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R 1663

:2004

(1)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,

社団法人日本ファインセラミックス協会(JFCA)

/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


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(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  原理

2

5.

  装置

2

5.1

  試験機

2

5.2

  荷重点及び支点

2

5.3

  マイクロメータ

2

5.4

  ノギス

2

6.

  試験片

2

6.1

  形状及び寸法 

2

6.2

  試験片の準備 

3

6.3

  試験片の上下 

3

6.4

  試験片の検査 

3

6.5

  試験片の数 

3

7.

  試験片の採取方向

3

8.

  手順

4

8.1

  試験環境 

4

8.2

  試験片の寸法測定

4

8.3

  支点間距離 

4

8.4

  試験面

4

8.5

  試験

4

8.6

  試験速度 

4

8.7

  記録

4

8.8

  破壊様相 

4

8.9

  結果の可否 

4

9.

  試験結果の計算 

4

9.1

  曲げ強さ及び比例限曲げ強さ

4

9.2

  計算に用いる荷重の求め方 

5

9.3

  計算

6

9.4

  曲げ強さ及び比例限曲げ強さの表示 

6

10.

  報告

7


日本工業規格

JIS

 R

1663

:2004

長繊維強化セラミックス複合材料の

曲げ強さ試験方法

Testing method for flexural strength of continuous fiber-reinforced

ceramic matrix composites

1.

適用範囲  この規格は,セラミックス系長繊維による織物で強化したセラミックス複合材料の室温に

おける曲げ強さを,3 点曲げ試験によって求める方法について規定する。

参考  非対称及び非平衡の積層構成材料の試験結果には,引張りと曲げ,曲げとねじりなどの組合せ

による影響が現れる。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

ISO 2602

  Statistical interpretation of test results−Estimation of the mean−Confidence interval

ISO 5893

  Rubber and plastics test equipment−Tensile, flexural and compression types (constant rate of

traverse)

−Specification

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600 によるほか,次による。

a)

曲げ応力

σ

b

  試験片中央の外表面における公称応力をいい,9.1 の式によって算出した値(MPa)

b)

比例限曲げ強さ

σ

pl

荷重と変位との関係において,初期の直線部分の限界荷重値における曲げ応力

(MPa)

c)

曲げ強さ

σ

bu

  破壊時又は最大の荷重値における曲げ応力(MPa)

d)

支点間距離  L  左右の支点の間隔(mm)。

e)

試験片の座標軸  一方向性材料においては,繊維に沿う方向を“1”,繊維に垂直な方向を“2”及び複

合材料の厚さ方向を“3”とする。他の材料については,1,2 及び 3 方向を,一般的な x,y 及び z 軸

によって示す。

備考1.  1 の方向は,0°方向又は長さ方向及び 2 の方向は,90°方向又は幅方向を用いることができ

る。

2.

同様な定義として,積層材料における繊維配向又は,製造過程に関連した方向(例,長さ)


2

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を用いることができる。

4.

原理  長方形断面の短冊状試験片を両端支持の状態で置き,中央に集中荷重を加える 3 点曲げ法によ

って,曲げ破壊を生じさせる。

参考  この試験法は,支点間距離/試験片の厚さ比を小さくすると,試験時に試験片中に発生するせ

ん断応力のレベルが高くなり,曲げ応力は低下するので,層間せん断破壊を促進する。試験片

の寸法が違う場合及び異なる条件下での結果は,直接比較できない。

5.

装置

5.1

試験機

5.1.1

一般事項  試験機は,ISO 5893 による。この規格の 5.1.2 及び 5.1.3 の規定に適合しなければなら

ない。

5.1.2

試験速度  試験速度 を一定に保持できるもの。

5.1.3

荷重指示計  荷重の指示値の誤差は,フルスケールの±1  %を超えてはならない。

5.2

荷重点及び支点  荷重点及び支点に用いるロールの直径 は,4.5∼5.0±0.2 mm とする(図 参照)。

  1  負荷ジグの構成例

5.2.1

荷重点及び支点の構造  荷重点は,試験片の中央部に荷重を加えられるものとする。支点は,支点

間距離が調整可能であるものとする。

5.2.2

荷重点及び支点の幅  荷重点及び支点の幅は,試験片の幅を十分に超える幅をもつものとする。

5.3

マイクロメータ  試験片の厚さ及び幅を測定するためのもので,JIS B 7502 に規定する測定精度 0.01

mm

又はそれと同等以上のものとする。マイクロメータの測定面(子)の形状は,試験片の表面が平滑な

場合は平行な測定面のもの,不規則な表面の場合は曲面状のものとする。

5.4

ノギス  試験片の長さ及び支点間の距離を測定するもので,JIS B 7507 に規定する測定精度 0.05 mm

又はそれと同等以上のものとする。

6.

試験片

6.1

形状及び寸法

6.1.1

標準試験片の形状及び寸法  断面が長方形で一様厚さの形状とし,寸法は表 に示すとおりとする。

支持用ロール

試験片

荷重用ロール

荷重

支持台


3

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  1  標準試験片の寸法

単位  mm

厚さ h

長さ l

幅 b

2.0

±0.2 60±1 10.0±0.2

6.1.2

他の試験片  標準試験片が使用できない場合又は望ましくない場合は,次の条件に従う試験片とす

る。

a)

試験片の長さ及び厚さは,標準試験片と同じ比率とする。すなわち,l=30h

b)

試験片の幅及び厚さは,標準試験片と同じ比率とする。すなわち,b=5h

備考  曲げ強さは,試験片の厚さと支点間距離の比によって変化する。材料によっては圧縮破壊又は,

層間せん断破壊となる。試験片の厚さを大きくすると,圧縮破壊が起こりやすく,大たわみ状

態は少なくなる。試験片の厚さを小さくすると,これらの状況は逆となる。曲げ破壊をさせる

ためには,試験片の厚さ及び支点間距離の選定が重要である。

6.2

試験片の準備  試験片の厚さは,2 方向強化材料の場合は強化基材を 3 層以上,3 方向強化材料の場

合は構造ユニットを一つ以上含むものとする。試験片の幅は,2 方向強化材料の場合は繊維束を 3 本以上,

3

方向強化材料の場合は繊維束単位の織物構造ユニットを一つ以上含むものとする。

6.3

試験片の上下  試験片の上下(又は表裏)が試験結果に影響を及ぼすことがあるので,試験片の切

出しのときには上下面が識別できるようにする。

6.4

試験片の検査  試験片は平滑でねじれがなく,表面,辺縁部に欠陥がないことが望ましい。試験片

の厚さは,長さのいずれの位置においても平均値からの偏差が±5  %を超えてはならない。幅の偏差は±

0.2 mm

とする。これらの要求事項に一つでも適合しない試験片は破棄するか,形状,寸法を改めて機械加

工する。

6.5

試験片の数  試験片の数は,最少 5 個とする。

7.

試験片の採取方向  二つの主軸方向のどちら向きに試験片を切り出すかにより,試験結果に著しい差

が生じる材料では,2 方向[

図 の(A)及び(B)]について試験を行う。実使用において,主軸方向に

対してある特定な配向方向に応力を受ける場合,その方向で試験片を採取しなければならない。

  2  試験片の採取方向


4

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8.

手順

8.1

試験環境  試験は,JIS Z 8703 に規定する標準状態で行う。受渡当事者間での協定がある場合は,

この限りではない。

8.2

試験片の寸法測定  各試験片の幅及び厚さを,各々3 か所において 0.01 mm の精度で測定し記録する。

8.3

支点間距離  支点間距離 を,25h±0.2 mm に調整する。ここで,は,試験片の平均厚さとする。

8.4

試験面  試験片の上下面を決めておき,同じシリーズの試験では,同一の面に荷重がかかるように

する。また,試験片の上下面と試験片を切り出す材料の上下面との対応を記録する。

8.5

試験  試験片を左右の支点上に対称で支点のりょう(稜)線に対して直角に置き,支点間中央の荷

重点によって負荷する(

図 参照)。

8.6

試験速度  試験される材料の規定によって,試験速度を設定する。その規定がない場合の試験速度 v

は,(0.5±0.1) mm/min とする。

8.7

記録  試験片にかかる荷重及びそれによるたわみを,試験片が破断するまで記録する。又は最大荷

重を経て,負荷荷重が最大荷重の少なくとも 50  %に低下するまで記録する。

8.8

破壊様相  破壊様相は,図 を参照して分類し記録する。

a)

引張側破壊

b)

層間せん断を伴う引張側破壊

次の場合は,曲げ破壊としない。

c)

層間せん断破壊

d)

層間せん断を伴う圧縮破壊

e)

圧縮破壊

  3  破壊様相の分類

8.9

結果の可否  次に示す試験結果の場合は,適切な試験とは認めない。その場合,その旨記録し,試

験をやめる,新しい試験片の結果を追加する又は,支点間距離を大きくして試験するのいずれにするのか

を受渡当事者間の協定によって決める。

8.9.1

試験片の長さ方向中央部の 1/3 の範囲より外側で破壊したもの。

8.9.2

試験片の幅方向に平行なき裂が著しく発生する層間せん断破壊になるもの[

図 3c)参照]。

8.9.3

層間せん断破壊を伴う圧縮破壊となるもの[

図 3d)参照]。

8.9.4

支持点近傍で著しい圧縮破壊による損傷を発生するもの[

図 3e)参照]。

9.

試験結果の計算

9.1

曲げ強さ及び比例限曲げ強さ  曲げ強さ及び比例限曲げ強さは,次の式 (1) によって算出する。


5

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2

pl

bu

2

3

)

(

bh

PL

=

σ

σ

(1)

ここに,

σ

bu

:曲げ強さ(MPa)

σ

pl

:比例限曲げ強さ(MPa)

P

:荷重−変位曲線から得られる荷重 (N)(9.2 参照)

L

:支点間距離 (mm)

b

:試験片の幅 (mm)

h

:試験片の厚さ (mm)

9.2

計算に用いる荷重の求め方  荷重−変位曲線の初期こう(勾)配  (θ)  に対して,こう配が 90  %の

直線を引く[

図 4a)参照]。次に,荷重−変位曲線との交点を求める。交点の荷重並びに変位によって,次

の荷重  (P)  を式 (1) に適用する。

a)

比例限応力

σ

pl

は,荷重−変位曲線が初期こう配直線と一致しなくなる荷重 P

pl

を用いて,式 (1) か

σ

pl

を求める。

b)

交点の荷重が P

max

より小さく  (P

1

≤ P

max

)

,かつ,そのときの変位  (u

1

)

が P

max

のときの変位  (u

max

)

り小さい  (u

1

≤ u

max

)

ならば,交点の荷重 P

1

を用いて式 (1) から

σ

bu

を求める[

図 4b)参照]。

c)

交点の荷重が P

max

より小さく  (P

2

≤ P

max

)

,かつ,そのときの変位  (u

2

)

が P

max

のときの変位  (u

max

)

り大きい  (u

2

≥ u

max

)

ならば,最大荷重 P

max

を用いて式 (1) から

σ

bu

を求める[

図 4c)参照]。

max

変位  u

P 

p l

a)

P

0

θ

  4  荷重−変位曲線から曲げ強さの算出に用いる荷重の求め方


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R 1663

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P

1

P 

max

荷重

 P

u

1

max

変位  u

b)

0

P 

max

P 

2

u 

max

u 

2

変位  u

c)

荷重

 P

0

  4  荷重−変位曲線から曲げ強さの算出に用いる荷重の求め方(続き)

9.3

計算  試験結果の算術平均値を計算する。また,ISO 2602 に規定する方法で,平均値の標準偏差を

計算する。  

9.4

曲げ強さ及び比例限曲げ強さの表示  曲げ強さ及び比例限曲げ強さは,JIS Z 8401 によって有効数

字 3 けたで表示する。


7

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10.

報告  報告には,必要に応じて次の事項を含める。

a)

この規格の番号及び試験速度

b)

試験材料の特定に必要なすべての事項

c)

使用した試験機

d)

荷重点及び支点に用いるロールの半径

e)

試験片の作製方法,試験片の採取方向及び上下面の加工の有無

f)

試験片の寸法

g)

試験片の数

h)

試験環境の条件

i)

支点間距離

j)

試験における試験片の上下面方向

k)

荷重と変位との関係例,破壊様相

l)

曲げ強さ,比例限曲げ強さ,各強さの平均値及び標準偏差

m)

その他特記すべき事項

n)

試験年月日