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R 1706:2013

(1)

目  次

ページ

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  用語及び定義  

2

4  試験に用いるバクテリオファージ及び細菌株  

3

5  試験の準備  

3

5.1  細菌等の取扱い時の条件  

3

5.2  薬品,材料及び器具  

3

5.3  殺菌方法  

5

5.4  培地など  

5

5.5  精製バクテリオファージ液  

6

6  試験片  

7

6.1  試験片の採取  

7

6.2  試験片の清浄化  

7

6.3  試験片の設置  

7

7  抗ウイルス性試験  

8

7.1  大腸菌の準備  

8

7.2  バクテリオファージ液の調製 

9

7.3  試験液の接種  

9

7.4  試験片の光照射  

10

7.5  試験液を接種した試験片の暗所での保存  

11

7.6  バクテリオファージ感染価の測定  

11

8  試験結果の計算  

12

8.1  試験成立条件の判定  

12

8.2  単味光触媒抗ウイルス加工材料又は 

    ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の抗ウイルス活性値の計算  

13

8.3  単味光触媒抗ウイルス加工材料又は 

    ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による効果の計算  

13

8.4  ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の暗所での効果の計算  

14

9  試験結果の報告  

14

附属書 A(参考)インフルエンザウイルス及びバクテリオファージ Qβ に対する光触媒の効果比較結果 

16

附属書 B(参考)液体培養による精製バクテリオファージ液の調製方法  

17

附属書 C(参考)平板培地を用いた精製バクテリオファージ液の調製方法  

19


 
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(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本ファインセラミックス協会

(JFCA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の

審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格     

JIS

 R

1706

:2013

ファインセラミックス−

光触媒材料の抗ウイルス性試験方法−

バクテリオファージ Qβ を用いる方法

Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)-

Determination of antiviralactivity of photocatalytic materials-

Test method using bacteriophage Q-beta

適用範囲 

この規格は,光触媒を含有する抗ウイルス加工材料のバクテリオファージ Qβ を用いた試験方法につい

て規定する。

なお,この規格においては,波長 300〜380 nm の紫外線領域で効果を示す光触媒を対象としている。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050  化学分析方法通則

JIS K 0557  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 0950  プラスチック製滅菌シャーレ

JIS K 0970  ピストン式ピペット

JIS K 3800  バイオハザード対策用クラス II キャビネット

JIS K 8101  エタノール(99.5)(試薬)

JIS K 8122  塩化カルシウム二水和物(試薬)

JIS K 8150  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8180  塩酸(試薬)

JIS K 8263  寒天(試薬)

JIS K 8576  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8824  D(+)−グルコース(試薬)

JIS K 9017  りん酸水素二カリウム(試薬)

JIS P 3801  ろ紙(化学分析用)

JIS R 1600  ファインセラミックス関連用語

JIS R 1702  ファインセラミックス−光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果

JIS R 1709  ファインセラミックス−紫外線励起形光触媒試験用光源

JIS R 3505  ガラス製体積計



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JIS R 3644  ガラス管類

JIS R 3645  ガラス棒

JIS Z 8802  pH 測定方法

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600 及び JIS R 1702 によるほか,次による。

3.1

抗ウイルス

材料の表面におけるウイルスの活性(感染能)を抑制する状態。

3.2

バクテリオファージ

細菌に感染するウイルスの一種。

注記 1  この規格で用いるバクテリオファージは,大腸菌の F 繊毛に特異的に感染する RNA ファー

ジ,Qβ である。バクテリオファージ Qβ は,ヒトへの病原性はなく,また,ヒトに感染する

こともないが,ヒトに感染する病原性ウイルスの代用として使用できる。

注記 2  参考として,インフルエンザウイルス及びバクテリオファージ Qβ に対する光触媒の効果を

比較したデータを,

附属書 に示す。

3.3

バクテリオファージ感染価

細菌に感染して増殖可能なバクテリオファージ粒子の数。細菌に感染して形成するプラークの数[プラ

ーク形成単位(plaque forming unit)

,以下,pfu という。

]と同じ。

3.4

光触媒抗ウイルス加工

光触媒の抗ウイルス機能を利用するために,光触媒で抗ウイルス加工すること。単味光触媒抗ウイルス

加工及びハイブリッド光触媒抗ウイルス加工に分類される。

3.5

単味光触媒抗ウイルス加工

光触媒抗ウイルス加工のうち,塗布,含浸,練り込みなど種々の方法によって光触媒を担持すること。

また,光照射下での光触媒の抗ウイルス性を増強するために,光触媒と抗ウイルス性のない他の機能性物

質を組み合わせた材料とを担持することも含む。

3.6

ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工

光触媒抗ウイルス加工のうち,光が当たらない環境においても抗ウイルス機能を発現させるために,光

触媒と抗ウイルス性のある他の機能性物質とを組み合わせた材料を塗布,含浸,練り込みなど種々の方法

によって担持すること。

3.7

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の抗ウイルス活性値

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料及び無加工品にバクテリオ

ファージを接種し,光照射後のバクテリオファージ感染価を測定し,無加工品のバクテリオファージ感染

価の対数値と単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工した材料のバクテリオフ


3

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ァージ感染価の対数値との差。この値には,光を照射しない条件で得られるバクテリオファージ感染価の

減少分も含まれる。

3.8

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による効果

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料にバクテリオファージを接

種し,光照射後のバクテリオファージ感染価と暗所に置いた後のバクテリオファージ感染価とを測定し,

暗所に置いた後のバクテリオファージ感染価の対数値と光照射後のバクテリオファージ感染価の対数値と

の差。

3.9

ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の暗所での効果

ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料及び無加工品にバクテリオファージを接種し,暗所に置いた後

のバクテリオファージ感染価を測定し,無加工品のバクテリオファージ感染価の対数値とハイブリッド光

触媒抗ウイルス加工材料のバクテリオファージ感染価の対数値との差。

試験に用いるバクテリオファージ及び細菌株 

試験に用いる次のバクテリオファージ及び細菌株は,World Federation for Culture Collections(世界微生物

株保存連盟)又は日本微生物資源学会に加入している機関において保存されている

表 に示す同一系統の

株を使用する。

a)  バクテリオファージ Bacteriophage Q-beta) 
b)  エシェリヒア・コリー(Escherichia coli):大腸菌

表 1−試験に用いる株

細菌等の種類

保存番号

保存機関名

バクテリオファージ  Qβ

(Bacteriophage Q-beta)

NBRC 20012

独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生

物遺伝資源部門

エシェリヒア・コリー

Escherichia coli

ATCC 23631-B1

American Type Culture Collection (ATCC)

DSM 13768

German Collection of Microorganisms and Cell Cultures (DSMZ)

NBRC 106373

独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジー本部生
物遺伝資源部門

試験の準備 

5.1 

細菌等の取扱い時の条件 

バイオセーフティレベル 1 に必要な設備が用意された実験室で試験する。

注記  ハザードレベル及び必要な設備については,国立感染症研究所病原体等安全管理規程などを参

考にする。

5.2 

薬品,材料及び器具 

試験に用いる薬品,材料及び器具は,特に指定がない限り,次による。

なお,試験管,フラスコ,ピペット,ピンセットなどは,アルカリ又は中性洗剤で丁寧に洗浄し,水で

十分すすぎ,乾燥してから乾熱殺菌又は高圧蒸気殺菌したものを用いる。

5.2.1

塩化カルシウム二水和物(CaCl

2

2H

2

O)  JIS K 8122 に規定する特級のもの。

5.2.2

精製水  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 に適合するもの。



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5.2.3

カゼイン製ペプトン  微生物試験用のもの。

5.2.4

酵母エキス  微生物試験用のもの。

5.2.5

肉エキス  微生物試験用のもの。

5.2.6

ペプトン  微生物試験用のもの。

5.2.7

塩化ナトリウム(NaCl)  JIS K 8150 に規定する特級のもの。

5.2.8

水酸化ナトリウム(NaOH)  JIS K 8576 に規定する特級のもの。

5.2.9

塩酸(HCl)  JIS K 8180 に規定する特級のもの。

5.2.10  寒天  ゼリー強度が 400〜600 g/cm

2

で,JIS K 8263 に規定する特級又は微生物試験用のもの。

5.2.11  大豆製ペプトン  微生物試験用のもの。 
5.2.12  レシチン  微生物試験用のもの。 
5.2.13  グルコース  JIS K 8824 に規定する特級のもの。 
5.2.14  りん酸水素二カリウム(K

2

HPO

4

)  JIS K 9017 に規定する特級のもの。

5.2.15  綿栓  青梅綿を使用した栓,又はシリコン栓,金属栓,モルトン栓など。 
5.2.16  エタノール(C

2

H

5

OH)  JIS K 8101 に規定する特級のもの。

5.2.17  シャーレ  内径約 90 mm のガラス製,又は JIS K 0950 に規定する 90A 号又は 90B 号に適合するも

の。

5.2.18  乾熱殺菌器  温度を 160〜180  ℃に保てるもの。 
5.2.19  オートクレーブ  温度 121  ℃(圧力 103 kPa 相当)に保てるもの。 
5.2.20  安全キャビネット  JIS K 3800 に適合又は同等の性能をもつもの。 
5.2.21  分光光度計  波長 340〜660 nm の範囲で測定可能なもの。 
5.2.22  白金耳  先端のループが約 4 mm のもの。 
5.2.23  培養器  温度±1  ℃に保てるもの。 
5.2.24  恒温水槽  温度±1  ℃に保てるもの。 
5.2.25  ガラス板  微生物の発育に影響を及ぼさない材質のもの。 
5.2.26  ピペット  JIS K 0970 若しくは JIS R 3505 のクラス A に適合するもの又は同等の精度をもつもの。 
5.2.27  試験管ミキサー  微生物試験用のもの。 
5.2.28  化学はかり  JIS K 0050 に規定する化学はかり又は同等の性能をもつもの。 
5.2.29  pH 計  JIS Z 8802 に適合するもの。 
5.2.30  ストマッカー袋  微生物試験用のもの。 
5.2.31  密着フィルム  JIS R 1702 に規定するもの。 
5.2.32  保湿用ガラス  JIS R 1702 に規定するもの。 
5.2.33  保存シャーレ  内径約 90 mm の JIS K 0950 に規定する 90A 号又は 90B 号に適合するもの。 
5.2.34  調湿用ろ紙  JIS P 3801 に規定する微生物の発育に影響を及ぼさないろ紙で,試験片を置く容器に

入るよう切断したもの。

5.2.35  ガラス管・ガラス棒  JIS R 3644 に規定するガラス管又は JIS R 3645 に規定するガラス棒を試験片

を置く容器に入るよう切断したもの。

5.2.36  紫外線蛍光ランプ  JIS R 1709 に規定する波長 351 nm にピーク放射をもつブラックライトブルー

ランプ(BLB ランプ)で,20 W 形のランプ。

5.2.37  光照射装置  JIS R 1702 に規定する光照射装置。 
5.2.38  紫外放射照度計  JIS R 1709 に規定する紫外放射照度計。


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5.2.39  金属製遮光板  JIS R 1702 に規定する金属製遮光板。 
5.2.40  暗箱  JIS R 1702 に規定する,容器内の紫外放射照度が 0.001 mW/cm

2

未満の蓋の付いたもの。

5.3 

殺菌方法 

5.3.1 

乾熱殺菌 

殺菌しようとするものを,160〜180  ℃の乾熱殺菌器に入れ,30〜60 分間保つ。ただし,乾熱殺菌終了

後,殺菌対象物の綿栓,包装紙などが水でぬれたときは,その器具は用いてはならない。

5.3.2 

高圧蒸気殺菌 

オートクレーブに水を入れ,殺菌しようとするものを金網かごに入れてオートクレーブの棚に載せる。

オートクレーブの蓋を締めて加熱し,温度 121  ℃(圧力 103 kPa 相当)に 15〜20 分間保つ。加熱を止め,

100  ℃以下に自然冷却後,排気弁を開き蒸気を抜き去り,蓋を開け殺菌したものを取り出し,必要に応じ

て安全キャビネット内で冷却する。オートクレーブは,培地,加工薬剤などによる汚染を防ぎ,清浄に保

つため,必要に応じ中性洗剤で洗浄し,水で十分にすすぐ。

5.3.3 

火炎殺菌 

殺菌しようとするものをガス又はアルコールの火炎に当てる。白金耳の場合は十分に赤熱し,試験管の

場合は 2〜3 秒間火炎に当てる。

5.4 

培地など 

培地などは,次に示す組成のものを用いる。また,同一の組成のものであれば,市販品を用いることが

できる。

5.4.1

0.2 mol/l  カルシウム水溶液  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで塩化カルシウム二水和物 29.40

g を計量し,ガラス製ねじ口瓶に入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,高圧蒸気殺菌する。調製後,

直ちに使用しないものは 5〜10  ℃の温度で保存する。調製後,6 か月以上過ぎた 0.2 mol/l  カルシウム水溶

液は用いてはならない。

5.4.2

カルシウム添加 LB 培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりでカゼイン製ペプトン 10.0 g,酵母

エキス 5.0 g と塩化ナトリウム 10.0 g を計量し,

フラスコに入れて混合し,

内容物を十分に溶解した後,

pH7.0

±0.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液で調整した後,ガラス製ねじ口瓶に入れて高圧蒸気殺

菌する。高圧蒸気滅菌した培地が 60  ℃以下に下がったことを確認した後,5.4.1 の 0.2 mol/l  カルシウム水

溶液を 10 ml 添加し,混合して作製する。調製後,直ちに使用しないものは 5〜10  ℃の温度で保存する。

調製後,1 か月以上過ぎたカルシウム添加 LB 培地は用いてはならない。

5.4.3

カルシウム添加 LB 寒天平板培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりでカゼイン製ペプトン 10.0

g,酵母エキス 5.0 g と塩化ナトリウム 10.0 g を計量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解し

た後,pH7.0±0.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整する。これに化学はか

りで計量した寒天粉末 15.0 g を加え,沸騰する水浴中で加熱して内容物を十分に溶解した後,綿栓をして

高圧蒸気殺菌する。高圧蒸気滅菌した培地が 60  ℃以下に下がったことを確認した後,5.4.1 の 0.2 mol/l  カ

ルシウム水溶液を 10 ml 添加し,混合する。この培地を 5.2.17 のシャーレに 15〜20 ml 程度分注して平板

培地を調製する。調製後,直ちに使用しないものは 5〜10  ℃の温度で保存する。調製後,14 日以上過ぎた

カルシウム添加 LB 寒天平板培地は用いてはならない。

5.4.4

カルシウム添加 LB 軟寒天培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりでカゼイン製ペプトン 15.0 g,

酵母エキス 7.5 g と塩化ナトリウム 15.0 g を計量し,

フラスコに入れて混合し,

内容物を十分に溶解した後,

pH 7.0±0.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整する。これに化学はかりで計

量した寒天粉末 10.0 g を加え,沸騰する水浴中で加熱して内容物を十分に溶解した後,綿栓をして高圧蒸



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気殺菌する。高圧蒸気滅菌した培地が 60  ℃以下に下がったことを確認した後,5.4.1 の 0.2 mol/l  カルシウ

ム水溶液を 15 ml 添加し,混合して作製する。調製後,直ちに使用しないものは 5〜10  ℃の温度で保存す

る。調製後,1 か月以上過ぎたカルシウム添加 LB 軟寒天培地は用いてはならない。

5.4.5

LB 寒天斜面培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりでカゼイン製ペプトン 10.0 g,酵母エキス

5.0 g と塩化ナトリウム 10.0 g を計量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pH7.0±

0.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整する。これに化学はかりで計量した

寒天粉末 15.0 g を加え,沸騰する水浴中で加熱して内容物を十分に溶解する。これを,試験管に約 10 ml

注ぎ,

綿栓をして高圧蒸気殺菌し,

殺菌終了後,

清浄な室内に試験管を水平面に対して約 15 度傾けて置き,

内容物を凝固させる。調製後,直ちに使用しないものは 5〜10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上

過ぎた LB 寒天斜面培地は用いてはならない。

5.4.6

1/500 濃度普通ブイヨン培地(以下,1/500 NB という。)  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで肉

エキス 3.0 g,ペプトン 10.0 g と塩化ナトリウム 5.0 g を計量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十分

に溶解した後,pH7.1±0.1(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整する。これを

精製水で 500 倍に希釈し,pH6.8〜7.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,

必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しな

いものは 5〜10  ℃の温度で保存する。調製後,1 週間以上過ぎた 1/500 NB は用いてはならない。

5.4.7

SCDLP 培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりでカゼイン製ペプトン 17.0 g,大豆製ペプトン

3.0 g,塩化ナトリウム 5.0 g,りん酸水素二カリウム 2.5 g,グルコース 2.5 g とレシチン 1.0 g を計量し,フ

ラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解し,更に,化学はかりで計量した非イオン界面活性剤 7.0 g

を加えて溶解した後,pH7.0±0.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,必

要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しない

ものは 5〜10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎた SCDLP 培地は用いてはならない。

5.4.8

ペプトン加生理食塩水  精製水 1 000 ml に対して化学はかりでカゼイン製ペプトン 1.0 g と塩化ナ

トリウム 8.5 g を計量し,フラスコに入れて十分に溶解し,pH7.0±0.1(25  ℃)になるように水酸化ナト

リウム溶液又は塩酸溶液で調整する。必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,

高圧蒸気殺菌する。

調製後,直ちに使用しないものは 5〜10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎたペプトン加生理

食塩水は用いてはならない。

5.5 

精製バクテリオファージ液 

所定の方法によって,調製直後のバクテリオファージ感染価が 1.0×10

11

 pfu/ml 以上の精製バクテリオフ

ァージ液を準備する。ただし,バクテリオファージ液 1.0 ml 中から細菌が検出されないことを,次の方法

で確認したバクテリオファージ液に限る。また,調製直後のバクテリオファージ感染価から 1/10 以下にバ

クテリオファージ感染価が低下したバクテリオファージ液を用いてはならない。

a)  精製バクテリオファージ液 1 ml を採り,45〜48  ℃に保温したカルシウム添加 LB 寒天培地(5.4.3 

シャーレに分注する前の寒天培地)15〜20 ml を入れ,蓋をして 15 分間室温で放置する。

b)  培地が凝固したら,シャーレを倒置し,37±1  ℃に設定した培養器で 24 時間培養する。

c)  培養後,コロニー数を測定する。

注記 1  精製バクテリオファージを調製する場合,附属書 又は附属書 の方法を参考にするとよい。

注記 2  精製バクテリオファージを凍結などの長期間保存可能な方法で保存する場合は,終濃度で

7.5 %となるように,滅菌したジメチルルスホキシド液を添加する保存方法を参考にするとよ

い。


7

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試験片 

6.1 

試験片の採取 

試験片の採取は,次による。

a)  試験する材料の平らな部分を 50±2 mm 角(厚さ 10 mm 以内)の正方形に切り取り,これを標準の大

きさの試験片とする。ただし,試験する材料を 50±2 mm 角(厚さ 10 mm 以内)の正方形に切り取る

ことが困難又は不可能な場合,表面積 800〜1 600 mm

2

のフィルムをかぶせることが可能な試験片の大

きさであれば,ここに規定する形状及び大きさ以外の試験片を使用してもよい。また,試料表面が有

機物で汚染されている場合は,1.0 mW/cm

2

程度の光源を 24 時間を上限として照射し,有機物を除去

する予備作業をしてもよい。

b)  これらの試験片を,単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試

験片(無加工試験片)は 9 個(3 個は試験バクテリオファージ液接種直後のバクテリオファージ感染

価測定用に,3 個は所定時間光照射後のバクテリオファージ感染価測定用に,残りの 3 個は所定時間

暗所放置後のバクテリオファージ感染価測定用に用いる。

,単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリ

ッド光触媒抗ウイルス加工した試験片は 6 個(3 個は所定時間光照射後のバクテリオファージ感染価

測定用に,

残りの 3 個は所定時間暗所放置後のバクテリオファージ感染価測定用に用いる。

準備する。

c)  単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)

が準備できない場合は,5.2.25 のガラス板を使用してもよい。試験片の調製に当たっては,微生物汚

染,試験片間の相互汚染及び汚れに十分注意する。

d)  無加工試験片が所定枚数用意できない場合で,6 個準備できる場合には,7.4 及び 7.5 の試験に使用し,

試験液接種直後のバクテリオファージ感染価測定用には 5.2.25 のガラス板を代用する。6 個準備でき

ない場合は,全て 5.2.25 のガラス板を使用する。

6.2 

試験片の清浄化 

6.1 の試験片の全面を,エタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂綿で軽く 2〜3 回拭いた後,十分に

乾燥する。これらの処理をすることによって,試験片の軟化,表面の塗装の溶解,成分の溶出などの変化

が起こり,これらが原因で試験結果に影響を及ぼすと判断される場合においては,他の適切な方法を用い

て清浄化する。清浄化せずにそのまま試験に用いる場合には,あらかじめ微生物の汚染がないことを確認

しておく。

6.3 

試験片の設置 

試験片の設置は次による。

a)  試験片を取り扱う b)並びに 7.3 及び 7.6 で SCDLP 培地を加えるまでの作業を行うときに,安全キャビ

ネット内に漏れる紫外線によって光触媒作用が働かないことを確実にするため,0.001 mW/cm

2

まで測

定できる紫外放射照度計を用いて,安全キャビネットの作業台上の紫外放射照度を測定する。紫外放

射照度が 0.001 mW/cm

2

以上の場合は,紫外放射照度が 0.001 mW/cm

2

未満になるよう,要因を取り除

いてから試験する。

b)  滅菌済保存シャーレの底に,滅菌した調湿用ろ紙を置き,滅菌水を適量入れ,試験片と調湿用ろ紙と

が触れないようガラス管又はガラス棒を置き,その上に単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド

光触媒抗ウイルス加工した面を上にして試験片を置いて(

図 参照),7.3 の手順に進む。試験面は単

味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工した材料の表面とする。内部まで単

味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工した材料であっても,切断面は試験

面としない。また,高圧蒸気殺菌によってろ紙が湿った場合は,乾燥させてから使用する。



R 1706:2013

注記  滅菌水を入れすぎると,保湿用ガラスが曇り,試験に影響するので,4〜6 ml 程度が適切で

ある。

c)  直ちに 7.3 の手順に移らない場合には,7.3 の作業を始めるまでの間,保存シャーレに蓋をして紫外放

射照度が 0.001 mW/cm

2

未満の場所又は 5.2.40 の暗箱内で保管する。

単位  mm

a)

  7.3 b)参照。

b)

  6.1 a)参照。

図 1−試験片及び保湿用ガラスの組立

抗ウイルス性試験 

7.1 

大腸菌の準備 

7.1.1 

大腸菌の移植及び保存 

大腸菌の移植は,次の手順によって無菌的に行う。片手に元株と移植しようとする 5.4.5 の LB 寒天斜面

培地を持ち,他の手に白金耳の柄を持ち,その手で綿栓を抜き取り,試験管の口を火炎殺菌する。次に,

白金耳を火炎殺菌し,新しい斜面培地の凝結水のある部分に白金耳のループを差し込んでよく冷却してか

ら,元株の試験管に入れ,大腸菌の繁殖面から 1 白金耳をかきとり,新しい斜面培地に塗抹する。具体的

には,

図 のように,凝結水に大腸菌を分散し,ここから斜面上方まで直線的に塗抹する。一旦培地から

白金耳の先端を離し,再び凝結水につけ,今度は蛇行させながら斜面上方まで塗抹する。再び試験管の口

を火炎殺菌し,元のように綿栓をする。使用後の白金耳は,火炎殺菌する。大腸菌を移植した斜面培地は,

37±1  ℃に設定した培養器で 18〜24 時間培養し,その後は,温度 5〜10  ℃で保存する。大腸菌移植後,1

か月以内に次の移植を同様に行い継代培養する。継代培養は,菌株保存機関から分譲された元株から数え

て 10 回を限度とする。また,移植して 1 か月以上過ぎたものは,次の移植に用いてはならない。


9

R 1706:2013

なお,菌株保存機関から分譲された菌株を,凍結乾燥,凍結などの長期間保存可能な方法で保存した菌

株にあっては,保存菌株を作製するために元株から培養した継代回数を保存菌株の継代回数とする。この

保存菌株を試験に用いる場合は,10 回から保存菌株の継代回数を引いた回数を使用限度とする。

図 2−斜面培地への移植

7.1.2 

大腸菌液の調製 

大腸菌液の調製は,次による。

a)  7.1.1 の保存大腸菌株を 5.4.2 のカルシウム添加 LB 培地 3〜5 ml に 1 白金耳移植し,温度 37±1  ℃に

設定した培養器で 12〜18 時間培養する。

b)  この培養菌から試験に必要な量の新たなカルシウム添加 LB 培地に 1/1 000 量を移植し,温度 37±1  ℃

に設定した培養器で,5.0×10

8

〜2.0×10

9

個/ml になるまで培養する。

注記  あらかじめ,大腸菌数及び大腸菌液の透過率(濁度)の関係を分光光度計などで求めておく

とよい。

7.2 

バクテリオファージ液の調製 

7.2.1 

バクテリオファージの感染価の推定 

試験前 7 日以内に,

7.6 の手順によって用いる精製バクテリオファージ液のバクテリオファージ感染価を

求めておく。

7.2.2 

試験バクテリオファージ液の調製 

7.2.1 によって推定したバクテリオファージ感染価を元に,5.5 の精製バクテリオファージ液を 5.4.6 

1/500 NB を用いて,バクテリオファージ感染価が約 6.7×10

6

〜約 2.6×10

7

 pfu/ml となるように調製し,こ

れを試験バクテリオファージ液(以下,試験液という。

)とする。

なお,試験液をかくはん(撹拌)する作業では,試験管を転倒混和するか,又は手で振ってかくはん(撹

拌)混合し,試験管ミキサーは使わない。また,試験液をすぐに使用しない場合は氷冷(0  ℃)保存し,

保存 2 時間以内に使用する。

7.3 

試験液の接種 

試験液の接種は,次による。

a)  7.2.2 の試験液をピペットで正確に 0.15 ml 採取し,これを 6.3 b)  で準備した各試験片に滴下する。標

準の大きさ以外の試験片の接種バクテリオファージ液量は,被覆した密着フィルムの面積比で案分す

る。また,標準の大きさの試験片であっても,規定に基づく試験液量を接種したとき,フィルム全体

に行きわたらなかったり,フィルムの端から試験液が漏れ出したりする場合がある。このような場合

は,接種試験液量を規定量の 2 倍から 1/2 を限度に調整してもよい。ただし,試験片に接種するバク

テリオファージ液は接種液量を少なくした場合においても,標準の大きさの試験片の場合と同様に 1


10 
R 1706:2013

試験片当たり 1.0×10

6

〜4.0×10

6

 pfu とする。この場合,試験液のバクテリオファージ濃度は,7.2.2

の規定によらず,接種試験液量から換算して調整する。

b)  滴下した試験液の上に密着フィルムをかぶせ,試験液が密着フィルムの端からこぼれないように注意

しながら試験液が密着フィルム全体に行きわたるように軽く押さえつけた後,保湿用ガラスを載せる

図 参照)。密着フィルムの大きさは,40±2 mm 角の正方形を標準とする。試験片が標準の大きさ

以外の場合は,密着フィルムが試験片より 2.5 mm 以上内側となるように大きさを調整する。ただし,

密着フィルムの大きさは 800 mm

2

より小さくしてはならない。このフィルムは,あらかじめ裁断した

ものをエタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂綿で拭くか,滅菌済みのフィルムを無菌的に裁断

したものを使用する。保湿用ガラスはガラスの全面を,エタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂

綿で軽く 2〜3 回拭いた後,十分に乾燥してから使用する。

c)  試験液接種直後のバクテリオファージ感染価測定用に使うものを除いて,7.4 及び 7.5 の試験をする。

試験液接種直後のバクテリオファージ感染価は,7.6 の手順に従って測定する。

なお,試験液接種直後のバクテリオファージ感染価を直ちに 7.6 の手順に従って測定できない場合

は,7.6 a)  の試験管を氷冷(0  ℃)保存し,保存 2 時間以内に 7.6 b)  の作業に進む。

7.4 

試験片の光照射 

7.4.1 

紫外放射強度の測定及び試験片設置位置の準備 

光照射装置の試験片の表面と同じ高さに紫外線放射照度計の受光部基準面を据え付け,受光部の上に試

験に使用するフィルム及びガラス板を置く。指示値を読み取りながら,7.4.2 に規定する紫外放射照度が得

られる位置を決め,試験片設置位置とする。

なお,紫外放射照度を測定する場合は,紫外放射照度を安定化させるため,照射装置の光源を 15 分以上

予備点灯しておく。

7.4.2 

光照射条件 

紫外放射照度は,JIS R 1702 

附属書 及び附属書 を参考に設定して試験する。紫外放射照度の選定

の目安として,代表的な場所における紫外放射照度を

表 に示す。光源の高さを調整することで所定の紫

外放射照度が得られない場合は,金属製遮光板を使って紫外放射照度を減衰させて設定する。

なお,紫外線蛍光ランプ自身のバクテリオファージに対する影響を避けるために,0.25 mW/cm

2

を上限

とする。

表 2−代表的な場所における紫外放射照度

紫外放射照度

代表的な場所

0.25 mW/cm

2

昼間の窓際,光触媒機能を作用させるために使用される紫外線蛍光ランプ
などの補助光源を使う場合

0.10 mW/cm

2

昼間の室内(太陽光が入る窓から 1.5 m 程度内側まで)

,朝又は夕方の窓際

0.01 mW/cm

2

昼間の室内(太陽光が入る窓から 3 m 程度内側まで)

0.001 mW/cm

2

太陽光が入らない昼間の室内又は夜間の室内

注記 1  紫外放射照度計の性能によって,現状測定できる紫外放射照度の下限は 0.001 mW/cm

2

程度で

あるが,将来的にはより低い紫外放射照度まで測定できる可能性もある。

注記 2  使用する金属製遮光板は,ここに記載する形状を指定するものでないが,ブラックライト蛍

光ランプを覆うことができるサイズであると調整しやすい(

図 参照)。


11

R 1706:2013

単位  mm

図 3−金属製遮光板の形状例

7.4.3 

試験液を接種した試験片の光照射 

試験液を接種した試験片[単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していな

い試験片(無加工試験片)3 個及び単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工し

た試験片 3 個]の入った保存シャーレを温度 25±3  ℃で,4 時間光照射する。光照射後のバクテリオファ

ージ感染価は,7.6 の手順に従って測定する。

なお,光触媒材料の特性を考慮して,光照射時間を 2 時間から 8 時間の範囲で調節してもよい。

7.5 

試験液を接種した試験片の暗所での保存 

試験液を接種した試験片[単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していな

い試験片(無加工試験片)3 個及び単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工し

た試験片 3 個]の入った保存シャーレを温度 25±3  ℃で,7.4.3 と同じ時間,5.2.40 の暗箱の中に保存する。

暗所で保存した後のバクテリオファージ感染価は,7.6 の手順に従って測定する。

なお,保存シャーレを覆う保湿用ガラスの代わりに,保存シャーレの蓋を代用してもよい。

7.6 

バクテリオファージ感染価の測定 

バクテリオファージ感染価の測定は,次による。

a)  試験液を接種した単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験

片(無加工試験片)3 個について,密着フィルムと試験片とを試験液がこぼれないように注意しなが

ら滅菌したピンセットを用いて滅菌済ストマッカー袋内に入れ,これにピペットで 5.4.7 の SCDLP 培

地 10.0 ml を加え,手で試験片及び密着フィルムを十分にもみ,試験バクテリオファージを洗い出し,

試験管に回収する。試験バクテリオファージの洗い出しについては,この方法と同等又はそれ以上の

回収率が認められる方法であれば他の方法を用いてもよい。

b)  a)  の洗い出し液を滅菌したピペットで 1.0 ml 採り,5.4.8 のペプトン加生理食塩水 9.0±0.1 ml が入っ

た試験管に加え,試験管を転倒混和するか,又は,手で振ってかくはん(撹拌)混合し,試験管ミキ

サーは使わない。さらに,この試験管から 1.0 ml を新しいピペットで採り,ペプトン加生理食塩水 9.0

±0.1 ml が入った別の試験管に加え,試験管を転倒混和するか,又は手で振ってかくはん(撹拌)混

合する。この操作を順次繰り返して,10 倍希釈法による希釈系列を作製する。


12 
R 1706:2013

c)  5.4.3 のカルシウム添加 LB 寒天平板培地を必要な枚数用意し,37±1  ℃で加温しておく。

注記  寒天平板培地の表面に凝縮水が残っていると,正確に感染価が測定できないので,安全キャ

ビネット内で表面を 10〜15 分程度乾燥させてから使うとよい。

d)  5.4.4 のカルシウム添加 LB 軟寒天培地 2.0 ml を分注した試験管を必要な本数用意し,45±1  ℃に設定

した恒温水槽で保温する。

e)  f)の作業をする 10〜20 分程度前に,b)  の洗い出し液の入った試験管を 37±1  ℃の培養器又は恒温水

槽で加温しておく。b)  の洗い出し液は 37  ℃では不安定なので,30 分以上加温しない。

f)  d)の試験管に 7.1.2 b)  の大腸菌培養液 0.1 ml を添加して,試験管を転倒混和するか,又は手で振って

かくはん(撹拌)混合し,試験管ミキサーは使わない。次いで,e)  の洗い出し液 1.0 ml を添加し,再

度転倒混和するか,又は手で振ってかくはん(撹拌)混合してから,c)  のカルシウム添加 LB 寒天平

板培地に重層する。このとき,7.1.2  b)  の大腸菌培養液をかくはん(撹拌)するときも試験管を転倒

混和するか,又は手で振ってかくはん(撹拌)混合し,試験管ミキサーは使わない。重層する際,軟

寒天培地の泡が入らないよう注意する。

g)  カルシウム添加 LB 軟寒天培地が固化したら,37±1  ℃で 18±2 時間培養する。培養する際,寒天培

地は上向きで培養しても,下向きで培養しても構わない。

h)  培養後,30〜300 pfu のプラークが現れた希釈系列のシャーレのプラーク数を測定し,洗い出し液のバ

クテリオファージ感染価を式(1)によって有効数字 2 桁まで求める。

10

×

×

=

E

Z

N

  (1)

ここに,

N

バクテリオファージ感染価(pfu)

Z

2 枚のシャーレのプラーク数の平均値(pfu/ml)

E

希釈倍率

10: 洗い出し液量(ml)

洗い出し液 1.0 ml を用いたシャーレのプラーク数が 30 pfu 未満の場合は,測定したプラーク数を用

いてバクテリオファージ感染価を算出する。また,洗い出し液 1.0 ml を用いたシャーレからプラーク

が認められない場合は,プラーク数に

1 を用いてバクテリオファージ感染価を算出する。

注記  ここで規定する以外のプラーク数の採用方法については,日本薬学会編  衛生試験法・注解

(2010)1.2 微生物試験法 1.2.1.1 細菌一般試験法 3)菌数測定(1)混釈平板培養法又は厚生労働

省監修  食品衛生検査指針微生物編(2004)第 2 章細菌 2 汚染指標菌 1.細菌数を参考にする

とよい。

試験結果の計算 

8.1 

試験成立条件の判定 

次の 4 項目の試験成立条件を全て満たすとき,その試験は有効と判定する。全ての条件を満足しない場

合は,試験不成立と判定し,再度試験を実施する。

a)

  単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)

の接種直後のバクテリオファージ感染価の対数値について,次の式(2)が成立する。

2

.

0

)

/(

)

(

mean

min

max

L

L

L

  (2)

ここに,  L

max

: バクテリオファージ感染価常用対数値の最大値

L

min

バクテリオファージ感染価常用対数値の最小値

L

mean

3 個の無加工試験片のバクテリオファージ感染価の常用対数
値の平均値


13

R 1706:2013

b)

  単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)

の接種直後のバクテリオファージ感染価の平均値は,1.0×10

6

〜4.0×10

6

 pfu である。

c)

  単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)

の光照射後のバクテリオファージ感染価は,3 個の値が全て 1.0×10

4

 pfu 以上である。ただし,単味光

触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)にガ

ラス板を用いた場合は,光照射後のバクテリオファージ感染価の値が全て 1.0×10

5

 pfu 以上とする。

d)

  単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)

の暗所放置後のバクテリオファージ感染価は,3 個の値が全て 1.0×10

4

 pfu 以上である。ただし,単味

光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)に

ガラス板を用いた場合は,暗所放置後のバクテリオファージ感染価の値が全て 1.0×10

5

 pfu 以上とす

る。

8.2 

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の抗ウイルス活性値の

計算 

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の抗ウイルス活性値の計算

は,次による。

a)

  試験が成立した場合について,式(3)によって試験した紫外放射照度での単味光触媒抗ウイルス加工材

料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の抗ウイルス活性値を小数点以下 2 桁目を切り捨て,

小数点以下 1 桁で求める。

なお,3 試験片のバクテリオファージ感染価の平均値は,7.6 h)で求めた数値を用いて,有効数字 3

桁目を四捨五入して 2 桁とした数値を用いる。

(

)

(

)

[

]

[

]

L

L

L

L

L

/

log

/

log

/

log

C

B

A

C

A

B

V

=

=

  (3)

ここに,

V

L

紫外放射照度条件 L(mW/cm

2

)での単味光触媒抗ウイルス加

工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の抗ウイ
ルス活性値

A

単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイル
ス加工していない試験片(無加工試験片)の接種直後の 3 試験
片のバクテリオファージ感染価の平均値(pfu)

B

L

単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイル
ス加工していない試験片(無加工試験片)を紫外放射照度条件
L

で 4 時間光照射した後の 3 試験片のバクテリオファージ感染

価の平均値(pfu)

C

L

単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイル
ス加工した試験片を紫外放射照度条件 で 4 時間光照射した
後の 3 試験片のバクテリオファージ感染価の平均値(pfu)

8.3 

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による効果の

計算 

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の光照射による効果の計算

は,次による。

a)

  式(4)によって単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の光照射

による効果 Δを小数点以下 2 桁目を切り捨て,小数点以下 1 桁で求める。

なお,3 試験片のバクテリオファージ感染価の平均値は,7.6 h)で求めた数値を用いて,有効数字 3

桁目を四捨五入して 2 桁とした数値を用いる。


14 
R 1706:2013

[

]

(

)

(

)

[

]

[

]

[

]

D

D

L

L

D

D

L

L

/

log

/

log

/

log

/

log

/

log

C

B

C

B

A

C

A

B

C

B

V

=

=

Δ

  (4)

ここに,

ΔV: 単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウ

イルス加工材料の光照射による効果

B

D

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウ
イルス加工材料していない試験片(無加工試験片)を 4 時間暗
所に保存した後の 3 試験片のバクテリオファージ感染価の平
均値(pfu)

C

D

単味光触媒抗ウイルス加工材料又はハイブリッド光触媒抗ウ
イルス加工材料した試験片を 4 時間暗所に保存した後の 3 試験
片のバクテリオファージ感染価の平均値(pfu)

8.4 

ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の暗所での効果の計算 

ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の暗所での効果の計算は,次による。

式(5)によってハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の暗所での効果 V

D

を小数点以下 2 桁目を切り捨

て,小数点以下 1 桁で求める。

なお,3 試験片のバクテリオファージ感染価の平均値は,7.6 h)で求めた数値を用いて,有効数字 3 桁目

を四捨五入して 2 桁とした数値を用いる。

[

]

D

D

D

/

log

C

B

V

=

  (5)

ここに,

V

D

ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工材料の暗所での効果

試験結果の報告 

試験結果の報告には,次の事項を記載する(

例 参照)。

a)

  規格番号

b)

  単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工した試験片の種類・大きさ

c)

  単味光触媒抗ウイルス加工又はハイブリッド光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無加工試験片)

の種類・大きさ

d)

  光源の種類,製造業者名及び品番

e)

  予備照射条件(紫外線蛍光ランプの種類,製造業者名及び品番,照射時間など)

f)

  紫外放射照度計の製造業者名及び品番

g)

  密着フィルムの種類・大きさ

h)

  保湿用ガラスの種類

i)

光照射条件(紫外放射照度,光照射時間)

j)

  試験液の接種量

k)

  試験に用いたバクテリオファージの保存番号及び細菌の保存番号

l)

試験液のバクテリオファージ感染価

m)

  試験値(AB

L

C

L

V

L

B

D

C

D

,ΔV,ハイブリッド光触媒抗ウイルス加工した試験片の場合はこれ

らに加えて V

D

も)

n)

  その他必要な事項

例 1  試験結果

規格番号

JIS R 1706 

単味光触媒抗ウイルス加工した試験片の種類

光触媒フィルム,50 mm×50 mm


15

R 1706:2013

単味光触媒抗ウイルス加工していない試験片(無

加工試験片)の種類

PET フィルム,50 mm×50 mm

光源の種類

ブラックライト蛍光灯(○○電気,FL20_BLB)

予備照射条件 FL20_BLB,1.0 mW/cm

2

で 24 時間予備照射

紫外放射照度計

紫外放射測定器(△△製作所,本体:UV-X,受光部:UV-Y)

密着フィルムの種類

ポリプロピレンフィルム(□□商会)

,40 mm×40 mm

保湿用ガラスの種類

ほうけい酸ガラス

光照射条件 0.10

mW/cm

2

で,4 時間

接種量 0.15 ml

試験に用いたバクテリオファージの保存番号

Qβ(NBRC20012)

試験に用いた細菌の保存番号

大腸菌(NBRC106373)

試験液のバクテリオファージ感染価 1.6×10

7

2.3×10

6

B

0.10

 

1.8×10

6

C

0.10

 

1.0×10

3

V

0.10

 

3.2

B

D

 

2.0×10

6

C

D

 

1.8×10

6

Δ

3.2


16 
R 1706:2013

附属書 A

(参考)

インフルエンザウイルス及びバクテリオファージ Qβ に対する

光触媒の効果比較結果

A.1  効果比較の例 

光触媒の抗ウイルス性評価として,バクテリオファージ Qβ がヒトに感染するウイルスの代用特性とし

て使用できることの情報として,インフルエンザウイルス及びバクテリオファージ Qβ に対する光触媒の

効果を比較した結果の例を示す。

図 A.1 に紫外放射照度 0.10 mW/cm

2

の結果を,

図 A.2 に紫外放射照度 0.01

mW/cm

2

の結果を示す。

図 A.1−サンプル を用いて紫外放射照度 0.10 mW/cm

2

で評価した結果

図 A.2−サンプル を用いて紫外放射照度 0.01 mW/cm

2

で評価した結果

注記  用いたバクテリオファージは 1/500 NB を用いて試験液を調製したが,インフルエンザウイルス

はたんぱく質濃度が 0.2 mg/ml になるようにウシ血清アルブミンを添加して試験液を調製した。


17

R 1706:2013

附属書 B

(参考)

液体培養による精製バクテリオファージ液の調製方法

B.1  調製方法の例 

精製バクテリオファージの調製方法の参考として,液体培養法を用いたバクテリオファージ液の調製方

法の例を記載する。

B.2  精製バクテリオファージの調製(液体培養法) 

精製バクテリオファージの調製は,次による。

a)

  保存大腸菌株から 5.4.2 のカルシウム添加 LB 培地 3〜5 ml に 1 白金耳移植し,温度 37±1  ℃に設定し

た培養器で 12〜18 時間培養する。

b)

  この培養菌から新たなカルシウム添加 LB 培地 30 ml を入れた 200 ml 容量の三角フラスコに 1/1 000

量(0.03 ml)移植する。

注記  必要に応じて 200 ml より大きな容量のフラスコを用いてもよいが,菌が増殖しやすい環境を

作るため,加える培地液量はフラスコの容量の 1/6 以下とする。

c)

 37±1  ℃に設定した振とう(盪)培養器又は振とう(盪)可能な恒温水槽で,毎分 110 往復(振幅 3 cm)

で振とう(盪)培養する。バッフル付三角フラスコを使用する場合は,毎分 110 回転で回転培養する。

d)

  e)の感染時に m.o.i.(Multiplicity of infection,多重感染価,バクテリオファージ感染価/大腸菌数)が

0.1 程度になるようバクテリオファージ液をカルシウム添加 LB 培地で希釈し,感染用バクテリオファ

ージ液を調製しておく。バクテリオファージを感染させるときに,1 ml 当たりのバクテリオファージ

感染価が高すぎると均一に感染させられないので,30 ml 当たり 1〜2 ml 程度の液量を加えることがで

きるように 1 ml 当たりのバクテリオファージ感染価を調整する。

なお,バクテリオファージ液を希釈するときには,試験管を転倒混和するか,又は手で振ってかく

はん(撹拌)混合し,試験管ミキサーは,使わない。

e)

  大腸菌濃度が 1.5×10

8

個/ml〜3.0×10

8

個/ml になった時点で,c)のフラスコに感染用バクテリオファー

ジ液を加えて感染させる。また,バクテリオファージを感染させる時点の大腸菌生菌数を測定する。

具体的には,バクテリオファージを感染させる直前に大腸菌液を 1.0 ml 抜き取り,10 倍希釈法で希釈

し,希釈液を LB 寒天培地に混釈し,37±1  ℃で 24 時間培養して算出する。

注記 1  あらかじめ,大腸菌数及び大腸菌液の透過率(濁度)の関係を分光光度計などで求めてお

くとよい。

注記 2  接種したファージ感染価と測定した大腸菌生菌数とから,m.o.i.を算出しておく。

f)

  c)の条件で,更に 4 時間培養する。

g)

  4 時間培養後,培養液を 4±1  ℃で,翌日まで冷蔵保存する。

h)

  培養液を遠心分離(4  ℃,10 000 x g,20 分)した後,上清を回収する。

注記  遠心後の沈さ(渣)と上清との界面には,溶菌した大腸菌の層が存在するので,界面近くま

で上清を取らないよう注意深く作業する。

i)

上清をポアサイズが 0.22 μm 径のポリビニリデンフルオライド(PVDF)製又はポリエーテルスルホン

(PES)製ディスポーザブル・メンブレン・フィルタでろ過する。


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R 1706:2013

注記 1 25

mm 径のディスポーザブル・メンブレン・フィルタ 1 個で,約 10 ml の上清をろ過する

ことができる。

注記 2 30

ml の規模の培養で,約 20 ml のバクテリオファージ液が調製できる。

j)

  ろ過液を精製バクテリオファージ液として,4±1  ℃で冷蔵保存する。


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R 1706:2013

附属書 C 
(参考)

平板培地を用いた精製バクテリオファージ液の調製方法

精製バクテリオファージの調製方法の参考として,平板培地を用いたバクテリオファージ液の調製方法

の例を記載する。

注記  使用する寒天のメーカー,グレードにより,精製バクテリオファージ液の使用可能期間が異な

ることがあるので,事前に検討しておくことが望ましい。

C.1  精製バクテリオファージの調製(平板培地法) 

精製バクテリオファージの調製は次による。

a)

  保存大腸菌株から 5.4.2 のカルシウム添加 LB 培地 3〜5 ml に 1 白金耳移植し,温度 37±1  ℃に設定し

た培養器で 12〜18 時間培養する。

b)

  この培養菌から試験に必要な量の新たなカルシウム添加 LB 培地に 1/1 000 量を移植し,温度 37±1  ℃

に設定した培養器で,5.0×10

8

〜2.0×10

9

個/ml になるまで培養する。

注記  あらかじめ,大腸菌数及び大腸菌液の透過率(濁度)の関係を分光光度計などで求めておく

とよい。

c)

  g)の感染時に m.o.i.(Multiplicity of infection,多重感染価,バクテリオファージ感染価/大腸菌数)が

0.1 程度になるようバクテリオファージ液をペプトン加生理食塩水で希釈し,感染用バクテリオファー

ジ溶液を調製しておく。

なお,バクテリオファージ液を希釈するときには,試験管を転倒混和するか,手で振ってかくはん

(撹拌)混合し,試験管ミキサーは使わない。

d)

  内径 90 mm のシャーレに 5.4.3 のカルシウム添加 LB 寒天平板培地を 15〜20 ml 分注して作製した平板

培地を必要な枚数用意し,37±1  ℃で加温しておく。

注記  必要に応じて内径 90 mm より大きなサイズのシャーレを用いてもよい。

e)

  内径 90 mm のシャーレ 1 枚当たり 5.4.4 のカルシウム添加 LB 軟寒天培地 2.0 ml を分注した試験管を

用意し,45±1  ℃に設定した恒温水槽で保温する。

f)

  g)の作業をする 10〜20 分程度前に,c)の感染用バクテリオファージ溶液の入った試験管を 37±1  ℃の

培養器又は恒温水槽で加温しておく。

c)の感染用バクテリオファージ溶液は 37  ℃では不安定なので,

30 分以上加温しない。

g)

  e)の試験管に内径 90 mm のシャーレ 1 枚当たり b)の大腸菌培養液 0.1 ml を添加し,転倒混和するか,

又は手で振ってかくはん(撹拌)混合する。次いで,f)の感染用バクテリオファージ溶液 1.0 ml を添

加し,再度転倒混和するか,手で振ってかくはん(撹拌)混合してから,d)のカルシウム添加 LB 寒

天平板培地に重層する。このとき,b)の大腸菌培養液についても試験管を転倒混和するか,又は手で

振ってかくはん(撹拌)混合し,試験管ミキサーは使わない。また,バクテリオファージを感染させ

る時点の大腸菌生菌数を測定する。具体的には,バクテリオファージを感染させる直前に大腸菌液を

1.0 ml 抜き取り,10 倍希釈法で希釈し,希釈液を LB 寒天培地に混釈し,37±1  ℃で 24 時間培養して

算出する。

注記 1  b)の大腸菌液が準備できるまでの間に,c)f)の作業をしておく。


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注記 2  重層する際,軟寒天培地の泡が入らないよう注意する。

注記 3  接種したファージ感染価と測定した大腸菌生菌数とから,m.o.i.を算出しておく。

h)

  g)の平板培地を温度 37±1  ℃に設定した培養器で 16〜24 時間培養する。

注記  寒天培地は上向きで培養しても,下向きで培養しても構わない。

i)

内径 90 mm のシャーレ 1 枚当たりカルシウム添加 LB 培地 2.0 ml を注ぎ,平板培地を 4±1  ℃で,翌

日まで冷蔵保存する。

注記  液体培地がこぼれないよう,シャーレをシールするとよい。

j)

  スクレバーなどを使って,液体培地と重層した軟寒天培地部分を試験管に回収する。

k)

  j)を遠心分離(4  ℃,10 000 x g,20 分)した後,上清を回収する。

注記  遠心後の沈さ(渣)と上清との界面には,溶菌した大腸菌の層が存在するので,界面近くま

で上清を取らないよう注意深く作業する。

l)

上清をポアサイズが 0.22 μm 径のポリビニリデンフルオライド(PVDF)製又はポリエーテルスルホン

(PES)製ディスポーザブル・メンブレン・フィルタでろ過する。

注記 1 25

mm 径のディスポーザブル・メンブレン・フィルタ 1 個で,約 10 ml の上清をろ過する

ことができる。

注記 2  内径 90 mm のシャーレ 1 枚で,約 2 ml のバクテリオファージ液が調製できる。

m)

  ろ過液を精製バクテリオファージ液として,4±1  ℃で冷蔵保存する。

参考文献  病原体等安全管理規程

衛生試験法

食品衛生検査指針