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R 1702

:2012

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

2

4

  抗菌効果

4

4.1

  単味光触媒抗菌加工平板状製品

4

4.2

  ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品

4

4.3

  単味光触媒抗菌加工繊維製品

4

4.4

  ハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品

4

5

  試験の種類

4

6

  試験に用いる細菌

5

6.1

  フィルム密着法及び附属書 に用いる細菌の種類

5

6.2

  ガラス密着法に用いる細菌の種類

5

7

  試験の準備

6

7.1

  細菌取扱い時の条件

6

7.2

  薬品,材料及び器具

6

7.3

  殺菌方法

7

7.4

  培地など

7

7.5

  細菌の移植及び保存

9

7.6

  透過率の測定

10

8

  生菌数の測定

10

9

  光照射方法

10

9.1

  紫外放射強度の測定及び試験片設置位置の準備

10

9.2

  光照射条件

10

9.3

  試験菌液を接種した試験片の光照射

11

9.4

  試験菌液を接種した試験片の暗所での保存

11

10

  フィルム密着法

12

10.1

  試験片の採取

12

10.2

  試験片の清浄化及び設置

12

10.3

  試験菌の前培養

13

10.4

  試験菌液の調製

13

10.5

  試験菌液の接種

13

10.6

  接種した試験菌の洗い出し

14

10.7

  生菌数の計算

14

10.8

  試験結果

14


R 1702

:2012  目次

(2)

ページ

10.9

  試験結果の記録

16

11

  ガラス密着法

16

11.1

  試験片の採取

16

11.2

  試験片の殺菌及び設置

17

11.3

  試験菌液の培養

17

11.4

  試験菌液の調製

18

11.5

  試験菌液の接種

18

11.6

  試験菌の洗い出し

19

11.7

  生菌数の計算

19

11.8

  試験結果

19

11.9

  試験結果の記録

20

12

  表示

20

附属書 A(規定)ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光が当たらない環境での抗菌性試験方法・

抗菌効果

22

附属書 B(参考)住環境における紫外放射照度及び照度分布(戸建住宅)

27

附属書 C(参考)住環境における紫外放射照度分布(場所別一覧)

38

附属書 D(参考)光触媒による抗菌性評価結果

39


R 1702

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(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

ファインセラミックス協会(JFCA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があ

り,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS R 1702:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

1702

:2012

ファインセラミックス−光触媒抗菌加工製品の

抗菌性試験方法・抗菌効果

Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)-

Test method for antibacterial activity of photocatalytic products and efficacy

序文

この規格は,2006 年に制定されたが,JIS Z 2801 が 2010 年に改正されたことに対応するために改正し

た。

光触媒は,光照射下で防汚,防曇,抗菌,空気浄化,汚染物質の分解・除去などの機能を示し,近年そ

の応用が拡大している。この光触媒機能を応用した抗菌製品が多数上市されているが,光触媒の効果を適

切に評価し,判定する試験方法が必要である。このため,この規格は,光触媒抗菌加工製品の抗菌性能を

客観的に評価する方法として提供することを目的として制定された。

1998 年 12 月,抗菌加工製品ガイドライン(通商産業省生活産業局生活関連新機能加工製品懇談会報告

書)において,抗菌性試験方法及び抗菌効果の規定に関する指針が示されており,この規格もこのガイド

ラインを踏まえて制定されている。この規格は,光触媒抗菌加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果及び製

品への表示を規定したものであり,安全性,抗菌効果の持続性などについては,抗菌加工製品ガイドライ

ンを参照する必要がある。

1

適用範囲

この規格は,光触媒を含有する抗菌加工製品の試験方法,抗菌効果及び表示について規定する。

なお,この規格においては,波長 300∼380 nm の紫外線領域で効果を示す光触媒を対象としている。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 0950

  プラスチック製滅菌シャーレ

JIS K 0970

  プッシュボタン式液体用微量体積計

JIS K 3800

  バイオハザード対策用クラス II キャビネット

JIS K 8101

  エタノール(99.5)(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8180

  塩酸(試薬)


2

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JIS K 8263

  寒天(試薬)

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 9007

  りん酸二水素カリウム(試薬)

JIS K 9017

  りん酸水素二カリウム(試薬)

JIS L 0803

  染色堅ろう度試験用添付白布

JIS L 1902

  繊維製品の抗菌性試験方法及び抗菌効果

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS R 1709

  ファインセラミックス−紫外線励起形光触媒試験用光源

JIS R 3505

  ガラス製体積計

JIS R 3644

  ガラス管類

JIS R 3645

  ガラス棒

JIS Z 2801

  抗菌加工製品−抗菌性試験方法・抗菌効果

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8802

  pH 測定方法

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 1902 によるほか,次による。

3.1

光触媒

光照射下で,酸化・還元作用によって,汚染物質の分解・除去,空気浄化,抗菌,防汚などの諸機能を

発現する物質。機能性ファインセラミックスの一種。

3.2

光照射

300∼380 nm の範囲内にある波長の紫外線を照射すること。

3.3

抗菌

製品の表面における細菌の増殖を抑制する状態。

3.4

光触媒抗菌加工

光触媒の抗菌機能を利用するために,光触媒で抗菌加工すること。単味光触媒抗菌加工及びハイブリッ

ド光触媒抗菌加工に分類される。

3.5

単味光触媒抗菌加工

光触媒抗菌加工のうち,塗布,含浸,練り込みなど種々の方法によって光触媒を担持すること。また,

光照射下での光触媒の抗菌性を増強するために,光触媒と抗菌性のない他の機能性物質とを組み合わせた

材料を担持することも含む。

3.6

ハイブリッド光触媒抗菌加工

光触媒抗菌加工のうち,光が当たらない環境においても抗菌機能を発現させるために,光触媒と抗菌性

のある他の機能性物質とを組み合わせた材料を用いて,塗布,含浸,練り込みなど種々の方法によって担


3

R 1702

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持すること。

3.7

光触媒抗菌加工平板状製品

光触媒抗菌加工した膜状,平板状などの製品。単味光触媒抗菌加工平板状製品及びハイブリッド光触媒

抗菌加工平板状製品に分類される。

3.8

単味光触媒抗菌加工平板状製品

光触媒抗菌加工平板状製品のうち,単味光触媒抗菌加工した膜状,平板状などの製品。

3.9

ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品

光触媒抗菌加工平板状製品のうち,ハイブリッド光触媒抗菌加工した膜状,平板状などの製品。

3.10

光触媒抗菌加工繊維製品

光触媒抗菌加工した繊維製品。単味光触媒抗菌加工繊維製品及びハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品

に分類される。

3.11

単味光触媒抗菌加工繊維製品

光触媒抗菌加工繊維製品のうち,単味光触媒抗菌加工した繊維製品。

3.12

ハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品

光触媒抗菌加工繊維製品のうち,ハイブリッド光触媒抗菌加工した繊維製品。

3.13

単味光触媒抗菌加工平板状製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の抗菌活性値

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した平板状製品と無加工製品に細菌を接種し,光

照射後の生菌数を測定し,無加工製品の生菌数の対数値に対する単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光

触媒抗菌加工した平板状製品の生菌数の対数値との差。この値には,光を照射しない条件で得られる生菌

数の減少分も含まれる。

3.14

単味光触媒抗菌加工繊維製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の静菌活性値

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した繊維製品及び未加工布に細菌を接種し,光照

射後の生菌数を測定し,未加工布の生菌数の対数値に対する単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒

抗菌加工した繊維製品の生菌数の対数値との差。この値には,光を照射しない条件で得られる生菌数の減

少分も含まれる。

3.15

単味光触媒抗菌加工平板状製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光照射による効果

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した平板状製品に細菌を接種し,光照射後の生菌

数と暗所に置いた後の生菌数とを測定し,暗所に置いた後の生菌数の対数値と光照射後の生菌数の対数値

との差。


4

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3.16

単味光触媒抗菌加工繊維製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の光照射による効果

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した繊維製品に細菌を接種し,光照射後の生菌数

と暗所に置いた後の生菌数とを測定し,暗所に置いた後の生菌数の対数値と光照射後の生菌数の対数値と

の差。

3.17

抗菌効果

抗菌活性値から判断される単味光触媒抗菌加工平板状製品若しくはハイブリッド光触媒抗菌加工平板状

製品の効果又は静菌活性値から判断される単味光触媒抗菌加工繊維製品若しくはハイブリッド光触媒抗菌

加工繊維製品の効果。

4

抗菌効果

4.1

単味光触媒抗菌加工平板状製品

10.8 b)

の式(4)によって算出した単味光触媒抗菌加工平板状製品の抗菌活性値が 2.0 以上とする。

なお,受渡当事者間の協議によって,2.0 を上回る数値を用いてもよい。

また,単味光触媒抗菌加工平板状製品の光照射による効果は,10.8 c)

の式(5)によって算出する。

4.2

ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品

10.8 b)

の式(4)によって算出したハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の抗菌活性値が 2.0 以上,かつ

附属書 によって算出した抗菌活性値が 2.0 以上とする。

なお,受渡当事者間の協議によって,2.0 を上回る数値を用いてもよい。

また,ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光照射による効果は,10.8 c)

の式(5)によって算出する。

4.3

単味光触媒抗菌加工繊維製品

11.8 b)

の式(9)によって算出した単味光触媒抗菌加工繊維製品の静菌活性値が 2.0 以上とする。

なお,受渡当事者間の協議によって,2.0 を上回る数値を用いてもよい。

また,単味光触媒抗菌加工繊維製品の光照射による効果は,11.8 c)

の式(10)によって算出する。

4.4

ハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品

11.8 b)

の式(9)によって算出したハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の静菌活性値が 2.0 以上,かつ JIS 

L 1902

の 10.1.5 b)(活性値の計算)によって算出した静菌活性値が 2.0 以上とする。

なお,受渡当事者間の協議によって,2.0 を上回る数値を用いてもよい。

また,ハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の光照射による効果は,11.8 c)

の式(10)によって算出する。

5

試験の種類

光触媒による細菌に対する抗菌性を評価する試験の種類は次のとおりとし,評価する製品の種類に応じ

て,

表 に示す適切な方法を選択する。

注記  製品の用途,形状,性状などを考慮して,試験方法を選択してもよい。

a)

フィルム密着法  単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した平板状製品の細菌に対す

る抗菌性を,光照射条件下で評価する試験方法。この試験方法は,箇条 10 による。

b)

ガラス密着法  単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した繊維製品の細菌に対する抗

菌性を,光照射条件下で評価する試験方法。この試験方法は,箇条 11 による。

c)

附属書 に規定する方法  ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の細菌に対する抗菌性を,光が当


5

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たらない環境で評価する試験方法。この試験方法は,

附属書 による。

d)  JIS L 1902

による方法  ハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の細菌に対する抗菌性を,光が当たら

ない環境で評価する試験方法。この試験方法は,JIS L 1902 の箇条 5(抗菌効果)∼箇条 8(試験菌液

の培養及び調製並びに菌濃度及び ATP 濃度の測定)及び箇条 10(定量試験)による。

表 1−試験の種類

製品の種類

試験条件

単味光触媒抗菌加

工平板状製品

ハイブリッド光触媒

抗菌加工平板状製品

単 味 光 触 媒 抗 菌 加

工繊維製品

ハイブリッド光触媒

抗菌加工繊維製品

光照射下 

フィルム密着法

フィルム密着法

ガラス密着法

ガラス密着法

光が当たらない環境

附属書 に規定する
方法

JIS L 1902

による方

6

試験に用いる細菌

光触媒抗菌加工した製品の種類別に,試験に用いる細菌の種類は,6.1 及び 6.2 による。

なお,試験に用いる細菌の菌株は,World Federation for Culture Collections(世界微生物株保存連盟)又は

日本微生物資源学会に加入している機関において保存されている

表 に示す同一系統の菌株を使用する。

6.1

フィルム密着法及び附属書 に用いる細菌の種類

フィルム密着法及び

附属書 に用いる細菌の種類は,次による。

a)

スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus):黄色ぶどう球菌

b)

エシェリヒア・コリー(Escherichia coli):大腸菌

6.2

ガラス密着法に用いる細菌の種類

ガラス密着法に用いる細菌の種類は,次による。

a)

スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus):黄色ぶどう球菌

b)

クレブシェラ・ニュウモニアエ(Klebsiella pneumoniae):肺炎かん(桿)菌

表 2−試験に用いる細菌の菌株

細菌の種類

保存番号

保存機関名

スタフィロコッカス・アウ

ATCC 6538P

American Type Culture Collection

レウス 
Staphylococcus aureus 

DSM 346

German Collection of Microorganisms and Cell Cultures 
(DSMZ)

 NBRC

12732

独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノ

ロジー本部生物遺伝資源部門

エシェリヒア・コリー

ATCC 8739

American Type Culture Collection

Escherichia coli

DSM 1576

German Collection of Microorganisms and Cell Cultures 
(DSMZ)

 NBRC

3972

独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノ
ロジー本部生物遺伝資源部門

クレブシェラ・ニュウモニ

ATCC 4352

American Type Culture Collection

アエ 
Klebsiella pneumoniae

DSM 789

German Collection of Microorganisms and Cell Cultures 
(DSMZ)

 NBRC

13277

独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノ

ロジー本部生物遺伝資源部門


6

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7

試験の準備

7.1

細菌取扱い時の条件

取り扱う微生物のバイオセーフティレベルに必要な設備が用意された実験室で試験する。

注記  ハザードレベル及び必要な設備については,国立感染症研究所病原体等安全管理規程などを参

考にする。

7.2

薬品,材料及び器具

試験に用いる薬品,材料及び器具は,特に指定がない限り,次による。

なお,試験管,フラスコ,ピペット,ピンセットなどは,アルカリ又は中性洗剤で丁寧に洗浄し,水で

十分すすぎ,乾燥してから乾熱殺菌又は高圧蒸気殺菌したものを用いる。

7.2.1

エタノール(C

2

H

5

OH

)  JIS K 8101 に規定する特級のもの。

7.2.2

寒天  JIS K 8263 に規定する特級のもの。

7.2.3

肉エキス  微生物試験用のもの。

7.2.4

ペプトン  微生物試験用のもの。

7.2.5

塩化ナトリウム(NaCl)  JIS K 8150 に規定する特級のもの。

7.2.6

精製水  JIS K 0557 に規定する A2 又は A3 に適合するもの。

7.2.7

酵母エキス  微生物試験用のもの。

7.2.8

トリプトン  微生物試験用のもの。

7.2.9

グルコース  微生物試験用のもの。

7.2.10

カゼイン製ペプトン  微生物試験用のもの。

7.2.11

大豆製ペプトン  微生物試験用のもの。

7.2.12

レシチン  微生物試験用のもの。

7.2.13

非 イ オ ン 界 面 活 性 剤   ポ リ オ キ シ エ チ レ ン ソ ル ビ タ ン モ ノ オ レ エ ー ト [ ポ リ ソ ル ベ ー ト

80(Tween80)]

7.2.14

りん酸二水素カリウム(KH

2

PO

4

)  JIS K 9007 に規定する特級のもの。

7.2.15

りん酸水素二カリウム(K

2

HPO

4

)  JIS K 9017 に規定する特級のもの。

7.2.16

水酸化ナトリウム(NaOH)  JIS K 8576 に規定する特級のもの。

7.2.17

塩酸(HCl)  JIS K 8180 に規定する特級のもの。

7.2.18

綿栓  青梅綿を使用した栓,又はシリコン栓,金属栓,モルトン栓など。

7.2.19

シャーレ  内径約 90 mm のガラス製,又は JIS K 0950 に規定する 90A 号又は 90B 号に適合するも

の。

7.2.20

乾熱殺菌器  温度を 160∼180  ℃に保てるもの。

7.2.21

オートクレーブ  温度 121

℃(圧力 103 kPa 相当)に保てるもの。

7.2.22

安全キャビネット  JIS K 3800 に適合又は同等の性能をもつもの。

7.2.23

分光光度計  波長 340∼660 nm の範囲で測定可能なもの。

7.2.24

白金耳  先端のループが約 4 mm のもの。

7.2.25

培養器  温度±1  ℃に保てるもの。

7.2.26

ガラス板  微生物の発育に影響を及ぼさない材質のもの。

7.2.27

綿標準布  JIS L 0803 に規定する染色堅ろう度試験用添付白布を,ウォッシャーで,60  ℃に保持

して 10 分間湯洗いし,5 分間のすすぎを 2 回行い,これを 10 回繰り返したもの。


7

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7.2.28

ピペット  JIS K 0970 若しくは JIS R 3505 のクラス A に適合するもの又は同等の精度をもつもの。

7.2.29

試験管かくはん器  微生物試験用のもの。

7.2.30

化学はかり  JIS K 0050 に規定する化学はかり又は同等の性能をもつもの。

7.2.31  pH

計  JIS Z 8802 に適合するもの。

7.2.32

ストマッカー袋  微生物試験用のもの。

7.2.33

密着フィルム  微生物の発育に影響を及ぼさない材質で,吸水性がなく,密着性がよく,厚みが

0.08 mm 以内で,7.6 に規定する方法で測定した波長 340∼380 nm の透過率が 85 %以上のフィルム。

7.2.34

密着ガラス  厚みが 1.1 mm 以内で,7.6 に規定する方法で測定した波長 340∼380 nm の透過率が

85  %以上のガラス板。

7.2.35

保湿用ガラス  厚みが 1.1 mm 以内で,7.6 に規定する方法で測定した波長 340∼380 nm の透過率が

85  %以上のガラス板をシャーレ全面が覆えるサイズに切断したもの。

7.2.36

保存シャーレ  内径約 90 mm の JIS K 0950 に規定する 90A 号又は 90B 号に適合するもの。

7.2.37

調湿用ろ紙  JIS P 3801 に規定する微生物の発育に影響を及ぼさないろ紙で,試験片を置く容器に

入るよう切断したもの。

7.2.38

ガラス管・ガラス棒  JIS R 3644 に規定するガラス管又は JIS R 3645 に規定するガラス棒を試験片

を置く容器に入るよう切断したもの。

7.2.39

紫外線蛍光ランプ  JIS R 1709 に規定する波長 351 nm にピーク放射をもつブラックライトブルー

ランプ(BLB ランプ)で,20 W 形のもの。

7.2.40

光照射装置  紫外線蛍光ランプを 2 灯並行につり下げて設置し,周囲からの光を遮断することがで

きる装置。

7.2.41

紫外放射照度計  JIS R 1709 に規定するもの。

7.2.42

金属製遮光板  ランプからの光の一部が透過するように金属板に穴をあけたもので,紫外線蛍光ラ

ンプの直下に設置する。

7.2.43

暗箱  容器内の紫外放射照度が 0.001 mW/cm

2

未満の蓋の付いたもの。

7.3

殺菌方法

7.3.1

乾熱殺菌

殺菌しようとするものを,160∼180  ℃の乾熱殺菌器に入れ,30∼60 分間保つ。ただし,乾熱殺菌終了

後,殺菌対象物の綿栓,包装紙などが水でぬれたときは,その器具は用いてはならない。

7.3.2

高圧蒸気殺菌

オートクレーブに水を入れ,殺菌しようとするものを金網かごに入れてオートクレーブの棚に載せる。

オートクレーブの蓋を締めて加熱し,温度 121  ℃(圧力 103 kPa 相当)に 15∼20 分間保つ。加熱を止め,

100  ℃以下に自然冷却後,排気弁を開き蒸気を抜き去り,蓋を開け殺菌したものを取り出し,必要に応じ

て安全キャビネット内で冷却する。オートクレーブは,培地,加工薬剤などによる汚染を防ぎ,清浄に保

つため,必要に応じ中性洗剤で洗浄し,水で十分にすすぐ。

7.3.3

火炎殺菌

殺菌しようとするものをガス又はアルコールの火炎に当てる。白金耳の場合は十分に赤熱し,試験管の

場合は 2∼3 秒間火炎に当てる。

7.4

培地など

培地などは,次に示す組成のものを用いる。また,同一の組成のものであれば,市販品を用いることが

できる。


8

R 1702

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7.4.1

1/500

濃度普通ブイヨン培地(以下,1/500 NB という。)  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで

肉エキス 3.0 g,ペプトン 10.0 g と塩化ナトリウム 5.0 g を計量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十

分に溶解した後,pH7.1±0.1(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整する。これ

を精製水で 500 倍に希釈し,pH7.0∼7.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整

し,必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用

しないものは 5∼10  ℃の温度で保存する。調製後 1 週間以上過ぎた 1/500 NB は用いてはならない。

7.4.2

ニュートリエント培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで肉エキス 3.0 g とペプトン 5.0 g を計

量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pH6.8±0.2(25  ℃)になるように 0.1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液で調整し,必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺

菌する。調製後,直ちに使用しないものは 5∼10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎたニュー

トリエント培地は用いてはならない。

7.4.3

ニュートリエント寒天培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで肉エキス 3.0 g とペプトン 5.0 g

を計量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pH6.8±0.2(25  ℃)になるように 0.1 mol/l

水酸化ナトリウム溶液で調整する。これに化学はかりで計量した寒天粉末 15.0 g を加え,沸騰する水浴中

で加熱して内容物を十分に溶解した後,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しないものは

5∼10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎたニュートリエント寒天培地は用いてはならない。

菌液を混釈する場合は,培地の温度を 45∼48  ℃にしておく。

7.4.4

斜面培地  試験管をあらかじめ温めて溶解した 7.4.3 のニュートリエント寒天培地を約 10 ml 注ぎ,

綿栓をして高圧蒸気殺菌し,殺菌終了後,清浄な室内に試験管を水平面に対して約 15°傾けて置き,内容

物を凝固させる。調製後,直ちに使用しないものは 5∼10  ℃の温度で保存する。凝結水がなくなったもの

は溶解し,再び凝固させて使用する。調製後,1 か月以上過ぎた斜面培地は用いてはならない。

7.4.5

SCDLP

培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりでカゼイン製ペプトン 17.0 g,大豆製ペプトン

3.0 g,塩化ナトリウム 5.0 g,りん酸水素二カリウム 2.5 g,グルコース 2.5 g とレシチン 1.0 g を計量し,フ

ラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解し,更に,化学はかりで計量した非イオン界面活性剤 7.0 g

を加えて溶解した後,pH7.0±0.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整し,必

要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しない

ものは 5∼10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎた SCDLP 培地は用いてはならない。

7.4.6

生理食塩水  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで塩化ナトリウム 8.5 g を計量し,フラスコに入

れて十分に溶解した後,必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,高圧蒸気殺菌する。調製後,直

ちに使用しないものは 5∼10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎた生理食塩水は用いてはなら

ない。

7.4.7

洗い出し用生理食塩水  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで塩化ナトリウム 8.5 g を計量し,フ

ラスコに入れて十分に溶解し,更に,化学はかりで計量した非イオン界面活性剤 2.0 g を加えて溶解した後,

必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しないものは 5

∼10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎた洗い出し用生理食塩水は用いてはならない。

7.4.8

普通寒天斜面培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで肉エキス 5.0 g,ペプトン 10.0 g と塩化

ナトリウム 5.0 g を計量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pH7.0±0.1(25  ℃)

になるように水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整する。これに化学はかりで計量した寒天粉末

15.0 g を加え,沸騰する水浴中で加熱して内容物を十分に溶解する。これを試験管に約 10 ml 注ぎ,綿栓

をして高圧蒸気殺菌し,殺菌終了後,清浄な室内に試験管を水平面に対して約 15°傾けて置き,内容物を


9

R 1702

:2012

凝固させる。調製後,直ちに使用しないものは 5∼10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎた普

通寒天斜面培地は用いてはならない。

7.4.9

りん酸緩衝液  精製水 500 ml に対して化学はかりでりん酸二水素カリウム 34.0 g を計量し,フラ

スコに入れて十分に溶解した後,pH 計を用い pH7.0±0.2(25  ℃)になるように水酸化ナトリウム溶液で

調整する。さらに,精製水を加えて,1 000 ml とし,必要に応じて試験管又は三角フラスコに分注し,綿

栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,1 か月以上過ぎたりん酸緩衝液は用いてはならない。

7.4.10

りん酸緩衝生理食塩水  精製水 800 ml に対して化学はかりで塩化ナトリウム 6.8 g を計量し,フラ

スコに入れて十分に溶解した後,7.4.9 のりん酸緩衝液を 1 ml 加えて,更にかくはんする。必要に応じて

試験管又は三角フラスコに分注し,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,直ちに使用しないものは 5∼

10  ℃の温度で保存する。調製後,1 か月以上過ぎたりん酸緩衝生理食塩水は用いてはならない。

7.4.11

標準寒天培地  精製水 1 000 ml に対して化学はかりで酵母エキス 2.5 g,トリプトン 5.0 g とグルコ

ース 1.0 g を計量し,フラスコに入れて混合し,内容物を十分に溶解した後,pH7.0±0.1(25  ℃)になる

よう水酸化ナトリウム溶液又は塩酸溶液で調整する。これに化学はかりで計量した寒天粉末 15.0 g を加え,

沸騰する水浴中で加熱して内容物を十分に溶解した後,綿栓をして高圧蒸気殺菌する。調製後,1 か月以

上過ぎた標準寒天培地は用いてはならない。

7.5

細菌の移植及び保存

細菌の移植は,次の手順によって無菌的に行う。片手に元株と移植しようとする 7.4.4 の斜面培地を持ち,

他の手に白金耳の柄を持ち,その手で綿栓を抜き取り,試験管の口を火炎殺菌する。次に,白金耳を火炎

殺菌し,新しい斜面培地の凝結水のある部分に白金耳のループを差し込んでよく冷却してから,元株の試

験管に入れ,細菌の繁殖面から 1 白金耳をかきとり,新しい斜面培地に塗抹する。具体的には

図 のよう

に,凝結水に細菌を分散し,ここから斜面上方まで直線を引く。一旦培地から白金耳の先端を離し,再び

凝結水につけ,今度は蛇行させながら斜面上方まで線を引く。再び試験管の口を火炎殺菌し,元のように

綿栓をする。使用後の白金耳は火炎殺菌する。細菌を移植した斜面培地は,37±1  ℃に設定した培養器で

24∼48 時間培養し,その後は,温度 5∼10  ℃で保存する。細菌移植後,1 か月以内に次の移植を同様に行

い継代培養する。継代培養は菌株保存機関から分譲された元株から数えて 10 回を限度とする。また,移植

して 1 か月以上過ぎたものは,次の移植に用いてはならない。

なお,菌株保存機関から分譲された菌株を,凍結乾燥,凍結などの長期間保存可能な方法で保存した菌

株にあっては,保存菌株を作製するために元株から培養した継代回数を保存菌株の継代回数とする。この

保存菌株を試験に用いる場合は,10 回から保存菌株の継代回数を引いた回数を使用限度とする。

図 1−斜面培地への移植


10

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7.6

透過率の測定

分光光度計の試料ホルダの光が透過する面に,測定するフィルム又はガラス板を貼り付ける。測定する

波長範囲について 1 nm 刻みで透過度を計測し,試料ホルダに何も貼らない状態で計測した透過度を対照

として,透過率(%T)を求める。

8

生菌数の測定

菌数の測定は,次の 10 倍希釈法による混釈平板培養法によって行う。

10.6.1

10.6.211.6.1,又は 11.6.2 の洗い出し液を滅菌したピペットで 1 ml 採り,7.4.6 の生理食塩水 9

±0.1 ml が入った試験管に加え,十分にかくはんする。さらに,この試験管から 1 ml を新しいピペットで

採り,7.4.6 の生理食塩水 9±0.1 ml が入った別の試験管に加え,十分にかくはんする。この操作を順次繰

り返して,10 倍希釈法による希釈系列を作製し,各希釈系列の試験管からそれぞれ別のシャーレ 2 枚に新

しいピペットで 1 ml 採り,45∼48  ℃に保温した 7.4.3 のニュートリエント寒天培地 15∼20 ml を入れ,蓋

をして 15 分間室温で放置する。培地が凝固したら,シャーレを倒置し,37±1  ℃に設定した培養器で 40

∼48 時間培養する。培養後,30∼300 個のコロニーが現れた希釈系列のシャーレのコロニー数を測定し,

洗い出し液の菌濃度を式(1)によって有効数字 2 桁まで求める。

PZ×D

F

 (1)

ここに,

P: 菌濃度(個/ml)

Z: 2 枚のシャーレのコロニー数の平均値(個)

D

F

希釈倍率

洗い出し液 1 ml を用いたシャーレの集落数が 30 個未満の場合は,測定した集落数をコロニー数として

菌濃度を算出する。また,洗い出し液 1 ml を用いたシャーレから生残菌が認められない場合は,コロニー

数に“1”を用いて菌濃度を算出する。

注記  ここで規定する以外の集落数の採用方法については,日本薬学会編  衛生試験法・注解(2005)1.2

微生物試験法 1.2.1.1 細菌一般試験法 3)菌数測定(1)混釈平板培養法又は厚生労働省監修  食品

衛生検査指針微生物編(2004)  第 2 章細菌 2 汚染指標菌 1.細菌数を参考にするとよい。

9

光照射方法

9.1

紫外放射強度の測定及び試験片設置位置の準備

光照射装置の床面に紫外線放射照度計の受光部を据え付け,受光部の上に試験に使用するフィルム及び

ガラス板を置く。指示値を読み取りながら,9.2 に規定する紫外放射照度が得られる位置を決め,試験片設

置位置とする。

なお,紫外放射照度を測定する場合は,紫外放射照度を安定化させるため,照射装置の光源を 15 分以上

予備点灯しておく。

9.2

光照射条件

紫外放射照度は,

附属書 及び附属書 を参考に使用する状況に応じた紫外放射照度を設定して試験す

る。紫外放射照度の選定の目安として,代表的な場所における紫外放射照度を

表 に示す。光源の高さを

調整することで所定の紫外放射照度が得られない場合は,金属製遮光板を使って紫外放射照度を減衰させ

て設定する。

なお,紫外線蛍光ランプ自身の殺菌効果による影響を避けるために,0.25 mW/cm

2

を上限とする。


11

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表 3−代表的な場所における紫外放射照度

紫外放射照度

代表的な場所

0.25 mW/cm

2

昼間の窓際,光触媒機能を作用させるために使用される紫外線蛍光ランプなどの補

助光源を使う場合

0.10 mW/cm

2

昼間の室内(太陽光が入る窓から 1.5 m 程度内側まで)

,朝又は夕方の窓際

0.01 mW/cm

2

昼間の室内(太陽光が入る窓から 3 m 程度内側まで)

0.001 mW/cm

2

太陽光が入らない昼間の室内又は夜間の室内(蛍光灯の紫外線)

注記 1  紫外放射照度計の性能によって,現状測定できる紫外放射照度の下限は 0.001 mW/cm

2

程度で

あるが,将来的にはより低い紫外放射照度まで測定できる可能性もある。

注記 2  使用する金属製遮光板は,ここに記載する形状を指定するものでないが,ブラックライト蛍

光ランプを覆うことができるサイズであることが望ましい(

図 参照)。

単位  mm

図 2−金属製遮光板の形状例

9.3

試験菌液を接種した試験片の光照射

試験菌液を接種した試験片[単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無

加工試験片)3 個及び単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した試験片 3 個]の入った保

存シャーレを温度 25±5  ℃で,8 時間光照射する。

なお,光触媒抗菌加工製品が実際に使用される状況を考慮して,光照射時間を 4 時間を下限として短く

してもよい。

9.4

試験菌液を接種した試験片の暗所での保存

試験菌液を接種した試験片[単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無

加工試験片)3 個及び単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した試験片 3 個]の入った保

存シャーレを温度 25±5  ℃で,9.3 と同じ時間,7.2.43 の暗箱の中に保存する。この場合,保存シャーレを

覆う保湿用ガラスの代わりに,保存シャーレの蓋を代用してもよい。


12

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10

フィルム密着法

10.1

試験片の採取

試験片の採取は,次による。

a)

平板状製品の平らな部分を 50±2 mm 角(厚さ 10 mm 以内)の正方形に切り取り,これを標準の大き

さの試験片とする。ただし,平板状製品を 50±2 mm 角(厚さ 10 mm 以内)の正方形に切り取ること

が困難又は不可能な場合,表面積 400∼1 600 mm

2

のフィルムをかぶせることが可能な試験片の大きさ

であれば,ここに規定する形状及び大きさ以外の試験片を使用してもよい。また,試料表面が有機物

で汚染されている場合は,1.0 mW/cm

2

程度の光源を 24 時間を上限として照射し,有機物を除去する

予備作業をしてもよい。

b)

これらの試験片を,単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工

試験片)は 9 個(3 個は試験菌液接種直後の生菌数測定用に,3 個は所定時間光照射後の生菌数測定に,

残りの 3 個は所定時間暗所放置後の生菌数測定に用いる)

,単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触

媒抗菌加工した試験片は 6 個(3 個は所定時間光照射後の生菌数測定に,残りの 3 個は所定時間暗所

放置後の生菌数測定に用いる。

)準備する。

c)

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)が準備でき

ない場合は,ガラス板を使用してもよい。試験片の調製に当たっては微生物汚染,製品間の相互汚染

及び汚れに十分注意する。試験片は製品そのものから採取することが望ましいが,製品の形状から試

験片の調製が困難な場合は,同じ原材料及び加工方法で別途平板状に加工したものから試験片を調製

してもよい。

10.2

試験片の清浄化及び設置

10.2.1

試験片の清浄化

10.1

の試験片の全面を,エタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂綿で軽く 2∼3 回拭いた後,十分に

乾燥する。

これらの処理をすることによって,試験片の軟化,表面の塗装の溶解,成分の溶出などの変化が起こり,

これらが原因で試験結果に影響を及ぼすと判断される場合においては,他の適切な方法を用いて清浄化す

るか,又は清浄化せずにそのまま試験に用いる。

10.2.2

試験片の設置

滅菌済保存シャーレの底に,滅菌した調湿用ろ紙を置き,滅菌水を適量入れ,試験片と調湿用ろ紙とが

触れないようガラス管又はガラス棒を置き,その上に単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加

工した面を上にして試験片を置く(

図 参照)。試験面は単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌

加工した製品の表面とする。内部まで単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した製品であ

っても,切断面は試験面としない。また,高圧蒸気殺菌によってろ紙が湿った場合は,乾燥させてから使

用する。

注記  滅菌水を入れすぎると,保湿用ガラスが曇り,試験に影響するので,4∼6 ml 程度が適切であ

る。


13

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単位  mm

図 3−フィルム密着法試験片及び保湿用ガラスの組立て

10.3

試験菌の前培養

7.5

の保存菌株から 7.4.3 のニュートリエント寒天培地に 1 白金耳移植し,温度 37±1  ℃に設定した培養

器で 16∼24 時間培養する。さらに,この培養菌から新たなニュートリエント寒天培地に 1 白金耳移植し,

温度 37±1  ℃に設定した培養器で 16∼20 時間培養する。

10.4

試験菌液の調製

10.3

で前培養した試験菌の菌体 1 白金耳量を少量の 1/500 NB に均一に分散させ,顕微鏡による直接観察

又はその他の適切な方法によって菌数を測定する。この菌液を 1/500 NB を用いて適宜希釈し,菌数が約

6.7×10

5

∼約 2.6×10

6

個/ml となるように調製し,これを試験菌液とする。試験菌液をすぐに使用しない場

合は氷冷(0  ℃)保存し,保存 2 時間以内に使用する。

10.5

試験菌液の接種

試験菌液の接種は,次による。

a)

10.4

の試験菌液をピペットで正確に 0.15 ml 採取し,これを 10.2.2 の各試験片に滴下する。標準の大

きさ以外の試験片の接種菌液量は,被覆した密着フィルムの面積比で案分する。また,標準の大きさ

の試験片であっても,規定に基づく菌液量を接種したとき,フィルム全体に行きわたらなかったり,

フィルムの端から菌液が漏れ出す場合がある。このような場合は,接種菌液の液量を規定量の 2 倍か

ら 1/2 を限度に調整してもよい。ただし,試験片に接種する菌液は接種菌液量を少なくした場合にお

いても,標準の大きさの試験片の場合と同様に 1 試験片当たり 1.0×10

5

∼4.0×10

5

個とする。この場

合,試験菌液の菌数は,10.4 の規定によらず,接種菌液量から換算して調整する。


14

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b)

滴下した試験菌液の上に密着フィルムをかぶせ,菌液が密着フィルムの端からこぼれないように注意

しながら試験菌液が密着フィルム全体に行きわたるように軽く押さえつけた後,保湿用ガラスを載せ

る(

図 参照)。密着フィルムの大きさは,40±2 mm 角の正方形を標準とする。試験片が標準の大き

さ以外の場合は,密着フィルムが試験片より 2.5 mm 以上内側となるように大きさを調整する。ただ

し,密着フィルムの大きさは 400 mm

2

より小さくしてはならない。このフィルムは,あらかじめ裁断

したものをエタノールで拭くか,又は滅菌済みのフィルムを無菌的に裁断したものを用いる。また,

試験片の形状が平面でなくて密着フィルムを密着させることが困難な場合などにおいては,フィルム

をかぶせる操作を省略することができる。保湿ガラスはガラスの全面を,エタノールを吸収させた局

方ガーゼ又は脱脂綿で軽く 2∼3 回拭いた後,十分に乾燥してから使用する。

c)

試験菌液接種直後の生菌数測定用に使うものを除いて,9.3 及び 9.4 の試験をする。

10.6

接種した試験菌の洗い出し

10.6.1

試験菌液接種直後の試験片

試験菌液を接種した直後の単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無

加工試験片)3 個について,密着フィルムと試験片とを菌液がこぼれないように注意しながら滅菌したピ

ンセットを用いて滅菌済みストマッカー袋内に入れ,これにピペットで 7.4.5 の SCDLP 培地 10 ml を加え,

手で試験片及び密着フィルムを十分にもみ,試験菌を洗い出す。この洗い出し液は,速やかに箇条 の測

定に供する。また,試験菌の洗い出しについては,この方法と同等又はそれ以上の回収率が認められる方

法であれば他の方法を用いてもよい。試験片の大きさ及び特性上,SCDLP 培地 10 ml で洗い出しが困難な

場合は,液量を増やしてもよい。

10.6.2

試験後の試験片

9.3

及び 9.4 の試験片について,10.6.1 と同様に試験菌を洗い出す。この洗い出し液は,速やかに箇条 8

の測定に供する。

10.7

生菌数の計算

箇条 で求めた菌濃度から,式(2)によって生菌数を求める。

NP× (2)

ここに,

N: 生菌数(個)

P: 箇条 で求めた菌濃度(個/ml)

V: 洗い出しに用した SCDLP 培地の液量(ml)

洗い出し液 1 ml を用いたシャーレから生残菌が認められない場合は,生菌数は“<10”と表示し(V が

10 ml の場合),10.8 では,“10”を用いて計算する。

10.8

試験結果

試験結果は,次による。

a)

試験成立条件の判定  次の 4 項目の試験成立条件を全て満たすとき,その試験は有効と判定する。全

ての条件を満足しない場合は,試験不成立と判定し,再度試験を実施する。

1)

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)の接種直

後の生菌数の対数値について,次の式(3)が成立する。

(L

max

L

min

)/( L

mean

)≦0.2 (3)

ここに,

L

max

生菌数対数値の最大値

L

min

生菌数対数値の最小値

L

mean

3 個の試験片の生菌数対数値の平均値

2)

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)の接種直


15

R 1702

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後の生菌数平均値は,1.0×10

5

∼4.0×10

5

個である。

3)

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)の光照射

後の生菌数は,3 個の値が全て 1.0×10

3

個以上である。ただし,単味光触媒抗菌加工又はハイブリ

ッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)にガラス板を用いた場合は,光照射後の生

菌数の値が全て 1.0×10

4

個以上とする。

4)

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)の暗所放

置後の生菌数は,3 個の値が全て 1.0×10

3

個以上である。ただし,単味光触媒抗菌加工又はハイブ

リッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)にガラス板を用いた場合は,暗所放置後

の生菌数の値が全て 1.0×10

4

個以上とする。

b)

単味光触媒抗菌加工平板状製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の抗菌活性値の計算  試

験が成立した場合について,式(4)によって試験した紫外放射照度での単味光触媒抗菌加工平板状製品

又はハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の抗菌活性値を小数点以下 2 桁目を切り捨て,小数点以

下 1 桁で求める。

なお,3 試験片の生菌数の平均値は,10.7 で求めた数値を用いて,有効数字 3 桁目を四捨五入して 2

桁で表示する。

R

L

=[log(B

L

/A)−log(C

L

/A)]=log[B

L

/C

L

]  (4)

ここに,

R

L

紫外放射照度条件 での単味光触媒抗菌加工平板状製品
又はハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の抗菌活性

L: 試験で用いた紫外放射照度(mW/cm

2

A: 単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し

ていない試験片(無加工試験片)の接種直後の 3 試験片
の生菌数の平均値(個)

B

L

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し
ていない試験片(無加工試験片)を紫外放射照度条件 L
で 8 時間光照射した後の 3 試験片の生菌数の平均値

(個)

C

L

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し
た試験片を紫外放射照度条件 で 8 時間光照射した後の
3 試験片の生菌数の平均値(個)

c)

単味光触媒抗菌加工平板状製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光照射による効果の計

算  式(5)によって単味光触媒抗菌加工平板状製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光

照射による効果 ΔR を小数点以下 2 桁目を切り捨て,小数点以下 1 桁で求める。

なお,3 試験片の生菌数の平均値は,10.7 で求めた数値を用いて,有効数字 3 桁目を四捨五入して 2

桁で表示する。

ΔR=log[B

L

/C

L

]−[log(B

D

/A)−log(C

D

/A)]=log[B

L

/C

L

]−log [B

D

/C

D

]  (5)

ここに,

ΔR: 単味光触媒抗菌加工平板状製品又はハイブリッド光触媒

抗菌加工平板状製品の光照射による効果

B

D

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し
ていない試験片(無加工試験片)を 8 時間暗所に保存し
た後の 3 試験片の生菌数の平均値(個)

C

D

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し
た試験片を 8 時間暗所に保存した後の 3 試験片の生菌数
の平均値(個)

10.9

試験結果の記録


16

R 1702

:2012

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した試験片及び単味光触媒抗菌加工又はハイブリ

ッド光触媒抗菌加工していない試験片(無加工試験片)の種類・大きさ,予備照射をした場合はその条件,

密着フィルムの種類・大きさ,保湿用ガラスの種類,試験菌種,細菌の保存番号,試験菌液の接種量,試

験菌液の生菌数,使用した光源の種類(製造業者名,品番)

,紫外放射照度を測定した紫外放射照度計の種

類(製造業者名,品番)

,光照射条件,光照射時間,10.8 b)の AB

L

C

L

それぞれの値,R

L

10.8 c)の B

D

C

D

それぞれの値,ΔR を記録する(

例 参照)。

注記  光触媒による抗菌性について,異なるタイプの光触媒及び紫外放射照度について評価した結果

附属書 に示す。

例 1  試験結果

単味光触媒抗菌加工した試験片の種類

光触媒フィルム,50 mm×50 mm

単味光触媒抗菌加工していない試験片(無加
工試験片)の種類

PET フィルム,50 mm×50 mm

光源の種類

ブラックライト蛍光灯(○○電気,FL20_BLB)

予備照射条件 FL20_BLB,1.0 mW/cm

2

で 24 時間予備照射

紫外放射照度計

紫外放射測定器(△△製作所,本体:UV-X,受光部:UV-Y)

密着フィルムの種類

ポリプロピレンフィルム(□□商会)

,40 mm×40 mm

保湿用ガラスの種類

ほうけい酸ガラス

光照射条件 0.01

mW/cm

2

で,8 時間

接種量 0.1

ml

試験に用いた菌種(細菌の保存株番号)

黄色ぶどう球菌(NBRC12732)

大腸菌(NBRC3972)

試験菌液の生菌数 2.0×10

6

 3.2×10

6

2.0×10

5

 3.2×10

5

B

0.01

 3.2×10

5

 2.0×10

6

C

0.01

 5.0×10

2

 3.1×10

3

R

0.01

 2.8

2.8

B

D

 3.5×10

5

 2.2×10

6

C

D

 2.8×10

5

 1.8×10

6

ΔR 

2.7 2.7

11

ガラス密着法

11.1

試験片の採取

試験片の採取は,次による。

a)

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した繊維製品及び単味光触媒抗菌加工又はハイ

ブリッド光触媒抗菌加工していない繊維製品(未加工布)を 50±2 mm 角の正方形に切り取り,試験

片とする。

b)

これらを,単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない繊維製品(未加工布)は

9 個(3 個は試験菌液接種直後の生菌数測定に,3 個は所定時間光照射後の生菌数測定に,残りの 3 個

は所定時間暗所放置後の生菌数測定に用いる。

,単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加

工した繊維製品は 6 個(3 個は所定時間光照射後の生菌数測定に,残りの 3 個は所定時間暗所放置後

の生菌数測定に用いる。

)準備する。試験片の調製に当たっては微生物汚染,製品間の相互汚染及び汚

れに十分注意する。

c)

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない繊維製品(未加工布)が準備できな

い場合は,綿標準布を使用してもよい。


17

R 1702

:2012

注記  綿標準布を未加工布として使用する場合,紫外放射照度条件によっては,試験成立条件を満

足しない場合があるので注意する。

11.2

試験片の殺菌及び設置

11.2.1

試験片の殺菌

11.1

の試験片ごとにガラス製シャーレに入れる。これらを金網かごに入れ,金網かごの上部全体をアル

ミニウムはくで覆い,オートクレーブに入れ高圧蒸気殺菌する。オートクレーブから取り出した後,安全

キャビネット内でアルミニウムはくを外し,試験片を乾燥させるためにガラス製シャーレの蓋をずらして

60 分程度乾燥後,ガラス製シャーレの蓋をする。

11.2.2

試験片の設置

滅菌済保存シャーレの底に,滅菌した調湿用ろ紙を置き,滅菌水を適量入れ,試験片と調湿用ろ紙とが

触れないようガラス管又はガラス棒を置く。その上に一辺が 55∼60 mm の正方形の殺菌したガラス板を置

いて,単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した繊維製品については,単味光触媒抗菌加

工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した面を上にして 11.2.1 の試験片を載せる(

図 参照)。また,高圧蒸

気殺菌によってろ紙が湿った場合は,乾燥させてから使用する。

注記  滅菌水を入れすぎると,保湿用ガラスが曇り,試験に影響するので,4∼6 ml 程度が適切であ

る。

単位  mm

図 4−ガラス密着法試験片及び保湿用ガラスの組立て

11.3

試験菌液の培養

試験菌液の培養は,次による。

a)

培養 A  7.5 の保存菌を 7.4.3 のニュートリエント寒天培地に 1 白金耳移植し,温度 37±1  ℃で 24∼48


18

R 1702

:2012

時間培養する。この平板は 5∼10  ℃で保存し,1 週間以上保存したものは用いてはならない。また,

一度コロニーを採取した平板は再度用いてはならない。

b)

培養 B  100 ml 三角フラスコに 7.4.2 のニュートリエント培地 20 ml を入れ,培養 A の平板から 1 白金

耳移植し,培養する。培養条件は,次による。

温度  37±1

振とう数  110 rpm,振幅 3 cm を目安とする。

時間  18∼24 時間

c)

培養 C  100 ml の三角フラスコに 7.4.2 のニュートリエント培地 20 ml を入れ,培養 B の菌濃度 1×10

8

∼2×10

8

個/ml の菌液 0.4 ml を加え,培養する。培養条件は,次による。

温度  37±1

振とう数  110 rpm,振幅 3 cm を目安とする。

時間  3±1 時間

培養後の目標菌数  10

7

個/ml

11.4

試験菌液の調製

培養 B の菌液の菌濃度を次の a)

及び b)

によって推定し,室温の 7.4.2 のニュートリエント培地で,菌濃

度を 1×10

8

∼2×10

8

個/ml に調製する。

次に,培養 C の菌液の菌濃度を a)

及び b)

によって推定する。7.4.2 のニュートリエント培地を精製水を

用いて 20 倍に希釈し,氷冷し,これを用いて培養 C の菌濃度を 7.0×10

4

∼1.3×10

5

個/ml に調製し,これ

を試験菌液とする。試験菌液をすぐに使用しない場合は氷冷(0  ℃)保存し,保存 4 時間以内に使用する。

a)

培養 B 又は C の菌液 1 ml を試験管に採取し,培養 B では精製水で 10 倍,培養 C では精製水で 5 倍に

希釈し,試験管かくはん器で 5 秒間かくはんした後,30 秒後に分光光度計で吸光度を測定する。測定

波長は 660 nm とする。

b)

吸光度と菌濃度との関係を把握する。

11.5

試験菌液の接種

試験菌液の接種は,次による。

a)

密着ガラス及び保湿用ガラスの全面を,エタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂綿で軽く 2∼3

回拭いた後,十分に乾燥しておく。ただし,密着ガラスは,一辺が 55∼60 mm の正方形のガラスとす

る。

b)  11.4

の試験菌液をピペットで正確に 0.2 ml 採取し,これを 11.2.2 の試験片の数箇所に滴下接種する。

標準の液量で布全面に行きわたらない場合又は布から漏れてしまう場合は,接種菌液の液量を規定量

の 2 倍から 1/2 を限度に調整してもよい。ただし,試験片に接種する菌液は接種菌液量を変更した場

合においても,標準の液量の場合と同様に 1 試験片当たり 1.4×10

4

∼2.6×10

4

個とする。この場合,

試験菌液の菌数は,11.4 の規定によらず,接種菌液量から換算して調整する。

なお,検体に試験菌液を十分に浸透させるためには,非イオン界面活性剤 0.05 %を含む試験菌液を

用いてもよい。

c)

滴下した試験菌液の上に滅菌した密着ガラスをかぶせ,菌液が密着ガラスの端からこぼれないように

注意しながら試験菌液が密着ガラス全体に行きわたるように軽く押さえつけた後,保湿用ガラスを載

せる(

図 参照)。

d)

試験菌液接種直後の生菌数測定用に使うものを除いて,9.3 及び 9.4 の試験をする。

11.6

試験菌の洗い出し


19

R 1702

:2012

11.6.1

試験菌液接種直後の試験片

試験菌液を接種した直後の単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない繊維製品

(未加工布)3 個について,密着ガラス,試験片とガラス板とを菌液がこぼれないように注意しながら滅

菌したピンセットを用いて滅菌済みストマッカー袋内に入れ,

これにピペットで 7.4.7 の洗い出し用生理食

塩水 20 ml を加え,手で試験片,ガラス板及び密着ガラスを十分にもみ,試験菌を洗い出す。この洗い出

し液は,速やかに箇条 の測定に供する。また,試験菌の洗い出しについては,この方法と同等又はそれ

以上の回収率が認められる方法であれば他の方法を用いてもよい。

11.6.2

試験後の試験片

9.3

及び 9.4 の試験片について,11.6.1 と同様に試験菌を洗い出す。この洗い出し液は,速やかに箇条 8

の測定に供する。

11.7

生菌数の計算

箇条 で求めた菌濃度から,次の式(6)によって生菌数を求める。

MP×20 (6)

ここに,

M: 生菌数(個)

P: 箇条 で求めた菌濃度(個/ml)

20: 洗い出しに用いた生理食塩水の量(ml)

洗い出し液 1 ml を用いたシャーレから生残菌が認められない場合は,洗い出し液に 20 ml を用いている

ことから生菌数は“<20”と表示し,11.8 では,

“20”を用いて計算する。

11.8

試験結果

試験結果は,次による。

a)

試験成立の判定  試験成立の判定は,増殖値によって行う。増殖値を式(7)及び式(8)によって求め,JIS 

Z 8401

によって有効数値 2 桁に丸め,増殖値が 0 を超える場合は,試験成立と判定し,増殖値が 0 以

下の場合は,試験不成立と判定し,再度試験を実施する。

F

BL

M

BL

M

BA

 (7)

ここに,

F

BL

紫外放射照度条件 で試験した増殖値

L: 試験で用いた紫外放射照度(mW/cm

2

M

BL

紫外放射照度条件 での単味光触媒抗菌加工又はハイブ
リッド光触媒抗菌加工していない繊維製品(未加工布)
の 8 時間光照射後の 3 個の生菌数の常用対数値の平均値

M

BA

未加工布の試験菌接種直後の 3 個の生菌数の常用対数値
の平均値

F

BD

M

BD

M

BA

 (8)

ここに,

F

BD

暗所で試験した増殖値

M

BD

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し
ていない繊維製品(未加工布)の 8 時間暗所放置後の 3
個の生菌数の常用対数値の平均値

b)

単味光触媒抗菌加工繊維製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の静菌活性値の計算  試験が

成立した場合について,式(9)によって試験した紫外放射照度での単味光触媒抗菌加工繊維製品又はハ

イブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の静菌活性値を小数点以下 2 桁目を切り捨て,小数点以下 1 桁で

求める。

S

L

M

BL

M

L

 (9)

ここに,

S

L

紫外放射照度条件 での単味光触媒抗菌加工繊維製品又
はハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の静菌活性値


20

R 1702

:2012

M

L

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し
た繊維製品を紫外放射照度条件 で 8 時間光照射した後
の 3 個の生菌数の常用対数値の平均値

c)

単味光触媒抗菌加工繊維製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の光照射による効果の計算

式(10)によって単味光触媒抗菌加工繊維製品又はハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品の光照射によ

る効果 ΔS を小数点以下 2 桁目を切り捨て,小数点以下 1 桁で求める。

ΔS=(M

BL

M

L

)−(M

BD

M

D

)  (10)

ここに,

ΔS: 単味光触媒抗菌加工繊維製品又はハイブリッド光触媒抗

菌加工繊維製品の光照射による効果

M

D

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工し
た繊維製品を暗所に 8 時間置いた後の 3 個の生菌数の常
用対数値の平均値

11.9

試験結果の記録

単味光触媒抗菌加工又はハイブリッド光触媒抗菌加工した繊維製品の種類・素材,単味光触媒抗菌加工

又はハイブリッド光触媒抗菌加工していない繊維製品(未加工布)の種類・素材,密着ガラス及び保湿用

ガラスの種類,試験菌種,細菌の保存番号,試験菌液の接種量,接種菌濃度,使用した光源の種類(製造

業者名,品番)

,紫外放射照度を測定した紫外放射照度計の種類(製造業者名,品番)

,光照射条件,光照

射時間,11.8 の S

L

ΔS を記録する。また,試験菌液に非イオン界面活性剤を添加した場合には,その名称

及び濃度を付記する(

例 参照)。

例 2  試験結果

単味光触媒抗菌加工した繊維製品の種類

光触媒布

単味光触媒抗菌加工していない繊維製品(未
加工布)の種類

綿標準布

光源の種類

ブラックライト蛍光灯(○○電気,FL20_BLB)

紫外放射照度計

紫外放射測定器(△△製作所,本体:UV-X,受光部:UV-Y)

密着ガラスの種類

ほうけい酸ガラス

保湿用ガラスの種類

ほうけい酸ガラス

光照射条件 0.01

mW/cm

2

で,8 時間

接種量 0.2

ml

使用した非イオン界面活性剤

ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート,0.05 %

試験に用いた菌種(細菌の保存株番号)

黄色ぶどう球菌(NBRC12732) 肺炎かん(桿)菌(NBRC13277)

接種菌濃度 1.0×10

5

 1.1×10

5

S

0.01

 3.5

3.1

ΔS 

3.3 3.0

12

表示

光触媒抗菌加工平板状製品又は光触媒抗菌加工繊維製品には,次の事項をカタログ,及び製品又は包装

に表示しなければならない。

なお,表示スペースが足りないなどによって,製品又は包装への表示が困難な場合には,商品に附属し

ている商品タグ,取扱説明書など,商品に附属しているものに表示してもよい。

a)

規格番号及び試験の種類

b)

想定している使用場所

例  昼間の室内(太陽光が入る窓から 3 m 程度内側まで),太陽光が入らない昼間の室内,夜間の

室内など


21

R 1702

:2012

c)

抗菌性能を想定どおりに発揮させるための使用方法

例  どのような光環境下に何時間程度暴露させることが必要かなど

d)

光触媒の種類及び光触媒以外の抗菌剤も使用している場合は,その旨及び使用している抗菌剤の名称

例  酸化チタン

e)

抗菌効果

単味光触媒抗菌加工平板状製品においては 4.1 に規定する計算結果,ハイブリッド光触媒抗菌加工

平板状製品においては 4.2 に規定する計算結果,単味光触媒抗菌加工繊維製品においては 4.3 に規定す

る計算結果,ハイブリッド光触媒抗菌加工繊維製品においては 4.4 に規定する計算結果[

例:

(箇条 10

によって試験した製品の結果の場合)0.01 mW/cm

2

,8 時間試験条件での単味光触媒抗菌加工平板状製

品の抗菌活性値  黄色ぶどう球菌 2.8,大腸菌 2.8,0.01 mW/cm

2

,8 時間で試験した際の単味光触媒抗

菌加工平板状製品の光照射による効果  黄色ぶどう球菌 2.7,大腸菌 2.7]


22

R 1702

:2012

附属書 A

規定)

ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光が当たらない環境での

抗菌性試験方法・抗菌効果

A.1

適用範囲

この附属書は,ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光(波長 300∼380 nm の紫外線)が当たらな

い環境での抗菌性を測定する手順について,JIS Z 2801 の 5.6(試験操作)に規定する操作に代わる試験操

作を規定する。

なお,ここに規定していない項目,箇条 3(用語及び定義)

5.7(生菌数の計算)

5.8(試験結果)

,箇

条 6(試験結果の記録)については,JIS Z 2801 による。また,抗菌効果については,JIS Z 2801 の箇条 4

(抗菌効果)に従う。

A.2

概要

JIS Z 2801

では,抗菌加工製品の抗菌性試験法及び抗菌効果について規定しているが,光(波長 300∼

380 nm の紫外線)の影響を考慮していない。ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品の光が当たらない環

境での抗菌性を測定するためには,この光の影響を排除しないと,光触媒による抗菌性も含めて評価する

ことになる。そこで,JIS Z 2801 に記載されている試験方法に,光の影響を排除した試験条件で抗菌性を

評価するために必要な手順を追記する。

A.3

試験操作

A.3.1

一般事項

取り扱う微生物のバイオハザードレベルに必要な設備が用意された実験室で試験する。

注記  バイオハザードレベル及び必要な設備については,国立感染症研究所病原体等安全管理規程な

どを参考にする。

A.3.2

細菌の保存及び培養

細菌の移植は,次の手順によって無菌的に行う。片手に元株と移植しようとする 7.4.8 の普通寒天斜面培

地を持ち,ほかの手に白金耳の柄を持ち,その手で綿栓を抜き取り,試験管の口を火炎殺菌する。次に,

白金耳を火炎殺菌し,新しい普通寒天斜面培地の凝結水のある部分に白金耳のループを差し込んでよく冷

却してから,元株の試験管に入れ,細菌の繁殖面から 1 白金耳をかきとり,新しい普通寒天斜面培地に塗

抹し,再び試験管の口を火炎殺菌し,元のように綿栓をする。使用後の白金耳は火炎殺菌する。細菌を移

植した斜面培地は,35±1  ℃で 24∼48 時間培養し,その後は,温度 5∼10  ℃で保存する。細菌移植後,

1 か月以内に次の移植を同様に行い継代培養する。継代培養は菌株保存機関から分譲された元株から数え

て 5 回を限度とする。また,移植して 1 か月以上過ぎたものは,次の移植に用いてはならない。

A.3.3

試験菌の前培養

A.3.2

の保存菌株から 7.4.8 の普通寒天斜面培地に 1 白金耳量を移植し,培養器中で温度 35±1  ℃で 16

∼24 時間培養する。さらに,この培養菌から新たな普通寒天斜面培地に 1 白金耳量を移植し,培養器中で

温度 35±1  ℃で 16∼20 時間培養する。

A.3.4

試験に用いる安全キャビネット,容器及び培養器の評価(紫外放射照度の測定)


23

R 1702

:2012

試験に用いる安全キャビネット,容器及び培養器の評価は,次による。

a)

試験片を取り扱う A.3.6A.3.8 及び A.3.10 の作業を行う際に,安全キャビネット内に漏れる紫外線に

よって光触媒作用が働かないことを確実にするため,0.001 mW/cm

2

まで測定できる紫外放射照度計を

用いて,安全キャビネットの作業台上の紫外放射照度を測定する。紫外放射照度が 0.001 mW/cm

2

以上

の場合は,紫外放射照度が 0.001 mW/cm

2

未満になるよう,要因を取り除いてから試験する。

b)

試験片を取り扱う A.3.6 の作業を行う際に,試験片を保管する容器内に漏れる紫外線によって光触媒

作用が働かないことを確実にするため,0.001 mW/cm

2

まで測定できる紫外放射照度計を用いて,容器

内の紫外放射照度を測定する。紫外放射照度が 0.001 mW/cm

2

以上の場合は,紫外放射照度が

0.001 mW/cm

2

未満になるよう,要因を取り除いてから試験する。

c)

試験片を培養する培養器内に漏れる紫外線によって光触媒作用が働かないことを確実にするため,

0.001 mW/cm

2

まで測定できる紫外放射照度計を用いて,培養器内の紫外放射照度を測定する。紫外放

射照度が 0.001 mW/cm

2

以上の場合は,紫外放射照度が 0.001 mW/cm

2

未満になるよう,窓を覆い隠す

など,要因を取り除いてから試験する。

A.3.5

試験片の調製

試験片の調製は,次による。

a)

ハイブリッド光触媒抗菌加工平板状製品及び無加工製品の平らな部分を 50±2 mm 角(厚さ 10 mm 以

内)の正方形に切り取り,これを標準の大きさの試験片とする。ただし,製品を 50±2 mm 角(厚さ

10 mm 以内)の正方形に切り取ることが困難又は不可能な場合,表面積 400∼1 600 mm

2

の密着フィル

ムをかぶせることが可能な試験片の形状及び大きさであれば,ここに規定する形状及び大きさ以外の

試験片を使用してもよい。

b)

これらの試験片を,無加工試験片は 6 個(3 個は試験菌液接種直後の生菌数測定用に,残りの 3 個は

24 時間培養後の生菌数測定に用いる。),ハイブリッド光触媒抗菌加工した試験片は 3 個準備する。

c)

無加工製品から無加工試験片が準備できない場合は,10.1 のガラス板を使用してもよい。試験片の調

製に当たっては微生物汚染,製品間の相互汚染及び汚れに十分注意する。ハイブリッド光触媒抗菌加

工した試験片は,製品そのものから採取することが望ましいが,製品の形状から試験片の調製が困難

な場合は,同じ原材料及び加工方法で別途平板状に加工したものから試験片を調製してもよい。

d)

無加工試験片が所定枚数用意できない場合で,3 個準備できる場合には,24 時間培養後の生菌数測定

用として無加工試験片 3 個を使用し,試験菌液接種直後の生菌数測定用にはガラス板を代用する。3

個準備できない場合は,全てガラス板を使用する。

A.3.6

試験片の清浄化及び保管

試験片に紫外線が作用しないようにするため,A.3.4 a)

の状態に保った安全キャビネット内で作業する。

a)

A.3.5

の試験片の全面を,エタノールを吸収させた局方ガーゼ又は脱脂綿で軽く 2∼3 回拭いた後,十

分に乾燥する。これらの処理をすることによって,試験片の軟化,表面の塗装の溶解,成分の溶出な

どの変化が起こり,これらが原因で試験結果に影響を及ぼすと判断される場合においては,他の適切

な方法を用いて清浄化するか,又は清浄化せずにそのまま試験に用いる。

b)  A.3.5

の各試験片を試験面を上にして滅菌済みシャーレ内に置く。ただし,直ちに A.3.7 の手順に移ら

ない場合には,A.3.7 の作業を始めるまでの間 A.3.4 b)

の容器内で保管する。試験面はハイブリッド光

触媒抗菌加工が施されている製品の表面とし,内部までハイブリッド光触媒抗菌加工されている製品

であっても,切断面は試験面としない。


24

R 1702

:2012

A.3.7

試験菌液の調製

A.3.3

で前培養した試験菌の菌体 1 白金耳量を,少量の 7.4.1 の 1/500 NB に均一に分散させ,顕微鏡によ

る直接観察又はその他の適切な方法によって菌数を推定する。この菌液を 1/500 NB を用いて適宜希釈し,

菌数が 2.5×10

5

∼10×10

5

  個/ml となるように調製し,これを試験菌液とする。試験菌液をすぐに使用しな

い場合は氷冷(0  ℃)保存し,保存 2 時間以内に使用する。

A.3.8

試験菌液の接種

試験片に紫外線が作用しないようにするため,A.3.4 a)

の状態に保った安全キャビネット内で作業する。

a)

A.3.7

の試験菌液をピペットで正確に 0.4 ml 採取し,これをシャーレ内の各試験片に滴下し,直ちに

相対湿度 90 %以上になるように調整した蓋の付いた容器に入れる。標準の大きさ以外の試験片の接種

菌液量は,被覆した密着フィルムの面積比で案分する。また,標準の大きさの試験片であっても,規

定に基づく菌液量を接種したとき,陶磁器,タイル,ホーロー,ガラスなどのぬれ性が極めてよい試

験片では,僅かな傾斜で密着フィルムが移動したり,密着フィルムの端から菌液が漏れ出す場合があ

る。このような場合は,接種菌液の液量を規定量の 1/4 を限度に減じてもよい。ただし,試験片に接

種する菌数は接種菌液量を少なくした場合においても,標準の大きさの試験片の場合と同様に 1 試験

片当たり 1.0×10

5

∼4.0×10

5

個(6.2×10

3

∼2.5×10

4

  個/cm

2

)とする。

b)

滴下した試験菌液の上に密着フィルムをかぶせ,菌液が密着フィルムの端からこぼれないように注意

しながら,試験菌液が密着フィルム全体に行きわたるように軽く押さえつけた後,シャーレの蓋をす

る(

図 A.1 参照)。密着フィルムの大きさは,40±2 mm 角の正方形を標準とする。試験片が標準の大

きさ以外の場合は,密着フィルムが試験片より 2.5∼5.0 mm 以内となるように大きさを調整する。た

だし,密着フィルムの面積は 400 mm

2

より小さくしてはならない。

注記 1  試験菌液の接種に当たって,親水性が高い表面をもつ試料など,どうしても試験菌液がフ

ィルムの端から漏れてしまう場合には,菌液量を 0.1 ml を限度として減量して接種する。

この場合には,通常量の接種菌液を適用する場合又は同数の細菌個数を提供するために菌

液中の細菌数の濃度を高める。

注記 2  紫外線が影響しないことを確実にするため,速やかに操作することが望ましい。

注記 3  例えば,試験片の大きさが標準の 3/4 の大きさの場合には,1 試験片当たり 7.5×10

4

∼3.0

×10

5

個の試験菌液を接種する。この際,ぬれ性がよく,標準の大きさの試験片で 1 試験片

当たり 0.15 ml 接種する場合で想定すると,試験片の大きさが標準の 3/4 の大きさの場合に

は,6.7×10

5

∼2.6×10

6

  個/ml となるように試験菌液を調製し,試験片には 0.113 ml 接種する。


25

R 1702

:2012

単位  mm

図 A.1−試験片の組立て

A.3.9

試験菌液を接種した試験片の培養

試験菌液を接種した試験片(無加工試験片 3 個及びハイブリッド光触媒抗菌加工した試験片 3 個)を入

れたシャーレが入った容器を直ちに A.3.4 c)の培養器に入れ,温度 35±1  ℃で 24±1 時間培養する。

A.3.10

接種した試験菌の洗い出し

A.3.10.1

試験菌液接種直後の試験片

A.3.8

の試験菌液を接種した直後の無加工試験片 3 個について,密着フィルム及び試験片をそれぞれ菌液

がこぼれないように注意しながらそれぞれ別のシャーレに置く。シャーレ内に 7.4.5 の SCDLP 培地 10 ml

を加え,ピペットで無加工試験片上の試験菌を最低 4 回洗い出し菌液を完全に回収する。この洗い出し液

は,速やかに生菌数測定に供する。また,試験菌の洗い出しについては,この方法と同等又はそれ以上の

回収率が認められる方法であれば他の方法を用いてもよい。試験片の大きさ又は特性上,SCDLP 培地 10 ml

で洗い出しが困難な場合は,液量を増やしてもよい。

なお,試験片に紫外線が作用しないようにするため,SCDLP 培地を加えるまでは,A.3.4 a)

の状態に保

った安全キャビネット内で作業する。

A.3.10.2

培養後の試験片

A.3.9

の培養後の試験片について,A.3.10.1 と同様に試験菌を洗い出す。この洗い出し液は,速やかに生

菌数測定に供する。また,試験菌の洗い出しについては,この方法と同等又はそれ以上の回収率が認めら

れる方法であれば他の方法を用いてもよい。試験片の大きさ又は特性上,SCDLP 培地 10 ml で洗い出しが

困難な場合は,液量を増やしてもよい。

なお,試験片に紫外線が作用しないようにするため,SCDLP 培地を加えるまでは,A.3.4 a)

の状態に保

った安全キャビネット内で作業する。

注記  紫外線が影響しないことを確実にするため,速やかに操作することが望ましい。


26

R 1702

:2012

A.3.11

寒天平板培養法による生菌数の測定

A.3.10.1

又は A.3.10.2 の洗い出し液を滅菌したピペットで 1 ml 採り,7.4.10 のりん酸緩衝生理食塩水

9.0 ml の入った試験管に加え,十分にかくはんする。さらに,この試験管から 1 ml を新しいピペットで採

り,りん酸緩衝生理食塩水 9.0 ml が入った別の試験管に加え,十分にかくはんする。この操作を順次繰り

返して,10 倍希釈系列希釈液を作製し,各希釈系列の試験管からそれぞれ別のシャーレ 2 枚に新しいピペ

ットで 1 ml 採り,45∼48  ℃に保温した 7.4.11 の標準寒天培地 15∼20 ml を加え,蓋をして室温で放置し,

培地が固まった後,シャーレを倒置し,培養器中で 35±1  ℃で 40∼48 時間培養する。培養後,30∼300

個の集落が現れた希釈系列のシャーレのコロニー数を測定する。洗い出し液 1 ml を用いたシャーレの集落

数が 30 個未満の場合は,測定した集落数をコロニー数とする。また,洗い出し液 1 ml を用いたシャーレ

から生残菌が認められない場合は“<1”と表示する。

注記  ここで規定する以外の集落数の採用方法については,日本薬学会編  衛生試験法・注解(2005)1.2

微生物試験法 1.2.1.1 細菌一般試験法 3)菌数測定(1)混釈平板培養法又は厚生労働省監修  食品

衛生検査指針微生物編(2004)  第 2 章細菌 2 汚染指標菌 1.細菌数を参考にする。


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R 1702

:2012

附属書 B

参考)

住環境における紫外放射照度及び照度分布(戸建住宅)

紫外放射照度を測定した戸建住宅の平面図を

図 B.1 及び図 B.2 に示す。

住宅の概観(西側)

台所

クリアガラス(109×27 cm

屋外用 UV-A 放射計 

リビング・ダイニング

MS-210A

英弘精機)

屋外用照度計

ML-020-O

英弘精機) 

図 B.1−紫外放射照度を測定した戸建住宅の平面図(階)

3.64 m

6.0 m

分布図作成時の原点

クリアガラス(引き違い南側 182×75 cm×2) 
クリアガラス(引き違い東側 95×75 cm×2) 
クリアガラス(79×27 cm×4) 
クリアガラス(リビング上採光窓 68×54 cm×2


28

R 1702

:2012

浴室

曇りガラス(60×50 cm

トイレ

曇りガラス(53×27 cm

洗面所

書斎

クリアガラス(80×53 cm×2

図 B.2−紫外放射照度を測定した戸建住宅の平面図(階)

図 B.3 に,測定当日(2005 年 8 月,天候:晴)の屋外での紫外放射照度及び照度を測定した結果を示す。

図 B.3−戸建住宅の紫外放射照度測定日の時刻別屋外紫外放射照度及び照度

図 B.4 及び図 B.5 は,午前 8 時から午後 6 時まで,30 分間隔で 2 階室内の紫外放射照度及び照度を測定

した結果である。

クリアガラス(ビットウィーン窓,70×53 cm) 
クリアガラス(浴室用ドア,90×30 cm×264×30 cm×2

3.64 m


29

R 1702

:2012

図 B.4−戸建住宅の紫外放射照度測定日の時刻別屋内紫外放射照度(階)

図 B.5−戸建住宅の紫外放射照度測定日の時刻別屋内照度(階)

図 B.6 及び図 B.7 は,午前 8 時から午後 6 時まで,60 分間隔で 1 階室内の紫外放射照度及び照度を測定

した結果である。


30

R 1702

:2012

図 B.6−戸建住宅の紫外放射照度測定日の時刻別屋内紫外放射照度(階)

図 B.7−戸建住宅の紫外放射照度測定日の時刻別屋内照度(階)

図 B.8 及び図 B.9 は,午前 8 時頃の 2 階室内の紫外放射照度及び照度を 50 cm 間隔で測定し,分布図と

してまとめた結果である。


31

R 1702

:2012

単位

μW/cm

2

図 B.8階部分の紫外放射照度の分布(午前 時頃)

単位  lx

図 B.9階部分の照度の分布(午前 時頃)


32

R 1702

:2012

図 B.10 及び図 B.11 は,正午頃の 2 階室内の紫外放射照度及び照度を 50 cm 間隔で測定し,分布図とし

てまとめた結果である。

単位

μW/cm

2

図 B.10階部分の紫外放射照度の分布(正午頃)

単位  lx

図 B.11階部分の照度の分布(正午頃)


33

R 1702

:2012

図 B.12 及び図 B.13 は,午後 4 時頃の 2 階室内の紫外放射照度及び照度を 50 cm 間隔で測定し,分布図

としてまとめた結果である。

単位

μW/cm

2

図 B.12階部分の紫外放射照度の分布(午後 時頃)

単位  lx

図 B.13階部分の照度の分布(午後 時頃)


34

R 1702

:2012

図 B.14 及び図 B.15 は,太陽光が当たらない(=室内照明だけ)夜間の 2 階室内の紫外放射照度及び照

度を 50 cm 間隔で測定し,分布図としてまとめた結果である。

単位

μW/cm

2

図 B.14階部分の紫外放射照度の分布(夜間)

単位  lx

図 B.15階部分の照度の分布(夜間)


35

R 1702

:2012

図 B.16 は,和室内の紫外放射照度を測定した住宅の和室の平面図である。

図 B.16−紫外放射照度を測定した和室の平面図

図 B.17 は,測定当日(天候:晴)の屋外での紫外放射照度及び照度を測定した結果を示す。

図 B.17−和室の紫外放射照度測定日の時刻別屋外紫外放射照度及び照度


36

R 1702

:2012

図 B.18 及び図 B.19 は,正午頃の和室室内の紫外放射照度及び照度を 50 cm 間隔で測定し,分布図とし

てまとめた結果である。

単位

μW/cm

2

図 B.18−和室の紫外放射照度の分布(正午頃)

単位  lx

図 B.19−和室の照度の分布(正午頃)

図 B.20 及び図 B.21 は,太陽光が当たらない(=室内照明だけ)夜間の和室室内の紫外放射照度及び照

度を 50 cm 間隔で測定し,分布図としてまとめた結果である。


37

R 1702

:2012

単位  μW/cm

2

図 B.20−和室の紫外放射照度の分布(夜間)

単位  lx

図 B.21−和室の照度の分布(夜間)


附属書 C 

参考)

住環境における紫外放射照度分布(場所別一覧)

表 C.1 は,附属書 に記載したデータ以外に,これまでに得られている室内住環境での紫外放射照度測定値の範囲を一覧にしたものである。

表 C.1−室内住環境での紫外放射照度測定値の範囲

実測値(mW/cm

2

場所

1.0 0.5 0.25 0.10

0.05

0.02 0.01  0.005

0.002 0.001 0.001>

上限

下限

照明だけ

戸建住宅

リビング

            0.13

0.06

0.001

ダイニング

    

0.01  0.002

和室

            0.03

0.003

0.001

書斎

            0.13

0.01

0.001

台所

            0.011

0.002

0.001>

浴室

            0.03

0.004

0.001>

洗面所

0 1>

 0.001>

トイレ

            0.004

0.001>

0.001>

集合住宅

台所

    

0.001  0.001

浴室

0 1> 0.001>

洗面所

    

0.003  0.003

トイレ

0 1> 0.001>

公共建物

会議室

            0.008

0.002

0.003

 :日中の放射照度範囲

 :夜間(照射だけ)の放射照度範囲

:日中の放射照度

:夜間(照明だけ)の放射照度

38

R

 1702


2012


39

R 1702

:2012

附属書 D 

参考)

光触媒による抗菌性評価結果

光触媒による抗菌性の特徴について,異なるタイプの光触媒及び紫外線放射照度について評価した結果

を参考データとしてまとめたもので,

表 D.1 は使用したサンプルの略号及び性状を示したものである。

表 D.1−使用したサンプル一覧

サンプル名

略号

膜厚

固形分比 Ag

T3 200

nm  −

光触媒単独

T5 250

nm  −

光触媒−Ag ハイブリッド

H3

200 nm

300 ppm

Ag 単独 A3

− 300

ppm

無加工ガラス板(比較)

ガラス板

図 D.1D.3 は,光触媒による抗菌性が,照射される紫外線放射照度に依存することを示す評価結果であ

る。

図 D.1−サンプル T3 を用いて紫外放射照度条件を変え試験した評価結果(光照射時間:時間)

図 D.2種類のサンプルを用いて紫外放射照度 0.002 mW/cm

2

で試験した評価結果(光照射時間:時間)


40

R 1702

:2012

図 D.3−サンプル T5 を用いて紫外放射照度条件を変え試験した評価結果(光照射時間:時間)

図 D.4 及び図 D.5 は,8 時間光照射した後の試験片を 16 時間暗所に放置する条件で,3 種類の光触媒サ

ンプルを評価した結果である。

図 D.4−大腸菌を用いて試験した評価結果

図 D.5−黄色ぶどう球菌を用いて試験した評価結果

図 D.6 は,光触媒(TiO

2

)だけ,金属(Ag)だけ,及び光触媒−金属ハイブリッド(TiO

2

-Ag)の 3 種

類のサンプルを用いて,複合化の効果を評価した結果である。


41

R 1702

:2012

図 D.6種類のサンプルを用いて紫外放射照度 0.01 mW/cm

2

で試験した評価結果(光照射時間:時間)

参考文献  抗菌加工製品ガイドライン