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R 1656

:2003

(1)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,

社団法人日本ファインセラミックス協会(JFCA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 15733:2001,Fine ceramics (advanced

ceramics, advanced technical ceramics) - Test method for tensile stress-strain behaviour of continuous,

fibre-reinforced composites at room temperature

を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS R 1656

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)引張軸方向調整における曲げひずみ成分の測定方法

附属書 2(参考)長繊維強化セラミックス複合材料の常温における引張応力−ひずみ挙動試験方法における

試験片形状推奨事項

附属書 3(参考)参考文献

附属書 4(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


R 1656

:2003

(2)

目  次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  記号及び定義

2

5.

  原理

3

6.

  装置

3

6.1

  試験機

3

6.2

  試験片の装着

3

6.3

  ひずみ測定

5

6.4

  データ収集

5

6.5

  寸法測定

5

7.

  試験片

5

7.1

  試験片形状

5

7.2

  試験片の準備

5

7.3

  試験片の本数

7

7.4

  有効な試験

7

7.5

  試験片のエンドタブ

7

8.

  試験条件

8

8.1

  引張軸方向の調整の確認

8

8.2

  試験モード及び試験速度

8

9.

  試験手順

8

9.1

  試験片寸法

8

9.2

  試験準備

8

9.3

  試験完了

9

9.4

  試験後処理

9

9.5

  結果の算出

9

10.

  報告

13

10.1

  一連の試験報告

13

10.2

  個々の試験報告

15

附属書 1(規定)引張軸方向調整における曲げひずみ成分の測定方法

17

附属書 2(参考)長繊維強化セラミックス複合材料の常温における引張応力−ひずみ挙動試験方法における試験

片形状推奨事項

19

附属書 3(参考)参考文献

21

附属書 4(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

22


日本工業規格

JIS

 R

1656

:2003

長繊維強化セラミックス複合材料の常温 
における引張応力−ひずみ挙動試験方法

Testing methods for tensile stress

−strain behavior of continuous fiber

reinforced ceramic matrix composites at room temperature

序文  この規格は,2001 年に第 1 版として発行された ISO 15733:2001,Fine ceramics (advanced ceramics,

advanced technical ceramics) - Test method for tensile stress-strain behaviour of continuous, fibre-reinforced

composites at room temperature

を翻訳し,技術的内容を一部変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,附属書4(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は、長繊維強化セラミックス複合材料の常温における単純一軸引張試験における

応力−ひずみ応答を含んだ面内での引張挙動の測定に関する試験方法を規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 15733:2001

,Fine ceramics (advanced ceramics, advanced technical ceramics) - Test method for

tensile stress-strain behaviour of continuous, fibre-reinforced composites at room temperature

(MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7503

  ダイヤルゲージ

JIS B 7721

  引張・圧縮試験機−力計測系の校正・検証方法

JIS B 7741

  一軸試験に使用する伸び計の検証方法

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600 によるほか,次による。

a)

引張軸方向のひずみ  試験片表面で測定された縦方向(引張軸方向)のひずみの平均値。

b)

曲げひずみ  試験片の相対する面における引張軸方向のひずみの差の二乗平均値。

c)

破壊荷重  破壊が起こるときの荷重

d)

セラミックス複合材料  互いに化合しない二種,又はそれ以上の物質から成るセラミックス材料。そ

こではマトリックス成分はセラミックスであるが,第二の成分(強化材成分)はセラミックス,ガラ


2

R 1656

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ス−セラミックス,ガラス,炭素,金属,有機物などである。

e)

長繊維強化セラミックス複合材料  強化材が長繊維で,単繊維,繊維束又は織物で構成されているセ

ラミックス複合材料。

f)

引張破壊強さ  材料が破壊するときの引張応力。

g)

ゲージ長  試験片中において,ひずみ又は伸びが決定される部分の長さ。

h)

非回復累積損傷エネルギー(irrecoverable cumulative damage energy)又はじん性率(modulus of 

toughness

  発生応力がゼロから最終破断に至るまでに要求される単位体積当たりのひずみエネル

ギー。

i)

マトリックスのクラック発生応力  マトリックス内に引張応力軸に対してほぼ垂直に,幾つかの平行

き裂が発生するときの負荷引張応力。

j)

弾性率  比例限界以下でのひずみに対する応力の比。

k)

比例限界応力  材料のひずみに対する応力の比例関係(フックの法則)が保たれうる最大応力。

l)

曲げ率  曲げひずみ×100÷軸方向ひずみ。

m)

回復弾性エネルギー(recoverable elastic energy)又は弾性エネルギー係数(modulus of resilience)  ゼ

ロから比例限界まで弾性的に応力を加えるために要求される単位体積当たりのひずみエネルギー。

n)

遅いき裂成長  応力腐食又は化学反応によって助長された限界以下のき裂成長。

o)

極限引張強さ  材料が耐えることができる最大引張応力。

p)

試験グループ  特定の材料構成,試験片形状,試験片本数,試験条件などの要素をもつ独立な試験体

系(例えば,形状 B をもっている 10 本の材料 A から成る試験片を,定まったひずみ制御速度で,空

気中で最終破断に到るまで行う試験)

4.

記号及び定義  この規格に用いる記号及びそれらの定義を,表 1 に示す。

  1  記号及び定義

記号

単位

定義

参照

mm

2

断面積

9.5.1

式(1),(2a),(2b)

mm

厚さ

表 2,表 3,図 3,図 4

 

MPa

弾性率(ヤング率) 9.5.7 式(6),図 6

E

R

 

J/m

3

回復弾性エネルギー 
(また,弾性エネルギーとしてよく知られている)

9.5.10

式(7)

E

T

 

J/m

3

非回復累積損傷エネルギー 9.5.11 式(8),式(9)

N

荷重 9.5.1 式(1)

F

f

 

N

破壊荷重 9.5.5 式(5)

F

m

 

N

最大荷重 9.5.3 式(4)

mm

随時での伸び計又は試験片の長さ 9.5.2 式(3)

L

0

 

mm

最初の伸び計長さ又は試験片のゲージ長さ 9.5.2 式(3)

mm

短冊形試験片の全長

表 3,図 4

L

1

 

mm

ダンベル形試験片のゲージ長

表 2,図 3

L

2

 

mm

ダンベル形試験片の全長

表 2,図 3

1

有効な試験片本数

表 4

n

T

 

1

総試験片本数

表 4

mm

ダンベル形試験片の R 部半径

表 2,図 3

SD 

パラメータ
ーに依存

標準偏差 9.5.12 式(11)

R

f

 

MPa

引張破壊強さ 9.5.5 式(5)


3

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R

m

 

MPa

極限引張強さ 9.5.3 式(4)

1

変動係数 9.5.12 式(12)

mm

短冊形試験片の幅

表 3,図 4

W

1

 

mm

ダンベル形試験片のゲージ部幅

表 2,図 3

W

2

 

mm

ダンベル形試験片のつかみ部幅

表 2,図 3

_

パラメータ
ーX に依存

平均 9.5.12 式(10)

Δσ/Δε 

MPa

引張応力−ひずみ線図におけるこう配 9.5.7 式(6)

ε mm/mm

垂直方向のひずみ 9.5.2 式(3)

ε

f

 mm/mm

R

f

に対応するひずみ 9.5.6,図 6

ε

p

 mm/mm

σ

p

に対応するひずみ 9.5.9,図 6

ε

m

 mm/mm

R

m

に対応するひずみ 9.5.4,図 6

σ MPa 垂直方向の応力 9.5.1 式(1)

σ

p

 MPa

比例限界に対応する応力 9.5.10 式(7)

5.

原理  この規格は,材料開発,材料比較,品質保証,特性,信頼性,設計データ作成のためのもので

ある。引張応力と圧縮応力が存在する条件下では,長繊維強化セラミックス複合材料は異常な材料応答を

示すので,曖昧な引張挙動特性にならないように,この規格は曲げ試験を避けている。一軸で均一な応力

での引張試験が,応力−ひずみ応答,比例限界と極限強さ,弾性率及び吸収エネルギーを含む基本的な材

料挙動に関する情報を与えてくれる。

引張応力−ひずみ応答,種々の引張強さ及びそれに対応するひずみ,弾性率,並びに種々の変形エネル

ギーを決定することを目的として,この試験では,試験片に対して一軸引張荷重で破壊まで試験する。

一般に,この試験は常温下で行う。

6.

装置

6.1

試験機  試験機は,JIS B 7721 で保証されたグレード1.0 のものを使用する。

6.2

試験片の装着  試験機で付加する測定荷重を試験片に伝達するために,種々の形式のグリップを使

用できる。長繊維強化セラミックス複合材料のマトリックスはもろいので,つかみ部で試験片にき裂が発

生したり破壊するのを最小限にするように,試験片をつかむ部分とグリップとの間が均一な界面となって

いる必要がある。グリップには,一般に,直接グリップ方式と間接グリップ方式がある。 
6.2.1  直接グリップ方式    直接グリップ方式では,機械式,油圧式,空気式などの方法で試験機から試験片

に力が伝達される。試験片のつかみ面とグリップ面の間に滑りが生じないように,十分な側面圧力を付加

しなければならない。それには,刻み目状又はのこぎり歯状に加工されたグリップ面がよい(図 1 参照)

備考

一般に,これらのグリップ界面では,試験片が掴まれる部分の表面に垂直に力が付加される

ことになる。試験機によって付加される一軸荷重の伝達は,試験片とグリップとの間の摩擦

力によって達成される。直接グリップ方式の例を図 に示す。

6.2.2  間接グリップ方式

  間接グリップ方式では,試験機から試験片へ直接の機械的連結によって力が伝達

される。機械的連結の例として,試験片つかみ部の肩による方式(図 参照)及びつかみ部にあけた穴に

ピンを差し込む方式などがある。

    備考

一般的に,一軸荷重は試験片/グリップ界面に沿った均一接触を通して試験片に伝達され

    る。したがって,偏心力は最小化される。


4

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6.2.3  試験片連結カップラ−

    試験片をつなぐ種々の方式の装置(試験片連結カップラー)が,

直接又は間接グリップアッセンブリーを試験機に取り付けるのに用いられる。グリップ方式

とともに試験片連結カップラーは,試験片連結及びその結果試験片に負わせられる曲げ成分

の調整に重要な役割を果たす。試験片連結カップラーやつかみ部界面の効果は,8.1 で議論す

る手順によって確認する。

1

.試験片

2

.くさびつかみ

3

.つかみ本体

4

.つかみ機構

  1  直接グリップ方式の例

    1.拘束板    2.試験片

3.横方向センター合わせ挿入部材

                                4.つかみ取付

  図  2  間接グリップ方式の例


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6.3

ひずみ測定  この規格での長繊維強化セラミックス複合材料試験片の引張試験には,ひずみ測定が

要求される。伸び計は JIS B 7741 に準じて等級 1 とする。伸び計のゲージ長は 10 mm 以上(25 mm が望ま

しい)とし,試験片ゲージ部の平行部中央線上の中心点に対して対称の位置にセットさせねばならない。

試験片と機械的に接触する伸び計は,引張挙動に有害な影響を生じるような損傷を試験片表面に与えて

はならない。伸び計が 8.1 で許容する以上の曲げ率を生じないことを保証する必要がある。伸び計は,ひ

ずみの平均値又は試験中の曲げを決定するために,試験片の両側面で伸びが測定できる方式とする。

また,

長繊維強化セラミックス複合材料の引張試験におけるひずみを測定するために,ひずみゲージを用いるこ

ともできる。ひずみゲージによる検出値が,繊維をまたがったような局部的なひずみ現象による不当な影

響を受けないことを保証できない場合は,ひずみゲージは,縦方向長さは 9mm 以上必要であり,12mm 以

上であることが好ましく,横方向の長さは 6mm 以上が望ましい。ひずみゲージ,表面調整,接着剤は対象

試料に対して適切な試験ができるように選定するのが望ましく,また,適切なひずみ記録装置を用いるの

がよい。

6.4

データ収集  最小限,アナログチャート記録計又はデジタルデータ収集システムを用いて,時間に

対する付加荷重,ゲージ部伸び又はひずみの時間変化を自動記録する。記録装置は,出力ユニットも含め

て,試験システムの選択範囲において 1.0%以内の精度でなければならない。応答速度 50Hz 以上をもち,

しかも,最小データ採取速度 10Hz 以上をもった方がよい。

6.5

寸法測定  マイクロメータや直線寸法を測定するために用いられるその他の装置は,個々の寸法を

測定するために要求される最小寸法の少なくとも 1/2 の精度及び精密さをもたなければならない。しかも

JIS B 7502

及び JIS B 7503 に準じていなければならない。断面寸法に対する首尾一貫した測定を得るには,

平たんなアンビル型のマイクロメータを用いる。測定端が鋭いアンビル型のマイクロメータは,織物強化

セラミックス複合材料には望ましくない。その理由は,その織物の凹凸に影響されるからである。断面寸

法は,0.01mm の精度をもつ寸法測定装置を用いて,0.02mm 以内で測定する。

7.

試験片

7.1

試験片形状  引張試験用の試験片の形状は,得られたデータをどのように使用するかによって異な

ったものになる。例えば,材料の引張強さを求めるときには,試験片の厚さ,幅及び長さの影響を考慮す

る必要がある。一方,特定の成形条件で作製された長繊維強化セラミックス複合材料に関して,構成材料

の相互作用を評価するときには,試験片の諸寸法を一定に保てば十分である。このような理由から,この

規格では,広範な用途に適合するものとして特定の唯一の試験片形状を推奨することはしない。表 及び

表 は,

それぞれ図 及び図 に示す形状の試験片に対する主要な寸法上の要求条件を示したものである。

7.2

試験片の準備  試験片の作製方法としては,どのような方法でもよいが,第三者が追試験を行える

程度の詳細にわたる説明が求められる。

7.2.1

成形したままの材料  成形後機械加工せずに用いる場合には,試験片の表面/側面の状態もそれに

対応した機械加工なしの状態に保つ必要がある。成形直後の状態の試験片は,表面状態が粗く,厚さも一

様ではなく,繊維の配向の大きな乱れを伴う可能性があり,ゲージ部以外の破壊を起こしやすい。

7.2.2

適用状態の表面仕上げ材料  ある部材に適用することがわかっているときには,その表面及び角の

仕上げ状態に近い状態の試験片を準備することが推奨される。もし,それが不可能なときには,材料の切

出し位置,研削といしの種類・粗さ,といしに用いられる接着剤,1回の研削量,冷却剤の種類などを報

告書に記入する。

7.2.3

標準加工材料  適用状態を満足する機械加工条件が既に明らかにされているときには(機械加工に


6

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よって評価結果に影響を及ぼすような表面欠陥,

内部欠陥又は残留応力が発生しないことが保証される。

その条件で試験片を準備する。

7.2.4

推奨される加工法  材料の研削及び切削は,材料及び加工部材の加工部分を多量の冷却液で洗い流

し,研削の破片がスムーズに流れ去る状態で行う。研削は,荒研削と仕上げ研削の2段階に分けて行う。

1回の研削及び切削は,最大深さ 0.03mm 以下とし,#320 と#600 との間の粗さのダイヤモンドといしを用

いる。ゲ−ジ部の最終研磨は,縦方向に行う。

  2  ダンベル形試験片の最小寸法

寸法

最小値  mm

許容値  mm

全長,L

2

≧100

±0.5

ゲージ長,L

1

≧30

±0.2

厚さ,d

≧2,かつ最小限  a)簡単な織物材では 3 枚 
  又は,b)複雑な織物材では 1 単位胞

±0.2

ゲージ部幅,W

1

≧6,かつ最小限  a)簡単な織物材では 3 繊維束 
  又は,b)複雑な織物材では 1 単位胞

±0.2

つかみ部幅,W

2

≧10,かつ最小限 1.4×W

1

±0.2

R

部半径,R

≧35

±2

機械加工部の平行度 0.05

:ゲージ長        注 a:ゲージ部はつかみ部へスムーズに移行。

:全長            注b:つかみ部とゲージ部は段差の

:ゲージ部幅            ないスムーズな曲面で交差している。

:つかみ部幅

:厚さ

:R 部半径

図3  “一般的な”ダンベル形試験片

a


7

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  3  短冊形試験片の最小寸法

寸法

最小値  mm

許容値  mm

長さ  L

≧100

±0.5

厚さ  d

≧2,かつ最小限  a)簡単な織物材では 3 枚 
  又は,b)複雑な織物材では 1 単位胞

±0.2

幅  W

≧6,かつ最小限  a)簡単な織物材では 3 繊維束 
  又は,b)複雑な織物材では 1 単位胞

±0.2

機械加工部の平行度 0.05

  4  “一般的な”短冊形試験片(表 3 参照)

7.3

試験片の本数  一条件で最低 5 本の有効試験を実施して平均値を求める。引張強さのばらつきを議

論するにはより多くの試験が必要である。材料コストの制限によって試験本数が限られるときには,より

少数の試験にならざるを得ないが,その場合の試験結果は材料特性の傾向を把握するという目的に使用す

ることが推奨される。

7.4

有効な試験  次のすべての条件を満足したときに,有効な試験結果が得られたものと判断する。

a)

すべての試験条件が,この規格を満足する。

b)

破壊が,一様応力が作用するゲージ部で起こっている。破壊がゲージ部以外で起こったときには除外

し,有効な試験条件の吟味などに活用する。

7.5

試験片のエンドタブ  グリップによる負荷方式を採用するときには,試験片の両端部に補強タブを

用いるのがよい。タブ用の推奨材料としては,ガラス繊維強化又は炭素繊維強化のエポキシ樹脂複合材料

(0°/90°のクロスプライなど)が挙げられる。タブの先端には 15°以下の傾斜を付け,タブ長さは 30 mm

以上,タブ幅は試験片と同一,タブ厚さは両側あわせて試験片と同等とする。タブは高伸度の接着剤で取

り付け,接着面積は,接着剤の剪断強さ・試験片の引張強さの推定値から決定する。もし,10-20%程度の

破壊が材料端のタブ内で起こったときには,タブ材料,タブ形状,グリップ方式,接着剤などの再検討を

行い,ゲージ部での破壊確率が増えるよう改良を行うものとする。図 は試験実績のあるタブ形状の一例

である。


8

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a:試験片幅    b:試験片の中心方向

備考  表面仕上げは 0.5μmRa∼1.0μmRa,端面仕上げは 1μmRa∼2μmRa

  5  傾斜のついたエンドタブの例  単位 mm

8.

試験条件

8.1

引張軸方向の調整の確認  最低限,試験開始時及び終了直後に,試験機と試験片軸の一致を確認す

る。曲げ率は,比例限界応力のひずみの半分又は 0.0005 mm/mm のひずみにおいて 10  %以内であるもの

とする。

備考  破壊力学に基づいた引張挙動の厳密な議論を行うときは, 5%採用の必要性もありうる。

8.1.1

引張軸方向調整における曲げひずみ成分測定,曲げ率算出法  引張軸方向調整における曲げひずみ

成分測定及び曲げ率算出法は,附属書1(規定)に示す方法による。

8.2

試験モード及び試験速度  試験は負荷力,変位又はひずみ制御で行う。試験は,材料の強さを決

定する破壊が,試験開始後 30 秒以内で起こるように迅速に行う。この条件は,試験速度依存性を評価す

るときには除外する。

備考  環境効果を最小限にとどめるために,空気中で試験を行うときには,0.01∼0.05mm/s 程度の遅

いクロスヘッド移動速度がよい。

9.

試験手順

9.1

試験片寸法  各試験片のゲージ部の板厚と幅を 0.02mm の精度で測定する。ゲージ部の少なくとも三

つの異なる断面で寸法を計測する。

引張応力の計算に用いるために,

計測した寸法と計測位置を報告する。

応力の計算には,複数の測定寸法の平均値を用いる。

9.2

試験準備  各試験において,特別の部品を要したときには報告する。試験片のつかみ部以外の表面

に,消えないマーカーを用いて”上”

”下”

”前(試験者に向いた面)

”の印を記入する(もし,試験を水

平にして行うときは、

“上”

“下”の代わりに“左”

“右”を記入する。

。試験機の試験モード,試験速度

を設定する。試験片の片端をグリップに固定する。試験片に一切の荷重が作用しない状態で,試験片ゲー

ジ部に伸び計を装着して出力のゼロバランスをとるか,又は,ひずみゲージの導線をアンプに接続して,

出力のゼロバランスをとる。残った片方の端をグリップして,負荷系の”ガタ”を取り除くために試験片

に初期荷重をかける。

データ記録のための自動データ収集システムを立ち上げる。

データ収集を開始する。


9

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試験を開始する。

9.3

試験完了  試験片の破断後,試験機とデータ収集システムの作動を停止する。負荷に対して 1%の精

度で,破壊荷重を記録する。グリップの面から試験片を注意して取り除く。破断面が互いに接触したり,

他の物件に接触したりして破断面を損傷させないように注意する。試験片とゲージ部からの飛散物とを合

わせて,適切な非金属容器に入れて,後の解析に用いる。

9.4

試験後処理  温度及び相対湿度を測定して報告する。ゲージ部中心点からの破断部相対位置を計測

して報告する。このとき、ゲージ部中心位置を 0mm として試験片上側を正とし,下側を負とする方式を

採用する。破断面が試験片軸に垂直でないときには,平均的な破断位置を報告してよい。破断面の向きを

報告する。もし破断が,一様応力となるゲージ部以外で発生したときは,その結果を力学特性の決定の計

算に用いてはならない。

9.5

結果の算出  長繊維強化セラミックス複合材料は,図 6 a)から図 6 c)に示すように,それぞれ異

なる応力−ひずみ挙動を示すことがある。したがって,試験結果の解釈に際しては,応答の相違を考慮す

る必要がある。以下の計算値に対応する点は,適宜,後の図中に示してある。

9.5.1

垂直方向の応力  垂直方向の応力を次式で計算する。

A

/

=

σ

 (1)

ここに,  σ:  垂直方向の応力(MPa)

F

:  一軸引張荷重(N)

A

:  試験片の断面積(mm

2

断面積は次のように計算する。

d

W

A

1

=

    (ダンベル形試験片の断面積の場合)(2a)

Wd

A

=

    (短冊形試験片の断面積の場合)  (2b)

ここに,

W

1

ダンベル形試験片の平均幅(mm)

W

短冊形試験片の平均幅(mm)

d

ゲージ部平均板厚(mm)

9.5.2

垂直方向のひずみ  垂直方向のひずみを次式で計算する。

(

)

0

0

l

l

l

=

ε

 (3)

ここに,  ε:  垂直方向のひずみ

l

:  ある瞬間のゲージ長(試験片又は伸び計のゲージ長)

(mm)

l

0

:  初期ゲージ長(mm)

なお,ひずみゲージを用いる場合は,ひずみは直接計測される。

場合によっては,図 6b)に示すように,応力−ひずみ(σ−ε)曲線は,初期から非線形的であり,又

は,線形域の前に立上がり(toe)領域を示す(図 6c))

。この立上がり領域は引張試験に伴うみかけの現象

であり,材料特性を代表していない。この場合,図 6 c)に示すように,応力−ひずみ曲線の線形域をゼロ

応力の側に拡張してひずみ軸との交点を求めることによって,応力−ひずみ曲線を修正してもよい。この

立上がり領域分の修正ひずみは,これより大きいすべてのひずみ値からこれを差し引いて補正する。その

結果得られた応力−ひずみ曲線を,次の計算に使用する。この場合,非線型の立上がり領域をもつ応力−

ひずみ曲線の元データと補正された曲線の両方を報告する。


10

R 1656

:2003

a)  応力−ひずみ曲線の初期に線形域が現れる場合

b)応力−ひずみ曲線がいたるところで非線型の場合

c)応力−ひずみ曲線の初期に立ち上がり領域と線形域が現れる場合

備考  応力−ひずみ曲線状のひずみの大きい領域では,次の二つの異なる挙動が現れる場合がある。

-

実線に示すように破壊前に応力が低下する場合。

-

破線に示すように破壊時まで応力の増加する場合

  6  長繊維強化セラミックス複合材料における模式的な応力−ひずみ(σ−ε)曲線


11

R 1656

:2003

9.5.3

極限引張強さ  極限引張強さを次式で計算する。

A

F

R

/

m

m

=

 (4)

ここに,

R

m

:  極限引張強さ(MPa)

F

m

:  最大荷重(N)

9.5.4

極限引張強さに対応するひずみ(必要に応じて実施)  極限引張強さを示したときの発生ひずみ

ε

m

を、極限引張強さに対応するひずみとして確定する。

9.5.5

引張破壊強さ  引張破壊強さを次式で計算する。

A

F

R

/

f

f

=

 (5)

ここに,  R

f

:  引張破壊強さ(MPa)

F

f

:  試験片が二つ又はそれ以上に破壊するときの荷重(N)

図 6a)から図 6c)に破線で示すように,ある種の例では R

m

=R

f

である。

9.5.6

引張破壊ひずみ  引張破壊時に対応する工学ひずみε

f

を,引張破壊ひずみとして確定する。

図 6a)から図 6c)に示すように,ある種の例ではε

m

=ε

f

である。

9.5.7

弾性率  弾性率の計算を式(6)によって計算する。

Δε

Δσ

=

E

 (6)

ここに,

E

弾性率

Δσ/Δε:

図 6a)∼図 6c)に示された線形領域における応

力−ひずみ(σ−ε)曲線の傾き

図 6b)にみられるような線形関係を全く示さない応力−ひずみ曲線を示す材料の弾性率は,定義できな

い場合がある。

9.5.8

比例限界応力

9.5.8.1

一般事項  比例限界応力の定義において,材料によっては線形領域を全く示さない応力−ひずみ

曲線の場合があり,比例限界応力

σ

p

が認められない場合がある。このような場合には、次に示す方法の

いずれかによって比例限界応力

σ

p

を決定する(図7参照)

9.5.8.2

オフセット法  応力−ひずみ曲線が明りょうな直線性を示さないような場合,弾性率を測定する

ために用いた応力−ひずみ曲線の線形領域にほぼ平行に直線(1:オフセット直線)を引くことによって決定

する。その直線の軸方向ひずみ座標軸との交点のひずみ値が,オフセットひずみ(strain offset)(2)である。

比例限界応力は,オフセット直線と応力−ひずみ曲線との交点(3)として定義される応力値である。


12

R 1656

:2003

  7  比例限界応力測定のための測定方法図

9.5.8.3

引張伸び法  規定のひずみ(図 の(4))に対応する応力−ひずみ曲線上の応力を特定し,これをσ

p

とする。規定のひずみは,応力−ひずみ曲線の線形部分に認められる場合も認められない場合もあるが,

σ

p

を決定した規定のひずみは一定値とし,一連の総ての試験に対してこれを記載する。

備考  ひずみ 0.0005mm/mm は,オフセット法による規定のオフセットひずみ,又は引張伸び法によ

る規定のひずみとして,有効であったとの実績がある。

9.5.8.4

測定者規定法(user-defined method)  内容が明りょうに規定され,記述された方法によって,σ

p

を決定する。その方法を報告書に記述するとともに,一連のすべての試験に対して適用する。

9.5.9

比例限界応力におけるひずみ(必要に応じて実施)  引張試験で測定された比例限界応力に対応す

るひずみとして,比例限界応力におけるひずみε

p

を決定する。

9.5.10

回復弾性エネルギー(recoverable elastic energy)又は弾性エネルギー係数(modulus of resilience

(必要に応じて実施)

を,応力−ひずみ曲線の線形部分下部の面積として,ジュール/立方メート

ル(J/m

3

)単位で計算する。又は,別法として式(7)によって概算する(図 6c)参照)

。これらの算出

を実施するかどうかは,試験者の裁量事項である。

p

p

0

R

2

1

p

ε

σ

ε

σ

=

ò

ε

d

E

 (7)

ここに,

σ

p

比例限界応力(Pa)

ε

p

比例限界応力に対するひずみ(mm/mm)

9.5.11

非回復累積損傷エネルギー(irrecoverable cumulative damage energy)又はじん性率(modulus of 

toughness

)(必要に応じて実施)

を、応力−ひずみ曲線の下部の全面積としてジュール/立方メート

ル(J/m

3

)単位で計算する(図6c)参照)

。又は、別法として式(8)によって概算する。これらの算出を実施

するかどうかは、試験者の裁量事項である。


13

R 1656

:2003

f

m

p

0

T

2

f

ε

σ

ε

σ

ε

R

d

E

+

=

ò

 (8)

ここに,

σ

p

比例限界応力(Pa)

R

m

極限引張強さ(Pa)

ε

f

引張破壊強さに対応するひずみ

σ

p

が測定できず,かつ応力−ひずみ曲線が放物線で近似できる材料の E

T

は,式(9)によって概算する

ことができる。

f

m

0

T

3

2

f

ε

ε

σ

ε

R

d

E

=

ò

 (9)

9.5.12

平均値,標準偏差および変動係数  一連の試験ごとに,平均値,標準偏差及び変動係数を式(10),

(11)及び(12)によって計算する。

平均値

n

Xi

X

n

i

å

=

=

1

 (10)

標準偏差

1

)

(

1

2

i

=

å

=

n

X

X

SD

n

i

(11)

変動係数

X

SD

V

)

(

100

=

 (12)

ここに,

X

i

測定値

n

有効試験数

10.

報告

10.1

一連の試験報告  試験報告書には,一連の試験の試験結果について次の項目について記載する。

a)

試験場所、試験年月日

b)

試験に供した引張試験片の形状及び寸法。少なくとも簡単な図面は添える。タブ付きの試験片につい

ては,タブの材質,タブの形状及び寸法(少なくとも簡単な図面は添える。),使用した接着剤につい

ての詳細。

c)

使用した試験機の形式及び外観。必要ならば図面あるいはスケッチを添える。市販の試験機を使用し

た場合は,その試験機の製造業者,商品名,型式番号だけでよい。

d)  

使用したひずみ測定装置の形式,外観及び精度。必要ならば図面あるいはスケッチを添える。市販の

伸び計又はひずみゲージとひずみゲージ用アンプを使用した場合は,それらの製造業者,商品名,型

式番号だけでよい。

e)  

試験片グリップの形式,外観及びグリップ表面の状態。必要ならば図面又はスケッチを添える。市販

のグリップを使用した場合は,そのグリップの製造業者,商品名,型式番号だけでよい。

f)  

試験片グリップと試験機をつなぐ連結カップリングの形式及び外観。必要ならば図面又はスケッチを

添える。市販の試験機を使用した場合は,その試験機の製造業者,商品名,型式番号だけでよい。


14

R 1656

:2003

g)  

有効な試験(例えば,試験片のゲージ部で破断した試験)で使用した試験片の数(n)及び引張試験に供し

たすべての試験片の数(n

T

)

と n

T

とから,使用した試験片形状及び試験装置における引張試験の成

功率を推測することができる。

h)  

試験片を構成する複合材料に関する詳細な材料データ。少なくとも,複合材料の製造年月日,強化材

及びマトリックスの種類,形態,体積率,強度・強化材の弾性率・密度などの物性及び簡単な製造方法。

市販の強化材を使用した場合は,その材料の製造業者,商品名,型式番号又はロット番号だけでよ

い。また,市販の複合材料を使用した場合も,その複合材料の製造業者,商品名,型式番号又はロッ

ト番号だけでよい。

i)  

試験片を加工した際の加工方法及びすべての加工条件。

j)  

試験に供する複合材料又は試験片に,熱処理,表面被覆などの予備試験処理を行った場合は,それら

の予備試験処理の目的,処理条件を含む処理方法についての詳細。

k)  

試験場所又は試験室の相対湿度,温度,試験雰囲気(大気,乾燥窒素,シリコンオイル,など),試験

雰囲気の酸素分圧又は酸素の割合(計測が可能ならば)などを含む試験環境。

l)  

試験モード(荷重制御,変位制御,ひずみ制御など)及びその速度(荷重の負荷速度,クロスヘッド速度,

ひずみ速度など)。ひずみ速度の単位は s

-1

とする。

m)

一連の引張試験の最初と最後における試験機と試験軸との一致性を検定した際の,試験片の曲げひず

み成分と対応する平均ひずみ。

n)

それぞれの一連の引張試験で得られた値の平均値,標準偏差及び変動係数

o)

次の特性

1)

極限引張強さ,

R

m

2)

極限引張強さに対応するひずみ,

ε

m

(測定した場合)

3)

引張破壊強さ,

R

f

4)

引張破壊ひずみ,

ε

f

5)

弾性率,

E

6)

比例限界応力,

σ

p  ,

及びその計算方法

7)

比例限界応力におけるひずみ,

ε

p

  (測定した場合)

8)

回復弾性エネルギー(recoverable elastic energy)又は弾性エネルギー係数(modulus of resilience)と

して知られている,E

R

  (測定した場合)

9)

非 回 復 累 積 損 傷 エ ネ ル ギ ー (irrecoverable cumulative damage energy) 又 は じ ん 性 率 (modulus of

toughness)

として知られている,E

T

  (測定した場合)

p)

本規格の手法及び要件と異なる事柄。

表 に,一連の試験についての報告様式の例を示す。


15

R 1656

:2003

  4  一連の試験についての報告様式の例

試験  No

試験片  No

試験日

試験場所

試験者

試験片の形態(ダンベル形又は短冊形)

(図面添付)

材料片寸法 
全長,

2

又は

(mm)

ゲ−ジ長,

1

(mm)

厚さ,

(mm)

ゲージ部幅,

1

又は

(mm)

つかみ部幅,

2

(mm)

タブ(もし使用した場合,図面添付,タブ材料及び接着剤等を記述)

試験機の形式及び概観(図面を添付又は製造所記載)

ひずみ測定装置の形式及び概観(図面を添付又は製造所記載)

試験片グリップの形式及び概観(図面を添付又は製造所記載)

試験片連結カップラ−の形式及び概観(図面を添付又は製造所記
載)

有効試験片数(n)

全試験片数(n

T

)

材料デ−タ 
  製造年月日(もし分かれば) 
  製造所(もし分かれば)

  強化材の形態及び強化繊維材料(もし分かれば) 
  繊維体積率(もし分かれば) 
  かさ密度(もし分かれば)

  マトリックス(もし分かれば) 
  界面材料(もし分かれば)

試験片加工(加工法,  加工条件)

熱処理,コ−ティングその他

試験環境 
  相対湿度(%)

  試験温度(℃) 
  雰囲気(真空中,空気中,その他等)

試験モ−ド(荷重制御,変位制御,又はひずみ制御)

試験速度(N/s, mm/s,(mm/mm)/s)

軸合わせ検定結果

最初の曲げ率及び平均ひずみ

最終の曲げ率及び平均ひずみ

平均極限引張強さ

m

R

(MPa)

極限引張強さの標準偏差 R

mSD

(MPa)

に対応するひずみ,ε

(mm/mm)

(測定した場合)

ε

の標準偏差,ε

SD

  (測定した場合)

平均引張破壊強さ

f

R

(MPa)

破壊強さの標準偏差 R

fSD

(MPa)


16

R 1656

:2003

平均破壊ひずみ

f

ε

(mm/mm)

引張破壊ひずみの標準偏差ε

fSD

(mm/mm)

平均弾性率

E

(GPa)

弾性率の標準偏差 E

SD

(GPa)

平均比例限界応力

p

σ

(MPa)

比例限界応力の標準偏差σ

pSD

(MPa)

σ

p

の算出方法

比例限界ひずみ

ε

P

(mm/mm)

(測定した場合)

比例限界ひずみ標準偏差

ε

PSD

(mm/mm)

(測定した場合)

平均回復弾性エネルギ−

(J/m

3

(測定した場合)

回復弾性エネルギ−の標準偏差

RSD

(J/m

(測定した場合)

平均非回復累積損傷エネルギ−

(J/m

(測定した場合)

非回復累積損傷エネルギ−の標準偏差

TSD

(J/m

(測定した場合)

10.2

個々の試験報告  個々の試験の試験結果について,次の項目を記載する。

a)  試験片の形状及び寸法。例えば,全長,全幅,ゲージ部の長さ,ゲージ部の幅,つかみ部の長さ,つかみ部

の幅,など(図面を添付)。単位は mm とする。

b)  試験片の長手方向で測定されたゲージ部の平均表面粗さ。

c)

試験片の平均の断面寸法又は引張試験時に破断した箇所の断面寸法。単位は mm とする。

d)  各引張試験の応力−ひずみ曲線のプロット。

e)

極限引張強さ,R

m

f)

極限引張強さに対応するひずみ,

ε

m

(

測定した場合)  。

g)

引張破壊強さ,R

f

h)

引張破壊ひずみ,

ε

f

i)

弾性率,E

j)

比例限界応力,

σ

p

,及びその計算方法

k)

比例限界応力におけるひずみ,

ε

p

(測定した場合)

l)

回復弾性エネルギー(recoverable elastic energy)又は弾性エネルギー係数(modulus of resilience)、E

R

  (測

定した場合)。

m)  非回復累積損傷エネルギー(irrecoverable cumulative damage energy)

又はじん性率(modulus of toughness)、

E

T

(

測定した場合)。

n)

ゲージ部の中心から破断箇所までの距離。単位は mm とする(ゲージ部の中心を 0 として,+はそこか

ら上側,−はそこから下側を示す)。

o)

この規格の手法及び要件と異なる事柄。

表 5 に,個々の試験についての報告様式の例を示す。


17

R 1656

:2003

  5  個々の試験についての報告様式の例

試験  No

試験片  No

試験日

試験場所

試験者

試験片の形態(ダンベル形又は短冊形)(図面を添付)

試験片寸法 
  全長,

又は

(mm)

  ゲ−ジ,

(mm)

  厚さ,

(mm)

  ゲージ部幅,

又は

(mm)

  つかみ部幅,

(mm)

平均表面粗さ(m)

応力−ひずみ(σ−ε)曲線(添付)

極限引張強さ,R

m

(MPa)

極限引張ひずみ

ε

(mm/mm)

(測定した場合)

引張破壊強さ,R

f

(MPa)

引張破壊ひずみ,

ε

f

(mm/mm)

弾性率 E(GPa)

比例限界応力,

σ

p

(MPa)

σ

p

の算出方法

比例限界ひずみ,

ε

p

(mm/mm)

(測定した場合)

回復弾性エネルギ−,

(J/m

3

(測定した場合)

非回復累積損傷エネルギ−,

(J/m

3

(測定した場合)

破壊位置(mm)


18

R 1656

:2003

附属書 1(規定)引張軸方向調整における曲げひずみ成分の測定方法

1.

適用範囲  この附属書(規定)は引張軸方向調整における曲げひずみ成分の測定方法を規定する。

2.

装置  本体6.で規定した装置を用いる

3.

引張試験における曲げひずみ成分の計測

a)

ダミーや実際の試験片を用いて,附属書1−図1に示すように,確認用の試験片のゲージ部の上下2

か所に 4 枚ずつ合計 8 枚のひずみゲージを円周上に等間隔(90°)に接着して測定する。そのときの

ひずみゲージを接着する上下 2 点間の距離は 3/4

0

とし,ゲージ部の軸方向の中心点に対して対称で

なければならない。

なお,この

0

はダンベル形状試験片のゲージ部長さである。試験中のひずみ量の計測及び記録には

適切な装置を使用する。

b)

試験片の上端を試験機のグリップ間に挟み,ひずみゲージのリード線を調整された測定装置に接続す

る。ひずみゲージのゼロ点を調整した後に,試験片の下端を試験機のグリップで挟む。

c)

比例限界応力を加えた場合のひずみ量の 1/2 又は 0.0005 mm/mm のいずれか大きな方のひずみ量を人

為的に付与するために,試験片に対して十分な荷重を負荷する。

4.

曲げひずみ成分の計算  附属書1−図1に記載する各番号のひずみゲージの値を基に,矩形又は円形

の断面に対して,上部及び下部の曲げ率(それぞれ B

u

及び B

l

)を,それぞれ附属書1の式(1)及び式(2)

を用いて計算する。ε

1

からε

4

はゲージ部の上部,ε

5

からε

8

はゲージ部の下部に配置されたひずみゲー

ジの計測値である。

附属書 1−図  1  ひずみゲージの接着位置及びナンバリングの説明


19

R 1656

:2003

100

4

2

2

4

3

2

1

2

1

2

4

2

2

3

1

u

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

+

+

ú

û

ù

ê

ë

é

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

÷

ø

ö

ç

è

æ −

=

ε

ε

ε

ε

ε

ε

ε

ε

B

 (1)

100

4

2

2

8

7

6

5

2

1

2

8

6

2

7

5

l

×

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

+

+

ú

û

ù

ê

ë

é

÷

ø

ö

ç

è

æ

+

÷

ø

ö

ç

è

æ

=

ε

ε

ε

ε

ε

ε

ε

ε

B

 (2)

ここに,

B

u

ゲージ上部における曲げ率

B

l

ゲージ下部における曲げ率

ε

1

,ε

2

,ε

3

,ε

4

: ゲージ上部の面にセットされたひずみ計におけるひ

ずみ値の読み

ε

5

,ε

6

,ε

7

,ε

8

: ゲージ下部の面にセットされたひずみ計におけるひ

ずみ値の読み

備考  ひずみ計の読みの単位は(mm/mm)で,圧縮の場合負の符号である。

5.

記録  B

u

B

l

を記録する


20

R 1656

:2003

附属書 2(参考)長繊維強化セラミックス複合材料の常温における引張応力−ひず

み挙動試験方法における試験片形状推奨事項

この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな

い。

1.

試験片形状      ダンベル形試験片において、ゲ−ジ部に応力が均等にかかり、ゲ−ジ部からグリップ

部への遷移領域における応力集中を最小限に抑えるため、丸味をつけた形状にすることが好ましい。その

曲率半径は 50mm 以上であることが好ましい。

推奨されるダンベル形試験片の例を附属書2−図1に示す。

一次元長繊維強化セラミックス複合材料又は二次元長繊維強化セラミックス複合材料において、強化繊維

で構成される面が試験片の厚さ方向に平行な試験片の場合は、ダンベル形試験片では遷移部で起こる応力

集中により生じたき裂が引張軸方向の繊維に沿って進行し、剥離が生じる。このような場合には、短冊形

状の試験片が推奨される。以下に示す試験片形状は、例であって、本来生ずべき力学的挙動が発生する試

験片であれば、これらの例に限定されない。

a)

面負荷型形状

附属書 2−図  1  引張試験片の各種形状例(単位 mm)


21

R 1656

:2003

c)

エッジ負荷型形状

附属書 2−図  1  引張試験片の各種形状例(単位 mm)(続き)


22

R 1656

:2003

附属書 3(参考)参考文献

[1] ASTM C1275-00, Standard Test Method for Monotonic Tensile Strength Testing of Continuous Fiber-Reinforced

Advanced Ceramic with Solid Rectangular Cross-Section Specimens at Ambient Temperature.

[2]  ENV 658-1, Advanced technical ceramics-Mechanical properties of ceramic composites at room temperature -

Part 1:Determination of tensile properties.

[3] HSR/EPM-D001-93, Monotonic Tensile Testing of Ceramic Matrix, Intermetallic Matrix, and Metal Matrix

Composite Materials.

[4] PEC-TS CMC 01, 常温及び高温における連続繊維強化セラミック基複合材料の引張応力−歪み挙動のた

めの試験方法

[5] RIMCOF-S-001-92, 先進 C/C 複合材料の超高温引張特性のための試験方法

[6] ASTM E1012-89, Standard Practice for Verification of Specimen Alignment Under Tensile Loading

[7] CEN (EUR 16138), Bending in Uniaxially Loaded Tension/Compression Test Pieces

(ISBN92-826-9681-2).

[8] NPL(NPL MMS001:1995), Code of Practice for Measurement of Bending in Uniaxial Low Cycle Fatigue Testing

(JSBN 0 946754 16 0).

[9] JIS B7507   ノギス     

[10] JIS R1606 ファインセラミックスの室温及び高温引張強さ試験方法

[11] JIS Z 8301  規格票の様式      
[12] JIS Z 8401  数値の丸め方


附属書 4(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS

番号:年号(1656:2003)名称  長繊維強化セラミックス複合材料の常温にお

ける引張応力―ひずみ挙動試験方法

国際規格番号:年号(ISO 15733:2000)名称(和訳)ファインセラミックス−連続繊維
強化複合材料の常温における引張応力−ひずみ挙動試験方法

(Ⅰ)JISの規定

(

Ⅱ)国際

規格番号

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS(原案)と国際規格との技術
的差異の項目ごとの評価及びその
内容 
表示箇所:本文

表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の理由及び今

後の対策

項目番号

内容

項 目
番号

内容

項 目 ご
と の 評

技術的差異の内容

1.

適用範囲

長 繊 維 強 化 セ ラ ミ ッ

ク ス 複 合 材 料 の 常 温
1 軸 引 張 試 験 に お け
る 引 張 挙 動 測 定 の 試

験方法を規定。

ISO 15733

1.

JIS に同じ。 IDT

2.

引用規格 JIS

B7502

JIS B7503

JIS B7721

JIS B7741

JIS R1600

ISO 15733

2.

ISO286-1

ISO3611

ISO6892

ISO7500-1

ISO9513

MOD/

追加

JISでは、B7503 及び

R1600

を追加して規定し

ている。

ISOとJISとの整合化にさほど影響を及ぼ

す内容ではない。

3.

定義

こ の 規 格 で 用 い る 主
な 用 語 に つ い て 定 義

している。

ISO 15733

3.

ISO15733

で用いる主

な用語について定 義

している。

MOD/

追加

用語の定義は JIS R1600
に基づく旨を追加して記

述している。

ISOとJISとの整合化にさほど影響を及ぼ
す内容ではない。

4.

記号及び

定義

こ の 規 格 で 用 い る 記

号 及 び そ の 定 義 に つ
いて規定している。

ISO 15733

4.

JIS

に同じ。 IDT

5.

原理

試 験 原 理 に つ い て 規
定している。

ISO 15733

5.

JIS

に同じ。 IDT

6.

装置

6.5 で JIS は JIS B7503
を引用し、ダイアルゲ
ージの使用を認めて

ISO 15733

6.

ダイアルゲージは 認
めていない

MOD/

追加

マイクロメーター、ダイ
アルゲージの精度、測定
範囲等はほぼ同一。

技術的に差異はない。

22

R

 1656


200

3


JIS

番号:年号(1656:2003)名称  長繊維強化セラミックス複合材料の常温にお

ける引張応力―ひずみ挙動試験方法

国際規格番号:年号(ISO 15733:2000)名称(和訳)ファインセラミックス−連続繊維

強化複合材料の常温における引張応力−ひずみ挙動試験方法

(Ⅰ)JISの規定

(

Ⅱ ) 国

際 規 格

番号

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JIS(原案)と国際規格との技術的差
異の項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本文

表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の理由及

び今後の対策

いる。

7.

試験片

試験片形状などを規
定している。

ISO

15733

7. JIS

に同じ。 IDT

8.

試験条件

・試験機と試験片軸

一 致 の 調 整 に お
い て 、 曲 げ 率 が
10%以下で ある
ことを規定。

・ 引 張 速 度 : 0.01 ∼

0.05mm/s

を推奨。

・備考で精密な議論を

す る と き は5 % が
必要と注記。

ISO

15733

8.

・試験機と試験

片 軸 一 致 の
調 整 に お い
て、曲げ率が
5

%以下であ

る こ と を 規
定。

・ 引 張 速 度 :

0.001

0.05mm/s

を推

奨。

MOD/

変更

・JIS の方が条件が寛容。

・JIS の方が下限値が大きい。

( こ れ に つ い て は 、 国 内

RRT

により、実用的、工学

的には 10%で十分との結
論がでている。

・材料開発及び材料取引の単純公正化等の目

的には曲げ率 10%以下の規定で十分であ
る。ただし、破壊力学に基づいた引張挙動
の厳密な議論には 5%以下を採用する必要

がある場合もある。

・引張速度があまり遅いとスロークラックの

グロースの影響がでてしまう。

[

今後の対策]

JIS

と ISO との相違点については、ISO へ修

正提案を行う予定。

9.

試験手順

試験手順及び試験結
果の計算方法につい

て規定している。

ISO

15733

9. JIS

に同じ。 IDT

10.

報告

一連の試験と個々の

試験の報告事項を規
定。 

ISO 
15733

10.

一 連 の 試 験 と

個々の試験の報
告事項を規定。

MOD/

追加

・JIS では 10.2 では試験片の

形態の図面を求めているが、

ISO

では求めていない。

ISOでは、10.1 において図面添付が求めら

れているため、10.2 においても添付が必要で
あると判断される。

[

今後の対策]

JIS

と ISO との相違点については、ISO へ修

正提案を行う予定。

附属書1 
(規定)

軸合わせ検定方法を
規定

ISO 
15733

Annex  A

軸合わせ検定方
法を規定

MOD/

修正

JIS

は JIS Z 8301 の書式に従っ

た。

技術的内容は同一である。

23

R

 1656


200

3


付属書2 
(参考)

試験片形状の推奨事
項を規定。

ISO 
15733

Annex

B JIS に同じ。 IDT

付 属 書 3
(参考)

参考文献を記述。

ISO 
15733

Bibliography

JIS

に同じ。 IDT

JIS原案作成時期:平成12年度

JIS制定・改正時期:平成14年度

JIS(原案)と国際規格との対応の程度全体評価: MOD