流出
口に用いられるれんが(付図7)。 

nozzle brick 

529 

半円アーチ 

せりアーチの一種。せりの下端が円の中心線と同じ
水準にあるアーチ。 

semi-circular arch 

530 

半枚れんが 

長さと幅は並形れんがと同じで,厚さが並形の約半
分のれんが。 

split,  
scone brick 

531 

ばち形れんが 

円形部分の構築に使用する異形れんがで,両側面が
長さ方向に二面とも等分の角度で傾斜し,したがっ
て最大二面がばち形になっているれんが(付図4)。 

key brick,  
crown brick 

background image

11 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

532 

火たて(火受け) 
(火垣き) 

炉の端部に設けたれんが壁で,燃焼を完了させ又は
燃焼室を限定する目的で設計されたもの。 

bridge wall,  
shadow wall 

533 

標準形れんが 

並形,横ぜり形,縦ぜり形,ばち形の耐火れんがの
うちJIS R 2101に規定されている標準形状のれん
が。 

standard size brick 

534 

ブルノーズれんが 

小口面とこば面との境が完全に丸められた形状の
れんが(付図5)。 

bullnose,  
jamb brick 

535 

平炉用耐火物 

鋼を製造する窯炉で融解室の下に蓄熱室を持つ一
種の反射炉である平炉に使用する耐火物。 

refractories for open  

hearth furanace 

536 

放物線形アーチ 

アーチの部分が放物線の形を持つせりアーチ。 

catenary arch 

537 

膨張代 
(ぼうちょうしろ) 

窯炉を高温度で使用するとき,れんがは熱膨張を起
こし,構造部分に応力が生じ窯炉を損傷するので,
これを防止するために縦又は横のれんが積みの中
に設けるすきまをいう。 

expansion joint 

538 

目地 
(めじ) 

れんがを積む場合,各個のれんがの接合する部分
で,通常モルタルで充てん接合する。 

joint 

539 

湯道れんが 

下注ぎのとき,中心れんがから鋳型に溶鋼を通すた
めの中空のれんが(付図8)。 

runner brick 

540 

横ぜりれんが 

アーチの形の構築に使用する異形れんがで,最大の
二面の幅の方向に二面とも等分の角度で傾斜し,狭
まっている形状のれんが(付図6)。 

arch brick 

541 

羊かん形れんが 
(ようかんがたれんが) 

並形れんがの幅を約半分に分割したような形状の
れんが。したがって両端面は,ほぼ正方形となる。 

soap,  
soap brick 

542 

ライズ 

アーチ内面の最低の部分と最高の部分との垂直距
離。 

rise 

543 

レトルト 

石炭,亜鉛,ソーダなどを加熱して蒸留又は分解さ
せるための耐火性容器。 

retort 

544 

レキュペレーター 

燃焼生成物の熱を金属又は耐火物の壁を通して,空
気又はガス等に伝達する連続的な熱交換器。 

recuperator 

545 

漏斗れんが 
(ろうとれんが) 

取鍋(又はとりべ)のノズルから出る溶鋼を定盤れ
んがに導くために注入管の上に取り付ける漏斗状
のれんが(付図8)。 

trampet brick,  
bell brick,  
funnel brick 

546 

ロータリーキルン用れんが ロータリーキルンの内張りに用いるれんが。それぞ

れの使用条件に応じて粘土質れんが,高アルミナ質
れんが及び塩基性れんがが使用される。 

rotary kiln brick 

547 

浸せきノズル 
(しんせきのずる) 

連続鋳造で,タンディッシュ内の融解金属を鋳型に
導く管状耐火れんが。 

submerged nozzle,  
imersion nozzle 

548 

スライディグノズル 

それぞれ貫通孔を持つ2枚以上のプレートれんが
を重ね合わせ,それを互いにしゅう動させて,孔を
貫通又は閉鎖させ,溶解物の排出速度を調整する機
構を持つノズル。スライドバルブ,スライディング
ゲートともいう。 

sliding gate,  
slide valve 

549 

スリング耐火物 

投射機で施工される耐火物。 

sling mass 

550 

バーナータイル 

燃焼室に燃料を吹き込む際の吹き込み口となる耐
火れんが。バーナーブロックともいう。 

bunner tile 

551 

ハブれんが, 
せきれんが 

ロータリーキルンの乾燥帯又は焼成帯に内蔵され,
燃焼物のかき混ぜによって熱効率の向上を目的に
使用する耐火れんが。 

hub brick,  
dum brick 

552 

吹き付け耐火物 

噴射装置を持つ吹き付け機で,常温又は熱間で吹き
付けられる不定形耐火物。 

spraging refractory,  
gunning refractory 

background image

12 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

553 

連続鋳造用耐火物 
(れんぞくちゅうぞうよう
たいかぶつ) 

溶融金属から金属片を連続的に鋳造する装置に用
いる耐火物。 

refractory for continous 

casting 

(6) 特性及び試験方法 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

601 

圧縮強さ 

耐火物が押しつぶされるまでに耐えうる単位面積
当たりの最大荷重[JIS R 2206(耐火れんがの圧縮
強さの試験方法)]。 

crushing strength 

602 

永久膨張, 
残存膨張 

(残存線膨張収縮率の項を参照。) 

permanent linear  

expansion,  

after-expansion 

603 

オルトンコーン 

焼成程度又は耐火度を測定するために使用する標
準の三角すい。アメリカで標準となっている温度す
い。 

Orton cone 

604 

オートクレーブ試験 

オートクレーブ中の高温,高圧の水蒸気雰囲気で耐
火物を処理し,その前後の変化を測定する試験方法
で,カルシア,マグネシア等を含む耐火物の消化の
程度の測定等に用いる[JIS R 2211(塩基性耐火れ
んがの消化性の試験方法)]。 

autoclave test 

605 

かさ比重 

耐火物の質量をそのかさ容積で割った数値をいう。
なお,かさ容積とは内部に気孔を含んだ外形の容積
をいう。 

bulk specific gravity,  
bulk density 

606 

荷重軟化点 

耐火物に一定の荷重を加えながら加熱していくと
き,所定の軟化圧縮程度に達する温度をいう[JIS R 
2209(耐火れんがの荷重軟化点の試験方法)]。 

refractoriness under  

load 

607 

乾燥収縮 

乾燥による寸法の減少。 

drying shrinkage 

608 

含水率 

耐火物に含まれる水分の質量の耐火物の質量(水分
を含んだままの値)に対する百分率[JIS R 2572(高
アルミナ質プラスチック耐火物及び粘土質プラス
チック耐火物の含水率試験方法)]。 

water content 

609 

気孔率 

耐火物に含まれる気孔容積の全容積に対する割合。
真気孔率,密閉気孔率,見掛気孔率などがある。 

porosity 

610 

強熱減量 

乾燥した材料を規定の温度条件に加熱したときの
質量減量百分率。 

loss on ignition 

611 

吸水率 

耐火物が吸水しうる水の質量のもとの質量に対す
る百分率[JIS R 2205(耐火れんがの見掛気孔率,
吸水率及び比重の測定方法)]。 

water absorption 

612 

再加熱収縮率 

[残存線膨張収縮率の項参照]。 

reheating shrinkage 

613 

残存線膨張収縮率 

耐火物を定められた温度で定められた時間加熱し
た後,常温になったときの長さの最初の長さに対す
る百分率。最初の長さよりも長くなれば残存膨張率
で表し,短くなれば残存収縮率で表す[JIS R 2208
(耐火れんがの残存線膨張収縮率の試験方法)]。 

permanent linear  

change  
(on reheating)  

614 

真比重 

耐火物にはその中に開口気孔と密閉気孔を持って
いるので,これらの気孔の影響がないように粉砕し
てから比重瓶で測定した比重 (JIS R 2205)。 

true specific gravity 

background image

13 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

615 

試験コーン 

耐火物の耐火度を測定するとき,この耐火物を用い
てゼーゲルコーンと同一の形状・寸法の三角すいを
成形し,ゼーゲルコーンと溶融状態を比較する。こ
の三角すいを試験コーンという。 

test cone 

616 

焼成収縮 

焼成による寸法の減少。 

firing shrinkage 

617 

スポーリング 

耐火物が熱衝撃,急な温度こう配の影響又は結晶転
移のための膨張差等によってき裂又ははく離する
現象。 

spalling 

618 

ゼーゲルコーン 

焼成程度又は耐火度を測定するために使用する標
準の三角すい。我が国やヨーロッパ各国などで使用
される。 

Seger cone 

619 

耐火度 

耐火物が軟化変形を起こす加熱の度合を示すもの
で,同一の加熱条件によって同一程度の変形を示す
標準ゼーゲルコーンの番号で表示する[JIS R 2204
(耐火れんがの耐火度の試験方法)]。 

refractoriness 

620 

軟化温度 

荷重軟化曲線の最高位置の温度 (JIS R 2209)。 

apparent initial  

softening 

621 

熱分析 

材料の加熱又は冷却中に起こる吸熱及び発熱反応
を測定する方法。示差法による場合もある。 

thermal analysis 

622 

熱膨張 

温度の上昇とともに寸法が増す物質の性質。この現
象は一般的に可逆的である。 

thermal expansion 

623 

引張強さ 

単位断面積当たりの限界引張り応力で,この値まで
耐火材料は破壊することなしに抵抗する。測定は指
定された条件のもとで,特に調製した試験体によっ
て行う。 

tensile strength 

624 

P. C. E 

アメリカで耐火度の表示に使用する記号。 

pyrometric cone  

equivalent 

625 

曲げ強さ 

単位断面積当たりの限界曲げ応力で,この値まで耐
火材料は破壊することなしに抵抗する。測定は指定
された条件のもとで,特に調製された試験体によっ
て行う[JIS R 2213(耐火れんがの曲げ強さの試験
方法)]。 

modulus of rupture,  
transverse strength,  
bending strength 

626 

密度 

単位容積当たりの物質の質量。 

density 

627 

密閉気孔率 

密閉気孔容積のかさ容積に対する百分率。 

sealed porosity,  
closed porosity 

628 

見掛気孔率 

開口気孔容積のかさ容積に対する百分率 (JIS R 
2205) 

apparent porosity 

629 

見掛比重 

耐火物の質量を,その見掛容積と同じ容積を持つ
4℃の水の質量で割った値。 

apparent specific  

gravity 

630 

見掛容積 

耐火物の密封気孔を含んだ容積。 

apparent solid volume 

631 

粒度分析 

粒子の混合物の割合を測るために,級別にした大き
さのものに分離する方法又はその結果。 

grain size analysis,  
particle size analysis 

632 

ワーカビリティーインデッ
クス 

プラスチック耐火物の施工又は成形のしやすさを
示す指数[JIS R 2574(粘土質プラスチック耐火物
のワーカビリチー・インデックス試験方法)]。 

workability index 

633 

安定性試験 

浸水法又は煮沸法などによって膨張性ひび割れ又
は反りの発生の有無を調べる試験。 

stability test 

634 

クリープ 

物体に応力を加えておくと,徐々に変形する現象。 creep 

635 

最高使用温度 

耐火物の使用温度域で,線変化率が規定数値の範囲
を超えない最高温度。 

maximum service  

temperature 

background image

14 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

意味 

対応英語(参考) 

636 

スラグ試験 

スラグと耐火物の高温下の反応試験。 

slag test 

637 

接着試験 

同種又は異種の物質を接合する場合,その接着剤の
性質を調べる試験。 

cement test,  
branding test 

638 

ちょう度 

耐火物関係では,液体と粉末及びコロイド等との混
合物の硬さの程度を調べるために行う試験。 

consistency 

639 

熱間線膨脹率 

耐火物が温度の上昇とともに膨脹する程度を示す
係数で,所定温度になったときの長さの最初の長さ
に対する百分率。 

rate of liner change on 

heating 

640 

フロー試験 

耐火モルタル又はキャスタブル耐火物等を水等で
ねり合わせた状態のものの平面上における広がり
の程度を決めるための試験。 

flow test 

641 

粉末度 

粉末の細かさの程度。 

fineness 

642 

粒度 

対象とする混合物についての粒子の大きさ。 

grain size 

付図1 扇形れんが 

付図2 縦ぜりれんが 

付図3 ドームれんが 

付図4 ばち形れんが 

付図5 ブルノーズれんが 

付図6 横ぜりれんが 

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15 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図7 取鍋(又はとりべ)れんが 

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16 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図8 

引用規格: 

JIS R 2101 耐火れんがの形状及び寸法 

JIS R 2204 耐火れんがの耐火度の試験方法 

JIS R 2205 耐火れんがの見掛気孔率・吸水率及び比重の測定方法 

JIS R 2206 耐火れんがの圧縮強さの試験方法 

JIS R 2208 耐火れんがの残存線膨張収縮率の試験方法 

JIS R 2209 耐火れんがの荷重軟化点の試験方法 

JIS R 2211 塩基性耐火れんがの消化性の試験方法 

JIS R 2213 耐火れんがの曲げ強さの試験方法 

JIS R 2301 クロムれんが 

JIS R 2303 けい石れんが 

JIS R 2304 粘土質耐火れんが 

JIS R 2305 高アルミナ質耐火れんが 

JIS R 2306 クロム・マグネシア質れんが 

JIS R 2501 耐火モルタル 

JIS R 2572 高アルミナ質プラスチック耐火物及び粘土質プラスチック耐火物の含水率試験方法 

JIS R 2574 粘土質プラスチック耐火物のワーカビリチー・インデックス試験方法 

JIS R 2611 耐火断熱れんが 

JIS R 7211 カーボンブロック 

17 

R 2001-1985  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

窯業部会耐火物専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

浜 野 健 也 

東京工業大学 

奥 田   博 

名古屋工業技術試験所 

新 村   明 

通商産業省生活産業局 

内 仲 康 夫 

通商産業省蕃礎産業局 

大久保 和 夫 

工業技術院標準部 

遠 藤 幸 雄 

社団法人窯業協会 

大 槻 彰 一 

耐火物協会 

石 渡   宏 

耐火物技術協会 

金 子   功 

社団法人セメント協会 

近 藤   敬 

板ガラス協会 

永 井   灑 

祉団法人日本鉄鋼連盟 

小田中 真一郎 

大阪窯業耐火煉瓦株式会社 

藤 本 章一郎 

黒崎窯業株式会祉 

鳥 谷 博 信 

川崎炉材株式会社 

滑 石 直 幸 

播磨耐火煉瓦株式会社 

堀 江 鋭 二 

イソライト工業株式会社 

西 川 泰 男 

九州耐火煉瓦株式会社 

木 地 一 郎 

丸越工業株式会社 

本 郷 靖 郎 

日本特殊炉材株式会社 

篠 原 泰 明 

新日本製鐡株式会社 

鈴 木 隆 夫 

住友金属工業株式会社 

宮 本   明 

日本鋼管株式会社 

坂 野 義 郎 

川崎製鐡株式会社 

石 田 二 郎 

大同特殊鋼株式会社 

(事務局) 

宅 間 昌 輔 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

鈴 木 清 美 

工業技術院標準部繊維化学規格課