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R 1669

:2014

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  基本特性  

2

5

  窒化けい素材の等級分類  

2

6

  試験方法  

3

6.1

  密度  

3

6.2

  弾性率  

3

6.3

  ポアソン比  

3

6.4

  熱膨張率  

3

6.5

  曲げ強さ  

3

6.6

  ビッカース硬さ  

3

6.7

  破壊じん(靭)性(K

I, IFR

  

3

6.8

  微細組織  

3

7

  報告 

4

附属書 A(規定)転がり軸受球用窒化けい素材等級分類基準  

5

附属書 JA(規定)破壊じん(靭)性(K

I, IFR

)の計算式  

6

附属書 JB(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

7


R 1669

:2014

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

ファインセラミックス協会(JFCA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して

日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した

日本工業規格である。

これによって,JIS R 1669:2006 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

1669

:2014

ファインセラミックス−転がり軸受球用

窒化けい素材の基本特性及び等級分類

Fine ceramics-Fundamental characteristics and classification of silicon

nitride materials for rolling bearing balls

序文 

この規格は,2009 年に第 1 版として発行された ISO 26602 を基に,技術的内容を一部変更して作成した

日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格の内容を変更している事項である。変

更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JB に示す。

適用範囲 

この規格は,転がり軸受球に使用する窒化けい素を主成分とする焼結材(以下,窒化けい素材という。

の基本特性及び等級分類について規定する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 26602:2009

,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Silicon nitride

materials for rolling bearing balls(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

注記  対応国際規格:ISO 20507,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−

Vocabulary(MOD) 

JIS R 1601

  ファインセラミックスの室温曲げ強さ試験方法

注記  対応国際規格:ISO 14704,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test

method for flexural strength of monolithic ceramics at room temperature(MOD) 

JIS R 1602

  ファインセラミックスの弾性率試験方法

JIS R 1610

  ファインセラミックスの硬さ試験方法

注記  対応国際規格:ISO 14705,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test

method for hardness of monolithic ceramics at room temperature(MOD) 

JIS R 1618

  ファインセラミックスの熱機械分析による熱膨張の測定方法


2

R 1669

:2014

JIS R 1625

  ファインセラミックスの強さデータのワイブル統計解析法

注記  対応国際規格:ISO 20501,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−

Weibull statistics for strength data(MOD)

JIS R 1634

  ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定方法

ISO 14627

,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−Test method for fracture

resistance of silicon nitride materials for rolling bearing balls at room temperature by indentation fracture

(IF) method

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS R 1600 によるほか,次による。

3.1 

破壊じん(靭)性(K

I, IFR

 

IF 法による破壊じん(靭)性。IF 法による破壊抵抗(fracture resistance)ともいう。

3.2 

材料等級分類基準(material class) 

転がり軸受球用窒化けい素材を特性水準によって分類するための基準。 

3.3 

素球(preprocessed ball) 

面仕上げが行われる前の球形素材。

3.4

(material lot) 

材料ロット 

同一窒化けい素原料,同一の製造方法によって製造されたロット。

3.5

(inclusion) 

介在物 

窒化けい素以外の物質。

基本特性 

窒化けい素材は,6.16.4 の試験を行い,その基本特性は

表 による。

表 1−基本特性 

項目

基本特性

試験箇条

密度(g/cm

3

) 3.0∼3.6

6.1 

弾性率(GPa) 270∼330

6.2 

ポアソン比 0.23∼0.29

6.3 

熱膨張率(室温∼500  ℃)

(×10

6

/℃) 2.0∼3.2

6.4 

窒化けい素材の等級分類 

転がり軸受球用に使用する窒化けい素材の等級は,6.56.8 によって試験した結果を

表 A.1 の窒化けい

素材等級分類基準に照らし合わせて分類する。


3

R 1669

:2014

試験方法 

6.1 

密度 

密度の測定は,次による。

a)

供試材は,素球とする。

b)

測定方法は,JIS R 1634 による。

6.2 

弾性率 

弾性率の試験は,次による。

a)

供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。

b)

試験方法は,JIS R 1602 による。

6.3 

ポアソン比 

ポアソン比の試験は,次による。

a)

供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。

b)

試験方法は,JIS R 1602 による。

6.4 

熱膨張率 

熱膨張率の測定は,次による。

a)

供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。

b)

測定方法は,JIS R 1618 の平均線膨張率による。

6.5 

曲げ強さ 

曲げ強さの試験は,次による。

a)

供試材は,素球と同一材料ロットの素材から作製する。

b)

試験方法は,

JIS R 1601

及び JIS R 1625 によって,

室温の曲げ強さの平均値とワイブル係数を求める。

曲げ方式は,3 点曲げ方式又は 4 点曲げ方式のいずれかでもよい。

6.6 

ビッカース硬さ 

ビッカース硬さの試験は,次による。

a)

供試材は,素球を用い,その断面研磨面を被検面とする。

b)

試験方法は,JIS R 1610 の 4.(ビッカース硬さ試験方法)によって,平均値を求める。ただし,試験

力は,196.1 N とすることが望ましいが,試料の寸法を考慮して 98.07 N 又は 49.03 N を用いてもよい。

6.7 

破壊じん(靭)性(K

I, IFR

 

破壊じん(靭)性(K

I, IFR

)の試験は,次による。

a)

供試材は,素球を用い,その断面研磨面を被検面とする。

b)

試験方法は,ISO 14627 又はこれと同等の試験方法によって,圧痕の対角線長さ及びき裂長さを測定

し,

附属書 JA に示す計算式によって,破壊じん(靭)性(K

I, IFR

)を求める。

6.8 

微細組織 

微細組織の測定は,次による。

a)

供試材は,素球を用い,その断面研磨面を被検面とする。その採り方,数などは,受渡当事者間の協

定による。

b)

測定には,100 倍∼200 倍の光学顕微鏡を使用し,気孔寸法,介在物数及び介在物寸法を測定する。

なお,気孔寸法及び介在物寸法は,被検面における最大寸法として測定する。


4

R 1669

:2014

報告 

試験の結果は,次の各項目について報告する。

a)

材料ロット番号

b)

試験年月日

c)

試験結果

1)

密度

2)

弾性率

3)

ポアソン比

4)

熱膨張率

5)

曲げ強さ(試験条件,平均値及びワイブル係数)

6)

ビッカース硬さ(試験条件及び平均値)

7)

破壊じん(靭)性(K

I, IFR

(試験条件及び平均値)

8)

微細組織(気孔寸法,介在物数及び介在物寸法)

d)

等級分類


5

R 1669

:2014

附属書 A

(規定)

転がり軸受球用窒化けい素材等級分類基準

A.1

等級分類基準 

等級分類基準は,

表 A.1 による。

表 A.1−等級分類基準 

判定基準

等級 1

等級 2

等級 3

1.

  曲げ強さ(MPa)

a)

a)  4

点曲げ

  ・強さ(平均値)

:スパン 40 mm

最小  760

最小  660

最小  480

                  :スパン 30 mm

最小  800

最小  700

最小  530

  ・ワイブル係数

最小   12

最小      9

最小      7

b)  3

点曲げ

  ・強さ(平均値)

:スパン 40 mm

最小  894

最小  798

最小  595

                    :スパン 30 mm

最小  915

最小  817

最小  629

  ・ワイブル係数

最小   12

最小      9

最小      7

2.

  ビッカース硬さ(平均値)(GPa)

b)

最小 14.2

最小 13.3

最小 12.7

3.

  破壊じん(靭)性(K

I, IFR

(平均値)

(MPa・m

0.5

最小  6.0

最小  5.0

最小  5.0

4.

  微細組織

a)

気孔寸法(μm)

最大 10

最大 10

最大 25

b)

介在物含有量(個数/cm

2

最大寸法(μm) 200 以上

0

0

1 以下

 100 以上 200 未満

0

1 以下

2 以下

 50 以上 100 未満

1 以下

2 以下

4 以下

 25 以上 50 未満

4 以下

8 以下

16 以下

a)

  曲げ強さについては,ここに示すいずれかの方法で判定する。

b)

  試験力は,196.1 N を推奨するが,試料の寸法を考慮して,98.07 N 又は 49.03 N を用いてもよい。


6

R 1669

:2014

附属書 JA

(規定)

破壊じん(靭)性(K

I, IFR

)の計算式

JA.1

計算式 

JA.1.1

圧痕それぞれの 2及び 2の計算 

2a=(2a

1

+2a

2

)/2 及び 2c=(2c

1

+2c

2

)/2  (1)

JA.1.2

破壊じん(靭)性(K

I, IFR

)の計算 

Niihara 等の式(2)による。

K

I, IFR

=2.64(E

0.4

)(P

0.6

)(a

0.8

/c

1.5

)  (2)

K

I, IFR

破壊じん(靭)性(MPa・m

0.5

E

弾性率(GPa)

P

試験力(N)

a

圧痕の対角線長さの平均の半分(μm)

c

き裂長さの平均の半分(μm)

注記  圧痕の対角線長さ及び附随するき裂長さの測定は,図 JA.1 を参照。

2a

2

2a

1

2c

1

2c

2

2a

1

,2a

2

  圧痕の対角線長さ

2c

1

,2c

2

  き裂長さ

図 JA.1−ビッカース圧痕の対角線長さ及びき裂長さ 

参考文献  K. Niihara, R. Morena, D.P. H. Hasselman; "Evaluation of K

Ic

 of brittle solids by the indentation method

with low crack-to-indent ratios", Journal of Materials Science Letters 1 (1982) 13-16


附属書 JB

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS R 1669:2014

  ファインセラミックス−転がり軸受球用窒化けい素材の基本特性

及び等級分類

ISO 26602:2009

  Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics)−

Silicon nitride materials for rolling bearing balls

(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

1  適 用 範

転 が り 軸 受 球 に 使 用
す る 窒 化 け い 素 を 主

成 分 と す る 焼 結 材 の

基 本 特 性 及 び 等 級 分

 1

一致

2  引 用 規

3  用 語 及
び定義

3

JIS

とほぼ同じ

変更

ISO

規格には SEPB 法による破

壊じん(靭)性があるが,JIS
にはない。

SEPB 法による破壊じん(靭)性
は使用しないため,不要。

4  基 本 特

密度,弾性率,ポアソ

ン比,熱膨張率の基本

特性

 4  JIS とほぼ同じ

変更

ISO

規格では熱膨張率が 2.0∼

3.7×10

6

/℃であるが,JIS では

2.0∼3.2×10

6

/℃。

国内には熱膨張率 3.2×10

6

/℃以

上の材料が実際にはない。また,

最大を 3.7×10

6

/℃として範囲を

広げると,これまでの範囲を根拠

とした設計変更が必要になる。

5  窒 化 け
い 素 材 等
級分類法

表 A.1 に照合  5  

一致

6  試 験 方

6.1  密度

密度の測定

6.1

JIS

とほぼ同じ

変更

ISO

規格では密度測定を ISO 

18754

によるが,JIS では JIS R 

1634

による。

JIS

による測定で対応可。

7

R

 166

9


2

014


(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

6.2  弾 性
率 
6.3  ポ ア
ソン比

弾性率の試験

ポアソン比の試験

 6.2

6.3

JIS

とほぼ同じ 

変更

ISO

規格では弾性率及びポアソ

ン比の測定を ISO 17561 による
が,JIS では JIS R 1602 による。

JIS

による測定で対応可。 

6.4  熱 膨
張率

熱膨張率の測定   6.4 JIS とほぼ同じ 

変更

ISO

規格では熱膨張率測定を

ISO 17562

によるが,JIS では

JIS R 1618

による。

JIS

による測定で対応可。 

6.5  曲 げ
強さ

曲げ強さの試験   6.5  

一致

6.6  ビ ッ
カ ー ス 硬

ビ ッ カ ー ス 硬 さ の 試

 6.6

JIS

とほぼ同じ 

変更

ISO

規格ではビッカース硬さの

試験力を HV5,

HV10 及び HV20

の 3 種類としているが,JIS 

は 196.1 N を推奨し,98.07 N 又

は 49.03 N を用いても可。

推奨を設けることで同じ試験力

での測定が優先され,比較しやす
くなる。

6.7  破 壊
じん(靱)

性(K

I, IFR

破壊じん(靱)性の試

 6.7

JIS

とほぼ同じ 

変更

ISO

規格では破壊じん(靭)性

測定を ASTM F 2094 によるが,

JIS

では ISO 14627 及び附属書

JA による。ISO 規格には SEPB
法による破壊じん(靭)性測定

の記載があるが,JIS にはない。

破壊じん(靱)性測定は ASTM 
び ISO 規格が同内容なので問題

ない。SEPB 法は使用しないため,

不要。 

6.8  微 細
組織

微細組織の測定   6.8 JIS とほぼ同じ 

変更

ISO

規格では,微細組織に関し

Annex A に研磨方法,SEM など
の観察,観察部位,色などの規

定があるが,JIS では本文に光

学顕微鏡観察に関する基本的な
測定を規定した。

微細組織について,ISO 規格でも

受渡当事者間の取り決めとする
ところが主なので,本文の説明だ

けで可。 

7

削除

ISO

規格では等級分類を規定し

ているが,JIS にはない。

箇条 5 と同じなので不要。

8

R

 166

9


2

014


(I)JIS の規定

(II) 
国 際 規

格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

7  報告

材 料 ロ ッ ト 番 号 他 を

報告

 8  JIS とほぼ同じ

削除

ISO

規格では原料ロットの報告

があるが,JIS にはない。

生産者の管理で行うことで可。

Annex

A

削除

ISO

規格では,研磨方法,SEM

などの観察,観察部位,色など

が規定されているが,JIS には

ない。

ISO

規格でも受渡当事者間の取り

決めとするところが主なので,本

文の説明だけで可。

附属書 A
(規定)

等級分類基準  Annex

B

JIS

とほぼ同じ

変更

ISO

規格ではビッカース硬さの

試験力を HV5,

HV10 及び HV20

の 3 種類としているが,JIS 

は 196.1 N を推奨し,98.07 N 又
は 49.03 N を用いても可。

ISO

規格では真の破壊じん(靭)

性は SEPB 法を用いるとしてい
るが,JIS にはない。

ISO

規格では介在物寸法水準が

超と以下による規定であるが,

JIS

では以上と未満による。

推奨を設けることで同じ試験力
での測定が優先され,比較しやす

くなる。 
SEPB 法による破壊じん(靭)性
は使用しないため,不要。

介在物寸法は ISO 規格の修正を

提案する。

附属書 JA

(規定)

破壊じん(靭)性の計

算式

追加

ISO

規格では ASTM F 2094 

参照としているが,JIS では破

壊じん(靭)性の計算式を規定

内容は ASTM F 2094 と同じ。JIS

使用時の利便性のため追加した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 26602:2009,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  一致……………… 技術的差異がない。 
    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

9

R

 166

9


2

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