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 R

1680

:2007

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

1

3

  用語及び定義

1

4

  装置及び器具

2

4.1

  粒子捕そく試験装置

2

4.2

  器具

3

5

  試験液

4

5.1

  一般事項

4

5.2

  標準粒子

4

5.3

  純水

4

5.4

  試験液の調製方法

4

6

  試験片

4

6.1

  試験片の形状及び寸法

4

6.2

  試験片の製作

5

7

  試験方法

5

7.1

  粒子捕そく試験方法

5

7.2

  検量線の作成方法

6

8

  試験結果の表し方

6

8.1

  粒子阻止率の計算

6

8.2

  ろ過速度の計算

6

8.3

  粒子の捕そく速度

7

8.4

  粒子捕そく性能の評価

7

9

  報告

7

9.1

  試験片

7

9.2

  標準粒子

7

9.3

  試験条件

8

9.4

  試験結果

8


R 1680

:2007

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。


日本工業規格

JIS

 R

1680

:2007

ファインセラミックス多孔体の

液中粒子捕そく性能試験方法

Testing method for determining particle retention in liquid

for porous fine ceramics

1

適用範囲

この規格は,粒径が 0.05∼0.5

µm の範囲にある液中粒子を捕そく(捉)するファインセラミックス多孔

体の液中粒子捕そく(捉)性能の試験方法について規定する。この方法は,均質構造の多孔体と非対称の

複層構造をもつ多孔体の両者の性能試験に適用できる。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7411

  一般用ガラス製棒状温度計

JIS B 7505

  ブルドン管圧力計

JIS B 7507

  ノギス

JIS B 8342

  小形往復空気圧縮機

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 3802

  膜用語

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

JIS R 1671

  ファインセラミックス多孔体の水透過率及び水力等価直径試験方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8710

  温度測定方法通則

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS K 3802 及び JIS R 1600 によるほか,次による。

3.1

透過率

液体が多孔体を透過するときの透過しやすさを表す係数。

透過率は,次のダルシー(Darcy)の式で定義される係数 

L

∆p

k

q

µ

=

0

ここに,

q

0

液体の透過流束 (m・s

1

)

k: 透過率 (m

2

)


2

R 1680

:2007

 

∆p: 圧力損失 (Pa)

µ: 液体の粘度 (Pa・s)

L: 多孔体の厚さ (m)

3.2

粒子阻止率

標準粒子を試験液とした場合の粒子の阻止しやすさを表す係数。

粒子阻止率は,次の式で定義される 

0

f

1

c

c

R

=

ここに,

R

粒子阻止率

  (

)

c

f

ろ液中の粒子濃度

 (kg

m

3

)

c

0

試験液中の粒子濃度

 (kg

m

3

)

3.3

ろ過速度

ろ液が多孔体を透過する速度。ろ液の流量を多孔体の断面積で除したもの。

ろ過速度は,次の式で定義される

q

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

θ

d

dV

A

q

1

ここに,

q

ろ過速度

 (m

s

1

)

V

ろ液量

 (m

3

)

A

ろ過面積

 (m

2

)

θ

ろ過時間

 (s)

4

装置及び器具

4.1

粒子捕そく試験装置

粒子捕そく試験装置は,次による。

a

)

装置の構成及び構造  窒素ガスボンベ又は空気圧縮機,気体圧力調整器,圧力容器,圧力計,試験片

ホルダー,試験片などで構成し,洗浄が容易で試験液以外の微粒子の混入が防げる構造とする。器具

を含む装置の構成例を,

図 に示す。

b

)

空気圧縮機  空気圧縮機とする場合,JIS B 8342 に規定するものを用いる。ただし,圧力供給源とし

ては窒素ガスボンベが望ましい。

c

)

気体圧力調整器  示度の誤差が±

5 kPa

のものを用いる。

d

)

圧力計  JIS B 7505 に規定する圧力計のうち,精度等級が

1.0

級以上のもの,又はそれと同等以上の

性能をもち,圧力範囲が

0

600 kPa

のものが望ましい。低圧で試験を行う場合には,圧力レンジの低

いものでもよい。また,あらかじめ校正したものを用いる。

e

)

圧力容器  ステンレス鋼製で試験圧力に耐え,試験液以外の微粒子の混入を防げ,容量が

5 L

以上の

ものを用いる。試験液を入れやすく,洗浄も容易なように,上ぶたが付いてクランプによって密閉で

きる構造が望ましい。

f

)

試験片ホルダー  ステンレス鋼製で試験片を収納し,水漏れのない構造とする。試験片ホルダーの構

成例を

図 に示す。これは,ロッキングナット,ロッキングナット用ガスケット,インレットボディ,

四ふっ化エチレン樹脂製ガスケット(

2

枚)

,及びアウトレットボディで構成されている。

注記

市販品として,アドバンテック株式会社製の試験片ホルダー

LS-25

が利用できる。附属部品


3

R 1680

:2007

にはサポートスクリーンも含まれるが,使用しなくてもよい。これは,この規格の使用者の

便宜のために,一般に入手できるものとして掲げたが,これを推奨するわけではない。同じ

効果を得られることを証明することができれば,これと同等のほかのものを用いてもよい。

g

)

試験片  試験片は,箇条 による。

図 1−器具を含む装置の構成例

図 2−試験片ホルダーの構成例

4.2

器具

器具は,次による。

a

)

ろ液受け器  全ろ液量を,測定する点数で除した容量を,受け入れる容積とする。

b

)

天びん  a

)

に定めたろ液量を計量できる性能をもち,

0.01 g

の精度をもつものを用いる。

c

)

ストップウォッチ

0.1

秒の精度をもつものを用いる。

d

)

温度計  JIS B 7411 に規定する

50 M

のもので,あらかじめ JIS Z 8710 によって校正したものを用い

る。


4

R 1680

:2007

 

e

)

ノギス  JIS B 7507 に規定する

M

形又は

CM

形を用いる。

f

)

光度計  JIS K 0115 に規定する分光光度計又は光電光度計を用いる。

5

試験液

5.1

一般事項

試験液は,純水中に標準粒子を分散させたものを用いる。

注記

試験液の調製例

質量分率

2.0 ppm

の試験液を

1.0 kg

調製したい場合:質量分率

1.0

%の標準粒子原液を

1.0 g

はかりとり,純水を加えて

100 g

の希釈液を得ると,濃度は質量分率

100 ppm

である。この希

釈液を

20 g

はかりとり,純水で更に希釈して

1.0 kg

にすると濃度は質量分率

2.0 ppm

になる。

5.2

標準粒子

形が球状で

0.05

0.5 µm

の範囲で所定の大きさをもつ均質粒子が,水中に所定の濃度で均一に単分散し

ている懸濁液を標準粒子原液として用いる。例えば,標準粒子原液として,ポリスチレンラテックス

Polystyrene Latex

,以降

PSL

と称す。

)の分散液がある。

5.3

純水

水道水をイオン交換し,次いで蒸留水製造装置によって蒸留し,得られた蒸留水を孔径が試験片と同等

又はそれより小さい孔径の高分子膜でろ過した水を用いる。

この方法で調製した水を純水という。

5.4

試験液の調製方法

次の a

)

c

)

の手順で,標準粒子原液を所定の試験液濃度に調製し試験液とする。

なお,試験液濃度は,粒子間の相互作用の低減及び吸光度の精度の維持の両面を考慮して,質量分率

2.0

ppm

に調製するのがよい。

a

)

標準粒子原液の容器を数回振とうした後,超音波を

20

分間照射し,完全に分散させる。

b

)

標準粒子原液を質量分率

100 ppm

の濃度になるよう純水で希釈し,かくはん棒などを用いて

5

分間か

くはんした後,超音波を

10

分間照射し,完全に分散させる。

注記

超音波照射の例

150 mm

,横

250 mm

,高さ

100 mm

の超音波浴槽に水を満たし,その中に調製する液の

入ったビーカーを入れ,出力

100 W

,周波数

35 kHz

で超音波を照射する。

c

)

所定の試験液濃度になるように純水で更に希釈し,かくはん棒などを用いて

5

分間かくはんする。

6

試験片

6.1

試験片の形状及び寸法

試験片の形状は円板形とし,試験片ホルダーに収容可能な寸法とする。

図 に試験片の寸法例を示す。

なお,非対称の複層構造をもつ試験片を使用する場合は,支持層部の厚さを調整し,ち密層も含めた厚

さとすることが望ましい。


5

R 1680

:2007

直径    D:25 mm

厚さ    T: 3 mm

図 3−試験片の寸法例

6.2

試験片の製作

試験片の製作は,実体品と同一の原料を用い,同一の製造条件で製作しなければならない。ただし,実

体品と形状が異なり同一の成形条件を満足できない場合は,この限りではない。

7

試験方法

7.1

粒子捕そく試験方法

試験片の粒子捕そく試験方法は,次による。装置の概略は,

図 による。

a

)

試験片を

図 に示すような試験片ホルダーにセットする前に,シーリング材料として使用する四ふっ

化エチレン樹脂製ガスケットの内径をノギスで測定し,正確なろ過面積

A

を求める。

b

)

試験片ホルダーに試験片をセットする。アウトレットボディに四ふっ化エチレン樹脂製ガスケットを

入れ,その上に試験片を測定すべきろ過面を上にしてセットし,その上にもう

1

枚の四ふっ化エチレ

ン樹脂製ガスケット,インレットボディ,ロッキングナット用ガスケット,及びロッキングナットを

順にセットし,試験液が漏れないようロッキングナットをしっかりと締め付ける。

c

)

あらかじめ純水中に

1

時間程度浸せきした試験片を試験片ホルダーにセットし,

図 のようにそれぞ

れの機器とともに組み付ける。このとき,試験片のろ過面が水平に保たれるように試験片ホルダーを

設置する。

d

)

圧力容器の上ぶたを開け,試験液を注入する。そのとき,ろ液の密度及び粘度を求めるために,試験

液温度を温度計で測定する。

e

)

圧力容器に試験液を注入した後,上ぶたを置きクランプによって密閉する。

f

)

排気弁を閉じた後,三方弁を調節して,気体圧力調整器によって,圧力容器内の気体圧力を試験ろ過

圧力(

300 kPa

以下)に設定する。

g

)

圧力計が一定圧力を示したら,三方弁を調節して,ろ過を開始する。ストップウォッチを使い,一定

時間内に試験片を透過するろ液質量の経時変化を天びんでひょう(秤)量し記録する。試験片からろ

液が流出し始めた時点を測定開始点とする。

なお,測定するろ液量は単位ろ過面積当たりのろ液量

v

100

150 cm

程度とし,全体で

10

点ほど

ろ液受け器を変えながら分取して測定する。

h

)

ろ液中の粒子濃度の経時変化については,分光光度計を用いて吸光度を測定することによって,各濃

度から粒子阻止率を求める。

なお,吸光度と粒子濃度に関する検量線は 7.2 に規定する方法を用いる。


6

R 1680

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i

)

試験液濃度とろ過圧力をそれぞれ

3

4

点変化させて,a

)

h

)

の操作を行う。このとき,試験片は,

毎回,新しいものを使用する。

7.2

検量線の作成方法

試験液の吸光度から標準粒子の濃度を算出するための検量線は,JIS K 0115 に基づき,次の手順で作成

する。

a

)

5.4

の試験液の調製方法に基づいて,種々の濃度に調製した試料液を

3

5

種類準備する。試料液濃度

は,5.4 で調整した試験液濃度及びそれ以下の濃度とする。ゼロ点補正用の対照液は,5.3 に記載の純

水を用いる。

b

)

分光光度計を用いて試料液の吸光度を測定する。測定波長は,試料液の吸光度が高い波長に設定する

のが好ましい。例えば,標準粒子に

PSL

粒子を用いる場合,測定波長は

230 nm

とすることが好まし

い。

c

)

濃度及び吸光度の関係をグラフにプロットし,その近似線を検量線とする。

8

試験結果の表し方

8.1

粒子阻止率の計算

粒子の捕そく性能を表す指標として,次の式

(1)

で定義される粒子阻止率

R(

)

を定める。粒子阻止率の

計算は,個々の試験片の測定から次の式

(1)

によって算出し,JIS Z 8401 によって有効数字

3

けたまで求め

る。

0

f

1

c

c

R

 (1)

ここに,

R: 粒子阻止率  (−)

c

f

ろ液中の粒子濃度 (kg・m

3

)

c

0

試験液中の粒子濃度 (kg・m

3

)

粒子阻止率のろ過経過を計算する。まず,ろ液の質量を水の密度で除してろ液体積 V(m

3

)に変換する。

ろ液体積 をろ過面積 A(m

2

)で除して単位ろ過面積当たりのろ液量 v(m)として表し,粒子阻止率 R

対 の関係をグラフ上にプロットする。これによって,ファインセラミックス多孔体による粒子の捕そく

性能を評価することができる。

8.2

ろ過速度の計算

ファインセラミックス多孔体のろ過速度 q(m・s

1

)

は,ろ液流量(dV/)から,式(2)によって算出し,有効

数字 3 けたまで求める。

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

=

θ

θ

d

dV

A

d

dv

q

1

 (2)

ここに,

V: ろ液量 (m

3

)

A: ろ過面積 (m

2

)

θ: ろ過時間 (s)

ファインセラミックス多孔体表面上にすべての粒子がたい(堆)積し,ファインセラミックス多孔体に

よって粒子が完全に阻止される場合には,ろ過速度 はルース(Ruth)の定圧ろ過式に基づいて,式(3)で表

される。

)

(

)

1

(

1

0

av

v

v

ms

p

s

dv

d

q

+

=

=

ρ

µα

θ

 (3)


7

R 1680

:2007

ここに,

α

av

ケークの平均ろ過比抵抗 (m/kg)

µ: ろ液の粘度 (Pa・s)

ρ

ろ液の密度 (kg・m

3

)

s: 含有固体粒子質量と試験液質量との比  (−)

p: ろ過圧力 (Pa)

m: 湿潤ケーク質量と乾燥ケーク質量との比  (−)

v

0

ファインセラミックス多孔体抵抗に相当する仮想ろ液量 (m)

式(3)に基づいて,(/dv)対 の関係を普通グラフ上にプロットしたとき,ファインセラミックス多孔体

によって粒子が完全に阻止される場合には,直線関係が得られる。その場合,直線こう(勾)配から平均

ろ過比抵抗 α

av

値が算出される。

8.3

粒子の捕そく速度

ろ過経過中の任意のろ液量 における粒子の捕そく速度 u

p

(m

・s

1

)

は,ろ過の瞬間におけるろ過速度

(dv/)

と粒子阻止率 との積から,式(4)で表される。

R

d

dv

u

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

θ

p

 (4)

これによって,ファインセラミックス多孔体中の粒子の捕そく速度を,ろ過の経過に対応して,定量的

に評価することが可能である。

8.4

粒子捕そく性能の評価

単位ろ過面積当たりのろ液量 が 100 cm における粒子阻止率 R

100

を,粒子径 d

p

と孔径 d

m

との比(d

p

/d

m

)

に対してプロットする。

なお,d

m

は水銀ポロシメータによる測定値,又は等価直径 d

e

JIS R 1671 によって測定可能)である。

このプロット法によって,粒子をほぼ完全に捕そくすることができるファインセラミックス多孔体の孔径

d

m

の限界値を評価することが可能である。

9

報告

試験の結果は,次の各項目について報告する。

9.1

試験片

試験片の報告は,次による。

a

)

製造業者名

b

)

材質

c

)

均質・非対称の別

d

)

厚さ(非対称の場合は各層の厚さ)

e

)

空げき率

f

)

製品番号

9.2

標準粒子

標準粒子の報告は,次による。

a

)

製造業者名

b

)

種類

c

)

粒径

d

)

粒子濃度

e

)

製品番号


8

R 1680

:2007

 

9.3

試験条件

試験条件の報告は,次による。

a

)

規格番号(JIS R 1680

b

)

試験日時

c

)

試験者名

d

)

試験液温度

e

)

試験液濃度

f

)

ろ液(水)の密度

g

)

ろ液(水)の粘度

h

)

試験圧力

i

)

使用ホルダー名

9.4

試験結果

試験結果の報告は,次による。

a

)

式(1)で算出した粒子阻止率 の経時変化

b

)

式(2)で算出したろ過速度 の経時変化

c

)

式(3)に基づく(/dv)対 のプロット

d

)

式(4)で算出した粒子捕そく速度 u

p

の経時変化

e

)

v=100 cm における粒子阻止率 R

100

対 d

p

/d

m

のプロット