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R 1684:2008

(1) 

目  次

ページ

1  適用範囲

1

2  引用規格

1

3  用語及び定義 

1

4  試験片及び試験セル

3

4.1  形状及び寸法 

3

4.2  試験セル 

3

4.3  電極リード線 

3

4.4  試料数

4

5  測定方法

5

5.1  測定原理 

5

5.2  装置構成及び設置場所 

6

5.3  分極測定用機器

6

5.4  電気炉及び温度調節器 

7

5.5  ガス供給制御装置

7

6  測定操作

7

6.1  測定準備 

7

6.2  測定の手順 

7

7  分極の計算方法 

9

8  試験結果のまとめ方

9

8.1  発電特性 

9

8.2  IR 損失及び過電圧 

9

9  報告

9

 


 
R 1684:2008

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


 

   

日本工業規格

JIS

 R

1684

:2008

ファインセラミックス−

電流遮断法による固体酸化物形電気化学セルの

単セル分極測定方法

Fine ceramics (advanced ceramics,advanced technical ceramics)

Single cell polarization test method for solid oxide electrochemical cell by

current interruption technique

適用範囲 

この規格は,カソード電極,アノード電極及びイオン伝導性セラミックスによって構成される固体酸化

物形燃料電池(SOFC)単セルの電流遮断法による分極測定方法について規定する。この規格のイオン伝導性

セラミックスは,特定イオン輸率が 0.99 以上の電解質領域にある物質に適用する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502  マイクロメータ

JIS B 7507  ノギス

JIS R 1600  ファインセラミックス関連用語

JIS Z 8401  数値の丸め方

JIS Z 8703  試験場所の標準状態

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600 によるほか,次による。

3.1

ガルバニ電池 

電気化学電池の中で,化学エネルギーを電気エネルギーに変換するもの。

3.2

アノード 

外部の回路に電子が流れ出す電極。電気化学的酸化反応(電子を奪う反応)が起こる電極であり,燃料

電池では燃料極。



R 1684:2008

   

3.3

カソード 

外部の回路から電子が流れ込む電極。電気化学的還元反応(電子を与える反応)が起こる電極であり,

燃料電池では空気極。

3.4

開回路電圧(OCV

ガルバニ電池の外部回路を開放し,電池外部に電流を流さない状態で測定される電池のアノードとカソ

ードとの電極間に発生する起電力(直流電圧)

3.5

直流分極 

ガルバニ電池に外部から一定の直流電圧を印加した場合,又は一定の直流電流を流した場合に,電池の

電極における電荷移動を含む界面反応抵抗,電解質中のイオンの移動抵抗,濃度分布の形成などによる拡

散抵抗成分に基づいた電圧損失が生じる現象及び状態。直流分極は,電圧損失の大きさの程度を表す意味

にも使われる。

3.6

IR(抵抗)損失

ガルバニ電池に外部から直流電圧又は電流を印加した場合に現れる分極成分中の時間依存性のない直流

抵抗成分で,主に電解質部分のイオン伝導に起因する直流抵抗成分からなる。

3.7 

過電圧 

ガルバニ電池に外部から直流電圧又は電流を印加した場合に現れる分極成分中の時間緩和を含む成分を

指し,時間とともに電荷が蓄積する容量成分などを含む。一般に,過電圧は,主に電極部分における酸化

還元反応に伴う電荷移動反応などの電極反応成分に相当するものを指す。

3.8 

電流遮断法 

ガルバニ電池に外部電流を流して定常状態に到達した後に,外部電流を極めて短い時間に遮断,又は一

定値に低下させたときの単一緩和現象の過渡応答特性から,IR 損失と過電圧成分とを求める直流分極測定

法の一つ。

3.9 

ネルンスト(Nernst)式 

イオン輸率が 1.0 であるイオン伝導性セラミックスを電解質とし,可逆電極を用いた場合のガルバニ電

池の電池起電力の理論値を与える式。酸化物イオン(O

2-

)伝導体を固体電解質として用い,電池総括反応

が反応式(A)となるガルバニ電池の理論起電力を表すネルンスト式は,式(1)で与えられる。ただし,反応

式(A)の反応の標準 Gibbs エネルギーを

°

∆ G

r

,アノード(燃料極)側の水素分圧及び水蒸気分圧を,それ

ぞれ    ,    ,カソード(空気極)の酸素分圧を    とする。

)

A

,

(

O

H

2

)

C

,

(

O

)

A

,

(

H

2

2

2

2

g

g

g

+

(A)

( )

( )

C

O

2

A

H

2

A

O

H

r

2

2

2

ln

4

4

P

P

P

F

RT

F

G

E

°

=

 (1)

A

H

2

P

A

O

H

2

P

C

O

2

P


3

R 1684:2008

ここに,

E: 起電力

 (V)

T: 絶対温度

 (K)

R: 気体定数

 (8.314 J

mol

1

K

1

)

F: ファラデー

(Faraday)

定数

  (96 485 J

mol

1

V

1

)

である。

なお,ガス種

i

の分圧

(

P

i

)

は,式

(2)

で定義するように,分圧

(

p

i

)

を標準圧力(P

°

:通常は,

1 atm

)で規格

化した無次元の規格化分圧で表す。

°

=

P

p

P

i

i

 (2)

試験片及び試験セル 

4.1 

形状及び寸法   

ディスク形状のイオン伝導性セラミックス(固体電解質)の上面及び下面にカソード及びアノードを形

成した単セル形ディスク試験片を用いる。このディスク試験片は,

SOFC

単セルと同一のプロセスで製造

されたもの,又はこれに準じるものであり,その製品を代表できるようなものでなければならない。ディ

スク試験片は,直径

20 mm

で厚さ

0.5 mm

のイオン伝導体ディスクの両面の中心に,直径

10 mm

の電極を

形成したものを代表的な形状とする。

試験片及び両電極の面積は,

あらかじめ JIS B 7507 に規定するノギスなどによって直径を測定し,

0.5 mm

の単位に丸めた数値を用いて計算する。また,ディスク試験片の厚さは,JIS B 7502 に規定するマイクロ

メータを用いて

0.01 mm

の精度で測定する。

ディスク試験片外周縁端面に白金線を巻き付けて,フリットガラスを含まない白金ペーストで固定し,

参照極とする。電極及びリード線には,一般に直径

0.3 mm

程度の白金線を使用する。試験片がディスク

形状で得ることが困難な場合には,その形状に応じてこの規定を準用する。

4.2 

試験セル   

ディスク試験片は,アノード及びカソードをそれぞれ異なったガス雰囲気に調整することができる試験

セルに固定する。試験セルの構成を,

図 及び図 に示す。また,参照極の雰囲気を制御された酸素分圧

(一般的には空気)に保つことが可能な構造となっている必要がある。

ディスク試験片は,ガラス

O

リングを溶着させるなどの方法でセルに固定し,両極の雰囲気ガスの混合

を避ける構造とする。ガラスの材質は,その軟化点が測定温度以下であるものを選択して用い,雰囲気ガ

スとの反応が起こらない化学的に安定なものを選ぶ。

ガラス

O

リング以外の試験セルを構成する材料は,試験温度範囲で雰囲気ガスとの反応がなく,化学的

に安定で融解しないもので,かつ,高い電気絶縁性をもつ再結晶アルミナ,石英ガラスなどで構成する。

4.3 

電極リード線 

アノード及びカソードには,白金などの貴金属メッシュに同種金属製リード線を溶接した集電端子を接

触させて電気的接触をとる。集電端子と電極との接触抵抗を低減するためには,両者間に適切な圧力を加

える必要がある。接触抵抗は,測定誤差の原因となる可能性が高いため,接触抵抗が無視できる範囲にあ

ることを確認するために,あらかじめ端子間の交流インピーダンスを測定しておくことが望ましい。

リード線における電圧降下を避けるため,通常,

図 に示すように

5

端子とする。試料形状などの制約

がある場合には,アノードと端子

C1

及び

C2

との間,並びにカソードと端子

W1

及び

W2

との間をそれぞ



R 1684:2008

   

1

本ずつのリード線で代用する

3

端子構成による測定も可能である。この場合には,リード線における

電圧降下の影響をあらかじめ見積もっておく必要がある。

図 1−試験セルの構成図例(ディスク試験片付近の構造及び結線)

図 2−試験セルの構成図例

4.4 

試料数   

測定する試料数は,

3

個以上が望ましい。


5

R 1684:2008

測定方法 

5.1 

測定原理 

単セル試料の分極特性の測定には,直流分極装置を用いた電流遮断法を用いる。電流遮断法では,カソ

ードとアノードとの間に定電流を流して定常直流分極状態に到達させた後,一定のパルス周期及びパルス

幅で電流を遮断し,

2

電極間の電圧の時間変化を測定し,分極の大きさを求める。カソードとアノードと

の間の電圧から試験セル全体の全分極が測定される。この全分極は,

図 に模式的に示すように,電流遮

断直後に観測される全

IR

損失

  (

V

IR

)

及び引き続き起こる遅い緩和現象である全過電圧

  (

η

)

の二つの成分か

らなる。この全過電圧は,アノード過電圧

  (

η

A

)

とカソード分極

  (

η

C

)

とからなる。η と V

IR

との和が,開放

電圧

  (

V

1

open

)

と定常直流分極電圧

  (

V

1

dc

)

との差に相当する[式

(3)

参照]

(

)

C

A

IR

IR

dc

open

1

1

η

η

η

+

+

=

+

=

V

V

V

V

 (3)

V

IR

は,直後の急しゅん(峻)な立ち上がりからその絶対値を読み取り,V1

open

V1

dc

と V

IR

との差から η

を求める[式(3’)参照]

IR

dc

open

1

1

V

V

V

=

η

 (3’)

図 に示すように,電流遮断法では一般にカソード(空気極)を作用極,アノード(燃料極)を対極と

し,これらの電極への電流供給リード線,電圧測定用リード線の各

2

本及び参照極を加えた

5

端子接続に

よって測定を行う。また,アノード[対極

(C1)

]に対するカソード[作用極

(W1)

]の電圧

(E1)

,及び参照

(R)

に対するカソード[作用極

(W1)

]の電圧

(E2)

を測定することによって,試験セルの全分極とカソード

分極とを同時に求め,その差からアノード分極を求める。カソード分極においても,

IR

損失は観察され,

IR

損失は,カソード側とアノード側との分極に現れる

IR

損失(それぞれ

C

IR

V

A

IR

V

)の和となる[式

(4)

参照]

C

IR

A

IR

IR

V

V

V

+

=

 (4)

η

C

は,

C

IR

V

,定常直流電圧

  (V2

dc

)

及び参照極に対するカソードの開回路条件の電圧

  (V2

open

)

から,式

(5)

従って求める。

C

IR

open

dc

C

2

2

V

V

V

=

η

 (5)

参照極を基準にして表した,全分極,アノード分極及びカソード分極の関係を,

図 の下段に示す。



R 1684:2008

   

図 3−連続パルス波形

5.2 

装置構成及び設置場所 

測定装置は,

図 に示すように,①測定器,②温度調節器によって温度制御した③電気炉,電気炉内に

設置した④試験セル,室温加湿した水素ガスと乾燥空気との流量を制御して試験セルに流すための⑤ガス

供給制御装置を組み合わせて構成する。

試験は,通常,JIS Z 8703 に規定する常温(温度

20

±

15

℃)に測定装置を設置して測定を行う。

5.3 

分極測定用機器 

電流遮断法測定を行うための測定器としては,

図 に示すように関数発生器及びその信号によって制御

できる定電流直流安定化電源,

又は関数発生機能をもつ定電流直流安定化電源

(又は定電流パルス発生器)

電流遮断時の電圧変化を十分な速さ及び精度で測定できるオシロスコープ,デジタルストレージ形オシロ

スコープ又は

10 MHz

程度の計測速度で

8

ビット以上の精度で電圧測定し,そのデータを記録・再生する

装置を用いる。また,

OCV

と定常直流分極電圧とを測定するための電圧測定装置を要する。その仕様は,

試験セルのインピーダンスよりも大きな入力インピーダンス(通常は,

10

8

 Ω

以上)をもつものとする。

ディスク試験片からのリード線(

図 1)は,図 に示すように,空気極(カソード)及び燃料極(アノ

ード)がそれぞれ作用極(

W1

及び

W2

)及び対極(

C1

及び

C2

)となるように,参照極と併せて

5

端子を

分極測定用機器に結線して,分極測定システムを構成する。測定器と電気炉内の測定セルとを結線する測

定用導線は,ノイズ及び導線が原因となる浮遊容量などのインピーダンスの影響を受けないようにできる

だけ短く接続することが望ましい。

測定回路に流れる電流値が大きくなると,誘導現象の一種であるリンギング現象が顕著に表れて測定及


7

R 1684:2008

び解析が困難になることがある。その場合には,リンギングの継続時間の

10

倍程度又はそれ以上の時間に

パルス周期を延ばして測定を行い,長時間側から滑らかに外挿することによって

t=0

の値を推定する。ま

た,大電流が原因となって連続パルス測定が困難な場合には,単一パルスによる測定によって

IR

損失と過

電圧とを決定する。この場合,得られた電圧変化をデジタル記録して解析できるオシロスコープを使用す

ることが望ましい。

5.4 

電気炉及び温度調節器 

試験には,ディスク試験片の部分が均一な温度帯に入るだけの十分な長さの均熱部をもつ電気炉を用い

る。加熱時における電磁気ノイズの影響を十分小さく抑えるために,直流電源を使用すること,及び交流

電源を使用する場合には,無誘導巻きヒーターの採用が望ましい。加熱時における均熱部の温度差の許容

幅は,

500

℃以下では±

2

℃,

1 000

℃以下では±

3

℃の範囲とする。

5.5 

ガス供給制御装置 

測定時にはアノード極とカソード極(及び参照極)とに,それぞれ室温加湿した水素ガス及び乾燥空気

を流して測定を行う。ただし,参照極の雰囲気を空気とする場合には,雰囲気の酸素ガス分圧が一定に保

たれるような条件では,

図 の構成図例のように空気中に直接露出する配置でもよい。

なお,それぞれの電極に流す標準的なガスの流量は,

100 mL/min

とする。それぞれの極のガス流路の断

面積によっては,適切な値に変更してよい。

図 4−測定装置の構成図例

測定操作 

6.1 

測定準備 

構成された装置を昇温し,所定の温度に設定する。試料セルを電気炉にセットした後,昇温中にガラス

シールが溶着して機密性が生じるまでの間は,アノード極又は両極に不活性なガス(窒素,アルゴンガス

など)を流す。測定時には,アノード極に室温加湿した水素ガス,カソード極に乾燥空気を流す。必要に

応じて,参照極にも乾燥空気を流す。アノード側に水素ガスを流す前に,ガスシールが機密であることを

確認する。

6.2 

測定の手順 

測定の手順は,次による。



R 1684:2008

   

a)  試料セルを昇温し,温度が一定になった後,ガス雰囲気を調整する。

b) 

W1

C1

間の端子間電圧である

E1

が一定になるまで待ち,一定となった値を

OCV(V1

open

)

として記録

する。

V1

open

がネルンスト式から計算される理論起電力に対して,

90

%以内の値であることを確認す

る。

OCV

測定による

V1

open

が理論起電力より大幅に小さい場合には,単セルそのものの欠陥又は特性

不良,ガラスシールの不良,集電端子と電極との接触抵抗などの測定セル不良が原因である場合が多

い。

V1

open

が適切な電圧であった場合には,この開回路条件における

W1

R

端子間電圧

E2

を測定し,

V2

open

として記録する。

V2

open

がほぼ

0

であることを確認しておく。

c) 

W1

C1

端子間に所定の電圧が印加されるように,

W2

C2

間に接続した直流安定化電源を調整して

直流定電流を流す。直流電流を一定に保った状態で,

W1

C1

端子間の印加電圧

E1

が一定となり,定

常状態に到達したことを確認する。定常状態となったときの定常分極電流

(I

dc

)

とそのときの

E1

を定常

直流分極電圧

(V1

dc

)

として記録する。次に,この定常状態における

W1

R

端子間電圧

(E2)

を,カソー

ド定常直流電圧

(V2

dc

)

として記録する。

d)  分極測定は,開回路条件から電流を調整して,最大分極条件である定常直流電圧が

0.4 V

付近までい

ったん分極して,通電による特性変化の影響(通電効果)を低減した後,次第に分極電流を低下させ

て開回路条件まで測定する。最終的に得られた

OCV

を初期値と比較して,その相異が小さいことを

確認する。分極の範囲は,セルの最大発電条件を含む最大分極条件を含むことが前提であるため,最

大分極条件は,セルの特性によっては

0.4 V

より小さい電圧まで分極する場合も考えられるが,電圧

の符号が逆転しない範囲にとどめる。

e)   最大分極条件における定常直流電圧が一定の値に収束するまで直流分極を行って定常になるのを待ち,

電流遮断法測定を行う。開放電圧から最大分極条件の間で,

10

点程度を測定する。

f)  

1 ms

程度のパルス周期,及び

20 µs

程度のパルス幅で電流遮断するように定電流パルスを調整し,

E1

及び

E2

をオシロスコープで同期させる。パルス周期及びパルス幅は,測定条件によって調整が必

要であるが,概ね

20

1

以上の比率とすることが一般的である。

g)  電圧

E1

の時間変化(過渡応答特性)から,全

IR

損失

(V

IR

)

及び全過電圧

(η)

を求める。次に,電圧

E2

の過渡応答特性から,カソード側の

IR

損失

(

C

IR

V

)

及びカソード分極

(η

C

)

を求める。解析の方法は,オシ

ロスコープの画面に表示させた

E1

及び

E2

から,直接図形的に

V

IR

V

IR

C

とを算出する方法が一般的で

ある。デジタル記録データなどの数値データが得られる場合にも,グラフ化して過渡応答特性を確認

したうえで解析することが望ましい。式

(3’)

に従って,

V

IR

V1

open

V1

dc

から

η

を,式

(5)

に従って,

C

IR

V

V2

open

( )

0

V2

dc

から

η

C

を求める。この測定を

3

回以上行い,それぞれの測定で求められた

V

IR

η

C

IR

V

及び

η

C

の各平均値を,JIS Z 8401 に従って有効数字

3

けたまで計算して記録する。

h)  測定される電気化学特性は,通電効果とともに一定条件に保持した場合の特性劣化が観察される場合

がある。このため,各測定温度における保持時間(経過記録)を記録する。

i) 

一つの温度における測定が終了したら,次の測定温度に温度調節器を設定し,温度が一定になるまで

待つ。その後,b)からの手順を繰り返して必要な温度における測定を行う。

j)  測定は高温から開始し,低温側に向かって順に測定を行う。何らかの理由によって測定順が異なる場

合には,その履歴を記録する。

YSZ

(イットリア安定化ジルコニア)を固体電解質とする場合には,

測定温度は一般的に

600

1 000

℃の範囲であるが,測定データが必要とされる温度範囲に限定又は拡

張してもよい。


9

R 1684:2008

7  分極の計算方法   

定常分極電流

I

dc

及び定常分極電圧

V1

dc

から,それぞれ式

(6)

及び式

(7)

によって定常分極電流密度

(

dc

I

)

び試料セル電極単位面積当たりの出力

(

dc

W

)

を求める。

A

I

I

dc

dc

=

 (6)

A

I

V

I

V

W

dc

dc

dc

dc

dc

1

1

=

=

 (7)

ここに,

dc

I

定常分極電流密度

 (A

m

2

)

I

dc

定常分極電流

 (A)

A

試料セルのアノード及びカソードの電極面積の
平均値

 (m

2

)

試料セル全体及びカソード極の分極特性である

V

IR

及び

η

,並びに

C

IR

V

及び

η

C

から,アノードの分極特性

を,それぞれの差,

C

IR

IR

A

IR

V

V

V

=

,及び

η

A

η

η

C

から求める。

試験結果のまとめ方 

8.1 

発電特性 

発電特性は,

dc

I

V1

dc

との関係を線形のプロットとする図面にまとめる。このとき

dc

I

=0

における

V1

dc

の値が

V1

open

である。また,横軸を共通として,

dc

I

の関数として

dc

W

のプロットを重ねて描く。

8.2 IR 損失及び過電圧 

IR

損失及び過電圧は,いずれも

dc

I

を横軸にとり,

dc

I

V

IR

C

IR

V

及び

A

IR

V

のグラフ,並びに

dc

I

η

η

C

及び

η

A

のグラフをそれぞれ描く。

報告 

報告には,次の事項を記録する。

a)  この規格の規格番号

b)  試験年月日又は期間

c)  測定者名

d)  試験した材料の名称,種類及び製造業者名

e)  試料の形状及び作製方法

f)  試料の保管状況(期間,湿度及び温度)

g)  試料の寸法及び試験した試料の数

h)  電極の種類及び付与方法

i) 

試験室の温度及び湿度

j)  測定に用いたガスの種類,加湿温度及び流量

k)

測定に用いた機器名

l) 

測定条件:電流遮断の方法,パルス間隔及び周期

m)  試験結果:試験結果は,それぞれの測定温度においてまとめた発電特性,

IR

損失及び過電圧の

3

種類

のグラフ並びに測定順に測定結果をまとめた表を添付する。表に記載する項目としては,測定番号,

測定日時,試料温度,

dc

I

(開放電圧の場合には,

0

と記載する。

V1

dc

dc

W

{V

IR

η}

{

C

IR

V

η

C

}

{

C

IR

IR

A

IR

V

V

V

=

η

A

η

η

C

}

,測定回数,備考(各測定に関する記録すべき事項)などである。

IR

失及び過電圧は,

3

回以上の電流遮断測定の平均値とする。

n)  その他特記事項