>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

R 1695

:2014

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲 

1

2

  引用規格 

1

3

  一般事項 

1

4

  定量方法の区分  

1

5

  試料の採り方及び取扱い方  

2

5.1

  試料の採り方  

2

5.2

  試料の取扱い方  

2

5.3

  試料のはかり方  

2

6

  加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法  

2

6.1

  要旨  

2

6.2

  試料のはかりとり量  

2

6.3

  水  

2

6.4

  試薬  

2

6.5

  分析器具  

2

6.6

  定量操作  

3

6.7

  空試験  

4

6.8

  計算  

4

7

  加圧硫酸分解−ICP 発光分光分析法  

4

7.1

  要旨  

4

7.2

  試料のはかりとり量  

4

7.3

  水  

4

7.4

  試薬  

4

7.5

  分析器具  

5

7.6

  定量操作  

5

7.7

  空試験  

5

7.8

  検量線の作成  

5

7.9

  計算  

5

8

  分析値のまとめ方  

5

8.1

  分析回数  

5

8.2

  分析値の表示桁数  

5

8.3

  分析値の報告  

6

8.4

  分析報告書  

6

附属書 A(参考)分析系統図  

7


R 1695

:2014

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)

及び公益社団法人日本セラミックス協会(CerSJ)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

1695

:2014

ファインセラミックス用安定化ジルコニア粉末中の

酸化イットリウムの定量方法

Methods for determination of yttrium oxide in stabilized zirconia powders for

fine ceramics

適用範囲 

この規格は,ファインセラミックス製造の原料として用いられる安定化ジルコニア粉末中の酸化イット

リウム(イットリア)の定量方法について規定する。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,各自の責任において安全及び健康に対する適切な措置をとらなければな

らない。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0067

  化学製品の減量及び残分試験方法

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8816

  粉体試料サンプリング方法通則

一般事項 

化学分析方法に共通な一般事項は,JIS K 0050JIS K 0067JIS K 0116JIS K 0557 及び JIS K 8001 

よる。

定量方法の区分 

酸化イットリウムの定量方法は,次のいずれかによる。

a)

加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法  この方法は,酸化イットリウム含有率 1 %(質量分率)以上,

20 %

(質量分率)以下で,有効数字 4 桁で報告する場合に適用する。


2

R 1695

:2014

b)

加圧硫酸分解−ICP 発光分光分析法  この方法は,酸化イットリウム含有率 1 %(質量分率)以上,

20 %

(質量分率)以下で,有効数字 2 桁で報告する場合に適用する。

試料の採り方及び取扱い方 

5.1 

試料の採り方 

試料の採り方は,JIS Z 8816 に規定する方法による。ただし,測定者及び依頼者によって相互に合意す

る場合は,この限りでない。

5.2 

試料の取扱い方 

分析用試料約 5 g を平形はかり瓶(50×30 mm)に入れ,110±5  ℃の空気浴中で 2 時間乾燥し,デシケ

ーター中で放冷した後,保存する。

5.3 

試料のはかり方 

試料のはかりとりは,化学はかりを用いて 0.1 mg の桁まではかる。

加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法 

6.1 

要旨 

試料を硫酸とともに加圧分解容器中で加熱して分解する。この溶液にしゅう酸を加えてしゅう酸イット

リウムの沈殿を生成させ,強熱して酸化イットリウムとして質量をはかる(

附属書 参照)。

6.2 

試料のはかりとり量 

試料のはかりとり量は,1.00 g とする。

6.3 

 

水は,JIS K 0557 に規定する A3 又は A4 を用いる。

6.4 

試薬 

6.4.1 

硫酸(11 

6.4.2 

しゅう酸二水和物 

6.4.3 

アンモニア水(11 

6.4.4

しゅう酸洗浄溶液  しゅう酸二水和物 10.5 g をとり,水を加えて 250 mL としたもの。

6.5 

分析器具 

容器類は,JIS K 0050 

附属書 によって洗浄したものを用いる。

6.5.1 

化学はかり 

6.5.2

空気浴  空気浴は,230±5  ℃に調節維持可能なものとする。

6.5.3

加圧分解容器  四ふっ化エチレン樹脂製の容器(樹脂容器)をステンレス鋼製の耐圧容器中に納め,

均衡板及び外蓋によって樹脂容器を密閉することのできる構造とする(

図 参照)。


3

R 1695

:2014

単位  mm

図 1−加圧分解容器の例 

6.5.4

ガラス器具  平形はかり瓶及びビーカーは,JIS R 3503 に規定する等級 JR-1 又は同等のものとす

る。

6.5.5 pH

 

6.5.6 

ホットプレート 

6.5.7

白金るつぼ  白金るつぼは,一般用白金るつぼ 30 番程度のものとする。

6.5.8

電気炉  電気炉は,950±25  ℃に調節維持可能なものとする。

6.5.9

デシケーター  デシケーターに用いる乾燥剤は,乾燥用の過塩素酸マグネシウムとする。

6.6 

定量操作 

定量操作は,次の手順によって行う。

なお,薬品及び高温物体との接触による事故を防止するため,眼鏡,ゴーグル,手袋,マスク,防護面,

耐熱面,耐熱前掛けなどの保護具を,必要に応じて,適切に使用する。また,安全及び環境に配慮して,

ドラフトチャンバー,排気フードなどの設備を利用する。

a)

白金るつぼを蓋とともに 950  ℃の電気炉中で 1 時間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷した後,

その質量をはかる。この操作を恒量となるまで繰り返した後,デシケーター中に保存する。

b)

試料を加圧分解容器の樹脂容器にはかりとる。硫酸(1+1)10 mL を加えて,内蓋をして耐圧容器に

入れ,均衡板及び外蓋をはめてねじをきつく締め付け,230  ℃の空気浴中で約 16 時間加熱する。

なお,損失及び汚染なしに試料が完全分解されることが確認できれば,加圧硫酸分解に代えて,硫

酸−硫酸アンモニウム分解を適用してもよい。操作の例として,試料 1.00 g をガラス製ビーカーには

かりとり,硫酸アンモニウム 8 g 及び硫酸 10 mL を加えて,バーナーを用いて穏やかに加熱する。徐々

に温度を上げ,三酸化硫黄の白煙が出始めてから溶液が透明になるまで,突沸しないように注意しな

がら加熱を続ける。


4

R 1695

:2014

c)

冷却した後,外蓋,均衡板及び内蓋を取り除き,樹脂容器中の溶液を少量の水を用いてビーカー

(300 mL)に移し入れる。

d)

水を加えて液量を約 125 mL とした後,溶液をかき混ぜながら,しゅう酸二水和物 7 g を少量ずつ加え

る。

e)

さらにかき混ぜを続けながら,アンモニア水(1+1)を加え,pH 計を用いて pH を 1.0 から 2.0 の間

に調節する。

f)

約 100  ℃のホットプレート上で,突沸しないように 1 時間加熱した後,室温で一夜間静置する。

g)

沈殿をろ紙(5 種 C)を用いてこし分け,ろ紙及び沈殿をしゅう酸洗浄溶液(6.4.4)で十分に洗浄す

1)

h)

沈殿をろ紙ごとあらかじめ恒量にした白金るつぼに移し入れ,穏やかに加熱してろ紙を灰化する。

i)

るつぼを 950  ℃の電気炉中で 1 時間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷した後,その質量をはか

る。この操作を恒量となるまで繰り返す。

1)

洗浄が不十分だと,共存するジルコニウムが残存し,強熱したときにプラスの誤差を与える。

6.7 

空試験 

空試験は,行わない。

6.8 

計算 

試料中の酸化イットリウムの含有率を,次の式によって算出する。

100

0

1

3

2

×

=

m

m

m

O

Y

ここに,

Y

2

O

3

酸化イットリウムの含有率[

%

(質量分率)

m

1

6.6 i)

で得た質量(

g

m

0

6.6 a)

で得た質量(

g

m

6.6 b)

の試料のはかりとり量(

g

加圧硫酸分解−ICP 発光分光分析法 

7.1 

要旨 

試料を硫酸とともに加圧分解容器中で加熱して分解する。この溶液を

ICP

発光分光分析のアルゴンプラ

ズマ中に噴霧し,イットリウムの発光強度を測定する(

附属書 参照)。

7.2 

試料のはかりとり量 

試料のはかりとり量は,

0.20 g

とする。

7.3 

 

6.3

による。

7.4 

試薬 

7.4.1 

硫酸(11 

7.4.2

ジルコニウム溶液(ZrO

2

2 mg/mL

)  酸化ジルコニウム[純度

99.9 %

(質量分率)以上]

0.20 g

を 6.6 b)によって加圧硫酸分解し,冷却した後,外蓋,均衡板及び内蓋を取り除き,樹脂容器中の溶液を

100 mL

の全量フラスコに少量の水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

なお,ハフニウムは定量に影響しないので,酸化ハフニウムが含まれていても使用できる。この場合の

純度は,ハフニウムを含んでの表示とする。

7.4.3

イットリウム標準液

SI

トレーサブルな市販品を用いる

2)

。使用時に,適宜希釈して使用する。


5

R 1695

:2014

2)

濃度表示が質量

/

体積のほかに,質量

/

質量の標準液もある。

7.5 

分析器具 

容器類は,JIS K 0050 

附属書 によって洗浄したものを用いる。

7.5.1

化学はかり

7.5.2

空気浴  6.5.2 による。

7.5.3

加圧分解容器  6.5.3 による。

7.6 

定量操作 

定量操作は,次の手順によって行う。

a)

試料の分解は,6.6 b)による。

b)

冷却した後,外蓋,均衡板及び内蓋を取り除き,樹脂容器中の溶液を

100 mL

の全量フラスコに少量

の水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

c)

別の

100 mL

全量フラスコに b)の溶液を

5.0 mL

取り,水で標線まで薄める。

d)

溶液の一部を

ICP

発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,例えば,波長

371.030 nm

付近に

おける発光強度を測定する。

7.7 

空試験 

試料を用いないで,7.6 a)d)の操作を行う。

7.8 

検量線の作成 

ジルコニウム溶液(

ZrO

2

2 mg/mL

7.4.2

5.0 mL

ずつを

100 mL

の全量フラスコに取り,それぞれに

0

16 µg/mL

になるように,イットリウム標準液(7.4.3)を適宜希釈したものを段階的に加えた後,水で

標線まで薄める。これらの検量線用溶液を用いて 7.6 d)の操作を行い,発光強度とイットリウム量との関

係より検量線を作成する。

7.9 

計算 

7.6

及び 7.7 で得た発光強度と 7.8 で作成した検量線とからイットリウム量を求め,試料中の酸化イット

リウムの含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

270

.

1

20

0

1

3

2

×

×

×

=

m

A

A

O

Y

ここに,

Y

2

O

3

酸化イットリウムの含有率[

%

(質量分率)

Y

イットリウムの含有率[

%

(質量分率)

A

1

7.6

及び 7.8 から得たイットリウム量(

g

A

0

7.7

及び 7.8 から得たイットリウム量(

g

m

7.6 a)

の試料のはかりとり量(

g

1.270

Y

から Y

2

O

3

への変換係数

分析値のまとめ方 

8.1 

分析回数 

分析は,日を変えて

2

回繰り返す。

8.2 

分析値の表示桁数 

分析値は,乾燥ベースの

%

(質量分率)で表し,JIS Z 8401 によって,次のように丸めた有効桁数とす

る。

a)

加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法  有効数字

4

桁。

b)

加圧硫酸分解−ICP 発光分光分析法  有効数字

2

桁。


6

R 1695

:2014

8.3 

分析値の報告 

分析値の報告は,次による。

a)

2

回の分析値の差が

表 に示す許容差を超えないときは,その平均値を報告値とする。

b)

  2

回の分析値の差が

表 の許容差を超えるときは,更に,

2

回の分析を繰り返し,その差が許容差を超

えないときは,その平均値を報告値とする。これも許容差を超えるときは,

4

個の分析値の中央値を

報告値とする。

表 1−分析値の許容差 

単位  %(質量分率)

成分

Y

2

O

3

定量方法  加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法

加圧硫酸分解−ICP 発光分光分析法

含有率

1

以上 10 未満 10 以上 20 以下

1

以上 10 未満

10

以上 20 以下

許容差 0.200

0.20

0.5

1

8.4 

分析報告書 

報告書には,次の事項を記載する。

a)

規格番号

b)

分析者名

c)

分析日時及び分析室名

d)

試料

e)

定量方法の種類

f)

装置名及び測定条件

g)

報告値

h)

分析に際して気付いた点

i)

その他,報告に必要な事項


7

R 1695

:2014

附属書 A

(参考)

分析系統図

A.1 

酸化イットリウムの定量方法 

定量方法の分析系統図を,

図 A.1 に示す。

a)

四ふっ化エチレン樹脂

a) 

加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法 

図 A.1−酸化イットリウムの定量方法 

硫酸(1+1)10 mL

加圧分解(PTFE

a)

分解容器,230  ℃,16 h)

ビーカーに移す

アンモニア水(1+1)で pH 1.0∼2.0 に調節

加温(ホットプレート上,100  ℃程度,1 h)

一夜間静置

ろ過(ろ紙 5 種 C)

洗浄(3 %  しゅう酸洗浄溶液)

ろ紙ごと白金るつぼに移す

灰化して強熱(950  ℃,1 h)

ひょう量

水を加えて約 125 mL に

しゅう酸二水和物 7 g

試料  1.00 g

かくはん,溶解


8

R 1695

:2014

a)

四ふっ化エチレン樹脂

b) 

加圧硫酸分解−ICP 発光分光分析法 

図 A.1−酸化イットリウムの定量方法(続き) 

硫酸(1+1)10 mL

加圧分解(PTFE

a)

分解容器,230  ℃,16 h)

100 mL

に定容

100 mL

に定容

ICP

発光強度の測定

試料 0.20 g

5.0 mL

を採取