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 R 1652

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS R 1652

:2002 には,次に示す附属書がある。

附属書 1(参考)  共軸−二重円筒形粘度計

附属書 2(参考)  円すい−平板システム

附属書 3(参考)  ブルックフィールド形単一円筒回転粘度計


R 1652

:2003

(2)

目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  せん断速度を決定できる回転粘度計による粘度の測定

2

4.1

  原理

2

4.2

  装置

2

4.3

  セラミックススラリー試料の採取及び粘度計への導入

2

4.4

  測定条件

2

4.5

  手順3

4.6

  結果の表し方 3

4.7

  測定結果報告書 3

5.

  ブルックフィールド形単一円筒回転粘度計による粘度の測定4

5.1

  原理4

5.2

  装置4

5.3

  粘度計の調整及び校正 4

5.4

  測定温度 4

5.5

  回転数及びスピンドルの選び方 4

5.6

  手順4

5.7

  粘度の算出 5

5.8

  測定結果報告書 5

6.

  セラミックススラリー粘度測定のための前処理及び留意事項6

6.1

  スラリーの前処理 6

6.2

  前処理に関する留意事項 6

6.3

  測定時の留意事項 6

附属書 1(参考)  共軸−二重円筒形粘度計

7

附属書 2(参考)  円すい−平板システム

9

附属書 3(参考)  ブルックフィールド形単一円筒回転粘度計

11


日本工業規格

JIS

 R

1652

:2003

セラミックススラリーの

回転粘度計による粘度測定方法

Method for measurement of viscosity with a rotational viscometer

of ceramics slurry

1.

適用範囲  この規格は,共軸−二軸円筒形回転粘度計,円すい−平板形回転粘度計及びブルックフィ

ールド形単一円筒回転粘度計を用いて,常温でのセラミックス粉体分散スラリーの粘度を測定する方法を

規定する。

ここで規定する方法は,セラミックス粉体の種類,水系・非水系を問わずニュートン性あるいはニュー

トン性に近い挙動を示す比較的低粘度のセラミックス粉体分散系スラリーに適用し,チクソトロピー性,

降状値等の非ニュートン性が比較的小さい,粘度範囲がおおむね 5 Pa・s 以下のスラリーを対象とする。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 7117

-1  プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−ブルックフィールド形回転粘度計に

よる見掛け粘度の測定方法

JIS K 7117

-2  プラスチック−液状,乳濁状又は分散状の樹脂−回転粘度計による定せん断速度での

粘度の測定方法

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

JIS Z 8803

  液体の粘度−測定方法

JIS Z 8809

  粘度計校正用標準液

ISO 31-3

    Quantities and Units - Part3:Mechanics

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600 によるほか,次による。

a)

せん断応力  スラリー内のずり流動面の単位面積に作用する接線力。ずり応力ともいう。

b)

せん断速度  スラリー内の流動に直角方向の層流速度の変化の割合。ずり速度ともいう。

c)

ニュートン性  せん断速度がせん断応力に比例するスラリーの性質。

d)

粘度  スラリー内にせん断速度があるとき,その速度の方向に垂直な面において速度方向に単位面積

当りに生じる応力の大きさによって示される内部抵抗。

備考  非ニュートン流体に作用したせん断応力とせん断速度の比を見掛け粘度という。

e)

流動曲線  せん断速度とせん断応力の関係を示す曲線。

f)

チクソトロピー性  非ニュートン性のスラリーが時間依存型の流動特性をもち,一定のせん断速度状

態において見掛け粘度が時間とともに減少し,力を除くと徐々に回復する性質。


2

R 1652

:2003

4. 

せん断速度を決定できる回転粘度計による粘度の測定

4.1 

原理  所定の特性をもち,せん断速度とせん断応力を同時に測定できる回転粘度計によって,セラ

ミックススラリー試料の粘度を測定する。

粘度は,次の式によって算出する。

γ

τ

η

&

/

=

ここに,  η :粘度

τ :せん断応力

γ

&:せん断速度

粘度の SI 単位は,Pa・s である。

(1 Pa・s=1 N・s/m

2

備考  記号は,ISO 31-による。

4.2 

装置

a

)

回転粘度計

1

)

測定システム  測定システムは,対称的で同じ軸を共有する二つの面から成り,その間に粘度を測

定するセラミックススラリーを入れる。一方の面が静止し,他方の面が一定の角速度で回転する。

測定システムは,測定のたびにせん断速度を定めることができるものとする。トルク測定装置を,

面の一方に取り付け,スラリーの粘性抵抗に打ち勝つのに必要なトルクが求められるようにする。

適切な測定システムとしては,JIS K7117-2 に規定した共軸−二重円筒システム及び円すい−平板

システムがある。測定システムの寸法は,

附属書 1(参考)及び附属書 2(参考)に記載した条件を

満たすことが望ましい。

2

)

計器の基本的性能  計器は,ある範囲で回転数の設定を段階的又は連続的に変えることができ,そ

れにともなうトルクの測定又はその逆(すなわち,所定のトルクに設定とそれに伴う回転数の設定)

が行えるように,別のロータ及びステータに交換できるように設計したものを用いる。

装置のトルク測定の正確さは,フルスケールの読み値の 2 %以内とする。通常の計器動作範囲内

では回転数測定の正確さは,測定値の 2 %以内とする。粘度測定の繰り返し精度は±2 %でなければ

ならない。

備考  異なる測定システム及び回転数を用いることによって,大部分の市販計器で 10

2

∼10

3

Pa

・s の

粘度範囲をカバーできる。

b

)

温度調節装置  恒温槽の循環温度又は電気加熱した壁面温度は,0∼50  ℃の範囲では,±0.2  ℃以内

で一定に保ち,それ以上の温度では±0.5  ℃以内に保つものとする。さらに,厳密な測定には,より

厳しい許容差(例えば,±0.1  ℃)が必要な場合がある。

c

)

温度計  温度計の正確さは,±0.2  ℃とする。

4.3 

セラミックススラリー試料の採取及び粘度計への導入

a)

セラミックススラリー試料  試験規格に特に規定がない場合には、新しいセラミックススラリー試料

を用いる。スラリー試料の不適切な前処理を行わないこととする。ただし、保管してあったセラミッ

クススラリー試料を使用する場合は

6.の前処理を実施する。

b)

セラミックススラリー試料の測定システムへの入れ方  JIS Z8803 の 7.4.2 及び 9.4.2 により、気泡が

発生しないように測定システムへ導入する。

4.4 

測定条件

a) 

校正  粘度計は,粘度が分かっている標準液(ニュートン性流体)(

1

)

を用いて定期的に校正する。標


3

R 1652

:2003

準液での測定点を通って引いた最適近似直線が,その方法の精度限界内で座標の原点を通らない場合

には,装置製造業者の説明書によって,測定手順及び装置を更に点検する必要がある。校正に用いる

標準液の粘度は,測定試料の粘度と同じ範囲になければならない。

(

1

)

  JIS Z 8809

に規定する標準夜を用いるのが望ましい。

b) 

測定温度  通常,粘度は温度に依存するので,比較のための測定は同じ温度で行う。特に温度をプロ

セス上で規定する必要がないときには、23.0±0.2  ℃を推奨する。

c) 

せん断速度の選択  測定は,その計器で可能な回転数(定せん断応力の計器の場合にはトルク)の設

定及びプログラムに基づいてできる限り多くのせん断速度(流動曲線を求める場合には,4 種類以上)

で行い,また,粘度とせん断速度について広い範囲のグラフが書けるように広く異なったせん断速度

で行うのが望ましい。非ニュートン性を示す試料では,特に推奨されるせん断速度の範囲は,装置が

異なると大きく変化する。特殊な計器及び関連する測定システムを選ぶときは,粘度及びせん断速度

の測定範囲を考慮して選ぶ必要がある。

4.5 

手順  対象とするスラリー試料の試験規格に特に規定がない場合には,新しい試料を用い,JIS 

Z8803

の 7.4.2 及び 9.4.2 によって 3 回の測定を行う。

備考  乾燥、粒子の沈降などを防止するため、迅速な測定や試料容器の密封などにより、粘度への影

響をできるだけ少なくする。

  流動曲線を求める場合には,せん断速度を増やす方向で測定を始める。測定に入る前に粘度計内のスラ

リーがチクソトロピー構造を回復するのに十分な時間を与える必要がある。この時間は,スラリーによっ

て異なる。したがって,各設定速度でせん断応力が安定するまで保持する。最大せん断速度に到達するま

では回転数を増やし,次に速度を減らして同様の測定を行う。また,上記の最大及び最小せん断速度範囲

で連続的にせん断速度を上昇・下降させる方法もある。この場合できる限り短時間で測定する。せん断速

度の増加時と減少時における計器の読みの差がばらつく場合には,両者の平均値を取る。チクソトロピー

性スラリーの場合のように,その差が一定の場合には両方の値を報告する。異なる温度で測定する必要が

ある場合は,選択した測定システムが適切である限り,同じ試料を用いて各温度でのせん断速度と粘度の

関係を測定する。

備考  測定の前に,粘度計内のスラリーが必要な温度に到達するために十分な時間を与える必要があ

る。

4.6 

結果の表し方  装置説明書にある関係式(附属書1及び附属書2参照)又は装置に付属した表ある

いはモノグラフを用いて,粘度 η  (Pa・s)を算出する。3 回の平均値を求める。粘度の値を表す場合には,

括弧の中に粘度を測定した温度とせん断速度を示す。例えば, η (23  ℃,1 600 s

1

)=4.25 Pa・s

  異なる温度又はせん断速度で粘度を測定する場合には,

それらの関係を示すために曲線にプロットする。

4.7 

測定結果報告書  測定結果報告書には,必要に応じて,次の事項を記入する。

a

)

この規格番号及び発行年

b

)

測定スラリーの識別に必要なすべての詳細事項

c

)

スラリー採取日

d

)

測定温度(単位,℃)

e

)

スラリー調製方法の詳細

f

)

粘度測定システムについての記載

g

)

せん断応力 τ (Pa)及びせん断速度 γ

&(s

1

)の対応するすべての値からプロットした粘度曲線

h

)

単点データの測定の場合には測定に用いた温度やせん断速度を含めてその粘度


4

R 1652

:2003

i

)

測定時間(求めるせん断速度に到達した後,データを読み取るまでに経過した時間)

j

)

個々の粘度測定結果(単位 Pa・s 又は mPa・s)及びそれらの平均値

k

)

この規格によらないで当事者が協定した測定条件,例えば,寸法の異なる測定システムの採用

l

)

測定年月日

5. 

ブルックフィールド形単一円筒回転粘度計による粘度の測定

5.1 

原理  円筒又はそれに関連した形状のスピンドルを試料スラリーの中で一定の回転数で駆動する。

試料スラリーの粘度による流体抵抗がスピンドルに加わりトルクが生じる。このトルクを適切な計器で指

示させる。粘度は 5.7 の式から算出する。

備考  この種の粘度計では,せん断速度こう配はスピンドルのどの部分でも同じではない。したがっ

て,その測定結果は厳密には“既知のせん断速度こう配における粘度”ではない。

5.2 

装置

a) 

ブルックフィールド形単一円筒回転粘度計  JIS Z 8803 の 8.に規定した形式があり,セラミックスス

ラリー試料及び希望する精度によって選択する。この装置の概要を

附属書 3(参考)に示す。

  粘度計は,次のものから構成されている。

1) 

粘度計本体

2) 

スピンドル  1 から 7 まで番号の付いた,交換可能な 7 種類のスピンドル(1 が最大)。腐食又は偏

心の徴候を示すスピンドルを用いてはならない。

備考  これらのスピンドルには、液体中の浸せきレベルを示す標線が印されているが、標線はいずれ

の粘度計とも同じである。

3) 

取り外し可能なガード  粘度計の調整及び校正は,粘度が判明しているニュートン性液体を用いて,

使用者の測定室又は他の測定機関で必要に応じて行うことを推奨する。JIS Z 8809 に規定する標準

液の使用が望ましい。

b) 

恒温槽  試料を±0.2  ℃の正確さで測定温度に保持するもの。

c) 

その他の装置

1)

支柱  粘度計を支持し,これを垂直な面内で動かせるもの。

2)

標準ビーカ  直径が 90∼92 mm で,高さが 115∼160 mm のもの(500 ml ビーカ)を標準とする。

これ以外の特殊なものを使用する場合は,校正等によって補正を必要とする。

3)

温度計  測定する試料の温度を 0.1  ℃まで読めるもの。

5.3 

粘度計の調整及び校正  粘度計の調整及び校正は、粘度が判明しているニュートン性液体(

1

)

を用い

て、使用者の試験室や他の試験機関で必要に応じて行うことを推奨する。

5.4 

測定温度  測定温度は 23±0.2℃を推奨する。

5.5 

回転数及びスピンドルの選び方  測定する粘度の値,希望する精度及び速度こう配を考慮し,回転

数とスピンドルの組合せを選ぶ。この選び方は,どの測定値もフルスケールの 20 %未満又は 95 %以上に

ならないようにする必要がある。さらに,精度を最もよくするためには,フルスケールの 45 %∼95 %の範

囲に保つことが望ましい。非ニュートン性試料の間で粘度を比較したい場合は,一方の測定精度が著しく

低下するとしても,回転数とスピンドルの同じ組合せを用いる必要がある。回転数を選択すると,自動的

に一種類又はそれ以上の粘度計を選ぶことになる。このために,可能な場合には,10 min

1

の回転数を用

いるのがよい。用いる回転数とスピンドルの組合せは,測定条件として記載しておくとよい。

5.6 

手順


5

R 1652

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a

)

ガードを用いる場合は,これを取り付けて,粘度計を支柱に取り付ける。

b

)

スラリー試料は,気泡の発生に注意しながら,粒子の沈降防止又は沈降した粒子を再分散させるため

容器の振とう,かくはんなどの操作を行う。

備考  超音波分散又は過度の媒体かくはん,ボールミルなどはスラリー試料の性質が変化するので,

注意が必要である。

c

)

気泡を生じないように注意しながらビーカをスラリー試料で満たし,次に恒温槽に入れて希望の温度

に到達させるのに十分な時間放置する。沈降性のスラリー試料では,かくはんを行う。スラリー試料

が揮発性物質を含んでいたり,又は吸湿性の場合にはこの操作中ビーカを密閉する。

d

)

ビーカを恒温槽中に置いたまま,スピンドルを試料表面に対し約 45°の角度に保ち,スラリー試料中

に浸す。次にスピンドルを垂直に向け,装置の軸に接続する。

e

)

泡水準器を使用してスピンドルが垂直であることを確かめ,スピンドルの下端がビーカの底から 10

mm

以上離れた位置とする,及びスピンドルが軸の標線の下側まで浸されていることを確認して、温

度計をスラリー試料中に浸す。

f

)

スラリー試料の温度が規定の限度内になるまで待つ。装置製作者の推奨に従って,モータを始動し,

希望する回転数で回転させる。

g

)

装置を運転したまま,計器の指示値が安定したとき装置製作者の推奨に従って,トルク計のフルスケ

ールの 0.25 %まで軸針をロックし,モータを止めて読み取る。トルク計の読みが徐々に変化するとき

には,材料がチクソトロピー性か又はレオペキシー性をもつことを示している場合がある。トルク計

の読みを規定の時間後に取ったか,又は読みが一定になった直後に取ったかを報告書で報告する。ま

たは,粘度の曲線を回転時間の関数としてプロットすることもできる。

備考  液体によっては,異なるレオロジー特性を示すものがある。チクソトロピー性か又はレオペキ

シー性の挙動を示す液体については,回転時間は,例えば,1 分に固定するとよい(トルク計

の読みは時間により変わることがあるので,ただ一つの時間間隔を用いる)

h

)

モーターを再始動し,次の測定を行う。連続 2 回の測定値がお互いに 3 %以上離れない値を得るまで

測定を継続する。これら 2 回の値の平均値を求める。

i

)

各測定後,スピンドルを装置から外し,適切な溶剤に浸してよく洗浄する。

5.7 

粘度の算出  粘度は、次の式により算出する。

η

a=

×

θ

                    ここに、

η

a:粘度(mP/S)

                      K

:換算係数(各粘度計に付属している数表の値を用いる。

                      θ

:2回の試験の粘度計指示値の平均

5.8 

測定結果報告書  測定結果報告書には,次の事項を記入する。

a) 

この規格番号

b) 

測定したスラリー試料の名称

c) 

スラリー調製方法の詳細

d) 

測定温度

e) 

用いた粘度計の形式,スピンドルの番号及び回転数

f) 

粘度の値

g)

トルク計の読みが徐々に変化するときの読みとり方法


6

R 1652

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6. 

セラミックススラリー粘度測定のための前処理及び留意事項  セラミックススラリーは,測定に際し

て留意すべき点が多い。以下にスラリー粘度測定に関連する留意事項を列挙する。

6.1 

スラリーの前処理  保管してあるセラミックススラリーを使用する場合、セラミックススラリーは

一般に沈降していることが多いので,測定前にかくはんや容器の振とうなどによって分散させる。ただし、

セラミックススラリーはこの操作で気泡が発生することが多い。気泡が発生すると粘度が変化するので,

気泡を発生させないように注意してかくはん・振とうなどを行う。

6.2 

前処理に関する留意事項   

a) 

脱泡操作  気泡を含んだ場合には減圧などによる脱泡操作は有効であるが,実際のセラミックス製造

プロセスのスラリー特性が変わるおそれがある。スラリー調製以降の成形などのプロセスで脱泡操作

を行っている場合を除き,粘度への影響が大きいので実施しないことが望ましい。実施する場合は報

告する。

b) 

その他の留意事項  あまり強い高速かくはんや超音波分散などはスラリー温度の上昇を引き起こし,

スラリーに添加した分散剤やバインダーなどの高分子添加剤の不可逆変化を引き起こし粘度特性を変

化させるので用いないことが望ましい。

6.3 

測定時の留意事項

a) 

乾燥の影響  高濃度のセラミックススラリーは乾燥の影響を受けやすいので,容器の密封等を行うの

が望ましい。

b) 

沈降の影響  事前にメスシリンダーにスラリーを入れ,沈降による上澄み層,中間層,濃厚層の体積

の経時変化を,メスシリンダの目盛を読むことでスラリー中の粒子の沈降速度を測定し,測定時間内

に顕著な上澄み層ができるような沈降速度が速い場合は,温度調整時もローターを回転してかくはん

することが望ましい。また、沈降の影響の大きい円すい−平板法では,迅速に測定する必要がある。


7

R 1652

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附属書 1(参考)  共軸−二重円筒形粘度計

この附属書(参考)は、本体に関連する事柄を記述するものであり、規定の一部ではない。

1. 

特徴  回転軸を共有する 2 円筒の間げき(隙)に試料を満たし片方の円筒を回転させ,トルク応力と

回転速度の関係から粘度を求める測定法である。測定のせん断速度をほぼ決定でき,粘度測定のほか,回

転速度を変えた測定から,粘度のせん断速度依存性を求めることができる。外筒回転型(Couette 型)と内

筒回転型(Searle 型)がある。

2.

測定原理及び計算法  片方の円筒の回転によってせん断変形が試料にもたらされ,発生するせん断応

力を,装置の形状によって係数が定まるトルク応力として計測する。粘度( η )はせん断応力( τ )/せん

断速度( γ

&)で求められる。

ω

M

γ

τ

η

/

C

/

=

=

&

(C は装置定数) (1)

せん断応力及びせん断速度は,内外筒の間で一定ではなく回転軸からの半径 の関数である。の位置

におけるせん断応力,せん断速度は,次の式から求められる。

)

2

/(

2

e

r

L

π

M

τ

=

 (2)

)]

/

1

(

)

/

1

/[(

1

/

2

2

e

2

i

2

r

r

r

ω

γ

×

=

&

 (3)

せん断応力,せん断速度の表示は,代表値を用いるのが便利である。代表値としては,内筒及び外筒面

におけるせん断応力,せん断速度の平均値を用いることを推奨する。式

(4)

(5)

による

τ

と γ

&の関係は,

0.3

2

の間のべき乗の挙動をする流体の流動特性を非常に良い近似で表現することが理論的にも経験的にも

示されている。

)

2

/(

2

/

)

1

(

2

i

e

2

2

r

r

L

π

M

δ

δ

τ

×

+

=

 (4)

)

1

/(

)

1

(

2

2

r

+

=

δ

δ

ω

γ

&

 (5)

ここに,

η

:粘度

r

τ

:せん断応力の代表値(平均値)

 

i

r

:内筒半径

 

e

r

:外筒半径

δ :外筒半径/内筒半径

 

M

:測定されたトルク応力

 

e

L

:端面の補正がなされた実効内筒長さ(測定システムごとに異なる

ので実験的に決定する必要がある。)

ω

:回転の角速度

60

/

2

)

rad/s

(

n

π

=

n

は回転数,

rpm

r

γ

&

:せん断速度の代表値


8

R 1652

:2003

3.

測定システムの標準的形状  測定システムの標準的形状を附属書1図1に示す。粘度計の寸法として

次の比率を推奨する。これによって,粘度計の流れ場の幾何学的相似性が得られる。これ以外の形状を用

いるときでも,括弧内に示した比率の範囲を推奨する。

δ

r

e

/r

i

1.084 7 (

1.2)

L/r

i

3                  (

3)

L’/r

i

1                  (

1)

L”/r

i

1

r

s

/r

i

0.3

α

120

°

  (

150

°,≧

90

°

)

備考 1.

内筒下端の円すいは,気泡をためることなく試料中に内筒

を挿入するための工夫である。

2.

標準形状の場合,必要な試料の体積は,

8.17

×

r

i

3

である。

3.

端面の補正は

L

e

L

L

としたとき,

L

0.3r

i

が経験値と

して知られている。

shear thinning

の液体ではこの値は大き

くなる。

4.

標準形状の粘度計の

r

τ

及び

r

γ

&は,∆

L

0.3r

i

(ニュートン性

液体)として,

r

τ (Pa)

0.044 6M (Nm) /r

i

3

 (m)

r

γ

&

(s

1

)

12.33 ω (rad/s)

1.291n (min

1

)

が得られる。

なお,括弧内は使用する単位を示す。

附属書 図 1  共軸−二重円筒形

回転粘度計の測定システム形状

4.

測定の指針

a

)

注意点

1

)

共軸

2

重円筒は,内外筒の軸を正確に一致させることが必要である。

2

)

内筒回転粘度計は,低粘度液体の計測時にはテイラー流れの発生限界が測定回転数の上限となる。

b

)

校正  粘度計の校正には,JIS Z 8809 に規定する標準液の使用が望ましい。

c

)

指針

1

)

測定点は,

τ

又は γ

&を等比数列をなすように選ぶことが推奨される。

2

)

τ

と γ

&の関係が原点を通る直線で表されるときはニュートン性液体であり,単一の粘度で表現され

る。

3

)

測定値の有効数字は,粘度計の精度によって決められるものである。一般的に,

3

けた以上の表現

はほとんど無意味である。

4

)

一般に,粘度は温度に敏感であり,試料の温度は常に記録する必要がある。

5

)

高粘度・高せん断速度の測定時には,せん断流動による発熱が試料の温度上昇をもたらすので注意

が必要である。


9

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附属書 2(参考)  円すい−平板システム

この附属書(参考)は、本体に関連する事柄を記述するものであり、規定の一部ではない。

1.

特徴  測定システムは,回転する円すいと固定平板又はその逆の場合からなる(附属書 図 参照)。

円すいと平板とがなす角は,できる限り小さくし,

1

°を超えないことが望ましく,

4

°は超えてはなら

ない。角度が

1

°を超える場合は,測定結果報告書に記入する。小さい角度であれば,円すいと平板の隙

間のせん断速度は一定と考えてよい。

附属書 図 1  円すい−平板システムの形状

2.

測定原理及び計算法

α

0.05 rad

(すなわち,

α

3

°)の場合には,せん断応力及びせん断速度の

計算に,次の式が適用できる。

)

2

/(

3

3

Γ

=

π

τ

M

 (1)

α

ω

γ

/

=

&

 (2)

ここに,

τ

:せん断応力

 (Pa)

γ

&:せん断速度

 (s

1

)

M

:トルク

 (N

m)

Γ

:円すいの半径

 (m)

α

:円すいと平板のなす角

 (rad

1 rad

180

°

/    π )

ω

:角速度

 (rad/s)

円すいと平板の接触による摩擦を避けるために,先端を切り取った円すいを用いることがある。この構

造は,粒子を含むスラリーでは有効である。

円すい−平板システムは,円すいの回転軸が平板に垂直になるように正確に合わせ,また,円すいの頂

点と平板の接触点を正しくセット(又は先端を切り取った円すいの場合には,すき間を厳密にセット)す

る必要がある。

また,スラリー試料を円すいと平板の間に適切に充てんする(過剰充てん及び充てん不足を避ける)

備考

温度によってすき間の間隔が変わることも考慮しなければならない。


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3.

この方法でスラリー粘度を測定する場合の留意事項  この方法では,少量の試料スラリー量で流動曲

線が測定できるが,液量が少なく液の深さが浅いため,乾燥及び粒子の沈降の影響が他の測定法に比べ現

れやすい。乾燥及び沈降しやすいスラリーでは,容器の密封又は速やかな測定を必要とする。乾燥は,円

すいのヘリなどで特に観察される。


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附属書 3(参考)  ブルックフィールド形単一円筒回転粘度計

この附属書(参考)は、本体に関連する事柄を記述するものであり、規定の一部ではない。

1. 

粘度計の種類とスピンドル,回転数の選択方法  ブルックフィールド形粘度計の種類は,

A

B

C

及び

SB

型がある(スピンドルの詳しい形状,寸法は JIS K 7117-を参照)

。スピンドルの種類と回転数に

よって測定可能な粘度の最大値がある。スラリー試料の粘度がおおむね分かっている場合は,粘度計に付

属している各スピンドルと回転数の組合せでの測定可能粘度範囲の数値に基づいてスピンドルの種類と回

転数を選択する。

結果を比較する場合には,例えそのスピンドルの望ましい使用範囲を外れ,単に許容されているだけの

範囲で用いることになっても,異なったスピンドルを用いるより同じスピンドルを用いた方がよい。

測定する粘度の値が未知な場合には,粘度計の付表の要求事項に合致するまで,順次大きい番号からは

じめてスピンドルを交換して測定を行う。

2. 

ガード  ガードの種類及び寸法は,JIS K 7117-を参照する。セラミックススラリーではガードを使

用した場合の方が,せん断速度を決定できる回転粘度計の測定結果に近い値が得られる傾向があり,使用

することを推奨する。