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R 1751-6

:2013

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  記号及び単位  

3

5

  測定原理  

3

6

  器具 

3

7

  試験条件  

5

7.1

  除去量の性能試験及び除去効果への影響に対する性能  

5

7.2

  除去量の性能試験  

5

7.3

  除去効果への影響に対する性能  

6

8

  試験条件の検証  

7

8.1

  試験条件のモニタリング  

7

8.2

  小形チャンバーの気密性  

7

8.3

  小形チャンバー内の換気回数  

7

8.4

  小形チャンバー内の換気性能係数  

7

8.5

  回収率  

7

9

  小形チャンバーの準備  

7

10

  試験片  

7

10.1

  試験片の準備  

7

10.2

  試験片の前処理  

8

11

  試験方法  

8

11.1

  バックグラウンド濃度及び試験用ガスの供給  

8

11.2

  小形チャンバー内での試験片の設置  

8

11.3

  暗条件における試験  

8

11.4

  除去量の性能試験  

8

11.5

  除去効果への影響に対する性能  

8

11.6

  空気捕集  

8

12

  ホルムアルデヒドの分析  

9

13

  除去速度,ガイドライン値濃度における除去速度及び換気量換算値の算出及び結果の表現方法  

9

14

  報告書  

9


R 1751-6

:2013

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まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本ファインセラミックス協会

(JFCA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS R 1751

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

R

1751-1

  第 1 部:窒素酸化物の除去性能

JIS

R

1751-2

  第 2 部:アセトアルデヒドの除去性能

JIS

R

1751-3

  第 3 部:トルエンの除去性能

JIS

R

1751-4

  第 4 部:ホルムアルデヒドの除去性能

JIS

R

1751-5

  第 5 部:メチルメルカプタンの除去性能

JIS

R

1751-6

  第 6 部:小形チャンバーを用いたホルムアルデヒドの除去性能


   

日本工業規格

JIS

 R

1751-6

:2013

ファインセラミックス−可視光応答形光触媒材料の

空気浄化性能試験方法−第 6 部:小形チャンバーを

用いたホルムアルデヒドの除去性能

Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)-

Test method for air purification performance of photocatalytic materials under

indoor lighting environment-Part 6: Removal of formaldehyde by small

chamber method

適用範囲 

この規格は,可視光応答形光触媒を建築材料,その他の材料の表面に担持させた光触媒材料の空気浄化

性能のうち,JIS A 1901 に規定する小形チャンバーを用いて,室内環境など可視光が照射されている条件

での,ホルムアルデヒド除去性能を試験する方法について規定する。

注記  可視光応答形光触媒材料のホルムアルデヒド除去性能を試験する方法として,JIS R 1751-4 

ある。JIS R 1751-4 は可視光応答形光触媒材料の性能を高い再現性と精度で測定できるが,実

環境での効果予測に適用し難いという問題がある。この規格は,実際の室内環境を再現した使

用環境再現試験に位置づけられ,吸着などの作用によって室内のホルムアルデヒドを除去する

建築材料の試験方法である JIS A 1905-1 と高い整合性をもっている。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS A 1901

  建築材料の揮発性有機化合物(VOC)

,ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散

測定方法−小形チャンバー法

JIS A 1962

  室内空気中のホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の定量−ポンプサンプリング

JIS C 1609-1

  照度計    第 1 部:一般計量器

JIS K 0124

  高速液体クロマトグラフィー通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

JIS R 1750

  ファインセラミックス−屋内照明環境で用いる光触媒試験用光源

JIS R 1751-1

  ファインセラミックス−可視光応答形光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第 1 部:窒

素酸化物の除去性能

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態


2

R 1751-6

:2013

   

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600 及び JIS R 1751-1 によるほか,次による。

3.1 

換気回数 

単位時間当たりに小形チャンバーに供給された空気の体積

(換気量)

を小形チャンバー容積で除した値。

3.2 

換気量 

単位時間当たりに小形チャンバーに供給された空気の体積。

3.3 

試料負荷率 

試験片の表面積と小形チャンバー容積との比率。

3.4 

暗条件 

光源を点灯せず,外部の光も入射しない試験条件。通常は試験用ガスを流し,光照射下の反応と対比さ

せた測定を行う。

3.5 

換気量換算値 

光触媒材料による濃度低減効果を清浄空気の導入による換気量の増大によって達成される効果で表した

値。

3.6 

ガイドライン値 

一般居住環境における世界保健機構(WHO)の示す室内汚染物質濃度のガイドライン値。この規格では

ホルムアルデヒドを対象としており,ガイドライン値は 100 μg/m

3

3.7 

物質伝達率 

試験片とその表面を流れる雰囲気空気との間の対象物質の濃度差によって生じる物質移動の係数。

3.8 

回収率 

単位時間中に小形チャンバーに供給される既知のホルムアルデヒドの総量で,同一の単位時間中に小形

チャンバーから排出される空気中のホルムアルデヒドの総量を除した数値。

注記  回収率は,この試験方法に基づいて行った試験の精度に関する情報とされる。

3.9 

空気捕集時間 

捕集管等を用いて小形チャンバー出口からの空気を捕集する時間。

3.10 

供給濃度 

小形チャンバーに供給する試験空気の濃度。ホルムアルデヒドの標準ガス,ガス発生装置などを用いて

発生させた既知濃度ガスを用いて試験を行う。

3.11 

光照射開始 


3

R 1751-6

:2013

小形チャンバー内部に光源から光照射を開始した時点。

3.12 

経過時間(日) 

光照射開始から空気捕集の開始時点までの時間(日)

3.13 

小形チャンバー濃度 

小形チャンバー出口で測定したホルムアルデヒドの濃度。空気捕集時間中において,小形チャンバーの

出口で採取される対象物質の総量を空気捕集量で除した値。

記号及び単位 

この規格で用いる主な記号及び単位は,次による。

ρ

inte

:経過時間 t

e

におけるホルムアルデヒドの供給濃度[μg/m

3

ρ

outte

:経過時間 t

e

における小形チャンバー濃度[μg/m

3

ρ

gl

:ガイドライン値濃度[μg/m

3

L

:試料負荷率[m

2

/m

3

n

:換気回数[回/h]

q

c

:小形チャンバーの換気量[m

3

/h]

q

eq

:換気量換算値[m

3

/(h・m

2

)]

r

:単位時間,単位面積当たりの除去速度[μg/(m

2

・h)]

r

gl

:単位時間,単位面積当たりのガイドライン値濃度における除去速度[μg/(m

2

・h)]

t

e

:経過時間[時間又は日数]

A

:試験片の表面積[m

2

測定原理 

可視光応答形光触媒材料の試験片を小形チャンバーに設置し,可視光を照射することで,気相のホルム

アルデヒドは吸着及び酸化され,二酸化炭素などに変化する。ホルムアルデヒド除去性能は,除去量の性

能を測定することによって定め,ガイドライン値程度の濃度のホルムアルデヒドを含有する空気を試験建

材を設置した小形チャンバーに導き,小形チャンバーから排出される空気濃度の差異によって,試験建材

のホルムアルデヒド除去性能を測定する。

器具 

試験材料によって分解・除去されるホルムアルデヒドの除去性能を測定する際に必要な器具は,主とし

て次のとおりである。

−  小形チャンバー

−  試験片のシール材

−  空気清浄装置

−  試験用ガス供給装置

−  温度・湿度制御装置

−  積算流量計

−  光源


4

R 1751-6

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−  紫外線シャープカットフィルタ

−  空気捕集装置

−  分析装置

6.1 

小形チャンバー  この規格の小形チャンバーに適用する一般仕様及び要求事項は JIS A 1901 による。

小形チャンバーのシステムの概念図を

図 に示す。出口空気と入口空気とを循環してはならない。試験片

表面に光照射を行えるように,試験片と正対する面をガラス製とするか又は同面にガラスによる光透過部

を設ける。使用するガラスは,380 nm 以上の波長領域で光吸収の小さい石英ガラス又はほうけい(硼珪)

酸ガラスとする。

1

光源

2

紫外線シャープカットフィルタ

3

光透過部

4

照射光

5

試験片

6

温度・湿度モニタリング装置

7

供給ホルムアルデヒド

8

捕集管(捕集時)

9

小形チャンバー

10  小形チャンバー濃度

図 1−小形チャンバーの概念図 

6.2 

試験片のシール材  試験片の端部及び裏面をアルミはくなどでシールする。

6.3 

空気清浄装置  ホルムアルデヒドを含有する試験空気を調整する前の空気は,できる限り清浄な空

気が必要である。バックグラウンド濃度の上昇を防ぐために空気清浄装置を備えるか又は清浄なボンベ空

気を使用する。

6.4 

試験用ガス供給装置  小形チャンバーに供給するホルムアルデヒドを含有する空気は,標準ガス,

ガス発生装置などを用いて安定したホルムアルデヒド濃度で発生させることが望ましい。標準ガスがない

場合は,同等のものを用いる。メタノールなどの不純物が試験に影響を及ぼさない程度の低さであること

をあらかじめ確認する。

6.5 

温度・湿度制御装置  温度の制御は,小形チャンバーを必要温度に制御した恒温槽などの試験場所

に置く方法,又は小形チャンバー内を必要温度に維持する方法のいずれかによる。通常,相対湿度の制御

は,供給空気を必要湿度に維持する方法とする。

6.6 

積算流量計  小形チャンバー出口に積算流量計を設置し,小形チャンバー内の正確な換気量を測定

する。積算流量計と同等以上の性能をもつ装置を用いてもよい。


5

R 1751-6

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6.7 

光源  光源は,JIS R 1750 に規定する光源のうち,広帯域発光形蛍光ランプの普通形白色を用い,

小形チャンバーの光透過部を通して,試験片が均一に照射されるようにする。

なお,JIS R 1750 によるように,狭帯域発光形蛍光ランプの 3 波長域発光形白色(記号 EW 又は EX-W)

を用いることもできる。この際,紫外線カット条件においては,JIS R 1750 に規定する紫外線シャープカ

ットフィルタを用いて紫外線を遮断する。また,試験面での照度が 1 000 lx±50 lx となるように,小形チ

ャンバーまでの距離を調節する。照度は,試験片長さにおいて±5 %以内の範囲で一定とする。照度の測

定には,JIS C 1609-1 に規定する校正済みの照度計を用いる。照度を測定する際には,あらかじめ光源の

暖機運転を行う必要がある。また,小形チャンバーには外部の光が入射しないようにする。

なお,光源の反射板及び外部の光を遮蔽する機器は,紫外光及び可視光の吸収が小さいか又は一定のも

のとする。

6.8 

空気捕集装置  空気捕集は,小形チャンバーの入口及び出口の排気を用いる。空気捕集用分岐管を

用いる場合は,小形チャンバー入口及び出口から直接捕集する。ダクト及びチューブを介して捕集する場

合は,その間をできる限り短くし,小形チャンバーと同じ温度に保つ。小形チャンバーからの排気は,試

験場所から確実に排除する。空気捕集を二重に行うために,空気捕集用分岐管を使用することもできる。

なお,ダクト及びチューブの材質はポリテトラフルオロエチレン素材など,吸着が非常に少ないものを

用いる。

空気捕集時の空気流量が小形チャンバーの換気量よりも小さい場合は,分岐管等を用いて空気捕集中の

換気量を一定に保つ。

6.9 

分析装置  ホルムアルデヒドの分析には,高速液体クロマトグラフ(HPLC)を使用する。分析装置

は,JIS A 1962 又は JIS K 0124 に従うか,又はこれらと同等以上の精度をもつ装置を用いてもよい。

試験条件 

7.1 

除去量の性能試験及び除去効果への影響に対する性能 

試験条件は,7.2 及び 7.3 による。また,大気圧に近い状態で試験を行う。

7.2 

除去量の性能試験 

7.2.1 

温度及び相対湿度 

小形チャンバー内の温度は,標準温度状態を 28  ℃とする。相対湿度は,JIS Z 8703 の標準湿度状態を

50 %とする。小形チャンバーは,次の条件の範囲内で制御可能であるものとする。

            温度:

(28±1.0)℃    相対湿度:

(50±5)%

なお,温湿度依存性を確認するため,目的に応じてその他の温湿度条件で測定を行うことが望ましい。

試験場所の空気と小形チャンバー内との温度及び相対湿度が異なるため,小形チャンバーの中に試験片を

入れるとき,小形チャンバー内の環境に初期的な変動が観測されることがあるので,これらの変動は記録

する。温度及び相対湿度の範囲は,経時変動を示すものであり,小形チャンバー内に温度分布,湿度分布

を極力生じさせないようにする。

7.2.2 

供給空気のバックグラウンド濃度 

ホルムアルデヒドを含有する空気と混合前の清浄空気のバックグラウンド濃度は,試験に影響を及ぼさ

ない程度の低さとし,全 VOC のバックグラウンド濃度は 20  μg/m

3

以下,ホルムアルデヒドのバックグラ

ウンド濃度は 2 μg/m

3

以下とする。

なお,加湿の際に使用する純水には,影響を及ぼすような VOC,ホルムアルデヒド及び他のカルボニル

化合物が極力少ないものとする。


6

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7.2.3 

物質伝達率 

試験片表面における物質伝達率(水蒸気)を測定する。小形チャンバー内における試験片表面の物質伝

達率は,水蒸気によって測定した場合,

(15±3)m/h の範囲にあることが望ましい。

なお,物質伝達率依存性を確認するため,目的に応じてその他の物質伝達率で測定を行うことが望まし

い。

注記 1  供給濃度低減効果は,物質伝達率の影響を大きく受ける。

注記 2  物質伝達率の大小は,室内濃度,気流,試験建材の表面積の大きさで変化する。

注記 3  物質伝達率(15±3)m/h は試験建材表面を流れる雰囲気空気の風速でおおむね(0.25±0.05)

m/s に相当する。

7.2.4 

換気回数及び試料負荷率 

換気回数は,

(0.50±0.05)回/h を標準とする。試料負荷率は,

(1.1±0.1)m

2

/m

3

を標準とする。

異なる小形チャンバーから得られた結果を比較する際には,換気回数 及び試料負荷率 を同一条件と

する。

注記  定常状態では,小形チャンバー濃度は,分解・除去試験条件を設定する際のパラメータとして

選択される単位面積当たりの換気量に左右される。

7.2.5 

供給濃度 

小形チャンバーに供給するホルムアルデヒド濃度は,おおむねガイドライン値とする。

なお,目的によっては異なる濃度で試験を行うこともできる。その際は,報告書に記載する。

7.2.6 

照度 

試料面での照度は,

(1 000±50)lx で測定を行う。

なお,目的によっては異なる照度で試験を行うこともできる。その際は,報告書に記載する。

7.2.7 

紫外線カット条件 

室内環境における可視光応答形光触媒材料を想定して,紫外線カット条件を以下の JIS R 1750 に規定す

る屋内照明環境条件の 3 条件から選択する。

a) 

条件 A  屋内照明器具に,波長 400 nm よりも長波長側の光を透過するカバーが取り付けられている場

合。JIS R 1750 による Type A に指定された紫外線シャープカットフィルタを用いる。

b) 

条件 B  屋内照明器具に,波長 380 nm よりも長波長側の光を透過するカバーが取り付けられている場

合。JIS R 1750 による Type B に指定された紫外線シャープカットフィルタを用いる。

c) 

条件 C  屋内照明器具にカバーが取り付けられていない場合。紫外線シャープカットフィルタを用い

ない。この条件では,蛍光ランプから放射される僅かな紫外線放射によって励起される光触媒作用を

評価する可能性がある。このため,条件 A 又は条件 B による試験も実施しなければならない。

7.3 

除去効果への影響に対する性能 

7.3.1 

一般事項 

通常,予想される空気温度,湿度,室内含有ガスなどの各種環境因子がホルムアルデヒドの除去量の性

能に与える影響を測定することができる。ただし,この場合,各種環境因子の変動は,除去量の性能を測

定した条件に対して 1 種類だけ変動させて測定を各種環境要素ごとに行う。

7.3.2 

温度及び湿度に対する影響 

温度設定は,小形チャンバー内の温度を(23±1.0)℃及び(18±1.0)℃とする。小形チャンバー内湿度

は 7.2.1 による。供給濃度は,7.2.5 による。

湿度設定は,小形チャンバー内の相対湿度を(75±5)%及び(25±5)%とする。小形チャンバー内温


7

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度は 7.2.1 による。供給濃度は,7.2.5 による。

7.3.3 

供給濃度 

ホルムアルデヒド濃度自体の影響は,7.2.5 の供給濃度のおおむね 2 倍及び 1/2 倍で測定を行う。測定温

度及び湿度の設定は,7.2.1 による。

7.3.4 

その他の影響 

室内での存在が予想される各種干渉ガスに関しては,供給空気に含まれる各種干渉ガス濃度を変化させ

た測定を行い,試験建材のホルムアルデヒドの低減効果に与える影響を確認することができる。

試験条件の検証 

8.1 

試験条件のモニタリング 

温度,相対湿度及び換気量は,次の精度で連続的にモニタリングして記録する。

−  温度

±1  ℃

−  相対湿度

±3 %

−  換気量

±3 %

温度及び相対湿度は,入口空気又は出口空気を測定してもよい。

8.2 

小形チャンバーの気密性 

小形チャンバーの気密性は,JIS A 1901 に準じる。入口及び出口の流量の同時比較測定,又はトレーサ

ーガス希釈の測定によって,年 1 回以上の頻度で確認する。

8.3 

小形チャンバー内の換気回数 

小形チャンバー内の換気回数は,JIS A 1901 に準じる。

8.4 

小形チャンバー内の換気性能係数 

小形チャンバー内の換気性能係数の測定は,JIS A 1901 に準じる。

8.5 

回収率 

ホルムアルデヒドの回収率は,対象成分の標準ガス,ガス発生装置などを用いて発生させた既知濃度ガ

スを用いて測定する。ここで測定される濃度は,試験の際に供給する濃度と同程度であるものとする。

なお,二つ以上の小形チャンバーを直列に接続して測定してもよい。

小形チャンバーの性能は,80 %以上の平均回収率を確保できるものとする。

注記  シンク効果及び漏れがある場合,又は校正精度が低い場合は,試験で最低限必要な精度を満た

すことが困難となる。

小形チャンバーの準備 

試験を開始する前には,7.2.2 の規定を満足するよう,小形チャンバーを清浄にする。小形チャンバーの

内壁を洗浄剤で洗浄し,清浄な水で 2 回のすすぎ洗いを行う。その後試験条件にて乾燥させる。加熱処理

によって清浄化を行ってもよい。残存している化学物質を揮発させるためにオーブンで加熱処理を行う。

小形チャンバーがオーブン内に収納できない場合は,

小形チャンバー内の温度を上昇させる方法でもよい。

10 

試験片 

10.1 

試験片の準備 

JIS A 1901

によるほか,試験の準備終了後,サンプルを運搬用の包装から取り出し試験片を準備する。

試験片の端部及び裏面をアルミはくなどのシール材を用いてシールする。


8

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10.2 

試験片の前処理 

試験片の前処理を次の手順で実施する。この操作の直後に試験を開始しない場合には,密閉容器に入れ

て暗所にて保管する。

a) 

水洗  試験片を JIS K 0557 に規定する A1,A2,A3 又は A4 の水に 1 時間以上浸せき(漬)した後,

取り出して室温で風乾する。ただし,水につけることができない試験片はこの限りではない。

なお,120  ℃を上限として,物理的・化学的な変化を生じさせない範囲で試験片を加熱乾燥しても

よい。

b) 

有機物の除去  紫外線ランプを用いて 12 時間以上 24 時間未満の光照射を行う。試験片表面での紫外

線放射照度は,10∼20 W/m

2

の範囲とする。試験片の処理は,気密又はゼロガスを供給した容器内で

行う。

11 

試験方法 

11.1 

バックグラウンド濃度及び試験用ガスの供給 

新しく試験を開始する前に,空の小形チャンバーについて清浄な空気で 1 日換気を行った後でバックグ

ラウンド濃度を測定し,定量する。

なお,バックグラウンド濃度は,7.2.2 のとおりとする。

その後,ホルムアルデヒドを含む試験用ガスを小形チャンバーに供給する。試験片を設置するまでに,

少なくとも 5 回以上の換気を行う。

11.2 

小形チャンバー内での試験片の設置 

試験片は,小形チャンバーの中央部に置き,空気が試験片の吸着面上を均一に流れるようにする。小形

チャンバーを閉じ,小形チャンバーを流れる積算空気流量及び空気の漏れのないことを確かめる。

11.3 

暗条件における試験 

新しく試験を開始する際,光照射を行わない吸着過程を 1 日以上継続し,暗条件でのホルムアルデヒド

濃度を測定する。出口におけるホルムアルデヒド濃度が供給濃度に一致したと確認できる場合にはその時

点で光照射を開始してもよい。ただし,1 日後も出口におけるホルムアルデヒド濃度が供給濃度の 90 %を

下回る場合には,これを超えるまで継続する。試験片が化学吸着を行うことが明らかな場合は,出口にお

けるホルムアルデヒド濃度が供給濃度の 90 %を下回る場合でも光照射を開始してもよい。ただし,その旨

を報告書に記載する。

11.4 

除去量の性能試験 

室内空気に面する単位面積当たりの試験建材がホルムアルデヒドを空気中から除去する除去量を測定す

る。ただし,試験条件は,7.1 による。空気捕集は,11.6 によって行い,通常,光照射開始から 1 日,3 日

及び 7 日経過後に採取するものとし,追加の空気捕集を行ってもよい。試験の目的に応じて,これらの測

定日数を選んでもよい。持続性能のデータが必要な場合,空気捕集は光照射開始から 7 日経過以降も採取

する。VOC などの化学物質が放散する場合,JIS A 1901 によって放散量又は放散速度を確認する。

11.5 

除去効果への影響に対する性能 

11.4

の除去量の性能試験の条件に対し,各種環境因子を 1 種類だけ変動させて測定を各種環境要素ごと

に行う。測定条件は 7.3.1 及び 7.3.3 による。

11.6 

空気捕集 

通常,ホルムアルデヒドの捕集には JIS A 1962 による DNPH カートリッジを使用する。


9

R 1751-6

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12 

ホルムアルデヒドの分析 

DNPH カートリッジ内のホルムアルデヒドの DNPH 誘導体は,アセトニトリルを用いて溶解して脱離さ

せる。ホルムアルデヒドの分析法は,JIS A 1962 による。

13 

除去速度,ガイドライン値濃度における除去速度及び換気量換算値の算出及び結果の表現方法 

小形チャンバー入口濃度及び出口濃度を測定する。小形チャンバー換気量及び試験片表面積から除去速

度[μg/(m

2

・h)]を算出する。

(

)

A

q

r

c

te

out

te

in

/

,

,

ρ

ρ

=

  (1)

さらに,ガイドライン値濃度における除去速度[μg/(m

2

・h)]を算出する。

(

)

A

q

r

gl

c

te

out

te

in

gl

/

1

/

,

,

ρ

ρ

ρ

×

=

  (2)

光触媒材料による濃度低減効果を清浄空気の導入による換気量の増大によって達成される効果で表した

換気量換算値[m

3

/(h・m

2

)]を算出する。計算値の処理は,JIS Z 8401 によって小数点以下 2 桁に丸める。

(

)

A

q

q

c

te

out

te

in

eq

/

1

/

,

,

=

ρ

ρ

  (3)

14 

報告書 

試験報告書には,通常,次の内容を記載する。

a) 

一般事項 

−  この規格の番号

−  試験年月日

b) 

試験機関 

−  試験機関の名称及び所在地

−  試験責任者名

−  気温・湿度

c) 

製品に関する情報 

−  製品の種類(可能な場合は商品名)

−  試験片の選択プロセス(抜取り方法など)

−  製品の経緯(製造年月日,バッチ番号,試験機関到着日,包装から取り出した日時及び前処理の条

件など)

d) 

結果 

−  規定の経過時間におけるホルムアルデヒドの除去速度,ガイドライン値濃度における除去速度及び

換気量換算値

−  暗条件での供給濃度及びホルムアルデヒド濃度

e) 

試験条件 

−  小形チャンバー条件(温度,相対湿度,換気回数,物質伝達率,供給濃度,光源,紫外線シャープ

カットフィルタ及び照度)

−  試験片の面積及び試料負荷率

−  ホルムアルデヒドの空気捕集に関する情報(使用した捕集管,空気捕集量,小形チャンバーに入れ

てからの空気捕集時間の長さ及び回数など)

f) 

測定機器 


10

R 1751-6

:2013

   

−  使用した器具及び方法に関する情報(小形チャンバー,シール材・シールボックス,試験空気供給

装置,空気清浄装置,温度・湿度制御装置,積算流量計,オーブン,空気捕集装置,光源,紫外線

シャープカットフィルタ,分析装置など)

g) 

品質管理及び品質保証 

−  ホルムアルデヒドのバックグラウンド濃度及びトラベルブランク

−  ホルムアルデヒドのシンク効果を評価するための回収率データ

−  測定回数

−  複数回空気捕集を行った場合はその個々の分析結果

−  温度,相対湿度及び換気量の精度

−  品質保証の報告

h) 

追加事項 

塗材などの塗布形の試験建材に関しては,次の内容も加えて記載する。

−  試験の結果に影響を及ぼす可能性のあるその他の事項(乾燥条件,時間経過,保存,水分含有量,

表面加工など)

−  塗布量(g/m

2

−  塗布面積

−  塗布方法

参考文献 JIS A 

1905-1

  小形チャンバー法による室内空気汚染濃度低減材の低減性能試験法−第 1 部:一

定ホルムアルデヒド濃度供給法による吸着速度測定

JIS R 1751-4

  ファインセラミックス−可視光応答形光触媒材料の空気浄化性能試験方法−第

4 部:ホルムアルデヒドの除去性能