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R 1722

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  用語,記号及び定義  

2

4  試験方法の概要  

4

5  装置及び器具  

5

5.1  疲労試験機  

5

5.2  荷重伝達系(負荷ジグ)  

5

5.3  伸び計  

5

5.4  データ収集システム  

5

5.5  寸法測定器  

5

5.6  ひずみゲージ  

5

6  試験片  

6

7  試験片の準備  

8

7.1  試験片の加工  

8

7.2  試験片本数  

8

8  試験方法  

8

8.1  試験片の寸法測定  

8

8.2  試験手順  

8

8.3  試験の有効性判断  

9

9  計算 

10

9.1  破断時間  

10

9.2  損傷係数  

10

9.3  疲労試験後の残留強度  

12

9.4  試験結果の丸め方  

12

10  報告  

12

附属書 JA(参考)負荷ジグ及び試験片のアライメント評価方法  

13

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

17


R 1722

:2015

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本ファインセラミックス協会

(JFCA)及び国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から,工業標準原案を具して日本工業規

格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規

格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

1722

:2015

室温における長繊維強化セラミックス複合材料の

一定振幅下での疲労試験方法

Testing method for fatigue behavior of continuous fiber-reinforced ceramic

composites at room temperature under constant amplitude

序文 

この規格は,2014 年に第 1 版として発行された ISO 17140 を基とし,我が国の実状に合わせるため技術

的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格の内容を変更している事項で

ある。変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

長繊維強化セラミックス複合材料(炭素繊維強化炭素複合材料を含む。

)は耐熱性に優れ,各種産業分野

における高温部材として幅広く適用されている。長繊維強化セラミックスを構造部材として使用する場合

には,室温における疲労挙動が材料データ及び部品設計データとして重要になる。この規格は,セラミッ

クス複合材料の室温における疲労挙動の測定について,

客観的かつ容易に再現が可能な試験方法を提供し,

セラミックス複合材料を利用する諸工業の発展に寄与することを目的として制定された。

適用範囲 

この規格は,室温における長繊維強化セラミックス複合材料(炭素繊維強化炭素複合材料を含む。

)の一

定荷重振幅,ひずみ振幅,又は変位振幅下での引張−引張若しくは引張−圧縮繰返し疲労特性試験方法に

ついて規定する。

この方法は,一方向(1D)

,二方向(2D)及び三方向(xD)の連続繊維で強化された全ての長繊維強化

セラミックス複合材料に対する材料主軸方向の一定振幅下での疲労試験に適用できる。

注記 1  面外方向の強化繊維が垂直に配向していない場合,三方向(3D)強化ではなく,方向強化

(2<x≦3)と呼ばれることがある。

注記 2  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 17140:2014,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Mechanical

properties of ceramic composites at room temperature−Determination of fatigue properties at 
constant amplitude(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。


2

R 1722

:2015

JIS B 7502  マイクロメータ

注記  対応国際規格:ISO 3611,Geometrical product specifications (GPS)−Dimensional measuring

equipment: Micrometers for external measurements−Design and metrological characteristics(MOD)

JIS B 7721  引張試験機・圧縮試験機−力計測系の校正方法及び検証方法

注記  対応国際規格:ISO 7500-1,Metallic materials−Verification of static uniaxial testing machines−

Part 1: Tension/compression testing machines−Verification and calibration of the force-measuring 
system(MOD)

JIS B 7741  一軸試験に使用する伸び計の検証方法

JIS R 1600  ファインセラミックス関連用語 
JIS R 1656  長繊維強化セラミックス複合材料の常温における引張応力−ひずみ挙動試験方法

注記  対応国際規格:ISO 15733,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test

method for tensile stress-strain behaviour of continuous, fibre- reinforced composites at room

temperature(MOD)

JIS R 1687  長繊維強化セラミックス複合材料の高温における引張挙動試験方法

JIS R 1721  長繊維強化セラミックス複合材料の高温における圧縮特性の試験方法

注記  対応国際規格:ISO 14544,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−

Mechanical properties of ceramic composites at high temperature−Determination of compression

properties(MOD)

JIS Z 8401  数値の丸め方 
ISO 17161,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Ceramic composites−

Determination of the degree of misalignment in uniaxial mechanical tests

用語,記号及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600 及び JIS R 1721 によるほか,次による。

3.1 

平行部長さ,l(calibrated length)

試験片平行部(断面積が一様かつ最小の部分)の長さ。

3.2 

ゲージ部長さ,L(gauge length)

試験片平行部においてひずみを算出する評点間の長さ。

3.3 

初期ゲージ部長さ,L

0

(initial gauge length)

無荷重時のゲージ部長さ。

3.4 

初期断面積,A

0

(initial cross-section area)

試験温度における試験片平行部の評点間における初期断面積。表面コーティング層がある場合は,見か

けの断面積及び実効断面積の 2 種類の断面積を定義する。

3.4.1 

見かけの断面積,A

0,a

(apparent cross section area)

表面コーティング層を含む試験片の初期断面積。


3

R 1722

:2015

3.4.2 

実効断面積,A

0,e

(effective cross section area)

表面コーティング層を除いた試験片の初期断面積。

3.5 

長手方向の変量,ΔL(longitudinal deformation)

荷重下におけるゲージ部長さと初期ゲージ部長さの差(LL

0

3.6 

ひずみ,ε(strain)

長手方向の変量を,初期ゲージ部長さで除した値(ΔL/L

0

3.7 

応力,σ(stress)

試験片に加えられた荷重(外力)を初期断面積で除した値。応力には引張り及び圧縮がある。引張りを

プラス(+)

,圧縮をマイナス(−)で表記する。表面コーティング層がある場合は,見かけの負荷応力及

び実効負荷応力の 2 種類の負荷応力を定義する。

3.7.1 

見かけの負荷応力,σ

a

(apparent stress)

表面コーティング層を含む見かけの断面積,A

0,a

を用いた場合の応力。

3.7.2 

実効負荷応力,σ

e

(effective stress)

表面コーティング層を除いた実効断面積,A

0,e

を用いた場合の応力。

3.8 

一定振幅負荷(constant amplitude loading)

繰返し疲労荷重において,試験中に最大値及び最小値を一定とした負荷波形(

図 1)。

1  三角波    2  台形波    3  サイン波    4  平均値

5  最大値    6  最小値    7  振幅    8  範囲

図 1−繰返し疲労試験における波形及び用語 


4

R 1722

:2015

3.9 

応力比,R(stress ratio)

繰返し疲労試験中の 1 サイクル内における最大応力と最小応力との比。R=(最小応力/最大応力)

3.9.1 

最大応力,σ

max

(maximum stress)

1 サイクル中の最大負荷応力。

3.9.2 

最小応力,σ

min

(minimum stress)

1 サイクル中の最小負荷応力。

3.9.3 

平均応力,σ

m

(mean stress)

1 サイクル中の平均負荷応力。σ

m

=(σ

max

σ

min

)/2。

3.9.4 

応力振幅,σ

a

(stress amplitude)

1 サイクル中の最大応力と最小応力との差の 1/2。σ

m

=(σ

max

σ

min

)/2。

3.10 

最大ひずみ,ε

max

(maximum strain)

1 サイクル中の最大負荷ひずみ。

3.11 

最小ひずみ,ε

min

(minimum strain)

1 サイクル中の最小負荷ひずみ。

3.12 

平均ひずみ,ε

m

(mean strain)

1 サイクル中の平均負荷ひずみ。ε

m

=(ε

max

ε

min

)/2。

3.13 

ひずみ振幅,ε

a

(strain amplitude)

1 サイクル中の最大ひずみと最小ひずみとの差の 1/2。ε

a

=(ε

max

ε

min

)/2。

3.14 

繰返し数,N(number of cycles)

試験中に試験片が負荷された荷重サイクルの総数。

3.15 

繰返し疲労寿命,N

f

(cyclic fatigue life)

試験片が破断するまでの荷重サイクルの総数。

3.16 

破断寿命時間,t

f

(time to failure)

繰返し疲労寿命 N

f

までに要した時間。

試験方法の概要 

疲労試験機を使用して,次のいずれかの方法によって試験片に荷重を繰返し負荷し,破壊までの繰返し

疲労寿命,破断寿命時間を測定する。


5

R 1722

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a) A 法  一定の周波数において,二つの一定応力レベル間で荷重を繰返し負荷する。 
b) B 法  一定の周波数において,二つの一定ひずみレベル間で荷重を繰返し負荷する。 
c) C 法  一定の周波数において,二つの一定変位レベル間で荷重を繰返し負荷する。

ひずみ測定を行っていない場合は,破断寿命又は疲労試験後の残留強度を求める。ひずみ測定を行って

いる場合は,破断寿命又は疲労試験後の残留強度に加えて,適切な間隔で応力・ひずみデータを取得して

損傷パラメータを求める。

装置及び器具 

5.1 

疲労試験機 

疲労試験機は,油圧式又はそれに準じる試験機であり,荷重又はひずみ制御(アクチュエータ変位制御

を含む。

)が可能なものとする。

疲労試験のために設計され,試験片に負荷された荷重を測定するシステムを備えており,JIS B 7721 

規定する等級 1 以上のものを使用する。試験機の精度は,実際の試験条件においても有効でなければなら

ない。試験機は,試験周波数における繰返し数カウンターを備えていなければならない。

5.2 

荷重伝達系(負荷ジグ) 

負荷ジグは,ロードセルの測定値と,実際の試験片に負荷される荷重とが一致するようにしなければな

らない。そのために負荷ジグは,試験片に曲げ又はねじりが発生しないように,負荷方向に対して軸合わ

せ(アライメント)をする必要がある。負荷ジグ及び試験片のアライメント(軸ずれ)の評価は,ISO 17161

附属書 JA 参照)又は JIS R 1687 の附属書 で規定する方法によって実施する。測定される曲げ率の最

大値は,500×10

6

ひずみにおいて 5 %を超えてはならない。

グリップは,試験片をつかみ,荷重を負荷するために使用される。グリップは,試験片を滑らせないも

ので,かつ,負荷方向に適切な軸合わせをしなければならない。油圧グリップを使用するのが望ましい。

5.3 

伸び計 

長手方向の変形を連続的に測定する場合は,試験周波数に対応しているひずみゲージ又は伸び計を用い

る。伸び計は,JIS B 7741 に準じた等級 1 以上のものを使用する。評点となるナイフエッジの間隔が可能

な限り広い伸び計を用いることが望ましい。伸び計の直線性は,フルレンジに対して 0.15 %以下とする。

伸び計の性能は,試験中に変化してはならない。伸び計が試験片との接触点で滑らないような,また,接

触点が破壊起点とならないような最小の接触力とする。

5.4 

データ収集システム 

荷重及び変位データを記録するため,校正された記録計を使用する。デジタルデータ記録ができる機器

の使用が望ましい。

5.5 

寸法測定器 

試験片の形状測定に使用する長さ計は,0.01 mm の単位まで測定できるもの,又はこれと同等以上の目

量をもつものとする。マイクロメータは,JIS B 7502 に規定するものを使用する。

5.6 

ひずみゲージ 

ひずみゲージは,負荷ジグ及び試験片のアライメントを確認するために使用する。また,試験中の長手

方向ひずみの測定にも使用できる。いずれの場合にも,繊維束の交差のような試験片の表面における局所

的な形状などによって影響されないような十分な長さのゲージ長とする。また,ひずみ測定値が,試験片

表面状態又は接着剤によって影響されないように十分に注意しなければならない。


6

R 1722

:2015

ゲージ長は一般に,2D 及び xD 材共に,構造ユニットセル(複合材料の織物周期構造をなす最小単位)

2 単位以上の長さとする。ひずみゲージ,表面調整及び接着剤は,対象試料に対して適切な試験ができる

ように選定するのが望ましく,また,適切なひずみ記録装置を用いるのがよい。

試験片 

試験片形状は,材料及び強化体の構造,負荷方法,試験方法などを考慮して選択する。長繊維強化セラ

ミックス複合材料の寿命は応力又はひずみに大きく依存するので,試験片の形状は,平行部で破壊が発生

するように設計する必要がある。このため,

表 に示すようなダンベル形試験片を用いることが望ましい。

一方向強化(1D)複合材料の場合は,ダンベル形試験片は適切ではなく,全長が 100 mm 以上の短冊試

験片を使用する。

引張り・圧縮疲労試験を行う場合,試験片形状は座屈破壊が起こらないように決める必要がある。

注記  試験片平行部の断面積は,構造ユニットセル(複合材料の織物周期構造をなす最小単位)の 4

倍以上であることが望ましい。具体的には,平行部の幅は簡単な織物材では 3 繊維束,複雑な

織物材では構造ユニットセル 2 単位を最小とする。厚さは簡単な織物材では 3 層,複雑な織物

材では構造ユニットセル 2 単位を最小とする。

表 1−ダンベル形試験片で推奨される試験片寸法 

a)

  平行部はつかみ部へスムーズに移行。

b)

  つかみ部と平行部とは段差のないスムーズな曲面で交差している。

単位  mm

項目

寸法(2D 及び xD)

許容差

全長  l

t

≧100

±0.5

平行部長さ  l

≧30

±0.5

厚さ  d

c)

≧2

±0.2

平行部幅  W

1

d)

≧4

±0.2

つかみ部幅  W

2

d)

W

2

αW

1

α:1.2∼2)

±0.2

r 部半径  r

≧20

±2

c)

  最大厚さと最小厚さの差は 0.05 mm 以下とすること。ただし,

表面コーティングがある場合は除外する。

d)

  最大幅と最小幅の差は 0.05 mm 以下とすること。


7

R 1722

:2015

ダンベル形状に加えて

表 に示す短冊形試験片も使用できる。ただし,短冊形は,つかみ部で破断する

ことがあるので,つかみ部で破断した場合の結果を除外しなければならない。

表 2−短冊形試験片で推奨される試験片寸法 

単位  mm

項目

寸法(1D,2D 及び xD)

許容差

全長  l

t

≧100

±0.5

厚さ  d

a)

≧2

±0.5

幅  W

b)

≧6

±0.2

a)

  最大厚さと最小厚さの差は 0.05 mm 以下とすること。ただし,

表面コーティングがある場合は除外する。

b)

  最大幅と最小幅の差は 0.05 mm 以下とすること。

短冊形の場合,つかみ部での破断を避けるために,つかみ部にタブを貼り付けることが望ましい。タブ

の推奨材料としては,試験片と似た弾性率をもつ金属,セラミックスなどがある。

図 にタブの形状例を

示す。


8

R 1722

:2015

単位  mm

W:試験片幅

タブの詳細 

タブの接着例 

図 2−短冊形試験片のタブ形状例 

試験片の準備 

7.1 

試験片の加工 

母板から試験片を切り出す場合には,試験片長手方向が荷重を負荷する繊維方向と一致するよう注意す

る。また,切り出した場所・方向などを記録する。

7.2 

試験片本数 

有効試験片の本数は,各試験条件に対して 3 本以上とする。

注記  統計的な評価が要求されている場合は,合理的な本数とするのがよい。

試験方法 

8.1 

試験片の寸法測定 

試験片の中心及び初期ゲージ部長さ両端の 3 か所における寸法を室温で 0.01 mm の単位まで測定し,算

術平均によって断面積を決定する。

8.2 

試験手順 

8.2.1 

試験片の取付け 

試験機と試験片の軸とを一致させながら,試験ジグに試験片を取り付ける。曲げ,ねじりなどが負荷さ

れないように注意する。

8.2.2 

伸び計の取付け 


9

R 1722

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伸び計を使用する場合,平行部に伸び計を取り付ける。

8.2.3 

測定 

測定は,次による。

a)  試験機及びひずみ計測のための機器のゼロ調整を行う。 
b)  最大繰返し数を入力する。荷重・長手方向ひずみ(変位)の記録を開始する。

c)  A 法の場合,最大及び最小応力値を入力する。表面コーティング層がある場合は,見かけの負荷応力,

又は実効負荷応力である旨を明記する。

B 法の場合,最大及び最小ひずみ値を入力する。

C 法の場合,最大及び最小変位値を入力する。

d)  周波数及び波形を入力する。 
e)  疲労試験を開始する。

A 法の場合,荷重制御とする。 
B 法の場合,ひずみ制御とする。 
C 法の場合,アクチュエータ変位制御とする。

注記 1  試験開始直後に過負荷がないことを確認する。

注記 2  過負荷が顕著な場合は PID などの制御パラメータを変更して試験条件を決める。

注記 3  この試験の前に予備試験片で制御パラメータの設定を行うことが望ましい。

f)  伸び計を用いている場合,応力・ひずみ線図を最大繰返し数まで記録する。コンピュータ制御試験機

による計測及び制御が望ましい。全てのサイクルでデータ取得ができない場合は,データ取得サイク

ルとして,次によることが望ましい。

1)  繰返し数 10 回までは全サイクル 
2)  繰返し数 10 回を超え 100 回以下は 10 サイクルごと 
3)  繰返し数 100 回を超え 1 000 回以下は 100 サイクルごと

4)  繰返し数 1 000 回を超え 10 000 回以下は 1 000 サイクルごと 
5)  以下,1 桁増加する最初の回数ごとに,繰返し数の十分の一サイクルごととする。端数については,

1 データを取得する。

g)  試験中に試験片の温度上昇が激しい場合は,試験片(近傍)に熱電対を設置する,又はサーモグラフ

ィによって試験片表面温度を測定する。

8.3 

試験の有効性判断 

次の a)f)  の場合を除き,得られた試験結果は有効とする。

a)  試験条件が記録されていない場合。 
b)  試験条件を満足していない場合。

c)  ダンベル形試験片の場合,き裂の起点が平行部でないもの。起点が平行部であれば,き裂が r 部に進

展しても有効とする。

d)  試験片がグリップ部で滑った場合。ただし,A 法(荷重制御)に限り,正常荷重が負荷されていれば

有効とする。

また,次の場合は,損傷パラメータの試験結果は無効とする。

e)  伸び計の滑りが生じた場合。

f)  室温変動による伸び計測定値のドリフト。


10

R 1722

:2015

計算 

9.1 

破断時間 

破断時間は,式(1)によって算出する。

(

)

600

3

×

f

f

f

N

t

=

  (1)

ここに,

t

f

破断時間(

h

N

f

繰返し疲労寿命

f

試験周波数(

Hz

9.2 

損傷係数 

損傷係数は,式

(2)

によって算出する。

app

,

1

app

,

n

n

1

E

E

D

=

   (2)

ここに,

D

n

繰返し数

n

における損傷係数

E

1,app

初めの負荷におけるセカント係数

R

0

の場合,

σ

max

となる点と(

0, ε

1 residual

)となる点の勾配

とする[

図 3 a)]。

R

0

の場合,

σ

max

となる点と(

0, ε

1 residual

)となる点の勾配

とする[

図 3 b)]。

R

0

の場合,

σ

max

となる点と除荷時に

σ

min

となる点の勾配

とする[

図 3 c)]。

ε

1 residual

初めの負荷における残留ひずみ

R

0

の場合,無負荷時のひずみとする[

図 3 a)]。

R

0

の場合,無負荷時のひずみとする[

図 3 b)]。

R

0

の場合,

E

1, app

の勾配線と横軸の交点ひずみとする[

3 c)]。

E

n,app

繰返し数

n

におけるセカント係数

図 における

(σ

max

) / (ε

max

ε

n residual

)

ε

n residual

繰返し数

n

における残留ひずみ

R

0

の場合,無負荷時のひずみとする[

図 3 a)]。

R

0

の場合,

図 3 b)

における

  (ε

unl

ε

l

) / 2

とする。

R

0

の場合,

E

n,app

の勾配線と横軸の交点ひずみとする[

3 c)]。

一般に,損傷係数,最大ひずみ,残留ひずみは,繰返し数に対してプロットされる。

図 3 a)∼図 3 c)

に,

繰返し疲労における三つのケースについて示す。


11

R 1722

:2015

a)  R

b)  R

c)  R

1  1 サイクル

2  n サイクル

ε

l

  負荷ひずみ

ε

unl

  無負荷ひずみ

E

0

  初期弾性率

図 3−疲労試験における応力ひずみ線図 

E

1 app

E

n app


12

R 1722

:2015

9.3 

疲労試験後の残留強度 

疲労試験中に破断しなかった場合,試験片に対して JIS R 1656 に基づいた引張り試験を行い,残留強度

を測定する。

9.4 

試験結果の丸め方 

破断時間,損傷係数及び疲労試験後の残留強度に関する各試験結果は個々に算出し,JIS Z 8401 によっ

て有効数字

3

桁に丸める。

10  報告 

試験結果報告書には,次の項目を記載する。

なお,受渡当事者間の協議によって,報告事項を取り決めてもよい。

a)

この規格の番号(JIS R 1722 を使用した旨の記述)

b)

試験実施機関の名称及び住所

c)

試験年月日,報告・ページに対する番号付け,顧客の名称,住所,及び署名(調印)

d)

試験片の形状(図面,規格品)

e)

試験材料に関する記述(材料,製造番号,バッチ番号,試験片準備工程に関する記述。表面加工をし

た場合は,加工面の表面粗度)

f)

試験片のセット・アップに関する記述(グリップ方式,荷重方式,伸び計及びひずみゲージの形式,

荷重の伝達方式)

g)

周波数(

Hz

h)

波形

i)

最大及び最小応力(

A

法)  表面コーティング層がある場合は,見かけの負荷応力,又は実効負荷応

力である旨を明記する。

j)

最大及び最小ひずみ(

B

法)

k)

最大及び最小変位(

C

法)

l)

繰返し疲労寿命及び破断時間。破断せずに打切りをした場合は,繰返し数

m)

疲労試験後の残留強度(実施した場合)  表面コーティング層がある場合は,見かけの負荷応力,又

は実効負荷応力である旨を明記する。

n)

試験した試験片数,及び有効試験数

o)

損傷係数(測定した場合)

p)

記録した全ての試料の破壊位置

q)

試験中に試験片の温度上昇が激しい場合は必要に応じてその温度

r)

試験場所又は試験室の温度,雰囲気(大気中,真空中)

,相対湿度


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R 1722

:2015

附属書 JA

(参考)

負荷ジグ及び試験片のアライメント評価方法

この附属書は,ISO 17161 を要約して,負荷ジグ及び試験片のアライメント評価方法の概要を示す。

JA.1  装置及び器具 

対象とする疲労試験に使用する試験機,つかみジグ,並びに

図 JA.1 及び表 JA.1 に示す参照試験片を用

意する。参照試験片の材料は,適切な強度をもつ鋼材とする。長方形断面をもつ参照試験片に対して,

JA.1 に示すように

8

枚のひずみゲージを接着する。このうち,位置

E

には,試験片長手方向及び±

45

°の

3

軸からなる

3

軸ひずみゲージ(ロゼッタゲージ)を貼付する。その他の

7

枚は単軸ゲージとし,いずれ

も試験片長手方向に対して平行に貼付する。ひずみゲージのセンサー部は,長さ

4 mm

以下×幅

2 mm

下とする。また,ひずみゲージは,参照試験片のエッジから

2 mm

以上離れた場所に接着する。

単位  mm

図 JA.1−参照試験片の形状及びひずみゲージ貼付位置 


14

R 1722

:2015

表 JA.1−参照試験片の形状 

単位  mm

項目

寸法

許容差

試験片全長,L

200

平行部長さ(チャック間長さ)

l

100

±0.1

厚さ,h

4

±0.1

平行部の幅,b

18

±0.1

ひずみ測定の精度は,読取値の誤差

0.5 %

以内又は

3

×

10

6

ひずみ以内,分解能は

1

×

10

6

ひずみ以下で

なければならない。参照試験片に対して,ロードセルの最大容量の

10 %

に該当する荷重を負荷する。その

ため,参照試験片に用いた材料の降伏応力は,この時に負荷する応力の

2

倍以上でなければならない。

JA.2  試験手順 

それぞれの場所に貼付されたひずみゲージの測定値から,

図 JA.2 に示すような曲げ成分

C

,曲げ成分

S

及びねじり成分を次によって評価する。

a)  曲げ成分 C

b)  曲げ成分 S

c)  ねじり成分

図 JA.2−アライメント(軸ずれ)の成分 

a)  ねじり成分の評価  はじめに参照試験片をチャックし,位置

A

及び位置

B

のひずみ測定値から参照試

験片の長手方向と試験機の荷重軸が平行であることを確認する。

次に,試験片に引張り荷重を付与し,位置

E

の±

45

°方向ひずみから(

ε

45,E

ε

45,E

)を計算し,

JA.3 を用いてねじり成分の偏差角度

ϕ

を求める。この値が要求値を満足していない場合は,グリップ

を調整する。上記の手順を,要求値を満足するまで繰返し実施する。

b)  曲げ成分 の評価  参照試験片に引張り荷重を付与する。位置

D

及び位置

E

の長手方向ひずみから

ε

1,D

ε

1,E

)を計算し,

図 JA.4 を用いて曲げ成分

C

の偏差角度

θ

を求める。この値が要求値を満足し

ていない場合は,グリップを調整する。上記の手順を,要求値を満足するまで繰返し実施する。

c)  曲げ成分 の評価  参照試験片に引張り荷重を付与する。位置

A

B

C

F

G

H

の長手方向ひず

みから(

ε

1,A

ε

1,B

2

×

ε

1,F

)及び(

ε

1,H

ε

1,G

2

×

ε

1,C

)を計算し,

図 JA.5 を用いて曲げ成分

S

の偏差距

d

を求める。この値が要求値を満足していない場合は,グリップを調整する。上記の手順を,要求

値を満足するまで繰返し実施する。

d)  最終確認  参照試験片に対して,

500

×

10

6

ひずみ又は材料の降伏応力の

50 %

までの荷重を負荷し,


15

R 1722

:2015

長手方向のひずみ(軸方向ひずみ)を測定する。上述の方法によって,曲げ成分

C

,曲げ成分

S

の評

価及び修正を行う。また,曲げ率を次の式によって計算する。

曲げ率=(曲げひずみ)

/

(軸方向ひずみ)×

100

%

JA.3  試験評価手順 

以上の作業が終了したら,参照試験片を

180

°裏返して,再度同じ手順でねじり成分,曲げ成分

C

,曲

げ成分

S

を評価し,アライメントを調整する。

図 JA.3−ねじり成分の偏差角度 ϕ と位置 における 

ひずみ偏差(ε

45,E

ε

45,E

)との関係 

図 JA.4−曲げ成分 の偏差角度 θ とひずみ偏差(ε

1,D

ε

1,E

)との関係 


16

R 1722

:2015

図 JA.5−曲げ成分 の偏差距離 とひずみ偏差(ε

1,A

ε

1,B

2×ε

1,F

 

及び(ε

1,H

ε

1,G

2×ε

1,C

)との関係 


17

R 1722

:2015

附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS R 1722:2015  室温における長繊維強化セラミックス複合材料の一定振幅下で
の疲労試験方法

ISO 17140:2014,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−
Mechanical properties of ceramic composites at room temperature−Determination of 
fatigue properties at constant amplitude

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格
番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと

の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的

差異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適用範囲

炭素繊維強化炭素複合
材料を含む長繊維強化

セラミック複合材料に

ついての室温における
疲労試験について規定

1

長 繊 維 強 化 セ ラ ミ ッ
ク 複 合 材 料 の 常 温 疲

労試験について規定

追加

炭素繊維強化炭素複合材料は我が
国での使用が多く,本試験方法を適

用することが妥当であるため,JIS

は炭素繊維強化炭素複合材料を追
加した。

我 が 国 の 実 状 に 合 わ せ た も の
で,実質的な差異はない。

国際規格見直しの際に,提案す

る。

2  引用規格

3  用語,記
号及び定義

用語,記号及び定義につ

いて規定

3

JIS とほぼ同じ

追加

3.7  応力について補足説明を追加し
た。

用語の補足説明であることから

実質的な差異はない。

4  試験方法
の概要

試験方法について規定

4

JIS とほぼ同じ

追加

アクチュエータによる変位制御を C

法として追加した。

国際規格見直しの際に,提案す

る。

5

試 験 の 重 要 性 に つ い
て記載

削除

本体から削除した。

この規格では,不要なため削除
した。

5  装置及び
器具

装置及び器具について

規定

6

JIS とほぼ同じ

追加

5.6  ひずみゲージについて規定し
た。

室温では,ひずみゲージを用い

ることも考えられ追加したもの

で,実質的な差異はない。

6  試験片

試験片の形状について
規定

7

JIS とほぼ同じ

変更

平行部で破壊する試験片形状を用
いることを記載

国際規格見直しの際に,提案す
る。

JIS とほぼ同じ

追加

JIS では,形状自由度が少ないため,
短冊形を追加。併せてタブ形状も追

国際規格見直しの際に,提案す

る。

17

R

 172

2


2

015


18

R 1722

:2015

(I)JIS の規定

(II)

国際

規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的
差異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

7  試験片の
準備

試験片の加工,本数につ

いて規定

8

一致

8  試験方法

試験方法について規定

9

JIS とほぼ同じ

追加

JIS で追加した C 法についての試験
方法を追加した。

国際規格見直しの際に,提案す
る。

9  計算

計算方法について規定

10

追加

試験結果の丸め方を追記。

国際規格見直しの際に,提案す

る。

10  報告

報告する項目について

規定

11

JIS とほぼ同じ

追加

ユーザーへの便宜のため,報告事項

を受渡当事者間の協議によって取
り決めてもよいことを追記した。

国際規格見直しの際に,提案す

る。

f)  試験片のセット・ア
ップに関する記述

JIS とほぼ同じ

追加

ひずみゲージの形式を追記した。

室温では,ひずみゲージを用い

ることも考えられ追加したもの

で,実質的な差異はない。

k)  最大及び最小変位(C
法)

JIS とほぼ同じ

追加

JIS で追加した C 法についての報告
項目を追加した。

国際規格見直しの際に,提案す

る。

q)  試験片の温度上昇

追加

有益な情報であることから,ISO 
格にはない項目を追加した。

国際規格見直しの際に,提案す
る。

r)  試験室の環境

追加

有益な情報であることから,ISO 
格にはない項目を追加した。

国際規格見直しの際に,提案す
る。

附属書 A

疲 労 損 傷 及 び ク リ ー

プ損傷について記載

削除

本体から削除した。

記載内容が高温疲労で起こる現

象についての記載であることか

ら,この規格から削除した。

附属書 JA 
(参考)

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 17140:2014,MOD

18

R

 172

2


2

015


19

R 1722

:2015

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

19

R

 172

2


2

015